JP2001280496A - エンジンの潤滑材被覆付きピストン - Google Patents

エンジンの潤滑材被覆付きピストン

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JP2001280496A
JP2001280496A JP2000090042A JP2000090042A JP2001280496A JP 2001280496 A JP2001280496 A JP 2001280496A JP 2000090042 A JP2000090042 A JP 2000090042A JP 2000090042 A JP2000090042 A JP 2000090042A JP 2001280496 A JP2001280496 A JP 2001280496A
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piston
lubricant
peripheral surface
thrust
thrust direction
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JP2000090042A
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Kazuhiro Higuchi
和弘 樋口
Akira Hayatani
章 早谷
Osamu Yoshii
理 吉井
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Kubota Corp
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Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スカート部外周面の楕円長径寸法が、潤滑材
で大きくなることを無くして、ピストンをシリンダに組
み込み易くする。ピストンの焼付きを防止する。スラス
ト方向の外径寸法に誤差が生じる事を無くす。ピストン
の冷却性能を高める。 【解決手段】 スラスト両脇周面部分8には潤滑材6を
被覆させるのに対し、スラスト方向周面部分7には潤滑
材6を被覆させないで、スラスト方向周面部分7にピス
トン1を形成する金属材料の金属面を露出させる。スラ
スト方向周面部分7の潤滑材6を被覆しない非被覆領域
でのピストン軸心を中心とする開角は40°〜50°の
範囲内に設定する。スラスト両脇周面部分8に、そのほ
ぼ全高および全幅を塗りつぶす状態となるように、潤滑
材6を連続して被覆した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのスカー
ト部の外周面に潤滑材を被覆させた、潤滑材被覆付きピ
ストンに関する。
【0002】
【前提構成】本発明のエンジンの潤滑材被覆付きピスト
ンは、例えば図1(本発明)、または図6・図7(従来
技術)に示すように、次の前提構成を有するものを対象
とする。図1は本発明のエンジンの潤滑材被覆付きピス
トンの実施形態1を示す、ピストンの斜視図である。図
6は従来技術1を示すピストンの正面図、図7は従来技
術2を示すピストンの側面図である。
【0003】ピストン(1)の冷間時でのスカート部(2)
の外周面(3)の形状は、ピンボス方向(4)が短径でスラ
スト方向(5)が長径となる楕円形状に形成する。そし
て、スカート部外周面(3)に潤滑材(6)を被覆させたも
のである。
【0004】
【従来の技術】上記前提構成において、スカート部外周
面(3)に潤滑材(6)を被覆するための構成として、従来
技術では次のものがある。 ○ 従来技術1. 図6参照. 実用新案登録第252
9001号公報. ○ 従来技術2. 図7参照. 実用新案登録第251
1306号公報.
【0005】この従来技術1も従来技術2も、ピストン
(1)のスカート部(2)の外周面(3)において、その周方
向の全周に亘って潤滑材(6)を被覆させたものである。
なお、図6・図7において、符号(14)は非被覆部分であ
り、この非被覆部分(14)には潤滑材(6)を被覆させてい
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術1および
従来技術2では、次の問題点がある。 [ イ. スカート部外周面(3)の楕円長径寸法が、潤
滑材(6)によって大きくなるため、ピストン(1)をシリ
ンダに組み込み難くなる。 ]
【0007】エンジンの長期使用により、スカート部
(2)の外周面(3)に被覆した潤滑材(6)が経年変化で薄
くなったときでも、ピストン(1)とシリンダとの嵌合隙
間を所定値以下の微小隙間に保持して、ピストンスラッ
プを所定値以下に保持する必要がある。このために、ス
カート部外周面(3)の周方向楕円形状のスラスト方向
(5)の長径は、潤滑材(6)の被覆の有無に拘わらず、所
定の寸法となるように、製造されている。
【0008】従来技術1・従来技術2では、スラスト方
向周面部分(7)にも潤滑材(6)を被覆してあるので、ス
カート部外周面(3)のスラスト方向(5)の楕円長径寸法
が潤滑材(6)の被覆の厚み分だけ大きくなる。これによ
り、ピストン(1)の組み付け時に、スカート部外周面
(3)の楕円長径寸法が大きくなって、ピストン(1)をシ
リンダに組み込み難くなる。
【0009】[ ロ. 潤滑材(6)の被覆厚さのばらつ
きにより、スカート部外周面(3)のスラスト方向(5)の
外径寸法に誤差が生じる。 ]
【0010】スカート部外周面(3)に潤滑材(6)を被覆
処理してから、潤滑材被覆付きピストン(1)が完成す
る。完成したピストン(1)の仕上がり寸法精度の検査の
重要項目として、スカート部外周面(3)のスラスト方向
(5)の外径寸法が挙げられる。
【0011】従来技術1・従来技術2では、このスカー
ト部外周面(3)のスラスト方向(5)の外径寸法を測定す
る場合において、潤滑材(6)が介在しているので、潤滑
材(6)の被覆厚さのばらつきによりそのスカート部外周
面(3)のスラスト方向(5)の外径寸法に誤差が生じる。
【0012】[ ハ. ピストン(1)の熱がスラスト方
向周面部分(7)からシリンダに放熱されるのを、潤滑材
(6)で邪魔されるため、ピストン(1)の冷却性能が低下
する。 ]
【0013】周知のとおり、エンジンの運転時には、燃
焼室の燃焼熱で加熱されたピストン(1)にこもる熱を、
シリンダに最も強く接触するスラスト方向周面部分(7)
からシリンダに伝わせて、外部へ放熱し、ピストン(1)
が過熱しないようにする必要がある。
【0014】従来技術1・従来技術2では、スラスト方
向周面部分(7)にも潤滑材(6)を被覆させてある事か
ら、ピストン(1)の熱がスラスト方向周面部分(7)から
シリンダに放熱されるのを、熱伝導率の低い潤滑材(6)
で邪魔される分だけ、ピストン(1)の冷却性能が低下す
る。
【0015】本発明の課題は、次のようにすることにあ
る。 (イ). スカート部外周面の楕円長径寸法が、潤滑材
によって大きくなることを無くして、ピストンをシリン
ダに組み込み易くする。 (ロ). エンジンの過負荷運転時に、焼付きが生じや
すいスラスト両脇周面部分を潤滑材で潤滑させる事によ
り、そのスラスト両脇周面部分からのピストンの焼付き
を防止する。
【0016】(ハ). 潤滑材の被覆厚さのばらつきに
よりそのスカート部外周面のスラスト方向の外径寸法に
誤差が生じる事を、無くす。 (ニ). ピストンの熱がスラスト方向周面部分からシ
リンダに放熱されるのを潤滑材で邪魔されないようにし
て、ピストンの冷却性能を高める。
【0017】(ホ). 上記課題「(イ).ピストンを
シリンダに組み込み易くする事]および[ニ.ピストン
の冷却性能を高める事」と、「(ロ).スラスト両脇周
面部分からのピストンの焼付きを防止する事」との相反
する機能を、バランス良く実現する。 (ヘ). ピストン外周面の非被覆領域の開角を大きく
して、上記課題「(イ).ピストンをシリンダに組み込
み易くする事」および「(ニ).ピストンの冷却性能を
高める事」を更に向上する。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のエンジンの潤滑
材被覆付きピストンは、上記前提構成において、上記課
題を解決するために、例えば図1−図5に示すように、
スカート部外周面(3)に潤滑材(6)を被覆するための構
成として、次の特徴構成を追加したことを特徴とする。
【0019】図1−図3は本発明のエンジンの潤滑材被
覆付きピストンの実施形態1を示す。図1はピストンの
斜視図、図2はピストンの正面図、図3は図2のIII−I
II線断面矢視図である。図4は本発明の実施形態2を示
す、ピストンの正面図である。図5は本発明の実施形態
3を示す、ピストンの正面図である。
【0020】 ○ 発明1. 請求項1. 図1−図5参照. スカート部外周面(3)のうち、スラスト方向(5)に位置
する周面部分をスラスト方向周面部分(7)と呼び、この
スラスト方向周面部分(7)の左右両脇の部分をスラスト
両脇周面部分(8)と呼ぶことにする。この場合におい
て、このスラスト両脇周面部分(8)には潤滑材(6)を被
覆させるのに対して、スラスト方向周面部分(7)には潤
滑材(6)を被覆させないで、このスラスト方向周面部分
(7)にピストン(1)を形成する金属材料の金属面を露出
させて構成したものである。
【0021】 ○ 発明2. 請求項2. 図1−図3参照. この発明2は、上記発明1において、つぎの構成を追加
したものである。前記スラスト方向周面部分(7)の潤滑
材(6)を被覆しない非被覆領域(9)でのピストン軸心(1
0)を中心とする開角(Θ1)は40°〜50°の範囲内に
設定したものである。
【0022】 ○ 発明3. 請求項3. 図1−図3参照. この発明3は、上記発明1または発明2において、つぎ
の構成を追加したものである。前記スラスト両脇周面部
分(8)に、そのほぼ全高および全幅を塗りつぶす状態と
なるように、潤滑材(6)を連続して被覆したものであ
る。
【0023】
【発明の効果】本発明のエンジンの潤滑材被覆付きピス
トンは、つぎの効果を奏する。 ○ 発明1. 請求項1. 図1−図5参照 図1−図3は本発明のエンジンの潤滑材被覆付きピスト
ンの実施形態1を示す。図1はピストンの斜視図、図2
はピストンの正面図、図3は図2のIII−III線断面矢視
図である。図4は本発明の実施形態2を示す、ピストン
の正面図である。図5は本発明の実施形態3を示す、ピ
ストンの正面図である。
【0024】[ イ. スカート部外周面(3)の楕円長
径寸法が、潤滑材(6)によって大きくなることを無くし
て、ピストン(1)をシリンダに組み込み易くする。 ]
【0025】エンジンの長期使用により、スカート部
(2)の外周面(3)に被覆した潤滑材(6)が経年変化で薄
くなったときでも、ピストン(1)とシリンダとの嵌合隙
間を所定値以下の微小隙間に保持して、ピストンスラッ
プを所定値以下に保持する必要がある。このために、ス
カート部外周面(3)の周方向楕円形状のスラスト方向
(5)の長径は、潤滑材(6)の被覆の有無に拘わらず、所
定の寸法となるように、製造されている。
【0026】本発明1では、スラスト方向周面部分(7)
には潤滑材(6)を被覆しない事により、スカート部外周
面(3)のスラスト方向(5)の楕円長径寸法が潤滑材(6)
の被覆の厚み分だけ大きくなることを、無くしている。
これにより、ピストン(1)の組み付け時に、スカート部
外周面(3)の楕円長径寸法が大きくなって、ピストン
(1)をシリンダに組み込み難くなることを解消して、ピ
ストン(1)をシリンダに組み込み易くすることができ
る。
【0027】[ ロ. エンジンの過負荷運転時に、焼
付きが生じやすいスラスト両脇周面部分(8)を潤滑材
(6)で潤滑させる分だけ、そのスラスト両脇周面部分
(8)からのピストン(1)の焼付きを防止する。 ]
【0028】スカート部外周面(3)は、エンジン運転前
の冷間時の楕円形状から、エンジン運転中の熱間時に熱
膨張して、真円形状になっていく。このときのスカート
部外周面(3)の周方向の各部の熱膨張量は、周知のとお
りピンボス(11)により肉厚が大きくなるピンボス方向
(4)で最大となり、スラスト方向(5)で最小となり、ス
ラスト両脇周面部分(8)ではピンボス(11)の大きな熱膨
張の影響を受けて比較的大きく変形される。このため、
エンジンの高負荷ないし過負荷運転時には、スラスト両
脇周面部分(8)の箇所でピストン(1)がシリンダに最も
焼き付き易くなる傾向にある。
【0029】本発明1では、このエンジンの過負荷運転
時に、焼き付きが生じやすいスラスト両脇周面部分(8)
は、潤滑材(6)が被覆されていて、良好に潤滑される分
だけ、このスラスト両脇周面部分(8)の箇所からピスト
ン(1)がシリンダに焼き付くことを防止できる。
【0030】[ ハ. 潤滑材(6)の被覆厚さのばらつ
きによりそのスカート部外周面(3)のスラスト方向(5)
の外径寸法に誤差が生じる事を、無くす。 ]
【0031】スカート部外周面(3)に潤滑材(6)を被覆
処理してから、潤滑材被覆付きピストン(1)が完成す
る。完成したピストン(1)の仕上がり寸法精度の検査の
重要項目として、スカート部外周面(3)のスラスト方向
(5)の外径寸法が挙げられる。
【0032】本発明1では、このスカート部外周面(3)
のスラスト方向(5)の外径寸法を測定する場合におい
て、潤滑材(6)が介在しないので、潤滑材(6)の被覆厚
さのばらつきによりそのスカート部外周面(3)のスラス
ト方向(5)の外径寸法に誤差が生じる事を、無くすこと
ができる。
【0033】[ ニ. ピストン(1)の熱がスラスト方
向周面部分(7)からシリンダに放熱されるのを潤滑材
(6)で邪魔されないようにして、ピストン(1)の冷却性
能を高める。 ]
【0034】周知のとおり、エンジンの運転時には、燃
焼室の燃焼熱で加熱されたピストン(1)にこもる熱を、
シリンダに最も強く接触するスラスト方向周面部分(7)
からシリンダに伝わせて、外部へ放熱し、ピストン(1)
が過熱しないようにする必要がある。
【0035】本発明1では、スラスト方向周面部分(7)
には潤滑材(6)を被覆させない事から、ピストン(1)の
熱がスラスト方向周面部分(7)からシリンダに放熱され
るのを、熱伝導率の低い潤滑材(6)で邪魔されることが
無くなる分だけ、ピストン(1)の冷却性能を高める事が
できる。
【0036】 ○ 発明2. 請求項2. 図1−図3参照 本発明2は、上記発明1の効果[イ]ないし[ニ]に加
えて、つぎの効果を奏する。 [ ホ. 上記効果[イ.ピストン(1)をシリンダに組
み込み易くする事]および[ニ.ピストン(1)の冷却性
能を高める事]と、[ロ.スラスト両脇周面部分(8)か
らのピストン(1)の焼付きを防止する事]との相反する
機能をバランス良く実現できる。 ]
【0037】発明1のエンジンの潤滑材被覆付きピスト
ンにおいて、 前記スラスト方向周面部分(7)の潤滑材
(6)を被覆しない非被覆領域(9)でのピストン軸心(10)
を中心とする開角(Θ1)は40°〜50°の範囲内に設
定した。
【0038】上記潤滑材(6)の非被覆領域(9)がその4
0゜以下に小さくなる場合には、上記効果[イ.スカー
ト部外周面(3)の楕円長径寸法が、潤滑材(6)によって
大きくなることを無くして、ピストン(1)をシリンダに
組み込み易くする事]および[ニ.ピストン(1)の熱が
スラスト方向周面部分(7)からシリンダに放熱されるの
を潤滑材(6)で邪魔されないようにして、ピストン(1)
の冷却性能を高める事]が低下する。
【0039】本発明2では、上記潤滑材(6)の非被覆領
域(9)を40゜以上に大きく設定しているので、上記効
果[イ.スカート部外周面(3)の楕円長径寸法が、潤滑
材(6)によって大きくなることを無くして、ピストン
(1)をシリンダに組み込み易くする事]および[ニ.ピ
ストン(1)の熱がスラスト方向周面部分(7)からシリン
ダに放熱されるのを潤滑材(6)で邪魔されないようにし
て、ピストン(1)の冷却性能を高める事]が低下するの
を、防ぐことができる。
【0040】また、その潤滑材(6)の非被覆領域(9)が
50゜以上に大きくなる場合には、上記効果[ロ.エン
ジンの過負荷運転時に、焼付きが生じやすいスラスト両
脇周面部分(8)を潤滑材(6)で潤滑させる分だけ、その
スラスト両脇周面部分(8)からのピストン(1)の焼付き
を防止する事]が低下する。
【0041】本発明2では、上記潤滑材(6)の非被覆領
域(9)を50゜以下に小さく設定しているので、上記効
果[ロ.エンジンの過負荷運転時に、焼付きが生じやす
いスラスト両脇周面部分(8)を潤滑材(6)で潤滑させる
分だけ、そのスラスト両脇周面部分(8)からのピストン
(1)の焼付きを防止する事]が低下するのを、防ぐこと
もできる。
【0042】 ○ 発明3. 請求項3. 図1−図3参照 本発明3は、上記発明1の効果[イ]ないし[ニ]に加
えて、つぎの効果を奏する。 [ ヘ. 非被覆領域(9)の開角(Θ1)を大きくでき
て、上記効果[イ.ピストン(1)をシリンダに組み込み
易くする事]および[ニ.ピストン(1)の冷却性能を高
める事]を更に向上できる。 ]
【0043】前記発明1または発明2の潤滑材被覆付き
ピストンにおいて、 前記スラスト両脇周面部分(8)
に、そのほぼ全高および全幅を塗りつぶす状態となるよ
うに、潤滑材(6)を連続して被覆した。
【0044】この構成から、潤滑材(6)の必要被覆面積
にたいして、スラスト両脇部分(8)での潤滑材(6)の被
覆領域(12)のピストン軸心(10)を中心とする開角(Θ2)
を小さくする事ができる。
【0045】これにより、その潤滑材(6)の被覆領域(1
2)の開角(Θ2)が小さくなった分だけ、スラスト方向周
面部分(7)での非被覆領域(9)の開角(Θ1)を大きくで
きて、上記効果[イ.スカート部外周面(3)の楕円長径
寸法が、潤滑材(6)によって大きくなることを無くし
て、ピストン(1)をシリンダに組み込み易くする事]お
よび[ニ.ピストン(1)の熱がスラスト方向周面部分
(7)からシリンダに放熱されるのを潤滑材(6)で邪魔さ
れないようにして、ピストン(1)の冷却性能を高める
事]を更に向上できる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエンジンの潤滑材
被覆付きピストンの実施の形態を、図面に基き説明す
る。
【0047】○ 実施形態1. 請求項1・2・3.
図1−図3参照 図1−図3は本発明のエンジンの潤滑材被覆付きピスト
ンの実施形態1を示す。図1はピストンの斜視図、図2
はピストンの正面図、図3は図2のIII−III線断面矢視
図である。
【0048】図1−図3において、符号(1)はエンジン
のアルミ合金製のピストン(1)、(2)はスカート部、
(6)は潤滑材、(10)はピストン軸心、(11)はピンボス、
(13)は熱膨張抑制用のインバ鋼製補強板である。潤滑材
(6)は、ポリアミドイミド樹脂に2硫化モリブデン(M
oS〓)を混合したものからなる。熱膨張抑制用のイン
バ鋼製補強板(13)は、ピストン(1)にインサート鋳造さ
れて、ピストンの熱膨張を抑制するものである。
【0049】このピストン(1)の冷間時でのスカート部
(2)の外周面(3)の形状は、ピンボス方向(4)が短径で
スラスト方向(5)が長径となる楕円形状に形成してあ
る。スカート部外周面(3)には、潤滑材(6)を被覆させ
てある。この潤滑材(6)の被覆は、スプレーコーティグ
またはスクリーンコーティングなどにより、施す。ここ
では、説明の便宜上、スカート部外周面(3)のうち、ス
ラスト方向(5)に位置する周面部分をスラスト方向周面
部分(7)と呼び、このスラスト方向周面部分(7)の左右
両脇の部分をスラスト両脇周面部分(8)と呼ぶことにす
る。
【0050】この場合において、このスラスト両脇周面
部分(8)には潤滑材(6)を被覆させるのに対して、スラ
スト方向周面部分(7)には潤滑材(6)を被覆させない
で、このスラスト方向周面部分(7)にピストン(1)を形
成する金属材料の金属面を露出させて構成する。
【0051】前記スラスト方向周面部分(7)の潤滑材
(6)を被覆しない非被覆領域(9)でのピストン軸心(10)
を中心とする開角(Θ1)は、40°〜50°の範囲内の
うち、特に45゜に設定したものである。そして、前記
スラスト両脇周面部分(8)に、そのほぼ全高および全幅
を塗りつぶす状態となるように、潤滑材(6)を連続して
被覆したものである。
【0052】 ○ 実施形態2. 請求項1・2. 図4参照. この実施形態2は、上記実施形態1の構成において、そ
の一部を図4のように変更したものである。図4は本発
明の実施形態2を示す、ピストンの正面図である。この
図4に示すように、前記潤滑材(6)はスラスト両脇周面
部分(8)に、縦縞状に被覆したものである。
【0053】 ○ 実施形態3. 請求項1・2. 図5参照 この実施形態3は、上記実施形態1の構成において、そ
の一部を図5のように変更したものである。図5は本発
明の実施形態3を示す、ピストンの正面図である。この
図5に示すように、前記潤滑材(6)はスラスト両脇周面
部分(8)に、横縞状に被覆したものである。
【0054】 ○ 実施形態4. 請求項1・2. 図は省略. この実施形態4は、図は省略したが、上記実施形態1の
構成において、前記潤滑材(6)はスラスト両脇周面部分
(8)に、格子縞状に被覆したものである。
【0055】 ○ 実施形態5. 請求項1・2. 図は省略. この実施形態5は、図は省略したが、上記実施形態1の
構成において、前記潤滑材(6)はスラスト両脇周面部分
(8)に、斜め45゜に傾斜させた斜め格子縞状に被覆し
たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1−図3は本発明のエンジンの潤滑材被覆付
きピストンの実施形態1を示す。図1はピストンの斜視
図である。
【図2】ピストンの正面図。
【図3】図2のIII−III線断面矢視図。
【図4】本発明の実施形態2を示す、ピストンの正面
図。
【図5】本発明の実施形態3を示す、ピストンの正面
図。
【図6】従来技術1を示す、ピストンの正面図。
【図7】従来技術2を示す、ピストンの側面図。
【符号の説明】
1…ピストン. 2…スカート部. 3…外周面. 4
…ピンボス方向. 5…スラスト方向. 6…潤滑材.
7…スラスト方向周面部分. 8…スラスト両脇周面
部分. 9…非被覆領域. 10…ピストン軸心. Θ
1…開角。
フロントページの続き (72)発明者 吉井 理 大阪府堺市築港新町3丁8番 株式会社ク ボタ堺臨海工場内 Fターム(参考) 3J044 AA12 BC04 CA14 DA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン(1)の冷間時でのスカート部
    (2)の外周面(3)の形状は、ピンボス方向(4)が短径で
    スラスト方向(5)が長径となる楕円形状に形成し、 スカート部外周面(3)に潤滑材(6)を被覆させた、エン
    ジンの潤滑材被覆付きピストンにおいて、 スカート部外周面(3)のうち、スラスト方向(5)に位置
    する周面部分をスラスト方向周面部分(7)と呼び、この
    スラスト方向周面部分(7)の左右両脇の部分をスラスト
    両脇周面部分(8)と呼ぶことにした場合において、 このスラスト両脇周面部分(8)には潤滑材(6)を被覆さ
    せるのに対して、スラスト方向周面部分(7)には潤滑材
    (6)を被覆させないで、このスラスト方向周面部分(7)
    にピストン(1)を形成する金属材料の金属面を露出させ
    て構成した、 ことを特徴とするエンジンの潤滑材被覆付きピストン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエンジンの潤滑材被覆
    付きピストンにおいて、 前記スラスト方向周面部分(7)の潤滑材(6)を被覆しな
    い非被覆領域(9)でのピストン軸心(10)を中心とする開
    角(Θ1)は40°〜50°の範囲内に設定した、ことを
    特徴とするもの。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のエンジンの潤
    滑材被覆付きピストンにおいて、 前記スラスト両脇周面部分(8)に、そのほぼ全高および
    全幅を塗りつぶす状態となるように、潤滑材(6)を連続
    して被覆した、ことを特徴とするもの。
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