JP2578678B2 - ＴｉＣＮ基サーメット - Google Patents
ＴｉＣＮ基サーメットInfo
- Publication number
- JP2578678B2 JP2578678B2 JP2114822A JP11482290A JP2578678B2 JP 2578678 B2 JP2578678 B2 JP 2578678B2 JP 2114822 A JP2114822 A JP 2114822A JP 11482290 A JP11482290 A JP 11482290A JP 2578678 B2 JP2578678 B2 JP 2578678B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cermet
- ticn
- phase
- resistance
- based cermet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、耐摩耗性、靱性に優れたTiCN基サーメット
に関し、特に切削工具として好適なサーメットに関す
る。
に関し、特に切削工具として好適なサーメットに関す
る。
（従来技術） 近年、切削用焼結体として、周期律表第IV a、V a、V
I a族元素の複炭窒化物からなる硬質相と、鉄族金属か
らなる結合相によって構成されるサーメットが用いられ
るようになった。
I a族元素の複炭窒化物からなる硬質相と、鉄族金属か
らなる結合相によって構成されるサーメットが用いられ
るようになった。
かかるサーメットとしては、これまでTiCを主成分と
するTiC基サーメットが主流であったが、このTiC基サー
メットが古くから工具材料として用いられていた超硬合
金に比較して耐欠損性が劣るために、この系に窒化物を
添加することにより靱性を改善したいわゆるTiCN基サー
メットが提案されている。
するTiC基サーメットが主流であったが、このTiC基サー
メットが古くから工具材料として用いられていた超硬合
金に比較して耐欠損性が劣るために、この系に窒化物を
添加することにより靱性を改善したいわゆるTiCN基サー
メットが提案されている。
このTiCN基サーメットにおける硬質相は、Ti、Ｗの複
炭窒化物から構成され、さらに硬質相形成成分としてM
o、Ta等の炭化物や窒化物等が添加されているが、この
うちMoやMo2Cは、硬質相の結合相との濡れ性を改善する
ことから硬質相成分として必須成分とされている。ま
た、TaCはサーメットの耐酸化性を改善するとともに切
削工具としてのクレータ摩耗の進行を抑制する効果を有
することから実用性の点から必須の成分とされてきた。
炭窒化物から構成され、さらに硬質相形成成分としてM
o、Ta等の炭化物や窒化物等が添加されているが、この
うちMoやMo2Cは、硬質相の結合相との濡れ性を改善する
ことから硬質相成分として必須成分とされている。ま
た、TaCはサーメットの耐酸化性を改善するとともに切
削工具としてのクレータ摩耗の進行を抑制する効果を有
することから実用性の点から必須の成分とされてきた。
また、硬質相を形成する炭素（Ｃ）および窒素（Ｎ）
はサーメットの靱性および硬度を決定する大きな要因で
あり、最近では窒素を多量に含有させることにより、サ
ーメットの靱性を高めようとする試みがなされている。
はサーメットの靱性および硬度を決定する大きな要因で
あり、最近では窒素を多量に含有させることにより、サ
ーメットの靱性を高めようとする試みがなされている。
ところが、最近に至りTiCN基サーメットに対して各種
の改良がなされ、例えば特公昭63−3017号では、MoやMo
2Cが窒素を多量に含む系に対しては結合相との濡れ性改
善効果が発揮されず、焼結性を阻害するという理由から
MoやMo2Cを添加せず、しかもTiNからなる相を析出した
系が提案され、その他、硬質成分としてNbCを添加しサ
ーメットの耐熱衝撃性や耐酸化性を改善することなども
提案されている。
の改良がなされ、例えば特公昭63−3017号では、MoやMo
2Cが窒素を多量に含む系に対しては結合相との濡れ性改
善効果が発揮されず、焼結性を阻害するという理由から
MoやMo2Cを添加せず、しかもTiNからなる相を析出した
系が提案され、その他、硬質成分としてNbCを添加しサ
ーメットの耐熱衝撃性や耐酸化性を改善することなども
提案されている。
（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、これらのTiCN基サーメットによれば、
これらの技術改良はサーメットの本質的な改良には至っ
ておらず、これまで工具材料として主流である超硬合金
に対する切削特性の劣化は依然として残っている。しか
も、切削条件が厳しくなる傾向にために工具材料として
もより高い特性のものが要求されている。
これらの技術改良はサーメットの本質的な改良には至っ
ておらず、これまで工具材料として主流である超硬合金
に対する切削特性の劣化は依然として残っている。しか
も、切削条件が厳しくなる傾向にために工具材料として
もより高い特性のものが要求されている。
そこで、従来のサーメットの組成について種々検討し
たところ、組織上有芯構造を形成するサーメットへMoや
Mo2Cを添加すると、Mo自体がTiCに比較して硬度、熱伝
導率、ヤング率、耐酸化性等の特性においてTiCに比較
して劣るために工具材料として特に耐摩耗性の低下を招
く傾向にあるために、特公昭63−3017号にて提案される
ようにMoを添加しない方がよいを考えられる。しかしな
がら、特公昭63−3017号の構成によれば、TiN相の析出
はTiN相自体が金属との濡れ性に劣るために結合相との
界面が破壊源となり強度が劣化するという問題を有して
いる。
たところ、組織上有芯構造を形成するサーメットへMoや
Mo2Cを添加すると、Mo自体がTiCに比較して硬度、熱伝
導率、ヤング率、耐酸化性等の特性においてTiCに比較
して劣るために工具材料として特に耐摩耗性の低下を招
く傾向にあるために、特公昭63−3017号にて提案される
ようにMoを添加しない方がよいを考えられる。しかしな
がら、特公昭63−3017号の構成によれば、TiN相の析出
はTiN相自体が金属との濡れ性に劣るために結合相との
界面が破壊源となり強度が劣化するという問題を有して
いる。
一方、Taの耐酸化性効果は窒素を多量に含有するサー
メットではその効果はほとんどなく、逆に焼結性を阻害
し、緻密体を得るためにはMoを無添加とする場合には特
に焼結温度を高く設定する必要があるために焼結体粒子
の粒成長を引起しサーメットの耐摩耗性を低下するとい
う問題があることがわかった。
メットではその効果はほとんどなく、逆に焼結性を阻害
し、緻密体を得るためにはMoを無添加とする場合には特
に焼結温度を高く設定する必要があるために焼結体粒子
の粒成長を引起しサーメットの耐摩耗性を低下するとい
う問題があることがわかった。
（問題点を解決するための手段） 本発明者等は、上記の知見から耐摩耗性、耐欠損性、
耐酸化性に優れたサーメットの組成について検討をおこ
なった。その結果、硬質相を形成する金属成分としてT
i、Ｗを必須成分とし、従来これにMoやTaを添加してい
たのに対してこれらの代わりに、NbおよびＶを選択して
それぞれ特定の範囲で配合するとともに系中のMoおよび
Taの量を極力小さくすることによって優れた切削特性を
要するTiCN基サーメットが得られることを知見し本発明
に至った。
耐酸化性に優れたサーメットの組成について検討をおこ
なった。その結果、硬質相を形成する金属成分としてT
i、Ｗを必須成分とし、従来これにMoやTaを添加してい
たのに対してこれらの代わりに、NbおよびＶを選択して
それぞれ特定の範囲で配合するとともに系中のMoおよび
Taの量を極力小さくすることによって優れた切削特性を
要するTiCN基サーメットが得られることを知見し本発明
に至った。
即ち、本発明は、Tiを主体とし、Ｗ、NbおよびＶを含
有する硬質相と、鉄族金属からなる結合相とから構成さ
れ、且つMoおよびTaがそれぞれ0.5重量％以下（０を含
む）のTiCN基サーメットであって、該サーメットの全体
組成から前記鉄族金属、Mo、Taおよび不可避不純物を除
く他の成分組成（原子比）を〔（Ti）ａ（Nb,V）ｂ
（Ｗ）ｃ〕（CuNv）ｚと表した時、ａ＋ｂ＋ｃ＝1,0.50
≦ａ≦0.95、0.05≦ｂ＋ｃ≦0.5、0.40≦b/（ｂ＋ｃ）
≦0.95、0.40≦ｖ≦0.60、0.80≦ｚ≦1.0、ｕ＋ｖ＝１
を満足することを特徴とし、特に、前記NbとＶとの原子
比（Nb/V）が１〜10の範囲にあることが望ましいもので
ある。
有する硬質相と、鉄族金属からなる結合相とから構成さ
れ、且つMoおよびTaがそれぞれ0.5重量％以下（０を含
む）のTiCN基サーメットであって、該サーメットの全体
組成から前記鉄族金属、Mo、Taおよび不可避不純物を除
く他の成分組成（原子比）を〔（Ti）ａ（Nb,V）ｂ
（Ｗ）ｃ〕（CuNv）ｚと表した時、ａ＋ｂ＋ｃ＝1,0.50
≦ａ≦0.95、0.05≦ｂ＋ｃ≦0.5、0.40≦b/（ｂ＋ｃ）
≦0.95、0.40≦ｖ≦0.60、0.80≦ｚ≦1.0、ｕ＋ｖ＝１
を満足することを特徴とし、特に、前記NbとＶとの原子
比（Nb/V）が１〜10の範囲にあることが望ましいもので
ある。
次に、本発明のTiCN基サーメットにおいて各金属元素
の比率を上記の範囲に設定した理由を述べる。
の比率を上記の範囲に設定した理由を述べる。
まず、硬質相を形成する成分として、Tiは、およそTi
CNとして焼結体内に存在するが、このTi量（ａ）が0.5
より少ないとサーメット工具としての特徴である耐摩耗
性、金属に対する低い親和性が不十分となり、0.95を越
えると耐欠損性に劣ることとなる。なお、ａは0.70≦ａ
≦0.9であることが特に望ましい。
CNとして焼結体内に存在するが、このTi量（ａ）が0.5
より少ないとサーメット工具としての特徴である耐摩耗
性、金属に対する低い親和性が不十分となり、0.95を越
えると耐欠損性に劣ることとなる。なお、ａは0.70≦ａ
≦0.9であることが特に望ましい。
また、Nb、Ｖ、Ｗは、硬質相を形成する補助的成分
で、いずれもサーメットの粒成長を抑制する効果を有
し、微細な結晶構造を形成させサーメットの強度、靱性
を高める作用をなす。よって、これらの合量（ｂ＋ｃ）
が0.05より少ないと耐欠損性が不十分となり、0.5より
大きいと耐摩耗性が劣るとともに被削材との反応性が高
く成る傾向にある。なお、（ｂ＋ｃ）値は0.10≦ｂ＋ｃ
≦0.30であることが特に望ましい。
で、いずれもサーメットの粒成長を抑制する効果を有
し、微細な結晶構造を形成させサーメットの強度、靱性
を高める作用をなす。よって、これらの合量（ｂ＋ｃ）
が0.05より少ないと耐欠損性が不十分となり、0.5より
大きいと耐摩耗性が劣るとともに被削材との反応性が高
く成る傾向にある。なお、（ｂ＋ｃ）値は0.10≦ｂ＋ｃ
≦0.30であることが特に望ましい。
これらのうち、ＷはWCとして硬質相の結合相との濡れ
性を改善するとともに靱性を高める作用をなすために必
須の成分であるが、硬質相が（Ti,W）CNから構成される
場合は、耐摩耗性、耐酸化性、耐欠損性等の特性が実用
的レベルに達していないというに問題がある。そこで、
硬質相を強化し諸特性を向上することを目的としてMoや
Ta等の炭化物が必須の成分としてこれまで使用された
が、前述した通りMo2C自体、硬質相主成分であるTiCあ
るいはTiCNに比較して特性が劣るために逆にサーメット
の特性を劣化させてしまう。また、焼結性は系中の結合
相の量に大きく左右されるが、結合相が同量である場
合、TaCの添加により焼結性が低下するために高温焼成
が必要となり、これにより結晶の粒径が大きくなるため
にサーメットの耐摩耗性が劣化する。これに対してNbは
炭化物としてMo2Cに比較してそれ自体優れた特性を有す
るためにサーメットの特性改善に大きく寄与するととも
に焼結性に影響を与えないために、サーメットの耐摩耗
性、耐酸化性、耐欠損性を向上することができることが
わかった。また、ＶはVCとしてNbとともに硬質相を形成
することによりNbの添加効果をを助長し、特にサーメッ
トの高速切削時の耐摩耗性を大きく向上することができ
る。
性を改善するとともに靱性を高める作用をなすために必
須の成分であるが、硬質相が（Ti,W）CNから構成される
場合は、耐摩耗性、耐酸化性、耐欠損性等の特性が実用
的レベルに達していないというに問題がある。そこで、
硬質相を強化し諸特性を向上することを目的としてMoや
Ta等の炭化物が必須の成分としてこれまで使用された
が、前述した通りMo2C自体、硬質相主成分であるTiCあ
るいはTiCNに比較して特性が劣るために逆にサーメット
の特性を劣化させてしまう。また、焼結性は系中の結合
相の量に大きく左右されるが、結合相が同量である場
合、TaCの添加により焼結性が低下するために高温焼成
が必要となり、これにより結晶の粒径が大きくなるため
にサーメットの耐摩耗性が劣化する。これに対してNbは
炭化物としてMo2Cに比較してそれ自体優れた特性を有す
るためにサーメットの特性改善に大きく寄与するととも
に焼結性に影響を与えないために、サーメットの耐摩耗
性、耐酸化性、耐欠損性を向上することができることが
わかった。また、ＶはVCとしてNbとともに硬質相を形成
することによりNbの添加効果をを助長し、特にサーメッ
トの高速切削時の耐摩耗性を大きく向上することができ
る。
このような関係から、Ｗ、Nb、Ｖの合量（ｂ＋ｃ）に
対するNbとＶの合量（ｂ）の割合（b/b＋ｃ）が前記式
において0.4より小さいと耐摩耗性、耐酸化性に劣り、
逆に0.8より大きいと耐欠損性が低下する。なお、Nb/V
の原子比は１〜10、特に１〜５であることが望ましい。
対するNbとＶの合量（ｂ）の割合（b/b＋ｃ）が前記式
において0.4より小さいと耐摩耗性、耐酸化性に劣り、
逆に0.8より大きいと耐欠損性が低下する。なお、Nb/V
の原子比は１〜10、特に１〜５であることが望ましい。
一方、窒素および炭素の量はサーメットの硬度および
靱性を決定する要因として非常に重要であり、特に窒素
の量が増加するに従い、靱性が向上する傾向にあるが、
窒素の量が過多になると焼成時の窒化物の分解によるガ
スがボイド中に焼結体中に残留するという問題が生じ
る。よって前記式において窒素量（ｖ）が0.4より小さ
いと、靱性が低下し耐欠損性が不十分となり、0.6を越
えると焼結体内にボイドが発生し信頼性に欠けるように
なる。
靱性を決定する要因として非常に重要であり、特に窒素
の量が増加するに従い、靱性が向上する傾向にあるが、
窒素の量が過多になると焼成時の窒化物の分解によるガ
スがボイド中に焼結体中に残留するという問題が生じ
る。よって前記式において窒素量（ｖ）が0.4より小さ
いと、靱性が低下し耐欠損性が不十分となり、0.6を越
えると焼結体内にボイドが発生し信頼性に欠けるように
なる。
また、窒素、炭素量のTi、Ｗ、Nb、Ｖの合量に対する
比率（ｚ）が0.8より小さいと焼結性が劣化しボイドが
残留し、1.0より大きいと遊離炭素が発生するために強
度劣化を引き起こす結果となる。望ましくは0.85≦ｚ≦
1.0である。
比率（ｚ）が0.8より小さいと焼結性が劣化しボイドが
残留し、1.0より大きいと遊離炭素が発生するために強
度劣化を引き起こす結果となる。望ましくは0.85≦ｚ≦
1.0である。
本発明において結合相を形成する鉄族金属としては、
Niおよび／またはCoが挙げられ、望ましくはNiとCoから
構成され、特にCo/Ni＋モル比が0.5〜0.9であることが
耐摩耗性向上の点からよい。
Niおよび／またはCoが挙げられ、望ましくはNiとCoから
構成され、特にCo/Ni＋モル比が0.5〜0.9であることが
耐摩耗性向上の点からよい。
また、この鉄族金属は系中において３〜30重量％、特
に５〜20重量％の割合で存在することが望ましい。
に５〜20重量％の割合で存在することが望ましい。
本発明のサーメットは、前述したTi、Ｗ、Nb、Ｖの炭
化物、窒化物、炭窒化物の粉末および鉄属金属粉末を最
終焼結体が上述した割合に成るように秤量混合した後に
プレス成形、押し出し成形、射出成形等の成形手段で成
形し、これを真空中、窒素中の雰囲気あるいは還元性雰
囲気中で1400〜1600℃の温度で焼成することによって得
られる。
化物、窒化物、炭窒化物の粉末および鉄属金属粉末を最
終焼結体が上述した割合に成るように秤量混合した後に
プレス成形、押し出し成形、射出成形等の成形手段で成
形し、これを真空中、窒素中の雰囲気あるいは還元性雰
囲気中で1400〜1600℃の温度で焼成することによって得
られる。
なお、焼成において鉄族金属との濡れ性に優れるMo量
を抑えたことに起因して焼結性が若干低下する場合もあ
るが、この場合には鉄族金属の量を増やすか、または炭
素を0.05〜３重量％程度添加することにより焼結性は改
善される。
を抑えたことに起因して焼結性が若干低下する場合もあ
るが、この場合には鉄族金属の量を増やすか、または炭
素を0.05〜３重量％程度添加することにより焼結性は改
善される。
さらに、用いるTi化合物系原料粉末として、TiC、TiC
N、TiN等が挙げられるが、TiNは場合により最終焼結体
中にTiN相として残存することがあるが、このTiN相は、
それ自体結合相との濡れ性が悪いことから結合相とTiN
相との界面がクラックの起点となりサーメットの機械的
特性を劣化させてしまう。よって、原料としてTiCやTiC
Nを用い、多量のTiN粉末の添加を行わず、TiN相が形成
されないように考慮すべきである。
N、TiN等が挙げられるが、TiNは場合により最終焼結体
中にTiN相として残存することがあるが、このTiN相は、
それ自体結合相との濡れ性が悪いことから結合相とTiN
相との界面がクラックの起点となりサーメットの機械的
特性を劣化させてしまう。よって、原料としてTiCやTiC
Nを用い、多量のTiN粉末の添加を行わず、TiN相が形成
されないように考慮すべきである。
本発明によれば、上記の系に対して特性を改善する目
的でさらにZr、Hf、Cr等の炭化物、窒化物、炭窒化物等
を添加し、TiあるいはＷの一部をそれぞれ同族金属によ
って置換することもできる。
的でさらにZr、Hf、Cr等の炭化物、窒化物、炭窒化物等
を添加し、TiあるいはＷの一部をそれぞれ同族金属によ
って置換することもできる。
以下、本発明を次の例で説明する。
（実施例） 原料粉末として平均粒径が１〜1.5μｍのTiC、TiCN、
WC、NbC、VC、NiおよびCoの各粉末を用いて最終焼結体
の組成が第１表の割合に成るように秤量混合した後、1.
5ton/cm2の圧力でTNGA160408用のチップ形状にプレス形
成した。なお第１表中、試料No.17はNbのみでＶを含ま
ず、No.18はＶのみでNbを含まない系である。次に、こ
れらの成形体を1400〜1600℃の温度で真空雰囲気で１時
間焼成した。得られた焼結体に対して組織観察を行った
ところ、Ti、Ｗ、Nb、Ｖの複炭窒化物からなる硬質相
と、結合相から構成されTiN相の析出は認められなかっ
た。
WC、NbC、VC、NiおよびCoの各粉末を用いて最終焼結体
の組成が第１表の割合に成るように秤量混合した後、1.
5ton/cm2の圧力でTNGA160408用のチップ形状にプレス形
成した。なお第１表中、試料No.17はNbのみでＶを含ま
ず、No.18はＶのみでNbを含まない系である。次に、こ
れらの成形体を1400〜1600℃の温度で真空雰囲気で１時
間焼成した。得られた焼結体に対して組織観察を行った
ところ、Ti、Ｗ、Nb、Ｖの複炭窒化物からなる硬質相
と、結合相から構成されTiN相の析出は認められなかっ
た。
これらの焼結体に対してJISR1601に従い３点曲げ抗折
強度、ビッカース硬度並にビッカース硬度用ダイヤモン
ド圧子を用いて荷重20Kgで圧痕法により破壊靱性を測定
した。
強度、ビッカース硬度並にビッカース硬度用ダイヤモン
ド圧子を用いて荷重20Kgで圧痕法により破壊靱性を測定
した。
次に、各試料を用いて下記に示す切削条件で摩耗試
験、欠損試験を行い、切削後のフランク摩耗量ならびに
非欠損コーナー数を調べた。
験、欠損試験を行い、切削後のフランク摩耗量ならびに
非欠損コーナー数を調べた。
（摩耗試験） 被削材 SCM435 切削速度 200m/min 切り込み 2mm 送り 0.3mm/rev 切削時間 10min （欠損試験） 被削材 SCM435（４本溝入り） 切削速度 100m/min 切り込み 2mm 送り 0.3mm/rev 切削時間 1min 結果は第２表に示した。
（比較例１） Ni2重量％、Co8重量％、その他の成分が（Ti0.85Ｗ
0.05Mo0.10）（Co0.55Ｎ0.45）0.90からなる組成に成る
ように秤量混合する以外は実施例と同様に焼成し試料N
o.19とした。得られた焼結体に対して実施例と同様な特
性の測定を行った。その結果は第２表に示す。
0.05Mo0.10）（Co0.55Ｎ0.45）0.90からなる組成に成る
ように秤量混合する以外は実施例と同様に焼成し試料N
o.19とした。得られた焼結体に対して実施例と同様な特
性の測定を行った。その結果は第２表に示す。
（比較例２） Ni2重量％、Co8重量％、その他の成分が（Ti0.85Ｗ
0.05Ta0.10）（Co0.55Ｎ0.45）0.90からなる組成に成る
ように秤量混合する以外は実施例と同様に焼成し試料N
o.20を得た。この焼結体に対して実施例と同様な特性の
測定を行った。その結果は第２表に示す。
0.05Ta0.10）（Co0.55Ｎ0.45）0.90からなる組成に成る
ように秤量混合する以外は実施例と同様に焼成し試料N
o.20を得た。この焼結体に対して実施例と同様な特性の
測定を行った。その結果は第２表に示す。
第１表および第２表によれば、従来から硬質相成分と
して用いられていたMoやTaを含有する試料No19、20の試
料は、いずれも摩耗量が大きく、耐欠損性も本発明品に
比較して劣るものであった。
して用いられていたMoやTaを含有する試料No19、20の試
料は、いずれも摩耗量が大きく、耐欠損性も本発明品に
比較して劣るものであった。
これに対して本発明の試料はいずれも優れた切削性能
を示すが、Ti、Ｗ、Nb、Ｃ、Ｎの組成が本発明の範囲を
逸脱する試料はいずれも満足すべき結果が得られなかっ
た。
を示すが、Ti、Ｗ、Nb、Ｃ、Ｎの組成が本発明の範囲を
逸脱する試料はいずれも満足すべき結果が得られなかっ
た。
（発明の効果） 以上、詳述した通り、本発明のTiCN基サーメットは、
硬質相成分としてMoおよびTaを代わりにNbおよびＶを選
択することにより優れた耐摩耗性、耐欠損性を示し、工
具用材料として長寿命化を図ることができる。
硬質相成分としてMoおよびTaを代わりにNbおよびＶを選
択することにより優れた耐摩耗性、耐欠損性を示し、工
具用材料として長寿命化を図ることができる。
Claims (2)
- 【請求項１】Tiを主体とし、Ｗ、NbおよびＶを含有する
硬質相と、鉄族金属からなる結合相とから構成され、且
つMoおよびTaがそれぞれ0.5重量％以下（０を含む）のT
iCN基サーメットであって、該サーメットの全体組成か
ら前記鉄族金属、Mo、Taおよび不可避不純物を除く他の
成分組成（原子比）を〔（Ti）ａ（Nb,V）ｂ（Ｗ）ｃ〕
（CuNv）ｚと表した時、ａ＋ｂ＋ｃ＝1,0.50≦ａ≦0.9
5、0.05≦ｂ＋ｃ≦0.5、0.40≦b/（ｂ＋ｃ）≦0.95、0.
40≦ｖ≦0.60、0.80≦ｚ≦1.0、ｕ＋ｖ＝１を満足する
ことを特徴とするTiCN基サーメット。 - 【請求項２】前記NbとＶとの原子比（Nb/V）が１〜10の
範囲にある請求項（１）記載のTiCN基サーメット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2114822A JP2578678B2 (ja) | 1990-04-28 | 1990-04-28 | ＴｉＣＮ基サーメット |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2114822A JP2578678B2 (ja) | 1990-04-28 | 1990-04-28 | ＴｉＣＮ基サーメット |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0413842A JPH0413842A (ja) | 1992-01-17 |
| JP2578678B2 true JP2578678B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=14647555
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2114822A Expired - Fee Related JP2578678B2 (ja) | 1990-04-28 | 1990-04-28 | ＴｉＣＮ基サーメット |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2578678B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100797100B1 (ko) * | 2006-10-12 | 2008-01-28 | 윤수준 | 지상개폐기 보호함용 결로방지 환기장치 |
| CN104264026B (zh) * | 2014-10-22 | 2016-11-30 | 五行科技股份有限公司 | 一种TiCN基金属陶瓷及其制备方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0641508B2 (ja) * | 1986-06-24 | 1994-06-01 | 帝人株式会社 | 架橋重合体成形物の製造方法及び成形材料原料 |
-
1990
- 1990-04-28 JP JP2114822A patent/JP2578678B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0413842A (ja) | 1992-01-17 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2710934B2 (ja) | サーメット合金 | |
| JPS5823457B2 (ja) | 強靭サ−メット | |
| JP2578679B2 (ja) | ＴｉＣＮ基サーメット | |
| JP2578678B2 (ja) | ＴｉＣＮ基サーメット | |
| JP2771337B2 (ja) | 被覆ＴｉＣＮ基サーメット | |
| JP2578677B2 (ja) | ＴｉＣＮ基サーメット | |
| JPH06248385A (ja) | ＴｉＣＮ基サーメット | |
| JPH0681072A (ja) | 炭化タングステン基超硬合金 | |
| JP2775298B2 (ja) | サーメット工具 | |
| JP3199407B2 (ja) | ＴｉＣＮ基サーメット | |
| JPH0598384A (ja) | 高強度および高硬度を有する炭化タングステン基超硬合金 | |
| JPS6152102B2 (ja) | ||
| JPH05230588A (ja) | 硬質合金 | |
| JPS602646A (ja) | 切削工具用炭化タングステン基超硬合金 | |
| KR0159419B1 (ko) | 고경도공구용 소결체 | |
| JP2766079B2 (ja) | 被覆ＴｉＣＮ基サーメット | |
| JP3393758B2 (ja) | 強靱性サーメット | |
| JP3850086B2 (ja) | 硬質層被覆サーメット | |
| JPH1171627A (ja) | 切削加工用サーメット工具 | |
| JPH04300241A (ja) | アルミナ基セラミックス | |
| JP3285724B2 (ja) | サーメット | |
| JP2796002B2 (ja) | サーメット | |
| JPH05279783A (ja) | 耐摩耗性のすぐれたＴｉ系炭窒硼酸化物基サーメット製切削工具 | |
| JPH11216603A (ja) | 切削加工用サーメット工具 | |
| JPS6245290B2 (ja) |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071107 Year of fee payment: 11 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081107 Year of fee payment: 12 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091107 Year of fee payment: 13 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |