JP2500432B2 - 部分放電発生配電線路柱装架機器の検出方法および部分放電発生配電線路柱装架機器の検出装置 - Google Patents

部分放電発生配電線路柱装架機器の検出方法および部分放電発生配電線路柱装架機器の検出装置

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JP2500432B2
JP2500432B2 JP10102493A JP10102493A JP2500432B2 JP 2500432 B2 JP2500432 B2 JP 2500432B2 JP 10102493 A JP10102493 A JP 10102493A JP 10102493 A JP10102493 A JP 10102493A JP 2500432 B2 JP2500432 B2 JP 2500432B2
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正也 吉川
博美 石井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、部分放電を発生する
配電線路柱装架機器を検出する方法および装置に関し、
配電線路柱上機器の異常の早期発見による事故の未然防
止を図るものである。
【0002】
【従来の技術】電力機器においては、機器内で発生する
部分放電を検出することにより機器の異常を検知する手
法が採られている。
【0003】電気機器内で生じる部分放電を検出する方
法として、部分放電により生じる電磁波を検出する方法
が知られている。この方法では、部分放電により生じた
信号とノイズとを区別しなければならない。一般に部分
放電により生じる電磁波は極めて微弱であるため、T
V、ラジオ、無線通信等に用いられている人為的な電波
が飛来して、検出回路に侵入すると、外来電波と部分放
電による電磁波等を区別して受信することができず、部
分放電の検出に失敗することになる。
【0004】そこで、本願の一方の出願人(日新電機株
式会社)は特開昭63−145974号にて人為的な電
波が存在しないテレビジョン放送用電波の空きチャンネ
ルを利用して、部分放電により生じる電磁波を検出する
方法について出願している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のテレビジョン放
送用電波の空きチャンネルを受信することより部分放電
による電磁波を検出する方法は、外来電波の影響を受け
ずに、部分放電による電磁波を確実に検出することので
きる利点を有する。
【0006】電気機器内の部分放電による極めて微弱な
電磁波を検出する場合において、上述のテレビジョン放
送用電波の空きチャンネルを受信する方法で、強いて問
題点を挙げれば、部分放電により生じる電磁波の周波数
帯域が非常に広帯域にわたるのに対し、検出しようとす
る帯域がテレビジョン放送用電波の空きチャンネルとい
う狭帯域となることである。すなわち部分放電の状態に
よっては発生する電磁波の周波数スペクトラムのパター
ンが異なるため、部分放電による電磁波を確実に検出で
きない虞もある。また、部分放電による電磁波のエネル
ギの一部しか検出しないため、S/N比を十分高めるこ
とができない。
【0007】特に柱上変圧器、柱上開閉器あるいは碍子
などの電線の絶縁支持物など、配電線路柱上機器では、
単に部分放電が生じているだけでは故障と見なされず、
当然保護装置は作動しないが、その部分放電(コロナ放
電)は絶縁劣化等の前駆現象であり、配電線路を保守点
検する上で、前記部分放電の検出は重要である。ところ
が、架空配電線路の設置場所が極めて多彩であって、地
域、場所または時間帯によって外来電磁波のパターン
(スペクトラムなど)は変化する。そのため、基準を如
何に設定して異常な部分放電を検出するかが問題とな
る。
【0008】この発明の目的は、部分放電による広帯域
に亘る電磁波のエネルギーを捕らえて、より微弱な部分
放電であっても、また周波数スペクトラムの異なった電
磁波を生じる部分放電であっても、配列されている配電
線路柱のうちどの配電線路柱に装架されている電気機器
に部分放電が生じているかを確実に検知し得る方法およ
び装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、配電線路柱
装架機器の機器内で発生する部分放電により生じる電磁
波の周波数スペクトラムが広帯域に亘ることに鑑み、基
本的に周波数スペクトラム上で部分放電の有無を検出す
る。また、配電線の沿線方向に沿って各配電線路柱の下
で順次測定を行い、その測定結果の前後関係から部分放
電の生じている配電線路柱装架機器を判定する。
【0010】ここで、試験的に配電線路柱装架機器の内
部に4000〜6000pcの部分放電源を設け、電圧印加によ
り部分放電を発生させた場合とさせない場合とについて
それぞれ求めた周波数スペクトラムを図9に示す。部分
放電による電磁波を検出するためには、この部分放電の
ないバックグラウンドノイズ(BGN)からどれだけ各
周波数におけるレベルが上昇したかを検出すればよい。
しかし、試験的に部分放電を発生させた場合であって
も、部分放電の生じているときのスペクトラムとバック
グラウンドノイズのスペクトラムとはそのパターンだけ
では容易に判別し得るとは言いがたい。また、測定した
周波数スペクトラムからバックグラウンドノイズのスペ
クトラムを差し引いて観測することも考えられる。その
例を図10に示すが、これでも、視覚的に明瞭に判読で
きるのは、部分放電量がかなり大きな場合であり、小さ
な部分放電では確実に読み取ることができない。
【0011】そこで、この発明の部分放電発生配電線路
柱装架機器の検出方法は、配電線の沿線方向に順次各配
電線路柱の下で電磁波を検出し、この検出した電磁波に
ついて周波数スペクトラムを求め、隣接する二つの配電
線路柱または一定距離離れた二つの配電線路柱について
の前記周波数スペクトラムの差を差分スペクトラムとし
て求め、この差分スペクトラムの一定周波数範囲につい
ての積分値を求め、その積分値の極性が反転するか否か
を判定することによって、部分放電の発生している配電
線路柱装架機器を検出することを特徴とする。
【0012】また、この発明の部分放電発生配電線路柱
装架機器の検出装置は、各配電線路柱の下で検出電磁波
について周波数スペクトラムを求める周波数スペクトラ
ム分析手段と、第1の配電線路柱の下で求めた周波数ス
ペクトラムと第1の配電線路柱に隣接するまたは一定距
離離れた第2の配電線路柱の下で求めた周波数スペクト
ラムとの差成分を求める差分スペクトラム生成手段と、
前記差分スペクトラムを一定周波数範囲について積分し
て積分値を求める積分手段と、配電線の沿線方向に順次
第1・第2の配電線路柱を変更した際の前記積分値の極
性の反転有無を判定する極性反転判定手段、とから構成
したことを特徴とする。
【0013】
【作用】この発明の部分放電発生配電線路柱装架機器の
検出方法では、配電線の沿線方向に順次各配電線路柱の
下で検出された電磁波について周波数スペクトラムが求
められ、隣接する2つの配電線路柱または一定距離離れ
た2つの配電線路柱についての周波数スペクトラムの差
が差分スペクトラムとして求められ、この差分スペクト
ラムの一定周波数範囲についての積分値が求められ、そ
の積分値の極性が反転したか否かが判定される。また、
この発明の部分放電発生配電線路装架機器の検出装置で
は、周波数スペクトラム分析手段は各配電線路柱の下で
検出した電磁波について周波数スペクトラムを求め、差
分スペクトラム生成手段は第1の配電線路柱の下で求め
た周波数スペクトラムと第1の配電線路柱に隣接するま
たは一定距離離れた第2の配電線路柱の下で求めた周波
数スペクトラムとの差成分を求める。そして積分手段は
前記差分スペクトラムを一定周波数範囲について積分し
て積分値を求め、極性反転判定手段は配電線の沿線方向
に順次第1・第2の配電線路柱を変更した際の前記積分
値の極性の反転有無を判定する。
【0014】部分放電の発生している電気機器からの電
磁波は配電線や気中伝搬により隣接する配電線路柱の下
でも検出される。しかし部分放電の生じている電気機器
を装架する配電線路柱から離れるほど部分放電による電
磁波の減衰が大きい。また、配列されている複数の配電
線路柱のうち連続する複数の配電線路柱に装架されてい
る電気機器に部分放電が生じることは極めてまれであ
り、通常は配列されている複数の配電線路柱のうちある
1つの配電線路柱に装架されている電気機器に部分放電
が生じ、これに隣接する配電線路柱の電気機器は正常で
ある場合がほとんどである。従って配電線の沿線方向に
順次各配電線路柱付近で検出した電磁波について周波数
スペクトラムを求めれば、部分放電の生じている電気機
器を装架している配電線路柱の下での求めた周波数スペ
クトラムには部分放電により生じた電磁波の成分が最も
多く含まれ、その配電線路柱から離れるほど前記成分は
減少することになる。また、隣接する2つの配電線路柱
または一定距離離れた2つの配電線路柱について差分ス
ペクトラムを求めれば、部分放電の生じている機器に近
い2地点である程、その部分放電による電磁波の成分が
大きく現れ、2つの配電線路柱のうち一方の配電線路柱
に装架されている電気機器に部分放電が生じている場合
に部分放電により生じる電磁波の成分が最も大きく現れ
ることになる。
【0015】従って差分スペクトラムの一定周波数範囲
についての積分値は2つの配電線路柱のうち一方の配電
線路柱に装架されている電気機器に部分放電が生じてい
る場合に最も大きな値となり、そのいずれの配電線路柱
を基準とする差分であるかによって積分値の極性が変わ
る。
【0016】例えば図1は配電線の沿線方向に順次各配
電線路柱付近で測定を行うとともに周波数スペクトラム
を求め、隣接する2つの配電線路柱で求めた差分スペク
トラムを一定周波数範囲について積分して求めた積分値
の変化を示している。ここで(N)は部分放電の生じて
いる電気機器を装架する配電線路柱の番号、(N−
1),(N−2)・・・および(N+1),(N+2)
・・・はN番の配電線路柱を中心として測定順の前後方
向に存在する各配電線路柱の番号を示す。もし配電線路
柱(N)の装架機器に部分放電が生じていれば、配電線
路柱(N−2)の下で求めた周波数スペクトラムに対す
る配電線路柱(N−1)の下で求めた周波数スペクトラ
ムの差の一定周波数範囲についての積分値が+0.5、
配電線路柱(N−1)の下で求めた周波数スペクトラム
に対する配電線路柱(N)の下で求めた周波数スペクト
ラムの差の一定周波数範囲についての積分値が+1.
0、配電線路柱(N)の下で求めた周波数スペクトラム
に対する配電線路柱(N+1)の下で求めた周波数スペ
クトラムの差の一定周波数範囲についての積分値が−
1.0、配電線路柱(N+1)の下で求めた周波数スペ
クトラムに対する配電線路柱(N+2)の下で求めた周
波数スペクトラムの差の一定周波数範囲についての積分
値が−0.5というように、配電線路柱(N)を境にし
て積分値の極性が反転する。このことから、部分放電の
生じている電気機器を装架する配電線路柱はN番目の配
電線路柱であるとして検出する。
【0017】
【実施例】この発明の実施例である部分放電検出装置を
用いて部分放電の生じている配電線路柱装架機器を検出
する方法の概念図を図2に示す。図2において101
a,101bはそれぞれ配電線路柱(以下、実施例では
単に電柱という。)、102a,102bはそれぞれ電
柱に装架された柱上変圧器である。また、100は部分
放電検出装置を装備した測定車であり、その車上にはア
ンテナ1を突出させている。これらの電柱は通常、道路
に沿って建てられているため、測定車100はその道路
に沿って走行し、各電柱の下で停車しつつ順次測定を行
う。
【0018】次に、この発明の実施例である部分放電検
出装置の構成を図3に示す。図3においてスペクトラム
アナライザ2はアンテナ1に誘起される信号の周波数ス
ペクトラムを、各周波数におけるレベル(dBm)のデ
ィジタルデータとして求める。CPU4はメモリ5に予
め書き込まれているプログラムを実行して、後述する処
理手順により部分放電の検出のための処理を行う。メモ
リ5はCPU4の実行すべきプログラムを予め書き込ん
だROMとそのプログラムの実行に際してワーキングエ
リアとして用いるRAMからなる。CPU4はインタフ
ェース3を介してスペクトラムアナライザ2により求め
られた周波数スペクトラムのデータを読み取って、後述
する各種演算処理を行う。表示部7は処理結果の一つで
ある累積積分スペクトラムの表示または部分放電の有無
の判定結果の表示を行う。インタフェース6には表示用
メモリを備え、CPU4がインタフェース6の表示用メ
モリに表示データを書き込むことによって所定内容の表
示を行う。プリンタ9は処理結果を印刷出力する。CP
U4はインタフェース8を介して印刷制御を行う。
【0019】キースイッチ11は計測の開始指示等を行
うために用いられる。CPU1はインタフェース10を
介してキー操作内容を読み取り、キー操作に応じた処理
を行う。
【0020】ここで、図3に示した部分放電検出装置を
用いた測定例を図8および図11〜図13に示す。図8
はNo1,No2,No3の各電柱の配置を示す。この
3本の電柱のうちNo1に装架されている電気機器に試
験的に4000〜6000pcの部分放電源を設け、電圧印加に
より部分放電を発生させている。図11は電柱No2と
電柱No1間の差分スペクトラム、図12は電柱No3
と電柱No1間の差分スペクトラムである。また、図1
3は周波数40MHz以上について前記差分スペクトラ
ムを累積積分した結果である。図13において、(N
o.2−No.1)は電柱No2と電柱No1間の差分
スペクトラムの40MHz以上の累積積分値、(No.
3−No.1)は電柱No3と電柱No1間の差分スペ
クトラムの40MHz以上の累積積分値、(BGN−N
o1)は先の説明で用い図10に示した差分スペクトラ
ムの累積積分の結果である。このように、部分放電の生
じている機器を装架する電柱から離れるほど部分放電に
よる電磁波の成分は減少し、隣接する2つの電柱間、ま
たは一定距離離れた2つの電柱間の差分スペクトラムの
積分値は部分放電の生じている機器を装架する電柱から
離れるほど小さくなる。尚、図13においては電柱No
3と電柱No2間の差分スペクトラムの累積積分値、
(No3−No.2)については図示していないが、こ
れは{(No.3−No.1)−(No.2−No.
1)}に相当する。
【0021】次に、例えば隣接する電柱間毎に差分スペ
クトラムを求めた場合の積分値の変化の例を図6に示
す。ここで(N)は部分放電の生じている電気機器を装
架する配電線路柱の番号であり地点番号でもある。(N
−1),(N−2)・・・および(N+1),(N+
2)・・・はN番の配電線路柱を中心として測定順の前
後方向に存在する各配電線路柱の番号および地点番号で
ある。I{S(N-2) −S(N -3) }は(N−3)地点で求
めた周波数スペクトラムに対する(N−2)地点で求め
た周波数スペクトラムの差である差分スペクトラムの一
定周波数範囲についての積分値、I{S(N-1) −S
(N-2) }は(N−2)地点で求めた周波数スペクトラム
に対する(N−1)地点で求めた周波数スペクトラムの
差である差分スペクトラムの一定周波数範囲についての
積分値、I{S(N) −S(N-1) }は(N−1)地点で求
めた周波数スペクトラムに対する(N)地点で求めた周
波数スペクトラムの差である差分スペクトラムの一定周
波数範囲についての積分値、I{S(N+1) −S(N) }は
(N)地点で求めた周波数スペクトラムに対する(N+
1)地点で求めた周波数スペクトラムの差である差分ス
ペクトラムの一定周波数範囲についての積分値、同様に
I{S(N+2) −S(N+1) }は(N+1)地点で求めた周
波数スペクトラムに対する(N+2)地点で求めた周波
数スペクトラムの差である差分スペクトラムの一定周波
数範囲についての積分値である。もし配電線路柱Nの電
気機器に部分放電が生じていれば、I{S(N) −S
(N-1) }は正の最も大きな値となり、I{S(N+1) −S
(N) }は負の最も大きな値となる。従って(N)地点と
(N+1)地点で求めた積分値の極性が正から負に反転
することになり、このことからN番目の配電線路柱に装
架されている電気機器に部分放電が生じていると判定す
る。
【0022】また、例えば1本おきに離れた電柱間毎に
差分スペクトラムを求めた場合の積分値の変化の例を図
7に示す。図7においてI{S(N-1) −S(N-3) }は
(N−3)地点で求めた周波数スペクトラムに対する
(N−1)地点で求めた周波数スペクトラムの差である
差分スペクトラムの一定周波数範囲についての積分値、
I{S(N) −S(N-2) }は(N−2)地点で求めた周波
数スペクトラムに対する(N)地点で求めた周波数スペ
クトラムの差である差分スペクトラムの一定周波数範囲
についての積分値、I{S(N+1) −S(N-1) }は(N−
1)地点で求めた周波数スペクトラムに対する(N+
1)地点で求めた周波数スペクトラムの差である差分ス
ペクトラムの一定周波数範囲についての積分値、I{S
(N+2) −S(N)}は(N)地点で求めた周波数スペクト
ラムに対する(N+2)地点で求めた周波数スペクトラ
ムの差である差分スペクトラムの一定周波数範囲につい
ての積分値である。N番目の配電線路柱の電気機器に部
分放電が生じていれば、I{S(N ) −S(N-2) }は正の
最大値となり、I{S(N+2) −S(N) }は負の最大値と
なる。従って(N)地点での積分値と(N+2)地点で
の積分値に極性反転が生じ、このことからN番目の配電
線路柱に装架されている電気機器に部分放電が生じてい
ると判定する。
【0023】次に、図3に示したCPU4の処理手順を
フローチャートとして図4および図5に示す。
【0024】図4は図6に示したように、隣接する電柱
間毎に差分スペクトラムを求めた場合の積分値の変化か
ら、部分放電の生じている電気機器を装架している電柱
を検出する例である。まずキー操作による計測開始指示
の有無を判定する(n1)。
【0025】計測開始指示があれば、まずスペクトラム
アナライザ2からスペクトラムデータを読み取り、各周
波数におけるレベルをリニアスケールに変換する(n2
→n3)。これにより、検出した電磁波をエネルギとし
て取り扱う。続いて放送波および/または通信波の影響
を無くすため、その帯域のデータを除去する(レベル0
に置き換える)(n4)。例えばTV放送の第1チャン
ネルと第3チャンネルが使用されている地域では、90
〜96MHzおよび102〜108MHz帯のデータを
除去してこれを補正スペクトラムとして生成する(n
4)。その後、今回求めた補正スペクトラムから前回求
めた補正スペクトラムを差し引いて差分スペクトラムを
求める(n5)。続いて前々回に求めた差分スペクトラ
ムの一定周波数範囲についての積分値I(1)をI
(2)として記憶し、また前回に求めた差分スペクトラ
ムの一定周波数範囲についての積分値I(0)をI
(1)として記憶する(n6)。その後、今回の差分ス
ペクトラムの一定周波数範囲についての積分値を求め、
I(0)として記憶する(n7)。そして、前々回の積
分値I(2)に対する前回の積分値I(1)の差が正の
基準値を超えるか否か判定し(n8)、また前回の積分
値I(1)に対する今回求めた積分値I(0)の差の値
が負の基準値を超えるか(負の基準値より小さな値とな
るか)否かの判定を行う(n9)。図5に示したように
積分値差が正から負へ極性反転すれば前回計測した電柱
に装架されている電気機器に部分放電が生じているもの
と見なしてその出力を行う(n10)。もし、積分値の
差が基準値を超えない場合には、単なるBGNの変動に
よるものとみなして検出出力は行わない(n8,n9→
n1)。
【0026】図5は図7に示したように、1本おきに離
れた電柱間毎に差分スペクトラムを求めた場合の積分値
の変化から部分放電の生じている電気機器を装架してい
る電柱を検出する例である。図4に示した処理と異な
り、ステップn15にて前々回の補正スペクトラムと今
回の補正スペクトラムとの差分スペクトラムを求め、ス
テップn16にて4回前に求めた積分値I(3)をI
(4)として記憶し、3回前に求めた積分値I(2)を
I(3)として記憶し、前々回に求めた積分値I(1)
をI(2)として記憶し、さらに前回求めた積分値I
(0)をI(1)として記憶する。またステップn18
およびn19では、4回前に求めた積分値I(4)に対
する前々回に求めた積分値I(2)の差が正の基準値を
超えるか否かを判定し、また前々回に求めたI(2)に
対する今回の積分値I(0)の差が負の基準値を超える
か否かを判定する。この両方の条件を満足すればステッ
プn20で前々回の計測した電柱に装架されている電気
機器に部分放電が生じているものと見なしてその出力を
行う。
【0027】
【発明の効果】この発明によれば、広い周波数帯域につ
いてスペクトラムデータを取り込むため、従来の周波数
同調方式と比べて、同調ずれによる部分放電の見逃しが
ない。
【0028】また、周波数スペクトラム上でパターン比
較を行うのではなく、部分放電の有無によりその値が大
きく変化するスペクトラムの積分結果に基づき比較を行
うため、部分放電の発生有無の把握が容易となる。しか
も差分スペクトラムの積分値の極性反転を判定するよう
にしたため、隣接する電柱間の距離が短くて部分放電の
生じている機器から発生される電磁波の減衰が小さくと
も、部分放電の生じている電気機器を装架する配電線路
柱を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の作用説明図であり、配電線の沿線方
向に順次隣接する2つの配電線路柱で求めた積分値の変
化を示す図である。
【図2】実施例の部分放電検出装置を装備した測定車に
より、部分放電の生じている配電線路柱装架機器を検出
する際の概念図である。
【図3】この発明の実施例である部分放電検出装置の構
成を示すブロック図である。
【図4】図3に示したCPUの処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図5】図3に示したCPUの処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図6】隣接する電柱間毎に差分スペクトラムを求めた
場合の積分値の変化の例を示す図である。
【図7】1本おきに離れた電柱間毎に差分スペクトラム
を求めた場合の積分値の変化の例を示す図である。
【図8】図3に示した部分放電検出装置を用いた測定例
における配電線路柱の配置を示す図である。
【図9】配電線路柱装架機器に部分放電を発生させた場
合とさせない場合とについてそれぞれ求めた周波数スペ
クトラムを示す図である。
【図10】図9に示した部分放電時のスペクトラムから
バックグラウンドノイズのスペクトラムを差し引いたス
ペクトラムを示す図である。
【図11】図8に示した電柱No2と電柱No1間の差
分スペクトラムを示す図である。
【図12】図8に示した電柱No3と電柱No1間の差
分スペクトラムを示す図である。
【図13】図10、図11、図12に示した差分スペク
トラムの累積積分の結果を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配電線路柱に装架されている電気機器の
    発生する部分放電により生じる電磁波を検出して部分放
    電の生じている配電線路柱装架機器を検出する方法であ
    って、 配電線の沿線方向に順次各配電線路柱の下で電磁波を検
    出し、この検出した電磁波について周波数スペクトラム
    を求め、隣接する二つの配電線路柱または一定距離離れ
    た二つの配電線路柱についての前記周波数スペクトラム
    の差を差分スペクトラムとして求め、この差分スペクト
    ラムの一定周波数範囲についての積分値を求め、その積
    分値の極性が反転するか否かを判定することによって、
    部分放電の発生している配電線路柱装架機器を検出する
    部分放電発生配電線路柱装架機器の検出方法。
  2. 【請求項2】 配電線路柱に装架されている電気機器の
    発生する部分放電により生じる電磁波を検出して部分放
    電の生じている配電線路柱装架機器を検出する装置であ
    って、 各配電線路柱の下で検出電磁波について周波数スペクト
    ラムを求める周波数スペクトラム分析手段と、 第1の配電線路柱の下で求めた周波数スペクトラムと第
    1の配電線路柱に隣接するまたは一定距離離れた第2の
    配電線路柱の下で求めた周波数スペクトラムとの差成分
    を求める差分スペクトラム生成手段と、 前記差分スペクトラムを一定周波数範囲について積分し
    て積分値を求める積分手段と、 配電線の沿線方向に順次第1・第2の配電線路柱を変更
    した際の前記積分値の極性の反転有無を判定する極性反
    転判定手段、 とからなる部分放電発生配電線路柱装架機器の検出装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104698355A (zh) * 2015-03-20 2015-06-10 成都吉普斯能源科技有限公司 高压电缆局部放电在线诊断方法

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