JPH06294413A - 軸受構造 - Google Patents

軸受構造

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JPH06294413A
JPH06294413A JP7686193A JP7686193A JPH06294413A JP H06294413 A JPH06294413 A JP H06294413A JP 7686193 A JP7686193 A JP 7686193A JP 7686193 A JP7686193 A JP 7686193A JP H06294413 A JPH06294413 A JP H06294413A
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JP7686193A
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Toshihiro Fukumasu
利広 福増
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適切なオイルリリーフ量の設定を図ることが
できると共に、低温始動性の向上と振動・騒音の低減を
図ることができる軸受構造を提供すること。 【構成】 軸受部材21〜24の断面形状を真円状とす
ると共に、ジャーナルJ1〜J4の断面形状を所定の長
円状とし、これらジャーナルJ1〜J4を、夫々軸受部
材21〜24に軸支させて、ジャーナルJ1〜J4の夫
々と、軸受部材21〜24の夫々との間に所定のオイル
リリーフ量dのオイルリリーフ31〜34を形成する。
またジャーナルJ1〜J4の断面長円の長軸が、各ジャ
ーナル及び該ジャーナルの軸受部材の一方より他方に印
加される荷重方向に位置するようにジャーナルと軸受部
材との相対位置を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軸受構造に関するもので
あり、特に内燃機関のクランクシャフトのジャーナル部
材を軸支する軸受構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関(エンジン)のシリンダブロッ
クに設けられるクランクシャフトのジャーナル部材を軸
支する軸受構造としては、例えば実開平2−10201
4号公報に開示されたものがある。
【0003】上記公報に開示された従来構造において
は、図10に示すように断面真円状のジャーナル部材9
1を軸支する軸受本体92が、シリンダブロック93に
組付けられた断面略半円状のアッパーメタル92aとク
ランクキャップ94に組付けられた断面略半円状のロア
ーメタル92bとより構成されている。
【0004】また、ジャーナル部材91と軸受本体92
との間には、ジャーナルクリアランス95とオイルリリ
ーフ96とが形成されており、ジャーナルクリアランス
95はジャーナル部材91の外周面全周に亘って一定の
クリアランス量で形成されている。一方、オイルリリー
フ96の量(オイルリリーフ量)は、アッパーメタル9
2aの頂部C及びロアーメタル92bの底部Dにおいて
最小となっていると共に、これら頂部C及び底部Dの夫
々より接合部A,Bに向かうにつれて漸減し、接合部A
及びBにおいて最大となるようになっている。
【0005】このため、上記従来の軸受構造において
は、軸受本体92のメタル厚がオイルリリーフ量とは逆
に、頂部C及びDにおいて最大となっていると共に、こ
れら頂部C及びDの夫々より接合部A,Bに向かうにつ
れて漸減し、接合部A及びBにおいて最小となるように
加工されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に、
V型エンジンの場合には、荷重のかかる方向が図11に
矢印L11及びL12で示すバンク角αの方向となるの
で、オイルリリーフ量を大きくすると軸受本体とジャー
ナル部材とのクリアランスが更に増大し、振動や騒音が
更に増大してしまうといった問題があった。
【0007】また、上述のようにオイルリリーフを形成
した軸受本体であっても、この軸受本体とシリンダブロ
ック等が異種材料より構成されている場合、例えば軸受
本体が鉄材で構成されていると共に、シリンダブロック
がアルミニウム材で構成されている場合には、両者の熱
膨張係数の差によって、低温領域においてはシリンダブ
ロック側の内径の方が縮小率が大きくなるので、クリア
ランスが小さくなって軸受摩擦が増大し、この結果エン
ジンの低温始動性の悪化を招いてしまうため、オイルリ
リーフ量をより一層大きくしなければならないといった
問題もあった。更に、高温領域においては上記と反対に
シリンダブロック側の拡大率が大きくなるので、クリア
ランスが大きくなって振動や騒音が増大してしまうとい
った問題もあった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みなされたものであ
り、軸受部材の断面形状を真円状とし、この軸受部材に
断面長円状のジャーナル部材を軸支させると共に、ジャ
ーナル部材の長円の長軸が印加荷重方向に位置するよう
にジャーナル部材と軸受部材との相対位置を設定するこ
とによって、適切なオイルリリーフ量の設定を図ること
ができると共に、低温始動性の向上と振動・騒音の低減
を図ることができる軸受構造を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、断面真円状の
軸受部材にジャーナル部材が回転自在に軸支された構造
であって、前記ジャーナル部材の断面形状を長円状と
し、前記ジャーナル部材及び前記軸受部材のうちの一方
より他方に荷重が印加された際、該荷重方向に該ジャー
ナル部材の前記長円の長軸が位置するように、該ジャー
ナル部材と該軸受部材との相対位置を設定したことを特
徴とするものである。
【0010】
【作用】軸受部材の断面形状を真円状とすると共に、ジ
ャーナル部材の断面形状を所定の長円状とし、このジャ
ーナル部材を軸受部材に軸支させる。これにより、軸受
部材とジャーナル部材との間に所定の適切なオイルリリ
ーフ量でオイルリリーフが容易に形成されるので、低温
始動性が向上する。
【0011】更に、ジャーナル部材の断面長円の長軸
が、ジャーナル部材及び軸受部材のうちの一方より他方
に荷重が印加された際、該荷重方向に位置するように、
ジャーナル部材と軸受部材との相対位置を設定する。こ
れによりジャーナル部材及び軸受部材の荷重方向への移
動が極めて小さいものに抑制されるので、振動・騒音が
非常に有効に低減される。
【0012】
【実施例】以下、本発明をV6エンジンのクランクジャ
ーナルの軸受に適用した実施例について述べる。図1及
び図2は、夫々本発明を適用したV6エンジンのクラン
クシャフトの軸受構造を示す要部の断面図及び図1に対
応したクランクシャフトの単線斜視図である。
【0013】図1中1は、軸線周りに回動自在なV6エ
ンジンのクランクシャフトである。このクランクシャフ
ト1には、基端部側(図1中、左側)より先端部側(図
1中、右側)に向かって、ジャーナルJ1,ピン部P
1,P2,ジャーナルJ2,ピン部P3,P4,ジャー
ナルJ3,ピン部P5,P6,ジャーナルJ4が、この
順に設けられている。またジャーナルJ1〜J4には、
夫々隣接したピン部に延設している油穴11が設けられ
ており、この油穴11はクランクシャフト1側への図示
しない給油穴に連設されている。
【0014】前記ピン部P1〜P6は、図3に示すよう
にクランクシャフト1の軸線より等距離に配設されてい
ると共に、クランクシャフト1の軸線廻りに等間隔、即
ち60°の間隔で配設されている。尚、図3は図1の矢
印A方向より見たクランクシャフト1とピン部P1〜P
6の配置関係を表わした図である。
【0015】従って、クランクシャフト1の軸線に対し
てピン部P2とピン部P3とは対向しており、同様にピ
ン部P4とP5とは対向して配置されている。
【0016】また、前記ピン部P1〜P6は、夫々図示
しないピストンロッド等を介して図示しない#1気筒〜
#6気筒のピストンと連結されている。
【0017】前記ジャーナルJ1〜J4は、夫々図4
(a)〜(d)に示すように断面長円状(長円状とは、
楕円状も含む。)の同一形状を有していると共に、ジャ
ーナルJ1〜J4は、夫々断面真円状の同一形状を有し
ている軸受部材21〜24によって軸支されている。
尚、図4(a)〜(d)は、夫々ジャーナルJ1〜J4
の縦断面図である。従って、ジャーナルJ1と軸受部材
21との隙間にはオイルリリーフ31が形成されるよう
に成っており、同様にジャーナルJ2と軸受部材22と
の隙間、ジャーナルJ3と軸受部材23との隙間及びジ
ャーナルJ4と軸受部材24との隙間には夫々オイルリ
リーフ32,33及び34が形成されるようになってい
る。また、オイルリリーフ31〜34のオイルリリーフ
量dは、このオイルリリーフ31〜34に対応した各ジ
ャーナルJ1〜J4の長軸側が非常に小さくなっている
と共に、短軸側に向かうに従って、漸次少しずつ大きく
なっており、短軸側で最大となっている。そして、エン
ジンの回転中にはこのオイルリリーフ31〜34に図示
しない給油穴より潤滑油が供給されるように成ってい
る。 また前記ジャーナルJ1〜J4の前記長円の長軸
は、夫々前記#1気筒〜#6気筒での爆発によってピン
部P1〜P6等を介してジャーナルJ1〜J4あるいは
軸受部材21〜24に生じる爆発荷重の印加方向と同一
の方向に位置するように、前記軸受部材21〜24との
相対位置が設定されている。
【0018】具体的には、ジャーナルJ1あるいは軸受
部材21には図4(a)に示すように、#1気筒の爆発
によってピン部P1等を介して図中矢印L1で示した方
向に爆発荷重が印加されるので、ジャーナルJ1の長軸
は、この荷重と同一の方向(同図中、ピン部1の方向)
となるように軸受部材21に対して位置されている。図
4(a)はジャーナルJ1及び軸受部材21の縦断面図
であるが、説明の便宜上、この図4(a)及び後述する
図4(b)〜(d)には、各ジャーナルに隣接している
ピン部を破線で表わしてある。
【0019】また、ジャーナルJ2あるいは軸受部材2
2には図4(b)に示すように、#2気筒の爆発によっ
てピン部P2等を介して図中矢印L2で示した方向に爆
発荷重が印加されると共に、#3気筒の爆発によってピ
ン部P3等を介して図中矢印L3で示した方向に爆発荷
重が印加されるので、ジャーナルJ2の長軸は、これら
荷重方向と同一の方向(同図中、ピン部2とピン部3を
結ぶ方向)となるように軸受部材22に対して位置され
ている。
【0020】同様にジャーナルJ3あるいは軸受部材2
3には図4(c)に示すように#4気筒の爆発荷重が図
中矢印L4で示した方向に印加されると共に、#5気筒
の爆発荷重が図中矢印L5で示した方向に印加されるの
で、#5気筒の爆発荷重が図中矢印L5で示した方向に
印加されるので、ジャーナルJ3の長軸は、これら荷重
方向と同一の方向(同図中、ピン部4とピン部5とを結
ぶ方向)となるように軸受部材23に対して位置されて
おり、またジャーナルJ4あるいは軸受部材24には、
図4(d)に示すように#6気筒の爆発荷重が図中矢印
L6で示した方向に印加されるので、ジャーナルJ4の
長軸は、この荷重方向と同一の方向(同図中、ピン部6
の方向)となるように軸受部材24に対して位置されて
いる。
【0021】次に上述実施例の作用について述べる。
【0022】先ず#1気筒で爆発が生じると、この#1
気筒の図示しないピストンに連結されているピストンロ
ッドやピン部P1等を介して、ジャーナルJ1あるいは
軸受部材21には、既述した図4(a)に矢印L1で示
した方向に、即ちジャーナルJ1の長軸方向に爆発荷重
が印加される。
【0023】そして、この爆発荷重がジャーナルJ1に
印加された場合には、ジャーナルJ1はこの爆発荷重に
よってジャーナルJ1の長軸方向に移動すると共に、ジ
ャーナルJ1の長軸方向において該ジャーナルJ1の外
周面と軸受部材21との内周面とが接触して該ジャーナ
ルJ1を介して軸受部材21に爆発荷重が印加される
が、ジャーナルJ1の外周面と軸受部材21の内周面と
の間に形成されているオイルリリーフ31のオイルリリ
ーフ量dは、ジャーナルJ1の長軸方向では非常に狭く
なっているので、ジャーナルJ1の長軸方向の移動は極
めて小さいものに抑制されることとなる。
【0024】また、爆発荷重が軸受部材21に印加され
た場合には、軸受部材21はこの爆発荷重によってジャ
ーナルJ1の長軸方向に移動すると共に、ジャーナルJ
1の長軸方向において該軸受部材21の内周面とジャー
ナルJ1の外周面とが接触して該軸受部材21を介して
ジャーナルJ1に爆発荷重が印加されるが、上記と同様
の理由によって、軸受部材21のジャーナルJ1の長軸
方向への移動は極めて小さいものに抑制されることとな
る。
【0025】同様に、#2気筒あるいは#3気筒で爆発
が生じると、ジャーナルJ2あるいは軸受部材22に
は、図4(b)に矢印L2あるいは矢印L3で示した方
向に、即ちジャーナルJ2の長軸方向に爆発荷重が印加
され、また#4気筒あるいは#5気筒で爆発が生じる
と、ジャーナルJ3あるいは軸受部材23には、図4
(c)に矢印L4あるいは矢印L5で示した方向に、即
ちジャーナルJ3の長軸方向に爆発荷重が印加され、更
に#6気筒で爆発が生じると、ジャーナルJ4あるいは
軸受部材24には、図4(d)に矢印L6で示した方向
に、即ちジャーナルJ4の長軸方向に爆発荷重が印加さ
れるが、上記と同様の理由により、ジャーナルJ2の長
軸方向へのジャーナルJ2あるいは軸受部材21の移
動、ジャーナルJ3の長軸方向へのジャーナルJ3ある
いは軸受部材23の移動及びジャーナルJ4の長軸方向
へのジャーナルJ4あるいは軸受部材24の移動は極め
て小さいものに抑制されることとなる。
【0026】以上のような実施例によれば、ジャーナル
J1〜J4の断面を夫々長円状に形成しているので、該
長円の長軸を所定の長さに設定すると共に、長軸と短軸
との比率を所定の比率に設定することによって、オイル
リリーフ31〜34のオイルリリーフ量dを適切な量に
容易に設定することができる。
【0027】更に、上述のようにオイルリリーフ量dを
容易に適切な量に設定することができ、従って、オイル
リリーフに適量の潤滑油を供給できるので、低温領域に
おける軸受摩擦によるエンジンの低温始動性の悪化を防
止することができる。
【0028】更にまた、断面長円状のジャーナルの該長
軸が、該ジャーナル及び該ジャーナルの軸受部材のうち
の一方より他方に印加される荷重方向、即ち該ジャーナ
ルに隣接するピン部の方向に位置するように、該ジャー
ナルと軸受部材との相対位置を設定し、この印加荷重に
よるジャーナル部材あるいは軸受部材の移動を極めて小
さいものに抑制しているので、振動・騒音を非常に有効
に低減することができる。
【0029】次に本発明の他の実施例について述べる。
【0030】本実施例は、本発明をV8エンジンのクラ
ンクジャーナルの軸受に適用したものであり、図5及び
図6は、夫々本発明を適用したV8エンジンのクランク
シャフトの軸受構造を示す要部の断面図及び図5に対応
したクランクシャフトの単線斜視図である。尚、図5及
び図6においては、既述した上記実施例の図1及び図2
と同一の構成部分については同一の符号を付してある。
【0031】図1中1は、V8エンジンのクランクシャ
フトであり、このクランクシャフト1には基端部側(図
5中、左側)より先端部側(図5中、右側)に向かっ
て、ジャーナルJ1,ピン部P1,P2,ジャーナルJ
2,ピン部P3,P4,ジャーナルJ3,ピン部P5,
P6,ジャーナルJ4,ピン部P7,P8が、この順に
設けられている。またJ1〜J4には、夫々隣接したピ
ン部に延設している油穴11が設けられている。
【0032】前記ピン部P1〜P8は、夫々図示しない
ピストンロッド等を介して図示しない#1気筒〜#8気
筒のピストンに連結されている。
【0033】また、前記ピン部P1〜P4は、図7に示
すようにクランクシャフト1の軸線より等距離に配設さ
れていると共に、クランクシャフト1の軸線廻りに等間
隔、即ち90°の間隔で配設されており、また前記ピン
部P5〜P8は、クランクシャフト1の軸線廻りに等間
隔、即ち90°の間隔でピン部P1〜P4に対応して配
設されている。尚、図7は図5の矢印B方向より見たク
ランクシャフト1とピン部P1〜P8の配置関係を表わ
した図である。
【0034】従って、クランクシャフト1の軸線に対し
てピン部4とピン部5とは対向して配置されているが、
ピン部2とピン部3とはクランクシャフト1の軸線廻り
に90°の位相差を持って配置されており、また、ピン
部6とピン部7も、同様に90°の位相差を持って配置
されている。
【0035】前記ジャーナルJ1〜J5は、夫々上記実
施例と同様に図8(a)〜(e)に示すように断面長円
状の同一形状を有していると共に、ジャーナルJ1〜J
5は、夫々断面真円状の同一形状を有している軸受部材
21〜25によって軸支されている。尚、図8(a)〜
(e)は、夫々ジャーナルJ1〜J5の縦断面図であ
る。従って、これらジャーナルJ1〜J5とジャーナル
部材J1〜J5の夫々を軸支する軸受部材21〜25と
の隙間にはオイルリリーフ31〜35が形成されるよう
になっている。そしてオイルリリーフ31〜35のオイ
ルリリーフ量dは、上記実施例と同様に各ジャーナルJ
1〜J5の長軸側が非常に小さくなっていると共に、短
軸側に向かうに従って漸次少しずつ大きくなっており、
短軸側で最大となっている。
【0036】また、前記ジャーナルJ1,J3及びJ5
の長軸は、上記実施例と同様に、夫々図8(a),
(c)及び(e)に示すように各ジャーナルあるいは各
軸受部材への爆発荷重の印加方向、即ち図8(a)では
図中矢印L1で示した方向(同図中、ピン部P1の方
向)、図8(c)では図中矢印L4及びL5で示した方
向(同図中、ピン部P4とピン部P5とを結ぶ方向)、
図8(e)では図中矢印L8で示した方向(ピン部P8
の方向)と同一の方向となるように、夫々軸受部材2
1,23及び25に対して位置されている。
【0037】更に、前記ジャーナルJ2の長軸は、図8
(b)に示すようにジャーナルJ2あるいは軸受部材2
2に印加される二つの爆発荷重の印加方向(図中、矢印
L2と矢印L3とで示す二つの方向、即ちピン部P2の
方向とピン部P3の方向)で成す角(90°)を二分す
る方向となるように軸受部材22に対して位置されてい
る。
【0038】同様に前記ジャーナルJ4の長軸は、図8
(d)に示すようにジャーナルJ4あるいは軸受部材2
4に印加される二つの爆発荷重の印加方向(図中、矢印
L6と矢印L7とで示す二つの方向、即ちピン部P6の
方向とピン部P7の方向)で成す角(90°)を二分す
る方向となるように軸受部24に対して位置されてい
る。
【0039】次に上述実施例の作用について述べる。
尚、ジャーナルJ1,J3,J5及び軸受部材21,2
3,25への作用は上記実施例と同様であるので、その
説明を省略し、ジャーナルJ2及び軸受部材22,ジャ
ーナルJ4及び軸受部材24への作用について以下に述
べる。
【0040】#2気筒で爆発が生じると、この#2気筒
の図示しないピストンに連結されているピストンロッド
やピン部P2等を介して、ジャーナルJ2あるいは軸受
部材22には、既述した図8(b)に矢印L2で示した
方向に爆発荷重が印加され、また#3気筒で爆発が生じ
るとジャーナルJ2あるいは軸受部材22には同様に図
8(b)に矢印L3で示した方向に爆発荷重が印加され
る。
【0041】そして、これら爆発荷重がジャーナルJ2
に印加された場合には、ジャーナルJ2はこれら爆発荷
重によって荷重方向と同一の方向、即ち矢印L2あるい
はL3の方向に移動すると共に、ジャーナルJ2への荷
重方向において該ジャーナルJ2の外周面と軸受部材2
2の内周面とが接触して該ジャーナルJ2を介して軸受
部材22に爆発荷重が印加されるが、ジャーナルJ2の
外周面と軸受部材22の内周面との間に形成されている
オイルリリーフ32のオイルリリーフ量dは矢印L2あ
るいは矢印L3の荷重方向においては最大量の1/2 程度
と狭くなっているので、ジャーナルJ2への荷重方向へ
の移動は高々この程度に抑制されることとなる。
【0042】また、爆発荷重が軸受部材22に印加され
た場合には、軸受部材22はこの爆発荷重によって荷重
方向と同一の方向、即ち矢印L2あるいはL3の方向に
移動すると共に、軸受部材22への荷重方向において該
軸受部材22の内周面とジャーナルJ2の外周面とが接
触して該軸受部材22を介してジャーナルJ2に爆発荷
重が印加されるが、上記と同様の理由により、軸受部材
22の荷重印加方向への移動は、高々オイルリリーフ3
2のオイルリリーフ量dの最大値の1/2 程度に抑制され
ることとなる。
【0043】同様に、#6気筒あるいは#7気筒で爆発
が生じると、ジャーナルJ4あるいは軸受部材24に
は、図8(d)に矢印L6あるいは矢印L7で示した方
向に爆発荷重が印加されるが、上記と同様の理由によ
り、ジャーナルJ4あるいは軸受部材24の荷重印加方
向への移動は、高々オイルリリーフ34のオイルリリー
フ量dの最大値の1/2 程度に抑制されることとなる。
【0044】以上のような実施例によれば、上記実施例
の効果で述べたのと同様の理由により、オイルリリーフ
量を容易に適切な量に設定することができ、更に低温領
域における軸受摩擦によるエンジンの低温始動性の悪化
を防止することができる。
【0045】また、ジャーナルJ1,J3,J5につい
ては上記実施例と同様に断面長円の長軸が、各ジャーナ
ル及び該ジャーナルを軸支する軸受部材のうちの一方よ
り他方に印加される荷重方向、即ち該ジャーナルに隣接
するピン部の方向に位置するように、該ジャーナルと軸
受部材との相対位置を設定し、この印加荷重によるジャ
ーナル部材あるいは軸受部材の移動を極めて小さいもの
に抑制しているので、これらジャーナルJ1,J3,J
5及び軸受部材21,23,25の移動に起因する振動
・騒音を非常に有効に低減させることができると共に、
ジャーナルJ2,J4については、断面長円の長軸が二
つの爆発荷重の印加方向で成す角を二分する方向となる
ように軸受部材に対して位置させ、異なる二方向よりの
いずれの荷重に対してもこれらジャーナルJ2,J4及
び軸受部材22,24の移動を高々オイルリリーフ量の
最大値の1/2 程度に抑制しているので、異なる二方向よ
りの荷重が印加された場合であっても、ジャーナルJ
2,J4及び軸受部材22,24の移動に起因する振動
・騒音を有効に低減させることができる。
【0046】尚、本実施例において、ジャーナルJ2及
びJ4の断面形状は断面長円状に限られるものではなく
例えば、図9に示すように二つの荷重印加方向と同一の
方向に夫々長軸を示す断面四つ葉形状であってもよく、
この場合にはジャーナルJ2及びJ4及び軸受部材2
2,24の移動に起因する振動・騒音をより一層有効に
低減させることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、軸受部材に軸支される
ジャーナルの断面形状を長円状としているので、この長
円の長軸の長さ及び長軸と短軸との比率を所定の値に設
定することによってオイルリリーフ量を適切な量に容易
に設定することができる。
【0048】また、オイルリリーフ量を適切な量に容易
に設定することができるので、低温始動性の悪化を防止
することができる。
【0049】更に断面長円状のジャーナルの長円の長軸
が、該ジャーナル及び該ジャーナルの軸受部材のうちの
一方より他方に印加される荷重方向に位置するように、
ジャーナル部材と軸受部材との相対位置を設定している
ので、振動・騒音の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したV6エンジンのクランクシャ
フトの軸受構造を示す要部の断面図である。
【図2】図1に対応したクランクシャフトの単線斜視図
である。
【図3】図1の矢印A方向より見たクランクシャフトと
各ピン部との配置関係を表わした図である。
【図4】ジャーナル及び軸受部材の縦断面図である。
【図5】本発明に適用したV8エンジンのクランクシャ
フトの軸受構造を示す要部の断面図である。
【図6】図5に対応したクランクシャフトの単線斜視図
である。
【図7】図5の矢印B方向より見たクランクシャフトと
各ピン部との配置関係を表した図である。
【図8】ジャーナル及び軸受部材の縦断面図である。
【図9】ジャーナルの他の断面形状を示す縦断面図であ
る。
【図10】従来の軸受構造を示す構造図である。
【図11】解決課題を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト 21,22,23,24,25 軸受部材 31,32,33,34,35 オイルリリーフ J1,J2,J3,J4,J5 ジャーナル P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8 ピ
ン部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面真円状の軸受部材にジャーナル部材
    が回転自在に軸支された構造であって、 前記ジャーナル部材の断面形状を長円状とし、 前記ジャーナル部材及び前記軸受部材のうちの一方より
    他方に荷重が印加された際、該荷重方向に該ジャーナル
    部材の前記長円の長軸が位置するように、該ジャーナル
    部材と該軸受部材との相対位置を設定したことを特徴と
    する軸受構造。
JP7686193A 1993-04-02 1993-04-02 軸受構造 Pending JPH06294413A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007170516A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Toyota Motor Corp 内燃機関の軸受け装置
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