JP3158747U - マグネット式固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】多角形状ケースの全側面および両端面を相手側磁性板に対して磁気吸着面とすることができ、しかも磁石を前記ケースで完全に覆ってケースの全面を表示面とすることのできるマグネット式固定具を提供する。【解決手段】このマグネット式固定具1は、多角形状横断面のケース2内に少なくともケース両内端に密着する複数個の磁石3を収納し、磁石3の側部全周囲をケース2の内壁に密着するように固定したものである。ケース2の全側面および両端面には所望の模様やマーク、あるいは文字、記号などが表示可能である。【選択図】図1

Description

本考案は、磁性ボードやスチール机等に磁力で吸着されるマグネット式固定具に関する。
例えば紙片を竪型の磁性ボード等に仮止めする場合、磁性ボード上の紙片をブロック状の永久磁石で上から押さえてその磁気吸着力で紙片を保持することが行われている。通常は、この磁石の片面および側部をプラスチック製のケースで覆うようにしたものが一般的であり、また、例えばA4等の紙シートを固定するために固定具を細長のバー状に形成し、このバーの片面に該バーの略全長にわたる長さの偏平な棒磁石を貼着したものも既に知られている。この場合も、前記棒磁石の側部を化粧を兼ねたケースで覆っているが、特許文献1に示すように、ケースの長手方向4側面および両端面を表示面とするために、磁石全体を完全にケース内に収容したマグネットバーも開示されている。これは、ケースの表示面を大きく確保するために前記ケースを矩形体で比較的大形に形成し、その中に円柱状の小さな磁石を遊動自在に内装し、前記ケースを磁性ボード等の磁性板に接触させたとき、磁石の吸引力で円柱状磁石がケース内で磁性板側へ転がって前記ケースが前記磁性板に吸着されるようにしている。
また他の例として、特許文献2に示すように、アクリル樹脂製の透明ケースの片面に凹部を形成し、この凹部に着色した接着剤層を介して磁石を嵌合させた紙片固定具が知られている。磁石は通常外観が灰黒色ないし黒褐色を呈しているが、接着剤層の着色の種類により磁石の地肌を隠して装飾化でき、透明体のケースにより前記固定具を通して該固定具に重なった紙片の記載文字等を目視できるようにしている。
特許第200973号公報 実用新案登録第3048060号公報
上述のように、この種のマグネット式固定具は、紙片を磁性ボード等に仮止めすることのほかに、使用状態で前記固定具の前面や側面を例えば装飾や広告等の表示面として利用し得るものである。しかし、従来のこの種固定具は磁石が固定具の片面に露出、あるいは近接して設けられ、この面は前記磁性ボードに吸着するだけの機能しか持たず、表示面として前面(正面)に向けて使用することができない。特許文献2のものにおいても同様にケースの吸着する面は片面に限定されている。
特許文献1に示すマグネットバーはこの点磁石をケース内に転動可能に空隙を有して収納し、相手磁性板に対して磁石の吸引転動を利用して前記ケースのいずれの面も吸着面にできるようにしているが、収納する磁石を円滑に転動させるために円柱体とした場合、磁石は円柱体の母線部分で相手磁性板に吸着する、つまり周面の線接触の状態で吸着することになり、十分な吸着力が得られない。また、広い側面をもつ角柱状の磁石とした場合は、磁石の移動がケース内でスムーズにいかず、複数の磁石のすべてが必ずしも角柱の側面で相手磁性板に対峙するとは限らず、完全な面接触による吸着となるように転動させるためには強力な磁石を内蔵しなければならないという問題がある。
さらに、前記ケース内での転動を容易にするために角柱状磁石の両端面に鍔状の円板ヨークなどを取り付けた場合には、磁石とケース内壁との間にその分の隙間ができ、相手側磁性板に対して十分な磁気吸着力が確保できなくなるおそれがある。
本考案は、このような問題に対処するために、多角形状ケースの全側面および両端面を相手側磁性板に対して磁気吸着面とすることができ、しかも前記磁石を前記ケースで完全に覆ってケースの全面を表示面とすることのできるマグネット式固定具を提供するものである。
本考案はまた、ケース内に収納する磁石を厚み幅の比較的小さい磁石とし、かつ磁石の個数が少なくても相手側の磁性板に対してケースの全面で十分な磁気吸引力が得られるようにした低コストのマグネット式固定具を提供するものである。
本考案はさらに、使用状態において相手側の磁性板に対峙する面と反対側の前面あるいは側面にも部分的に磁気吸引力を生じる部分を有し、この部分に他の小物磁性物品を吸着させて仮り保持できるようにしたマグネット式固定具を提供するものである。
本考案によれば、多角形状横断面のケース内に少なくともケース両内端壁に密着する磁石を収納し、前記磁石の側部全周囲を前記ケースの内壁に密着するように固定したマグネット式固定具が提供される。
本考案の1つの形態によれば、請求項1に記載のマグネット式固定具において、前記ケース内の長手方向中途位置に少なくとも2個のリブを形成し、前記リブに挟持されるように磁石を収納し、かつ該磁石の側部全周囲を前記ケースの内壁に密着するように固定したマグネット式固定具が提供される。
本考案のさらに他の形態によれば、請求項1〜2に記載のマグネット式固定具において、前記ケースの両端側に位置する前記磁石は、その端面方向にN−S着磁されており、かつケース両端部の磁石の極性の向きを同じ向きとしたマグネット式固定具が提供される。
本発明のさらに他の形態によれば、請求項1〜3に記載のマグネット式固定具において、 ケース両端側に位置する磁石に隣接してリブを形成し、該リブと内端壁との間に前記磁石を収納固定したマグネット式固定具が提供される。
発明のさらに他の形態によれば、請求項1〜4に記載のマグネット式固定具において、ケース両端側に位置する磁石に隣接してリブを形成し、該リブと前記磁石との間に該磁石を圧接する弾性体を入れた介在させたマグネット式固定具が提供される。
本考案に係るマグネット式固定具は、多角形状ケースの全側面および長手方向両端面を相手側磁性板に対して磁気吸着面とすることができ、しかも前記磁石を前記ケースで完全に覆ってケースの全面を表示面とすることが可能となる。
本考案の実施例1に係るマグネットバーの縦断面図および横断面図である。 本考案の実施例2に係るマグネットバーの蓋体を除去した状態における斜視図である。 実施例2の変形例に係るマグネットバーの部分的な縦断面図である。 本考案の実施例3に係るマグネットバーの蓋体を除去した状態の斜視図である。 本考案の実施例4に係る三角柱状マグネットバーの磁石収容位置における横断面図である。 本考案の実施例1に係るマグネットバーの使用状態を示す斜視図である。
次に、本考案の各種の実施例について図面を参照しつつ説明する。
実施例1のマグネット式固定具は図1に示すように長尺のマグネットバー1として構成され、横断面(長さ方向に対して直角な断面)が正方形となったケース2の両端部に磁石3が収容されている。なお、図1(A)はマグネットバー1の縦断面図であり、同図(B)は図1(A)のI−I線に沿う横断面図である。ケース2は両端部が閉塞され、かつ長手方向に沿う一側部が蓋体4となっており、磁石3を収容した後、蓋体4がケースの一側部に接着等の手段で固着される。ケース両端部の磁石3は、ケース2の長手方向からみて正方形の形状を成し、その4側部が蓋体4を含むケース2の内壁2aに密着するように、組み込みに必要なだけの公差で直方体形に形成されている。各磁石3の厚み方向の両端面はケース2の端部内壁2bと、端部内壁2bに隣接した仕切壁(リブ)5とに接するようにしてこれらの端部内壁2bとリブ5間に挟持されている。
両端の磁石3はそれぞれ厚み方向にN−S極が生じるように着磁されており、その極性の向き(N−S極の向き)は図示するように両方の磁石3,3について同じ向きとなっている。例えば一方の磁石3がケース内方に向く端面でN極(ケース外方に向く端面はS極)になっているとすると、他方の磁石3はケース内方に向く端面でS極となるように極性が定められている。このようにすることで、ケース2の長手方向の両端面は異なる極性となっている。
上述のように実施例1のマグネットバー1はその長手方向両端面および4側面が矩形状ケース2で囲包されているので、この6面すべてを表示面とすることができ、これらの面に所望の図形や模様、着色あるいは好みのキャラクタを描いたり、広告の文字やロゴマークなどを施すことができる。
マグネットバー1の6面は内蔵された磁石3によって磁力を発生し、図6に示すように磁性ボード等の磁性板16に吸着可能である。したがって、磁性板上に配置した紙片17の上からマグネットバー1を重ねることにより、紙片17はマグネットバー1に押さえられて磁性板上に保持される。この場合、マグネットバー1の任意の側面を磁性板16に吸着させることでき、また任意の側面を前面に向けて表示面とすることができる。さらにマグネットバー1で紙片17を磁性板に保持した状態でもマグネットバー1の他の5面を磁力面として利用でき、例えば事務用品のクリップをマグネットバー1の端部に吸着させて一時的に保持しておくことも可能である。
本考案のマグネットバー1は長さ、横幅などは任意の寸法に定められるが、実施例1で具体例を示せば、長さが150mm、横断面の一辺が20mmの正方形の中空角柱として構成される。内蔵された磁石3の厚みは5mm程度の角形磁石となっている。磁石3の縦、横の寸法は前述したようにケース2に組み込むのに必要な最小の公差で、ケース内壁に接するような寸法に形成される。
大きな紙をボードに仮止めしたり、複数枚の紙片をボード上に並べて保持するような場合、複数本のマグネットバーを用いる必要があり、このとき複数本のマグネットバーを長手方向につないで使用することがある。この場合、使用する各々のマグネットバーは両端の極性が異極となっているため、異極の端部同士をつないで並べることで、隣接するマグネットバー間の反発がなく、複数本のマグネットバーを互いに吸着状態で並べることができる。
本考案のマグネットバーは図6に示すように、マグネットバー1の一端面を磁性板16に垂直に吸着させて紙片17を保持することもできる。また、紙片17などを磁性板16に保持するだけでなく、例えば小物の物品に付いたループ状の紐を掛け止めするのにも使用可能である。その場合、長さの比較的短いマグネットバーを用い、その一端面を例えばスチール机の側部磁性板に垂直に吸着させることで、紐掛け用の突柱として使用できる。
実施例1ではケースの両端部にのみ一対の磁石を設けた例を示したが、長いマグネットバーで吸着力を増したいような場合は、ケースの中途位置、例えば長さ方向中央位置にも同様の磁石を設けてもよい。図2は実施例2に係るマグネットバー1の蓋体を除去した状態における斜視図である。この例では、ケース両端部の磁石3に加えて、ケース2の中央位置にも磁石6が収容されている。ケース2の内壁中央に一対の離隔したリブ7が形成され、このリブ7の間に磁石6が挟持されている。この中央側の磁石6も同様に4側面がケース内壁2aおよび蓋体の内面に密着され、磁石両端面は対向するリブ7に緊密に面接触するように収容される。なお、磁石6はケース中央位置に限らず、ケース2の任意の中途位置に1個または複数個設けてもよい。
実施例2では、ケース2の両端部に図1で示したような両端部の磁石3に接するリブは設けられず、両端部の磁石3の位置から或る程度離れてケース内壁にリブ8が形成され、両端部の磁石3のケース内方側の端面とリブ8との間に弾性体が配置されることで磁石3のケース長手方向への遊びを除去している。弾性体として実施例2では折りたたんだスポンジ9を用いているが、図3の変形例に示すように、弾性体としてUまたはV状に折り曲げた薄厚の板ばね10で構成してもよい。スポンジ9や板ばね10などの弾性体で磁石3を拘束することにより、磁石3の装填が比較的容易となる。また、ケース2が長尺の場合、ケース2の曲がり等を防ぐための補強材として適宜ケース内に補強リブ11を形成してもよいことは勿論である。
実施例3は、図4に示すように、片側のケース端部の磁石3は離隔されたリブ8との間にスポンジ9を押し込んで磁石3を固定し、他方のケース端部には弾性体を介在させずに磁石12に接触するリブ5を形成した例である。この場合も磁石12の側部はケース内壁に接触するが、磁石12の挿入を容易にするために磁石12とリブ5との間は極く僅かな公差、例えば0.5mm程度の隙間を形成するのがよい。
実施例1〜3はいずれもケース2を矩形横断面の中空角棒で構成したが、本考案では必ずしも矩形の角棒ケースに限定されるものではなく、三角形その他の多角形横断面のケースとしてもよい。図5は三角形横断面の中空角棒で形状した例であり、ケース13の両端部および必要により中途部に収容される磁石14の形状はケース13の内壁に接触するように三角形の外形をもつ磁石が用いられる。15はケース13の蓋体である。ケース13の3側面または両端面のいずれの面でも磁性板に吸着可能であり、かつこの3側面および両端面を表示面として利用することが可能である。
本考案では、内蔵される磁石がケース内を転動するものでなく、磁石の全面がケース内面に密着するため、それだけ強い吸着力が得られ、使用中に磁性板から外れて落下するような不具合が起らず、確実かつ安定に紙片などを磁性ボードに保持することが可能となる。また、磁石自体のケース内に完全に収容され、外部に露出しないので、本考案のマグネット式固定具を磁性板から取り外したときに磁石がケースから外れて前記磁性板に吸着したままの状態になるというおそれがない。
1 マグネットバー
2,13 ケース
3,6,12,14 磁石
4,15 蓋体
5,7,8 リブ
9 スポンジ
10 板ばね
16 磁性板
17 紙片

Claims (5)

  1. 多角形状横断面のケース内に少なくともケース両内端壁に密着する磁石を収納し、前記磁石の側部全周囲を前記ケースの内壁に密着するように固定したことを特徴とするマグネット式固定具。
  2. 前記ケース内の長手方向中途位置に少なくとも2個のリブを形成し、前記リブに挟持されるように磁石を収納し、かつ該磁石の側部全周囲を前記ケースの内壁に密着するように固定したことを特徴とする請求項1に記載のマグネット式固定具。
  3. 前記ケースの両端側に位置する前記磁石は、その端面方向にN−S着磁されており、かつケース両端部の磁石の極性の向きを同じ向きとしたことを特徴とする請求項1または2に記載のマグネット式固定具。
  4. ケース両端側に位置する磁石に隣接してリブを形成し、該リブと内端壁との間に前記磁石を収納固定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマグネット式固定具。
  5. ケース両端側に位置する磁石に隣接してリブを形成し、該リブと前記磁石との間に該磁石を圧接する弾性体を入れたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマグネット式固定具。
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