JPS5851387Y2 - 内燃機関のピストン - Google Patents

内燃機関のピストン

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JPS5851387Y2
JPS5851387Y2 JP8206879U JP8206879U JPS5851387Y2 JP S5851387 Y2 JPS5851387 Y2 JP S5851387Y2 JP 8206879 U JP8206879 U JP 8206879U JP 8206879 U JP8206879 U JP 8206879U JP S5851387 Y2 JPS5851387 Y2 JP S5851387Y2
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JP
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piston
cast iron
wall
combustion chamber
deep
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JP8206879U
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JPS562041U (ja
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信一 岡村
直喬 村木
行紀 大石
光雄 町田
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日産デイ−ゼル工業株式会社
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【考案の詳細な説明】 本考案は深皿形燃焼室を備えた内燃機関のビスにンに関
する。
現在内燃機関、特に高速形機関のピストンは殆んどアル
ミ合金製のピストンで占められている。
これは、アルミ合金製ピストンが鋳鉄製ピストンに比較
して軽量であること、熱伝導率が高いためピストン温度
を低下できること、鋳鉄製シリンダライチとのなじみ性
が良いこと等の利点を備えているためである。
しかしながら、他方アルミ合金製ピストンには、温度上
昇に対する強度低下が著しいというアルミ合金の特性の
ため高負荷型機関に使用された場合高熱負荷によって燃
焼室のエッヂ部分等の脆弱部から亀裂を生じ易いという
大きなマイナス面がある。
又、アルミ合金は熱膨張率が大きいから、高負荷運転時
におけるピストン外径の膨張によるシリンダ壁との焼き
付きを防止するため、予めピストン外周壁とシリンダ壁
とのクリアランスが充分大きく採られているが、低負荷
運転時には該クリアランスによりピストン周壁とシリン
ダ壁との衝撃が大きくなりスラップ音と称される騒音を
発生するものであった。
このように高負荷型機関ではアルミ合金製ピストンのマ
イナス面が増大するため低速高負荷型の浅皿型燃焼室の
ピストンが使用される一部の機関には鋳鉄製ピストンを
採用したものもある。
しかしながら、深皿型燃焼室を備えたピストンでは浅皿
型燃焼室に比べて剛性の補強を厳しく要求され補強リブ
の取付箇所を増大する必要があるため鋳鉄製ピストンで
は重量の増加が著しくなり現状では高速高負荷型機関に
使用するのは困難な状態となっている。
このことを低速機関においては使用されている浅皿型燃
焼室を備えた鋳鉄製ピストンの一般的な構造を示す第1
図及び深皿型燃焼室を備えた鋳鉄製ピストンの一般的な
構造を示す第2図によって具体的に説明する。
鋳鉄製ピストンは重量軽減のため極力肉厚を薄くしであ
るが、これにより、ピストンの変形、歪が増大しピスト
ンの最も弱い部分即ち歪の大きい所とシリンダ壁とが局
部的に強い当りを発生してカジリ、焼き付きを招き易く
なるため、第1図のもののように剛性の弱い箇所やシリ
ンダ壁と接するスカート部の下部に補強用のリブ1,2
をつげたり、スカート部3を全周に亘って設けたりして
いる。
又、ピストンの頂壁や燃焼室が爆発圧力を受けることに
より各部に生じる変形を均一化してピストン外周面のプ
ロフィルの変形を極力小さくかつ緩やかなものとする必
要があり特に深皿型燃焼室においては浅皿型燃焼室より
ピストン頂部の剛性が弱いために第2図のようにピスト
ン内周面と燃焼室形成壁裏面との間に浅皿型以上に多数
の補強リブ4を放射状に設けたりピストンピンボス部近
傍にもリプを設けたりする必要がある。
このように従来の鋳鉄型ピストンでは主として外周面プ
ロフィルの変形を抑制することのために補強リブの取付
箇所が増大して重量の著しい増加を伴なうことが最大の
欠点となり、この結果他面ではアルミ合金製ピストンに
優れる種々の特長を備えているにも拘らず、高速形機関
への採用を困難としていたのである。
また一部に実用化したものもあるが、剛性不足によるカ
ジリ、焼付きを防止するため特殊な処理を施したライナ
ーを用いる必要があった。
本考案はかかる従来の実情に鑑み為されたもので、補強
リブの取り付は箇所を最小限に抑制して、なおりシリ焼
き付きを防ぐような構成とし、かつ特殊ライナーを使用
しなくともよい鋳鉄製の軽量深皿燃焼室型ピストンを提
供するものであり、もってアルミ合金製ピストンの長所
と鋳鉄製ヒストンの長所とを兼ね備えた鋳鉄製ピストン
の高速形機関への適用を可能としたものである。
以下に本考案を図示する実施例に基づいて説明する。
第3図A−Dに示す本考案に係るピストンPは球状黒鉛
鋳鉄、パーライト可鍛鋳鉄等で代表される高張力鋳鉄に
より一体に鋳造される。
ピストンP頂部にはトロイダル形状の深皿燃焼室11が
形成され、ピストンPの外周壁は、全体に薄肉の柔構造
に形成されている。
すなわち燃焼室11の形成壁あるいはリング溝12形成
部周壁、ピストンピンボス部など特に剛性の要求される
部分には、負荷に耐え得る肉厚を確保し、他の部分(ピ
ストンスカート部16など)の肉厚は、弾性変形限度内
でなるべく薄肉となるようにしである。
そしてピストンPの外周面には、変形した際に局部面圧
の上昇によって局部当りや焼き付きが発生しやすくなる
ピストン外周壁のピストンスカート部16やリングラン
ド部19などに錫メッキ、亜鉛メッキ等の軟質金属メッ
キ層14が変形量を上回る厚さで被膜される。
実際には、この軟質メッキ層14は少なくとも10μm
以上(10〜60μm程度が適当)の厚さで被膜される
かかる厚さの軟質金属メッキ層14を設けることにより
ピストンP外周面が爆発圧力、熱応力により変形を生じ
シリンダ壁と接触した場合極度に当りの強い部分は軟質
金属メッキ層14が削り取られ自動的に最適な外周面の
プロフィルが得られる為外周面のプロフィル径をあらか
じめ大きくすることができるので比較的変形量の少ない
低負荷運転時Oピストン外周面とシリンダ壁とのクリア
ランスも最小限に抑制されスラップ音を効果的に抑制で
きる。
このことは外周面プロフィルの変形を見越した高精度の
プロフィル設計が不必要となるため、生産性向上にもつ
ながる。
また軟質金属メッキ層14によって鋳鉄粗雑がじかに露
出せず、従って鋳鉄粗雑のピストンとライナーとが直接
当ることを防ぎ、しかも軟質金属メッキは潤滑油膜の保
持が非常に良好であるため、自動的に最適な外周面プロ
フィルとなることと合わせてスカッフや焼き付きの危険
からシリンダ壁(シリンダライナ)、ピストンを保護す
ることもできる。
又、従来の場合は鋳鉄製のピストンと鋳鉄製のシリンダ
壁とが直接接触した場合にはなじみ性が悪く又、シリン
ダ壁に鏡面摩耗を生じ易いため、シリンダ壁にクロムメ
ッキを施したりリン酸被膜処理や軟窒化処理等の高価に
つく表面硬化処理を施すことを必要としたが、軟質金属
メッキを施せば鋳鉄粗雑のままのシリンダ壁と極めて良
好になじむからシリンダ壁への上記表面硬化処理が不要
となりこの面でのコストメリットにも優れる。
そして、かかる軟質金属メッキ層によるピストン外周面
のプロフィル保持機能に伴なってピストン周壁の変形を
相半量許容できることと、最小限の補強リブで極めて効
果的なピストンの補強を行なわせることによって軽量化
を著しく促進した鋳鉄製ピストンが得られるのである。
即ち、本考案では補強リブは図示しないコネクティング
ロッド小端部を挾んで両側に形成される一対のピストン
ピンボス部13と深皿燃焼室11形成壁の裏面とを結ぶ
一対の補強リブ15だげを設ける。
かかる補強リブ15はピストンピンボス部13の軸線と
直角な方向に延設され、該補強リブ15と燃焼室11壁
、頂壁、周壁、ピストンボス部13上壁とで形成される
箱型形状によりピストンPの剛性、特にスラスト荷重に
対する剛性が著しく強化され、該スラスト荷重によって
生じようとするピストンの変形(殊に外周面の変形)を
前記軟質金属メッキ層の形成によって許容される変形量
以下に充分に抑制することができる。
この結果性の箇所への補強リブの形成が不要となるのみ
ならずピストン全体を薄肉構造とすることができピスト
ンを大幅に軽量化することができる。
又、本実施例では前記した箱型形状としたことによりピ
ストンが全体的に補強される結果下記するようにスラス
ト及び反スラスト側を除く比較的弱い剛性で足りる部分
の肉厚をさらに減少させたりカットしたりすることが可
能になり軽量化をより積極的に進めることができる。
即ち、ピストン軽量化対策として、ピストンスカート部
16はピストン外径に対する肉厚の比が0.0.15〜
0.025程度まで肉厚を低減し、かつ図示の如く、ス
ラスト力を受ける為要求されるスラスト及び反スラスト
側にだけ設けられ、他の部分は大きくカットしである。
又、ピストンビスボス部13の外端部側のピストン外周
壁両側部をボス部13の軸線と直角な平面によって大幅
に削り取っである。
この結果前記した如くスラスト及び反スラスト側を除く
スカート部分がカットされると共に、ピストンピンボス
部13上方の両側部に相当するピストン周壁部分にくり
抜き孔11が形成され軽量化は著しく進められる。
さらにピストン頂壁裏面の周縁部からリング溝形成壁裏
面につながる部分を環状に没入させていわゆるヒートダ
ム部18を設はピストン内周面面積の増大による冷却性
向上と軽量化の促進を同時に図っである。
こうしてピストン各部を削設し又は凹部を設けかつ全体
的に肉厚を薄肉とした柔構造とすることによりアルミ合
金製ピストンと同程度の重量を有した深皿燃焼室型鋳鉄
製ピストンが得られ、かかる鋳鉄製ピストンの高速用機
関への適用が可能となる。
そして該鋳鉄製ピストンは前記軽量性を満足すると共に
、軽量化の結果体積当りの表面積が増大することにより
冷却性をも満足し又、前記した如く鋳鉄製シリンダ壁(
シリンダライチ)を表面硬化処理を施すことなく使用で
きる等、従来鋳鉄製ピストンに優っていたアルミ合金製
ピストンの長所をことごとく満足し、かつ高負荷型アル
ミ合金製ピストンの欠点であった燃焼室エッヂ部分の毛
深を高熱負荷に対する耐久強度に優れた鋳鉄材料特性に
よって防止でき、又、軟質金属メッキ層によるピストン
外周面保持機能に加え熱膨張率が小さい鋳鉄材料特性に
よりピストンとシリンダ壁とのクリアランスを予め小さ
く設計できることによりスラップ騒音を大幅に低減でき
るという鋳鉄製ピストン本来の機能も得足するものであ
る。
以上説明したように、本考案に係る深皿燃焼室型鋳鉄製
ピストンによれば、ピストン外周面のシリンダ壁と当る
部分に施した厚い軟質金属メッキ層によりピストン外周
面のプロフィルを最適に保持し、かつ、ピストン外周壁
とシリンダ壁との当りを緩和してスラップ騒音を抑制で
きると共にかじり、スカッフィングを予防でき、又、鋳
鉄材製のシリンダ壁と良好になじみ、かつ、潤滑油膜を
生成して潤滑機能にも優れる。
又、ピストンピンボス部と深皿燃焼室形成壁裏面との間
にピストンピンの軸線方向とほぼ直角方向に延びる補強
リブを設けたことにより、スラスト荷重に対して必要最
低限な耐久強度を保持することができ、この結果スラス
ト及び反スラスト側を除くピストン周壁部分を大幅に削
り取りかつ平均肉厚を薄くした柔構造としてアルミ合金
製ピストンに匹敵する軽量ピストンが得られて近年の高
速高負荷機関への採用が可能となり軽量性、冷却性、シ
リンダ壁とのなじみ性等アルミ合金製ピストンの長所と
、高負荷時の耐久強度増大による燃焼室エッヂ部分等の
亀裂防止、スラップ音低減等鋳鉄製ピストンのもつ長所
とを併せもった理想的なピストンを得らせるのであり、
ひいては機関性能を著しく向上させることができるもの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図A、Bは従来の浅皿燃焼室型鋳鉄製ピストンの1
例を示す縦断面図及び底面図、第2図A。 Bは深皿燃焼室型にした場合の従来の手法による鋳鉄製
ピストンの例を示す縦断面図及び底面図、第3図Aは本
考案に係る深皿燃焼室形鋳鉄製ピストンの一実施例を示
す斜視図、同図Bは同図AのX−X断面矢視図、同図C
は同図AのY−Y断面矢視図、同図りは同図AのZ矢視
図である。 P・・・ピストン、11・・・深皿形燃焼室、13・・
・ピストンピンボス部、14・・・軟質金属メッキ層、
15・・・補強リブ、16・・・スカート部、1γ・・
・くり抜き孔、1B・・・ヒートダム部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 深皿形燃焼室を備えた内燃機関のピストンにおいて、高
    張力鋳鉄材料で薄肉構造に一体鋳造成形すると共に、外
    周面のシリンダ壁と当る部分に厚さ10μm以上の軟質
    金属メッキ層を施し、かつピストン頂部とピストンピン
    ボス部とを深皿形燃焼室形成壁面とピストンピンボス部
    とを結ぶピストンピンの軸線とほぼ直角な方向に延びる
    補強リプ及びピストン外周とで連結したことを特徴とす
    る内燃機関のピストン。
JP8206879U 1979-06-18 1979-06-18 内燃機関のピストン Expired JPS5851387Y2 (ja)

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JPS562041U JPS562041U (ja) 1981-01-09
JPS5851387Y2 true JPS5851387Y2 (ja) 1983-11-22

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JPS58158823U (ja) * 1982-04-20 1983-10-22 株式会社椿本チエイン 電磁クラツチ・ブレ−キのア−マチヤ支持構造
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