JP4969407B2 - ガス絶縁開閉装置の部分放電診断方法および装置 - Google Patents

ガス絶縁開閉装置の部分放電診断方法および装置 Download PDF

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Description

この発明は、ガス絶縁開閉装置の部分放電診断方法および部分放電診断装置に関するものである。
ガス絶縁開閉装置は、接地電位にある外部導体である金属容器とその内部に配置される中心導体である高電圧導体との間の空間に絶縁ガスを封入しているが、運用時に、この絶縁ガスの絶縁性能が低下すると局部的な絶縁破壊である部分放電が発生することがある。部分放電の発生要因は、ガス絶縁開閉装置の構成要素(絶縁物、高電圧導体、混入異物など)によって多様であるが、この部分放電の発生は、ついには全路破壊という重大事態に至る可能性を秘めている。
つまり、部分放電の診断は、全路破壊に至る前の部分放電を確実に検出し、その部分放電が全路破壊を引き起こす危険性の高いものであるか否かを判断し、全路破壊を未然に防ぐことを目的としている。
ところが、当該ガス絶縁開閉装置の設置環境では、ブッシングなどを通して接続される架空送電線に生じた放電による電磁波や放送電波などの不要信号が外部ノイズとして飛来するので、部分放電の診断では、まず、検出された電磁波信号が、ガス絶縁開閉装置の内部で発生した部分放電による電磁波信号であるか、外部ノイズによる電磁波信号であるかを区別できることが必要である。そして、ガス絶縁開閉装置の内部で発生した部分放電である場合は、交換部品の準備を可能にするために、その放電源が、金属容器側であるか、高圧導体側であるか、絶縁物側であるかなどの種別判別ができることが必要である。
そこで、例えば、特許文献1では、検出された部分放電信号の発生時間間隔と、その部分放電信号が検出されたときに印加されている電力系統電圧の位相との相関を採ることによって、ガス絶縁開閉装置の内部で発生した部分放電の判別と放電源の判定とを行う診断方法が提案されている。
特開2005−156452号公報
しかしながら、上記従来の技術では、ガス絶縁開閉装置に印加される系統電圧波形の正確な位相を取得する必要があるので、次のような問題がある。
すなわち、系統電圧波形の正確な位相は、当該ガス絶縁開閉装置に接続されている計器用変成器の出力から得ることができる。しかし、多くの場合、計器用変成器の出力は、部分放電診断以外の用途に既に使用されているので、電力系統運用の信頼性の観点から、部分放電診断の用途を追加することは困難である。
一方、仮に、計器用変成器の出力を部分放電診断の用途に利用することが可能であるとしても、部分放電が発生しているガス絶縁開閉装置では、放電源が区々としているので、充電部分と非充電部分とが多数存在することになる。このような状況で放電源を診断するには、多数の計器用変成器の出力を取り込む必要が生ずるので、診断装置の構成が複雑になるのに加えて、配線規模が大きくなってしまう。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ガス絶縁開閉装置に印加される系統電圧波形の位相情報を用いることなく、部分放電の判別と放電源の種別判定とを可能にするガス絶縁開閉装置の部分放電診断方法および装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明にかかるガス絶縁開閉装置の部分放電診断方法は、ガス絶縁開閉装置内で発生した部分放電による電磁波信号である部分放電信号を検出すべく配置した放電センサにて検出された電磁波信号のうち、閾値を超える電磁波信号を前記部分放電信号として検出し、その検出した各部分放電信号を、周期が前記ガス絶縁開閉装置に印加される系統電圧の周期と等しい所定の周期信号の位相と関連付けて記録する第1の工程と、前記第1の工程にて記録された前記周期信号の複数周期に渡る各部分放電信号の数量を、前記複数周期における各周期を時間等分割した対応する時間区分毎にそれぞれ積算する第2の工程と、前記第2の工程にて積算された部分放電信号の数量が最大である前記時間区分を前記複数周期毎にプロットして部分放電信号の時系列変化パターンを作成し、部分放電信号の時系列変化パターンと放電源との対応関係を登録した放電源判定テーブルを、作成した時系列変化パターンによって検索し、放電源の種別として針状電極性部分放電と、浮き電極性部分放電と、絶縁物の介在する部分放電と、金属異物による部分放電とのうちの少なくとも1つを判定し、登録されていない場合は当該作成した時系列変化パターンは部分放電によるものではないと判定する第3の工程と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、ガス絶縁開閉装置内で発生した部分放電を検出するために設けた閾値を超える部分放電信号を、ガス絶縁開閉装置に印加される系統電圧の周波数と周期は同じであるが位相は必ずしも一致しない周期信号の複数周期に渡って当該周期の位相と関連付けて収集し、その収集した複数周期に渡る各部分放電信号の数量を、前記複数周期における各周期を時間等分割した対応する時間区分毎にそれぞれ積算し、その積算された部分放電信号の数量が最大である時間区分における部分放電信号の時系列変化パターンを作成する。このように作成した時系列変化パターンは、それが部分放電によるものである場合は、その放電源に固有の特徴部分を有しているので、放電源の種別を判定することができる。そして、作成した時系列変化パターンが、放電源に固有の特徴部分を有していないときは、部分放電によるものではないと判定することができる。
また、この発明によれば、ガス絶縁開閉装置に印加される系統電圧波形の位相情報を用いなくとも、部分放電の判別と放電源の種別判定とが可能になるので、部分放電診断装置を簡素な構成にすることができるという効果を奏する。
以下に図面を参照して、この発明にかかるガス絶縁開閉装置の部分放電診断方法および装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるガス絶縁開閉装置の部分放電診断装置の構成を示すブロック図である。
図1において、ガス絶縁開閉装置1は、接地電位にある外部導体としての金属容器11,12内に、開閉部分や、計器用変成器、変流器などの電気機器が収納されている。図1では、その電気機器のうち、金属容器11,12内に配置される中心導体である高電圧導体13が示されている。金属容器11,12と高電圧導体13との間の空間には、絶縁ガスが封入されている。高電圧導体13は、金属容器11,12間に介在する絶縁スペーサ14に支持されているので、金属容器11,12内のガス空間は、絶縁スペーサ14によって、金属容器11側のガス空間と金属容器12側のガス空間とに仕切られている。そして、金属容器12側の外壁には、当該ガス絶縁開閉装置1を図示しない架空送電線に接続するブッシング15が設けられている。なお、ブッシング15は、ガス絶縁開閉装置1が組み込まれている電力系統によっては、ケーブルベッドに置き換わる場合もある。
このようなガス絶縁開閉装置1内での部分放電を診断する部分放電診断装置2aは、放電センサ21と、増幅部22と、検波部23と、カウント処理部24と、判定部25と、周期信号発生部26aとを備えている。ここで、請求項との対応関係を示すと、放電センサ21は、同名の放電センサに対応している。検波部23は、部分放電信号検出部に対応している。カウント処理部24は、部分放電信号積算部に対応している。判定部25は、部分放電判定部に対応している。
放電センサ21は、ガス絶縁開閉装置1の内部に絶縁欠陥が存在する場合に発生する部分放電の放電源から放射される電磁波信号(つまり、部分放電信号)を捕捉する目的で配置されるアンテナであるが、ガス絶縁開閉装置1の外部から到来する電磁波信号も捕捉される。
図1では、放電センサ21は、絶縁スペーサ14を介してガス絶縁開閉装置1の外部に漏洩する部分放電による電磁波信号(部分放電信号)を検出するように、絶縁スペーサ14のガス絶縁開閉装置1外側近傍に配置した場合を示してあるが、絶縁スペーサ14の内部に、高電圧導体13を取り囲む金属リングを埋め込む方式でも良い。
増幅部22は、放電センサ21にて検出された電磁波信号(部分放電信号とガス絶縁開閉装置1の外部から到来する電磁波信号とを含む)を増幅して検波部23に与える。
検波部23は、部分放電信号とガス絶縁開閉装置1の外部から到来する電磁波信号とを判別するための閾値が設定され、その閾値と増幅部22が増幅した電磁波信号との大小関係を比較し、増幅部22が増幅した電磁波信号が前記閾値を超えると、それを「イベント信号」として検出し、その検出したイベント信号を周期信号発生部26aからの周期信号の位相と同期を取って内蔵する記憶部に逐一記録する(図2参照)。
カウント処理部24は、検波部23が周期信号発生部26aからの周期信号の複数周期に渡って記録したイベント信号を、それに付された周期位相を用いて、周期信号発生部26aからの周期信号の1周期を時間等分割した時間区分毎に整理して積算カウントし、その積算カウント結果を内蔵する記憶部に記録する(図3参照)。カウント処理部24は、上記した積算処理を周期信号発生部26aからの周期信号の複数周期毎にカウンタをリセットしながら繰り返す。
判定部25は、カウント処理部24が或る1つの複数周期を対象として実施した1周期の時間区分毎に積算したその1周期における積算カウント結果の中から最大カウント結果を示す時間区分におけるカウント結果を抽出し、系統電圧周期を複数に等分割区分した時系列変化パターンに展開処理することを、カウント処理部24が積算対象とした複数周期を順々に変更して実施する(図4参照)。
部分放電の要因種別には、高電圧導体13上や金属容器11,12の内壁面上に存在する突起物による放電、絶縁スペーサ14上に存在する金属異物による放電、絶縁スペーサ14上に存在するクラックやボイド(空隙)による放電、高電圧導体13側や金属容器11,12側の浮遊電極による放電、ガス空間に存在する金属異物による放電など、種々の種別がある。上記のように作成した前記系統電圧周期を複数に等分割区分した区分毎におけるイベント信号の時系列変化パターンは、それが部分放電によるものである場合、このような種々の放電源に応じた固有の特徴部分を有している。
そこで、判定部25は、イベント信号の時系列変化パターンと放電源との対応関係を示す放電源判定テーブル25aを備え、上記のように前記系統電圧周期を複数に等分割区分した区分毎にイベント信号の時系列変化パターンを作成すると、放電源判定テーブル25aを参照して放電源の種別を判定し、放電源判定テーブル25aに該当するパターンが無く放電源の種別を判定できない場合は、検波部23が検出したイベント信号は、ガス絶縁開閉装置1の外部から到来した電磁波信号(つまり、外部ノイズ)であると判定する。判別結果は、必要に応じて記録する。
周期信号発生部26aは、ガス絶縁開閉装置1に印加される高圧の系統電圧の周波数(50Hzまたは60z)と周期は同じであるが、位相は必ずしも一致しない周期信号を発生する。
なお、ガス絶縁開閉装置1が設置される発電所や変電所などの電気所において得られる低圧交流電源は、ガス絶縁開閉装置1に印加される高圧の系統電圧の位相は必ずしも一致しないが、周期は一致するので、この実施の形態1では、周期信号発生部26aは、ガス絶縁開閉装置1が設置される電気所において得られる低圧交流電源を用いて周期信号を発生するように構成されている。
次に、図1〜図8を参照して、部分放電診断装置2aの診断動作について説明する。なお、図2は、図1に示す検波部23の動作を説明する図である。図3は、図1に示すカウント処理部24の動作を説明する図である。図4は、図1に示す判定部25の動作、および判定部25が備える放電源判定テーブルの内容を説明する図である。図5〜図8は、放電源の種別による時系列変化パターンの具体例を説明する図である。
図2おいて、(a)は、検波部23に入力する部分放電信号を含む電磁波信号(以降、単に「部分放電信号」と記す)と閾値との関係を示す。(b)は、検出するイベント信号と周期信号との関係を示す。符号30は、ガス絶縁開閉装置1に印加される系統電圧の周波数に同期して周期信号発生部26aが発生する周期信号の波形である。
図2(a)に示すように、ガス絶縁開閉装置1の内部で部分放電が発生すると、検波部23には、増幅部22から部分放電信号31a,31bが周期信号30の任意の位相で入力する。部分放電信号31a,31bは、パルス状の波形をしていて、その振幅値は放電発生毎に異なっている。それを示すために、部分放電信号31aの振幅値は、VPDnと表記し、部分放電信号31bの振幅値は、VPDn+1と表記している。
検波部23では、このような部分放電信号31a,31bに対して閾値Vthが設定されている。検波部23は、部分放電信号31a,31bと閾値Vthとの大小関係を比較し、閾値Vthを超える部分放電信号を「イベント信号」として検出する。図2(a)に示す例では、部分放電信号31a,31bは、共に閾値Vthを超えるので、図2(b)に示すように、部分放電信号31aはイベント信号32aとして検出され、部分放電信号31bはイベント信号32bとして検出され、それぞれ、検出時の周期信号30の位相と関連付けて記憶部に記録される。
次に、カウント処理部24は、図3に示すように、周期信号30の1周期を時間等分割した時間区分である1/N位相分割区分33を周期信号30の位相に同期して管理し、周期信号30の第1周期〜第n周期の各周期における対応する時間区分において、検波部23にて検出されたイベント信号32を周期信号30の位相に同期して取り出して積算することを、周期信号30の1周期における時間区分毎に実行することで、N本の時間区分におけるヒストグラムを求める。カウント処理部24は、このようにn周期分を演算して記憶部に記録することを、n周期分毎にカウンタをリセットしつつ繰り返す。
なお、図3に示す例では、周期信号30の1周期の位相が8等分割された8個の時間区分のヒストグラムとして、2番目の時間区分34a、3番目の時間区分34b、5番目の時間区分34c、6番目の時間区分34dおよび7番目の時間区分34eが示されている。
次に、判定部25は、内蔵する記憶部に、図4に示すような時系列変化パターン作成領域を用意している。図4では、横方向に系統電圧周期(つまり、周期信号発生部26aが発生する周期信号の1周期)が示され、縦方向に下から上に向かって単位時間毎の経過時間が示されている。横方向の系統電圧周期は、例えば、32等分割されている。
判定部25は、カウント処理部24の記憶部から取り出した1つのn周期分演算結果から最大となる時間区分を抽出し、抽出した時間区分を、図4に示す時系列変化パターン作成領域の横方向に32等分割された1つの区分において、経過時間に従って黒印で示すようにプロットする。図3に示す例では、34aが最大であるので、2番目の時間区分が抽出され、時系列変化パターンが作成される。
判定部25は、図4に示す時系列変化パターン作成領域の横方向に32等分割された1行分のパターンを作成すると、カウント処理部24の記憶部から次のn周期分演算結果を取り出し、そこでの最大となる時間区分を抽出し、上記と同様に1行分のパターンを作成する。このように、1行分のパターンを作成することを繰り返す。そして、時系列変化パターン作成領域において時系列変化パターンの作成を終了すると、当該時系列変化パターン作成領域をリセットして、最初の区分から同様に作成することを繰り返す。
図4では、時系列変化パターン作成領域の横方向に32等分割された全区分において、符号35で示すパターンが存在する区分は、部分放電の要因種別によって異なっており、放電源を特徴付けるものである。
つまり、判定部25が備える放電源判定テーブル25aで、時系列変化パターンと放電源との対応関係が示されている。なお、図4では、系統電圧周期を32等分割した場合を示してあるが、32等分割すれば充分な判定パターンが得られることによる。
以下に、図5〜図8を参照して、判定部25が、上記のように作成した時系列変化パターンから放電源の種別を判定する動作を具体的に説明する。
(1)判定部25が部分放電の要因種別を「針状電極性部分放電」である判定する場合を示す。図5は、放電源の種別が針状電極性部分放電である場合の時系列変化パターンを説明する図である。図5示すように、上記のように作成した時系列変化パターンが、系統電圧周期を32等分割した1つの区分、または、隣接する2つの区分に跨って集中し、かつ、その1つの区分、または、隣接する2つの区分において変動して発生している場合、判定部25は、部分放電の要因種別を「針状電極性部分放電」であると判定する。
系統電圧周期を32等分割した1つの区分、または、隣接する2つの区分に集中して放電が発生しているということは、1つの区分が示す時間位置(位相)は、11.25°であるので、放電が、11.25°〜22.5°の範囲において変動して発生していることを意味する。
ガス絶縁開閉装置の内部で発生する「針状電極性部分放電」は、系統電圧波形(正弦波)の負極側ないしは正極側のピーク位置近傍の時間位置(位相)で発生するが、各回における「針状電極性部分放電」は、前回発生した放電の履歴、つまり、前回の放電発生による放電源近傍のイオン分布などの物理的な状態の影響を受けるので、その放電の様相は、一定ではなく放電毎に異なる態様を示し、また、「針状電極性部分放電」が発生する正弦波上の時間位置(位相)は、固定した時間位置(位相)とはならず、上記の11.25°〜22.5°の範囲内で変動する特徴を有している。
放電源判定テーブル25aには、このような「針状電極性部分放電」の特徴部分が登録されており、判定部25は、上記のように作成した時系列変化パターンが、図5に示す態様であるとき、放電源判定テーブル25aを検索することで、「針状電極性部分放電」を判定することができる。
(2)判定部25が部分放電の要因種別を「浮き電極性部分放電」である判定する場合を示す。図6は、放電源の種別が浮き電極性部分放電である場合の時系列変化パターンを説明する図である。図6に示すように、上記のように作成した時系列変化パターンが、系統電圧周期を32等分割した1つの区分、または、隣接する2つの区分に跨って集中し、かつ、変動しないで発生している場合は、判定部25は、部分放電の要因種別を「浮き電極性部分放電」であると判定する。
ガス絶縁開閉装置の内部で発生する「浮き電極性部分放電」は、例えば、導体のシールド部材などが電気的に浮遊した欠陥状態にある場合に、浮遊ギャップ間を火花放電が橋絡するような形態で発生する。この「浮き電極性部分放電」は、前記の「針状電極性部分放電」と比較すると、安定的に発生するので、図6に示すように、最長の時系列変化パターンが現れる発生時間位置(位相)は、安定的に固定された位置になるという特徴を有している。なお、図6では、1つの区分(〜11.25°)において、安定的に発生している場合が示されている。
放電源判定テーブル25aには、このような「浮き電極性部分放電」の特徴部分が登録されており、判定部25は、上記のように作成した時系列変化パターンが、図6に示す態様であるとき、放電源判定テーブル25aを検索することで、「浮き電極性部分放電」を判定することができる。
(3)判定部25が部分放電の要因種別を「絶縁物の介在した部分放電」である判定する場合を示す。図7は、放電源の種別が絶縁物の介在した部分放電である場合の時系列変化パターンを説明する図である。図7に示すように、上記のように作成した時系列変化パターンが、系統電圧周期を32等分割した2つ以上の区分に跨って集中し、かつ、2つの区分を超える範囲(22.5°〜)で変動して発生している場合は、判定部25は、部分放電の要因種別を「絶縁物の介在した部分放電」であると判定する。
ガス絶縁開閉装置の内部で発生する「絶縁物の介在した部分放電」は、例えば、導体を支持する絶縁スペーサの沿面に異物が付着しているなどの欠陥状態にある場合に、その欠陥個所の周辺で発生する。放電の様相は、絶縁物が介在するので、より不安定であり、図7に示すように、最長の時系列変化パターンが現れる発生時間位置(位相)の変動範囲が広範囲に及ぶという特徴を有している。
放電源判定テーブル25aには、このような「絶縁物の介在した部分放電」の特徴部分が登録されており、判定部25は、上記のように作成した時系列変化パターンが、図7に示す態様であるとき、放電源判定テーブル25aを検索することで、「絶縁物の介在した部分放電」を判定することができる。
(4)判定部25が部分放電の要因種別を「金属異物による部分放電」である判定する場合を示す。図8は、放電源の種別が金属異物による部分放電である場合の時系列変化パターンを説明する図である。図8に示すように、上記のように作成した時系列変化パターンが、系統電圧周期を32等分割した全ての区分に分散して発生し、その分散の度合いが均一ではなく、系統電圧の位相と弱い相関を有している場合は、判定部25は、部分放電の要因種別を「金属異物による部分放電」であると判定する。
ガス絶縁開閉装置の内部で発生する「金属異物による部分放電」は、ガス絶縁開閉装置の内部に存在する金属異物が、内部の高電界による電磁力によって運動(跳躍)し、ガス絶縁開閉装置の金属タンク内壁に落下する際に、その金属異物と金属タンクとの間で電荷の交換が行われる際に発生する。
「金属異物による部分放電」の発生パターンは、金属異物の機械的な運動によるため、系統電圧の位相との相関の無いランダムな様相を呈しているかのように見えるが、その機械的な運動が系統電圧の影響を受けて行われている以上、弱い相関が存在する。それ故、図8に示すように、最長の時系列変化パターンが現れる発生時間位置(位相)は、完全にランダムな分布とはならないという特徴を有している。
放電源判定テーブル25aには、このような「金属異物による部分放電」の特徴部分が登録されており、判定部25は、上記のように作成した時系列変化パターンが、図8に示す態様であるとき、放電源判定テーブル25aを検索することで、「金属異物による部分放電」を判定することができる。
ここで、ガス絶縁開閉装置の外部で発生する白色性の外来ノイズは、系統電圧の位相とは無相関であるので、上記のように外来ノイズによる作成した時系列変化パターンは、完全にランダムな様相を呈する。
従来では、上記の「金属異物による部分放電」と「外来ノイズ」とは、共にランダムであると見なされていたので、識別することが困難であったが、「金属異物による部分放電」では、上記のように、系統電圧の位相との相関性が認識できるので、識別することが可能になる。
判定部25は、このように放電源判定テーブル25aを参照して、放電源を判別することができる。そして、検波部23に用意した部分放電判別閾値を超える電磁波信号が外部から飛び込んできても、それを判定部25において確実に除外できるので、部分放電判別確度を高めることができる。
以上のように、この実施の形態1によれば、ガス絶縁開閉装置に印加される系統電圧波形の位相情報を用いることなく、部分放電の判別と放電源の種別判定とが行えるので、計器用変成器の出力を部分放電診断の処理系統に組み込んで正確な位相情報を得る必要が無く、部分放電診断装置を簡素な形で構成することができる。
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2によるガス絶縁開閉装置の部分放電診断装置の構成を示すブロック図である。なお、図9では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図9に示すように、この実施の形態2による部分放電診断装置2bは、図1(実施の形態1)に示した部分放電診断装置2aにおいて、周期信号発生部26aに代えて、周期信号発生部26bが設けられている。
周期信号発生部26bは、バッテリを動作電源として、50Hzまたは60Hzの周期信号を自己生成するように構成されている。つまり、図1(実施の形態1)に示した部分放電診断装置2aでの周期信号発生部26aは、ガス絶縁開閉装置1が設置される電気所において低圧交流電源を確保することが必要であるが、図5(実施の形態2)に示す部分放電診断装置2bでの周期信号発生部26bでは、その必要が無い。
したがって、この実施の形態2によれば、バッテリによる運用が可能な可搬型の部分放電診断装置が得られる。
以上のように、この発明にかかるガス絶縁開閉装置の部分放電診断装置は、部分放電診断装置の構成を簡素化するのに有用であり、特に、可搬型とするのに適している。
この発明の実施の形態1によるガス絶縁開閉装置の部分放電診断装置の構成を示すブロック図である。 図1に示す検波部の動作を説明する図である。 図1に示すカウント処理部の動作を説明する図である。 図1に示す判定部の動作、および判定部が備える放電源判定テーブルの内容を説明する図である。 放電源の種別が針状電極性部分放電である場合の時系列変化パターンを説明する図である。 放電源の種別が浮き電極性部分放電である場合の時系列変化パターンを説明する図である。 放電源の種別が絶縁物の介在した部分放電である場合の時系列変化パターンを説明する図である。 放電源の種別が金属異物による部分放電である場合の時系列変化パターンを説明する図である。 この発明の実施の形態2によるガス絶縁開閉装置の部分放電診断装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 ガス絶縁開閉装置
2a,2b 部分放電診断装置
11,12 金属容器(外部導体)
13 高電圧導体(中心導体)
14 絶縁スペーサ
15 ブッシング
21 放電センサ
22 増幅部
23 検波部
24 カウント処理部
25 判定部
25a 放電源判定テーブル
26a,26b 周期信号発生部

Claims (6)

  1. ガス絶縁開閉装置内で発生した部分放電による電磁波信号である部分放電信号を検出すべく配置した放電センサにて検出された電磁波信号のうち、閾値を超える電磁波信号を前記部分放電信号として検出し、その検出した各部分放電信号を、周期が前記ガス絶縁開閉装置に印加される系統電圧の周期と等しい所定の周期信号の位相と関連付けて記録する第1の工程と、
    前記第1の工程にて記録された前記周期信号の複数周期に渡る各部分放電信号の数量を、前記複数周期における各周期を時間等分割した対応する時間区分毎にそれぞれ積算する第2の工程と、
    前記第2の工程にて積算された部分放電信号の数量が最大である前記時間区分を前記複数周期毎にプロットして部分放電信号の時系列変化パターンを作成し、部分放電信号の時系列変化パターンと放電源との対応関係を登録した放電源判定テーブルを、作成した時系列変化パターンによって検索し、放電源の種別として針状電極性部分放電と、浮き電極性部分放電と、絶縁物の介在する部分放電と、金属異物による部分放電とのうちの少なくとも1つを判定し、登録されていない場合は当該作成した時系列変化パターンは部分放電によるものではないと判定する第3の工程と、
    を含むことを特徴とするガス絶縁開閉装置の部分放電診断方法。
  2. 前記周期信号は、前記ガス絶縁開閉装置が設置される電気所で得られる周期が前記系統電圧の周期と等しい低圧交流電源から取得されることを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁開閉装置の部分放電診断方法。
  3. 前記周期信号は、バッテリを動作電源として電力系統の系統周波数を示す周期信号を発生する装置から取得されることを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁開閉装置の部分放電診断方法。
  4. ガス絶縁開閉装置内で発生した部分放電による電磁波信号である部分放電信号を検出すべく当該ガス絶縁開閉装置の内部または外部に配置される放電センサと、
    期が前記ガス絶縁開閉装置に印加される系統電圧の周期と等しい所定の周期信号を発生する周期信号発生部と、
    前記放電センサにて検出された電磁波信号のうち、閾値を超える電磁波信号を前記部分放電信号として検出し、その検出した各部分放電信号を前記周期信号の位相と関連付けて記録する部分放電信号検出部と、
    前記部分放電信号検出部にて記録された前記周期信号の複数周期に渡る各部分放電信号の数量を、前記複数周期における各周期を時間等分割した対応する時間区分毎にそれぞれ積算する部分放電信号積算部と、
    部分放電信号の時系列変化パターンと放電源との対応関係を登録した放電源判定テーブルを備え、前記部分放電信号積算部にて積算された部分放電信号の数量が最大である前記時間区分を前記複数周期毎にプロットして部分放電信号の時系列変化パターンを作成し、前記放電源判定テーブルを、作成した時系列変化パターンによって検索し、放電源の種別として針状電極性部分放電と、浮き電極性部分放電と、絶縁物の介在する部分放電と、金属異物による部分放電とのうちの少なくとも1つを判定し、登録されていない場合は当該作成した時系列変化パターンは部分放電によるものではないと判定する部分放電判定部と、
    を備えていることを特徴とするガス絶縁開閉装置の部分放電診断装置。
  5. 前記周期信号発生部は、前記ガス絶縁開閉装置が設置される電気所で得られる低圧交流電源を利用して前記周期信号を発生することを特徴とする請求項に記載のガス絶縁開閉装置の部分放電診断装置。
  6. 前記周期信号発生部は、バッテリを動作電源として電力系統の系統周波数を示す前記周期信号を発生することを特徴とする請求項に記載のガス絶縁開閉装置の部分放電診断装置。
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