JPH08141615A - 圧延機の板厚制御装置 - Google Patents

圧延機の板厚制御装置

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JPH08141615A
JPH08141615A JP6286490A JP28649094A JPH08141615A JP H08141615 A JPH08141615 A JP H08141615A JP 6286490 A JP6286490 A JP 6286490A JP 28649094 A JP28649094 A JP 28649094A JP H08141615 A JPH08141615 A JP H08141615A
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reduction position
rolling
plate thickness
position correction
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JP6286490A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kachi
孝行 加地
Kazuhiro Yamamoto
和弘 山本
Hideo Kijima
秀夫 木島
Masashi Hoshino
将史 星野
Masaharu Saisuu
正晴 斎数
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延速度の変化や入側板厚の変化, 圧延材変
形抵抗の変化などに伴う圧延荷重変化の大きい領域での
板厚精度の向上および圧延歩留りの向上を図ること。 【構成】 圧延荷重検出装置および出側板厚検出装置
と、該出側板厚検出装置で検出した出側板厚と板厚目標
値とが一致するように圧下位置制御装置を操作するため
の第1の圧下位置修正量演算装置と、圧延荷重の変化量
と前記圧下位置制御装置の圧下位置の変化量および補正
係数とから、前記圧下位置制御装置の第1の圧下位置修
正量を補正するための第2の圧下位置修正量演算装置
と、第1の圧下位置修正量と第2の圧下位置修正量の和
により圧下位置を修正する圧下位置制御装置とを設けて
なる圧延機の板厚制御装置において、圧延荷重の変化量
の絶対値に応じて圧下位置補正係数を修正するようにし
たこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷間圧延機の板厚制御
装置に関するものであり、特に、圧延速度を加減速する
場合、入側板厚の変動あるいは圧延材変形抵抗の変動な
どにより、出側板厚が変動するような場合などに適用し
て有利な技術を提案する。
【0002】
【従来の技術】一般に、圧延機の加減速時は、ロール軸
受け部の油膜発生や、ロールと被圧延材間の摩擦係数の
変化により、定速圧延のときよりも大きな出側板厚偏差
を発生することが知られている。従来、油膜軸受けを使
用している圧延設備においては、圧延ロールの回転速度
が高くなると、それに応じて圧延ロールの軸受け部への
給油量が増加し、油膜厚みが増加し、これが板厚精度に
悪影響を与えていた。これに対し、最近、コロ軸受けを
用いた圧延設備が主流となっているものの、油膜厚みの
変動による弊害を完全に無くすまでには到っていない。
とくに、最近の圧延技術は、加減速時の摩擦係数の変化
による板厚変動が顕著に現われる傾向が強く、その改善
が強く求められていた。
【0003】冷間圧延における板厚制御方式としては、
現在、フィードフォワード制御, ゲージメータ制御, X
線モニター制御, 張力制御などが知られている。 a.フィードフォワード制御は、入側の板厚計で板厚変
動分を測定し、その変動量に応じてロール圧下位置を調
整する方式である。この方法では、摩擦係数や圧延材の
変形抵抗の変化に起因する圧延荷重変化には対処できな
いという問題がある。 b.ゲージメータ制御は、圧延機出側の板厚hgmを圧下
位置と圧延荷重とから下記(1) 式を適用したゲージメー
タ板厚を用いて制御する方式である。この制御方式で
は、制御開始時の出側板厚が一定となるように、下記
(2) 式に基づいて圧下位置を変更する制御方法であり、
圧延荷重の変動を基にして制御するため、前記した圧延
荷重変動に対しては対処が可能である。 hgm=S+P/M …(1) ΔS=−a*(P−P0 )/M …(2) S:圧下位置 ΔS:圧下位置変更量 a:ゲイン P:圧延荷重 P0 :制御開始時の圧延荷重 M:ミル定数 しかし、ゲインaを大きくすると、ロール偏芯による板
厚変動が大きくなるため、aをあまり大きくできず、ま
た、応答性が高いため、板厚修正のために急激な圧延荷
重変動を引き起こし、形状不良を発生するという問題が
ある。 c.X線モニター制御(フィードバック制御)では、圧
延機出側に設置された板厚計で板厚を検出して制御する
ので、圧延材が板厚計に到達するまでの時間遅れがある
ため、制御ゲインを大きくできず、制御性能が低いとい
う問題がある。 d.張力制御は、張力を積極的に変化させ、圧延荷重を
増減させて出側板厚を制御する方式であり、荷重変化に
伴う板厚変動が大きい場合、張力による板厚の制御範囲
を越えてしまうことから、十分な制御ができないという
問題がある。
【0004】従来技術が抱えているこうした問題点に対
し、最近では、加減速時の板厚変動を制御するための新
たな取組みも見られる。 特開平4−367309号公報では、摩擦係数の速度依存
性関数を求め、圧延速度に応じて圧下装置に圧下補償量
を出力する方式を提案している。 特公昭50−10833 号公報では、加減速に応じて所定の
パターンにより圧下位置を変更し、該圧下位置変更量を
入出側に設けた厚み計による板厚検出値を用いて修正
し、次回の加減速時の補償精度を高める方式を提案して
いる。しかし、これら, の技術は、いずれも圧延速
度変化に応じて圧下位置を予測(または予測したパター
ン) にて変更する方法であるが、変更量の予測が難しい
という問題が残る。 特開平1−245909号公報では、摩擦係数の変化に伴
う圧延荷重変化を抑止するために、上下の圧延ロールの
回転速度を圧延速度に応じて変更する方式を提案してい
る。しかし、この技術は、上下圧延ロールの回転速度を
変えなければならないので、既設圧延設備の改造が不可
欠であり、その改造コストが高いという問題が残る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、各従
来技術が抱えている上述した問題を解決することのでき
る板厚制御装置を開発することにあり、圧延速度の変化
や入側板厚の変化, 圧延材変形抵抗の変化などに伴う圧
延荷重変化の大きい領域での板厚精度の向上および圧延
歩留りの向上を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上掲の目的を実現するの
に有効な方法として、本発明では、以下に述べる要旨構
成にかかる新規の板厚制御装置を提案する。すなわち、
本発明は、 (1) 圧延荷重検出装置(4) および出側板厚検出装置(10)
と、上記出側板厚検出装置で検出した出側板厚と板厚目
標値とが一致するように圧下位置制御装置を操作するた
めの第1の圧下位置修正量演算装置(20)と、圧延荷重の
変化量と前記圧下位置制御装置の圧下位置の変化量およ
び補正係数とから、前記圧下位置制御装置の第1の圧下
位置修正量を補正するための第2の圧下位置修正量演算
装置(30)と、第1の圧下位置修正量および第2の圧下位
置修正量の和により圧下位置を修正するための圧下位置
制御装置および第2の圧下位置修正量演算装置(30)によ
る第1の圧下位置修正量の補正に当たって、ゲージメー
タ板厚の変動量が小さくなるように、圧下位置修正補正
係数を演算するための圧下位置修正量補正装置(40)、を
設けてなる圧延機の板厚制御装置において、上記圧下位
置修正量補正装置(40)による圧下位置修正量補正を、制
御開始時点からの圧延荷重の変化量または目標圧延荷重
からの圧延荷重の変化量が所定の範囲を外れた場合に、
この変化量の絶対値が大きいほど前記圧下位置補正係数
を小さくすることにより、第2の圧下位置修正量を低減
する圧下位置修正補正係数を出力するように構成したこ
とを特徴とする圧延機の板厚制御装置である。 (2) なお、上記の板厚制御装置においては、第2の圧下
位置修正量演算装置に出側板厚検出装置の出力を入力す
るようにしたことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明にかかる冷間圧延における板厚制御装置
は、とくに圧延速度の加減速時や入側板厚の変動などに
影響される出側板厚の変動を制御するのに有効な制御方
式として開発されたものであり、実測した圧延荷重を基
にして板厚を制御するゲージメータ板厚制御の考え方を
基本としている。即ち、本発明は、従来のゲージメータ
板厚制御が抱えている問題点を検討することにより完成
したものである。
【0008】さて、既知のゲージメータ板厚制御の第1
の問題点、即ちロール偏芯による影響については、この
ロール偏芯による板厚変動量よりも、加減速に伴う板厚
変動量の方が数倍以上も大きいため、ゲージメータ板厚
の変動による圧下修正に対して、ロール偏芯に影響され
ないデッドバンドを設ければ解決できる。また、このゲ
ージメータ板厚制御の第2の問題点, 即ち、形状不良に
対しては、圧延荷重変動をもとに圧下位置修正量を演算
しているため、この圧延荷重変動が大きく、それ故に大
きな形状変化を引き起こすような場合には、圧下位置制
御量の幅に制限を加えることにより、急激な形状変化に
対処できる。
【0009】このような着想のもとで本発明では、上記
第1, 2の問題点を克服するるには、制御開始時を基準
としたゲージメータ板厚変化量を演算し、このゲージメ
ータ板厚変動量を所定の変動範囲に制御することが有効
であるとの結論を得た。即ち、上記板厚変動量が、所定
の変動量を越えた場合には、第1の板厚制御装置(第1
圧下位置修正量演算装置)から圧下位置制御装置への出
力値に加えて、上記ゲージメータ板厚の変動量を小さく
するように、上記圧下位置制御装置へ圧下位置修正量を
出力するための第2の板厚制御装置(第2圧下位置再修
正量演算装置)を設けた板厚制御装置が有効になる。即
ち、本発明は、制御開始時を基準としたゲージメータ板
厚変化量と圧延機出側板厚検出器にて検出される出側板
厚検出値変化量とが一致するように、上記ゲージメータ
板厚変化量を補正した出側板厚変化修正量を演算し、そ
して、その出側板厚変化修正量が所定の変動範囲を越え
る場合には、前記第1圧下位置修正量演算装置から圧下
位置制御装置への出力値に加えて、さらに上記出側板厚
修正量の変動量を小さくするように、前記圧下位置制御
装置へ圧下位置再修正を加える第2圧下位置再修正量演
算装置を設けたものである。
【0010】以下に、本発明にかかる板厚制御装置につ
いての具体的な制御方法について述べる。 a.冷間圧延時、圧延機出側の板厚を、ゲージメータ板
厚および修正したゲージメータ板厚より求め、制御開始
時点からの上記ゲージメータ板厚および修正したゲージ
メータ板厚の変動値が所定の上限値よりも大きい場合
は、前記第1の圧下位置修正量演算装置により、圧下位
置制御装置に対して圧延ロール開度を閉とする圧下位置
修正量を出力し、逆に上記ゲージメータ板厚および修正
したゲージメータ板厚の変動が所定の下限値よりも小さ
い場合には、圧延ロール開度を開とする圧下位置修正量
を出力する。 b.そして、上記の操作により制御開始した時点からの
圧延荷重の変動については、第2の圧下位置修正量演算
装置により、その変動量が所定の上限値を越えるように
なると、閉方向の圧下位置修正量を低減させれば、圧延
荷重の増加量は抑制されるから、形状の急激な変化を防
止することができる。一方、制御を開始した時点からの
圧延荷重の変動が所定の下限値を下回るようになると、
この開方向の圧下位置修正量を低減させれば、圧延荷重
の減少量は小さくなり、この場合もまた、逆方向への形
状の急激な変化を防止することができるようになる。
【0011】即ち、本発明は、上記圧下位置修正量補正
装置による圧下位置修正量補正を、制御開始時点からの
圧延荷重の変化量または目標圧延荷重からの圧延荷重の
変化量が所定の範囲を外れた場合に、この変化量の絶対
値が大きいほど前記圧下位置補正係数を小さくすること
により、第2の圧下位置修正量を低減する圧下位置修正
補正係数を出力するように構成したことを特徴とするも
のである。
【0012】
【実施例】実施例1 本発明を、図1に示す4段圧延機に適用した例について
説明する。圧延材1は、図示していない圧延速度制御装
置により駆動される一対のワークロール2, 2′により
同図の左側から右側方向に圧延される。図示の20は、
第1の圧下位置修正量演算装置であり、これは、圧延機
の出側に設置されている出側板厚検出装置10で検出し
た出側板厚と所定の板厚目標値とから圧下位置修正量を
算出して、加算器100に第1の圧下位置修正量を出力
する。次に、図示の30は、第2の圧下位置修正量演算
装置であり、これは、圧延荷重検出装置4で検出した圧
延荷重と圧下位置制御装置6の出力した圧下位置と圧下
位置修正量補正装置40で算出した補正係数とから第2
の圧下位置修正量を算出して、加算器100に第2の圧
下位置修正量として出力する。なお、前記圧下位置修正
量補正装置40は、圧延荷重検出装置4で検出した圧延
荷重の変化量から補正係数を算出して、第2の圧下位置
再修正量演算装置30に出力する装置である。このよう
にして前記加算器100には、第1の圧下位置修正量と
第2の圧下位置再修正量とが入力され、その和を圧下位
置制御装置6に出力する。そして、前記圧下位置制御装
置6では、第1の圧下位置修正量演算装置20で演算し
た第1の圧下位置修正量と第2の圧下位置修正量演算装
置30で演算した第2の圧下位置修正量との和の値だけ
圧下位置を修正して、圧延材1の板厚を制御する。しか
も、前記圧下位置制御装置6は、圧延材1の板厚を制御
すると同時に、その修正した圧下位置を第2の圧下位置
修正量演算装置30にも出力する。本発明はこのように
して、圧延材の板厚制御を行うのである。
【0013】以下に、この板厚制御方法についてさらに
詳しく説明する。 出側板厚検出装置10で検出した出側板厚hxと板
厚目標値hrの差から、第1の圧下位置修正量ΔS
1 を、例えば(3) 式で表わされる比例・積分演算により
算出し、加算器100に出力する。 ΔS1 =(Kp+Ki/s)×(hr−hx)…(3) ただし、Kp:比例ゲイン Ki:積分ゲイン s :ラプラス演算子
【0014】 一方、前記圧下位置修正量補正装置4
0では、圧延荷重検出装置4の圧延荷重検出値Pの変化
量ΔPが所定の上限値および下限値の範囲内にある場合
は補正係数Gpcmpを1、それを外れる場合は圧延荷重の
急激な変化を防止するために、補正係数Gpcmpを1以下
で、かつ前記変化量の絶対値が大きくなるほど小さな値
となる圧下位置修正補正係数を算出して、第2の圧下位
置修正量演算装置20に出力する。このようにして算出
される圧延荷重検出値変化量Pは、第2の圧下位置修正
量演算装置30の制御を開始した時点または目標圧延荷
重からの圧延荷重Pの変化量である。例えば、圧下位置
修正量補正装置40は、図2に示すように、予め定めた
圧延荷重変化量ΔPと補正係数Gpcmpとの関数から、検
出した圧延荷重の変化量ΔPを入力し、補正係数Gpcmp
を第2の圧下位置修正量演算装置30に出力するように
構成しても良い。
【0015】 本発明の特徴である第2の圧下位置修
正量演算装置30は、圧下位置制御装置6の圧下位置S
と圧延荷重検出装置4で検出した圧延荷重Pとから当該
装置の制御開始からのゲージメータ板厚変化量Δhgmを
下記の(4) 式で算出する。 Δhgm=ΔS+ΔP/M …(4) ΔS=S−S0 ……(5) ΔP=P−P0 ……(6) ただし、 S :圧下位置 S0 :第2の圧下位置修正量演算装置の制御を開始した
時点の圧下位置または目標圧延荷重 P :圧延荷重 P0 :第2の圧下位置修正量演算装置の制御を開始した
時点の圧延荷重または目標圧延荷重 M :ミル定数 なお、形状制御手段を有する圧延機においては、形状制
御手段の操作量がゲージメータ板厚に影響を及ぼすた
め、形状制御手段の操作量によりゲージメータ板厚変化
量の補正を公知技術によって行ってもよい。
【0016】 上述した第2の圧下位置修正量演算装
置30は、前記ゲージメータ板厚変化量Δhgmの大きさ
を判断し、第2の圧下位置修正量ΔS2 を、ゲージメー
タ板厚変化量Δhgmが上限値ΔUlimit を越える場合は
(7) 式で算出し、ゲージメータ板厚変化量Δhgmが下限
値ΔLlimit よりも小さい場合は(8) 式で算出して、加
算器100に出力する。
【数1】 ゲージメータ板厚変化量Δhgmが上限値と下限値の範囲
内にある場合は、第2の圧下位置修正量ΔS2 =0であ
り、第1の圧下位置修正量ΔS1 のみでの公知の制御と
なる。なお、第2の圧下位置修正量ΔS2 の算出方法
は、比例・積分処理して、ゲージメータ板厚変化量Δh
gmが上限値ΔUlimit を越える場合は(9) 式、ゲージメ
ータ板厚変化量Δhgmが下限値ΔLlimit よりも小さい
場合は(10)式で算出しても良い。
【数2】
【0017】 圧下位置制御装置6は加算器100に
より加算された第1の圧下位置修正量ΔS1 と第2の圧
下位置修正量ΔS2 の和だけ圧下位置を修正すると同時
に、第2の圧下位置修正量演算装置30に圧下位置を出
力する。
【0018】このように構成することにより、修正ゲー
ジメータ板厚変化量の変動が所定の上限値よりも大きく
なると、ロール開度を閉とし、修正ゲージメータ板厚変
化量の変動が所定の下限値よりも小さくなると、ロール
開度を開とするのでロール偏芯の影響を受けずに高精度
な板厚制御ができる。さらに、前記の制御により、圧延
荷重の変動が所定の上限値を越え、ロール開度を閉方向
に操作する際には、圧下位置の修正量を小さくするの
で、圧延荷重の増加量が小さくなり、形状の急激な変化
が防止できる。一方、圧延荷重の変動が下限値を下回わ
り、ロール開度を開方向に操作する際には、圧下位置の
修正量を小さくするので、圧延荷重の減少量が小さくな
り、形状の急激な変化が防止できる。
【0019】入側板厚が急激に変化した場合の出側板厚
の変動を、本発明制御方法と従来のX線モニター制御方
法とを比較したものを図3に示す。この図から明らかな
ように、本発明によれば、出側板厚を早期に制御できる
ことがわかる。
【0020】実施例2 次に、本発明を図4に示す4段圧延機に適用した例につ
いて、説明する。図1に示す実施例1の装置の構成と異
なるところは、第2の圧下位置修正量演算装置30に出
側板厚検出装置10の出力が入力されることである。第
2の圧下位置修正量演算装置30は、出側板厚検出装置
10で検出した出側板厚検出値の変化量と圧延荷重検出
装置4で検出した圧延荷重と圧下位置制御装置6の出力
した圧下位置と圧下位置修正量補正装置40で算出した
補正係数とから第2の圧下位置修正量を算出して、加算
器100に第2の圧下位置修正量を出力する。
【0021】すなわち、この実施例では、 :ゲージメータ板厚変化量の圧延荷重の項(ΔP/
M)は線形近似しているので、圧延荷重レベルが変わる
ことによりゲージメータ板厚変化量Δhgmに誤差が生じ
る。これを補正するために、第2の圧下位置修正量演算
装置30は、ゲージメータ板厚変化量が出側板厚検出装
置10が検出した出側板厚検出値の変化量に一致するよ
うに、修正ゲージメータ板厚変化量Δhcmp をゲージメ
ータ板厚変化量Δhgmと出側板厚検出値変化量Δhx と
から、例えば(11)式で算出する。
【数3】 上記では、圧延材の同一部位におけるゲージメータ板厚
と出側板厚検出値変化量を用いているが、板厚の変化速
度が小さい場合には同一時刻におけるゲージメータ板厚
と出側板厚検出値変化量を用いても良い。
【0022】:次いで、第2の圧下位置修正量演算装
置30は、前記修正ゲージメータ板厚変化量Δhcmp の
大きさを判断し、第2の圧下位置修正量ΔS2 を、例え
ば、修正ゲージメータ板厚変化量Δhcmp の値が上限値
limit を越える場合は(13)式で算出し、修正ゲージメ
ータ板厚変化量Δhcmp の値が下限値Lli mit よりも小
さい場合は(14)式で算出し、加算器100に出力する。
修正ゲージメータ板厚変化量Δhcmp が上限値と下限値
の範囲内にある場合は第2の圧下位置修正量ΔS2 =0
であり、第1の圧下位置修正量ΔS1 のみでの公知の制
御となる。
【数4】 第2の圧下位置修正量ΔS2 の算出方法は、比例・積分
処理して、修正ゲージメータ板厚変化量Δhcmp が上限
値ΔUlimit を越える場合は(15)式、修正ゲージメータ
板厚変化量Δhcmp が下限値ΔLlimit よりも小さい場
合は(16)式で算出しても良い。
【数5】
【0023】圧下位置制御装置6は、加算器100によ
り加算された第1の圧下位置修正量ΔS1 と第2の圧下
位置修正量ΔS2 の和だけ圧下位置を修正すると同時
に、第2の圧下位置修正量演算装置30に圧下位置を出
力する。
【0024】このように構成することにより、修正ゲー
ジメータ板厚変化量の変動が所定の上限値よりも大きく
なると、ロール開度を閉とし、修正ゲージメータ板厚変
化量の変動が所定の下限値よりも小さくなると、ロール
開度を開とするのでロール偏芯の影響を受けずに高精度
な板厚制御ができる。さらに、前記の制御により圧延荷
重の変動が次第に所定の上限値を越えるようになると、
ロール開度を閉方向に操作する際には、圧下位置の修正
量を小さくするので、圧延荷重の増加量が小さくなり形
状の急激な変化が防止できる。圧延荷重の変動が下限値
を下回ると、ロール開度を開方向に操作する際には、圧
下位置の修正量を小さくするので、圧延荷重の減少量が
小さくなり形状の急激な変化が防止できる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、圧
延材形状を急激に変化させることなく、圧延速度の加減
速に伴う摩擦係数の変動、入側板厚の変動、圧延材の変
形抵抗の変動等に起因する出側板厚の変動を制御でき、
さらに高精度な板厚制御ができるので、板厚精度の良好
な圧延材を安定して製造できると共に、圧延材の歩留り
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す構成図。
【図2】本発明における圧下位置修正補正係数の説明
図。
【図3】本発明と従来例との板厚制御の比較線図。
【図4】本発明による他の実施例を示す構成図。
【符号の説明】
1 圧延材 2 圧延ロール 4 圧延荷重検出装置 6 圧下位置制御装置 10 出側板厚検出装置 20 第1の圧下位置修正量演算装置 30 第2の圧下位置修正量演算装置 40 圧下位置修正量補正装置 100 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木島 秀夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 星野 将史 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 斎数 正晴 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延荷重検出装置(4) および出側板厚検
    出装置(10)と、 上記出側板厚検出装置で検出した出側板厚と板厚目標値
    とが一致するように圧下位置制御装置を操作するための
    第1の圧下位置修正量演算装置(20)と、 圧延荷重の変化量と前記圧下位置制御装置の圧下位置の
    変化量および補正係数とから、前記圧下位置制御装置の
    第1の圧下位置修正量を補正するための第2の圧下位置
    修正量演算装置(30)と、 第1の圧下位置修正量および第2の圧下位置修正量の和
    により圧下位置を修正する圧下位置制御装置、および第
    2の圧下位置修正量演算装置(30)による第1の圧下位置
    修正量の補正に当たって、ゲージメータ板厚の変動量が
    小さくなるように圧下位置修正補正係数を演算する圧下
    位置修正量補正装置(40)と、を設けてなる圧延機の板厚
    制御装置において、 上記圧下位置修正量補正装置(40)による圧下位置修正量
    補正を、制御開始時点からの圧延荷重の変化量または目
    標圧延荷重からの圧延荷重の変化量が所定の範囲を外れ
    た場合に、この変化量の絶対値が大きいほど前記圧下位
    置補正係数を小さくすることにより、第2の圧下位置修
    正量を低減する圧下位置修正補正係数を出力するように
    構成したことを特徴とする圧延機の板厚制御装置。
  2. 【請求項2】 第2の圧下位置修正量演算装置に出側板
    厚検出装置の出力を入力するようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008142756A (ja) * 2006-12-12 2008-06-26 Kobe Steel Ltd 冷間圧延における板厚・形状制御方法
CN115990615A (zh) * 2021-10-20 2023-04-21 宁德时代新能源科技股份有限公司 辊压机的控制方法、装置及辊压机

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