JP2582765Y2 - 灯具とリヤーフィニッシャとの間隙規制構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、車両用灯具のランプハ
ウジングに一体成形されたシール溝の壁部に対して間隙
寸法規制片が固定されており、リヤーフィニッシャに固
着されたスプリングが上記の間隙寸法規制片に圧接せし
められている、間隙寸法規制構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は、自動車を後方から見たところを
模式的に描いた外観図であって、リヤーフィニッシャの
両側にリヤーコンビネーションランプが配置されている
状態を表わしている。図示の間隙寸法ｇを一定ならしめ
るよう、間隙規制構造が設けられている。図５は従来例
の間隙寸法規制構造を示すためのものであって、リヤー
コンビネーションランプとリヤーフィニッシャとが接近
している部分の付近を模式的に描いた水平断面図であ
る。リヤーコンビネーションランプ１は、ランプハウジ
ング１ａに前面レンズ１ｂを装着して成り、上記前面レ
ンズ１ｂに一体成形されたレンズ脚１ｄが、ランプハウ
ジングのシール溝１ｃに挿入され、ホットメルト（熱軟
化性接着剤１ｅにより接着されている。この場合、ホッ
トメルト１ｅは接着作用とシール作用とを兼ねている。
リヤーフィニッシャ２は、ハウジング２ａに対して標示
レンズ２ｂを接着した構造である。前記リヤーコンビネ
ーションランプ１との間隙寸法ｇを規制するため、前記
ランプハウジングのシール溝１ｃの壁部に対して間隙寸
法規制片１ｆが一体に、合成樹脂材料で成形されるとと
もに、リヤーフィニッシャのハウジング２ａに固定され
たボス２ｃに対してスプリング３が取付ネジ４で取付け
られている。上記のスプリング３が間隙寸法規制片１ｆ
に圧接せしめられて、間隙寸法ｇを規制している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】図５に示した従来例に
おいては、スプリング３が間隙寸法規制片１ｆに圧接せ
しめられるので、該間隙寸法規制片１ｆはその反力を支
持する。上記間隙寸法規制片１ｆはシール溝１ｃの壁部
に対して一体連設されているので、間隙寸法規制片１ｆ
がスプリング３から外力を受けて歪むと、該シール溝１
ｃの内周面とホットメルト１ｅとが剥離してシール性能
が低下する。本考案は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、シール溝を変形せしめてホットメルトも剥離
を生じる虞れの無い間隙寸法規制構造を提供することを
目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本考案の灯具とリヤーフィニッシャとの間隙寸法規
制構造の構成は、灯具のランプハウジングに一体成形さ
れたシール溝の壁部に対して間隙寸法規制片が固定され
ており、リヤーフィニッシャに固着されたスプリングが
上記の間隙寸法規制片に圧接せしめられている、間隙寸
法規制構造に適用され、前記ランプハウジングと、シー
ル溝の壁部と、間隙寸法規制片との関係位置を拘束する
補強リブが設けられていることを特徴とする。

【０００５】

【作用】上記の構成によると、シール溝がランプハウジ
ングに対して変形しないようにリブで補強されている。
而してランプハウジングは比較的剛性が大きいので、該
ランプハウジングに対する関係位置を固定されたシール
溝は、その剛性が増加し、実用上の精度で剛体と見做す
ことができる。従って、シール溝の変形によるホットメ
ルトの剥離を生じる虞れが無く、ランプハウジング内の
気密が保たれ、雨水や洗車水の浸入が防止される。しか
も、リブを追加するだけの構成であるから製造コストの
増加は微小である。

【０００６】

【実施例】次に、本考案の実施例について、図１〜図３
を参照しつつ説明する。図１は本考案に係る灯具とリヤ
ーフィニッシャとの間隙規制構造の１実施例を示し、従
来例における図５に対応する断面図であるが、構造の理
解に便なるごとく模式化して描いてあり、必ずしも実施
例の写真的な投影図ではなく、原理的説明図である。図
２は上記実施例における要部分解斜視図であって、灯具
の斜前方から見た状態を描いてある。図３は上記実施例
における要部分解斜視図であって、灯具の斜後方から見
た状態を描いてある。本実施例は前記従来例（図５）に
本考案を適用して改良したものであって、図５と同一の
図面参照符号を付したものは前記従来例におけると同様
ないし類似の構成部分である。次に、本実施例が前記従
来例に比して異なる点、すなわち、本考案を適用して改
良した事項を説明する。本例においては、間隙寸法規制
片１ｆと、シール溝１ｃの壁と、ランプハウジング１ａ
とに連設されて、これらの部材の相対的な変位を抑制す
る補強リブ５を、合成樹脂材料によって一体に成形して
連設した。これにより、間隙寸法規制片１ｆがスプリン
グ３によって押圧されてもシール溝１ｃの壁は変形しな
い。従ってシール溝１ｃの内周面が変形してホットメル
ト１ｅの剥離を生じる虞れが無い。

【０００７】

【考案の効果】本考案を適用すると、シール溝がランプ
ハウジングに対して変形しないようにリブで補強されて
いる。而してランプハウジングは比較的剛性が大きいの
で、該ランプハウジングに対する関係位置を固定された
シール溝は、その剛性が増加し、実用上の精度で剛体を
見做すことができる。従って、シール溝の変形によるホ
ットメルトの剥離を生じる虞れが無く、ランプハウジン
グ内の気密が保たれ、雨水や洗車水の浸入が防止され
る。しかも、リブを追加するだけの構成であるから製造
コストの増加は微小であるという優れた実用的効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る灯具とリヤーフィニッシャとの間
隙規制構造の１実施例を示し、従来例における図５に対
応する断面図であるが、構造の理解に便なるごとく模式
化して描いてあり、必ずしも実施例の写真的な投影図で
はなく、原理的説明図である。

【図２】上記実施例における要部分解斜視図であって、
灯具の斜前方から見た状態を描いてある。

【図３】上記実施例における要部分解斜視図であって、
灯具の斜後方から見た状態を描いてある。

【図４】自動車を後方から見たところを模式的に描いた
外観図であって、リヤーフィニッシャの両側にリヤーコ
ンビネーションランプが配置されている状態を表わして
いる。

【図５】従来例の間隙寸法規制構造を示すためのもので
あって、リヤーコンビネーションランプとリヤーフィニ
ッシャとが接近している部分の付近を模式的に描いた水
平断面図である。

【符号の説明】

１…リヤーコンビネーションランプ，１ａ…ランプハウ
ジング，１ｂ…前面レンズ，１ｃ…シール溝，１ｄ…レ
ンズ脚，１ｅ…ホットメルト（熱軟化性接着剤），１ｆ
…間隙寸法規制片，２…リヤーフィニッシャ，２ａ…ハ
ウジング，２ｂ…標示レンズ，２ｃ…ボス，３…スプリ
ング，４…取付ネジ，５…本考案に係る補強リブ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 灯具のランプハウジングに一体成形され
   たシール溝の壁部に対して間隙寸法規制片が固定されて
   おり、リヤーフィニッシャに固着されたスプリングが上
   記の間隙寸法規制片に圧接せしめられている、間隙寸法
   規制構造において、 前記ランプハウジングと、シール溝の壁部と、間隙寸法
   規制片との関係位置を拘束する補強リブが設けられてい
   ることを特徴とする、灯具とリヤーフィニッシャとの間
   隙寸法規制構造。