JP2578328Y2 - 床下地材及びそれを用いたコンクリート建築物の床構造 - Google Patents

床下地材及びそれを用いたコンクリート建築物の床構造

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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、マンション等のコンク
リート集合住宅に用いられ、衝撃音の遮音性に優れた床
下地材及びそれを用いたコンクリート建築物の床構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンクリート建築物、特にマンシ
ョン等の集合住宅においては、清掃性に優れて清潔感が
ある木質系の床仕上げ材が多用されている。木質系の床
仕上げ材が用いられた床構造としては、図11に示すよ
うに、コンクリートスラブ30の上に、所定の間隔で島
状に配置されたモルタル団子等からなる接合材31を設
け、この上に、耐圧性のある半硬質の発泡樹脂(第2発
泡樹脂体)からなる床下地材32、床仕上げ材33を順
に敷設したものが採用されており、清掃性に優れて清潔
感があるだけでなく、断熱性、暖かさ、歩行の快適さ、
安全性、強度等に優れた床が実現されている。
【0003】ところが、このような床構造では、床衝撃
音に対する(特に、軽衝撃音に対する)遮音性能が、カ
ーペットを敷設した床に比べて悪く、床上への物の落下
時や靴音の衝撃音が階下に伝播するといった問題が生じ
ている。
【0004】そこで、このような問題を回避するため
に、遮音性に優れた床下地材として、従来から使用され
ている半硬質の発泡樹脂に、緩衝材としてそれより弾性
の大きな発泡樹脂(第1発泡樹脂体)を積層した積層構
造物を用いる構成が提案されている(実公平4−533
87号公報)。具体的には、図12に示すように、半硬
質の発泡樹脂からなる第2発泡樹脂体34bの下面に窪
みを設け、この窪み部分に、第2発泡樹脂体34bの下
面より膨出させて、かつ、窪みの側壁と間隙を残して、
弾性の大きい第1発泡樹脂体34aを固定させた構造の
床下地材34を、所定の間隔を置いて並べて敷設した構
成とすることにより、遮音性能を向上させることが記載
されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示されている床下地材34の構成では、スライド
式本棚等の重い家具類やピアノ等を載置して床上から荷
重がかかると、弾性の大きな第1発泡樹脂体34aが圧
縮されて所謂ツブレを生じ、それらの重量がかかってい
る部分にて床が大きく撓んでしまい、耐荷重性に劣ると
いう問題点を有している。このような撓みによる変形
は、第1発泡樹脂体34aの厚みが増す程大きくなり、
その結果、安定して家具やピアノ等を載置しておくこと
ができず、安全性が低いものとなっている。
【0006】そこで、第1発泡樹脂体34aの厚みを小
さくすることが考えられるが、そうすると、耐荷重性が
向上する反面、第1発泡樹脂体34aの圧縮時に第2発
泡樹脂体34bの下面が、コンクリートスラブ30と接
触して底付することとなり、この結果、第1発泡樹脂体
34aを設けた効果がなくなり、床衝撃音に対する遮音
性が低下することとなる。
【0007】また、図13に示すように、第2発泡樹脂
体34bの底着きを防止すべく、第2発泡樹脂体34b
の窪みを無くし、その下面全体に第1発泡樹脂体34a
を設けた床下地材35の構成も考えられるが、これにつ
いて遮音特性を調べる実験を行ったところ、遮音性の低
下がみられ、この構成は適当でないことが判明してい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案の請求項1記載の
床下地材は、上記課題を解決するために、弾性を有する
第1発泡樹脂体からなる下層と、耐圧性のある第2発泡
樹脂体からなる上層との積層構造物である床下地材にお
いて、上記下層の上面に、下層と上層との間に所定の間
隙を形成するための第1凸部が形成される一方、さら
に、上記上層の下面に第2凸部が形成されると共に、上
記下層の上面にこの第2凸部の先端部を収容する凹部が
形成されていることを特徴としている。
【0009】本考案の請求項記載のコンクリート建築
物の床構造は、上記課題を解決するために、コンクリー
トスラブと、このコンクリートスラブの上に接合材を用
いて固着された床下地材と、この床下地材の上に張設さ
れた床仕上げ材とからなり、上記床下地材が、上記請求
項1記載の床下地材であることを特徴としている。
【0010】
【作用】上記請求項1の床下地材の構成では、上層側か
ら荷重がかかると、その応力は耐圧性のある上層を介し
て、弾性を有する下層に伝達される。下層に応力が伝達
されると、まず、上層と接している第1凸部にてその応
力が吸収され、第1凸部が圧縮される。荷重がある程度
以上大きく、第1凸部にて吸収しきれない場合は、第1
凸部がつぶれて、下層と上層との間の間隙が無くなり、
今度は、下層の平坦面にて上層からの応力を受けること
となる。この場合、荷重を受ける面積が大きくなるので
圧縮され難くい。ここで、下層の上面に形成される第1
凸部の高さ、即ち、上層と下層との間の間隙の大きさ
を、下層が撓んだ上層からの応力にて、圧縮されてツブ
レを生じることのない値に設定することで、上層の底着
きを防止することができる。
【0011】このように、上記床下地材では、上層側か
らの荷重の強さにて、荷重を受ける面積が切り替わるよ
うになっているので、床下地材の厚みの変化量を小さく
することができる。
【0012】また、本考案の床下地材の構成では、さら
に、上層の下面に第2凸部が形成されると共に、上記下
層の上面にこの第2凸部の先端部を収容する凹部が形成
されているので、上層側から荷重がかかり、上層と接し
ている下層の第1凸部にて応力が吸収されつつ上層が撓
みかけると、上層に設けられた第2凸部が、凹部が形成
されることで肉薄になっている下層の部分を圧縮してい
ち早くコンクリートスラブ上(もしくは、モルタルを介
して)に底着きすることとなる。したがって、下層が圧
縮され難くなり、上層側から荷重による床下地材の厚み
の変化量をさらに小さく抑えることができる。
【0013】これにより、例えば請求項記載の構成の
ように、本構成の床下地材をコンクリート建築物の床構
造に使用することで、遮音性能を低下させることなく、
床下地材の厚みの変化量を一層小さくすることができ、
重い家具類を載置した場合の床の撓みを低減することが
できる。この結果、断熱性、暖かさ、歩行の快適さ、安
全性に優れると共に、床衝撃音に対する遮音性が高く、
かつ、耐荷重性に優れた変形し難いコンクリート建築物
の床構造を実現することが可能となる。
【0014】尚、請求項の構成の床下地材の場合、上
層の第2発泡樹脂体が底着きするものの、底着きする部
分は上層の極小さい第2凸部のみであるため、遮音性能
に何ら影響を及ぼすものではない。
【0015】
【実施例】〔実施例1〕 本考案の一実施例について図1ないし図6に基づいて説
明すれば、以下の通りである。本実施例にかかるコンク
リート建築物の床構造は、図1に示すように、コンクリ
ートスラブ1の上に、島状に配された接合材であるモル
タル団子2にて、床下地材3が固定され、この床下地材
3の上に、表面に美粧板を備える床仕上げ材6が張設さ
れてなる。
【0016】このような床構造をマンション等のコンク
リート建築物に適用する際は、居住者が圧迫感を受けな
いように室内の容積を確保する必要がある。そのため、
コンクリートスラブ1の上面から床仕上げ材6の上面ま
での高さは、通常のマンション建築では100mm以内、
天井の高いコンクリート建築物では150mm以内となる
ように、モルタル団子2、床下地材3、及び床仕上げ材
6の各厚さ寸法が設定されている。
【0017】ここで、上記床下地材3を、図2に基づい
て詳説する。上記床下地材3は、弾性を有する発泡樹脂
からなる第1発泡樹脂体4を下層に、耐圧性のある発泡
樹脂からなる第2発泡樹脂体5を上層に配した積層構造
を有している。
【0018】上記第1発泡樹脂体4は、平板形状をな
し、平板部4bの上面に4つの第1凸部4aが形成され
ている。そして、この第1凸部4aの各上面が、平板形
状の上記第2発泡樹脂体5の下面に接着されている。第
1発泡樹脂体4をこのような形状とすることで、上記第
2発泡樹脂体5と第1発泡樹脂体4との間には、クリア
ランス(間隙)Aが形成されている。
【0019】上記第1発泡樹脂体4及び第2発泡樹脂体
5の具体的寸法は、用途に応じて適宜設定されるもので
あるが、第1発泡樹脂体4においては、各第1凸部4a
…の上面の面積の合計値が、平板部4bの面積に対して
大きくなりすぎると、遮音特性が低下することが別の実
験から明らかになっており、この結果、80%以下に形成
されるのが望ましく、好ましくは40%前後である。
【0020】そこで、実施例においては、第1発泡樹脂
体4における平板部4bの厚さ,幅,長さの各寸法は、
25mm,590mm,895mmに、各第1凸部4aの高さ
(厚さ),幅,長さの各寸法は、7mm,200mm,27
0mmに、かつ、長さ方向に隣合う各第1凸部4a・4a
の間隔は180mmに、幅方向に隣り合う各第1凸部4a
・4aの間隔は100mmにそれぞれ設定されている。
【0021】一方、第2発泡樹脂体5における厚さ,
幅,長さの各寸法は、30mm,595mm,900mmにそ
れぞれ設定されている。
【0022】上記第1発泡樹脂体4における第1凸部4
aの高さ7mmは、第1発泡樹脂体4と第2発泡樹脂体5
との間に形成される上記クリアランスAの大きさ(高さ
方向の寸法)が、5〜10 mm の範囲に入るように設定
された値である。このクリアランスAの大きさの範囲
は、上記寸法にて形成された第1発泡樹脂体4が、後述
のように撓んだ第2発泡樹脂体5から応力を受け、たと
え第1凸部4aがツブレを生じたとしても、平板部4b
まではツブレを生じないように設定されている。
【0023】また、上記第1発泡樹脂体4及び第2発泡
樹脂体5の各材質であるが、第1発泡樹脂体4として
は、大きな弾性を有し、加工性、軽量性および振動吸収
性に優れ、所定の圧縮強度を備えていれば、特に限定さ
れるものではなく、例えば見掛け密度15kg/m3 以下、
より好ましくは10〜13kg/m3 の高発泡(80倍〜9
0倍)の発泡ポリスチレン樹脂が好適である。第2発泡
樹脂体5の材質としては、適度な固さを有し、歩行時の
快適性を約束すると共に、長期荷重によるひずみが発生
し難く、従来から床下地材として利用されている、例え
ば見掛け密度25kg/m3 の半硬質の発泡ポリスチレン樹
脂が挙げられる。
【0024】上記発泡ポリスチレン樹脂の成形は、スチ
レンまたはメチルスチレンの単独重合体、およびスチレ
ン−無水マレイン酸、スチレン−アクリロニトリル、ス
チレン−メチルメタクリレート共重合体等の樹脂粒子
に、ブタン、ペンタン等の発泡剤を含有させた発泡性樹
脂粒子を予備発泡し、さらに、これを成形型内に充填
し、加熱蒸気により発泡成形する、いわゆるビーズ成形
により容易に成される。
【0025】尚、上記第2発泡樹脂体5の上面側には、
長さ方向に450mm間隔で図1に示す床仕上げ材6を取
り付けるための棧木5aが設けられており、この棧木5
aに、床仕上げ材6が固定されるようになっている。
【0026】次に、上記のコンクリート建築物の床構造
において、床上、即ち床仕上げ材6側から荷重がかかっ
た際の応力の伝達を説明する。
【0027】床仕上げ材6側から荷重がかかると、その
応力は、上層の第2発泡樹脂体5を介して、下層の第1
発泡樹脂体4に伝達される。第1発泡樹脂体4に応力が
伝達されると、まず、第2発泡樹脂体5と接している第
1凸部4aにてその応力が吸収され、第1凸部4aが圧
縮される。荷重がある程度以上大きく、第1凸部4aに
て吸収しきれない場合は、第1凸部4aがつぶれて、第
1発泡樹脂体4と第2発泡樹脂体5との間のクリアラン
スAが無くなる。クリアランスAが無くなると、今度
は、平板部4bに撓んだ第2発泡樹脂体5の下面が押圧
されることとなる。平板部4bは、第1凸部4aより大
きな面積を有し、撓んだ第2発泡樹脂体5を大きな面積
にて受けるので、圧縮され難くい。そして、この場合、
上述したように、上記クリアランスAの高さが、平板部
4bが撓んだ第2発泡樹脂体5の応力にて、圧縮されツ
ブレを生じることのない値に予め設定されているので、
平板部4bの圧縮によるツブレは回避される。
【0028】これにより、遮音性を低下させることな
く、床下地材3の厚みの変化量を小さくして、重い家具
類を載置した場合の床の撓みを軽減することができる。
この結果、清掃性に優れて清潔感があるだけでなく、断
熱性、暖かさ、歩行の快適さ、安全性に優れると共に、
床衝撃音に対する遮音性が高く、かつ、耐荷重性に優れ
た変形し難いコンクリート建築物の床構造を実現するこ
とが可能となる。
【0029】ここで、上記のような床下地材3を使用し
た床構造における遮音特性を調べるために、建築物の現
場における軽量床衝撃音レベルおよび重量床衝撃音レベ
ルをそれぞれ測定した結果について説明する。
【0030】尚、用いた各部材の密度は、床仕上げ材5
が700kg/m3 、第2発泡樹脂体5が25kg/m3 、第1
発泡樹脂体4が12kg/m3 、モルタル団子2が2200
kg/m3 、コンクリートスラブ1が2400kg/m3 であ
る。ただし、各第1及び第2の発泡樹脂体4・5につい
ては見掛け密度で示した。また、第1発泡樹脂体4の材
質は、上記見掛け密度の発泡ポリスチレン樹脂とした。
【0031】 1.測定方法 JIS A 1418 建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法。 2.測定建物 鉄筋コンクリート造(コンクリートスラブの厚さ150
mm) 3.測定結果 測定結果を表1に示す。また、測定結果をJIS規格に
よる床衝撃音レベルに関する遮音特級の基準周波数特性
のところへ示すと図3のようになる。図3において、一
点鎖線のグラフaが、重量床衝撃音レベルを示し、実線
のグラフbが、軽量床衝撃音レベルを示す。
【0032】
【表1】
【0033】図3から明らかなように、本実施例の床下
地材3の構成では、軽量床衝撃音、および重量床衝撃音
の双方、特に重量床衝撃音において、ほぼ全般的に遮音
特性が優れていることがわかる。
【0034】通常、マンション等のコンクリート集合住
宅では、周囲に迷惑をかけない快適な住環境を実現する
ため、床衝撃音の遮音特性の条件として、上記各中心周
波数において、軽量床衝撃音の遮音特性(LL )では6
0以下、一方、重量床衝撃音の遮音特性(LH )では5
5以下が好ましいとされており、上記の実施例の構成
は、上記の条件を満足している。したがって、マンショ
ン等のコンクリート集合住宅の床構造として好適に用い
ることができる。
【0035】また、第1発泡樹脂体4および第2発泡樹
脂体5の材質としては、上記発泡ポリスチレン樹脂の他
に、例えば、エチレンまたはプロピレンの単独重合体、
およびエチレン−プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体等のポリオレフィン系樹脂等の発泡成形体を用い
てもよい。
【0036】尚、上記実施例の構成では、第1凸部4a
を4個備えた平板状の第1発泡樹脂体4を用いた例を挙
げたが、第1発泡樹脂体4と第2発泡樹脂体5との間に
クリアランスAが形成される構成であればよく、例えば
図4に示すように、平板状の第2発泡樹脂体7bに、上
面に凸部を1個有する第1発泡樹脂体7aが複数個接着
された構成の床下地材7でもよい。また、第2発泡樹脂
体の形状も、所定のクリアランス量が確保されるなら
ば、上述したフラット形状でなく、凹凸を有するもの、
例えば、図5、図6にそれぞれ示す、第1発泡樹脂体8
aと第2発泡樹脂体8bからなる床下地材8、または、
第1発泡樹脂体9aと第2発泡樹脂体9bからなる床下
地材9でもよい。
【0037】尚、本実施例の第2発泡樹脂体4において
は、幅方向及び長さ方向の端面を、真っ直ぐ形成してい
るが、図4・図5・図6の各第2発泡樹脂体7b・8b
・9bに示すように、敷設する際に互いに端部を重ね合
わせられるような形状としてもよい。
【0038】〔実施例2〕 本考案の他の実施例について図7ないし図10に基づい
て説明すれば、以下の通りである。本実施例にかかるコ
ンクリート建築物の床構造は、図7に示すように、コン
クリートスラブ1の上に、島状に配された接合材である
モルタル団子2にて、床下地材11が固定され、この床
下地材11の上に、表面に美粧板を備える床仕上げ材6
が張設されてなり、前記実施例の床下地材3に代えて床
下地材11が使用されている以外は、同様の構造を有し
ている。
【0039】上記床下地材11は、前記実施例における
床下地材3と同様に、下層の弾性のある発泡樹脂からな
る第1発泡樹脂体12と、上層の耐圧性のある発泡樹脂
からなる第2発泡樹脂体13との積層構造を有し、それ
らの材質も、前記実施例と同様のものが適用されてい
る。
【0040】上記第1発泡樹脂体12は、図8に示すよ
うに、平板形状をなし、平板部12bの上面に複数の断
面円形の第1凸部12a…と凹部12c…とがそれぞれ
形成されている。そして、この複数の第1凸部12aの
各上面が、平板形状の第2発泡樹脂体13の下面に接着
されることで、上記第2発泡樹脂体13と第1発泡樹脂
体12との間に、クリアランス(間隙)Aが形成されて
いる(図7参照)。
【0041】上記第1発泡樹脂体12及び第2発泡樹脂
体13の具体的寸法は、前記実施例と同様に用途に応じ
て適宜設定されるものであるが、前記した理由から、第
1発泡樹脂体12においては、各第1凸部12a…の上
面の面積の合計値が、平板部12bの面積に対して80%
以下、好ましくは40%前後に設定される。
【0042】本実施例においては、第1発泡樹脂体12
における平板部12bの厚さ,幅,長さの各寸法は、2
5mm,580mm,888mmに、各第1凸部12aの高さ
(厚さ),径の各寸法は、20mm,50mmに、各凹部1
2cの深さ,径の各寸法は、15mm,60mmに、かつ、
長さ方向に隣り合う第1凸部12a同士、もしくは凹部
12cとの中心間隔は69mmに、幅方向に隣り合う第1
凸部12a同士、もしくは凹部12cとの中心間隔は1
30mmにそれぞれ設定されている。
【0043】一方、第2発泡樹脂体13は、図9に示す
ように、平板形状を有し、平板部13bの下面に複数の
断面円形の第2凸部13a…が形成されている。この複
数の第2凸部13aの先端部は、上記第1発泡樹脂体1
2に形成された複数の凹部12cに収容されるように、
互いに位置合わせされている。また、上記平板部13b
は、コンクリートスラブ上に敷設されるとき、互いに端
部を重ね合わせることで互いを固定すべく、各端面は上
面から厚さ方向20mmが、幅・長さ方向に16mmそれぞ
れずらして形成されている。
【0044】第2発泡樹脂体13における平板部13b
の厚さ,幅,長さの各寸法(幅方向・長さ方向において
は重ね合わせ部分を含まず)は、30mm,593mm,8
98mmに、各第2凸部13aの高さ(厚さ),径の各寸
法は、30mm,50mmにそれぞれ設定されている。
【0045】尚、上記第2発泡樹脂体13の上面側に
は、長さ方向に450mm間隔で図7に示す床仕上げ材6
を取り付けるための棧木13cが設けられている。
【0046】次に、上記のコンクリート建築物の床構造
において、床上、即ち床仕上げ材6側から荷重がかかっ
た際の応力の伝達を説明する。
【0047】床仕上げ材6側から荷重がかかると、前記
実施例のものと同様に、その応力は、まず、第2発泡樹
脂体13と接している第1凸部12a…にて吸収され、
荷重がある程度以上大きく、第1凸部12a…にて吸収
しきれない場合は、第1凸部12a…がつぶれて、クリ
アランスAが無くなり、平板部12bのより広い面積を
有する部分にて応力を受け、これにて、第1発泡樹脂体
12のツブレを回避する。この場合、前記実施例の第1
発泡樹脂体4にくらべ、第1凸部12aが、数多く設け
られているので、応力は効率よく分散されると共に、か
つ、平板部12bの端部側まで第1凸部12aが形成さ
れているので、たとえブロック状の床下地材11同士の
つなぎめに荷重がかかったとしても、床下地材11の厚
さ方向の変形を効果的に抑制することができる。
【0048】また、第2発泡樹脂体13が下方に撓みか
けると、第2発泡樹脂体13の下面に設けられた第2凸
部13aが、相対向する第1発泡樹脂体12の凹部12
cにより肉厚が薄くなっている部分を圧縮して、いち早
くコンクリートスラブ1上(もしくは、モルタル団子2
を介して)底着きするので、第2発泡樹脂体13の下方
への撓み変形、及びこれに伴う床下地材11の厚さ方向
の変形は効果的に抑制される。
【0049】これにより、遮音性を低下させることな
く、床下地材11の厚みの変化量を小さくして、重い家
具類を載置した場合の床の撓みを軽減することができ
る。この結果、清掃性に優れて清潔感があるだけでな
く、断熱性、暖かさ、歩行の快適さ、安全性に優れると
共に、床衝撃音に対する遮音性が高く、かつ、耐荷重性
により優れた変形し難いコンクリート建築物の床構造を
実現することが可能となる。
【0050】ここで、上記のような床下地材11を使用
した床構造における遮音特性を、前記実施例と同様の条
件下で測定した結果を表2に示すと共に、測定結果をJ
IS規格による床衝撃音レベルに関する遮音特級の基準
周波数特性のところへ示したものを、図10に示す。図
10において、一点鎖線のグラフaが、重量床衝撃音レ
ベルを示し、実線のグラフbが、軽量床衝撃音レベルを
示す。
【0051】
【表2】
【0052】図10から明らかなように、本実施例の床
下地材11の構成では、軽量床衝撃音および重量床衝撃
音の双方、特に重量床衝撃音において、ほぼ全般的に遮
音特性が優れていることがわかる。
【0053】また上述したマンション等のコンクリート
集合住宅における床衝撃音の遮音特性の条件を、充分に
満足し得るものである。
【0054】
【考案の効果】本考案の請求項1記載の床下地材は、以
上のように、弾性を有する第1発泡樹脂体からなる下層
と、耐圧性のある第2発泡樹脂体からなる上層との積層
構造物である床下地材において、上記下層の上面に、下
層と上層との間に所定の間隙を形成するための第1凸部
が形成される一方、さらに、上記上層の下面に第2凸部
が形成されると共に、上記下層の上面にこの第2凸部の
先端部を収容する凹部が形成されている構成である。
【0055】本考案の請求項記載のコンクリート建築
物の床構造は、以上のように、コンクリートスラブと、
このコンクリートスラブの上に接合材を用いて固着され
た床下地材と、この床下地材の上に張設された床仕上げ
材とからなり、上記床下地材が、上記請求項1記載の
下地材である構成である。
【0056】これにより、遮音性能を低下させることな
く、床下地材の厚みの変化量を小さくすることができ、
重い家具類を載置した場合の床の撓みを低減することが
可能となる。この結果、断熱性、暖かさ、歩行の快適
さ、安全性に優れると共に、空気伝播音や床衝撃音の双
方に対する遮音性が高く、かつ、耐荷重性に優れた変形
し難いコンクリート建築物の床構造を実現することが可
能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例におけるコンクリート建築物
の床構造の要部断面図である。
【図2】上記床構造における床下地材を示し、(a)は
平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図3】上記床構造における床衝撃音レベルの測定結果
を示すグラフである。
【図4】上記とは別の構成を有するコンクリート建築物
の床構造の要部断面図である。
【図5】上記とは別の構成を有するコンクリート建築物
の床構造の要部断面図である。
【図6】上記とは別の構成を有するコンクリート建築物
の床構造の要部断面図である。
【図7】本考案の他の実施例におけるコンクリート建築
物の床構造の要部断面図である。
【図8】上記床構造における床下地材の第1発泡樹脂体
を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図9】上記床構造における床下地材の第2発泡樹脂体
を示し、(a)は下面図、(b)は正面図である。
【図10】上記床構造における床衝撃音レベルの測定結
果を示すグラフである。
【図11】従来のコンクリート建築物の床構造の要部断
面図である。
【図12】従来のコンクリート建築物の床構造の要部断
面図である。
【図13】従来のコンクリート建築物の床構造の要部断
面図である。
【符号の説明】
1 コンクリートスラブ 2 モルタル団子(接合材) 3 床下地材 4 第1発泡樹脂体 4a 第1凸部 4b 基台部 5 第2発泡樹脂体 6 床仕上げ材 11 床下地材 12 第1発泡樹脂体 12a 第1凸部 12c 凹部 13 第2発泡樹脂体 13a 第2凸部 A クリアランス(間隙)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性を有する第1発泡樹脂体からなる下層
    と、耐圧性のある第2発泡樹脂体からなる上層との積層
    構造物である床下地材において、 上記下層の上面に、下層と上層との間に所定の間隙を形
    成するための第1凸部が形成される一方、 さらに、上記上層の下面に第2凸部が形成されると共
    に、上記下層の上面にこの第2凸部の先端部を収容する
    凹部が形成されていること を特徴とする床下地材。
  2. 【請求項2】コンクリートスラブと、このコンクリート
    スラブの上に接合材を用いて固着された床下地材と、こ
    の床下地材の上に張設された床仕上げ材とからなり、上
    記床下地材が、上記請求項1記載の床下地材であること
    を特徴とするコンクリート建築物の床構造。
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