JPH07333288A - 電気機器の絶縁監視方法 - Google Patents

電気機器の絶縁監視方法

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JPH07333288A
JPH07333288A JP13168594A JP13168594A JPH07333288A JP H07333288 A JPH07333288 A JP H07333288A JP 13168594 A JP13168594 A JP 13168594A JP 13168594 A JP13168594 A JP 13168594A JP H07333288 A JPH07333288 A JP H07333288A
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JP
Japan
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partial discharge
measurement point
noise
measurement
measured
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JP13168594A
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English (en)
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Naohiro Kaneman
直弘 金万
Munechika Saito
宗敬 斉藤
Naoki Okada
直喜 岡田
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ノイズの影響を受けることなく、電気機器内で
の部分放電の発生の有無を適確に検出することができる
電気機器の絶縁監視方法を提供する。 【構成】被監視電気機器1内で部分放電が生じたときに
発生する電磁波を検出する部分放電検出用アンテナ2
と、ノイズのみを検出するノイズ検出用アンテナ2´と
を設ける。計測の対象とする周波数帯域に、ノイズ検出
用アンテナ2´により検出されるノイズのレベルが規定
値以下の測定点を複数個設定する過程を行う。この過程
で決定された各測定点で部分放電検出用アンテナ2の検
出出力を計測し、その計測値を用いて部分放電の有無を
判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス絶縁開閉装置や変
圧器等の電気機器の部分放電の有無を検出して、機器の
絶縁状態の良否を監視する絶縁監視方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ガス絶縁開閉装置等の電気機器では絶縁
異常の前兆現象として部分放電が生じるため、この部分
放電の有無を監視することにより絶縁状態の監視をする
方法が種々提案されている。部分放電の有無を監視する
方法としては、部分放電により生じる超音波を検出する
方法や、部分放電により生じる電磁波を検出する方法が
知られているが、本発明では部分放電により生じる電磁
波を検出することにより電機機器の絶縁状態を監視する
方法を対象とする。
【0003】図8(A)は従来の絶縁監視方法を実施す
る装置の構成を示したもので、同図において1は監視対
象である電気機器であり、図示の例では、監視対象とす
る電気機器としてガス絶縁開閉装置を想定している。2
は電気機器1内で部分放電が生じたときに発生する電磁
波を検出する部分放電検出用アンテナで、このアンテナ
は部分放電による電磁波を検出し得る箇所に配置され
る。電磁波を検出し得る箇所は、例えばガス絶縁開閉装
置の容器の内部や、絶縁スペーサの近傍のように電磁波
が漏洩する箇所である。
【0004】アンテナ2の受信出力は、受信機3に入力
され、受信機3の出力は、マイクロコンピュータ等から
なる判定器4に入力されている。受信機3はバックグラ
ウンドノイズが少ない周波数帯域に予め設定した単一の
周波数を受信して受信出力を判定器4に与える。図8
(B),(C)は受信機3が受信する信号の波形の一例
を示したもので、図8(B)は部分放電がない場合の受
信信号Vf の波形を示し、図8(C)は部分放電が生じ
た場合の受信信号Vf の波形を示している。判定器4
は、受信機3が受信した信号Vf のレベルを予め設定し
た基準レベルVr と比較して、受信信号Vf のレベルが
基準レベルVr を超えたときに部分放電が発生したと判
定する。
【0005】また図9(A)は、他の従来例の監視方法
を実施する装置の構成を示したもので、この例では、部
分放電検出用アンテナ2の受信出力をスペクトラムアナ
ライザ5に入力して特定の周波数帯域(例えば0〜10
00MHz)の周波数スペクトルをモニタし、スペクラ
トラムアナライザ5によりモニタされた周波数スペクト
ルを判定器4に入力して部分放電の有無を判定するよう
にしている。ガス絶縁開閉装置1内で部分放電が生じて
いないときには、図9(B)の波形aのように各周波数
成分のレベルが低いスペクルが得られるが、部分放電が
生じているときには、同図の波形bのようにスペクトル
の各成分のレベルが上昇するため、このレベルの上昇の
有無から部分放電の有無を判定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図8に示した方法で
は、移動無線等のノイズ電波がたまたま監視している周
波数と一致したときに誤判定を生じるという問題があっ
た。更に図8に示した方法のように、単一周波数の電磁
波を監視するようにした場合には、電気機器の構造に起
因して、部分放電検出用アンテナの取り付け箇所の近傍
で監視対象としている電磁波の定在波が生じたときに、
たまたまアンテナが定在波の谷部に位置していると部分
放電の検出を行うことができなくなるという問題があっ
た。
【0007】また図9に示した方法では、広い周波数帯
域の周波数スペクトルを監視するため、周囲に放送局や
無線局が多い場合にそれらが発信する電波がノイズ電波
となって、該ノイズ電波に部分放電により生じる電磁波
が紛れて異常の判定が難しくなるという問題があった。
更に図9に示した方法では、高価なスペクトラムアナラ
イザを用いるため、装置のコストが高くなるのを避けら
れなかった。
【0008】また部分放電により生じる電磁波を検出し
て絶縁状態の監視を行う場合、電気機器の複数の箇所に
アンテナを取り付けて、数100MHz以上の帯域で各
アンテナの受信出力の周波数スペクトルの積分値を求め
ると、その積分値の一番大きい所で部分放電が生じてい
ると推定することができるが、その地域に部分放電の検
出の際にノイズとなる電波を発信している放送局や無線
局が多い場合にはその推定が困難になるという問題があ
った。
【0009】本発明の目的は、ノイズ電波や定在波の影
響を受けることなく部分放電の発生を的確に検出するこ
とができるようにして誤判定を防止した電気機器の絶縁
監視方法を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、スペクラムアナライ
ザのような高価な装置を用いることなく電気機器の絶縁
監視を的確に行うことができるようにした電気機器の絶
縁監視方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、電気機器内で
生じる部分放電により発生した電磁波を受信する部分放
電検出用アンテナを設けて所定の周波数帯域内での該ア
ンテナの受信出力を計測し、該アンテナの受信出力の計
測値から部分放電の有無を判定する電気機器の絶縁監視
方法に係わるものである。
【0012】本発明においては、電気機器の部分放電を
検出し得ない位置にバックグラウンドノイズを検出する
ノイズ検出用アンテナを設けておき、該ノイズ検出用ア
ンテナにより受信されるノイズレベルが規定値以下であ
る測定点を上記周波数帯域内に複数個設定する過程を行
った後に、部分放電の有無を判定する過程を行うことを
特徴とする。
【0013】上記測定点を設定する過程は、次のように
して行うのが好ましい。
【0014】即ち、上記周波数帯域内に、測定に用いる
測定点の数以上の数の初期測定点を設定するとともに、
所定個数の初期測定点を仮測定点として定めておいて、
各初期測定点におけるノイズ検出用アンテナの出力を各
初期測定点でのノイズレベルとし、当初に定めた仮測定
点におけるノイズレベルが規定値以下の場合にはその仮
測定点を正規の測定点とする。また計測された各仮測定
点におけるノイズレベルが規定値を超える場合にはその
仮測定点の近傍の初期測定点の中からノイズレベルが規
定値以下である初期測定点を求めて、その初期測定点を
正規の測定点とする。
【0015】上記測定点を設定する過程では、同調周波
数を自在に調整し得る受信機を用いるのが好ましい。こ
の場合、ノイズ検出用アンテナの出力を受信機に入力し
て該受信機の同調周波数を前記周波数帯域内に設定した
複数の仮測定点の周波数にそれぞれ合わせることにより
各仮測定点での受信機の出力を各仮測定点でのノイズレ
ベルとして計測し、各仮測定点でのノイズレベルが規定
値以下の場合には該仮測定点を正規の測定点とする。各
仮測定点でのノイズレベルが規定値を超える場合には上
記受信機の同調周波数をその仮測定点からシフトさせる
ことによりノイズレベルが規定値以下になる周波数を求
めて、ノイズレベルが規定値以下の周波数を正規の測定
点とする。
【0016】上記複数の仮測定点は例えば周波数帯域を
複数に等分する点に設定することができる。
【0017】前述の方法では、測定点を設定する過程で
先に多数の初期測定点を設定して、設定した初期測定点
でのノイズレベルを計測するようにしたが、ノイズ検出
用アンテナの出力を同調周波数の調整が自在な受信機に
入力して該受信機の同調周波数を設定されたステップ
(例えば等間隔または対数目盛りの間隔)で変化させる
ことにより周波数帯域の全域のノイズレベルを計測し、
計測されたノイズレベルが規定値以下である周波数を複
数個求めて、該複数の周波数をそれぞれ前記測定点とす
るようにしてもよい。
【0018】上記部分放電の有無を判定する過程では、
複数の測定点でそれぞれ計測された部分放電検出用アン
テナの受信出力レベルの計測値の内、その大きさが大き
い上位ne 個(ne は2以上の整数)の計測値の平均値
を演算して、該平均値が予め設定された基準値を超えた
ときに部分放電が発生していると判定するようにするの
が好ましい。
【0019】
【作用】上記のように、測定対象とする周波数帯域に、
ノイズレベルが規定値以下であることが検証された測定
点を複数個設定する過程を行った後に、各測定点で計測
した部分放電検出用アンテナの出力を用いて部分放電の
有無を判定するようにすると、ノイズの影響を殆ど受け
ずに電気機器内で発生する部分放電を検出することがで
きるため、S/N比を向上させることができ、誤検出を
伴うことなく電気機器の絶縁状態を監視することができ
る。
【0020】また上記のように、ノイズが少ない複数の
測定点でそれぞれ部分放電検出用アンテナから受信した
信号を用いて部分放電の有無を判定するようにすると、
たまたま1つの測定点の周波数に移動無線が侵入してき
たとしても、他の測定点のデータにはその移動無線のデ
ータは反映されないので、測定点の数をある程度多くし
て、すべての測定点における受信データを総合して判断
する手法をとることにより、誤検出を避けることができ
る。
【0021】更に、測定点を決定する過程で先ず複数の
仮測定点を決めて、各仮測定点でのノイズを計測するこ
とにより正式の測定点を決定するようにすると、予め定
めた手順で測定点を自動的に決定できるため、測定点の
決定を容易に行うことができる。特に、計測対象とする
周波数帯域を等分割するように、仮測定点を決定するよ
うにすれば、仮測定点の決定に際して、測定点の数だけ
を配慮すれば良く、後の処理は自動的に行わせることが
できるため、測定点の決定から部分放電の有無の判定ま
での一連の過程の自動化を容易にすることができる。
【0022】また、複数の測定点でそれぞれ計測された
部分放電検出用アンテナの受信出力レベルの計測値の
内、大きさが大きい上位ne 個の計測値の平均値をとっ
て、その平均値が基準値以上であるか否かにより部分放
電の有無を判定するようにすると、複数の測定点のそれ
ぞれで検出感度に差がある場合に、検出感度が高い周波
数での計測値を採用して判定を行うことができるため、
すべての計測値の平均をとる場合に比べて検出感度を向
上させることができる。
【0023】
【実施例】図1は、本発明の方法を実施する装置の構成
を示たもので、同図において、1はガス絶縁開閉装置等
の監視対象電気機器、2は電気機器1内で部分放電が生
じたときに発生する電磁波を検知し得る箇所に設置され
た部分放電検出用アンテナである。本体が金属製の容器
内に配置されている電気機器の場合、本体部分で生じた
部分放電により発生する電磁波は、容器内にアンテナを
配置することにより検出できるのはもちろんであるが、
容器の一部に絶縁物が配置されている場合には、その絶
縁物の部分から電磁波が外部に漏洩するので、該絶縁物
に直接またはその絶縁物の近傍にアンテナを配置するこ
とによっても、本体部分の部分放電による電磁波を検出
することができる。例えば、複数の金属容器を絶縁スペ
ーサを介して接続してなるガス絶縁開閉装置において
は、容器内の機器で部分放電が発生したときに主回路導
体を伝搬する電磁波が該主回路導体を支えている絶縁ス
ペーサの部分から外部に漏洩するので、各絶縁スペーサ
の部分に部分放電検出用アンテナを取り付けておくこと
により、または該絶縁スペーサの近傍に部分放電検出用
アンテナを取り付けておくことにより、部分放電による
電磁波を検出することができる。
【0024】本発明においては、電気機器1で生じた部
分放電による電磁波を検出し得ない箇所、例えば電気機
器1から十分に離れた位置にバックグラウンドノイズを
検出するノイズ検出用アンテナ2´を設置し、部分放電
検出用アンテナ2及びノイズ検出用アンテナ2´の受信
出力を、受信機30に入力する。受信機30は、同調周
波数を自在に調整し得る機能を有するもので、図示の受
信機30は、後述するコンピュータからの指令に応じて
アンテナ2及び2´の受信出力のいずれかを選択する高
周波スイッチ(計測の対象とする周波数帯域の高周波信
号を通過させ得る特性を有するスイッチ)31と、高周
波スイッチ31により選択されたアンテナの受信信号を
増幅するプリアンプ32と、CPU33と、CPU33
により発振周波数が制御されて、受信しようとする周波
数f1 に対して所定の中間周波数f3 分だけ低い周波数
f2 の信号を発生する発振器34と、プリアンプ32に
より増幅された受信信号f1 と発振器34の発振出力と
を混合するミキサ35と、ミキサ35の出力から中間周
波数f3 の信号成分を取り出す中間周波フィルタ36
と、中間周波フィルタ36から与えられる中間周波数信
号を検波して周波数f1 の信号レベルに相当するレベル
のアナログ信号を出力する検波器37と、検波器37の
アナログ出力をデジタル信号に変換してCPU33に与
えるA/D変換器38とからなっている。
【0025】CPU33は、A/D変換器38から与え
られる受信信号をパーソナルコンピュータ等のコンピュ
ータ40のCPU41に与える。CPU41は、受信信
号のレベルをディスプレイ40に表示させるとともに、
所定のプログラムに従って高周波スイッチ31に制御信
号を与えて該スイッチの制御を行う。
【0026】次に図1の装置を用いて行う本発明の監視
方法について説明する。本発明の絶縁監視方法において
は、実際の絶縁監視を行うのに先立って、計測対象とす
る周波数帯域内に複数の測定点を設定する過程を行う。
この過程では、ノイズ検出用アンテナ2´により実際に
被監視電気機器の設置箇所に到来するノイズを受信し、
該ノイズ検出用アンテナにより受信されるノイズのレベ
ルが規定値以下である測定点を複数個設定する。この過
程で設定された各測定点での部分放電検出用アンテナの
受信レベルを計測して、その計測値に基づいて部分放電
の有無の判定を行う。この場合の規定値は、バックグラ
ンドノイズを受信機により検出した場合の各周波数成分
に相当する値に所定の許容値を加えた大きさに設定す
る。
【0027】上記測定点を設定する過程は、例えば次の
ようにして行う。
【0028】即ち、計測対象とする周波数帯域内に、測
定に用いる測定点の数よりも多い多数の初期測定点を設
定し、その内の所定個数の初期測定点を仮測定点として
定めておく。そして各初期測定点におけるノイズ検出用
アンテナ2´の出力を計測して各初期測定点におけるノ
イズ検出用アンテナの出力を各初期測定点でのノイズレ
ベルとする。次いで、当初に定めた各仮測定点における
ノイズレベルが規定値以下であるか否かを見て、そのノ
イズレベルが規定値以下である場合には、その仮測定点
を正規の測定点とし、各仮測定点におけるノイズレベル
が規定値を超えているる場合にはその仮測定点の近傍の
初期測定点からノイズレベルが規定値以下である初期測
定点を探して、その初期測定点を正規の測定点とする。
【0029】図1の例では、ノイズレベルを計測するた
めに、CPU33により同調周波数の調整を自在に行い
得る受信機30を用いる。測定点を決定する過程では、
CPU41から高周波スイッチ31に指令を与えて、該
高周波スイッチ31をノイズ検出用アンテナ2´側に切
り替え、該ノイズ検出用アンテナ2´の出力を受信機3
0に入力する。そしてCPU33から局部発振器34に
指令を与えることにより、各初期測定点の周波数よりも
中間周波数分だけ低い周波数で発振器34を発振させ、
その発振出力をミキサ35に与えることにより、受信機
30の同調周波数を各初期測定点の周波数に合わせて、
各初期測定点での受信機の出力を各初期測定点でのノイ
ズレベルとして計測する。次いで、各仮測定点でのノイ
ズレベルを見てそのノイズレベルが規定値以下である場
合にはその仮測定点を正規の測定点とし、各仮測定点で
のノイズレベルが規定値を超えている場合には、その仮
測定点の近傍の初期測定点の中からノイズレベルが規定
値以下である初期測定点を探して、その初期測定点を正
規の測定点とする。
【0030】上記の複数の仮測定点は計測の対象とする
周波数帯域を複数に等分する点に設定するようにすれ
ば、仮測定点の設定を容易に行うことができる。
【0031】上記の説明では、測定点の数よりも数が多
い多数の初期測定点を設定して、各初期測定点でのノイ
ズレベルを計測し、該多数の初期測定点の内、仮測定点
として定めた初期測定点のノイズレベルを見て、ノイズ
レベルが規定値以下である仮測定点を正規の測定点と
し、仮測定点でのノイズレベルが規定値よりも大きい場
合には、その仮測定点に近い初期測定点(当初仮測定点
として定めなかった初期測定点)の中からノイズレベル
が規定値以下である測定点を探すようにしたが、測定に
用いる測定点と同数の仮測定点のノイズレベルのみを計
測して、各仮測定点のノイズレベルが規定値以下である
場合にその仮測定点を正規の測定点とし、ノイズレベル
が規定値を超える仮測定点がある場合には、受信機の同
調周波数をその仮測定点からシフトさせることにより、
ノイズレベルが規定値以下の正規の測定点を探すように
することもできる。
【0032】上記測定点を設定する過程ではまた、設定
されたステップで受信機の同調周波数を変化させること
により、周波数帯域の全域のノイズ検出用アンテナの受
信レベルを計測して、計測されたノイズ検出用アンテナ
の受信レベルが規定値以下の複数の周波数を求め、該複
数の周波数をそれぞれ測定点とするようにしてもよい。
【0033】図5は、計測対象とする周波数帯域に複数
の仮測定点を設定して、各仮測定点でのノイズレベルを
計測する方法による場合の測定点決定のアルゴリズムを
示したフローチャートで、このアルゴリズムによるプロ
グラムはCPU33及び41により実行させる。このア
ルゴリズムによる場合には、計測用アンテナ2,2´を
取り付けた後、コンピュータ40に設けられているキー
ボードにより先ず測定点の数no +1を設定し、次いで
計測の対象とする周波数帯域(fa 〜fa +fsp[MH
z])を設定する。この周波数帯域は、既設の放送局や
無選局の周波数が含まれない帯域に設定するか、または
公共テレビジョン放送の空きチャンネルの周波数帯域に
設定するのが好ましい。テレビジョン放送の空きチャン
ネルの周波数帯域は、他の電波の発振が禁止されている
帯域であるので、ノイズがきわめて少ない帯域である。
【0034】計測周波数帯域(fa 〜fa +fsp[MH
z])を設定した後、該計測周波数帯域をno 等分する
ようにno +1個の仮測定点の周波数を演算する。この
場合、1番目の仮測定点は周波数帯域の下限の周波数と
し、no +1番目の仮測定点は周波数帯域の上限の周波
数とする。各仮測定点の周波数の演算は、設定された周
波数帯域とno の値とから自動的に行われる。
【0035】次いで、被監視機器1が運転中であるか否
かを確認し、運転中である場合には、高周波スイッチ3
1をノイズ検出用アンテナ2´側に切り替える。被監視
機器1の運転が行われていない場合には、部分放電検出
用アンテナ2によってもノイズのみの検出を行うことが
できるため、高周波スイッチ31の切り替えは行わな
い。
【0036】次いで、設定された各仮測定点の周波数で
のノイズ検出用アンテナの受信電力レベル(ノイズレベ
ル)Pn を計測して、その計測値をバックグランドノイ
ズのレベルBGNに一定の許容値αを加えた規定値と比
較し、計測値(仮測定点のノイズレベル)が規定値以下
である場合には、その仮測定点を正規の測定点として次
の仮測定点の受信レベルの計測に移行する。また各仮測
定点での受信レベルが規定値を超えている場合には、受
信機30の同調周波数fn を微小値Δfだけシフトさせ
て、シフトさせたときのノイズレベルPn を計測し、そ
の計測値を規定値と比較する。ノイズレベルPn が規定
値以下になるまで同じことを繰り返し、ある周波数でノ
イズレベルPn が規定値以下であることが検出されたと
きに、その周波数を正規の測定点とする。周波数をシフ
トさせることにより計測対象とする周波数帯域から外れ
ないようにするため、1番目の仮測定点(周波数帯域の
下限の周波数)からno 番目の各仮測定点において、ノ
イズレベルが規定値を超えているときには、周波数をプ
ラス側にΔfずつシフトさせ、no +1番目の仮測定点
(周波数帯域の上限の周波数)でノイズレベルが規定値
を超えている場合には、周波数をマイナス側にΔfずつ
シフトさせるものとする。
【0037】上記の過程を全ての仮測定点について行っ
て、no +1個の正規の測定点を決定する。
【0038】次に図6は、計測対象とする周波数帯域の
全域に亘って、設定された周波数間隔でノイズ検出用ア
ンテナの出力(ノイズレベル)を計測して、計測された
レベルが規定値以下の複数の周波数を求め、該複数の周
波数をそれぞれ測定点とする場合の、測定点決定のアル
ゴリズムを示したものである。このアルゴリズムによる
場合には、計測周波数帯域fa 〜fa +fspを設定した
後、計測ステップΔfを演算する。この計測ステップは
任意に設定できるが、本実施例では、周波数帯域をno
等分(no は整数)する大きさに計測ステップΔfを設
定する。被監視機器の運転状態を確認し、必要に応じて
ノイズ検出用アンテナの切り替えを行った後、全計測周
波数帯域の上限及び下限と、該周波数帯域をΔfステッ
プで分割した場合のno −1個の分割点とからなる合計
no +1個の周波数を仮測定点とする。次いで各仮測定
点におけるノイズレベルを計測して、ノイズレベルが規
定値以下の場合には、その仮測定点を正規の測定点と
し、各仮測定点のノイズレベルが規定値を超える場合に
はその仮測定点の近傍にノイズレベルが規定値以下の周
波数を探して、その周波数を正規の測定点とする。仮測
定点のノイズレベルを測定して正規の測定点を決定する
過程の手法は図5に示した例と同様である。
【0039】なお図5及び図6に示した例では、測定に
用いる測定点の数と同数の仮測定点のノイズレベルを1
つずつ測定してその都度正規の測定点を決定するように
しているが、前述のように、測定に用いる測定点の数よ
りも数が多い一連の初期測定点のノイズレベルを順次測
定してそれぞれの計測値を記憶させておき、全ての初期
測定点についてのノイズレベルの計測が終了した後に、
正規の測定点の決定を行うようにしてもよい。
【0040】また上記の例では、計測周波数帯域内に設
定した複数の仮測定点のそれぞれのノイズレベルの計測
値を規定値と比較して、各仮測定点の計測値が規定値以
下の場合にはその仮測定点を正規の測定点とし、各仮測
定点での計測値が規定値を超えている場合には、その近
傍にノイズレベルが少ない周波数を探して正規の測定点
を決定するようにしているが、本発明においては、計測
周波数帯域内に、ノイズレベルが規定値以下の測定点を
複数個設定できればよく、その設定の手法は上記の例に
限定されない。例えば、計測周波数帯域の全域を所定の
周波数ステップでスキャンすることによりN個の測定点
でのノイズレベルのデータを得て、これらN個のデータ
の中からノイズレベルが規定値以下のM個(M≦N)の
測定点を正規の測定点として選択するようにしてもよ
い。
【0041】本発明の絶縁監視方法においては、上記の
ようにして測定点を設定する過程を行った後に、高周波
スイッチ31を部分放電検出用アンテナ2側に切り替え
て、運転中の被監視機器内で部分放電が発生しているか
否かを判定する過程を行う。この過程では、各測定点で
部分放電検出用アンテナ2の受信出力レベルを計測し、
その計測値の大小から部分放電の有無を判定する。
【0042】電気機器内で部分放電が生じたときに発生
する電磁波はパルス状のもので、広い周波数帯域に亘る
周波数成分を有しているため、該部分放電が生じると、
各測定点での部分放電検出用アンテナ2の出力信号レベ
ルが上昇する。従って例えば、複数の測定点での部分放
電検出用アンテナの受信出力の検出信号レベル(受信機
30を通して検出される信号レベル)の計測値を平均
し、その平均値を所定の基準値と比較して、該平均値が
基準値を超えたときに部分放電が発生したことを検出す
ることができる。
【0043】計測周波数帯域に複数の測定点を設定する
に際して、単純に計測周波数帯域を等分する点を測定点
f1 〜fno+1とすることも考えられるが、このようにし
た場合、規定値以上のレベルのノイズが存在する測定点
が多く含まれていると、部分放電が生じていない状態で
の周波数スペクトルは例えば図2(A)に示すようにな
る。なお図2(A)〜(D)は、横軸に周波数fをと
り、縦軸に信号レベルをとって、各測定点の周波数にお
ける検出信号レベルの計測値をプロットしたものであ
る。このように測定点を設定した場合、電気機器内で部
分放電が生じたときの周波数スペクトルは例えば図2
(B)のようになり、各測定点での受信信号レベルが上
昇する。ここで、一連の測定点f1 〜fno+1の計測値の
平均値を基準値と比較して、該平均値が基準値を超えた
ときに部分放電が生じたことを検出するものとすると、
図2(A)のようにノイズレベルが高い測定点が多く含
まれている場合には、ノイズレベルの平均値が高くなる
(S/N比が悪くなる)ため、部分放電の発生の有無を
判定するための基準値を相当に高く設定することが必要
になり、部分放電の検出感度が低下する。
【0044】これに対し、本発明のように、ノイズレベ
ルが規定値を超える測定点を排し、ノイズレベルが規定
値以下の測定点のみを複数個設定するようにすると、部
分放電が生じていない状態での周波数スペクル及び部分
放電が生じたときの周波数スペクトルはそれぞれ例えば
図2(C)及び(D)のようになり、S/N比が向上す
る。従って、部分放電の発生の有無を判定する際に用い
る基準値を低く設定することができ、部分放電の検出感
度を向上させることができる。
【0045】また上記のように、絶縁監視を行う毎に、
ノイズレベルが規定値以下の測定点を決定する過程を行
うようにすると、電気機器を設置した後に(絶縁監視を
開始した後に)その地域に新しい放送局ができた場合で
も、その放送局の周波数を避けて測定点を設定できるた
め、常に部分放電の有無の判定を適確に行わせることが
できる。
【0046】上記の説明では、部分放電の有無を判定す
るに当たり、すべての測定点での検出信号レベルの計測
値の平均を演算するとしたが、部分放電の検出感度を向
上させるためには、すべての測定点での計測値の平均を
演算するのではなく、すべての測定点における検出信号
レベルの計測値の内、大きさが大きい上位ne 個(ne
は2以上の整数)の計測値のみの平均値を演算して、該
平均値があらかじめ設定された基準値以上であるときに
部分放電が発生していると判定するようにするのが好ま
しい。
【0047】電気機器の内部で部分放電が生じたときに
発生する電磁波をアンテナにより検出するようにした場
合、電気機器の構成やアンテナの周波数特性等により検
出感度が異なり、特定の周波数に検出値のピークが生じ
る。部分放電が生じていない状態では、アンテナがノイ
ズのみを検出するため、受信機30を通して検出される
信号のレベルと周波数fとの関係(周波数スペクトル)
は図4(A)のようになり、検出信号レベルの計測値は
周波数fに対してほぼ一定値を示す。ところが、部分放
電が生じた場合には、その部分放電の発生状況が同じで
あっても、アンテナの種類が異なると、検出信号レベル
と周波数との関係(周波数スペクトル)は、例えば図4
(B)〜(C)のように異なることになる。この場合、
すべての測定点での検出信号レベルの計測値の平均値を
演算すると、検出感度が低い部分の計測値が全体の平均
値を下げることになり、その結果、部分放電の有無を検
出する場合の判定の基準値と平均値との差が小さくなっ
て検出感度が低下する。
【0048】これに対し、すべての測定点における検出
信号レベルの計測値の内、大きさが大きい上位ne 個
(ne は2以上の整数)の計測値(検出信号レベルの計
測値が大きいものから順にne 個の計測値を選ぶ)のみ
の平均値を演算して、該平均値があらかじめ設定された
基準値以上であるときに部分放電が発生していると判定
するようにすると、検出感度が高い測定点での計測値の
みを用いることになるため、全ての測定点での計測値の
平均値を用いる場合に比べ、同じ部分放電の発生量に対
して、判定の基準値と検出信号レベルの計測値の平均値
との差を大きくして、部分放電の検出感度を高めること
ができる。
【0049】図3は、検出信号レベルの平均値と部分放
電の発生量との関係を示したもので、同図において直線
aは、全ての測定点の計測値の平均値ΣPn /(no +
1)[ΣPn は1番目の測定点からno +1番目の測定
点までの計測値の和]と部分放電の発生量との関係を示
し、直線bは、上位ne 個の計測値の平均値ΣPn ´/
ne [ΣPn ´は上位ne 個の計測値の和]と部分放電
の発生量との関係を示したものである。このように、上
位ne 個の計測値の平均値を演算して、その平均値を基
準値と比較することにより部分放電の有無を判定するよ
うにすると、部分放電の検出感度を高めることができ
る。
【0050】なお計測値のサンプリング数ne 及び部分
放電の有無を判定する場合の基準値は実験的に決定す
る。
【0051】上記のように、上位ne 個の計測値を用い
て部分放電の有無を判定するようにすると、検出感度を
高めることができるが、実際に電気機器の絶縁監視を行
うに当たっては、通常の感度で判定を行う通常モード
と、高感度で判定を行う高感度モードとを適宜に選択し
得るようにして、必要に応じて高感度モードでの判定を
行わせるようにするのがよい。図7は、このように、2
つのモードを選択し得るようにする場合の手順の一例を
示したものである。図7の手順に従う場合には、まず図
5または図6のフローチャートに従って計測周波数帯域
内にノイズレベルが規定値以下の測定点をno +1個設
定した後、アンテナを部分放電検出用アンテナに切り替
えて、部分放電の有無の判定を行う過程に移行する。こ
の過程において、被監視機器が運転中である場合には、
直ちに各測定点における検出信号レベル(受信機30を
通して検出される部分放電検出用アンテナ2の受信出力
レベル)の計測を行う過程に移行し、被監視機器が運転
されていない場合には、該機器の運転を開始するか、ま
たは該機器に試験電圧を印加した後に、各測定点におけ
る検出信号レベルの計測を行う過程に移行する。この過
程では、no +1個の各測定点における検出信号レベル
を測定して、その計測値をコンピュータ40のメモリに
記憶させる。次いで測定モードAまたはBをキーボード
により選択する。ここでモードAは、通常の感度で部分
放電の有無を検出する通常モードであり、モードBは高
感度で部分放電の有無を検出する高感度モードである。
通常モードAが選択された場合には、全ての測定点の計
測値の平均値を演算し、その平均値をディスプレイ42
に表示させる。また高感度モードBが選択された場合に
は、全ての測定点の検出信号レベルの計測値の内から上
位ne 個の計測値を選択して、該ne 個の計測値の平均
値を演算し、その演算結果をディスプレイ42に表示さ
せる。ディスプレイ42に表示された計測値の平均値を
判定の基準値と比較することにより、部分放電の有無を
判定することができる。
【0052】なお図7のフローチャートでは、計測値の
平均値をディスプレイに表示させるところで処理を終了
しているが、該平均値を基準値と比較する過程をCPU
を用いて自動的に行わせて、その結果を平均値と併せて
ディスプレイに表示させるようにすることもできる。ま
た平均値の演算結果及び部分放電の有無の判定結果をプ
リンタに出力させるようにしてもよい。
【0053】本発明で用いる受信機は、デジタル信号に
より同調周波数を変化させることができるもの(CPU
により同調周波数を制御し得るもの)であればよく、図
1に示した構成のものに限定されない。
【0054】電気機器の運転中その絶縁異常の有無を監
視するためには、一定の時間毎に部分放電の有無の判定
を行わせるのが好ましい。この場合、計測周波数帯域に
複数の測定点を設定する過程は、毎回(部分放電の判定
を行う毎に)行わせるようにしてもよく、また毎日予め
定めた時刻に行わせるようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、測定対
象とする周波数帯域に、ノイズレベルが規定値以下であ
ることが検証された測定点を複数個設定する過程を行っ
た後に、各測定点で計測した部分放電検出用アンテナの
出力を用いて部分放電の有無を判定するので、ノイズの
影響を殆ど受けずに電気機器内で発生する部分放電を検
出することができ、S/N比を向上させて誤検出を伴う
ことなく電気機器の絶縁状態を監視することができる。
【0056】また本発明によれば、ノイズが少ない複数
の測定点でそれぞれ部分放電検出用アンテナから受信し
た信号を用いて部分放電の有無を判定するので、たまた
ま1つの測定点の周波数に移動無線が侵入してきたとし
ても、他の測定点のデータにはその移動無線のデータは
反映されない。従って、測定点の数をある程度多くし
て、すべての測定点における受信データを総合して判断
する手法をとることにより、誤検出を避けることができ
る。
【0057】特に請求項2ないし4に記載した発明によ
れば、測定点を決定する過程で複数の仮測定点を定め
て、各仮測定点でのノイズを計測することにより正式の
測定点を決定するので、予め定めた手順で測定点を自動
的に決定することができ、測定点の決定を容易に行うこ
とができる。特に請求項4に記載した発明のように計測
対象とする周波数帯域を等分割するように、仮測定点を
決定するようにすれば、仮測定点の決定に際して、測定
点の数だけを配慮すれば良く、後の処理は自動的に行わ
せることができるため、測定点の決定から部分放電の有
無の判定までの一連の過程の自動化を容易にすることが
できる。
【0058】また請求項5に記載した発明によれば、受
信機の同調周波数を所定のステップで変化させることに
より、周波数帯域の全域のノイズレベルを所定のステッ
プで計測して、ノイズが規定値以下である複数の周波数
を求めるので、請求項2ないし4に記載した発明と同様
に、測定点の設定を容易にして、一連の過程の自動化を
容易にすることができる。
【0059】また、請求項6に記載の発明によれば、複
数の測定点でそれぞれ計測された部分放電検出用アンテ
ナの受信出力レベルの計測値の内、大きさが大きい上位
ne個の計測値の平均値をとって、その平均値が基準値
を超えているか否かにより部分放電の有無の判定を行う
ので、複数の測定点のそれぞれで検出感度に差がある場
合に、検出感度が高い周波数での計測値を採用して判定
を行うことができ、すべての計測値の平均をとる場合に
比べて検出感度を向上させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の構成例を示した
構成図である。
【図2】(A)ないし(D)は部分放電検出用アンテナ
を通して検出される信号レベルの周波数分布の種々の例
を示す線図である。
【図3】全ての測定点の計測値の平均値を用いて部分放
電の有無を判定する場合と、上位ne 個の計測値の平均
値を用いて部分放電の有無を判定する場合とについて検
出信号レベルの平均値と部分放電量との関係を示した線
図である。
【図4】(A)ないし(D)は本発明の方法による場合
の検出信号レベルの周波数分布の種々の例を示した線図
である。
【図5】本発明の実施例で用いる測定点の決定のアルゴ
リズムの一例を示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施例で用いる測定点の決定のアルゴ
リズムの他の例を示したフローチャートである。
【図7】本発明の実施例の一連の手順を示したフローチ
ャートである。
【図8】(A)は従来の絶縁監視方法を実施する装置の
構成を示した構成図である。(B)及び(C)はそれぞ
れ、(A)の装置において部分放電が発生していない状
態及び部分放電が発生している状態での検出信号レベル
の時間的な変化を示した線図である。
【図9】(A)は従来の他の絶縁監視方法を実施する装
置の構成を示した構成図である。(B)は(A)のスベ
クトラムアナライザから得られる信号の一例を示した波
形図である。
【符号の説明】
1 被監視電気機器 2 部分放電検出用アンテナ 2´ ノイズ検出用アンテナ 30 受信機 40 コンピュータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気機器内で生じる部分放電により発生
    した電磁波を受信する部分放電検出用アンテナを設け
    て、所定の周波数帯域内での前記アンテナの受信出力を
    計測し、該アンテナの受信出力の計測値から前記部分放
    電の有無を判定する電気機器の絶縁監視方法において、 前記部分放電を検出し得ない位置にバックグラウンドノ
    イズを検出するノイズ検出用アンテナを設けておき、 前記ノイズ検出用アンテナにより受信されるノイズレベ
    ルが規定値以下である測定点を前記周波数帯域内に複数
    個設定する過程を行った後に、前記部分放電の有無を判
    定する過程を行うことを特徴とする電気機器の絶縁監視
    方法。
  2. 【請求項2】 電気機器内で生じる部分放電により発生
    した電磁波を受信する部分放電検出用アンテナを設け、
    所定の周波数帯域内に複数の測定点を設定する過程を行
    った後、設定された各測定点での前記部分放電検出用ア
    ンテナの受信出力レベルを計測して、該受信出力レベル
    の計測値から前記部分放電の有無を判別する過程を行う
    電気機器の絶縁監視方法であって、 前記部分放電を検出し得ない位置にバックグラウンドノ
    イズを検出するノイズ検出用アンテナを配置しておき、 前記測定点を設定する過程では、 前記周波数帯域内に、測定に用いる測定点の数以上の数
    の初期測定点を設定するとともに、所定個数の初期測定
    点を仮測定点として定めておいて、各初期測定点におけ
    る前記ノイズ検出用アンテナの出力を各初期測定点での
    ノイズレベルとし、 当初に定めた仮測定点におけるノイズレベルが規定値以
    下である場合にはその仮測定点を正規の測定点とし、 計測された各仮測定点におけるノイズレベルが規定値を
    超える場合にはその仮測定点の近傍の初期測定点の中か
    らノイズレベルが規定値以下である初期測定点を求め
    て、その初期測定点を正規の測定点とすることを特徴と
    する電気機器の絶縁監視方法。
  3. 【請求項3】 電気機器内で生じる部分放電により発生
    した電磁波を受信する部分放電検出用アンテナを設け、
    所定の周波数帯域内に複数の測定点を設定する過程を行
    った後、設定された各測定点での前記部分放電検出用ア
    ンテナの受信出力を計測して計測された受信出力から前
    記部分放電の有無を判別する過程を行う電気機器の絶縁
    監視方法であって、 前記部分放電を検出し得ない位置でバックグラウンドノ
    イズを検出するノイズ検出用アンテナと、同調周波数の
    調整が自在な受信機とを設けておき、 前記測定点を設定する過程では、 前記ノイズ検出用アンテナの出力を前記受信機に入力し
    て該受信機の同調周波数を前記周波数帯域内に設定した
    複数の仮測定点の周波数にそれぞれ合わせることにより
    各仮測定点での前記受信機の出力を各仮測定点でのノイ
    ズレベルとして計測し、 各仮測定点でのノイズレベルが規定値以下の場合には該
    仮測定点を正規の測定点とし、 各仮測定点でのノイズレベルが規定値を超える場合には
    前記受信機の同調周波数をその仮測定点からシフトさせ
    ることによりノイズレベルが規定値以下になる周波数を
    求めて、ノイズレベルが規定値以下の周波数を正規の測
    定点とすることを特徴とする電気機器の絶縁監視方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の仮測定点は前記周波数帯域を
    複数に等分する点に設定することを特徴とする請求項1
    または2に記載の電気機器の絶縁監視方法。
  5. 【請求項5】 電気機器内で生じる部分放電により発生
    した電磁波を受信する部分放電検出用アンテナを設け、
    所定の周波数帯域内に複数の測定点を設定する過程を行
    った後、設定された各測定点での前記部分放電検出用ア
    ンテナの受信出力レベルを計測して、該受信出力レベル
    の計測値から前記部分放電の有無を判別する過程を行う
    電気機器の絶縁監視方法であって、 前記部分放電を検出し得ない位置でバックグラウンドノ
    イズを検出するノイズ検出用アンテナと、同調周波数の
    調整が自在な受信機とを設けておき、 前記測定点を設定する過程では、 前記ノイズ検出用アンテナの出力を前記受信機に入力し
    て該受信機の同調周波数を設定されたステップで変化さ
    せることにより前記周波数帯域の全域のノイズレベルを
    計測して、計測されたノイズレベルが規定値以下である
    周波数を複数個求め、該複数の周波数をそれぞれ前記測
    定点とすることを特徴とする電気機器の絶縁監視方法。
  6. 【請求項6】 前記部分放電の有無を判定する過程で
    は、 前記複数の測定点でそれぞれ計測された部分放電検出用
    アンテナの受信出力レベルの計測値の内、その大きさが
    大きい上位ne 個(ne は2以上の整数)の計測値の平
    均値を演算して、該平均値があらかじめ設定された基準
    値を超えるときに部分放電が発生していると判定するこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4または5のいずれ
    かに記載の電気機器の絶縁監視方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR20210043224A (ko) * 2019-10-11 2021-04-21 한국전력공사 부분방전 판단 방법 및 진단 시스템

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