JP2579056B2 - 熱転写記録方法及び転写体 - Google Patents

熱転写記録方法及び転写体

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JP2579056B2
JP2579056B2 JP2282112A JP28211290A JP2579056B2 JP 2579056 B2 JP2579056 B2 JP 2579056B2 JP 2282112 A JP2282112 A JP 2282112A JP 28211290 A JP28211290 A JP 28211290A JP 2579056 B2 JP2579056 B2 JP 2579056B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は受像体の基質を選ばず、この上に高画質が記
録可能な熱転写記録方法及び転写体に関する。
従来技術 染料熱転写記録方法はカラー写真に匹敵する高画質画
像を提供できる唯一の小型・保守・即時性の優れた記録
技術である。これは、薄いフィルム基材上に昇華性染料
を含む色材層をもうけた転写体と合成紙などの厚手フィ
ルム基材上に染着層をもうけた受像体を重ね、熱記録ヘ
ッドを用いて昇華性染料を染着層に移行し染料分子の混
色画像を記録するものである。
記録は一般的に受像体を駆動し、受像体と転写体間の
摩擦力で転写体を従動しておこなう。
一方、色々な所に記録画像を添付するため、タックシ
ートを用いる方法が提案されている。これは受像体が2
枚構造で、上層の染着層の形成された基材裏面に粘着材
が設けられて、これを下層の離型層を設けた支持体上に
固定化したものである。記録後、上層をはがし葉書等に
添付して用いている。
発明が解決しようとする課題 前述のように染料熱転写記録方法による記録画像は特
殊紙の上に形成される。そのため、ランニングコストが
高く本技術の普及を妨げていた。
また、最近のマルチメディア時代の情報は画像と文字
が混在し、それを複写機と同じように普通紙に記録した
いという強い要望が出されているが、従来の染料熱転写
記録方法では普通紙上に高品質の画像を得ることは不可
能であった。
本発明は上記課題を解決する熱転写記録方法及び転写
体を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は、基材上に少なくとも染着層を有する染着層
転写体と、基材上に少なくとも昇華性染料を有する染料
転写体と、少なくとも表層に柔軟層を有しかつ閉ループ
をなす基材からなる記録中間体と、受像体とを用い、前
記染着層転写体の染着層を記録中間体上に熱転写するプ
ロセスと、この転写された染着層に染料転写体の染料を
画信号に応じて熱転写記録するプロセスと、この記録さ
れた染着層を受像体上に熱転写するプロセスを有するこ
とを特徴とする熱転写記録方法である。
また、本発明は、同一基材上に少なくとも染着層を有
する染着層部分と、少なくとも昇華性染料を有する染料
層部分とを順次形成した転写体と、少なくとも表層に柔
軟層を有しかつ閉ループをなす基材を有する記録中間体
と、受像体とを用い、 前記転写体の染着層を記録中間体上に熱転写するプロ
セスと、この転写された染着層に熱転写の染料を画信号
に応じて熱転写記録するプロセスと、この記録された染
着層を受像体上に熱転写するプロセスを有することを特
徴とする熱転写記録方法である。
また、本発明は、基材上に少なくとも染料層部分と少
なくとも離型層(または剥離層)を介して染着層とを積
層構成した部分とを有する転写体と、少なくとも表層に
柔軟層を有しかつ閉ループをなす基材を有する記録中間
体と、受像体とを用いて、 前記転写体の染着層を記録中間体上に画信号に応じて
熱転写記録すると共にこの染着層に染料層中の染料を熱
拡散転写記録するプロセスと、この記録された染着層を
受像体上に熱転写するプロセスを有することを特徴とす
る熱転写記録方法である。
また、本発明は、染着層が2層以上の積層に形成さ
れ、基材に接する染着層樹脂よりその上に形成される染
着層樹脂の表面エネルギーが大きいことを特徴とする前
記記載の熱転写記録方法に供する染着層転写体または転
写体である。
作用 記録中間体上に染着層を基本的に選択転写記録する。
この染着層に染料層の昇華性染料を熱転写記録する。次
にこの染着層上または染着層のない記録中間体上に溶融
インクで文字等を記録する。記録された染料分子による
混色画像と溶融インクによる文字画像は、熱そして/ま
たは圧力により記録中間体との界面ではがれて受像体上
に転写される。
染着層の基材と染料層の基材は別々と同一がある。染
着層の基材と染料層の基材が同一の時、染着層と染料層
が面順次で配列される場合と、染料層上に染着層が積層
される形態がある。溶融インク層の基材は染料層と同一
であってもよく、また染着層と染料層と溶融インク層の
基材が同一であってもよい。
染着層とこの基材との界面は準安定状態に固定される
必要がある。そのため基材と接する染着層樹脂の表面エ
ネルギーは低く、その上に形成される染着層樹脂は最終
プロセスで紙等の受像体に接着転写するため、その表面
エネルギーはより高いことがのぞまれる。
さらに、安定な記録のためには染着層転写体と記録中
間体、記録中間体と染料転写体(転写体)を独立に走行
制御することが有効で、これにより記録時に染着層と基
材間または転写された染着層と記録中間体の界面に働く
せん断応力をやわらげ、界面での剥離を防ぐことができ
る。
同時に、記録中間体と転写体間の摩擦係数を減少させ
ることも有効である。転写体の染料層上に剥離層(また
は滑性層)を設けて実現できる。記録中間体の染着層に
滑性を付与しても可能である。
染着層のガラス転移温度を90℃以下にすることによ
り、記録後、受像体に容易に転写でき最終画像を得るこ
とができる。
実施例 第1図に本発明による熱転写記録方法の1実施例を示
す。染着層転写体2はドラム状に形成された記録中間体
4と熱ヘッド3−1の間に挟着され、記録中間体の表面
層42上に染着層の熱転写記録がおこなわれる。記録中間
体はホリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の
ようなシート状に形成されてもよい。染着層は後で染料
が記録される部分だけの選択転写かまたは、一定の面積
全部の転写が行なわれる。図の2′は染着層22,23が転
写された後の状態を示す。次に、染料転写体1と熱ヘッ
ド3−2を用いて、染料転写体上の染料層12の昇華性染
料を記録中間体上に記録された染着層22,23中に熱拡散
転写する。次に溶融インク転写体と熱ヘッド3−3を用
いて記録中間体上の記録された染着層上かまたは、染着
層の記録されていない記録中間体上に溶融インク82を熱
転写記録する。文字記録の必要のない記録装置の場合に
は8と3−3の組合せの部分は不必要である。最後に、
熱ローラ7を用いて受像体5上に記録中間体4上の染着
層22,23中または上に記録された画像を染着層と共に熱
転写することにより、染料及び溶融熱転写記録による高
画質画像を受像体の基質に依存しないで得ることができ
る。溶融インクが染着層のない記録中間体上に記録され
た場合も同様に受像体上に転写して画像を得ることがで
きる。6は受像体5上に記録された染着層22′,23′が
設けられた状態を示す。
染料転写体1及び記録中間体4の走行速度はそれぞれ
v1,v4のように独立に制御される場合が良好な記録が行
なわれることが多い。染料転写体1の速度は9,9′の制
御系で、記録中間体4の速度は別のドラム駆動制御系
(図示せず)で制御される。また、染着層転写体2の走
行速度v2も記録中間体の速度v4と独立に制御されること
が多い。10,10′はv2の駆動制御系を示す。
第2図は本発明の第2の実施例を示す。この例では転
写体100に示すように染着層転写体2と染料転写体1及
び溶融インク転写体8が一体化されている。即ち、染着
層と昇華性染料及び溶融インクの熱転写が同一の熱ヘッ
ド3−2で行なわれる。転写体100では染着層22,23とそ
れに続いて12−1などの染料層が1色または複数色面順
次に形成され、さらに溶融インク82が設けられている。
昇華性染料が染着層に記録された後のプロセスは第1図
の実施例と同じである。この場合も料転写体100及び記
録中間体4の走行速度はそれぞれv100,v4のように独立
に制御される場合が良好な記録が行なわれることが多
い。転写体100の速度は9,9′の制御系で、記録中間体4
の速度は別のドラム駆動制御系(図示せず)で制御され
る。
染料転写体1は基材11の裏面に耐熱滑性層13を形成し
表面に染料層12が設けられたものである。基材11は厚み
2ないし20ミクロンの高分子フィルムが用いられる。一
般的には、PETフィルムが用いられるが、芳香族ポリア
ミド(アラミド)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、トリ
アセチルセルロース、セロファン等、成膜可能な樹脂に
よるフィルムも有用である。また、これらの樹脂にカー
ボン等の導電性粒子を混入し成膜した抵抗性フィルムを
用いてもよい。染料層12は少なくとも昇華性染料と結着
材から構成される。昇華性染料としては分散染料、油溶
染料、塩基性染料、カラーフォーマー等が用いられる。
特に、インドアニリン系、キノフタロン系、ジシアノイ
ミダゾール系、ジシアノメチン系、トリシアノビニル系
等の分散染料が有効である。結着材にはポリエステル、
ポリビニルブチラール、アクリルスチレン樹脂等が用い
られる。耐熱滑性層13は熱ヘッド3と基材11間の潤滑性
を付与するため設けられ、紫外線硬化樹脂、液状潤滑
材、無機微粒子等で成膜される。
染着層転写体2は基材21上に染着層22,及び23が積層
構成される(23のみでもよい)。ここで22と23はその染
着樹脂の表面エネルギーの異なる材料から構成される染
着層であり、基材21に接する樹脂層22の表面エネルギー
は23より小さいことがのぞまれる。表面エネルギーの小
さい染着樹脂の代表としてポリビニルブチラール樹脂を
あげることができる。またこれより表面エネルギーの大
きい染着樹脂の代表として飽和ポリエステル樹脂をあげ
ることができる。これをJIS K 6854に準ずる接着材
の剥離接着強さで評価すると、PETフィルムとブチラー
ル樹脂の剥離強度は10g/25mmであり、PETとポリエステ
ル樹脂のそれは300g/25mm以上である。
染着層には離型性または滑性を付与してもよい。
染着層は記録後最終プロセスで受像体6に転写される
必要があるため、染着樹脂のガラス転移温度Tgは記録に
問題が生じない限り低いことが好ましい。飽和ポリエス
テル樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの複合系が有用で
あるが、特に、これらのうちそのTgが90゜以下が好まし
い。染着層の系としてのTgを下げるため、及び染着層の
選択的な受像体への転写のため、あとで述べられている
滑性材または離型材を添加することが効果的な場合も多
い。特に、末端または側鎖にシロキサンメタアクリレー
トを有するアクリルシリコーン(シリコン)樹脂を飽和
ポリエステルまたはアクリル系樹脂に添加したものは、
記録及び受像体への染着層の転写効率が大きいく、染着
層の選択転写性も大きい。普通紙等表面性の粗い受像体
への転写には、染着層に微粒子を含ませてもよい。特
に、染着層表面から突出するシリカ、チタン白等の無機
微粒子が効果が大きい。
基材21と染着層22の間に離型層をもうけてもよい。離
型層は粘着性を部分的に付与してもよい。基材21は染料
転写体の基材11と同様のものが用いられる。離型層は粘
着性を部分的に付与してもよい。この離型層はシリコー
ン樹脂や弗素樹脂等を薄く形成したもの、または一般の
樹脂に離型材を混入・分散したもの、または樹脂に離型
材を反応させたものが用いられる。シリコーン樹脂とし
てはコーティング用または剥離紙用または粘着紙用の付
加重合あるいは縮合重合して成膜できるものが好まし
い。弗素樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン、テ
トラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体、ビニリデンフルオライド・ヘキサフル
オロプロピレン系ゴム材料、各種含弗素樹脂等が有効で
ある。樹脂に添加させる離型材としては、各種のシリコ
ーン系潤滑材、、弗素系界面活性材、パラフィン及びポ
リエチレン等のワックス類、高級脂肪族アルコール、高
級脂肪酸アミド及びエステル等がある。液状潤滑材とし
ては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、弗素シリコーンオイル、その他の各種変性シ
リコーンオイル、2種以上の反応性シリコーンオイルの
反応物(例えば、エポキシ変性とカルボキシルまたはア
ミノ変性の反応物等)がある。また、樹脂と潤滑材の反
応型でもよく、例えば、ポリシロキサンをアクリル樹脂
にグラフト重合させた水溶性ポリシロキサングラフトア
クリル樹脂、シロキサンメタクリレートを末端または側
鎖に付加したアクリルシリコーン(シリコン)またはア
クリルウレタンシリコーン(シリコン)樹脂等も有効で
ある。
記録中間体4は金属ドラムまたはPET等の高分子フィ
ルム基材41そのものが用いられる。41上に(粘着性を有
する)離型層42が設けられてもよい。離型層42はシリコ
ーン樹脂や弗素樹脂等を薄く形成したゴム状のもの、ま
たは一般の樹脂に離型材を混入・分散したもの、または
樹脂に離型材を反応させたものが用いられる。シリコー
ン樹脂としてはコーティング用または剥離紙用または粘
着材料としての付加重合あるいは縮合重合して成膜でき
るものが好ましい。弗素樹脂としてはポリテトラフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体、ビニリデンフルオライ
ド・ヘキサフルオロプロピレン系ゴム材料、各種含弗素
樹脂等が有効である。樹脂に添加させる離型材として
は、各種のシリコーン系潤滑材、弗素系界面活性材、パ
ラフィン及びポリエチレン等のワックス類、高級脂肪族
アルコール、高級脂肪酸アミド及びエステル等がある。
液状潤滑材としては、ジメチルポリシロキサン、メチル
フェニルポリシロキサン、弗素シリコーンオイル、その
他の各種変性シリコーンオイル、2種以上の反応性シリ
コーンオイルの反応物(例えば、エポキシ変性とカルボ
キシルまたはアミノ変性の反応物等)がある。また、樹
脂と潤滑材の反応型でもよく、例えば、ポリシロキサン
をアクリル樹脂にグラフト重合させた水溶性ポリシロキ
サングラフトアクリル樹脂、シロキサンメタクリレート
を末端または側鎖に付加したアクリルシリコーン(シリ
コン)またはアクリルウレタンシリコーン(シリコン)
樹脂等も有効である。
第3図に染料転写体の他の実施例を示す。色材層12上
に滑性層14が設けられている。これにより、記録中間体
とこの上に転写された染着層22(または23)間に染料熱
転写記録時に働くせん断応力を減少し安定な記録をおこ
なえる。記録中間体と染料転写体の間で相対速度多数回
記録を行なう時は、この滑性層は記録濃度特性を安定化
させるための色素透過性低濃度層の役目も担う。滑性層
14は樹脂に潤滑材を混入・分散して形成される。潤滑材
としては、各種のシリコーン系潤滑材、弗素系界面活性
材、パラフィン及びポリエチレン等のワックス類、高級
脂肪族アルコール、高級脂肪酸アミド及びエステル等が
ある。液状潤滑材としては、ジメチルポリシロキサン、
メチルフェニルポリシロキサン、弗素シリコーンオイ
ル、その他の各種変性シリコーンオイル、2種以上の反
応性シリコーンオイルの反応物(例えば、エポキシ変性
とカルボキシルまたはアミノ変性の反応物等)がある。
また、樹脂と潤滑材の反応型でもよく、例えば、ポリシ
ロキサンをアクリル樹脂にグラフト重合させた水溶性ポ
リシロキサングラフトアクリル樹脂、シロキサンメタク
リレートを末端または側鎖に付加したアクリルシリコー
ン(シリコン)またはアクリルウレタンシリコーン(シ
リコン)樹脂等も有効である。
染料材層12と滑性層14の間に染料透過性低色素濃度層
を設けてもよい。この層は染料層の保護と染料層・滑性
層間の接着力を強める役割を担う。
第4,5,6図に第2図の第2の熱転写記録方法の実施例
に供する転写体の他の実施例を示す。第4図の転写体10
1は第2図の転写体100の染料層部分上に滑性層14を設け
た実施例である。滑性層のない部分に染着層22,23の積
層構成25が形成されている。第6図の転写体103は色材
層部分がない滑性層14上に染着層部分の積層構成26が設
けられている。第5図は色材層12−1と滑性層14と染着
層23が積層された転写体102の実施例を示す。染着層と
離型層間に接着層を形成してもよい。色相の異なる色材
層を面順次で形成した転写体の場合は第1色目の上に染
着層が形成される。
受像体5はボンド紙や普通紙等のパルプ系用紙でもよ
く、乳白PET、ユポ等の合成紙でもよく、パルプ紙とフ
ィルムの接着した基材でもよい。
記録ヘッド3−1,3−2,3−3は普通のサーマルヘッ
ド、通電ヘッド、レーザーヘッド等が用いられる。ライ
ン型サーマルヘッドを用いた時の記録条件は、ランイン
記録周期T:33msないし4ms、印加パルス幅:16msないし2m
s、記録エネルギーE:8ないし4J/cm2でおこなわれる。染
料転写体1または100と記録中間体4の走行速度のv1(v
100)とv4は一般にはv1=v4となるように独立の制御系
9,9′で制御され、記録中間体とその上に転写された染
着層間におおきなせん断応力が加わらないようにしてい
る。染料転写体1上に滑性層14が設けられている場合に
はv1<v4となるような相対速度記録による多数回記録も
可能である。
染着層転写体2と記録中間体4の走行速度のv2とv4も
一般にはv2=v4となるように独立の制御系10,10′で制
御され、染着層転写体の基材とその上に形成された染着
層22,23間におおきなせん断応力が加わらないようにし
ている。
記録された染着層の受像体5への熱転写は熱ロール7
を用いる時は、温度約180℃、速度10mm/秒、圧力100Kg/
1cmで行なわれる。
以下、さらに具体的な実施例を示す。
・染料転写体1の作製 裏面に2ミクロンの滑性耐熱層を設け、表面に0.3ミ
クロンのアンカー層を塗工した4ミクロンのPETフィル
ムのアンカー層上に下記のインクをグラビアコーターで
固形厚1ミクロンになるように染料層を形成した。
(インク) インドアニリン系分散染料 2.5 重量部 アクリルスチレン樹脂 4 重量部 アミド変性シリコーン油 0.02重量部 トルエン 20 重量部 2−ブタノン 20 重量部 このように形成した色材層上に染料透過性低濃度層と
して、ポリウステル樹脂のみを乾燥膜厚が0.2ミクロン
となるように塗工・乾燥して形成した。さらに、この上
に下記の組成物の塗料を調合し滑性層として0.3ミクロ
ンの乾燥膜厚になるようグラビアコーターで形成した。
ポリシロキサングラフトポリマー水性分散体(濃度30
%、PH9.0):10g ポリビニルアルコール(ポバール420、(株)クラレ):
10重量% 水:20g ・溶融インク転写体8の作製 裏面に1ミクロンの耐熱滑性層を形成した6ミクロン
のPET上に下記の組成の黒色溶融インクを2ミクロンの
乾燥膜厚になるように製膜した。
ワックス(NPS−6115、日本精蝋製):3重量部 熱溶融樹脂(YSレジンPX−100、安原油脂工業製):1重
量部 カーボンブラック:1重量部 トルエン・IPA混合溶剤:10重量部 ・染料層転写体2の作製 厚み12ミクロンのPETフィルム上に2層からなる次の
染着層を形成した。この上に第1の染着層としてポリビ
ニルブチラール樹脂(BL−S、積水化学社製)10重量
部、トルエン50重量部の塗料のバーコーターで厚み1ミ
クロンに製膜した。この上に第2の染着層として飽和ポ
リエステル樹脂(バイロン200、東洋紡社製)10重量
部、トルエン50重量部、シリコーン油0.1重量部からな
る塗料をバーコーターで厚み1ミクロンになるよう製膜
して形成した。
・記録中間体4の作製 金属ドラム上に12ミクロン厚のPETフィルムを速度制
御が可能なように巻だし及び巻とり張力を印加してかけ
て配置したものを記録中間体として用いた。
上記の染料転写体1及び染着層転写体2及び溶融イン
ク転写体8と記録中間体4を独立走行する機構と、連続
して受像体に染着層を転写する熱ローラー機構を用い
て、下記の条件で記録し、ボンド紙上に最終画像を得
た。
記録ヘッド:ライン型サーマルヘッド ライン記録速度:8ms 記録パルス幅:0−4ms 最大染料記録エネルギー:6.5J/cm2 最大溶融インク転写エネルギー:2J/cm2 染着層転写エネルギー:3J/cm2 熱ローラー:温度180℃,送り速度10mm/秒、圧力10Kg 以上のようにしてボンド紙上に得られた画像は最大反
射濃度1.8以上の高品位なピクトリアル画像と1.5以上の
黒色文字像であった。
発明の効果 以上のようにして、本発明によれば、従来高価な特殊
紙上にしか得られなかった高品位のピクトリアル画像
を、しかも文字と混在する画像を受像体を選ばず実現で
きる。ボンド紙でも普通紙でも紙質依存性の少ない記録
を行なうことができる。特に、高速記録すなわち高温記
録に対しても、記録中間体とこの上に記録した染着層間
で剥離することなく安定に記録でき、かつ、記録された
染着層が安定にどのような受像体にも熱転写できる。ま
た、この染着層は選択的に転写でき、受像体上にも選択
的な画像が形成され、コーティングしているような違和
感はない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の記録方法及び記録体の1実施例を示す
構成図、第2図は本発明の記録方法及び記録体の第2の
実施例を示す構成図、第3図は染料転写体の他の実施例
を示す断面図、第4図〜第6図は転写体の実施例を示す
断面図である。 1……染料転写体、11……基材、12……染料層、2……
染着層転写体、21……基材、22,23……染着層、4……
記録中間体、41……基材、5……受像体、8……溶融イ
ンク転写体、81……基材、82……溶融インク、100……
転写体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−81093(JP,A) 特開 平1−206094(JP,A) 特開 昭63−306088(JP,A) 特開 昭62−5890(JP,A) 特開 平2−231191(JP,A) 特開 昭63−78795(JP,A) 特開 平2−81687(JP,A) 特開 平2−81686(JP,A) 特開 昭64−72893(JP,A) 特開 昭62−257886(JP,A) 特開 平2−81682(JP,A) 特開 昭62−80065(JP,A)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に少なくとも染着層を有する染着層
    転写体と、基材上に少なくとも昇華性染料を有する染料
    転写体と、少なくとも表層に柔軟層を有しかつ閉ループ
    をなす基材からなる記録中間体と、受像体とを用い、 前記染着層転写体の染着層を記録中間体上に熱転写する
    プロセスと、この転写された染着層に染料転写体の染料
    を画信号に応じて熱転写記録するプロセスと、この記録
    された染着層を受像体上に熱転写するプロセスを有する
    ことを特徴とする熱転写記録方法。
  2. 【請求項2】同一基材上に少なくとも染着層を有する染
    着層部分と、少なくとも昇華性染料を有する染料層部分
    とを順次形成した転写体と、少なくとも表層に柔軟層を
    有しかつ閉ループをなす基材を有する記録中間体と、受
    像体とを用い、 前記転写体の染着層を記録中間体上に熱転写するプロセ
    スと、この転写された染着層に熱転写の染料を画信号に
    応じて熱転写記録するプロセスと、この記録された染着
    層を受像体上に熱転写するプロセスを有することを特徴
    とする熱転写記録方法。
  3. 【請求項3】基材上に少なくとも染料層部分と少なくと
    も離型層(または剥離層)を介して染着層とを積層構成
    した部分とを有する転写体と、少なくとも表層に柔軟層
    を有しかつ閉ループをなす基材を有する記録中間体と、
    受像体とを用いて、 前記転写体の染着層を記録中間体上に画信号に応じて熱
    転写記録すると共にこの染着層に染料層中の染料を熱拡
    散転写記録するプロセスと、この記録された染着層を受
    像体上に熱転写するプロセスを有することを特徴とする
    熱転写記録方法。
  4. 【請求項4】基材上に少なくとも染料層部分と少なくと
    も離型層(または剥離層)を介して染着層とを積層構成
    した部分と、少なくとも溶融インク層を有する溶融イン
    ク部分とを順次形成した転写体と、少なくとも表層に柔
    軟層を有しかつ閉ループをなす基材を有する記録中間体
    と、受像体とを用いて、 前記転写体の染着層を記録中間体上に画信号に応じて熱
    転写記録すると共にこの染着層に染料層中の染料を熱拡
    散転写記録するプロセスとこの染着層上に溶融インクを
    熱転写記録するプロセスと、この記録された染着層を受
    像体上に熱転写するプロセスを有することを特徴とする
    熱転写記録方法。
  5. 【請求項5】基材上に少なくとも染料層部分と少なくと
    も離型層(または剥離層)を介して染着層とを積層構成
    した部分と、少なくとも溶融インク層を有する溶融イン
    ク部分とを順次形成した転写体と、少なくとも表層に柔
    軟層を有しかつ閉ループをなす基材を有する記録中間体
    と、受像体とを用いて、 前記転写体の染着層を記録中間体上に画信号に応じて熱
    転写記録すると共にこの染着層に染料層中の染料を熱拡
    散転写記録するプロセスと、前記染着層の転写されてい
    ない記録中間体上に溶融インクを熱転写記録するプロセ
    スと、染料により記録された染着層と記録された溶融イ
    ンクを受像体上に熱転写するプロセスを有することを特
    徴とする熱転写記録方法。
  6. 【請求項6】基材上に複数色の染料層を面順次に形成
    し、第1色目の染料層上に少なくとも離型層(または剥
    離層)を介して染着層とを積層構成した部分と、同一前
    記基材上に少なくとも溶融インク層を有する溶融インク
    部分とを順次形成した転写体と、少なくとも表層に柔軟
    層を有しかつ閉ループをなす基材を有する記録中間体
    と、受像体とを用いて、 前記転写体の染着層を記録中間体上に画信号に応じて熱
    転写記録すると共にこの染着層に染料層中の染料を熱拡
    散転写記録するプロセスとこの染着層上に溶融インクを
    熱転写記録するプロセスと、この記録された染着層を受
    像体上に熱転写するプロセスを有することを特徴とする
    熱転写記録方法。
  7. 【請求項7】基材上に複数色の染料層を面順次に形成
    し、第1色目の染料層上に少なくとも離型層(または剥
    離層)を介して染着層とを積層構成した部分と、同一前
    記基材上に少なくとも溶融インク層を有する溶融インク
    部分とを順次形成した転写体と、少なくとも表層に柔軟
    層を有しかつ閉ループをなす基材を有する記録中間体
    と、受像体とを用いて、 前記転写体の染着層を記録中間体上に画信号に応じて熱
    転写記録すると共にこの染着層に染料層中の染料を熱拡
    散転写記録するプロセスと染着層の転写されていない記
    録中間体上に溶融インクを熱転写記録するプロセスと、
    染料により記録された染着層と記録された溶融インクを
    受像体上に熱転写するプロセスを有することを特徴とす
    る熱転写記録方法。
  8. 【請求項8】基材上に複数色の染料層を面順次に形成
    し、第1色目の染料層上に少なくとも離型層(または剥
    離層)を介して染着層とを積層構成した部分と第2色目
    以降の染料層が少なくとも滑性層(または剥離層)との
    積層構成である部分と、同一前記基材上に少なくとも溶
    融インク層を有する溶融インク部分とを順次形成した転
    写体と、少なくとも表層に柔軟層を有しかつ閉ループを
    なす基材を有する記録中間体と、受像体とを用いて、 前記転写体の染着層を記録中間体上に画信号に応じて熱
    転写記録すると共にこの染着層に染料層中の染料を熱拡
    散転写記録するプロセスとこの染着層上に溶融インクを
    熱転写記録するプロセスと、この記録された染着層を受
    像体上に熱転写するプロセスを有することを特徴とする
    熱転写記録方法。
  9. 【請求項9】基材上に複数色の染料層を面順次に形成
    し、第1色目の染料層上に少なくとも離型層(または剥
    離層)を介して染着層とを積層構成した部分と第2色目
    以降の染料層が少なくとも滑性層(または剥離層)との
    積層構成である部分と、同一前記基材上に少なくとも溶
    融インク層を有する溶融インク部分とを順次形成した転
    写体と、少なくとも表層に柔軟層を有しかつ閉ループを
    なす基材を有する記録中間体と、受像体とを用いて、 前記転写体の染着層を記録中間体上に画信号に応じて熱
    転写記録すると共にこの染着層に染料層中の染料を熱拡
    散転写記録するプロセスと染着層の転写されていない記
    録中間体上に溶融インクを熱転写記録するプロセスと、
    染料により記録された染着層と記録された溶融インクを
    受像体上に熱転写するプロセスを有することを特徴とす
    る熱転写記録方法。
  10. 【請求項10】基材上の染着層を前記記録中間体上に選
    択的に熱転写記録し、この転写された染着層に選択的な
    染料熱転写記録を行なう、そして/また前記染着層に溶
    融インク熱転写記録を行なうことを特徴とする請求項1
    ないし9のいずれかに記載の熱転写記録方法。
  11. 【請求項11】基材上の染着層を前記記録中間体上に選
    択的に熱転写記録し、この転写された染着層に選択的な
    染料熱転写記録を行なうと共に、そして/また前記染着
    層の転写されていない記録中間体上に溶融インク熱転写
    記録を行なうことを特徴とする請求項1ないし10のいず
    れかに記載の熱転写記録方法。
  12. 【請求項12】染着層が2層以上の積層に形成され、基
    材に接する染着層樹脂よりその上に形成される染着層樹
    脂の表面エネルギーが大きいことを特徴とする請求項1
    ないし11のいずれかに記載の熱転写記録方法に供する転
    写体。
  13. 【請求項13】前記染着層が少なくともポリビニルブチ
    ラール系樹脂で形成される請求項12記載の転写体。
  14. 【請求項14】前記基材に接する染着層が少なくともポ
    リビニルブチラール系樹脂で構成され、その上に形成さ
    れる染着層が少なくとも飽和ポリエステル系樹脂で構成
    される請求項12または13記載の転写体。
  15. 【請求項15】同一基材上に請求項12ないし14のいずれ
    かに記載の染着層部分と、少なくとも染料層を有する部
    分とを順次形成した請求項1ないし11のいずれかに記載
    の熱転写記録方法に供する転写体。
  16. 【請求項16】同一基材上に請求項12ないし14のいずれ
    かに記載の染着層部分と、少なくとも染料層を有する部
    分と、溶融インク層を有する部分とを順次形成した請求
    項1ないし11のいずれかに記載の熱転写記録方法に供す
    る転写体。
  17. 【請求項17】厚み50ミクロン以下の基材上に少なくと
    も染料層部分と少なくとも剥離層を介して少なくとも染
    着層を有し、前記剥離層とこの上の染着層間の剥離強度
    が5g/25mm以上である請求項1ないし11のいずれかに記
    載の熱転写記録方法に供する転写体。
  18. 【請求項18】前記染着層が2層以上の積層に形成さ
    れ、下層の染着層樹脂よりその上に形成される染着層樹
    脂の表面エネルギーが大きいことを特徴とする請求項17
    記載の転写体。
  19. 【請求項19】前記染着層が少なくともポリビニルブチ
    ラール系樹脂で形成される請求項17または18記載の転写
    体。
  20. 【請求項20】前記下層の染着層が少なくともポリビニ
    ルブチラール系樹脂で構成され、その上に形成される染
    着層が少なくとも飽和ポリエステル系樹脂で構成される
    請求項17または18記載の転写体。
  21. 【請求項21】同一基材上に請求項17ないし20のいずれ
    かに記載の染料層部分と、積層部分と、溶融インク層を
    有する部分とを順次形成した請求項1ないし11のいずれ
    かに記載の熱転写記録方法に供する転写体。
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