JP2579880Y2 - マグネットキャッチ - Google Patents

マグネットキャッチ

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JP2579880Y2
JP2579880Y2 JP1993069303U JP6930393U JP2579880Y2 JP 2579880 Y2 JP2579880 Y2 JP 2579880Y2 JP 1993069303 U JP1993069303 U JP 1993069303U JP 6930393 U JP6930393 U JP 6930393U JP 2579880 Y2 JP2579880 Y2 JP 2579880Y2
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章 赤田
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Simotec Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、磁石の吸着力を利用し
て蓋や扉などを閉状態などの一定の状態に保持するため
のマグネットキャッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のマグネットキャッチとし
てゴムにフェライト粉末を混在させた所謂ゴム磁石を利
用したものがあった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記ゴム磁石
には吸着力のそれほど大きなものがなかったので、その
吸着力を利用したマグネットキャッチでは、蓋や扉を閉
状態などの一定の状態に保持する力をそれほど強くする
ことができなかった。また、ゴム磁石の吸着力を利用し
たマグネットキャッチをヨットやクルーザなどのような
潮風の当たる場所で用いると、ゴムに混在しているフェ
ライト粉末に早期に赤錆が発錆しやすく、使用を継続で
きなくなるといった問題があった。
【0004】本考案は以上の事情や問題に鑑みてなされ
たものであり、蓋や扉を閉状態などの一定の状態に保持
する力が大きくて、しかも潮風の当たる場所で用いても
発錆のおそれのないマグネットキャッチを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の考案によ
るマグネットキャッチは、非磁性体でなるケースに、
ェライトでなる永久磁石の全面をクロロプレンゴムでな
る皮膜で被覆してなる吸着体とこの吸着体の相反する側
の吸着面に吸着されたステンレス材などの耐錆性に優れ
た一対の強磁性板とが収容されていると共に、一対の強
磁性板の一部が上記ケースの一面に開設された開口から
突き出て吸着部となされ、上記皮膜の厚さが0.15〜
0.3mmであるというものである。
【0006】
【作用】請求項1記載の考案によるマグネットキャッチ
によれば、永久磁石の全面が合成樹脂またはゴムでなる
皮膜で被覆されており、しかも永久磁石の吸着面に吸着
されて一部がケース外に突き出た吸着部を有する強磁性
が耐錆性に優れたステンレス材などでなるので、永久
磁石や強磁性板が錆びて使用できなくなるといった事態
が起こりにくい。
【0007】また、永久磁石を被覆している皮膜の厚さ
が0.3mm以下という薄いものであるので、永久磁石
の磁力によって発揮される吸着体の吸着力が皮膜によっ
てほとんど損なわれない。このため、冒頭で説明したゴ
ム磁石を利用した従来のマグネットキャッチと比べる
と、蓋や扉を保持する力が大きくなり、また、皮膜で被
覆されていない永久磁石を利用したマグネットキャッチ
に比べても蓋や扉を保持する力が遜色のないものとな
る。
【0008】さらに、皮膜が耐磨耗性や耐引裂性などの
機械的性質に優れ、耐候性などの化学的性質にも優れる
0.15mm以上のクロロプレンゴムであるので、ケー
スに吸着体や強磁性体を組み込むときなどに皮膜が破れ
たり、実使用中に皮膜が劣化したりするといった事態が
起こりにくい
【0009】
【実施例】第1実施例を説明する。図1と図2は本考案
の第1実施例によるマグネットキャッチの分解斜視図、
図3は第1実施例によるマグネットキャッチを裏カバー
を省略して背面側から見た斜視図、図4は第1実施例に
よるマグネットキャッチを前面側から見た斜視図、図5
は第1実施例によるマグネットキャッチの一部破断側面
図である。また、図6は吸着体の一部を示した断面図で
ある。
【0010】図1および図2のように、このマグネット
キャッチは、合成樹脂たとえばポリプロピレン樹脂のよ
うな非磁性体でなるケース1と、吸着体2と、金属材た
とえばステンレス材のような耐錆性に優れた強磁性板3
と、上掲したような非磁性体でなる裏カバー4とからな
る。
【0011】ケース1は背面側が開放された縦長中空箱
形であって、両端部に取付孔11,11を備え、前壁1
2の4箇所にスリット状の開口13…が具備され、側壁
内面の複数箇所にリブ14…が設けられている。吸着体
2は、異方性フェライトでなる直方体の永久磁石21の
全面(6面)を永久磁石21の表面がまったく露出しな
いように皮膜22で被覆したものであり、皮膜22には
クロロプレンゴムが用いられている。図例のマグネット
キャッチでは同一形状の2個の吸着体2,2が用いられ
ている。図1および図2で判るように、強磁性板3は、
縦に並べて相互に吸着させた2個の吸着体2,2の縦長
吸着面と同じ大きさであり、その長辺部に対称に一対の
突片状の吸着部31,31が一体に具備されている。そ
して、縦に並べて相互に吸着させた2個の吸着体2,2
の相反する側の縦長吸着面のそれぞれに1枚ずつの強磁
性板3を吸着させたものが、図3のようにケース1に嵌
め込まれて収容されていると共に、上記吸着部31…の
それぞれが図4のようにケース1の前壁12の開口13
…のそれぞれから突き出されている。ケース1に収容さ
れた強磁性板3,3は、ケース1側のリブ14…によ
り、上記吸着部31がケース1の前壁12に対して出退
可能になるように摺動自在に支持されている。裏カバー
4はポリプロピレン樹脂などの合成樹脂で作られてい
て、周囲複数箇所に係合突起41…を備えており、裏カ
バー4をケース1の背面側の開口19に嵌め込んでその
係合突起41…をケース1側の孔部16…に係合させる
ことによりケース1に組み付けられる。また、裏カバー
4には対称に弾力性を備えた舌片42,42が設けられ
ており、ケース1に裏カバー4が組み付けられた状態で
は、それらの舌片42,42がケース1に収容されてい
る個々の吸着体2,2とその両側の強磁性板3,3と
を、強磁性板3,3の吸着部31,31がケース1の前
壁12から突出する方向に弾発付勢している。したがっ
て、たとえば蓋や扉などに固着されている磁性板が勢い
よく吸着部31…に当たっても、そのときの衝撃が舌片
42,42の弾性に抗して吸着部31,31が構体する
ことにより吸収される。
【0012】以上説明したマグネットキャッチは、それ
自体は発錆することのある異方性フェライトでなる永久
磁石21の吸着力を利用しているものではあるけれど
も、その永久磁石21を、発錆するおそれのないクロロ
プレンゴムの皮膜22で全面被覆することにより吸着体
2を構成しているので、永久磁石21が空気や潮風など
に当たらなくなる。したがって、永久磁石21の発錆が
上記皮膜22により防止される。また、吸着部31を備
えた強磁性板3はステンレス材のような耐錆性に優れた
金属材でできているので、その強磁性板3が空気や潮風
に当たって発錆することもない。ケース1や裏カバー4
は合成樹脂製であるので錆びない。
【0013】周知のように、皮膜22に用いられている
クロロプレンゴムは、耐磨耗性や耐引裂性などの機械的
性質に優れているばかりでなく、耐候性などの化学的性
質にも優れている。したがって、吸着体2を金属材であ
る強磁性板3,3と共にケース1に組み込むときや当該
マグネットキャッチの実使用中などに、吸着体2と強磁
性板3,3とが衝突したり擦れ合ったりしたとしても、
吸着体2の皮膜22が破れて永久磁石21が露出すると
いった事態が簡単には起こらず、また、実使用中に皮膜
22が劣化したりするといった事態が起こりにくい。よ
って、ヨットやクルーザなどの潮風の当たる場所で実使
用されてもその耐用寿命がきわめて長いものになる。
【0014】図6に示した皮膜22の厚さTは0.3m
m以下にしてある。これは、永久磁石21を皮膜22で
全面被覆した場合、皮膜22の厚さによっては永久磁石
21の磁力が皮膜により遮られて吸着体3の吸着力が著
しく低下することがあるからである。クロロプレンゴム
でなる皮膜22の厚さが0.3mm以下という薄いもの
であれば、永久磁石21の磁力によって発揮される吸着
体3の吸着力が皮膜22によってほとんど損なわれない
ことを確認している。しかしながら、皮膜22は薄けれ
ば薄いほど吸着体3の吸着力を損なうおそれが少ないの
であるが、皮膜22の厚さが薄すぎると、耐磨耗性や耐
引裂性などに優れたクロロプレンゴムであっても、吸着
体3の取扱中や使用中たとえば吸着体3をケース1に組
み込むときや実使用中にその皮膜22が引き破られるお
それが大きくなる。皮膜22にクロロプレンゴムを用い
た場合、そのようなおそれをなくするためには、厚さを
0.15mm以上にしておくことが有効であることが判
っている。したがって、皮膜22にクロロプレンゴムを
用いた場合には、大きな吸着力を発揮させ、しかも皮膜
22が破れて永久磁石21が露出するといった事態を長
期に亘って避けるためには、皮膜22の厚さを0.15
〜0.3mmにしておくとよい。
【0015】次に第2実施例を説明する。図7と図8は
本考案の第2実施例によるマグネットキャッチの分解斜
視図、図9は第2実施例によるマグネットキャッチを裏
カバーを省略して背面側から見た斜視図、図10は第2
実施例によるマグネットキャッチを背面側から見た斜視
図である。
【0016】この実施例においても、マグネットキャッ
チは、合成樹脂たとえばポリプロピレン樹脂のような非
磁性体でなるケース1と、吸着体2と、金属材たとえば
ステンレス材のような耐錆性に優れた強磁性板3と、上
掲したような非磁性体でなる裏カバー4とからなる。
【0017】ケース1において、両端部に取付孔11,
11を備える点は第1実施例のものと同様であるが、背
面側が開放された横長中空箱形であって、スリット状の
開口13…が一側壁12の4箇所に具備されている点、
他側壁内面に仕切り壁18が設けられている点などで第
1実施例のものとは異なっている。吸着体2には第1実
施例で説明したものと同じものが同じ数だけ使われてい
る。強磁性板3の材質、形状、大きさ、数も第1実施例
で説明したものと同様である。したがって、1枚の強磁
性板3には一対の突片状の吸着部31,31が一体に具
備されている。この第2実施例においては、相互に吸着
させた2個の吸着体2,2の相反する側の縦長吸着面の
それぞれに1枚ずつの強磁性板3を吸着させたものが、
図9のようにケース1に嵌め込まれて収容されていると
共に、上記吸着部31…のそれぞれが図9のようにケー
ス1の前壁12の開口13…のそれぞれから突き出され
ている。裏カバー4がポリプロピレン樹脂などの合成樹
脂で作られていて、周囲複数箇所に係合突起41…を備
えている点や、裏カバー4をケース1の背面側の開口1
9に嵌め込んでその係合突起41…をケース1側の孔部
16…に係合させることによりケース1に組み付けられ
る点なども第1実施例と同じである。しかし、裏カバー
4に設けられている舌片42,42の向きが第1実施例
のものとは異なっている。この舌片42,42は、ケー
ス1に裏カバー4を組み付けた状態でケース1に収容さ
れている個々の吸着体2,2とその両側の強磁性板3,
3とを、強磁性板3,3の吸着部31,31がケース1
の前壁12から突出する方向に弾発付勢している。した
がって、第1実施例で説明したように、たとえば蓋や扉
などに固着されている磁性板が勢いよく吸着部31…に
当たっても、そのときの衝撃が舌片42,42の弾性に
抗して吸着部31,31が後退することにより吸収され
る。
【0018】以上説明したマグネットキャッチにおいて
も、第1実施例で説明したものと同じ作用が発揮され
る。すなわち、永久磁石21の発錆が上記皮膜22によ
り防止され、吸着部31を備えた強磁性板3がステンレ
ス材のような耐錆性に優れた金属材でできているので、
その強磁性板3が空気や潮風に当たって発錆することも
ない。ケース1や裏カバー4は合成樹脂製であるので錆
びない。また、吸着体2を金属材である強磁性板3,3
と共にケース1に組み込むときや当該マグネットキャッ
チの実使用中などに、吸着体2と強磁性板3,3とが衝
突したり擦れ合ったりしたとしても、吸着体2の皮膜2
2が破れて永久磁石21が露出するといった事態が簡単
には起こらず、また、実使用中に皮膜22が劣化したり
するといった事態が起こりにくい。さらに、皮膜22の
厚さを0.3mm以下にしておくと吸着体3の吸着力が
皮膜22によってほとんど損なわれないという点や、ク
ロロプレンゴムを用いた皮膜22の厚さを0.15〜
0.3mmにしておくと、吸着体3が大きな吸着力を発
揮し、しかも皮膜22が破れて永久磁石21が露出する
といった事態を長期に亘って避けることができるという
点も第1実施例と同様である。
【0019】
【考案の効果】請求項1記載の考案のマグネットキャッ
チによると、ヨットやクルーザなどの潮風の当たる場所
で用いても、永久磁石や強磁性体が発錆するというおそ
れのほとんどないマグネットキャッチを提供することが
可能になる。
【0020】また、永久磁石を皮膜で被覆して永久磁石
が発錆しないようにしているにもかかわらず、皮膜の厚
さを0.3mm以下にしたことにより、永久磁石の磁力
によって発揮される吸着体の吸着力が皮膜によってほと
んど損なわれなくなり、大きな力で蓋や扉を保持させる
ことができるようになる。
【0021】さらに、皮膜がクロロプレンでなり、しか
もその厚さを0.15mm以上にしたことにより、当該
マグネットキャッチの組立工程や使用中に皮膜が永久磁
石から剥がれたり引き破られたり劣化したりして永久磁
石が露出するといった事態が起こりにくくなる。そのた
め、永久磁石の発錆を皮膜によって防止するという作用
が長期に亘って持続し、潮風の当たる場所でもその耐用
寿命がきわめて長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例によるマグネットキャッチの背面側
から見た分解斜視図である。
【図2】第1実施例によるマグネットキャッチの前面側
から見た分解斜視図である。
【図3】第1実施例によるマグネットキャッチを裏カバ
ーを省略して背面側から見た斜視図である。
【図4】第1実施例によるマグネットキャッチを前面側
から見た斜視図である。
【図5】第1実施例によるマグネットキャッチの一部破
断側面図である。
【図6】吸着体の一部を示した断面図である。
【図7】第2実施例によるマグネットキャッチの背面側
から見た分解斜視図である。
【図8】第2実施例によるマグネットキャッチの前面側
から見た分解斜視図である。
【図9】第2実施例によるマグネットキャッチを裏カバ
ーを省略して背面側から見た斜視図である。
【図10】第2実施例によるマグネットキャッチを背面
側から見た斜視図である。
【符号の説明】
1 ケース 2 吸着体 3 強磁性板 13 開口 21 永久磁石 22 皮膜 31 吸着部 T 皮膜の厚さ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体でなるケースに、フェライトで
    なる永久磁石の全面をクロロプレンゴムでなる皮膜で被
    覆してなる吸着体とこの吸着体の相反する側の吸着面に
    吸着されたステンレス材などの耐錆性に優れた一対の強
    磁性板とが収容されていると共に、一対の強磁性板の一
    部が上記ケースの一面に開設された開口から突き出て吸
    着部となされ、上記皮膜の厚さが0.15〜0.3mm
    であることを特徴とするマグネットキャッチ。
JP1993069303U 1993-12-24 1993-12-24 マグネットキャッチ Expired - Lifetime JP2579880Y2 (ja)

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JPH0738524U JPH0738524U (ja) 1995-07-14
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KR200449429Y1 (ko) * 2008-01-28 2010-07-08 노승현 문고정구
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