JP2583657B2 - 板厚偏差外乱除去制御方法 - Google Patents

板厚偏差外乱除去制御方法

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JP2583657B2
JP2583657B2 JP2278519A JP27851990A JP2583657B2 JP 2583657 B2 JP2583657 B2 JP 2583657B2 JP 2278519 A JP2278519 A JP 2278519A JP 27851990 A JP27851990 A JP 27851990A JP 2583657 B2 JP2583657 B2 JP 2583657B2
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    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B37/00Control devices or methods specially adapted for metal-rolling mills or the work produced thereby
    • B21B37/16Control of thickness, width, diameter or other transverse dimensions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B2267/00Roll parameters
    • B21B2267/02Roll dimensions
    • B21B2267/08Roll eccentricity

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、圧延機の自動板厚制御システムに関するも
のである。
〔従来の技術〕
近年の板厚制御においては、例えば「塑性と加工」Vo
l.16 no.168(975−1)P.25〜P.31及び「システム制御
情報学会誌」Vol.2,No.5,P.147〜P.154,1989ならびに
「板圧延の理論と実際」P.22〜P.256等に示されるよう
に、Mill Modulus Controlタイプ(このタイプはBisra
タイプと称されることもある)及びGauge Meterタイプ
の自動板内板厚偏差制御系{以下、AGC(Automatic Gau
ge Control)と称する}が採用されている。
第8図は、従来の自動板内板厚偏差制御系を取り入れ
た圧延システムを示す図であり、第8図において、1が
圧延機、2が圧延材、3が圧下位置検出器、4が圧延荷
重計、5が圧下機構、6が自動板内板厚偏差制御系Iで
あり、圧延機1が圧延材2を圧延しているとき、自動板
内板厚偏差制御系6は、圧延荷重計4からの信号と圧下
位置検出器3からの信号とを入力して圧下位置制御信号
を圧下機構5に対して出力する。
第9図は、従来の板内板厚偏差制御系を装備した圧延
システムの原理図をブロック線図で表現したものであ
る。第9図において、 M:圧延機剛性係数[kgW/mm] Q:圧延材塑性係数[kgW/mm] Δu:ロール間隔変更量[mm] ΔS:圧下位置偏差[mm] ΔP:圧延荷重偏差[kgW] GR:ΔuからΔS伝達関数(無単位) Δh:出側板厚偏差[mm] ΔH:入側板厚偏差[mm] ΔSe:ロール偏芯[mm] ΔRr:圧下リファレンス[mm]。例えば、板厚を実測し
て板厚制御するモニタAGCに代表される他系統の制御系
出力で、操作量はロール間隔変更量である。
I:自動板内板厚偏差制御系(一点鎖線内) C1:伝達関数(無単位)。圧下位置偏差(ΔS)を表す
信号を用いるときは「1」、圧下位置偏差(ΔS)を表
す信号を用いないときは「0」 C2:圧延荷重偏差信号を板厚偏差信号に変換する伝達関
数[mm/kgW] C3:一般の伝達関数(無単位) であり、C1,C2,C3に具体的な伝達関数を付与することに
より従来の自動板内板厚偏差制御系を装備した圧延シス
テムとなる。また、偏差とは基準値からの偏差を意味す
る。以下、具体的に従来の鋼板の板厚制御方法を第9
図,第10図及び第11図を参照しながら説明する。
まず、Mill Modulus ControlタイプのAGCを装備した
圧延システムについて説明する。Mill Modulus Control
タイプのAGCは、一般に自動板内板厚偏差制御系Iを有
し、第9図にそれの原理図を示す。Mill Modulus Contr
olタイプのAGCは、第9図において、 C1=0 ……(3−1) C3=1 ……(3−3) なる代表値を採用した場合であり、これを第10図に示
す。第10図において、 α:チューニングファクタ(無単位) (α:任意の実数) であり、GRは油圧圧下機構等の高速圧下機構を用いた場
合には、 T1:時定数[sec]但し、T1《1.0 を用いて、 となる。このとき、入側板厚偏差(ΔH)から出側板厚
偏差(Δh)への伝達関数G1とロール偏芯(ΔSe)から
出側板厚偏差(Δh)への伝達関数G2は、 である。ただし、W=Q/(M+Q)である。
また、Mill Modulus ControlタイプのAGCは、圧延荷
重偏差を表す信号(ΔP)を圧延機剛性係数(M)で出
側板厚偏差信号(Δh)に相当する信号に変換してフィ
ードバックしているため、チューニングファクタαを変
化させることにより見かけの圧延機剛性を近似的にM/
(1−α)に変化させることができる。
次に、Gauge MeterタイプのAGCを装備した圧延システ
ムについて説明する。
Gauge MeterタイプのAGCを装備した圧延システムは、
一般的に自動板内板厚偏差制御系Iを有するが、Mill M
odulus ControlタイプのAGCとの相違点は、自動板内板
厚偏差制御系Iにおいて、C2は同じ関数系であるがC1,C
2が異なることである。すなわち、第9図において、 C1=1 ……(3−7) なる代表値を採用した例を第11図に示す。第11図におい
て、 α:チューニングファクタ(無単位)(0≦α≦1) s:ラプラスの演算子[1/sec] G:積分定数[1/sec] であり、GRは油圧圧下機構等の高速圧下機構を用いた場
合には、 T1:時定数[sec]但し、T1《1.0 を用いて となる。このとき、入側板厚偏差(ΔH)から出側板厚
偏差(Δh)への伝達関数G1とロール偏芯(ΔSe)から
出側板厚偏差(Δh)への伝達関数G2は、 である。ただし、W=Q/(M+Q)である。
また、Gauge MeterタイプのAGCでは、圧下位置偏差を
表す信号(ΔS)と圧延荷重偏差を表す信号(ΔP)を
用いて、 なるGauge Meter式に基づいて出側板厚偏差信号(Δ
h)をつくり、フィードバックをおこなっている。
さて、第9図において、入側板厚偏差(ΔH)から出
側板厚偏差(Δh)への伝達関数G1とロール偏芯(ΔS
e)から出側板厚偏差(Δh)への伝達関数G2は、 を用いて、 と表され、任意のC1,C2,C3に対して G1+G2=1.0 ……(3−17) が成立している。
したがって、Mill Modulus ControlタイプのAGCで
も、Gaug MeterタイプのAGCの場合でも、G1,G2のいずれ
か一方の特性を決めると他方も自動的に決まってしまう
性質をもつ。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の自動板内板厚偏差制御系を用い
た制御方法では、以下に詳細に示すような問題点があ
る。
熱間圧延プロセスにおいては、 塑性係数の変化(ΔQ[kgW/mm]), 圧延機入側板厚偏差(ΔH[mm]), ロール偏芯(ΔSe[mm]) が、圧延機出側板厚偏差(Δh[mm])に大きく影響す
る。
のΔQは、主に加熱炉中スラブを支えるスキッドが
スラブ長手方向にスキッド間距離と等しい周期をもつ温
度のむらを生じさせるために生じるスラブ長手方向の変
形抵抗の、スキッド間距離と等しい周期をもつ偏りであ
り、これにより、圧延機出側板厚に大きな偏差を誘発す
る。これは一発に、スキッドマークと言われている。
のΔHは、圧延機入側板厚偏差で、タンデムに装備
された圧延機では、前段圧延機においてスキッドマーク
(ΔQ)によって生じた板厚偏差は、次段の圧延機によ
る圧延においては、入側板厚偏差の中に含まれる。以
下、入側板厚偏差(ΔH)には、スキッドマーク(Δ
Q)が中に含まれと考える。
のΔSeは、圧延機のバックアップロールの軸受部が
キー溝の原因となって、ロールが偏芯するために生ずる
圧延荷重の変動が、圧下位置偏差を引き起こすために生
ずる板厚偏差であり、ロール偏芯と称されている。
スキッドマークは、0.2Hz〜1.0Hzが外乱であり、ロー
ル偏芯は4.0Hz〜10.0Hzの外乱であり、周波数帯域が近
接している。
従来の自動板内板厚偏差制御系Iを使用しないか、使
用しても使用方法が不適切な場合には、第15図の製品板
厚グラフに示されるように、100μmほどの大きな板厚
偏差を生じる。第15図において、大きな周期の波はスキ
ッドマーク等の入側板厚偏差に起因するものであり、小
さな周期の波はロール偏芯に起因するものである。
従来の自動板内板厚偏差制御系Iを使用した場合で
も、第14の製品板厚グラフに示されるように板厚偏差は
軽減されていない。
0.2Hz〜1.0Hzの外乱であるスキッドマークを除去する
には、定常状態(s=0.0rad/sec)付近において通常G1
のゲインを−∽[dB]に近づけることが望まれるが、極
めて実現が困難である。
以降で用いるゲインとは、伝達関数の絶対値の常用対
数に20を乗じたものである。例えば、G1なる伝達関数に
関しては、20×LOG|G1|を意味する。従って、G1の絶対
値が0に近づくと、20×LOG|G1|は、−∽に近づくこと
になる。
以下、その理由を、従来の制御方法を用いた場合のG1
およびG2の周波数特性をボード線図でそれぞれ表した第
12図及び第13図と、従来の制御方法を用いた場合の製品
板厚グラフである第14図及び第15図を参照しながら詳細
に説明する。ただし、第12図と第13図は、縦軸はdBを、
横軸はHzを表し、横軸は対数目盛りで示してある。
まず、Mill Modulus ControlタイプのAGCの場合、定
常状態(s=0.0rad/sec)付近においてG1のゲートを−
∽[dB]に近づけるためには、(3−5)式より、α=
1.0が必要である(油圧圧下機構のようにスキッドマー
ク低減に効果的な高速圧下機構を用いることを前提とし
て)が、α=1.0とすると、T1《1.0であるため、第12図
に実線に示されるように、スキッドマークの周波数帯域
(0.2Hz〜1.0Hz)のみならず、ロール偏芯外乱の周波数
帯域(4.0Hz〜10.0Hz)おいて−20[dB]にまで下げる
ことが困難であり、第13図に実線に示される特性しか得
られない。
その結果として、自動板内板厚偏差制御系Iを用いて
も、第14図に示されるようにロール偏芯外乱(ΔSe)が
顕著に圧延材にプリントされ、70μmほどの板厚偏差が
生じてしまうのである。
反対に、チューニングファクタαを0.7または0.5と設
定した場合等は、第15図に示されるようにロール偏芯の
出側板厚偏差(Δh)に対する影響はなくなるが、低周
波域でG1ゲインが低減されきれずにスキッドマーク等の
入側板厚偏差(ΔH)が圧延材に残り、100μmほどの
板厚偏差が生じるのである。
第12図及び第13図にそれぞれ点線でえがかれたG1及び
G2周波数特性が望ましい特性なのである。
また、Gauge MeterタイプのAGCの場合も、定常状態
(s=0.0rad/sec)付近においてG1のゲインを−∽[d
B]に近づけるためには、(3−11)式より、α=1.0が
必要である(油圧圧下機構のようにスキッドマーク低減
に効果的な高速圧下機構を用いることを前提として)
が、α=1.0とすると、T1《1.0であるため、第12図実線
に示されるように、スキッドマークの周波数帯域(0.2H
z〜1.0Hz)のみならず、ロール偏芯外乱の周波数帯域
(4.0Hz〜10.0Hz)おいてもG1のゲインが−30〔dB〕近
傍となることがあり、(3−17)式の関係から必然的に
G2のゲインはロール偏芯外乱の周波数帯域(4.0Hz〜10.
0Hz)おいて−20[dB]近傍にまで下げることが困難で
あり、第13図の実線に示される特性しか得られない。
その結果として、自動板内板厚偏差制御系Iを用いて
も、第14図に示されるようにロール偏芯外乱(ΔSe)が
顕著に圧延材にプリントされ、70μmほどの板厚偏差が
生じてしまうのである。
反対に、チューニングファクタαを0.7または0.5と設
定した場合等は、第15図に示されるようにロール偏芯の
出側板厚偏差(Δh)に対する影響はなくなるが低周波
域でG1ゲインが低減されきれずにスキッドマーク等の入
側板厚偏差(ΔH)が圧延材に残り、100μmほどの板
厚偏差が生じるのである。
第12図及び第13図にそれぞれ点線でえがかれたG1及び
G2周波数特性が望ましい特性なのである。
言い換えれば、従来の板厚偏差制御方法では、ただ1
個の自動板内板厚偏差制御系しかもたないために、定常
状態(s=0.0Rad/sec)付近のゲインを0.0に近づける
べくチューニングファクタαを1.0に近づけると、G2
インを高めてしまい、ロール偏芯(ΔSe)の圧延材への
プリントを助長することになり、反対に、チューニング
ファクタαを0.7または0.5と設定した場合等は、ロール
偏芯の出側板厚偏差(Δh)に対する影響はなくなる
が、低周波域でG1ゲインが低減されきれずにスキッドマ
ーク等の入側板厚偏差(ΔH)が圧延材に残ってしまう
のである。
以上述べたように、従来の板厚偏差制御方法では、ス
キッドマーク等の入側板厚偏差(ΔH)を除去しようと
すると、ロール偏芯(ΔSe)が除去できなくなり、ロー
ル偏芯(ΔSe)を除去しようとすると、スキッドマーク
等の入側板厚偏差(ΔH)が除去できなくなる。
本発明の制御方法は、 ロール偏芯(ΔSe)を除去すること及び、 ロール偏芯(ΔSe)と入側板厚偏差(ΔH)とを同時
に除去するための板厚偏差外乱除去制御方法を提供する
ものである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明の方法は、鋼板圧延時に、圧延荷重基準値と圧
延荷重計による測定値との差である圧延荷重偏差ΔP
[kgw]と、圧下位置基準値と圧下位置検出器による測
定値との差である圧下位置偏差ΔS[mm]を入力とし、
ロール間隔変更量Δu[mm]を出力して、鋼板の厚みを
制御する板厚偏差外乱除去制御方法において、 圧延荷重偏差,圧下位置偏差,圧延機剛性係数M[kg
w/mm],チューニングファクタα(0≦α≦1),
α(α<0)および低域フィルタH(s)、ただし
s[1/sec]はラプラス演算子、から ΔF1=〔ΔS+(α2/M)・ΔP〕・H(s) により、ΔF1[mm]を算出すると同時に、 ΔF2=(α1/M)・ΔP により、ΔF2[mm]を算出し、ロール間隔変更量を、 Δu=−ΔF1−ΔF2 にて算出することを特徴とする板厚偏差外乱除去制御方
法であり、好ましくは、低域フィルタH(s)は、 H(s)=[〔M+(1−α)・Q〕/M]・[G/s] ただし、G[1/sec]は積分定数、Q[kgw/mm]は圧延
材塑性係数、である。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明
する。
第1図は、本発明の板厚外乱除去制御方法の原理を説
明するブロック線図である。
第1図において、本発明は、自動板内板厚偏差制御系
(I)(一点鎖線内)及び自動板内板愛偏差制御系(I
I)(一点鎖線内)を有する。
第1図において、 C21:伝達関数[無単位]。圧下位置偏差(ΔS)を表す
信号を用いるときは1、圧下位置偏差(ΔS)を表す信
号を用いないときは0 C22:圧延荷重偏差信号を板厚偏差信号に変換する伝達関
数[mm/kgW] C23:一般の伝達関数[無単位] ΔF1:自動板内板厚偏差制御系Iの出力[mm] ΔF2:自動板内板厚偏差制御系IIの出力[mm] である。
本発明の方法は、第1図に示す自動板内板厚偏差制御
系I及び自動板内板厚偏差制御系IIを併設することによ
り(以下、2自由度自動板内板厚偏差制御系と称す
る)、0.2Hz〜1.0Hzの周波数帯域におけるG1ゲインを−
40[dB]近くにまで低減し、4.0Hz〜10.0Hzの周波数帯
域におけるG2ゲインを−20[dB]近くにまで低減するこ
とにより、スキッドマーク外乱とロール偏芯外乱を同時
に低減することを保証する。
0.1Hz〜1.0Hzの周波数帯域におけるG1ゲインを0.0近
くにまで低減し、4.0Hz〜10.0Hzの周波数帯域におけるG
2ゲインを0.0近くにまで低減するために、G1には第3図
に示すような周波数特性を、G2には第4図に示すような
周波数特性が与えられるようにCij(i=1〜2,j=1〜
3)を決定するのであるが、Cij(i=1〜2,j=1〜
3)に(3−1)式から(3−3)式及び(3−7)式
から(3−9)式を与えるだけでは不十分であり、第2
図に示すとおり、C21 =0.0 (3−24) C13 =1.0 (3−26)C21 =1.0 (3−27) とする。ただし、 T1:圧下機構の時定数[sec] s:ラプラスの演算子[1/sec] G:積分定数[1/sec] α1:チューニングファクタ[無単位] α2:チューニングファクタ[無単位] である。
以下、(3−29)式および(3−30)式のようにした
理由を詳細に説明する。
まず、第2図において、入側板厚偏差(ΔH)から出
側板厚偏差(Δh)への伝達特性G1とロール偏芯(ΔS
e)から出側板厚偏差(Δh)への伝達特性G2を算出す
るにあたり、第1図の入側板厚偏差(ΔH)から出側側
板偏差(Δh)への伝達特性G1とロール偏芯(ΔSe)か
ら出側板厚偏差(Δh)への伝達特性G2を算出してか
ら、(3−24)式から(3−31)式をGR,Cij(i=1〜
2,j=1〜3)に具体的に代入することとする。
第1図において、入側板厚偏差(ΔH)から出側板厚
偏差(Δh)への伝達特性G1は、W,M,GR,Cij(i=1〜
2,j=1〜3)の関数系として表すことができ、これを
(3−32)式に示す。
また、ロール偏芯(ΔSe)から出側板厚偏差(Δh)
への伝達特性G2は、W,M,GR,Cij(i=1〜2,j=1〜
3)の関数系として表すことができる。これを(3−3
3)式に示す。
従って、第2図において、入側板厚偏差(ΔH)から
出側板厚偏差(Δh)への伝達特性G1と、ロール偏芯
(ΔSe)から出側板厚偏差(Δh)への伝達関数G2はそ
れぞれ、(3−32)式より (3−33)式より、 と表される。
ここで、(3−34)式及び(3−35)式を、(3−
5)式及び(3−6)式や(3−11)式及び(3−12)
式と比較してみると、(3−5)式及び(3−6)式や
(3−11)式及び(3−12)式は調整できるパラメータ
が唯一αなのに対し、(3−34)式及び(3−35)式に
は、(3−30)式に注意すると、α12,Gの3個の調
整可能なパラメータがある。一方、 s=0.0 ……(3−36) とすると、 となるため、G1の定常ゲインを0.0に近づけるために
は、αにかかわりなく、 α=1.0 ……(3−38) でよい。このとき、 と表せて、さらにα1,GによりG2のゲインを調整でき
る。
ここで、(3−39)式と(3−40)式のボード線図を
えがくために(3−39)式と(3−40)式の近似を行
う。
いま、T1は圧下機構の時定数であり、油圧圧下機構等
を用いたときはT1《1であることを考慮すると、ラプラ
スの演算子sの2次の項はほとんど無視できるので、 と考えてよい。ここで、(3−41)式及び(3−42)式
の極は、 であるが、Kを(3−30)式のように工夫して決めれ
ば、(3−14)式より、簡単に(−G)となる。このと
き、G2の零点は、−KGすなわち、 である。
以上まとめると、 また、α≦1.0のときは、(3−30)式より、 KG≧G ……(3−47) であることを考えあわせて、(3−45)式及び(3−4
6)式より、G1及びG2はそれぞれ、第3図及び第4図に
示される周波数特性をもつボード線図が得られることが
わかる。ただし、第3図と第4図は、縦軸は[dB]を、
横軸は[Rad/Sec]を表し、横軸は対数目盛りで示して
ある。
以下、具体的にα12,Gの値を決定する手順を示
す。
入側板厚偏差(ΔH)の周波数帯域(以下、周波数帯
域1と称する)は、加熱炉のスキッドの間隔及び圧延材
の通板速度から算出し、ロールが偏芯する周波数(以
下、周波数帯域2と称する)は、バックアップロール径
および通板速度から決定する。周波数帯域1の上限より
大きく、かつ、周波数帯域2に含まれない周波数を[Ra
d/sec]で表し、G[Rad/sec]とする。
無条件でα=0.0とする。
ロール偏芯周波数をRad/secで表し、これが となるようにαを決定する。
本発明の、2自由度自動板内板厚偏差制御系により、
スキッドマーク等の入側板厚偏差を除去する周波数特性
をG1に、ロール偏芯外乱を除去する周波数特性をG2にも
たせることにより、スキッドマーク外乱とロール偏芯外
乱を同時に除去し、板厚偏差を従来の板厚偏差に比して
1/2以下にすることができる。
〔実施例〕
鋼板の熱間圧延機及び鋼板の諸元が、一例として、 M=500,000[kgW/mm] Q=2,000,000[kgW/mm] T1=1/240[sec/Rad] の場合に本システムを採用した。
入側板厚偏差外乱(ΔH)は0.2Hz〜0.4Hzの帯域にあ
り、ロール偏芯外乱が4.0Hz〜10.0Hzの帯域にあるの
で、両者を分離する周波数は0.55Hz(3.5Rad/sec)とし
た。
G=3.5[Rad/sec] 入側板厚偏差外乱(ΔH)を除去するには、 α=1.0 とし、さらに、ロール偏芯外乱が5.0Hz(31.5[Rad/se
c])なので、G2ゲインを所定の値にするために、 α=−1.0 とおく。
このとき、第5図に示すように、0.2Hz〜0.4Hzの帯域
においてG1のゲインが低減されており、第6図に示すよ
うに、4.0Hz〜10.0Hzの帯域において、G2のゲインが低
減されており、実施例をもちいれば、0.2Hz〜0.4Hzの帯
域のスキッドマーク外乱と4.0Hz〜10.0Hzの帯域のロー
ル偏芯外乱を同時に除去することが保証される。
時刻0.0秒から0.1秒間、 圧延荷重偏差:ΔP=40,000[KgW] 圧下位置偏差:ΔS=0.07000[mm] と計測され、 圧下リファレンス:ΔRr=0.0300[mm] と与えられた場合、0.1秒後は、 自動板内板厚偏差制御系Iの出力: 自動板内板厚偏差制御系IIの出力: 従って、ロール間隔変更量(Δu[mm])は、 Δu=0.0300−(−0.08)−0.4725=−0.365 と算出されて圧下機構に送られる。
第7図に示すように、製品板厚の偏差は、50μm以下
となり、第14図に示す従来の方法による板厚偏差(約10
0μm)と比べて、約1/2以下に減少している。
以上、本発明の(1)及び(2)についての実施例を
説明した。本発明(3)及び(4)による場合も本発明
の(1)及び(2)についての実施例と全く同じである
ので省力する。
〔本発明の効果〕
本発明の2自由度自動板内板厚制御系導入により、 (1)比較的接近した入側板厚偏差外乱とロール偏芯外
乱とを同時に除去できる。
(2)板圧の精度を向上させうる。
(3)製品の歩留まりを向上させうることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を一態様で実施する自動板内板厚偏差
制御系の構成を示すブロック図である。 第2図は、第1図に示す構成要素の処理内容を示すブロ
ック図である。 第3図,第4図,第5図及び第6図は、本発明の実施に
よるゲインの変更特性を示すグラフである。 第7図は、本発明の実施による製品板厚の変化を示すグ
ラフである。 第8図は、従来の圧延システムを示すブロック図であ
る。 第9図は、従来の自動板内板厚偏差制御系の構成を示す
ブロック図である。 第10図及び第11図は、第9図に示す構成要素の処理内容
を示すブロック図である。 第12図及び第13図は、従来の方法によるゲインの変更特
性を示すグラフである。 第14図及び第15図は、従来の方法による製品板厚の変化
を示すグラフである。 1:圧延機、2:圧延材 3:圧下位置検出器、4:圧延荷重計 5:圧下機構、6:自動板内板厚偏差系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 勇一 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日 本製鐵株式會社広畑製鐵所内 (72)発明者 中村 英都 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式會社君津製鐵所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板圧延時に、圧延荷重基準値と圧延荷重
    計による測定値との差である圧延荷重偏差ΔP[kgw]
    と、圧下位置基準値と圧下位置検出器による測定値との
    差である圧下位置偏差ΔS[mm]を入力とし、ロール間
    隔変更量Δu[mm]を出力して、鋼板の厚みを制御する
    板厚偏差外乱除去制御方法において、 圧延荷重偏差,圧下位置偏差,圧延機剛性係数M[kgw/
    mm],チューニングファクタα(0≦α≦1),α
    (α<0)および低域フィルタH(s)、ただしs
    [1/sec]はラプラス演算子、から ΔF1=〔ΔS+(α2/M)・ΔP〕・H(s) により、ΔF1[mm]を算出すると同時に、 ΔF2=(α1/M)・ΔP により、ΔF2[mm]を算出し、ローラ間隔変更量を、 Δu=−ΔF1−ΔF2 にて算出することを特徴とする板厚偏差外乱除去制御方
    法。
  2. 【請求項2】低域フィルタH(s)が H(s)=[〔M+(1−α)・Q〕/M]・[G/s] ただし、G[1/sec]は積分定数、Q[kgw/mm]は圧延
    材塑性係数、であることを特徴とする請求項1記載の板
    厚偏差外乱除去制御方法。
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