JP2583082B2 - 導電性酸化鉄粒子粉末及びその製造法 - Google Patents
導電性酸化鉄粒子粉末及びその製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、導電性と分散性、作業性等の粉体特性に優
れている導電性酸化鉄粒子粉末及びその製造法である。
れている導電性酸化鉄粒子粉末及びその製造法である。
本発明に係る導電性酸化鉄粒子粉末の主な用途は、帯
電防止材用、電磁波吸収材用、シールド材用材料粉末及
び磁気記録用磁性粒子粉末等である。
電防止材用、電磁波吸収材用、シールド材用材料粉末及
び磁気記録用磁性粒子粉末等である。
先ず、導電性材料粒子粉末は、帯電防止材用材料粉末
として広く使用されている。
として広く使用されている。
近年、安全面、衛生面や精度面からクリーンルームの
使用が多くなり、クリーンルームのほこりやごみを極力
少なくする為、クリーンルームに帯電防止された素材が
使用され始めている。また、ICやLSIの放電破壊を防ぐ
為にも帯電防止が必要となっている。
使用が多くなり、クリーンルームのほこりやごみを極力
少なくする為、クリーンルームに帯電防止された素材が
使用され始めている。また、ICやLSIの放電破壊を防ぐ
為にも帯電防止が必要となっている。
一般に、帯電防止された素材は、導電性材料粒子粉末
を塗料、ゴム、プラスチック等に分散させて導電性を付
与することにより製造されている。帯電防止された素材
は、製造に際して、出来るだけ塗料等の特性を劣化させ
ないことが重要であり、その為には、塗料等に分散させ
る導電性材料粒子粉末自身の導電性が優れていることに
よって出来るだけ少ない含有量で所望の導電性を付与で
きることが要求される。この事実は、例えば、色材協会
関東支部共催「第24回顔料工学講座−導電材料とその応
用−」(1986年)第1〜19頁の「‥‥導電フィラーとし
て望ましい特性を図−2に示したが、低含有量で導電性
が出せ、かつ、樹脂の特性を劣化することが少ないもの
が要求されることは言うまでもない。」なる記載の通り
である。
を塗料、ゴム、プラスチック等に分散させて導電性を付
与することにより製造されている。帯電防止された素材
は、製造に際して、出来るだけ塗料等の特性を劣化させ
ないことが重要であり、その為には、塗料等に分散させ
る導電性材料粒子粉末自身の導電性が優れていることに
よって出来るだけ少ない含有量で所望の導電性を付与で
きることが要求される。この事実は、例えば、色材協会
関東支部共催「第24回顔料工学講座−導電材料とその応
用−」(1986年)第1〜19頁の「‥‥導電フィラーとし
て望ましい特性を図−2に示したが、低含有量で導電性
が出せ、かつ、樹脂の特性を劣化することが少ないもの
が要求されることは言うまでもない。」なる記載の通り
である。
次に、導電性材料粒子粉末は、電磁波吸収材用、シー
ルド材用材料粉末として広く使用されている。
ルド材用材料粉末として広く使用されている。
近年、半導体回路がIC、LSIに代わり、小型、軽量、
安価になり、また、ハウジング、カバー類が量産されプ
ラスチックが安く大量に使用されるようになり、更に、
デジタル化、高速化が進んだことにより、エレクトロニ
クス機器の普及が著しく、電磁波障害が問題となってい
る。そして、電磁波障害を防止する為、導電性材料粒子
粉末を塗料やゴム、プラスチック等に分散させて導電性
を付与することが行われている。
安価になり、また、ハウジング、カバー類が量産されプ
ラスチックが安く大量に使用されるようになり、更に、
デジタル化、高速化が進んだことにより、エレクトロニ
クス機器の普及が著しく、電磁波障害が問題となってい
る。そして、電磁波障害を防止する為、導電性材料粒子
粉末を塗料やゴム、プラスチック等に分散させて導電性
を付与することが行われている。
更に、導電性に加えて磁性を有する材料粒子粉末は、
磁気テープの走行トラブルの原因となる帯電現象を防止
する為磁性塗料中に多量に添加されるカーボンブラック
等の導電性粒子粉末の添加量を少なくすることができる
ので磁気記録用磁性粒子粉末として期待され、実用化さ
れつつある。
磁気テープの走行トラブルの原因となる帯電現象を防止
する為磁性塗料中に多量に添加されるカーボンブラック
等の導電性粒子粉末の添加量を少なくすることができる
ので磁気記録用磁性粒子粉末として期待され、実用化さ
れつつある。
この事実は、例えば、特開昭61−61406号公報の「磁
気テープの走行トラブルを引き起こす原因の一つにテー
プの帯電現象がある。‥‥従来、この問題を解決するた
めに、磁性層中に導電性のカーボンブラックを添加する
方法‥‥などが提案されている。‥‥充分な帯電防止効
果を達成するためには磁性粉に対して多量添加する必要
がある。ところが、このような多量の添加はテープの電
磁変換特性を低下させる原因となるため、上記特性を考
慮するとその添加量はできるだけ少なくすることが好ま
しい。」なる記載の通りである。
気テープの走行トラブルを引き起こす原因の一つにテー
プの帯電現象がある。‥‥従来、この問題を解決するた
めに、磁性層中に導電性のカーボンブラックを添加する
方法‥‥などが提案されている。‥‥充分な帯電防止効
果を達成するためには磁性粉に対して多量添加する必要
がある。ところが、このような多量の添加はテープの電
磁変換特性を低下させる原因となるため、上記特性を考
慮するとその添加量はできるだけ少なくすることが好ま
しい。」なる記載の通りである。
上述した通り、導電性材料粒子粉末は、様々の分野で
使用されているが、いずれの分野においても共通して要
求されている導電性材料粒子粉末の特性は、導電性が優
れていることはもちろん、塗料等への分散に際して、分
散性、作業性等粉体特性が優れていることである。
使用されているが、いずれの分野においても共通して要
求されている導電性材料粒子粉末の特性は、導電性が優
れていることはもちろん、塗料等への分散に際して、分
散性、作業性等粉体特性が優れていることである。
現在、導電性材料粉末としては、種々のものが使用さ
れており、例えば、カーボンブラック等のカーボン系粉
末、銅粉末、アルミニウム粉末、ニッケル粉末等の金属
系粉末、還元酸化チタン粉末、Sb固溶SnO2やTiO2で被覆
された雲母粉末、Sb固溶SnO2で被覆された酸化チタン粉
末等の金属酸化物系粉末等が知られている。
れており、例えば、カーボンブラック等のカーボン系粉
末、銅粉末、アルミニウム粉末、ニッケル粉末等の金属
系粉末、還元酸化チタン粉末、Sb固溶SnO2やTiO2で被覆
された雲母粉末、Sb固溶SnO2で被覆された酸化チタン粉
末等の金属酸化物系粉末等が知られている。
導電性と分散性、作業性等の粉体特性に優れている導
電性材料粒子粉末は、現在最も要求されているところで
あるが、上述した通りの公知のカーボン系粉末は、0.01
〜0.02μm程度の超微細粒子でありかさ高い粉末である
為取り扱いが困難で作業性が悪いものである。また、発
ガン性等の安全、衛生面からの問題点も指摘されてい
る。
電性材料粒子粉末は、現在最も要求されているところで
あるが、上述した通りの公知のカーボン系粉末は、0.01
〜0.02μm程度の超微細粒子でありかさ高い粉末である
為取り扱いが困難で作業性が悪いものである。また、発
ガン性等の安全、衛生面からの問題点も指摘されてい
る。
上述した通りの公知の金属系粉末は、優れた導電性を
有するものではあるが、機械粉砕等の製造法に起因して
粒度や形状等の粒子形態が不均一且つ不揃いである為、
分散性に問題があった。
有するものではあるが、機械粉砕等の製造法に起因して
粒度や形状等の粒子形態が不均一且つ不揃いである為、
分散性に問題があった。
更に、上述した通りの公知の金属酸化物系粉末は、導
電性の点で不十分であり、例えば、金属酸化物顔料とし
て最も代表的な酸化鉄粒子粉末の電気抵抗は108〜109Ω
−cm程度である。そこで、金属酸化物系粉末を還元した
り、各種物質で被覆することにより導電性を付与するこ
とが行われているが、前出公知の金属酸化物系導電性材
料粒子粉末は、いずれも体積固有抵抗が103Ω−cm程度
であり未だ、導電性に優れたものとは言い難い。
電性の点で不十分であり、例えば、金属酸化物顔料とし
て最も代表的な酸化鉄粒子粉末の電気抵抗は108〜109Ω
−cm程度である。そこで、金属酸化物系粉末を還元した
り、各種物質で被覆することにより導電性を付与するこ
とが行われているが、前出公知の金属酸化物系導電性材
料粒子粉末は、いずれも体積固有抵抗が103Ω−cm程度
であり未だ、導電性に優れたものとは言い難い。
近年、金属系粉末の優れた導電性と金属酸化物系粉末
の粒度や形状等の粒子形態に起因する優れた分散性、作
業性等の粉体特性とを兼ね備えた材料粒子粉末として、
例えば、特開昭61−31318号公報に記載されている通
り、板状酸化鉄粒子粉末の粒子表面に化学めっき等の金
属層を生成させることが試みられている。
の粒度や形状等の粒子形態に起因する優れた分散性、作
業性等の粉体特性とを兼ね備えた材料粒子粉末として、
例えば、特開昭61−31318号公報に記載されている通
り、板状酸化鉄粒子粉末の粒子表面に化学めっき等の金
属層を生成させることが試みられている。
しかしながら、板状酸化鉄粒子粉末のように微細粒子
であり、且つ粒子の厚みの薄い粒子に化学めっき等によ
り金属層を均一且つ強固に生成させることは、非常に困
難であった。即ち、被めっき物である板状酸化鉄粒子粉
末は、微細、且つ、厚みが薄い為、化学めっきに先立っ
て行われる酸、アルカリによる処理工程において溶解し
てしまったり、また、化学めっきに先立って行われる板
状酸化鉄粒子粉末の粒子表面へのパラジウム金属等の触
媒付与に際して、パラジウム金属が粒子表面に付与され
ず単独で分離してしまい、その結果、板状酸化鉄粒子粉
末の粒子表面ではなく、分離したパラジウム金属の表面
で化学めっきが生起するという現象が見られた。
であり、且つ粒子の厚みの薄い粒子に化学めっき等によ
り金属層を均一且つ強固に生成させることは、非常に困
難であった。即ち、被めっき物である板状酸化鉄粒子粉
末は、微細、且つ、厚みが薄い為、化学めっきに先立っ
て行われる酸、アルカリによる処理工程において溶解し
てしまったり、また、化学めっきに先立って行われる板
状酸化鉄粒子粉末の粒子表面へのパラジウム金属等の触
媒付与に際して、パラジウム金属が粒子表面に付与され
ず単独で分離してしまい、その結果、板状酸化鉄粒子粉
末の粒子表面ではなく、分離したパラジウム金属の表面
で化学めっきが生起するという現象が見られた。
そこで、導電性と分散性、作業性等の粉体特性に優れ
た導電性材料粒子粉末を得るべく、板状酸化鉄粒子粉末
の粒子表面に均一且つ強固な金属層を生成させる為の技
術手段の確立が強く要望されている。
た導電性材料粒子粉末を得るべく、板状酸化鉄粒子粉末
の粒子表面に均一且つ強固な金属層を生成させる為の技
術手段の確立が強く要望されている。
本発明者は、板状酸化鉄粒子粉末の粒子表面に均一且
つ強固な金属層を生成させる方法について種々検討を重
ねた結果、本発明に到達したのである。
つ強固な金属層を生成させる方法について種々検討を重
ねた結果、本発明に到達したのである。
即ち、本発明は、下層がSi又はAl若しくはSi及びAlの
いずれかを含む酸化物層であって上層がNi、Co及びCuか
ら選ばれる金属の一種又は二種以上からなる金属層であ
る二重層によって粒子表面が被覆されており、且つ、体
積固有抵抗が100Ω−cm以下である板状FeOx・Fe2O
3(0≦x≦1)粒子からなる導電性酸化鉄粒子粉末及
び板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子を含む懸濁液に
Siを含む化合物又はAlを含む化合物若しくは当該両化合
物を添加して混合撹拌することにより、前記板状FeOx
・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表面にSi又はAl若し
くはSi及びAlのいずれかを含む酸化物層或いは水酸化物
層を生成させ、次いで、当該粒子を水洗、過、乾燥し
た後加熱処理することにより、Si又はAl若しくはSi及び
Alのいずれかを含む酸化物層が粒子表面に生成されてい
る板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子を得、次いで、
当該粒子をNi、Co及びCuから選ばれる金属の一種又は二
種以上を含むめっき液で化学めっきすることを特徴とす
る下層がSi又はAl若しくはSi及びAlのいずれかを含む酸
化物層であって上層がNi、Co及びCuから選ばれる金属の
一種又は二種以上からなる金属層である二重層によって
粒子表面が被覆されており、且つ、体積固有抵抗が100
Ω−cm以下である板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子
からなる導電性酸化鉄粒子粉末の製造法である。
いずれかを含む酸化物層であって上層がNi、Co及びCuか
ら選ばれる金属の一種又は二種以上からなる金属層であ
る二重層によって粒子表面が被覆されており、且つ、体
積固有抵抗が100Ω−cm以下である板状FeOx・Fe2O
3(0≦x≦1)粒子からなる導電性酸化鉄粒子粉末及
び板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子を含む懸濁液に
Siを含む化合物又はAlを含む化合物若しくは当該両化合
物を添加して混合撹拌することにより、前記板状FeOx
・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表面にSi又はAl若し
くはSi及びAlのいずれかを含む酸化物層或いは水酸化物
層を生成させ、次いで、当該粒子を水洗、過、乾燥し
た後加熱処理することにより、Si又はAl若しくはSi及び
Alのいずれかを含む酸化物層が粒子表面に生成されてい
る板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子を得、次いで、
当該粒子をNi、Co及びCuから選ばれる金属の一種又は二
種以上を含むめっき液で化学めっきすることを特徴とす
る下層がSi又はAl若しくはSi及びAlのいずれかを含む酸
化物層であって上層がNi、Co及びCuから選ばれる金属の
一種又は二種以上からなる金属層である二重層によって
粒子表面が被覆されており、且つ、体積固有抵抗が100
Ω−cm以下である板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子
からなる導電性酸化鉄粒子粉末の製造法である。
先ず、本発明において最も重要な点は、板状FeOx・F
e2O3(0≦x≦1)粒子粉末の化学めっきに先立ってあ
らかじめ板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表
面をSi又はAl若しくはSi及びAlのいずれかを含む酸化物
層で被覆した場合には、化学めっきに先立って行われる
酸、アルカリ等の処理により、板状FeOx・Fe2O3(0≦
x≦1)粒子が溶解することがなく、また、板状FeOx
・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表面への均一且つ強
固なめっきが可能となり、その結果、導電性と分散性、
作業性等の粉体特性に優れた酸化鉄粒子粉末が得られる
という事実である。
e2O3(0≦x≦1)粒子粉末の化学めっきに先立ってあ
らかじめ板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表
面をSi又はAl若しくはSi及びAlのいずれかを含む酸化物
層で被覆した場合には、化学めっきに先立って行われる
酸、アルカリ等の処理により、板状FeOx・Fe2O3(0≦
x≦1)粒子が溶解することがなく、また、板状FeOx
・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表面への均一且つ強
固なめっきが可能となり、その結果、導電性と分散性、
作業性等の粉体特性に優れた酸化鉄粒子粉末が得られる
という事実である。
本発明においては、被めっき物である板状FeOx・Fe2
O3(0≦x≦1)粒子が酸、アルカリ等の処理により溶
解しない為、殊に、1μm以下の微細粒子や厚みが500
Å以下の薄い粒子であっても金属層を生成させることが
可能である。
O3(0≦x≦1)粒子が酸、アルカリ等の処理により溶
解しない為、殊に、1μm以下の微細粒子や厚みが500
Å以下の薄い粒子であっても金属層を生成させることが
可能である。
本発明における板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子
の粒子表面への均一且つ強固なめっきが可能となる理由
については、未だ明らかではないが本発明者は、板状Fe
Ox・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表面をSi又はAl若
しくはSi及びAlのいずれかを酸化物層で被覆した場合に
は、パラジウム金属等の触媒が単独で分離することな
く、当該酸化物層の表面に選択的に付与される為であろ
うと考えている。
の粒子表面への均一且つ強固なめっきが可能となる理由
については、未だ明らかではないが本発明者は、板状Fe
Ox・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表面をSi又はAl若
しくはSi及びAlのいずれかを酸化物層で被覆した場合に
は、パラジウム金属等の触媒が単独で分離することな
く、当該酸化物層の表面に選択的に付与される為であろ
うと考えている。
本発明に係る導電性酸化鉄粒子粉末は、体積固有抵抗
が100Ω−cm以下、殊に、10-1Ω−cm以下であり、導電
性において優れたものである。
が100Ω−cm以下、殊に、10-1Ω−cm以下であり、導電
性において優れたものである。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べ
る。
る。
本発明における板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子
としては、天然又は合成により得られた平均径0.1〜100
μm、厚み0.005〜15μmであって、板状比(板面径/
粒子の厚み)2:1〜500:1の板状ヘマタイト(α−Fe
2O3)粒子、該ヘマタイト粒子を常法により還元して得
られた板状マグネタイト(Fe3O4)粒子、該マグネタイ
ト粒子を更に常法により酸化して得られた板状マグヘマ
イト(γ−Fe2O3)粒子及び当該マグヘマイトと上記マ
グネタイトの中間還元状態にある板状ベルトライド(Fe
Ox・Fe2O3(0<x<1))粒子が使用できる。板状マ
グネタイト粒子粉末、板状マグヘマイト粒子粉末、板状
ベルトライド粒子粉末は磁性を有しており、磁気記録用
磁性粒子粉末として使用できる。
としては、天然又は合成により得られた平均径0.1〜100
μm、厚み0.005〜15μmであって、板状比(板面径/
粒子の厚み)2:1〜500:1の板状ヘマタイト(α−Fe
2O3)粒子、該ヘマタイト粒子を常法により還元して得
られた板状マグネタイト(Fe3O4)粒子、該マグネタイ
ト粒子を更に常法により酸化して得られた板状マグヘマ
イト(γ−Fe2O3)粒子及び当該マグヘマイトと上記マ
グネタイトの中間還元状態にある板状ベルトライド(Fe
Ox・Fe2O3(0<x<1))粒子が使用できる。板状マ
グネタイト粒子粉末、板状マグヘマイト粒子粉末、板状
ベルトライド粒子粉末は磁性を有しており、磁気記録用
磁性粒子粉末として使用できる。
本発明においては、板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)
粒子を含む懸濁液にSiを含む化合物又はAlを含む化合物
若しくは当該両化合物を添加して混合撹拌することによ
り、前記板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表
面にSi及びAlのいずれかを含む酸化物層或いは水酸化物
層を生成させることができる。
粒子を含む懸濁液にSiを含む化合物又はAlを含む化合物
若しくは当該両化合物を添加して混合撹拌することによ
り、前記板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表
面にSi及びAlのいずれかを含む酸化物層或いは水酸化物
層を生成させることができる。
本発明におけるSiを含む化合物としては、ケイ酸ナト
リウム、ケイ酸カリウム、コロイド状シリカ等を使用す
ることができる。Siを含む化合物は、板状FeOx・Fe2O3
(0≦x≦1)粒子表面にSiを含む酸化物層として生成
する。
リウム、ケイ酸カリウム、コロイド状シリカ等を使用す
ることができる。Siを含む化合物は、板状FeOx・Fe2O3
(0≦x≦1)粒子表面にSiを含む酸化物層として生成
する。
本発明におけるAlを含む化合物としては、アルミン酸
ナトリウム、塩化アルミニウム等を使用することができ
る。Alを含む化合物は、板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦
1)粒子表面にAlを含む水酸化物層として生成する。
ナトリウム、塩化アルミニウム等を使用することができ
る。Alを含む化合物は、板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦
1)粒子表面にAlを含む水酸化物層として生成する。
本発明においては、添加したSiを含む化合物又はAlを
含む化合物の略全量が板状FeOx・Fe2O3粒子上にSi又は
Alを含む酸化物層或いは水酸化物層として生成する。
含む化合物の略全量が板状FeOx・Fe2O3粒子上にSi又は
Alを含む酸化物層或いは水酸化物層として生成する。
本発明においては、Si又はAl若しくはSi及びAlのいず
れかを含む酸化物層或いは水酸化物層が粒子表面に生成
されている板状FeOx・Fe2O3粒子を加熱処理する。
れかを含む酸化物層或いは水酸化物層が粒子表面に生成
されている板状FeOx・Fe2O3粒子を加熱処理する。
この加熱処理により、Si又はAl若しくはSi及びAlのい
ずれかを含む酸化物層或いは水酸化物層の粒子表面への
密着性が強固になり、また、水酸化物層は酸化物層とな
る。加熱処理温度は100〜1000℃の範囲である。100℃未
満である場合には、板状FeOx・Fe2O3粒子表面へのSi又
はAl若しくはSi及びAlのいずれかを含む酸化物層或いは
水酸化物層の密着性が不十分である。1000℃を越える場
合には、板状FeOx・Fe2O3粒子相互間で焼結が生起す
る。加熱処理温度は、被処理物である板状FeOx・Fe2O3
粒子の変態温度を考慮すれば、板状マグネタイト粒子の
場合100〜200℃、板状マグヘマイト粒子の場合100〜500
℃、板状ヘマタイト粒子の場合100〜1000℃が好まし
い。
ずれかを含む酸化物層或いは水酸化物層の粒子表面への
密着性が強固になり、また、水酸化物層は酸化物層とな
る。加熱処理温度は100〜1000℃の範囲である。100℃未
満である場合には、板状FeOx・Fe2O3粒子表面へのSi又
はAl若しくはSi及びAlのいずれかを含む酸化物層或いは
水酸化物層の密着性が不十分である。1000℃を越える場
合には、板状FeOx・Fe2O3粒子相互間で焼結が生起す
る。加熱処理温度は、被処理物である板状FeOx・Fe2O3
粒子の変態温度を考慮すれば、板状マグネタイト粒子の
場合100〜200℃、板状マグヘマイト粒子の場合100〜500
℃、板状ヘマタイト粒子の場合100〜1000℃が好まし
い。
本発明における金属層は、化学めっきにより生成させ
ることができ、例えば、特開昭61−261482号公報に記載
されている通り、被めっき物である無機粒子粉末を強酸
性塩化第一錫溶液に浸漬し、次いで強酸性塩化パラジウ
ム溶液に浸漬して活性化処理を施した後、化学めっきす
る方法、米国特許第3011920号公報に記載されている通
り、被めっき物を強酸性パラジウム−錫コロイド溶液に
接触させることにより触媒作用を行うパラジウムを付与
した後、化学めっきする方法、特開昭62−207875号公報
に記載されている通り、被めっき物である無機粒子を含
む水懸濁液と陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性界
面活性剤から選ばれた一種又は二種以上を含むパラジウ
ムヒドロゾルとを混合撹拌して前記無機粒子の粒子表面
にパラジウムコロイドを吸着させ、次いで、当該パラジ
ウムコロイドが吸着されている無機粒子を化学めっきす
る方法のいずれの方法であってもよい。殊に、特開昭62
−207875号公報に記載の方法による場合には、均一且つ
強固な金属層の生成が可能であり、優れた導電性を得る
ことができる。また、特開昭62−207875号公報に記載の
方法におけるパラジウムコロイドは、界面活性剤の種類
により電荷が異なる為、負電荷を示すパラジウムコロイ
ドの場合には、正電荷を有するAlを含む酸化物層によ
り、また、正電荷を示すパラジウムコロイドの場合に
は、負電荷を有するSiを含む酸化物層によりあらかじめ
板状FeOx・Fe2O3粒子を被覆しておくことが好ましい。
ることができ、例えば、特開昭61−261482号公報に記載
されている通り、被めっき物である無機粒子粉末を強酸
性塩化第一錫溶液に浸漬し、次いで強酸性塩化パラジウ
ム溶液に浸漬して活性化処理を施した後、化学めっきす
る方法、米国特許第3011920号公報に記載されている通
り、被めっき物を強酸性パラジウム−錫コロイド溶液に
接触させることにより触媒作用を行うパラジウムを付与
した後、化学めっきする方法、特開昭62−207875号公報
に記載されている通り、被めっき物である無機粒子を含
む水懸濁液と陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性界
面活性剤から選ばれた一種又は二種以上を含むパラジウ
ムヒドロゾルとを混合撹拌して前記無機粒子の粒子表面
にパラジウムコロイドを吸着させ、次いで、当該パラジ
ウムコロイドが吸着されている無機粒子を化学めっきす
る方法のいずれの方法であってもよい。殊に、特開昭62
−207875号公報に記載の方法による場合には、均一且つ
強固な金属層の生成が可能であり、優れた導電性を得る
ことができる。また、特開昭62−207875号公報に記載の
方法におけるパラジウムコロイドは、界面活性剤の種類
により電荷が異なる為、負電荷を示すパラジウムコロイ
ドの場合には、正電荷を有するAlを含む酸化物層によ
り、また、正電荷を示すパラジウムコロイドの場合に
は、負電荷を有するSiを含む酸化物層によりあらかじめ
板状FeOx・Fe2O3粒子を被覆しておくことが好ましい。
本発明における金属層の種類は、Ni、Co及びCuから選
ばれる金属の一種又は二種以上である。殊に、磁性を有
する板状FeOx・Fe2O3粒子をCoの金属層で被覆した場合
には、導電性を付与すると同時に飽和磁化等の磁性をも
向上させることが出来る。
ばれる金属の一種又は二種以上である。殊に、磁性を有
する板状FeOx・Fe2O3粒子をCoの金属層で被覆した場合
には、導電性を付与すると同時に飽和磁化等の磁性をも
向上させることが出来る。
本発明に係る導電性酸化鉄粒子粉末の酸化物層中のSi
量及びAl量は、それぞれ板状FeOx・Fe2O3粒子に対しSi
O2換算で1〜50重量%、Al2O3換算で1〜50重量%であ
る。1重量%未満である場合には、本発明の目的を達成
することができない。50重量%を越える場合にも本発明
の目的を達成することができる必要以上に被覆する意味
がない。実用上は、5〜20重量%の範囲内で選定するこ
とが好ましい。
量及びAl量は、それぞれ板状FeOx・Fe2O3粒子に対しSi
O2換算で1〜50重量%、Al2O3換算で1〜50重量%であ
る。1重量%未満である場合には、本発明の目的を達成
することができない。50重量%を越える場合にも本発明
の目的を達成することができる必要以上に被覆する意味
がない。実用上は、5〜20重量%の範囲内で選定するこ
とが好ましい。
本発明に係る導電性酸化鉄粒子粉末の金属層は、板状
FeOx・Fe2O3粒子に対し20〜300重量%である。20重量
%未満である場合には、本発明の目的を達成することが
できない。300重量%を越える場合にも本発明の目的を
達成することができるが、必要以上に被覆する意味がな
い。実用上は、50〜200重量%の範囲内で選定すること
が好ましい。
FeOx・Fe2O3粒子に対し20〜300重量%である。20重量
%未満である場合には、本発明の目的を達成することが
できない。300重量%を越える場合にも本発明の目的を
達成することができるが、必要以上に被覆する意味がな
い。実用上は、50〜200重量%の範囲内で選定すること
が好ましい。
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明す
る。
る。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均径
は電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示したも
のであり、厚み及び板状比はBET法により測定した比表
面積値と上記平均径から求めた数値で示した。
は電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示したも
のであり、厚み及び板状比はBET法により測定した比表
面積値と上記平均径から求めた数値で示した。
体積固有抵抗は、TR6142電流発生器(タケダ理研
(株)製)及びME−540電圧計(SOAR(株)製)を用い
て四端子法により測定した値で示した。
(株)製)及びME−540電圧計(SOAR(株)製)を用い
て四端子法により測定した値で示した。
〈パラジウムヒドロゾルの調製〉試料A〜C; 試 料:A 塩化パラジウム(II)500μmolを塩化ナトリウム2500
μmolを含む水溶液25mlに溶解し、次いで純水で940mlに
希釈した。この溶液を激しく撹拌しながら、ステアリル
トリメチルアンモニウムクロライド100mgを含む水溶液1
0mlを加え、次いで、水素化ホウ素ナトリウム2000μmol
を含む水溶液50mlを滴下すると、溶液の色が急変し、pH
9.0の黒褐色透明なパラジウムヒドロゾル(電荷は+チ
ャージ)を得た。
μmolを含む水溶液25mlに溶解し、次いで純水で940mlに
希釈した。この溶液を激しく撹拌しながら、ステアリル
トリメチルアンモニウムクロライド100mgを含む水溶液1
0mlを加え、次いで、水素化ホウ素ナトリウム2000μmol
を含む水溶液50mlを滴下すると、溶液の色が急変し、pH
9.0の黒褐色透明なパラジウムヒドロゾル(電荷は+チ
ャージ)を得た。
試 料:B 界面活性剤としてポリエチレングリコール−p−ノニ
ルフェニルエーテル(ポリエチレングリコールの重合度
10)を使用した以外は、試料Aと同様にしてpH8.5のパ
ラジウムヒドロゾル(電荷は−チャージ)を得た。
ルフェニルエーテル(ポリエチレングリコールの重合度
10)を使用した以外は、試料Aと同様にしてpH8.5のパ
ラジウムヒドロゾル(電荷は−チャージ)を得た。
試 料:C 界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムを使用した以外は、試料Aと同様にしてpH8.7のパ
ラジウムヒドロゾル(電荷は−チャージ)を得た。
ウムを使用した以外は、試料Aと同様にしてpH8.7のパ
ラジウムヒドロゾル(電荷は−チャージ)を得た。
〈化学めっき液の調製〉 試料I〜II; 試 料:I(ニッケルめっき液の調製) 無水塩化ニッケル(II)0.1molを4mol/のアンモニ
ア水溶液500mlに溶解し、該溶液に0.2mol/の次亜リン
酸ナトリウム500mlを加えた後、濃塩酸により溶液のpH
を8.9に調整した。
ア水溶液500mlに溶解し、該溶液に0.2mol/の次亜リン
酸ナトリウム500mlを加えた後、濃塩酸により溶液のpH
を8.9に調整した。
試 料:II 0.8mol/のロッセル塩と、0.8mol/の水酸化ナトリ
ウム及び0.5mol/の硫酸銅(II)5水塩を純水に溶解
して100mlとし、更に35%ホルムアルデヒド溶液100mlを
混合した。
ウム及び0.5mol/の硫酸銅(II)5水塩を純水に溶解
して100mlとし、更に35%ホルムアルデヒド溶液100mlを
混合した。
〈導電性酸化鉄粒子粉末の製造〉 実施例1 試料Aの板状ヘマタイト粒子粉末(平均径2.5μm、
厚み0.03μm、板状比83:1、体積固有抵抗1.4×107Ω−
cm)50gを含むpH12.5の水懸濁液2.0中に3号水ガラス
(SiO228.55重量%)35.0g(板状ヘマタイト粒子に対し
20.0重量%に該当する。)を添加して混合撹拌した後、
塩酸を添加してpH7.0に調整することにより、前記板状
ヘマタイト粒子の表面にSiO2層を生成させ、次いで、該
粒子を450℃で60分間加熱焼成した。
厚み0.03μm、板状比83:1、体積固有抵抗1.4×107Ω−
cm)50gを含むpH12.5の水懸濁液2.0中に3号水ガラス
(SiO228.55重量%)35.0g(板状ヘマタイト粒子に対し
20.0重量%に該当する。)を添加して混合撹拌した後、
塩酸を添加してpH7.0に調整することにより、前記板状
ヘマタイト粒子の表面にSiO2層を生成させ、次いで、該
粒子を450℃で60分間加熱焼成した。
上記懸濁液の一部を、常法により過、水洗、乾燥し
た。得られた板状ヘマタイト粒子の表面に生成されてい
るSiO2量は、螢光X線分析の結果、SiO2換算で18.1重量
%であった。
た。得られた板状ヘマタイト粒子の表面に生成されてい
るSiO2量は、螢光X線分析の結果、SiO2換算で18.1重量
%であった。
上記加熱焼成して得られた粒子表面にSiO2層が生成さ
れている板状ヘマタイト粒子粉末2gを試料Aのパラジウ
ムヒドロゾル750mlに室温下で60分間浸漬した後、水
洗、過した。
れている板状ヘマタイト粒子粉末2gを試料Aのパラジウ
ムヒドロゾル750mlに室温下で60分間浸漬した後、水
洗、過した。
得られたパラジウムコロイドが吸着されている板状ヘ
マタイト粒子を試料1のニッケル化学めっき液に室温下
浸漬した後、水洗、乾燥した。
マタイト粒子を試料1のニッケル化学めっき液に室温下
浸漬した後、水洗、乾燥した。
得られた粒子粉末は、走査型電子顕微鏡観察の結果、
粒子表面に均一にめっきされていることが認められた。
また、体積固有抵抗が3×10-1Ω−cmであり、また、螢
光X線分析の結果、Niは板状ヘマタイト粒子に対し95重
量%であった。
粒子表面に均一にめっきされていることが認められた。
また、体積固有抵抗が3×10-1Ω−cmであり、また、螢
光X線分析の結果、Niは板状ヘマタイト粒子に対し95重
量%であった。
実施例2〜8 板状FeOx・Fe2O3粒子粉末の種類、Si又はAl若しくは
Si及びAlのいずれかを含む酸化物層或いは水酸化物層の
生成工程におけるpH、Siを含む化合物の種類、添加量、
Alを含む化合物の種類、添加量及びpH、加熱処理工程に
おける温度及び時間並びに化学めっき工程におけるパラ
ジウムヒドロゾルの種類、めっき浴の種類及び量を種々
変化させた以外は、実施例1と同様にして各種粒子粉末
を得た。この時の主要製造条件及び諸特性を表1乃至表
2に示す。
Si及びAlのいずれかを含む酸化物層或いは水酸化物層の
生成工程におけるpH、Siを含む化合物の種類、添加量、
Alを含む化合物の種類、添加量及びpH、加熱処理工程に
おける温度及び時間並びに化学めっき工程におけるパラ
ジウムヒドロゾルの種類、めっき浴の種類及び量を種々
変化させた以外は、実施例1と同様にして各種粒子粉末
を得た。この時の主要製造条件及び諸特性を表1乃至表
2に示す。
実施例5で得られためっき後の粒子粉末は、図1に示
す走査型電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通
り、後出図3の電子顕微鏡写真に示されている球状粒子
が見られないことからNiめっきが均一に行われているこ
とが認められた。
す走査型電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通
り、後出図3の電子顕微鏡写真に示されている球状粒子
が見られないことからNiめっきが均一に行われているこ
とが認められた。
実施例2乃至4並びに6乃至8で得られた粒子粉末も
同様に走査型電子顕微鏡観察の結果、粒子表面に均一に
めっきされたものであることが認められた。
同様に走査型電子顕微鏡観察の結果、粒子表面に均一に
めっきされたものであることが認められた。
比較例1 試料Aの板状ヘマタイト粒子(透過型電子顕微鏡写真
(×10000)を図2に示す。)を用い、実施例1と同様
にして板状ヘマタイト粒子に直接Niめっき処理を行った
後、水洗、乾燥した。
(×10000)を図2に示す。)を用い、実施例1と同様
にして板状ヘマタイト粒子に直接Niめっき処理を行った
後、水洗、乾燥した。
得られた乾燥粒子粉末は、図3に示す透過型電子顕微
鏡写真(×10000)から明らかな通り、板状ヘマタイト
粒子は一部溶解して微細且つ変形しており、また、球状
粒子が別個独立に生成していることから、Ni金属粒子が
ヘマタイト粒子表面にめっきされることなく、分離独立
して析出したことが認められた。
鏡写真(×10000)から明らかな通り、板状ヘマタイト
粒子は一部溶解して微細且つ変形しており、また、球状
粒子が別個独立に生成していることから、Ni金属粒子が
ヘマタイト粒子表面にめっきされることなく、分離独立
して析出したことが認められた。
比較例2 加熱処理をしなかった以外は実施例1と同様にして乾
燥粒子粉末を得た。
燥粒子粉末を得た。
得られた乾燥粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結
果、変形した板状粒子と球状粒子とが混在していること
から、板状ヘマタイト粒子が溶解し、且つ、Ni金属粒子
が分離独立して析出したことが認められた。
果、変形した板状粒子と球状粒子とが混在していること
から、板状ヘマタイト粒子が溶解し、且つ、Ni金属粒子
が分離独立して析出したことが認められた。
比較例3 加熱処理をしなかった以外は、実施例7と同様にして
乾燥粒子粉末を得た。
乾燥粒子粉末を得た。
得られた乾燥粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結
果、変形した板状粒子と球状粒子とが混在していること
から、板状ヘマタイト粒子が溶解し、且つ、Ni金属粒子
が分離独立して析出したことが認められた。
果、変形した板状粒子と球状粒子とが混在していること
から、板状ヘマタイト粒子が溶解し、且つ、Ni金属粒子
が分離独立して析出したことが認められた。
〔発明の効果〕 本発明に係る導電性酸化鉄粒子粉末は、前出実施例に
示した通り、下層がSi又はAl若しくはSi及びAlのいずれ
かを含む酸化物層であって上層がNi、Co及びCuから選ば
れる金属の一種又は二種以上からなる金属層である二重
層によって粒子表面が被覆されており、且つ、体積固有
抵抗が100Ω−cm以下である板状FeOx・Fe2O3(0≦x
≦1)粒子であることに起因して、導電性と分散性、作
業性等の粉体特性に優れた粒子であるので、帯電防止材
用、電波吸収材用、シールド材料用材料粉末及び磁気記
録用磁性粒子粉末等として好適である。
示した通り、下層がSi又はAl若しくはSi及びAlのいずれ
かを含む酸化物層であって上層がNi、Co及びCuから選ば
れる金属の一種又は二種以上からなる金属層である二重
層によって粒子表面が被覆されており、且つ、体積固有
抵抗が100Ω−cm以下である板状FeOx・Fe2O3(0≦x
≦1)粒子であることに起因して、導電性と分散性、作
業性等の粉体特性に優れた粒子であるので、帯電防止材
用、電波吸収材用、シールド材料用材料粉末及び磁気記
録用磁性粒子粉末等として好適である。
【図面の簡単な説明】 図1乃至図3はいずれも電子顕微鏡写真であり、図1は
実施例5で得られた下層がSiを含む酸化物層であって上
層がNi金属層で被覆されている板状ヘマタイト粒子粉
末、図2は試料Aの板状ヘマタイト粒子粉末及び図3は
比較例1で得られた変形した板状粒子と球状粒子との混
合粒子粉末である。
実施例5で得られた下層がSiを含む酸化物層であって上
層がNi金属層で被覆されている板状ヘマタイト粒子粉
末、図2は試料Aの板状ヘマタイト粒子粉末及び図3は
比較例1で得られた変形した板状粒子と球状粒子との混
合粒子粉末である。
Claims (2)
- 【請求項1】下層がSi又はAl若しくはSi及びAlのいずれ
かを含む酸化物層であって上層がNi、Co及びCuから選ば
れる金属の一種又は二種以上からなる金属層である二重
層によって粒子表面が被覆されており、且つ、体積固有
抵抗が100Ω−cm以下である板状FeOx・Fe2O3(0≦x
≦1)粒子からなる導電性酸化鉄粒子粉末。 - 【請求項2】板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子を含
む懸濁液にSiを含む化合物又はAlを含む化合物若しくは
当該両化合物を添加して混合撹拌することにより、前記
板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子の粒子表面にSi又
はAl若しくはSi及びAlのいずれかを含む酸化物層或いは
水酸化物層を生成させ、次いで、当該粒子を水洗、
過、乾燥した後加熱処理することにより、Si又はAl若し
くはSi及びAlのいずれかを含む酸化物層が粒子表面に生
成されている板状FeOx・Fe2O3(0≦x≦1)粒子を
得、次いで、当該粒子をNi、Co及びCuから選ばれる金属
の一種又は二種以上を含むめっき液で化学めっきするこ
とを特徴とする下層がSi又はAl若しくはSi及びAlのいず
れかを含む酸化物層であって上層がNi、Co及びCuから選
ばれる金属の一種又は二種以上からなる金属層である二
重層によって粒子表面が被覆されており、且つ、体積固
有抵抗が100Ω−cm以下である板状FeOx・Fe2O3(0≦
x≦1)粒子からなる導電性酸化鉄粒子粉末の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62301334A JP2583082B2 (ja) | 1987-11-28 | 1987-11-28 | 導電性酸化鉄粒子粉末及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62301334A JP2583082B2 (ja) | 1987-11-28 | 1987-11-28 | 導電性酸化鉄粒子粉末及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01141822A JPH01141822A (ja) | 1989-06-02 |
JP2583082B2 true JP2583082B2 (ja) | 1997-02-19 |
Family
ID=17895609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62301334A Expired - Fee Related JP2583082B2 (ja) | 1987-11-28 | 1987-11-28 | 導電性酸化鉄粒子粉末及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2583082B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4581474B2 (ja) * | 2004-04-30 | 2010-11-17 | 戸田工業株式会社 | 電波吸収材用球状フェライト粒子、その製造方法およびフェライト粒子を含む半導体封止用樹脂組成物 |
-
1987
- 1987-11-28 JP JP62301334A patent/JP2583082B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01141822A (ja) | 1989-06-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |