JPH0738408U - 床下地材及びそれを用いたコンクリート建築物の床構造 - Google Patents

床下地材及びそれを用いたコンクリート建築物の床構造

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JPH0738408U
JPH0738408U JP6819993U JP6819993U JPH0738408U JP H0738408 U JPH0738408 U JP H0738408U JP 6819993 U JP6819993 U JP 6819993U JP 6819993 U JP6819993 U JP 6819993U JP H0738408 U JPH0738408 U JP H0738408U
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 コンクリートスラブ1の上にモルタル団子2
を用いて固着され、その上面に床仕上げ材6を備える床
下地材3は、下層が弾性のある第1発泡樹脂体4、上層
が耐圧性のある第2発泡樹脂体5からなる積層構造物で
ある。上記第1発泡樹脂体4は、平板状のその上面に凸
部(第1凸部)が形成された形状を有し、上記凸部の上
面が上層と接合されており、上層と下層との間には、所
定の高さを有するクリアランスAが形成されている。 【効果】 クリアランスAを形成することで、遮音性能
を低下させることなく、重い家具類を載置した場合の床
の撓みを軽減することができ、この結果、床衝撃音に対
する遮音性が高く、かつ、耐荷重性に優れた変形し難い
コンクリート建築物の床構造を実現できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、マンション等のコンクリート集合住宅に用いられ、衝撃音の遮音性 に優れた床下地材及びそれを用いたコンクリート建築物の床構造に関するもので ある。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンクリート建築物、特にマンション等の集合住宅においては、清掃性 に優れて清潔感がある木質系の床仕上げ材が多用されている。木質系の床仕上げ 材が用いられた床構造としては、図11に示すように、コンクリートスラブ30 の上に、所定の間隔で島状に配置されたモルタル団子等からなる接合材31を設 け、この上に、耐圧性のある半硬質の発泡樹脂(第2発泡樹脂体)からなる床下 地材32、床仕上げ材33を順に敷設したものが採用されており、清掃性に優れ て清潔感があるだけでなく、断熱性、暖かさ、歩行の快適さ、安全性、強度等に 優れた床が実現されている。
【0003】 ところが、このような床構造では、床衝撃音に対する(特に、軽衝撃音に対す る)遮音性能が、カーペットを敷設した床に比べて悪く、床上への物の落下時や 靴音の衝撃音が階下に伝播するといった問題が生じている。
【0004】 そこで、このような問題を回避するために、遮音性に優れた床下地材として、 従来から使用されている半硬質の発泡樹脂に、緩衝材としてそれより弾性の大き な発泡樹脂(第1発泡樹脂体)を積層した積層構造物を用いる構成が提案されて いる(実公平4−53387号公報)。具体的には、図12に示すように、半硬 質の発泡樹脂からなる第2発泡樹脂体34bの下面に窪みを設け、この窪み部分 に、第2発泡樹脂体34bの下面より膨出させて、かつ、窪みの側壁と間隙を残 して、弾性の大きい第1発泡樹脂体34aを固定させた構造の床下地材34を、 所定の間隔を置いて並べて敷設した構成とすることにより、遮音性能を向上させ ることが記載されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示されている床下地材34の構成では、スライド 式本棚等の重い家具類やピアノ等を載置して床上から荷重がかかると、弾性の大 きな第1発泡樹脂体34aが圧縮されて所謂ツブレを生じ、それらの重量がかか っている部分にて床が大きく撓んでしまい、耐荷重性に劣るという問題点を有し ている。このような撓みによる変形は、第1発泡樹脂体34aの厚みが増す程大 きくなり、その結果、安定して家具やピアノ等を載置しておくことができず、安 全性が低いものとなっている。
【0006】 そこで、第1発泡樹脂体34aの厚みを小さくすることが考えられるが、そう すると、耐荷重性が向上する反面、第1発泡樹脂体34aの圧縮時に第2発泡樹 脂体34bの下面が、コンクリートスラブ30と接触して底付することとなり、 この結果、第1発泡樹脂体34aを設けた効果がなくなり、床衝撃音に対する遮 音性が低下することとなる。
【0007】 また、図13に示すように、第2発泡樹脂体34bの底着きを防止すべく、第 2発泡樹脂体34bの窪みを無くし、その下面全体に第1発泡樹脂体34aを設 けた床下地材35の構成も考えられるが、これについて遮音特性を調べる実験を 行ったところ、遮音性の低下がみられ、この構成は適当でないことが判明してい る。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案の請求項1記載の床下地材は、上記課題を解決するために、弾性を有す る第1発泡樹脂体からなる下層と、耐圧性のある第2発泡樹脂体からなる上層と の積層構造物である床下地材において、上記下層の上面に、下層と上層との間に 所定の間隙を形成するための第1凸部が形成されていることを特徴としている。
【0009】 本考案の請求項2記載の床下地材は、上記課題を解決するために、上記請求項 1記載の床下地材において、さらに、上記上層の下面に第2凸部が形成されると 共に、上記下層の上面にこの第2凸部の先端部を収容する凹部が形成されている ことを特徴としている。
【0010】 本考案の請求項3記載のコンクリート建築物の床構造は、上記課題を解決する ために、コンクリートスラブと、このコンクリートスラブの上に接合材を用いて 固着された床下地材と、この床下地材の上に張設された床仕上げ材とからなり、 上記床下地材が、上記請求項1又は2記載の床下地材であることを特徴としてい る。
【0011】
【作用】
上記請求項1の床下地材の構成では、上層側から荷重がかかると、その応力は 耐圧性のある上層を介して、弾性を有する下層に伝達される。下層に応力が伝達 されると、まず、上層と接している第1凸部にてその応力が吸収され、第1凸部 が圧縮される。荷重がある程度以上大きく、第1凸部にて吸収しきれない場合は 、第1凸部がつぶれて、下層と上層との間の間隙が無くなり、今度は、下層の平 坦面にて上層からの応力を受けることとなる。この場合、荷重を受ける面積が大 きくなるので圧縮され難くい。ここで、下層の上面に形成される第1凸部の高さ 、即ち、上層と下層との間の間隙の大きさを、下層が撓んだ上層からの応力にて 、圧縮されてツブレを生じることのない値に設定することで、上層の底着きを防 止することができる。
【0012】 このように、上記床下地材では、上層側からの荷重の強さにて、荷重を受ける 面積が切り替わるようになっているので、床下地材の厚みの変化量を小さくする ことができる。
【0013】 これにより、例えば請求項3記載の構成のように、本構成の床下地材をコンク リート建築物の床構造に使用することで、遮音性能を低下させることなく、床下 地材の厚みの変化量を小さくすることができ、重い家具類を載置した場合の床の 撓みを低減することができる。この結果、断熱性、暖かさ、歩行の快適さ、安全 性に優れると共に、床衝撃音に対する遮音性が高く、かつ、耐荷重性に優れた変 形し難いコンクリート建築物の床構造を実現することが可能となる。
【0014】 また、請求項2の床下地材の構成では、上記請求項1記載の床下地材において 、さらに、上層の下面に第2凸部が形成されると共に、上記下層の上面にこの第 2凸部の先端部を収容する凹部が形成されているので、上層側から荷重がかかり 、上層と接している下層の第1凸部にて応力が吸収されつつ上層が撓みかけると 、上層に設けられた第2凸部が、凹部が形成されることで肉薄になっている下層 の部分を圧縮していち早くコンクリートスラブ上(もしくは、モルタルを介して )に底着きすることとなる。したがって、下層が圧縮され難くなり、請求項1の 構成の床下地材よりも、上層側から荷重による床下地材の厚みの変化量をさらに 小さく抑えることができる。
【0015】 これにより、例えば請求項3記載の構成のように、本構成の床下地材をコンク リート建築物の床構造に使用することで、遮音性能を低下させることなく、床下 地材の厚みの変化量をより一層小さくすることができ、重い家具類を載置した場 合の床の撓みをさらに低減することができる。この結果、断熱性、暖かさ、歩行 の快適さ、安全性に優れると共に、床衝撃音に対する遮音性が高く、かつ、耐荷 重性により優れた変形し難いコンクリート建築物の床構造を実現することが可能 となる。
【0016】 尚、請求項2の構成の床下地材の場合、上層の第2発泡樹脂体が底着きするも のの、底着きする部分は上層の極小さい第2凸部のみであるため、遮音性能に何 ら影響を及ぼすものではない。
【0017】
【実施例】
〔実施例1〕 本考案の一実施例について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通り である。 本実施例にかかるコンクリート建築物の床構造は、図1に示すように、コンク リートスラブ1の上に、島状に配された接合材であるモルタル団子2にて、床下 地材3が固定され、この床下地材3の上に、表面に美粧板を備える床仕上げ材6 が張設されてなる。
【0018】 このような床構造をマンション等のコンクリート建築物に適用する際は、居住 者が圧迫感を受けないように室内の容積を確保する必要がある。そのため、コン クリートスラブ1の上面から床仕上げ材6の上面までの高さは、通常のマンショ ン建築では100mm以内、天井の高いコンクリート建築物では150mm以内とな るように、モルタル団子2、床下地材3、及び床仕上げ材6の各厚さ寸法が設定 されている。
【0019】 ここで、上記床下地材3を、図2に基づいて詳説する。 上記床下地材3は、弾性を有する発泡樹脂からなる第1発泡樹脂体4を下層に 、耐圧性のある発泡樹脂からなる第2発泡樹脂体5を上層に配した積層構造を有 している。
【0020】 上記第1発泡樹脂体4は、平板形状をなし、平板部4bの上面に4つの第1凸 部4aが形成されている。そして、この第1凸部4aの各上面が、平板形状の上 記第2発泡樹脂体5の下面に接着されている。第1発泡樹脂体4をこのような形 状とすることで、上記第2発泡樹脂体5と第1発泡樹脂体4との間には、クリア ランス(間隙)Aが形成されている。
【0021】 上記第1発泡樹脂体4及び第2発泡樹脂体5の具体的寸法は、用途に応じて適 宜設定されるものであるが、第1発泡樹脂体4においては、各第1凸部4a…の 上面の面積の合計値が、平板部4bの面積に対して大きくなりすぎると、遮音特 性が低下することが別の実験から明らかになっており、この結果、80%以下に形 成されるのが望ましく、好ましくは40%前後である。
【0022】 そこで、実施例においては、第1発泡樹脂体4における平板部4bの厚さ,幅 ,長さの各寸法は、25mm,590mm,895mmに、各第1凸部4aの高さ(厚 さ),幅,長さの各寸法は、7mm,200mm,270mmに、かつ、長さ方向に隣 合う各第1凸部4a・4aの間隔は180mmに、幅方向に隣り合う各第1凸部4 a・4aの間隔は100mmにそれぞれ設定されている。
【0023】 一方、第2発泡樹脂体5における厚さ,幅,長さの各寸法は、30mm,595 mm,900mmにそれぞれ設定されている。
【0024】 上記第1発泡樹脂体4における第1凸部4aの高さ7mmは、第1発泡樹脂体4 と第2発泡樹脂体5との間に形成される上記クリアランスAの大きさ(高さ方向 の寸法)が、5〜10 mm の範囲に入るように設定された値である。このクリア ランスAの大きさの範囲は、上記寸法にて形成された第1発泡樹脂体4が、後述 のように撓んだ第2発泡樹脂体5から応力を受け、たとえ第1凸部4aがツブレ を生じたとしても、平板部4bまではツブレを生じないように設定されている。
【0025】 また、上記第1発泡樹脂体4及び第2発泡樹脂体5の各材質であるが、第1発 泡樹脂体4としては、大きな弾性を有し、加工性、軽量性および振動吸収性に優 れ、所定の圧縮強度を備えていれば、特に限定されるものではなく、例えば見掛 け密度15kg/m3 以下、より好ましくは10〜13kg/m3 の高発泡(80倍〜9 0倍)の発泡ポリスチレン樹脂が好適である。第2発泡樹脂体5の材質としては 、適度な固さを有し、歩行時の快適性を約束すると共に、長期荷重によるひずみ が発生し難く、従来から床下地材として利用されている、例えば見掛け密度25 kg/m3 の半硬質の発泡ポリスチレン樹脂が挙げられる。
【0026】 上記発泡ポリスチレン樹脂の成形は、スチレンまたはメチルスチレンの単独重 合体、およびスチレン−無水マレイン酸、スチレン−アクリロニトリル、スチレ ン−メチルメタクリレート共重合体等の樹脂粒子に、ブタン、ペンタン等の発泡 剤を含有させた発泡性樹脂粒子を予備発泡し、さらに、これを成形型内に充填し 、加熱蒸気により発泡成形する、いわゆるビーズ成形により容易に成される。
【0027】 尚、上記第2発泡樹脂体5の上面側には、長さ方向に450mm間隔で図1に示 す床仕上げ材6を取り付けるための棧木5aが設けられており、この棧木5aに 、床仕上げ材6が固定されるようになっている。
【0028】 次に、上記のコンクリート建築物の床構造において、床上、即ち床仕上げ材6 側から荷重がかかった際の応力の伝達を説明する。
【0029】 床仕上げ材6側から荷重がかかると、その応力は、上層の第2発泡樹脂体5を 介して、下層の第1発泡樹脂体4に伝達される。第1発泡樹脂体4に応力が伝達 されると、まず、第2発泡樹脂体5と接している第1凸部4aにてその応力が吸 収され、第1凸部4aが圧縮される。荷重がある程度以上大きく、第1凸部4a にて吸収しきれない場合は、第1凸部4aがつぶれて、第1発泡樹脂体4と第2 発泡樹脂体5との間のクリアランスAが無くなる。クリアランスAが無くなると 、今度は、平板部4bに撓んだ第2発泡樹脂体5の下面が押圧されることとなる 。平板部4bは、第1凸部4aより大きな面積を有し、撓んだ第2発泡樹脂体5 を大きな面積にて受けるので、圧縮され難くい。そして、この場合、上述したよ うに、上記クリアランスAの高さが、平板部4bが撓んだ第2発泡樹脂体5の応 力にて、圧縮されツブレを生じることのない値に予め設定されているので、平板 部4bの圧縮によるツブレは回避される。
【0030】 これにより、遮音性を低下させることなく、床下地材3の厚みの変化量を小さ くして、重い家具類を載置した場合の床の撓みを軽減することができる。この結 果、清掃性に優れて清潔感があるだけでなく、断熱性、暖かさ、歩行の快適さ、 安全性に優れると共に、床衝撃音に対する遮音性が高く、かつ、耐荷重性に優れ た変形し難いコンクリート建築物の床構造を実現することが可能となる。
【0031】 ここで、上記のような床下地材3を使用した床構造における遮音特性を調べる ために、建築物の現場における軽量床衝撃音レベルおよび重量床衝撃音レベルを それぞれ測定した結果について説明する。
【0032】 尚、用いた各部材の密度は、床仕上げ材5が700kg/m3 、第2発泡樹脂体5 が25kg/m3 、第1発泡樹脂体4が12kg/m3 、モルタル団子2が2200kg/m3 、コンクリートスラブ1が2400kg/m3 である。ただし、各第1及び第2の 発泡樹脂体4・5については見掛け密度で示した。また、第1発泡樹脂体4の材 質は、上記見掛け密度の発泡ポリスチレン樹脂とした。
【0033】 1.測定方法 JIS A 1418 建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法。 2.測定建物 鉄筋コンクリート造(コンクリートスラブの厚さ150mm) 3.測定結果 測定結果を表1に示す。また、測定結果をJIS規格による床衝撃音レベルに 関する遮音特級の基準周波数特性のところへ示すと図3のようになる。図3にお いて、一点鎖線のグラフaが、重量床衝撃音レベルを示し、実線のグラフbが、 軽量床衝撃音レベルを示す。
【0034】
【表1】
【0035】 図3から明らかなように、本実施例の床下地材3の構成では、軽量床衝撃音、 および重量床衝撃音の双方、特に重量床衝撃音において、ほぼ全般的に遮音特性 が優れていることがわかる。
【0036】 通常、マンション等のコンクリート集合住宅では、周囲に迷惑をかけない快適 な住環境を実現するため、床衝撃音の遮音特性の条件として、上記各中心周波数 において、軽量床衝撃音の遮音特性(LL )では60以下、一方、重量床衝撃音 の遮音特性(LH )では55以下が好ましいとされており、上記の実施例の構成 は、上記の条件を満足している。したがって、マンション等のコンクリート集合 住宅の床構造として好適に用いることができる。
【0037】 また、第1発泡樹脂体4および第2発泡樹脂体5の材質としては、上記発泡ポ リスチレン樹脂の他に、例えば、エチレンまたはプロピレンの単独重合体、およ びエチレン−プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系 樹脂等の発泡成形体を用いてもよい。
【0038】 尚、上記実施例の構成では、第1凸部4aを4個備えた平板状の第1発泡樹脂 体4を用いた例を挙げたが、第1発泡樹脂体4と第2発泡樹脂体5との間にクリ アランスAが形成される構成であればよく、例えば図4に示すように、平板状の 第2発泡樹脂体7bに、上面に凸部を1個有する第1発泡樹脂体7aが複数個接 着された構成の床下地材7でもよい。また、第2発泡樹脂体の形状も、所定のク リアランス量が確保されるならば、上述したフラット形状でなく、凹凸を有する もの、例えば、図5、図6にそれぞれ示す、第1発泡樹脂体8aと第2発泡樹脂 体8bからなる床下地材8、または、第1発泡樹脂体9aと第2発泡樹脂体9b からなる床下地材9でもよい。
【0039】 尚、本実施例の第2発泡樹脂体4においては、幅方向及び長さ方向の端面を、 真っ直ぐ形成しているが、図4・図5・図6の各第2発泡樹脂体7b・8b・9 bに示すように、敷設する際に互いに端部を重ね合わせられるような形状として もよい。
【0040】 〔実施例2〕 本考案の他の実施例について図7ないし図10に基づいて説明すれば、以下の 通りである。 本実施例にかかるコンクリート建築物の床構造は、図7に示すように、コンク リートスラブ1の上に、島状に配された接合材であるモルタル団子2にて、床下 地材11が固定され、この床下地材11の上に、表面に美粧板を備える床仕上げ 材6が張設されてなり、前記実施例の床下地材3に代えて床下地材11が使用さ れている以外は、同様の構造を有している。
【0041】 上記床下地材11は、前記実施例における床下地材3と同様に、下層の弾性の ある発泡樹脂からなる第1発泡樹脂体12と、上層の耐圧性のある発泡樹脂から なる第2発泡樹脂体13との積層構造を有し、それらの材質も、前記実施例と同 様のものが適用されている。
【0042】 上記第1発泡樹脂体12は、図8に示すように、平板形状をなし、平板部12 bの上面に複数の断面円形の第1凸部12a…と凹部12c…とがそれぞれ形成 されている。そして、この複数の第1凸部12aの各上面が、平板形状の第2発 泡樹脂体13の下面に接着されることで、上記第2発泡樹脂体13と第1発泡樹 脂体12との間に、クリアランス(間隙)Aが形成されている(図7参照)。
【0043】 上記第1発泡樹脂体12及び第2発泡樹脂体13の具体的寸法は、前記実施例 と同様に用途に応じて適宜設定されるものであるが、前記した理由から、第1発 泡樹脂体12においては、各第1凸部12a…の上面の面積の合計値が、平板部 12bの面積に対して80%以下、好ましくは40%前後に設定される。
【0044】 本実施例においては、第1発泡樹脂体12における平板部12bの厚さ,幅, 長さの各寸法は、25mm,580mm,888mmに、各第1凸部12aの高さ(厚 さ),径の各寸法は、20mm,50mmに、各凹部12cの深さ,径の各寸法は、 15mm,60mmに、かつ、長さ方向に隣り合う第1凸部12a同士、もしくは凹 部12cとの中心間隔は69mmに、幅方向に隣り合う第1凸部12a同士、もし くは凹部12cとの中心間隔は130mmにそれぞれ設定されている。
【0045】 一方、第2発泡樹脂体13は、図9に示すように、平板形状を有し、平板部1 3bの下面に複数の断面円形の第2凸部13a…が形成されている。この複数の 第2凸部13aの先端部は、上記第1発泡樹脂体12に形成された複数の凹部1 2cに収容されるように、互いに位置合わせされている。また、上記平板部13 bは、コンクリートスラブ上に敷設されるとき、互いに端部を重ね合わせること で互いを固定すべく、各端面は上面から厚さ方向20mmが、幅・長さ方向に16 mmそれぞれずらして形成されている。
【0046】 第2発泡樹脂体13における平板部13bの厚さ,幅,長さの各寸法(幅方向 ・長さ方向においては重ね合わせ部分を含まず)は、30mm,593mm,898 mmに、各第2凸部13aの高さ(厚さ),径の各寸法は、30mm,50mmにそれ ぞれ設定されている。
【0047】 尚、上記第2発泡樹脂体13の上面側には、長さ方向に450mm間隔で図7に 示す床仕上げ材6を取り付けるための棧木13cが設けられている。
【0048】 次に、上記のコンクリート建築物の床構造において、床上、即ち床仕上げ材6 側から荷重がかかった際の応力の伝達を説明する。
【0049】 床仕上げ材6側から荷重がかかると、前記実施例のものと同様に、その応力は 、まず、第2発泡樹脂体13と接している第1凸部12a…にて吸収され、荷重 がある程度以上大きく、第1凸部12a…にて吸収しきれない場合は、第1凸部 12a…がつぶれて、クリアランスAが無くなり、平板部12bのより広い面積 を有する部分にて応力を受け、これにて、第1発泡樹脂体12のツブレを回避す る。この場合、前記実施例の第1発泡樹脂体4にくらべ、第1凸部12aが、数 多く設けられているので、応力は効率よく分散されると共に、かつ、平板部12 bの端部側まで第1凸部12aが形成されているので、たとえブロック状の床下 地材11同士のつなぎめに荷重がかかったとしても、床下地材11の厚さ方向の 変形を効果的に抑制することができる。
【0050】 また、第2発泡樹脂体13が下方に撓みかけると、第2発泡樹脂体13の下面 に設けられた第2凸部13aが、相対向する第1発泡樹脂体12の凹部12cに より肉厚が薄くなっている部分を圧縮して、いち早くコンクリートスラブ1上( もしくは、モルタル団子2を介して)底着きするので、第2発泡樹脂体13の下 方への撓み変形、及びこれに伴う床下地材11の厚さ方向の変形は効果的に抑制 される。
【0051】 これにより、遮音性を低下させることなく、床下地材11の厚みの変化量を小 さくして、重い家具類を載置した場合の床の撓みを軽減することができる。この 結果、清掃性に優れて清潔感があるだけでなく、断熱性、暖かさ、歩行の快適さ 、安全性に優れると共に、床衝撃音に対する遮音性が高く、かつ、耐荷重性によ り優れた変形し難いコンクリート建築物の床構造を実現することが可能となる。
【0052】 ここで、上記のような床下地材11を使用した床構造における遮音特性を、前 記実施例と同様の条件下で測定した結果を表2に示すと共に、測定結果をJIS 規格による床衝撃音レベルに関する遮音特級の基準周波数特性のところへ示した ものを、図10に示す。図10において、一点鎖線のグラフaが、重量床衝撃音 レベルを示し、実線のグラフbが、軽量床衝撃音レベルを示す。
【0053】
【表2】
【0054】 図10から明らかなように、本実施例の床下地材11の構成では、軽量床衝撃 音および重量床衝撃音の双方、特に重量床衝撃音において、ほぼ全般的に遮音特 性が優れていることがわかる。
【0055】 また上述したマンション等のコンクリート集合住宅における床衝撃音の遮音特 性の条件を、充分に満足し得るものである。
【0056】
【考案の効果】
本考案の請求項1記載の床下地材は、以上のように、弾性を有する第1発泡樹 脂体からなる下層と、耐圧性のある第2発泡樹脂体からなる上層との積層構造物 である床下地材において、上記下層の上面に、下層と上層との間に所定の間隙を 形成するための第1凸部が形成されている構成である。
【0057】 本考案の請求項2記載の床下地材は、以上のように、上記請求項1記載の床下 地材において、さらに、上記上層の下面に第2凸部が形成されると共に、上記下 層の上面にこの第2凸部の先端部を収容する凹部が形成されている構成である。
【0058】 本考案の請求項3記載のコンクリート建築物の床構造は、以上のように、コン クリートスラブと、このコンクリートスラブの上に接合材を用いて固着された床 下地材と、この床下地材の上に張設された床仕上げ材とからなり、上記床下地材 が、上記請求項1又は2記載の床下地材である構成である。
【0059】 これにより、遮音性能を低下させることなく、床下地材の厚みの変化量を小さ くすることができ、重い家具類を載置した場合の床の撓みを低減することが可能 となる。この結果、断熱性、暖かさ、歩行の快適さ、安全性に優れると共に、空 気伝播音や床衝撃音の双方に対する遮音性が高く、かつ、耐荷重性に優れた変形 し難いコンクリート建築物の床構造を実現することが可能となるという効果を奏 する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例におけるコンクリート建築物
の床構造の要部断面図である。
【図2】上記床構造における床下地材を示し、(a)は
平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図3】上記床構造における床衝撃音レベルの測定結果
を示すグラフである。
【図4】上記とは別の構成を有するコンクリート建築物
の床構造の要部断面図である。
【図5】上記とは別の構成を有するコンクリート建築物
の床構造の要部断面図である。
【図6】上記とは別の構成を有するコンクリート建築物
の床構造の要部断面図である。
【図7】本考案の他の実施例におけるコンクリート建築
物の床構造の要部断面図である。
【図8】上記床構造における床下地材の第1発泡樹脂体
を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図9】上記床構造における床下地材の第2発泡樹脂体
を示し、(a)は下面図、(b)は正面図である。
【図10】上記床構造における床衝撃音レベルの測定結
果を示すグラフである。
【図11】従来のコンクリート建築物の床構造の要部断
面図である。
【図12】従来のコンクリート建築物の床構造の要部断
面図である。
【図13】従来のコンクリート建築物の床構造の要部断
面図である。
【符号の説明】
1 コンクリートスラブ 2 モルタル団子(接合材) 3 床下地材 4 第1発泡樹脂体 4a 第1凸部 4b 基台部 5 第2発泡樹脂体 6 床仕上げ材 11 床下地材 12 第1発泡樹脂体 12a 第1凸部 12c 凹部 13 第2発泡樹脂体 13a 第2凸部 A クリアランス(間隙)

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性を有する第1発泡樹脂体からなる下層
    と、耐圧性のある第2発泡樹脂体からなる上層との積層
    構造物である床下地材において、上記下層の上面に、下
    層と上層との間に所定の間隙を形成するための第1凸部
    が形成されていることを特徴とする床下地材。
  2. 【請求項2】さらに、上記上層の下面に第2凸部が形成
    されると共に、上記下層の上面にこの第2凸部の先端部
    を収容する凹部が形成されていることを特徴とする上記
    請求項1記載の床下地材。
  3. 【請求項3】コンクリートスラブと、このコンクリート
    スラブの上に接合材を用いて固着された床下地材と、こ
    の床下地材の上に張設された床仕上げ材とからなり、上
    記床下地材が、上記請求項1又は2記載の床下地材であ
    ることを特徴とするコンクリート建築物の床構造。
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