JP2578320B2 - 部分放電検知方法および部分放電検知装置 - Google Patents

部分放電検知方法および部分放電検知装置

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JP2578320B2 JP14138294A JP14138294A JP2578320B2 JP 2578320 B2 JP2578320 B2 JP 2578320B2 JP 14138294 A JP14138294 A JP 14138294A JP 14138294 A JP14138294 A JP 14138294A JP 2578320 B2 JP2578320 B2 JP 2578320B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、配電機器の絶縁劣化
などにより生じる部分放電を検知する部分放電検知方法
および部分放電検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より配電機器などにおいて、機器の
発生する部分放電を検出することによって、機器の絶縁
劣化などの異常を検知する手法が採られている。
【0003】機器の発生する部分放電を検出する方法と
して、部分放電により生じる電磁波を検出する方法が知
られている。この方法は、例えば配電線路柱上機器の発
生する部分放電を検出するために、測定器を車載した測
定車を電柱間を移動しながら順次測定を行う場合のよう
に、被測定対象が比較的離れていて、非接触によって測
定を行える利点がある。
【0004】このような部分放電により生じる電磁波の
検出を行う方法では、一般に部分放電により生じる電磁
波は極めて微弱であるため、TV、ラジオ、無線通信な
どに用いられている人為的な電磁波、またはその他の自
然界の電磁波と部分放電による電磁波とを区別しなけれ
ばならない。そのため、本願出願人は特定の周波数帯域
成分を除去して電磁波のスペクトラムを比較することな
どによって微弱な部分放電を確実に検知するようにした
電気機器の部分放電検出方法および部分放電検出装置
(特願平5−406号)と、被測定対象である電柱間の
距離が短くとも、部分放電の生じている機器を確実に検
出するようにした部分放電発生配電線路柱装架機器の検
出方法および部分放電発生配電線路柱装架機器の検出装
置(特願平5−101024号)を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の出願に係る部分
放電検出方法および部分放電検出装置によれば、放送波
や通信波などの影響を受けずに、また複数ある被測定機
器のうち実際に部分放電の生じている機器を確実に特定
することができる。ところが、例えば自動車が測定地点
の近辺を走行したり、被測定対象の付近で電気溶接が行
われていたり、または放電加工を行う工場が近接してい
るような場合、これらの機器から発せられる電磁波ノイ
ズ(以下、人為的電磁波ノイズという。)の影響を受け
て、これらの電磁波ノイズと部分放電ノイズとの区別が
困難となる場合が生じる。
【0006】この発明は上述の課題を解決するために成
されたものであって、その目的は、部分放電ノイズ以外
の自然界の電磁波ノイズおよび人為的電磁波ノイズの影
響を受けずに、被測定対象である機器に生じる部分放電
を確実に検知する方法およびそのための装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】絶縁物のボイド内の部分
放電、導体と絶縁物に境を接するボイド内の部分放電、
コロナ放電または容量性回路における不完全接触部の部
分放電など、部分放電を生じる原因が異なれば印加電圧
位相との関係も異なるが、一般に、絶縁劣化などにより
生じる部分放電は印加電圧位相の限定された範囲に生じ
ることが知られている。従って商用電源周波数の周期ま
たはその2分の1の周期で部分放電が断続して繰り返さ
れることになる。図14は商用電源電圧信号に対する部
分放電の発生タイミングの例を示す。図14の例では、
商用電源電圧信号の正の半サイクルの立ち上がり途中の
位相角で部分放電が生じている。これに対し、前述の自
動車(車両エンジン)、電気溶接によるアークまたは放
電加工などにより生じる電磁波は商用電源電圧位相とは
無関係に生じる。そこで、検出した電磁波と商用電源電
圧との相関を求め、商用電源電圧信号との相関が高い電
磁波を部分放電による電磁波として捕らえることができ
る。しかしながら、測定器を車載して配電線路柱間を迅
速に移動しながら測定を行う場合には、基準となる商用
電源電圧信号を得ることができない。仮に配電線から商
用電源電圧信号を非接触で検出する場合でも、対象が三
相回路であり、各相が相互に誘導するため、アンテナか
ら商用電源電圧波形を抽出することは困難である。
【0008】上述の問題に鑑み、この発明の請求項1に
係る部分放電検出方法は、検知すべき部分放電による電
磁波またはその他の電磁波を受けるアンテナを測定点に
配置し、該アンテナから入力した被測定信号の電磁波強
度を、商用電源周波数のN(Nは1以上の整数)周期に
等しい期間をN+1以上に等分割して得られる各区間毎
にそれぞれ求め、前記各区間毎に求めたそれぞれの電磁
波強度を比較して、その電磁波強度の差の有無によっ
て、商用電源周波数に同期した部分放電の発生有無を検
知する。
【0009】請求項2に係る部分放電検知方法は、検知
すべき部分放電による電磁波またはその他の電磁波を受
けるアンテナを測定点に配置し、該アンテナから入力し
た被測定信号のスペクトラムを、商用電源周波数のN
(Nは1以上の整数)周期に等しい期間をN+1以上に
等分割して得られる各区間毎にそれぞれ求め、前記各区
間毎に求めたそれぞれのスペクトラムを比較して、その
スペクトラムの差の有無によって、商用電源周波数に同
期した部分放電の発生有無を検知する。
【0010】請求項3に係る部分放電検知装置は、検知
すべき部分放電による電磁波またはその他の電磁波を受
けるアンテナと、前記アンテナから入力した被測定信号
の電磁波強度を、商用電源周波数のN(Nは1以上の整
数)周期に等しい期間をN+1以上に等分割して得られ
る各区間毎にそれぞれ求める電磁波強度測定手段と、前
記各区間毎に求めたそれぞれの電磁波強度の差を検出す
る電磁波強度差検出手段と、前記電磁波強度差検出手段
が一定値を超える電磁波強度の差を検出したとき、報知
信号を出力する報知信号出力手段、とを備えて成る。
【0011】請求項4に係る部分放電検知装置は、検知
すべき部分放電による電磁波またはその他の電磁波を受
けるアンテナと、前記アンテナから入力した被測定信号
のスペクトラムを、商用電源周波数のN(Nは1以上の
整数)周期に等しい期間をN+1以上に等分割して得ら
れる各区間毎にそれぞれ求めるスペクトラム測定手段
と、前記各区間毎に求めたそれぞれのスペクトラムの差
を検出するスペクトラム差検出手段と、前記スペクトラ
ム差検出手段が一定値を超えるスペクトラムの差を検出
したとき、報知信号を出力する報知信号出力手段、とを
備えて成る。
【0012】
【作用】この発明の請求項1に係る部分放電検知方法で
は、測定点に配置されたアンテナにより検知すべき部分
放電による電磁波またはその他の電磁波を受け、このア
ンテナから入力される被測定信号の電磁波強度が、商用
電源周波数のN周期に等しい期間をN+1以上に等分割
して得られる各区間毎に求められ、各区間毎に求められ
た電磁波強度が比較される。もし区間によって電磁波強
度が異なる場合には、商用電源周波数に同期した部分放
電が発生しているものとして検知することができ、何れ
の区間における電磁波強度も同一であれば商用電源周波
数に非同期なランダムな電磁波ノイズであるものと見な
すことができる。
【0013】この発明の請求項2に係る部分放電検知方
法では、測定点に配置されたアンテナにより検知すべき
部分放電による電磁波またはその他の電磁波を受け、こ
のアンテナから入力される被測定信号から、商用電源周
波数のN周期に等しい期間をN+1以上に等分割して得
られるスペクトラムが求められ、各区間毎に求められた
各スペクトラムが比較される。もし区間によってスペク
トラムが異なる場合には、商用電源周波数に同期した部
分放電が発生しているものとして検知することができ、
何れの区間におけるスペクトラムも同一であれば商用電
源周波数に非同期なランダムな電磁波ノイズであるもの
と見なすことができる。
【0014】この発明の請求項3に係る部分放電検知装
置では、アンテナは検知すべき部分放電による電磁波ま
たはその他の電磁波を受け、電磁波強度測定測定手段は
前記アンテナから入力した被測定信号の強度を商用電源
周波数のN周期に等しい期間をN+1以上に等分割して
得られる各区間毎に求める。電磁波強度差検出手段は前
記の各区間毎に求めたそれぞれの電磁波強度を比較し
て、その電磁波強度の差の有無を検出する。そして、報
知信号出力手段は前記電磁波強度差検出手段が一定値を
超える電磁波強度の差を検出したとき報知信号を出力す
る。
【0015】この発明の請求項4に係る部分放電検知装
置では、アンテナは検知すべき部分放電による電磁波ま
たはその他の電磁波を受け、スペクトラム測定手段は前
記アンテナから入力した被測定信号を商用電源周波数の
N周期に等しい期間をN+1以上に等分割して得られる
各区間毎にそれぞれスペクトラムを求める。スペクトラ
ム差検出手段は前記の各区間毎に求めたそれぞれのスペ
クトラムを比較して、そのスペクトラムの差の有無を検
出する。そして、報知信号出力手段は前記スペクトラム
差検出手段が一定値を超えるスペクトラムの差を検出し
たとき報知信号を出力する。
【0016】尚、前記Nが2以上であれば、商用電源周
波数の周期またはその2分の1の周期で生じる部分放電
のタイミングと前記各区間の区間割とのタイミングが毎
回一致することにはならないが、少なくとも商用電源周
波数のN周期毎に現れるいずれかの区間に部分放電によ
る電磁波が混入する。そのため、前記Nが2以上であっ
ても各区間毎に求められた電磁波強度またはスペクトラ
ムを比較することによって部分放電の有無を検知するこ
とができる。
【0017】以上のようにして部分放電以外の電磁波ノ
イズが混入する条件下においても、部分放電の有無を確
実に検知し得るようになる。
【0018】
【実施例】この発明の請求項1または請求項3を適用し
た測定装置の構成を示すブロック図を図1に示す。
【0019】図1において同調回路2はアンテナ1を用
いて予め定めた受信可能周波数帯域(例えば数十MHz
〜百数十MHz)の電磁波を受信する。検波回路3は同
調回路2による受信信号を検波し、平滑回路4はこれを
平滑して測定対象の前記周波数帯域における電磁波強度
信号を生成する。タイミング信号発生回路6はクロック
信号を入力して、ADコンバータ5によるAD変換のタ
イミング信号を発生する。CPU8はI/Oポート7を
介して電磁波強度のデータを読み取る。ROM9はCP
U8の実行すべきプログラムを予め書き込んでいる。R
AM10はそのプログラムの実行に際して、サンプリン
グデータの一時記憶など各種ワーキングエリアとして用
いる。インタフェース11には表示用メモリを備え、C
PU8はインタフェース11の表示用メモリに表示デー
タを書き込むことによって表示部12に所定内容の表示
制御を行う。プリンタ14は測定結果を印刷出力する。
CPU8はインタフェース13を介して印刷制御を行
う。キースイッチ16は計測の開始指示などを行うため
に用いる。CPU8はインタフェース15を介してキー
操作内容を読み取り、キー操作に応じた処理を行う。タ
イマ回路17は商用電源周波数の周期でCPU8に対し
割り込み信号を与える。
【0020】図1中の信号とその動作のタイミング関係
を波形図として図2に示す。図2において、商用電源電
圧信号は参照用として表しているに過ぎず、図1に示し
た測定装置にこの商用電源電圧信号が入力されるわけで
はない。平滑回路の出力は電磁波強度信号であり部分放
電電磁波信号の包絡線信号に相当する。図中、平滑回路
出力(1)は同図に示す部分放電電磁波信号が存在する
ときの平滑回路出力信号であり、平滑回路出力(2)は
同図に示す部分放電電磁波信号が存在しないときの平滑
回路出力信号である。第1、第2および第3のサンプリ
ング期間はそれぞれ商用電源周波数の1周期の3分の1
の期間に相当し、且つそれぞれタイミングの異なる区間
である。(以下第1、第2および第3のサンプリング期
間をそれぞれ「単位期間」という。)割り込み信号は図
1に示したタイマ回路17から出力される信号であり、
商用電源周波数の1周期毎に等しい周期で発生され、こ
の例では第1サンプリング期間の初めに発生される。
【0021】次に、図1に示したCPU8の処理手順を
フローチャートとして図3および図4に示す。
【0022】図3は図1に示したタイマ回路17の割り
込み信号による割り込み処理の手順であり、まず第1サ
ンプリング期間のデータを順次入力するとともに記憶
し、続いて第2サンプリング期間のデータを入力すると
ともに記憶し、さらに第3サンプリング期間のデータを
入力するとともに順次記憶する。
【0023】図4は割り込み処理以外の通常処理時の手
順であり、割り込み処理により記憶された第1、第2ま
たは第3のサンプリング期間のデータを各々積分(累積
加算)し、それを測定値として求める。続いて、前々回
の測定値Di-1 をDi-2 に待避し、前回の測定値Di
i-1 に待避し、さらに今回の測定値をDi とする。
【0024】そして、今回求めた測定値が前々回または
前回の測定値と一致するか否かを判定する(n3,n
4)。いずれも一定の許容範囲内で一致すれば部分放電
が生じていないものと見なし、一定の許容範囲を超える
差が生じていれば部分放電が発生しているものと見なし
て、これを報知する(n5)。以上のようにして商用電
源周波数の1周期に等しい期間を等分割して得られる各
区間毎に電磁波強度を求め、その電磁波強度の差の有無
によって商用電源周波数に同期した部分放電の発生有無
を確実に検知する。
【0025】次にこの発明の請求項2または請求項4を
適用した第2の実施例に係る測定装置の構成をブロック
図として図5に示す。図5において入力回路21はアン
テナ1からの信号を入力するとともに、放送波や通信波
などの特定周波数帯域の成分を除去し、被測定信号をス
ペクトラムアナライザ25へ与える。ゲート信号発生回
路24はスペクトラムアナライザ25に対して被測定信
号の入力期間を定めるゲート信号を与える。トリガ信号
発生回路22はゲート信号発生回路24に対し商用電源
周波数の周期に等しい周期でトリガ信号を与える。ゲー
ト信号順次切替回路23はゲート信号発生回路24が発
生する3種類のゲート信号を一定周期で順次切り換える
ための制御信号を出力する。
【0026】図5に示した測定装置の各部の波形を図6
に示す。図6において、商用電源電圧信号は参照用とし
て表しているに過ぎず、第1の実施例と同様、図5に示
した測定装置にこの商用電源電圧信号が入力されるわけ
ではない。トリガ信号は図5におけるトリガ信号発生回
路22から出力される信号であり、商用電源周波数の1
周期毎に等しい周期で発生され、この例では第1サンプ
リング期間の初めに発生される。第1、第2および第3
のゲート信号はそれぞれ商用電源周波数の1周期の3分
の1の期間に相当し、且つそれぞれタイミングの異なる
区間であり、図5におけるゲート信号発生回路24から
出力される。図5におけるゲート信号順次切替回路23
は、ゲート信号発生回路24がこれらの第1、第2また
は第3のゲート信号を一定周期(例えば数秒周期)で順
次切り替え出力するように制御する。尚、スペクトラム
アナライザ25自体の機能として、最大値を順次更新し
て常に最大値を表示するいわゆるMAX−HOLD機能
を用いれば、各区間におけるスペクトラムの最大値を常
に表示させることができる。
【0027】このように構成したことにより、ゲート信
号発生回路24が図6に示す第1ゲート信号を発生して
いるとき、スペクトラムアナライザ25はこの例では部
分放電による電磁波のスペクトラムを表示し、第2ゲー
ト信号または第3ゲート信号が発生されているときに
は、部分放電による電磁波のスペクトラムは表示され
ず、自然界の電磁波ノイズまたはこれとともに前記人為
的電磁波ノイズのスペクトラムを表示するだけとなる。
従って観測者がスペクトラムアナライザ25の表示内容
の変化によって部分放電の有無を判定することができ
る。
【0028】次に、同じくスペクトラムを比較して部分
放電の検知を行うこの発明の第3の実施例に係る測定装
置の構成をブロック図として図7に示す。図5に示した
例と異なる点は、ゲート信号を順次切り替えるのではな
く、商用電源周波数の1周期に等しい期間を等分割して
得られる各区間のスペクトラムをそれぞれ独立して表示
するスペクトラムアナライザ25a,25b,25cを
専用に設けたことである。図7において26は信号分配
器であり、3つのスペクトラムアナライザ25a,25
b,25cに対して同一の受信信号を与える。このよう
に構成したことにより、観測者は3つのスペクトラムア
ナライザ25a,25b,25cの各画面に表示される
スペクトラムを比較して、大きな差が生じたとき、部分
放電の発生を検知することができる。この第3の実施例
では、第1〜第3期間の測定が同時進行するので、第2
の実施例よりも判定時間を格段に早めることができる。
【0029】次に、同じくスペクトラムの比較によって
部分放電を検知するこの発明の第4の実施例に係る測定
装置の構成をブロック図として図8に示す。図8におい
て入力回路31はアンテナ1からの信号を広帯域増幅す
る。ローパスフィルタ32はサンプリング周波数に応じ
て、不要な高域成分をカットする。サンプルホールド回
路33は被測定信号をサンプリングおよびホールドし、
ADコンバータ34はこれをディジタルデータに変換す
る。タイミング制御回路35はクロック信号を入力して
サンプルホールド回路33およびADコンバータ34に
対しタイミング信号を与える。CPU37はI/Oポー
ト36を介してAD変換されたデータを読み取る。RO
M38にはCPU37の実行すべきプログラムを予め書
き込んでいる。RAM39はそのプログラムの実行に際
して、サンプリングデータの記憶など後述する各種ワー
キングエリアとして用いる。インタフェース40には表
示用メモリを備え、CPU37はインタフェース40の
表示用メモリに表示データを書き込むことによって表示
部12に所定内容の表示制御を行う。プリンタ43は測
定結果を印刷出力する。CPU37はインタフェース4
2を介して印刷制御を行う。キースイッチ45は計測の
開始指示などを行うために用いる。CPU37はインタ
フェース44を介してキー操作内容を読み取り、キー操
作に応じた処理を行う。タイマ回路46は商用電源周波
数の周期でCPU37に対し割り込み信号を与える。
【0030】図9は図8中の信号およびその動作タイミ
ングを示す図である。図9において、商用電源電圧信号
は参照用として表しているに過ぎず、図8に示した測定
装置にこの商用電源電圧信号が入力されるわけではな
い。第1、第2および第3のサンプリング期間はそれぞ
れ商用電源周波数の1周期の3分の1の期間に相当し、
且つそれぞれタイミングの異なる区間である。割り込み
信号は図1に示したタイマ回路17から出力される信号
であり、商用電源周波数の1周期毎に等しい周期で発生
され、この例では第1サンプリング期間の初めに発生さ
れる。
【0031】図10は図8に示したRAM39の要部構
成図である。ここで「サンプリングデータバッファ」は
第1、第2または第3のサンプリング期間(商用電源周
波数を60Hzとすれば、(1/60)*(1/3)秒
間)のサンプリングデータを一時記憶するエリア、「ワ
ークエリア」はこのサンプリングデータバッファのデー
タに対しFFTを行ってスペクトラムを求める際のワー
クエリア、「スペクトラムデータ」は前記FFTにより
求められたスペクトラムデータである。また、測定結果
i-2 ,Di-1 ,Di はスペクトラムから求めた電磁波
強度の過去3回分の値を記憶するエリアである。
【0032】図11は図8に示したCPU37の処理手
順を示すフローチャートである。なお、図8に示したタ
イマ回路46からの割り込み信号により、CPU37が
行う割り込み処理は、第1の実施例の場合と同様であ
り、図3に示した手順によって第1、第2および第3の
サンプリング期間のデータを順次入力し記憶する。そし
て割り込み処理以外の通常処理では図11に示すよう
に、先ず単位サンプリング期間のサンプリングデータを
FFT処理してその期間のスペクトラムを求める(n1
0)。続いてそのスペクトラムから放送波および通信波
の特定周波数帯域の成分を除去し、それらによる影響を
なくす(n11)。続いてスペクトラムの一定周波数帯
域(例えば40MHz〜200MHz)について強度を
積分し、これを測定値として求める(n12)。続い
て、前々回の測定値Di-1 をDi-2 に待避し、前回の測
定値Di をDi-1 に待避し、さらに今回の測定値をDi
とする(n13)。そして、今回求めた測定値が前々回
または前回の測定値と一致するか否かを判定する(n1
4,n15)。いずれも一定の許容範囲内で一致すれば
部分放電が生じていないものと見なし、一定の許容範囲
を超える差が生じていれば部分放電が発生しているもの
と見なして、これを報知する(n16)。
【0033】次に、同じくスペクトラムの比較によって
部分放電を検知するこの発明の第5の実施例に係る測定
装置の構成をブロック図として図12に示す。図12に
おいてスペクトラムアナライザ61は入力した電磁波信
号のうち、設定された周波数帯域についてスペクトラム
を求め、そのデータを出力する。CPU51はインタフ
ェース62を介してスペクトラムデータを読み取る。R
OM52にはCPU51の実行すべきプログラムを予め
書き込んでいる。RAM53はそのプログラムの実行に
際して、サンプリングデータの記憶など後述する各種ワ
ーキングエリアとして用いる。インタフェース54には
表示用メモリを備え、CPU51はインタフェース54
の表示用メモリに表示データを書き込むことによって表
示部55に所定内容の表示制御を行う。プリンタ57は
測定結果を印刷出力する。CPU51はインタフェース
56を介して印刷制御を行う。キースイッチ59は計測
の開始指示などを行うために用いる。CPU51はイン
タフェース58を介してキー操作内容を読み取り、キー
操作に応じた処理を行う。タイマ回路60は一定時間を
計時するために用い、CPU51はタイマ回路60の内
容を読み取って、所定期間におけるスペクトラムデータ
をスペクトラムアナライザ61から読み取る。
【0034】図13は図12に示したCPU51の処理
手順を示すフローチャートである。
【0035】この例では、第4の実施例と同様に、商用
電源周波数を3等分した3つの期間についてスペクトラ
ムを求め、期間毎の比較を行う。先ず、第1期間の信号
を一定時間にわたってスペクトラムアナライザに入力さ
せる(n21)。その際、スペクトラムアナライザのM
AX−HOLD機能(前述)を利用することによって、
一定回数入力した第1期間のスペクトラムの最大値を読
み取る(n22)。同様にして第2、第3の期間につい
てもスペクトラムの最大値を読み取る(n23→n24
→n25→n26)。その後、第1期間のスペクトラム
データから放送波や通信波等の特定周波数帯域を除去し
て、一定帯域についてスペクトラムの積分値D1を求め
る(n27→n28)。同様にして第2、第3の期間に
ついてスペクトラムの積分データD2,D3を求める
(n29→n30→n31→n32)。その後、第1期
間のスペクトラムの積分データD1と第2期間のスペク
トラムの積分データD2との比較、および第1期間のス
ペクトラムの積分データD1と第3期間のスペクトラム
の積分データD3との比較を行い(n33,n34)、
一定許容範囲内で一致すれば、部分放電が生じていない
ものと見なし、そうでなければ部分放電が発生している
ものと見なして、これを報知する(n35)。
【0036】以上のようにして商用電源周波数の1周期
に等しい期間を等分割して得られる各区間毎に求めたス
ペクトラムに差が生じたとき、部分放電の発生を自動的
に報知する。
【0037】尚、上述の各実施例では、商用電源周波数
の1周期に等しい期間を3等分して得られる各区間毎に
電磁波強度またはスペクトラムを求めるようにしたが、
等分割数は3に限らず、2,4または5であってもよ
い。また、等分割する期間は商用電源周波数の1周期に
限らず、商用電源周波数の整数倍周期であればよい。
【0038】
【発明の効果】この発明によれば、被測定機器から発せ
られる部分放電ノイズ以外の自然界の電磁波ノイズおよ
び人為的電磁波ノイズの影響を受けずに、被測定対象で
ある機器に生じる部分放電を確実に検知することができ
る。例えば測定器を車載して、配電線路柱間を順次移動
しながら、配電線路柱装架機器の部分放電を検知する場
合、自動車が測定地点の近辺を走行したり、被測定対象
の付近で電気溶接が行われていたり、または放電加工を
行う工場が近接しているような条件下でもこれらの人為
的電磁波ノイズの影響を受けずに部分放電の発生有無を
確実に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る測定装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】図1に示す測定装置の各部の信号およびその動
作タイミングを示す図である。
【図3】図1に示す測定装置のCPUの処理手順を示す
図である。
【図4】図1に示す測定装置のCPUの処理手順を示す
図である。
【図5】第2の実施例に係る測定装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図6】図5に示す測定装置の各部の信号を示す図であ
る。
【図7】第3の実施例に係る測定装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図8】第4の実施例に係る測定装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図9】図8に示す測定装置の各部の信号およびその動
作タイミングを示す図である。
【図10】図8に示す測定装置のRAMの要部構成図で
ある。
【図11】図8に示す測定装置のCPUの処理手順を示
す図である。
【図12】第5の実施例に係る測定装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図13】図12に示す測定装置のCPUの処理手順を
示す図である。
【図14】商用電源電圧信号と部分放電の生じるタイミ
ングとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1−アンテナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 正也 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機株式会社内 (72)発明者 本林 敏功 富山県富山市牛島町15番1号 北陸電力 株式会社内 (72)発明者 上坂 英一 富山県富山市牛島町15番1号 北陸電力 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−215074(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検知すべき部分放電による電磁波または
    その他の電磁波を受けるアンテナを測定点に配置し、該
    アンテナから入力した被測定信号の電磁波強度を、商用
    電源周波数のN(Nは1以上の整数)周期に等しい期間
    をN+1以上に等分割して得られる各区間毎にそれぞれ
    求め、前記各区間毎に求めたそれぞれの電磁波強度を比
    較して、その電磁波強度の差の有無によって、商用電源
    周波数に同期した部分放電の発生有無を検知する部分放
    電検知方法。
  2. 【請求項2】 検知すべき部分放電による電磁波または
    その他の電磁波を受けるアンテナを測定点に配置し、該
    アンテナから入力した被測定信号のスペクトラムを、商
    用電源周波数のN(Nは1以上の整数)周期に等しい期
    間をN+1以上に等分割して得られる各区間毎にそれぞ
    れ求め、前記各区間毎に求めたそれぞれのスペクトラム
    を比較して、そのスペクトラムの差の有無によって、商
    用電源周波数に同期した部分放電の発生有無を検知する
    部分放電検知方法。
  3. 【請求項3】 検知すべき部分放電による電磁波または
    その他の電磁波を受けるアンテナと、 前記アンテナから入力した被測定信号の電磁波強度を、
    商用電源周波数のN(Nは1以上の整数)周期に等しい
    期間をN+1以上に等分割して得られる各区間毎にそれ
    ぞれ求める電磁波強度測定手段と、 前記各区間毎に求めたそれぞれの電磁波強度の差を検出
    する電磁波強度差検出手段と、 前記電磁波強度差検出手段が一定値を超える電磁波強度
    の差を検出したとき、報知信号を出力する報知信号出力
    手段、 とを備えて成る部分放電検知装置。
  4. 【請求項4】 検知すべき部分放電による電磁波または
    その他の電磁波を受けるアンテナと、 前記アンテナから入力した被測定信号のスペクトラム
    を、商用電源周波数のN(Nは1以上の整数)周期に等
    しい期間をN+1以上に等分割して得られる各区間毎に
    それぞれ求めるスペクトラム測定手段と、 前記各区間毎に求めたそれぞれのスペクトラムの差を検
    出するスペクトラム差検出手段と、 前記スペクトラム差検出手段が一定値を超えるスペクト
    ラムの差を検出したとき、報知信号を出力する報知信号
    出力手段、 とを備えて成る部分放電検知装置。
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