JP2578238B2 - 最上部シートの給送装置 - Google Patents

最上部シートの給送装置

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JP2578238B2
JP2578238B2 JP2070918A JP7091890A JP2578238B2 JP 2578238 B2 JP2578238 B2 JP 2578238B2 JP 2070918 A JP2070918 A JP 2070918A JP 7091890 A JP7091890 A JP 7091890A JP 2578238 B2 JP2578238 B2 JP 2578238B2
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H3/00Separating articles from piles
    • B65H3/46Supplementary devices or measures to assist separation or prevent double feed
    • B65H3/48Air blast acting on edges of, or under, articles

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、たとえば複写機などにおいて単票の原稿や
記録紙などの積み重ねられたシートを最上部シートから
1枚ずつ分離して給送するための最上部シートの給送装
置に関する。
従来の技術 単票の原稿を複数枚積み重ね、積み重ねられた方向の
上方側または下方側から原稿を1枚ずつ分離して給送
し、原稿読み取り後に積み重ねた位置に下方側または上
方側から戻す循環式自動原稿供給装置(RDH)を備えた
複写機では、上記原稿の供給装置や予め積み重ねられた
記録紙を1枚ずつ分離して供給する給紙装置などのシー
トの給送装置が用いられている。また、各種印字装置や
印画装置などにおいても同様に予め積み重ねられた記録
紙を1枚ずつ分離して給送する装置が用いられている。
このような給送装置では、積み重ねられた状態のシート
を1枚ずつ分離する必要があるため、空気流による分離
方式や、分離爪を用いる分離方式、また、シートの給送
方向に関して逆回転するローラを用いてシートを分離す
る方式などが知られている。
このうち空気流を用いて、シートを分離する方式の先
行技術の一例として特開昭58−78932「シート給送装
置」が挙げられ、類似の構成はアメリカ合衆国特許3,19
8,514が挙げられる。その構成は、第48図に側面図、第4
9図に平面図を示す。この構成は、たとえば前記RDH方式
の複写機において、積み重ねられた記録紙を1枚ずつ分
離して給送する給紙装置1である。給紙装置1は、記録
紙2が積み重ねられる支持トレイ3を備える。
支持トレイ3の記録紙2の給送方向A1下流側であっ
て、給送方向A1と交差する支持トレイ3の幅方向中央付
近には切欠き4が形成され、支持トレイ3の下方に配置
されている一対の回転ローラ5,6に張架され、多数の透
孔が形成された給送ベルト7がこの切欠き4で露出す
る。回転ローラ5,6の間には、前記切欠き4に給送ベル
ト7を介して臨む吸気ダクト8が配置され、支持トレイ
3上の記録紙2を給送ベルト7に真空吸着して、給送ベ
ルト7の走行駆動により前記給送方向A1に給送する。
一方、支持トレイ3上の記録紙2は、複数枚が給送ベ
ルト7に同時に吸着されて給送される可能性があるた
め、支持トレイ3より給送方向A1下流側上方に空気注入
ダクト9を設け、給送方向A1と平行なノズル10b〜10e
と、前記幅方向中央寄りに向かう複数のノズル10a,10f
とが連通して設けられている。一方、支持トレイ3は第
50図に示されるように給送方向A1下流側から上流側にか
けて、拡開した形状の基底部14と、この基底部14の幅方
向両側部から斜め上方に向かって形成されている側翼部
15,16とを備える。
この従来例の空気注入ダクト9および支持トレイ3は
第48図示のように配置され、ノズル10a〜10fで平面状の
空気流を支持トレイ3の幅方向中央位置付近に集中する
ようにしている。この空気注入ダクト9による空気流の
分布の状態を第51図に斜線を付して示す。
この縦従来例は、使用される記録紙2が比較的小サイ
ズの場合や秤量が比較的大きい場合には、記録紙2の分
離を良好に行う。
しかしながら、比較的大サイズの記録紙や秤量が小さ
く、したがっていわゆる紙の腰が弱い記録紙に対して
は、良好な分離を行うことができない場合がある。すな
わち、この従来例は空気流を支持トレイ3の幅方向中央
位置付近に集中させることによって、この空気流が前記
中央位置付近において、上下方向に膨張して、記録紙を
分離する作用を実現している。一方、大サイズの記録紙
や前記秤量が小さい記録紙では、支持トレイ3の基底部
14と側翼部15,16とで構成される凹所19に最も下の記録
紙のみならず、複数枚の記録紙が比較的大きなたわみ量
で、前記凹所の形状に対応した形状に変形してしまい、
記録紙の間に空気流が入るべき間隙が構成されにくく、
したがって記録紙の分離が良好に行うことができない場
合がある。
また、第51図に斜線を付して示す記録紙間に空気注入
ダクト9からの空気が入って相互に分離されている分離
領域17の面積が、記録紙が相互に密着している非分離領
域18の面積と比較して相対的に小さくなり、したがって
最も下の記録紙が前記搬送ベルト7に真空吸着されて搬
送されるとき、前記非分離領域18における摩擦力によっ
ていわゆる重送が発生する場合がある。このとき前記分
離領域17を拡大するために空気注入ダクト9におけるノ
ズル10a,10fのさらに幅方向外方に第49図に2点鎖線で
示すノズル10g,10hをそれぞれ幅方向外方に向くように
設けた場合、前記ノズル10g,10hの第49図に示す間隔L11
よりも小さな幅W1の記録紙2に対しては、記録紙2の幅
方向両端部2a,2bにノズル10g,10hからの空気流が衝突す
ることになり、前記端部2a,2bがばたついてしまうこと
になる。この場合、給紙装置1内で積層された記録紙2
の積層状態が乱れてしまい、前記重送や給送不良などが
発生する場合がある。また、使用される記録紙2が比較
的小さなサイズである場合、ノズル10a〜10fによって集
中された空気流による分離能力が過大となり、当該小サ
イズの記録紙が給紙装置1内で飛散してしまう場合があ
る。このような従来例における問題点は、積み重ねられ
たシートを最上部シートから1枚ずつ分離して給送する
いわゆる上取りの場合の構成についても同様に発生す
る。
発明が解決しようとする課題 したがって上述した従来例では、用いられる記録紙が
所定の限定された種類である場合には、比較的良好な分
離能力を有するものの、可及的に広い種類のサイズの記
録紙を有効に分離する汎用性の点では、前述したように
分離不良や給紙不能を生じる場合が想定され、汎用性の
点で不十分な点を有しており、広範なサイズおよび秤量
の記録紙に対応して良好な分離能力を有する汎用性を有
するシートの給送装置が希望されている。
本発明の目的は上述の技術的課題を解消し、積み重ね
られたシートをその最上部シートから1枚ずつ分離して
給送する装置において、広範な種類のサイズのシートに
対応して良好な分離給送能力を有する改良された最上部
シートの給送装置を提供することである。
課題を解決するための手段 本発明は、複数のシートが積み重ねられて載置される
載置板と、 載置板上のシートよりも上方に設けられ、最上部シー
トを、給送面に真空吸着させ、しかもその最上部シート
の少なくとも給送方向下流側の端部で、幅方向の複数の
各位置で、負圧によって上方に部分に変形させて給送す
る給送手段と、 載置板よりも給送方向下流側に配置される空気流形成
手段であって、各空気流を形成するための第1ノズル孔
と第2ノズル孔とを有するノズル部材を備え、第1ノズ
ル孔は、給送面に真空吸着されている最上部シートの変
形した部分に向って幅方向中央寄りから給送方向上流側
になるにつれて幅方向外方に空気流を噴射し、第2ノズ
ル孔は、前記変形した部分に向って給送方向にほぼ平行
に上流側に向って空気流を噴射する空気流形成手段とを
含むことを特徴とする最上部シートの給送装置である。
また本発明は、前記給送手段は、 多数の空気通過孔を有し、幅方向に相互に間隔をあけ
て配置され、給送面を形成する複数の給送用張架ベルト
と、 ベルトを回転駆動してシートの給送を行わせる駆動手
段と、 ベルトのほぼ水平な下張架部分の直上に載置され、下
方に開放した真空吸引箱とを有し、 空気流形成手段は、隣接する前記ベルトの下張架部分
相互間の間隔付近に向って空気流を噴射することを特徴
とする。
また本発明は、前記給送手段は、 多数の空気通過孔を有し、幅方向に相互に間隔をあけ
て配置される複数の給送用張架ベルトと、 ベルトを回転駆動してシートの給送を行わせる駆動手
段と、 ベルトのほぼ水平な下張架部分の直上に配置され、下
方に開放した真空吸引箱とを有し、 隣接する前記ベルトの下張架部分相互間の複数の間隔
の各位置で、給送面よりも下方に突出した突起をそれぞ
れ固定位置に設け、 空気流形成手段は、各突起の付近に向って空気流をそ
れぞれ噴射することを特徴とする。
また本発明は、前記突起は、給送方向に沿って延びる
細長い形状を有することを特徴とする。
また本発明は、載置板は、幅方向中央位置を通る対称
面に関して左右対称に構成され、 空気流形成手段は、前記対称面に関して左右対称な各
位置から前記空気流をそれぞれ噴射することを特徴とす
る。
また本発明は、前記各突起は、ベルトの下張架部分相
互間の間隔内で、幅方向一側片寄りに配置されて、1つ
の下張架部分の側縁との間に負圧変形用空間を形成し、 空気流は、突起に向って前記負圧変形用空間側から噴
射されることを特徴とする。
作 用 本発明に従えば、載置板上に積み重ねられて載置され
たシートよりも上方に給送手段が設けられ、この給送手
段は、給送すべき積み重ねられたシートのうち、最も上
のシート、すなわち最上部シートの少なくとも給送方向
下流側の端部、すなわち前端部を、幅方向の複数の各位
置で、負圧によって上方に部分的に変形させて、たとえ
ば波形に変形させ、こうして変形させた状態で、給送面
に真空吸着させて前記最も上のシートを給送し、空気流
形成手段からは、給送方向下流側から前記変形した各部
分付近に向って空気流を噴射する。最も上のシートは、
上述のように上方に変形しており、それ以外の残余の2
枚目以降のシートは、給送面には真空吸着されず、たと
えばほぼ平坦な状態となっている。したがって最も上の
シートの前記変形した部分と、第2枚目以降の残余のシ
ートとの間に隙間が生じ、この隙間に空気流が吹込まれ
る。したがって最も上のシートと残余のシートとを上下
に確実に分離して、最も上のシートを1枚だけ給送する
ことができ、このようにして複数枚のシートが同時に給
送されてしまうことを防ぐ。
このようにして本発明の従えば、最も上のシートの負
圧によって上方に部分的に変形された部分に空気流を吹
き込み、この空気流は、第1ノズル孔による幅方向外方
に向う空気と、第2ノズル孔による給送方向に平行な空
気とによって合成されて形成され、最上部のシートと、
第2枚目およびそれ以降のシートとの間の隙間に空気流
を吹き込むようにしたので、小さいサイズを有し、した
がって一般には軽量のシートを、1枚ずつ給送すること
ができるようになるのは勿論、大きなサイズを有し、し
たがって一般には大きい重量を有するシートもまた、上
下に分離して1枚ずつ確実に給紙することが可能にな
り、このようにして、広範な各種サイズのシートを、1
枚ずつ給送することが確実に可能になる。
また本発明に従えば、給送手段は、複数の給送用張架
ベルトが、幅方向に相互に間隔をあけて配置され、これ
らの各ベルトが多数の空気通過孔を有しており、前記最
も上のシートは、このベルトのほぼ水平な各下張架部分
である給送面に真空吸着される。このベルトは、駆動手
段によって、回転駆動され、したがってその下張架部分
に真空吸着された前記最も上のシートが給送方向上流側
から下流側に向けて給送され、この下張架部分の直上に
は真空吸引箱が設けられており、したがってベルトの多
数の空気通過孔および隣接するベルト相互間の間隔から
空気が吸引され、こうして上述のように下張架部分にシ
ートが真空吸着される。ベルトの相互間において、真空
吸引箱を介して負圧に吸引されることによって、シート
はベルト相互間の前記間隔で上方に丸みを帯びて上に凸
に撓んで変形する。残余のシートは、たとえばほぼ平坦
である。したがって最も上のシートと残余のシートとの
間に形成された空間に空気流を吹込むことができ、これ
によって、最も上のシートと残余のシートとを上下に分
離することを確実に可能とする。
さらに本発明に従えば、隣接するベルトの下張架部分
相互間の複数の前記間隔の位置で固定位置には、給送面
よりも下方に突出した突起をそれぞれ設け、この各突起
の付近に向って空気流を噴射する。したがって給送手段
の給送面であるベルトの下張架部分に真空吸着された最
も上のシートは、前記突起に沿って大きく変形し、これ
に対して残余のシートはたとえばほぼ平坦である。した
がってこの最も上のシートと残余のシートとの間の空間
に空気流を噴射して吹込むことによって、シートの分離
を容易に行うことができる。最も上のシートと残余のシ
ートとの間に吹込まれた空気は、突起によって、いわば
シールドされ、その空気が外方に通り抜けにくくなる。
特に幅方向外方に向う空気は、突起によってシールドさ
れる。したがってシートの分離をさらに確実に行うこと
ができる。このような突起を用いて、特に幅の大きいサ
イズを有するシートを、1枚ずつ、確実に給送すること
が可能となる。この突起は、給送方向に沿って延びる細
長い形状をしていてもよく、そのようにすることによっ
て、最も上のシートと、残余のシートとの間の空間を、
給送方向に細長くし、これによって空気流を前記空間
に、給送方向の上流側に比較的長い距離にわたって、吹
き込むことができ、こうして最も上のシートの残余のシ
ートとの上下の分離を一層確実にすることができる。
突起は、単一個であってもよく、あるいは給送方向に
間隔をあけて複数個、形成されていてもよい。
また本発明に従えば、載置板は、幅方向中央位置を通
る対称面に関して左右対称に構成され、空気流形成手段
は、その対称面に関して左右対称な各位置から前記空気
流を噴射するようにし、こうしてシートの幅方向にわた
って、空気が吹込まれ、したがってシートの上下の分離
が確実になる。
さらに本発明に従えば、このような左右対称な載置板
を構成し、しかも空気流を左右対称な各位置から噴射す
るようにし、各空気流は、第1ノズル孔と第2ノズル孔
とを有するノズル部材を備え、第1ノズル孔は幅方向中
央寄りから、最も上のシートの前記変形される部分に向
って給送方向上流側につれて幅方向外方側となる方向
に、すなわち外側方に拡散する方向に空気を噴射し、こ
のような第1ノズル孔からの空気は、第2ノズル孔から
の給送方向にほぼ平行な空気によって前記拡散が可及的
に抑制されて第1および第2ノズル孔からの各空気が集
束する。したがって最も上のシートと残余のシートとの
間に入込んだ空気は、集束されることによって上下方向
に拡がり、そのためシートが上下方向に確実に分離され
ることが可能となる。
さらに本発明では、前記各突起は、ベルトの下張架部
分相互の間隔内で、その突起し、1つの下張架部分の側
縁との間に、負圧変形用空間を形成し、空気流を突起に
向って負圧変形用空間側から噴射するようにしたので、
この空気流によって最も上のシートを突起に押付けるこ
とができるとともに、この押付けられている最も上のシ
ートは、負圧変形用空間に上に凸に湾曲変形することが
でき、このようにして、最も上のシートの部分的な変形
量を大きくすることができる。したがって特に、幅の大
きい、たとえば大重量のシートを、空気によって上下に
分離してさばいて1枚ずつ給送することが確実になる。
また本発明に従えば、左右対称に配置されている各突
起は、ベルトの下張架部分相互の間隔内で、幅方向一側
方寄りに配置されて、その間隔を形成する1つの下張架
部分の側縁との間に負圧変形用空間を形成し、空気流
を、突起に向って負圧変形用空間側に噴射するようにし
たので、その空気流によって最も上のシートが突起に押
付けられるとともに、この最も上のシートは負圧変形用
空間に負圧吸引され、このようにして最も上のシートは
上に凸に部分的に大きく変形することが可能となる。し
たがってこの最も上のシートと残余のシートとの間に大
きな空間を形成することができ、この大きな空間に空気
流を大量に吹込むことができる。そのため大きな幅を有
するシートであっても、上下に確実に分離することが可
能である。
実施例 第1図は、本発明の基本となる構成のいわゆる下取り
の給送装置21の断面を示す側面図であり、第2図は給送
装置21の平面図であり、第3図はその正面図であり、第
4図は給送装置21が用いられる複写機22の断面図であ
る。複写機22は、循環式自動原稿供給装置(RDH装置と
略す)23と本体24とを備える。RDH装置23は、いわゆる
下取り上戻し方式の原稿供給装置25を備え、取り出され
た原稿は搬送路26を搬送されつつ、光源27による露光領
域28で露光されて、原稿供給装置25に戻される。原稿供
給装置25は、原稿の載置板29と給送装置30と空気注入装
置31とを備える。
本体24は、内部に前記光源27を備え、光源27によるRD
H装置23の露光領域28と、本体24の露光領域32とが設定
される。各露光領域28,32からの原稿反射光は光学系33
を経て感光ドラム34上で結像する。感光ドラム34の周囲
には、帯電装置35、現像装置36および転写装置37などが
配置され、各種寸法の記録紙がたとえば3種の給紙装置
38、39,40から、転写装置37と感光ドラム34との間の転
写領域41に供給されて、前記原稿反射光による原稿像が
記録される。転写後の記録紙は、定着装置42で定着され
締結装置43で所定枚数毎に綴じられ、排紙トレイ44に収
納される。
前記給送装置21には、複写された記録紙が矢符A1方向
に沿って搬入され、矢符A2方向に沿って給送される。こ
こで給送装置21の後述する載置板45は、水平方向に関し
て前記給送方向A2上流側が下流側よりも低い位置となる
ように水平方向とたとえば角度10.4゜傾斜して設けられ
る。
第5図および第6図は給送装置21の分解斜視図であ
る。前記第1図〜第3図の図面を合わせて参照して、給
送装置21について説明する。原稿供給装置25の給送装置
30は後述する給送装置21と基本的に同一構成とされる。
給送装置21は、記録紙が搬入方向A1に沿って搬入され、
積み重ねられて載置される載置板45を備える。この載置
板45には、切欠き47が形成され、この切欠き47には、載
置板45とともに給送手段を構成する載置された記録紙を
給送するための給送用張架ベルト46a,46b,46c(必要な
ときは符号46で総称する)の上張架部分が上方に記録紙
に臨んで露出する。
載置板45は、記録紙の給送方向A2と直交する幅方向の
予め定める長さW2の中央載置部48と、中央載置部48の前
記幅方向両端部と一体に連なり中央載置部48と角度θ1
を成して幅方向外方に向うに従い上方に屈曲するように
塑性加工などで折曲げて形成された側載置部49,50とを
備える。側載置部49,50は、前記給送方向A2の下流側に
向けて中央載置部48よりも長く延び、その端部付近には
下方に垂下した段差部51a,51bが形成される。また載置
板45には、前記給送方向A2に沿う一対の平行な長孔52,5
3が形成され、また各側載置部49,50に前記方向にそれぞ
れ一対の長孔54a,54b,55a,55bが形成される。このよう
な載置板45は、幅方向中央位置CNTに関して左右対称に
形成される。この載置板45は、その前記幅方向両端部で
側板56,57に螺着される。
載置板45の前記給送方向A1上流側には、後端規制部材
58が配置される。後端規制部材58は、搬入方向A1に沿っ
て搬入される記録紙を下方から支持して案内する案内板
59と、案内板59の搬入方向A1下流側に連なり、先端部に
長孔52,53にそれぞれ嵌入して長孔52,53の長手方向に沿
って摺動自在な案内片60,61が形成され、載置板45上に
積み重ねられた記録紙の給送方向A2上流側端部に当接し
て、積み重ねられた各記録紙の該上流側端部を揃える規
制板62とを含む。
前述したように載置板45は、水平方向に関して給送方
向A2上流側が下流側よりも低くなるように構成される。
したがって第1図に示されるようにローラ67,69によっ
て載置板45上に矢符A1方向に搬入された記録紙Pは、載
置板45上を給送方向A2下流側へ滑り、たとえば後述され
る送風ダクト93の衝突板211に衝突して停止し、前述し
た傾斜により給送方向A2上流側、すなわち後端規制部材
58側へ戻り、後端規制部材58の規制板62に当接して停止
する。このようにして載置板45上に積層される記録紙の
給送方向A2上流側端部が揃えられ、したがって同一形状
を有する記録紙の給送方向A2下流側端部も揃えられるこ
とになる。
また案内板59の前記幅方向両端部には、側板63,64が
垂下して形成され、各側板63,64には取付板65,66がそれ
ぞれ固定される。前記側板63,64と取付板65,66には同軸
の取付孔63a,64a,65a,66aがそれぞれ形成され、ローラ6
7が固定された回転軸68が回転自在に挿通する。また取
付板65,66には、取付孔65a,66aより上方に取付孔65b,66
bが形成され、複数のローラ69が固定された回転軸70が
回転自在に挿通する。
前記取付板65,66には、長手方向と直角な断面が略C
字状の駆動部材71,72が開放端を幅方向外方に向けてそ
れぞれ固定される。駆動部材71,72の下端部には長手方
向に沿って、ラック73,74が形成される。前記側板56,57
には両端部に前記クラック73,74と噛み合うピニオン75,
76が固定された回転軸77が回転自在に装着され、パルス
モータ78により回転駆動される。
また前記側板56,57における駆動部材71,72の配置位置
には、回転ローラ79,80が回転自在に装着され、駆動部
材71,72は回転ローラ79,80をそれぞれ内部に収納するよ
うに構成される。したがって駆動部材71,72は、回転ロ
ーラ79,80によって下方に落下しないように支持される
と共に、長手方向に沿って容易に摺動自在となる。すな
わちパルスモータ78によって、回転軸77したがってピニ
オン75,76が回転すると、駆動部材71,72はその長手方向
に沿って矢符A3,A4方向に往復変位することができ、こ
れによって後端規制部材58は前記給送方向A2下流側およ
び上流側に往復変位することができる。
前記側板56,57には取付孔56a,57aが形成され、ローラ
81,82が固定された回転軸83が回転自在に挿通する。回
転軸83は、同軸に固定されたノブ84により手動で回転変
位される。回転軸83のノブ84と反対側は、長細く形成さ
れた連結板85の長手方向一方端部を回転自在に挿通して
歯車86に固定される。連結板85の反対側には枢軸87が前
記幅方向外方に向けて突設され、連結板85と同一形状の
連結板88の長手方向一方端部に回転自在に挿通し、さら
に歯車89に固定される。連結板88の他方端部には前記回
転軸68の一端が、回転自在に挿通して歯車90と固定され
る。前記歯車86,89間には、タイミングベルト91が張架
され、歯車89,90間にはタイミングベルト92が張架され
る。
すなわちノブ84を手動で回転すると回転軸68,83は、
回転軸68が装着されている後端規制部材58が前記搬入方
向A1に沿う任意の位置であっても同期して回転し、ジャ
ム処理を行うことができる。
載置板45の前記給送方向A2下流側には、側板56,57に
固定されたノズル部材93が前記幅方向に延びて配置され
る。ノズル部材93は、前記幅方向に長手の無底箱状を成
す本体94と、カバー体95から構成され、内部に空気の通
路213が形成される。カバー体95には、ノズル孔212をそ
れぞれ有するノズル96a〜96hが、載置板45の幅方向中央
位置CNTに関して左右対称位置に複数対ずつ形成され、
ノズル部材93内に配置されたダンパ97の角変位状態によ
り載置板45側への送風/停止を実現する。
前記載置板45の下方には、切欠き47に臨んでたとえば
3本の給送用張架ベルト98a,98b,98cが配置され、これ
らはそれぞれ回転軸99,100に固定された駆動ローラ101
a,102a;101b,102b;101c,102cの間に張架される。
この給送用張架ベルト98a〜98cの上端部であって給送
面を形成する上張架部分214と、前記載置板45の中央載
置部48との間には、第3図に示されるように給送用張架
ベルト98a〜98cの上張架部分214が低くなるように段差
の高さδが設定される。この段差の高さδは1〜5mm、
好ましくは約2mmに選ばれる。この段差の高さδは、詳
しくは後述するように載置板45上に積層された記録紙P
の最も下の記録紙が給送用張架ベルト98a〜98cに真空吸
着されたとき、前記載置板45の中央載置部48よりも段差
の高さδだけ下方に撓み、これによって下から2番目の
記録紙との間に間隙を生じさせ、分離動作を良好に行お
うとするものである。このため、前記段差の高さδが過
小であると、分離能力が低下し、過大であるとき記録紙
の給送用張架ベルト98a〜98cへの吸着が不十分となり、
搬送不良となる。
この給送用張架ベルト98には多数の空気通過孔である
透孔103が形成され、給送用張架ベルト98の内部には透
孔103を介して給送用張架ベルト98上に記録紙を負圧に
より真空吸着するための真空吸引箱104が配置される。
真空吸引箱104は箱状の本体104aとカバー体104bとから
成り、カバー体104bには各給送用張架ベルト98a〜98cに
対応する位置に、吸引孔106a〜106cが形成される。各吸
引孔106a〜106cの間には前記給送方向A2方向に沿って延
びる突起107a,107bが形成され、これらは前記給送用張
架ベルト98a〜98cの間から、上張架部分214よりも上方
に突出する高さに選ばれる。この真空吸引箱104は図示
しない真空源に接続され、内部に収納されたダンパ105
の角変位動作により、前記記録紙の吸引動作を実行/停
止する。
第2図な平面図に示されるように、平面視では前記給
送方向A2と平行な空気の噴射流C1を形成する第2ノズル
孔を有するノズル96b,96gは、平面視では前記給送方向A
2と平行に構成される。また噴射流C1に衝突する前記幅
方向外方向きの噴射流C2を形成する第1ノズル孔を有す
るノズル96c,96fの平面視における前記給送方向A2と成
す角度α2は、20゜〜45゜、好ましくは、約30゜に選ば
れる。これらの噴射流C1,C2の合成された空気流C11に関
して、各空気流の中心線l1を想定する。
前記ノズル96c,96fよりも幅方向内方にあって、幅方
向外方へ向き中心線l2に平行な噴射流かつ空気流C3を形
成するノズル96d,96eの、平面視における前記給送方向A
2と成す角度α1は、0゜〜45゜、好ましくは約15゜に
選ばれる。また、前記ノズル96b〜96gの幅方向外方に配
置され、幅方向外方に向き中心線l3と平行な噴射流かつ
空気流C4を形成するノズル96a,96hの平面視における前
記給送方向A2と成す角度α3は、0゜〜45゜、好ましく
は約30゜の角度に選ばれる。
一方、前記各ノズル96a,96hの第1図に示す側面視に
おける給送方向A2と成す角度すなわち中央載置部48と成
す角度βは、3゜〜10゜好ましくは約3.5゜に選ばれ、
下記のように定められる。まずこの給送装置21を含む複
写機22全体の構成から、ノズル部材93の配置位置が決定
され、したがって各ノズル96a〜96hの基端部の位置も決
定される。一方、第1図に示されるように各ノズル96の
側面視における空気流Cは、給送用張架ベルト98上であ
って、しかも真空吸引箱104によって給送用張架ベルト9
8に設定される吸引領域108よりも給送方向A2下流側へ予
め定める距離L1だけ隔てた位置に噴射される。
すなわち本構成例では、給送用張架ベルト98上の範囲
を含む載置板45上に第22図に示されるように積み重ねら
れた記録紙Pの給送方向A2下流側端部に直接、空気流C
を吹き付けるのではなく、前記積み重ねられた記録紙の
給送方向下流側端部よりも給送方向下流側の給送用張架
ベルト98に一旦噴射し、その反射空気流が記録紙Pの給
送方向A2下流側端部に衝突し、これにより最も下の記録
紙P1と2枚目の記録紙P2とを分離するようにしている。
すなわち空気流Cを直接、記録紙の前記下流側端部に衝
突させると、このように空気流は各記録紙Pを下方側へ
押圧する力を発生させ、記録紙の分離の点で不都合を生
じるからである。前記反射流を用いれば、記録紙Pは給
送用張架ベルト98から離れて上方に向かって吹き上げら
れることになり、前記分離作用を良好に行うことができ
る。また、ノズル96からの空気流が記録紙の分離に寄与
せず、真空吸引箱104に不所望に吸引される事態を防ぐ
効果も実現する。
前記ノズル96b,96gの配置位置は、ノズル96b,96gの距
離L1が使用を想定される最小幅の記録紙、たとえば日本
工業規格B列5番の長片の長さL2よりも短くなるように
選ばれ、このノズル96b,96gからの噴射流C1とノズル96
c,96fからの噴射流C2とに基づく空気流C11は、前記最小
幅の記録紙の幅方向両端部よりも幅方向内片寄りに方向
づけられる。またノズル96a,96hの配置位置は、それら
の距離L3が使用を想定される最大の記録紙、たとえば日
本工業規格B列4番またはA列3番の記録紙の長辺の長
さや、英文に用いられる、いわゆるダブルレターサイズ
WLT(=縦11インチ×横17インチ)の長辺の長さよりも
予め定める程度短くなるように選ばれ、このノズル96a,
96hによる空気流C4は、前記最大の記録紙の幅方向両端
部よりも幅方向内方寄りに方向づけられる。
給送用張架ベルト98の下方には、前記側板56に固定さ
れ、前記幅方向に長手の支持板109が配置される。支持
板109の前記幅方向中央位置には、枢軸110が立設され、
また枢軸110に関して前記幅方向の両側に、幅方向に延
びる案内溝111,112が形成される。支持板109上には案内
ピン113〜116が立設され、支持板109上に乗載され前記
幅方向に長手の駆動部材117,118の前記幅方向に延びる
長孔119,120;121,122内に該案内ピン113〜116が挿通
し、各駆動部材117,118は、案内ピン113〜116によっ
て、前記幅方向に移動方向が規制される。
各駆動部材117,118の相互に対抗する縁部には、それ
ぞれラック123,124が形成され、前記枢軸110に回転自在
に装着された歯車125に相互に反対側から噛み合う。こ
の歯車125には傘歯歯車126が同軸に固定されており、前
記側板57に固定されたパルスモータ127により回転駆動
される回転軸128の先端に固定された傘歯歯車129と噛み
合う。前記駆動部材117,118の幅方向外方端部には、前
記載置板45の長孔54a,55a;54b,55bに嵌合し、かつ載置
板45から上方に突出して配置される側端規制板130,131
がそれぞれ固定される。
すなわち複写機22において、各種サイズの記録紙が収
納された給紙装置38〜40のいずれかを選択すると、後述
する制御装置の作用によりパルスモータ127が所定方向
に回転駆動され、この回転量は傘歯歯車129,126の噛み
合いにより駆動部材117,118を、前記幅方向に沿って内
方側または外方側へ変位させ、側端規制板130;131の間
隔を前記選択された記録紙の寸法に設定し、載置板45上
に搬入される記録紙の幅方向側端を揃える作用を実現す
る。
第7図は複写機22の電気的構成を示すブロック図であ
り、説明の簡便のために要部を示す。複写機22は、たと
えばマイクロプロセッサを含んで構成される中央処置装
置(CPUと略す)132を備えており、CPU132はたとえばRO
M(リードオンリメモリ)133に記憶された動作プログラ
ムに基づいて複写機22の各種動作を制御する。またCPU1
32には、複写枚数や各種動作モードなどの入力データを
記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)134や前
記各給紙装置38〜40に設けられている記録紙の幅方向の
寸法を検出する用紙幅検知装置135が接続される。
この用紙幅検知装置135の構成例は後述する第27図に
示されるが、前記給送装置21における、前記側端規制板
131を手動とし、たとえば日本工業規格B列4番、B列
5番あるいはA列4番などのサイズや、米国で使用され
ている記録紙のサイズとしてレターサイズLT(=縦11イ
ンチ×横8.5インチ)やリーガルサイズRG(=縦14イン
チ×横8.5インチ)、あるいはダブルレターサイズWLT
(=縦17インチ×横11インチ)などに対応する側端規制
板131の移動位置毎に、たとえばリミットスイッチなど
の位置センサを設けて構成される。
前記CPU132には前述したパルスモータ78,127が接続さ
れ、用紙幅検知装置135で検知された使用される記録紙
の幅方向の寸法に基づいて、後端規制部材58を前記給送
方向A2上流側または下流側へ移動し、側端規制板130,13
1を前記幅方向内方、または外方へ移動する。また電磁
ソレノイド136,137が接続され、前記ダンパ97,105を開
閉動作させる。さらに、各給紙装置38〜40の記録紙の載
置板45を給紙装置38〜40内で昇降するパルスモータ182
を制御する。
第8図は前記載置板45の簡略化した拡大斜視図であ
り、第9図は第8図の切断面線IX−IXから見た断面図で
ある。載置板45の中央載置部48に関して両側の側載置部
49,50は、幅方向外方へ向うに従い予め定める角度γ
(3゜〜10゜、好適には約3.5゜)だけ上方に向けて屈
曲され、これらの境界に屈曲部138,139が給送方向A2と
平行に形成される。本構成例の給送装置21において、積
み重ねられた記録紙Pにおける最も下の記録紙P1と、下
から2番目の記録紙P2との分離が可能と成るためには、
ノズル96からの空気流が吹き込まれて注入される隙間が
記録紙P1,P2の間に形成される必要がある。このため本
構成例では載置板45の中央載置部48と側載置部49,50と
の間に前記角度γを設定し、屈曲部138,139を構成して
いる。また側載置部49,50の幅方向内方側端部と給送用
張架ベルト98との間に前述した段差の高さδが設けられ
ている。
したがって記録紙P1が給送用張架ベルト98a〜98cに前
記真空吸引箱104によって負圧により第9図示のように
吸着されたとき、記録紙P1,P2の間には少なくとも前記
屈曲部138,139付近で間隙を生じることに成る。前述し
たノズル96b,96c;96f,96gは各屈曲部138,139付近のこの
間隙に第10図および第11図に示すように空気流C11を中
心線l1に沿って吹き込むように構成され、したがって吹
き込まれた空気流C11は上下方向に膨張する。また真空
吸引箱104には突起107a,107bが設けられており、記録紙
P1は第13図に示すようにこの突起107a,107bに沿った形
状に湾曲する。一方、2枚目の記録紙P2は、真空吸引箱
104によっては吸引されないので、前記突起107a,107bの
各両側で記録紙P1との間に間隙を生じる。
ノズル96d,96eはこの突起107a,107bの幅方向内方側の
隙間に空気流を吹き込んで注入し、この空気流を突起10
7a,107bの側面に衝突させることにより上下方向に膨張
させる。これにより第13図示の領域140c,14dを生じさ
せ、記録紙P1,P2の分離に寄与することができる。この
とき前述したようにノズル96b,96gの間の配置間隔L1
は、たとえば日本工業規格B列5番の記録紙の長辺の長
さL2よりも短く設定されている。しかもノズル96c〜96f
の幅方向内方から外方へ向かう矢符C2,C3で示す噴射流
は、ノズル96b,96gの矢符C1で示す前記給送方向A2と平
行な噴射流によって阻止され、空気流C11として一体と
なって前記矢符C11方向に流れ、前述したように上下方
向に膨張し、第12図示の分離領域141を実現する。した
がってこのような空気流C11が幅L2の記録紙の幅方向端
部から噴出して、幅方向端部がばたつき、積み重ねられ
た状態が擾乱したり騒音を発生する事態が回避される。
第13図は本構成例における記録紙の分離作用を説明す
る正面図である。第13図に斜線を付して示す領域140a〜
140fは前述したノズル96a〜96hによって空気流が注入さ
れて、積み重ねられた記録紙Pにおける最下層の記録紙
P1と、第2枚目の記録紙P2以降の記録紙とを分離する空
気流の大きさと範囲とを示す。領域140b,140eは、ノズ
ル96b,96c;96f,96gによって第2図の矢符C1,C2に示すよ
うに噴射流が前記幅方向に沿って集中される。したがっ
て第21図に示すように幅方向に沿って集中された噴射流
は、矢符C20,C21に示すように上下方向に膨張し、この
圧力により記録紙P1,P2が分離される。前記上下方向に
膨張した空気流の占有領域が第13図の領域140b,140eと
して示される。
前記幅L2より広い幅L4の記録紙の例として前述したダ
ブルレターサイズやB列4番の記録紙などがあり、この
ような大きな幅を有する記録紙を分離する場合、前述し
たようにノズル96a〜96hの間隔L3は、前記幅L4よりも小
さく選ばれている。しかも載置板45には、前述したよう
にノズル96a,96hからの空気流の進行方向に段差部51a,5
1bが形成されている。すなわちノズル96a,96hからの空
気流の大半は、段差部51a,51bに衝突して載置板45以外
の方向へ流れ、流量および速度が抑制される。
したがって、ノズル96a,96hからの矢符C4で示される
空気流は、比較的弱められて記録紙P1,P2の間に注入さ
れる。これにより幅L4の記録紙Pにおける分離領域142
は、第12図の破線で囲まれる斜線を付した領域となり、
小サイズの記録紙Pの場合の分離領域141よりも広い面
積を実現できる。すなわち本構成例では、幅の大きい、
大サイズの記録紙であってもその分離を有効に行うこと
ができる。しかも大サイズの記録紙Pの幅方向両端部付
近では、前述したようにノズル96a〜96hからの空気流が
流量を抑制されて注入される。したがって大サイズの記
録紙Pの幅方向両側部から空気流が漏れ出て、前述した
ような記録紙端部のばたつきによる積層状態の擾乱や騒
音の発生を回避することができる。
本構成例によれば、第13図に示した領域140b,140eに
空気流を集中して比較的大きな分離能力を実現し、領域
140a,140c,140d,140fに所定流量の空気流を注入して、
さらに分離能力を向上するものである。したがって特徴
的な作用を実現するノズル96a〜96hの配置状態は、第2
図〜第3図に示される配置に限るものではない。ノズル
96a〜96hの配置の第1の変形例は第14図に示され、上記
構成例におけるノズル96b,96gが給送方向A2に関して前
記幅方向内方寄りに角度α4だけ傾斜した構成である。
この構成例では、ノズル96b,96cからの噴射流C1,C2お
よびノズル96f,96gからの噴射流C2,C1は幅方向における
衝突位置143,144においてそれぞれ衝突して、前記給送
方向A2と平行な空気流145,146として形成され、これに
より第13図において説明した領域140b,140eを実現する
ことができる。他のノズル96a,96d,96e,96hの作用は前
述の構成例と同様である。
第2の変形例は、第15図に示されるようにノズル96d,
96eが前記給送方向A2と平行に構成されていることであ
る。この構成例におけるノズル96a〜96cおよびノズル96
f〜96hの作用は前記第1の構成例と同様である。本構成
例におけるノズル96d〜96eは、第13図を参照して説明し
たように真空吸引箱104に形成された突起107a,107bによ
って形成される記録紙P1,P2間の間隙に、突起107a,107b
と平行に空気流を注入する。積み重ねられた記録紙Pは
第12図に示すように、その幅方向両端部と給送方向A2上
流側端部とが相互に密着している。そのため前記間隙内
に空気流が注入されると、この空気流は閉鎖された分離
領域141,142内で正の静圧を生じ、これによって記録紙
Pの幅方向中央部付近における分離が実現される。した
がてこのような構成例によっても、前述の構成例で述べ
た効果と同様な効果を実現することができる。
第3の変形例は、第16図に示される。この構成例の特
徴点は、前記第2の変形例においてノズル96b,96gを第
1変形例のごとく、角度α4だけ幅方向内方に向けて傾
斜させることである。この構成例では、ノズル96a,96h
の作用は前記第1の構成例と同様であり、ノズル96b,96
c;96f,96gの作用は前記第1の変形例の場合と同様であ
り、ノズル96d,96eの作用は前記第2の変形例の場合と
同様である。このような構成例によっても前述の実施例
で述べた効果と同様な効果を達成することができる。
第4の変形例は第17図に示される。この構成例の特徴
は、各ノズル96a〜96hを平面視において前記給送方向A2
と平行としたことである。前述の第12図を参照して説明
したように、積み重ねられた記録紙Pの給送方向A2上流
側端部と幅方向両端部とは相互に密着している。したが
って平面視によって前記給送方向A2と全て平行なノズル
96a〜96hを用いて記録紙Pに空気を噴射する場合であっ
ても、記録紙P間に正の静圧を生じさせることができ、
これによっても前述の実施例で述べて効果と同様な効果
を達成することができる。
第18図は、前記構成例におけるノズル部材93の変形例
を示す断面図である。第1図に示されるようにノズル部
材93において記録紙を分離するための噴射流および空気
流を形成する手段は、前述の構成例におけるノズル96a
〜96hに限るものではなく、第18図に示されるようにノ
ズル部材93に、ノズル孔147をノズル部材93の長手方
向、すなわち前記幅方向に沿って複数形成し、各ノズル
孔147の軸線の方向を前記ノズル96a〜96hの軸線と同方
向としている。このような構成例によっても前述の各実
施例における各空気流が形成され、各構成例における効
果と同様な効果を達成することができる。
前述の構成例における載置板45は、側載置部49,50の
給送方向A2下流側端部に段差部51a,51bを形成してい
る。一方、本発明の重要な構成は、第13図を参照して説
明した領域140a,140fを、載置板45の屈曲部138,139にお
いて、構成しようとするものであり、したがってこの作
用を実現する載置板45の構成は、前記構成例に限るもの
ではない。第1の変形例の載置板45aは、第19図に示さ
れるように前記段差部51a,51bを設けていない構成であ
る。このような構成によっても、前述の構成例で述べた
効果と同様な効果を達成できることは明らかである。
第2の変形例は第20図に示される。この構成例の載置
板45bは、中央載置部48と側載置部49,50との間に高さH2
の段差部204,205を設けて、側載置部49,50の幅方向内方
端よりも中央載置部48を前記高さH2だけ下方になるよう
に形成している。このような構成例では、前記構成例に
おいて説明した中央載置部48と給送用張架ベルト98の上
張架部分214との間の段差の高さδによる前述した作用
がさらに向上される。すなわち、載置板45b上に積層さ
れる記録紙Pの最も下の記録紙P1は中央載置部48および
段差部204,205が構成する凹所内に大きく弯曲して嵌ま
り込み、2枚目の記録紙P2との間の隙間Sを前述の構成
例よりさらに大きく設定できるからである。このような
構成例では、前述の構成例の効果と同様の効果を達成で
きるばかりでなく、記録紙Pにおける分離能力がさらに
向上される。
第3の変形例は、第21図に示される。この構成例の載
置板45cは、第20図示の載置板45bと類似し、前記側載置
部49,50が中央載置部48と成す角度γがほぼ0゜に設定
されていることを特徴とする。すなわち段差部204,205
と側載置部49,50とがほぼ直交するように定められ、両
側載置部49,50が単一の平面内にあるように定められ
る。このような構成例によっても、前記第20図を参照し
て説明した分離能力を達成することができる。またこの
変形例の場合でも、載置板45c上に積み重ねられている
記録紙Pは側載置部49,50が傾斜している場合と比較し
て、積み重ねられた記録紙の重量に基づいて幅方向内方
へ向かう力が生じることを防いでいる。したがって記録
紙Pが極めて摩擦係数の低い性状である場合であって
も、記録紙が幅方向内方側へ滑る事態を防いでいる。
第4の変形例は、第22図に示される。この変形例の載
置板45dは、中央載置部48と側載置部49,50とが単一の平
面をなして平坦であるように形成している。かつ前述の
各構成例における載置板45a〜45cの屈曲部138,139の幅
方向設定位置には、前記給送方向A2と平行に延び、それ
ぞれ上方に突出した突条206,207を、たとえば高さH3に
形成している。この高さH3は前記段差部204,205の高さH
2と等しく選ばれてもよい。
このような構成例では、載置板45d上に積み重ねられ
た記録紙Pの最も下の記録紙P1は、載置板45dの形状に
沿って弯曲するが、2枚目の記録紙P2は給送用張架ベル
ト96からの真空吸着作用を受けず、したがって記録紙P
1,P2の間に比較的大きな間隙S1を形成することができ
る。すなわちこのような構成例によっても、前述の構成
例で述べたような効果と同様な効果を実現することがで
きる。
第23図は給送装置21の変形例を示す断面図である。本
構成例の特徴は真空吸引箱104を外囲する給送用張架ベ
ルト208が真空吸引箱104における吸引領域108の幅方向
長さW5よりも長い幅W6を有する1枚の無端状帯体からな
ることである。この給送用張架ベルト208には、前記実
施例における透孔103が多数形成され、かつ比較的柔軟
性が高い材料から形成される。
したがってこのような給送用張架ベルト208の吸引領
域108付近に張架されている上張架部分214は、吸引口10
6a〜106cに負圧により吸引されて第23図示のように大き
く弯曲することになる。したがって積み重ねられた記録
紙Pの最も下の記録紙P1は、このような給送用張架ベル
ト208に真空吸着され、給送用張架ベルト208と同一の撓
み状態となって密着する。一方、2枚目の記録紙P2はこ
のような給送用張架ベルト208からの吸着作用を受け
ず、したがって1枚目の記録紙P1との間に隙間S2を生じ
る。すなわちこのような構成によっても前述の各構成例
で述べた効果と同様な効果を達成することができる。
第24図は、本発明の一実施例の給送装置38の断面を示
す側面図であり、第25図は給送装置38の平面図であり、
第26図は給送装置38分解斜視図であり、第27図は給紙装
置38の簡略化した平面図である。これらの図面を参照し
て、本実施例の給送装置38の構成について説明する。な
お本実施例の構成にかかる給送装置38における各構成要
素は、前述の基本となる構成における給送装置21の各構
成要素と類似した点が多くあり、類似した構成要素の説
明は簡略にしてある。基本となる構成における給送装置
21がいわゆる下取りであるのに対し、本実施例の給送装
置38は上取りである。
給紙装置38は記録紙が積み重ねられて収納される枠体
148と、枠体148内に積み重ねられて収納されている記録
紙を1枚ずつ分離して給送する給送装置36とを備え、枠
体148の内部には記録紙Pを積み重ねられた状態で載置
し、後述するような昇降機構によって昇降駆動される載
置板149が配置される。載置板149には給送方向A2に沿っ
て延びる長孔150が形成され、また載置板149の下方には
給送方向A2に沿って延びる案内レール151が設けられ
る。この案内レール151には、後端規制部材152の取付部
153が、取付部153における複数箇所の挿通孔154を挿通
して、長手方向に摺動自在に設けられる。後端規制部材
152には、取付部153に立設され載置板149の前記長孔150
を挿通して載置板149の上方に延びる規制部155が設けら
れる。規制部155の予め定められる位置には、たとえば
リミットスイッチなどの上限センサ156が設けられ、載
置板149上に過剰な記録紙Pが載置されたときには、こ
れを検出する。
複写機22の機体の前記載置板149に関して予め定めら
れる位置に、たとえばリミットスイッチなどにより実現
される上限センサ185が設けられ、載置板149上に積み重
ねられた記録紙Pの最も上の記録紙P1が、給送用張架ベ
ルト157に関して予め定められる間隔H4であることを検
知する。すなわち最も上の記録紙P1が給送用張架ベルト
157に前記距離H4を超えて異常に接近すると、上限セン
サ185が作動し、記録紙の上昇を停止する。
給紙装置36は、枠体148に関して予め定められた位置
に、たとえば4つの給送用張架ベルト157a〜157dを備え
る。これらの給送用張架ベルト157a〜157dは、回転軸15
8,159にそれぞれ固定されたローラ160a〜160d;161a〜16
1dの間にそれぞれ張架される。各ローラ160,161間には
真空吸引箱162が収納され、各給送用張架ベルト157a〜1
57dにそれぞれ臨む吸引口163a〜163dが形成された本体1
64と、本体164を被覆するカバー体165とを含む。この真
空吸引箱162内にはダンパ166が収納され、真空吸引箱16
2が接続された図示しない真空源と真空吸引箱162とを連
通/遮断する。前記吸引箱162は、枠体148に固定された
支持部材260によって支持されている。また本体164の吸
引口163a,163bの間および吸引口163c,163dの間には、前
記給送方向A2に沿って延び、かつ下方に突出した突起16
7a,167bが形成され、これらは給送用張架ベルト157a,15
7bの間および給送用張架ベルト157c,157dの間から下方
に突出する。
前記枠体148の給送方向A2下流側であって、給送用張
架ベルト157の下方には、ノズル部材168が設けられる。
ノズル部材168は本体169とカバー体170とを含み、内部
の空気の通路216にはダンパ171が装着され、図示しない
送風機とノズル部材168とを連通/遮断する。
前記枠体148内の載置板149には幅方向に沿う長穴209,
210が設けられており、側端規制板195,196が載置板149
の上面から裏面にわたって挿通する。側端規制板195,19
6の載置板149の裏面側端部付近は前記幅方向に沿ってそ
れぞれ延びる駆動部材197,198の長手方向一端部がそれ
ぞれ固定される。これらの駆動部材197,198の給送方向A
2に沿う相互に対向する端部にはクラック199,200が形成
され、各クラック199,200は駆動部材197,198の間に配置
される支持板149に回転自在に取付けられたピニオン201
に相互に反対側からかみ合う。
また側端規制板195に関して幅方向の変位位置を検出
する、たとえば3つの位置センサS1,S2,S3が前記幅方向
外方から内方へかけて配置される。側端規制板195,196
は前記ラック199,200およびピニオン201によって相互に
連動しており、収納される記録紙Pの幅方向長さに側端
規制板195,196の距離を揃えることにより、前記位置セ
ンサS1〜S3の出力に基づいて、収納された記録紙の幅方
向長さの検知が可能である。
第28図は本体169の正面図であり、第29図は本体169の
平面図であり、第30図は本体169の背面図であり、第31
図〜第34図は、第30図の切断面線A−A,B−B,C−C,D−
Dから見た断面図である。これらの図面を併せて参照し
て、ノズル部材168の構成について詳述する。本体169
は、前記幅方向に延びる平板部172と、その上下方向に
連なり、前記枠体148側に角度θ3(例として20゜)傾
斜した傾斜部173,174とを含む。傾斜部173,174の給送方
向A2下流側には、複数の案内片175が形成され、本体169
にカバー体170が装着されることにより、隣接する案内
片175により前記実施例におけるノズル96による噴射流C
1〜C3と同様な噴射流D1〜D3を形成するノズル孔176a〜1
76fが形成され、各ノズル孔176a〜176fと、隣接する案
内片175とでノズルが構成される。
ノズル孔176a,176fは前記給送方向A2と平行な垂直面
内であって、給送用張架ベルト157に向かう矢符D1の噴
射流を形成する。ノズル孔176b,176fは平面視において
前記給送方向A2と角度α11(例として30゜)をなし、や
はり給送用張架ベルト157に向かう矢符D2で表される噴
射流を形成する。ノズル孔176c,176dは前記矢符D2と平
行で、矢符D3で示す噴射流かつ空気流を形成する。噴射
流D1,D2は中心線l1に集束して合成され空気流D11を形成
する。給送用張架ベルト157の下張架部分215において、
真空吸引箱162によって規定される吸引領域108、給送方
向A2下流側に超えた範囲にわたって被覆するように吸着
される記録紙の給送方向下流側端部よりも予め定める距
離L5だけ前記下流側に隔てた位置に噴射される。給送用
張架ベルト157からの反射空気流が最上部の記録紙P1と
2枚目の記録紙P2との間に吹き込まれて注入される。注
入された空気流は上下方向に膨張し、記録紙P1,P2を分
離する。
前記本体169のノズル孔176a,176fのさらに外方には、
第32図および第33図に断面形状を示すノズル孔177a,177
bが形成される。このノズル孔177a,177bは幅方向外方に
向けて第30図に示すように、前記幅方向に関して角度α
12(例として40゜)給送方向A2上流側になるに従い幅方
向外方に向けて傾斜して構成され、かつ第32図に示すよ
うに、上下方向から角度α13(例として65.7゜)だけ下
方から上方に向かうに従い給送方向A2上流側に傾斜して
構成される。
すなわち前記ノズル孔176a〜176fによる噴射流よりも
前記給送方向A2上流側に向けて矢符D4で示す噴射流かつ
空気流を噴射する。また本体169の前記ノズル177a,177b
より幅方向さらに外方には、第34図に断面形状が示され
る前記給送方向A2と平行な凹溝178a,178bが形成され
る。凹溝178a,178bは、第34図に示されるようにカバー
体170に被覆されて前記給送方向A2と平行な噴射流かつ
空気流(矢符D5で示す)を形成する。
以上のような構成を有する本体169には、第35図に示
されるカバー体170が装着される。このカバー体170の前
記幅方向両側には、上下一対のノズル孔252a,252bを有
する嵌合突部251a,251bが形成される。各一対の各突部2
51a,251bは、前記給送方向A2に突出して形成されてお
り、前記本体169の凹溝178a,178bに嵌合した状態で各凹
孔250a,178a;250b,178bによってそれぞれノズル孔252a,
252bを構成する。これらのノズル孔252a,252bから、前
記第34図で述べたように矢符D5方向に噴射流を形成する
ことができる。このようなカバー体170の端板253には、
上下一対のリブ254,255が一体的に形成されており、こ
れらのリブ254,255によって前記ノズル孔176a〜176eが
各噴射流D1〜D3方向に連通した状態で規定されている。
第36図は給送装置38における載置板149を昇降駆動す
る構成を示す斜視図である。枠体148内には枠体148の底
部から予め定める高さH5に複数のプーリ180a〜180fが図
示のように配置され、前記底部から予め定める高さH6の
位置にプーリ180g〜180jが配置される。これらのプーリ
180a〜180jにワイヤ181が張り渡され、ワイヤ181の両端
はパルスモータ182で回転駆動される駆動ローラ183に巻
き掛けられる。また前記ワイヤ181のうち、枠体148の4
隅で上下方向に延びる部分に前記載置板149の4隅が乗
載される支持片184a〜184dが固定される。
すなわち、パルスモータ182により駆動ローラ183が矢
符E1方向に回転すると載置板149が上昇し、載置板149は
下降する。このようにして第24図に示されるように載置
板149上に載置された記録紙Pの上下方向の最も上の記
録紙P1は前記給送用張架ベルト157a〜157dと予め定める
距離H4を隔てた位置に維持される。これにより給送用張
架ベルト157a〜157dによる前記最上端の記録紙Pの好適
な真空吸着動作を実現することができる。
第37図は、前記ノズル孔176a〜176f;177a,177b;178a,
178bによる前述した矢符D1〜D5,D11で示される各空気流
の基本的機能を説明する斜視図である。矢符D1,D2の各
噴射流は空気流D11として記録紙Pの幅方向に集中さ
れ、最上端の記録紙P1と2番目の記録紙P2との間に後述
するようにして構成される隙間内に吹き込まれて注入さ
れ、上下方向に膨張して記録紙P1,P2を分離させる機能
を実現する。矢符D3で示される空気流も後述するように
記録紙P1,P2の分離動作を行う。
ノズル孔178a,178bからの空気流D5は、積層されてい
る記録紙Pの比較的上方の部分に給送方向A2と平行に噴
射される空気流であり、前記上部付近の複数の記録紙P
を常時浮揚した状態に維持する。一方、ノズル孔177a,1
77bからの矢符D4で示す空気流は、矢符D5の空気流によ
り浮揚した複数枚の記録紙Pのうち最上部の記録紙P1を
給送用張架ベルト157側へ押上げ、真空吸引箱162による
負圧により前記記録紙P1を給送用張架ベルト157に真空
吸着させる。このとき複数枚の記録紙Pが同時に吸着さ
れないように前記矢符D11,D3に示す空気流で記録紙Pの
分離を行う。
第38図は給送装置38における記録紙Pの分離動作を説
明する断面図である。第38図では、説明の簡略化のため
に構成を簡略化して示す。以下、ノズル孔176a〜176fと
これを規定する案内片175とをさばきノズルと称し同一
の参照符で示す。ノズル孔177a,177b;179a,179bとこれ
を規定する案内片175とを押上げノズルおよび浮揚ノズ
ルとそれぞれ称し、やはり同一の参照符で示す。第24図
および第37図に示されるように、載置板149に積み重ね
られた記録紙Pにノズル部材168の浮揚ノズル179から矢
符D5に示す空気流が噴射されると、積み重ねられた記録
紙Pの比較的上方の記録紙は枠体148内で浮揚される。
このとき真空吸引箱162に負圧を発生させると、浮揚
している記録紙Pは、給送用張架ベルト157の下張架部
分215に真空吸着される。このとき最上部の記録紙P1
は、真空吸引箱162に形成され、給送用張架ベルト157の
間から下方に向けて突出している突起167a,167bによっ
て持ち上げられつつ給送用張架ベルト157の前記下張架
部分215に真空吸着される。2枚目の記録紙P2は給送用
張架ベルト157の下張架部分215のほとんどを記録紙P1が
覆っているため、給送用張架ベルト157に吸着されるこ
とが阻止される。吸着される場合でも、比較的弱く吸着
されるだけである。このため第38図に示されるように記
録紙P1,P2の間には、前記突起167a,167bの付近で間隙18
6が生じることになる。
前記さばきノズル176a〜176fからの空気流Dは、前述
したように、一旦給送用張架ベルト157において吸引口1
63に臨んでいない部分に衝突し、その反射流が記録紙P
1,P2間に注入される。したがって、間隙186内に下方向
きに注入された空気流は上下方向に膨張し、その正圧に
より記録紙P1,P2は分離される。またさばきノズル176c,
176dによる矢符D3方向の空気流も前記間隙186内に吸入
され、前記分離動作を実現する。押上げノズル177a,177
bは、浮揚した記録紙Pの最上部付近の1枚または複数
枚の記録紙Pを給送用張架ベルト157側へ持ち上げる。
このようにして本実施例においても、記録紙の幅方向
中央位置CNTに関して対称の位置において前記上下方向
に膨張する空気流C11,C3を形成することができ、用いら
れる記録紙Pが比較的小サイズまたは大サイズのいずれ
であっても、良好な分離動作を実現することができる。
しかもノズル部材168からの空気流は、記録紙Pに対し
て前記幅方向の複数位置に集中されるため、比較的小サ
イズや秤量の小さな記録紙を用いる場合であっても、当
該記録紙Pがさばきノズル176a〜176fからの空気流によ
り、給送用張架ベルト157に吸着することなく飛散され
てしまう事態を回避できる。またさばきノズル176eから
の空気流は前記幅方向内方から外方側へ向いているけれ
ども、この空気流は、さばきノズル176a,176fの空気流
により阻止され、記録紙Pの幅方向両端から漏れる事態
を防ぐことができる。これにより記録紙Pの幅方向両端
部がばたついて積層状態を擾乱したりノイズを発生する
事態が防がれる。
第39図は、給送装置38の給送装置220の他の構成例を
示す断面図である。本実施例は前述の実施例に類似し、
対応する部分には同一の参照符を付す。本実施例の注目
すべき点は、真空吸引箱162に形成される突起167が給送
用張架ベルト157b,157cの間の前記幅方向中央位置CNTに
位置するように定め、さらに給送用張架ベルト157a,157
bの間、および給送用張架ベルト157c,157dの間の真空吸
引箱162に吸引口163e,163fを設けることである。
このような構成を用いる場合、第24図および第37図を
参照して説明したように、浮揚ノズル179a,179bで載置
板149上の記録紙Pを浮揚させ、押上げノズル177a,177b
で浮揚した記録紙Pを給送用張架ベルト157側に押上げ
る。真空吸引箱162が負圧を発生させると、最上部の記
録紙P1は、給送用張架ベルト157に吸着されるが、前記
吸引口163e,163fに臨む範囲は給送用張架ベルト157の間
の隙間であり、したがって、記録紙P1は第39図に示すよ
うに、吸引されて真空吸引箱162側へへこむことにな
る。前記吸引口163fに臨んだ記録紙P1についても同様で
ある。さらに記録紙P1は前記中央位置CNTに形成された
突起167により真空吸引箱162から遠ざかる方向に持ち上
げられる。
したがって記録紙P1,P2の間には前記吸引口163e,163f
および突起167に対応する部分で間隙186が構成される。
したがって、さばきノズル176a〜176fによる空気流C11,
C3は、前記間隙186内に注入され、前述したような上下
方向への膨張により記録紙P1,P2を分離する。このよう
な実施例によっても、前述の実施例で述べた効果と同様
な効果を達成することができる。
第40図は、前記給送装置21におけるノズル部材93の他
の構成例を示す断面図である。本実施例は前述の実施例
に類似し、対応する部分には、同一の参照符を付す。ノ
ズル部材93にはノズル96a〜96hが前述したような構成で
設けられ、前記実施例で説明した噴射流C1,C2,C3,C4を
形成する。ノズル部材93には、弁体188がノズル96hの前
記幅方向外方寄り配置され、弁体189がノズル96aの幅方
向内方寄りに配置される。これらの弁体188,189は、前
記幅方向にのみ往復変位可能であるように設けられ、ワ
イヤ190によって相互に結合される。このワイヤ190は、
弁体189をプーリ191,192を介してノズル部材93の外部に
設けられる電磁ソレノイド193aのプランジャ193bに結合
する。また弁体188には、ばね194が設けられ、弁体189
と反対側にばね付勢される。前記ワイヤ190、プーリ19
1,192、電磁ソレノイド193aおよびプランジャ193bが開
閉駆動手段221を構成する。
すなわち弁体188,189は、電磁ソレノイド193aが作動
していない状態では、ばね194のばね力によって第40図
示の位置に定められ、ノズル96a,96hは全開状態であ
る。一方、電磁ソレノイド193aが作動してプランジャ19
3bが縮退すると、弁体188,189はワイヤ190に矢符E3方向
に引っ張られ、ノズル96a,96hの基端部に移動し、これ
らのノズル96a,96hを遮蔽する。このときノズル部材93
から得られる噴射流は、矢符C1〜C3のみとなる。
第41図および第42図は、本実施例の作用を説明する平
面図である。給送装置21に搬入される記録紙の種類は前
記実施例における給紙装置38〜40のいずれかを選択する
ことによって決定される。すなわち、たとえば選択され
た給紙装置38には、第27図を参照して説明した用紙幅検
知機構222が設けられており、たとえば手動にて設定さ
れた側端規制部材195,196の変位位置により、第7図示
のCPU132は設定された記録紙の用紙幅を検知することが
できる。
選択された記録紙のサイズが比較的小サイズであっ
て、たとえば第41図に示す幅L5などである場合、ノズル
96a,96hからの空気流C4が形成されていれば、この空気
流C4は記録紙Pの幅方向両端から幅方向外方へ向けて漏
れ、記録紙Pの幅方向両端が、いわゆるばたつく状態と
なる。この場合、記録紙Pの給送装置21内における積層
状態が乱れて重送や給送不良などを発生する。また騒音
を発生してしまう。
本実施例では、このような事態を避けるために記録紙
Pが比較的小サイズの場合、前記CPU132の制御により、
電磁ソレノイド193aを作動させ、弁体188,189をノズル9
6a,96hの基端部に矢符E3方向に移動させ、空気流C4を形
成しないようにする。これにより、積み重ねられた記録
紙Pに関して第41図に斜線を付して示す分離領域141が
実現され、前記小サイズの記録紙Pに関して良好な分離
動作が実現される。
一方、選ばれた記録紙Pが比較的大サイズであって、
たとえば第42図における幅L6などである場合、前記空気
流C4を形成しないままであれば、第42図に斜線を付して
示すノズル96b〜96gによる分離領域141が形成されるの
みであり、大サイズの記録紙Pの場合には分離不良をも
たらし、重送などが発生することになる。したがって本
実施例では、選択された記録紙Pが比較的大サイズの場
合、CPU132の制御により電磁ソレノイド193aが消勢さ
れ、弁体188,189は第40図示の位置に矢符E4方向に移動
して復帰する。これによりノズル96a,96hは全開状態と
なり、空気流C4が形成される。これにより前記分離領域
141よりも格段に大きな分離領域142を形成することがで
き、大サイズの記録紙Pにおいても良好な分離動作が実
現される。
第43図は、給紙装置38におけるノズル部材93の他の構
成例を示す断面図である。本実施例は前述の実施例に類
似し、対応する部分には同一の参照符を付す。本実施例
においても、ノズル部材93内に弁体188,189が前実施例
と同一の構成にて配置され、ワイヤ190は弁体188,189を
相互に接続するとともにプーリ191,192を介して側端規
制部材195,196のいずれか一方に接続される。本実施例
では、側端規制部材195に接続される。
側端規制部材195,196は、第27図を参照して説明した
ように、相互に対向する側にラック199,200が形成され
た駆動部材197,198にそれぞれ固定されており、ラック1
99,200はこれらの間に配置されたピニオン201に相互に
反対側から噛み合う。したがって側端規制部材195,196
は、駆動部材197,198とピニオン201とによって相互に連
動しており、一方をたとえば手動で幅方向外方へ移動さ
せると、他方もこれに伴って幅方向外方へ移動する。
すなわち本実施例では、側端規制部材195,196が前述
したような大サイズの記録紙Pに対応する距離L6を隔て
ている状態では、弁体188,189はノズル96a,96gを遮蔽し
ない位置にあり、前記第39図を参照して説明したように
大サイズの記録紙Pに対して良好な分離動作を行う。
一方、比較的小サイズの記録紙Pが用いられ、側端規
制部材195,196が幅L5を隔てるように相互に近接した場
合には、ワイヤ190は、ばね194のばね力に抗して矢符E3
方向に引っ張られ、弁体188,189はノズル96a,96hを遮蔽
する。これにより比較的小サイズの記録紙Pに対して
も、前記第38図を参照して説明したように有利な分離動
作を実現できる。
第44図は、前記ノズル部材93付近のさらに他の構成例
の断面を示す平面図であり、第45図は第44図の正面図で
ある。本実施例は前述の実施例に類似し、対応する部分
には、同一の参照符を付す。本実施例では、側端規制板
195,196の給送方向A2下流側端部に相互に前記幅方向内
方に延びる遮断片202,203を形成している。側端規制板1
95,196が小サイズの記録紙に対応する幅L5を隔てている
ときには、ノズル部材93のノズル96a,96hは遮断片202,2
03によってそれぞれ遮蔽され、記録紙P方向に向かう空
気流C4は遮断される。
一方、側端規制板195,196が大サイズの記録紙Pに対
応する幅L6を隔てている場合には、ノズル96a,96hは遮
断片202,203によっては遮蔽されず、全開状態となる。
また前記遮断片202,203の幅方向の長さL7は側端規制部
材195,196の前記間隔の相違に基づいて、ノズル96a,96h
を開閉自在となるように定められる。
このような実施例によってもノズル96a,96hを記録紙
のサイズに対応して開閉することができ、前述の実施例
の効果と同様な効果を達成することができる。
第46図は、前記ノズル部材93付近のさらに他の構成例
の断面を示す平面図である。本実施例は前述の実施例に
類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。前述の
実施例では、ノズル部材93内に設けられた弁体188,189
はノズル96a,96cを遮蔽または全開の間で切換える作用
を実現していた。本実施例の特徴は、ノズル部材93内に
弁体217,218を設け、この弁体217,218の形状が前述した
ような電磁プランジャ193aの作動時であっても、ノズル
96a,96hを完全には遮断しない形状としたことである。
これによりノズル96a,96hから発生される空気流C4が最
大流量と前記半開状態によって決定される中間流量との
間で変化するようにした。前記中間流量を適宜設定する
ことにより、前述の実施例における効果と同様の効果を
達成することができる。
第47図は、前記ノズル部材93のさらに他の構成例を示
す断面図である。本実施例は前述の実施例に類似し、対
応する部分には同一の参照符を付す。前述の各実施例で
は、載置板45,149の幅方向中央位置CNTに記録紙の幅方
向中央位置を合致させる構成であったが、本実施例では
乗載板45,149の幅方向一方端部に記録紙の幅方向一方端
部が合致させられる。したがって載置板45,149の前記幅
方向一方端に固定側端規制板224が設けられ、他方側に
可動側端規制板225が設けられる。またこれに応じてノ
ズル部材93内に設けられる弁体226は、ノズル部材93の
前記側端規制板225の配置側端部付近のノズル96hを開閉
する形状に選ばれる。このような実施例であっても、前
述の実施例で述べた効果と同一の効果を達成することが
できる。
前記各実施例におけるノズル96a,96d,96e,96hおよび
ノズル孔175cおよびさばきノズル187a,187d,187e,187h
は、本発明の重要な点に関する見地からは採用しない場
合もあり、このような例も本発明の精神に含まれる。ま
た前記実施例における突起107a,107b;167a,167b;206,20
7は直線上に連続した形状に限らず、たとえば円頭形の
単一個の突起の形状でもよく、またこのような突起が複
数個前記給送方向A2に沿って形成された構成であっても
よい。また前記実施例では、記録紙は給送用張架ベルト
46a〜46c,157a〜157d,208に吸引領域108を超える範囲に
わたって吸着され、分離のための空気流は前記のような
記録紙の給送方向A2下流側端部から給送方向下流側に予
め隔てた位置に一旦噴射され、その反射流が記録紙の分
離を行うように構成されている。本発明の他の例とし
て、たとえば記録紙が比較的小サイズの場合、記録紙は
吸引領域108の下流側端部付近を被覆しないで露出させ
るように吸着されるように構成してもよい。このような
場合、分離するための空気流は、吸引領域108内に吸引
され、流量が抑制される。したがって小サイズの記録紙
が大きな流量の空気流により飛散してしまう事態が防が
れる。比較的大サイズや秤量の大きな記録紙の場合に
は、前述の実施例のとおりに吸着させるようにすればよ
い。
本発明の他の実施例として、載置板上には、シートの
幅方向一方の端部が揃えられて積み重ねられ、この一方
端部が揃えられた状態で給送されるように構成されてい
てもよい。
また本発明の他の実施例として、後端規制部材58,152
は、シートのサイズ(すなわち幅および長さなど)また
はその積み重ねられている堆積量を検出手段によって検
出して、給送方向前後に変位駆動するようにしてもよ
い。
本発明は、複写機の記録紙を給送するために実施する
ことができるけでなく、プリンタなどの記録紙を給送す
るために、および記録紙以外のシートを給送するため
に、実施することが可能である。
本発明は、上述の実施例の他に、前掲の特許請求の範
囲に含まれる当業者に容易な改変が可能であり、このよ
うな改変もまた、本発明の精神に含まれることを指摘す
る。
発明の効果 以上のように本発明によれば、載置板上に積み重ねら
された複数のシートの最も上のシートを、給送手段によ
って真空吸着して給送するにあたり、この給送手段で
は、最も上のシートの少なくとも給送方向下流側の端
部、すなわち少なくとも前端部で、幅方向の複数の各位
置で、負圧によって上下に変形させて、給送面に真空吸
着させ、これに対して第2枚目以降の残余の載置板上の
シートはたとえばほぼ平坦のままであり、これによって
最も上のシートの変形した部分と残余のシートとの間に
空間が生じる。この変形した部分付近、したがって前記
シート間の空間に向って、空気流形成手段から空気流を
噴射するようにしたので、最も上のシートと残余のシー
トとの上下の分離を容易にかつ確実に行うとこができ、
最も上のシートを1枚だけ、給送することができる。
このようにして本発明によれば、最も上のシートの負
圧によって上方に部分的に変形された部分に空気流を吹
き込み、これによって最上部のシート、第2枚目および
それ以降のシートとの間の隙間に空気流を吹き込むよう
にしたので、小さいサイズを有し、したがって一般には
軽量のシートを、1枚ずつ給送することができるように
なるのは勿論、大きなサイズを有し、したがって一般に
は大きい重量を有するシートもまた、上下に分離して1
枚ずつ確実に給紙することが可能になり、このようにし
て、広範な各種サイズのシートを、1枚ずつ給送するこ
とが確実に可能になる。この空気流は、第1ノズル孔に
よる幅方向外方に向う空気流と、第2ノズル孔による給
送方向に平行な空気流とが合成されて形成され、このよ
うにすることによって、シートの上下の分離を一層確実
に行うことができるようになる。
また本発明によれば、給送手段は、複数の幅方向に相
互に間隔をあけて配置された給送用張架ベルトと、この
ベルトを駆動する駆動手段と、前記ベルトの下張架部分
の直上に配置された真空吸引箱とを有し、下張架部分
は、多数の空気通過孔を有しており、ここに最も上のシ
ートが真空吸着され、ベルト相互間の前記間隔に、最も
上のシートが負圧で上方に凸にくぼんで湾曲変形し、ま
た残余のシートは前述のようにほぼ平坦であるので、こ
の変形した部分に空気流を吹込むことによって、最も上
のシートと残余のシートとの間の空間に空気流を吹き込
んで、上下のシートの分離を確実に行うことができる。
さらにまた本発明によれば、ベルトの下張架部分の相
互の間隔の各位置で固定位置に、給送面よりも下方に突
出した突起をそれぞれ設け、しかもこの突起の付近に向
って斜めに空気流形成手段からの空気流を噴射するよう
にしたので、シートが突起に沿って確実に、しかも大き
く湾曲して変形し、この変形した部分に空気が入り込
み、シートの上下の分離が確実に行われる。このような
突起は、たとえば特に大きな幅を有するシートを、空気
流を用いて確実に分離させることを可能にする。
さらに本発明によれば、載置板は幅方向中央位置を通
る対称面に関して左右対称に構成され、空気流は左右対
称な各位置から噴射されるので、各シートに、幅方向に
わたって広い範囲で空気流を吹き付けることができ、し
たがってシートを左右対称に上下に分離することが確実
である。
さらにまたこの各空気流は、ノズル部材に形成されて
いる第1および第2ノズル孔からの空気によって形成さ
れ、第1ノズル孔からの空気は、給送方向上流側になる
につれて幅方向外側方となる向きに噴射され、第2ノズ
ル孔は、給送方向にほとんど平行に噴射され、したがっ
てシート間に吹込まれた空気は集束されることになる。
そのため集束した空気は、シートを上下方向に大きな間
隔をあけて分離させることが可能となる。
しかも本発明によれば、第2ノズル孔からの空気は上
述のように給送方向にほぼ平行であり、そのため、第1
ノズル孔からの給送方向上流側になるにつれて幅方向外
方となる向きに噴射される空気が、むやみにシートの外
方に拡散してしまうことが防がれ、これによってシート
の分離が確実になる。
また本発明によれば、第1ノズル孔からの空気によっ
て最も上のシートが突起に押付けられ、この突起に沿っ
て最も上のシートと残余のシートとの間に第2ノズル孔
からの空気を吹込むことができるので、たとえば大きな
幅方向のサイズを有するシートを、容易に、上下に分離
することが可能である。
また本発明によれば、ベルトの下張架部分相互の間隔
内で、幅方向一側方寄りに突起を配置し、その間隔を形
成する1つの下張架部分の側縁との間に、負圧変形用空
間を形成し、しかも空気流を、その突起に向って負圧変
形用空間側に向けて噴射するようにしたので、その空気
流によって最も上のシートが突起に押付けられるのは勿
論、この最も上のシートは、負圧変形用空間に負圧吸引
され、このようにして最も上のシートは上に凸に部分的
に大きく変形する。したがってこの部分的に大きく変形
した最も上のシートの部分と、2枚目以降の残余のシー
トとの間に大きな空間を形成することがで、この大きな
空間に空気流を大量に吹く込むことができるようにな
る。したがって特に大きな幅を有するシートであって
も、上下に確実に分離することができるという優れた効
果が達成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の基本となる構成の給送装置21の断面
図、第2図は給送装置21の平面図、第3図はその側面
図、第4図は給送装置21が用いられる複写機22の断面
図、第5図および第6図は給送装置21の分解斜視図、第
7図は複写機22の電気的構成を示すブロック図、第8図
は載置板45の斜視図、第9図は載置板45の断面図、第10
図は本構成例におけるノズル96b,96cの空気流の状態を
説明する斜視図、第11図は本構成例のノズル96b,96c;96
f,96gによる空気流の状態を説明する平面図、第12図は
ノズル96a〜96hの空気流の状態を説明する平面図、第13
図は本構成例の作用を説明する側面図、第14図〜第17図
は本構成例のノズル96a〜96hの他の配置例を説明する平
面図、第18図はノズル部材93およびノズル96の他の構成
例を示す断面図、第19図〜第22図は載置板45の他の構成
例をそれぞれ示す斜視図、第23図は他の構成例を示す断
面図、第24図は本発明の一実施例の給送装置38の断面
図、第25図は給送装置38における給送用張架ベルト157
付近の平面図、第26図は第25図に示す構成の分解斜視
図、第27図は給送装置38における用紙幅検知機構135を
説明する平面図、第28図は送風ダクト168の本体169の正
面図、第29図は本体169の平面図、第30図は本体169の背
面図、第31図〜第34図は第30図における切断面線A−A,
B−B,C−C,D−Dからそれぞれ見た断面図、第35図はカ
バー体170の正面図、第36図は給送装置38における載置
板149の昇降機構を説明する系統図、第37図は本実施例
における空気流の作用を説明する斜視図、第38図は本実
施例の作用を説明する断面図、第39図は本実施例の他の
構成例を説明する断面図、第40図は本構成例の構成例を
説明する断面図、第41図および第42図は本実施例の作用
を説明する平面図、第43図は本実施例の他の構成例を示
す平面図、第44図は本構成例のさらに他の構成例を示す
断面図、第45図は本実施例の側面図、第46図は本実施例
の他の構成例を示す断面図、第47図は本実施例の他の構
成例を示す断面図、第48図は典型的な従来例の給送装置
1の側面図、第49図は給送装置1に用いられる空気注入
ダクト9およびノズル10の配置状態を説明する断面図、
第50図は給送装置1に用いられる支持トレイ3の斜視
図、第51図は従来例における空気流の状態を説明する平
面図である。 21,30,38……給送装置、22……複写機、25……原稿供給
装置、36……給紙装置、45,149……載置板、46a〜46c,1
57a〜157d,208……給送用張架ベルト、48……中央載置
部、49,50……側載置部、51a,51b……段差部、58,152…
…後端規制部材、96a〜96h……ノズル、103……透孔、1
04,162……真空収納箱、106a〜106c……吸引口、107a,1
07b,167a,167b,206,207……突起、108……吸引領域、13
0,131……側端規制板、132……CPU、135……用紙幅検知
機構、138,139……屈曲部、140a〜140f……領域、141,1
42……分離領域、176a〜176f……ノズル孔(さばきノズ
ル)、177a,177b……ノズル孔(押上ノズル)、179a,17
9b……ノズル孔(浮揚ノズル)、187a〜187h……さばき
ノズル、188,189……弁体、195,196……側端規制部材、
204,205……段差部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 涌田 治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−111844(JP,A) 特開 昭61−254439(JP,A) 特開 昭62−16944(JP,A) 実公 昭47−43187(JP,Y1)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のシートが積み重ねられて載置される
    載置板と、 載置板上のシートよりも上方に設けられ、最上部シート
    を、給送面に真空吸着させ、しかもその最上部シートの
    少なくとも給送方向下流側の端部で、幅方向の複数の各
    位置で、負圧によって上方に部分に変形させて給送する
    給送手段と、 載置板よりも給送方向下流側に配置される空気流形成手
    段であって、各空気流を形成するための第1ノズル孔と
    第2ノズル孔とを有するノズル部材を備え、第1ノズル
    孔は、給送面に真空吸着されている最上部シートの変形
    した部分に向って幅方向中央寄りから給送方向上流側に
    なるにつれて幅方向外方に空気流を噴射し、第2ノズル
    孔は、前記変形した部分に向って給送方向にほぼ平行に
    上流側に向って空気流を噴射する空気流形成手段とを含
    むことを特徴とする最上部シートの給送装置。
  2. 【請求項2】前記給送手段は、 多数の空気通過孔を有し、幅方向に相互に間隔をあけて
    配置され、給送面を形成する複数の給送用張架ベルト
    と、 ベルトを回転駆動してシートの給送を行わせる駆動手段
    と、 ベルトのほぼ水平な下張架部分の直上に載置され、下方
    に開放した真空吸引箱とを有し、 空気流形成手段は、隣接する前記ベルトの下張架部分相
    互間の間隔付近に向って空気流を噴射することを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の最上部シートの給送装
    置。
  3. 【請求項3】前記給送手段は、 多数の空気通過孔を有し、幅方向に相互に間隔をあけて
    配置される複数の給送用張架ベルトと、 ベルトを回転駆動してシートの給送を行わせる駆動手段
    と、 ベルトのほぼ水平な下張架部分の直上に配置され、下方
    に開放した真空吸引箱とを有し、 隣接する前記ベルトの下張架部分相互間の複数の間隔の
    各位置で、給送面よりも下方に突出した突起をそれぞれ
    固定位置に設け、 空気流形成手段は、各突起の付近に向って空気流をそれ
    ぞれ噴射することを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の最上部シートの給送装置。
  4. 【請求項4】前記突起は、給送方向に沿って延びる細長
    い形状を有することを特徴とする特許請求の範囲第3項
    記載の最上部シートの給送装置。
  5. 【請求項5】載置板は、幅方向中央位置を通る対称面に
    関して左右対称に構成され、 空気流形成手段は、前記対称面に関して左右対称な各位
    置から前記空気流をそれぞれ噴射することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の最上部シートの給送装置。
  6. 【請求項6】前記各突起は、ベルトの下張架部分相互間
    の間隔内で、幅方向一側片寄りに配置されて、1つの下
    張架部分の側縁との間に負圧変形用空間を形成し、 空気流は、突起に向って前記負圧変形用空間側から噴射
    されることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の最
    上部シートの給送装置。
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