JP2578003B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP2578003B2 JP33400689A JP33400689A JP2578003B2 JP 2578003 B2 JP2578003 B2 JP 2578003B2 JP 33400689 A JP33400689 A JP 33400689A JP 33400689 A JP33400689 A JP 33400689A JP 2578003 B2 JP2578003 B2 JP 2578003B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なフェノール型シアン色素形成カプラ
ーを含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料に関す
る。
〔従来の技術〕 ハロゲン化銀写真感光材料に露光を与えたあと発色現
像することにより酸化された芳香族一級アミン現像薬と
色素形成カプラー(以下カプラーという)とが反応し、
色画像が形成される。一般に、この方法においては減色
法による色再現法が使われ、青、緑、赤を再現するため
にはそれぞれ補色の関係にあるイエロー、マゼンタ、お
よびシアンの色画像が形成される。シアン色画像の形成
には、フェノール誘導体、あるいはナフトール誘導体が
カプラーとして多く用いられている。カラー写真法にお
いては、色形成カプラーは現像液中に添加されるか、感
光性写真乳剤層、もしくはその他の色像形成層中に内蔵
され、現像によって形成されたカラー現像薬の酸化体と
反応することにより非拡散性の色素を形成する。
カプラーと発色現像主薬との反応はカプラーの活性点
で行なわれ、この活性点に水素原子を有するカプラーは
4当量カプラー、すなわち1モルの色素を形成するのに
化学量論的に4モルの現像核を有するハロゲン化銀を必
要とするものである。一方、活性点に陰イオンとして離
脱可能な基を有するものは2当量カプラー、すなわち1
モルの色素を形成するのに現像核を有するハロゲン化銀
を化学量論的に2モルしか必要としないカプラーであ
り、したがって4当量カプラーに対して一般に感光層中
のハロゲン化銀量を低減でき膜厚を薄くできるため、感
光材料の処理時間の短縮が可能となり、さらに形成され
る色画像の鮮鋭度が向上する。
ところで、シアンカプラーのうちナフトール型カプラ
ーは、生成色素像の吸収が十分に長波長でマゼンタ色素
像の吸収とのクロストークが少なく、かつ発色現像薬の
酸化体とのカップリング反応性において低いものから高
いものまで選べるため、カラーネガティブフィルムを中
心として写真用途に従来広く用いられてきた。しかし、
ナフトール型カプラーから得られる色素像は疲労した漂
白浴または漂白定着浴において蓄積される二価の鉄イオ
ンにより還元され退色する傾向があり(還元退色とい
う)、また熱堅牢性に劣ることから、改良が強く望まれ
ていた。
一方、米国特許第4,333,999号明細書には2位にp−
シアノフェニルウレイド基、5位にバラスト基(耐拡散
性付与基)であるカルボンアミド基を有するフェノール
型シアンカプラーが開示されている。これらのカプラー
は色素がフィルム中で会合することにより深色シフト
し、優れた色相の色素像を与え、かつこれが堅牢性にお
いて優れていることから、前記ナフトール型シアンカプ
ラーに代わるカプラーとして広く利用され始めている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、近年の写真感光材料に対する要求性能
は厳しく、これらのカプラーでさえ、より高いカップリ
ング反応性及びより高い色素吸収濃度が求め続けられて
いる。
従って本発明の目的は高いカップリング反応性及び高
い色素吸収濃度を与えるシアンカプラーを含有するハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記課題を達成すべく、鋭意研究を重ね
た結果、以下のハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、課題が達成し得ることを見出した。
すなわち、支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀
乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、少なくとも一種の下記一般式〔I〕で表わされるシ
アン色素形成カプラーを含有することを特徴とするハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料。
一般式〔I〕 〔式中、R1はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキ
ル基またはアリール基を、R2はベンゼン環に置換可能な
基を、R3はアリール基を、Zは水素原子またはカップリ
ング離脱基をlは0〜4の整数をそれぞれ表わす。〕 上記において、R1〜R3の基は置換基を有するものを包
含する。
以下に、一般式〔I〕で表わされるシアンカプラーに
ついて詳しく説明する。
一般式〔I〕において、R1は好ましくは総炭素原子数
(以下C数という)1〜36(より好ましくは6〜24)の
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、C数2〜36(より
好ましくは6〜24)の直鎖状または分岐鎖状のアルケニ
ル基、C数3〜36(より好ましくは6〜24)の3〜12員
のシクロアルキル基またはC数6〜36(より好ましくは
6〜24)のアリール基を表わし、これらは置換基(例え
ばハロゲン原子と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、
スルホ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カ
ルボンアミド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、ウレイド基、アルコキシカルボニル
アミノ基、スルファモイルアミノ基、アルコキシスルホ
ニル基、イミド基または複素環基、以上置換基群Aとい
う)で置換されていてもよい。R1は好ましくは直鎖状、
分岐鎖状もしくは置換基(アルコキシ基、アルキルチオ
基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルキルスル
ホニル基、アリールスルホニル基、アリール基、アルコ
キシカルボニル基、エポキシ基、シアノ基またはハロゲ
ン原子)を有するアルキル基〔例えばn−オクチル、n
−デシル、n−ドデシル、n−ヘキサデシル、2−エチ
ルヘキシル、3,5,5−トリメチルヘキシル、2−エチル
−4−メチルペンチル、2−ヘキシルデシル、2−ヘプ
チルウンデシル、2−オクチルドデシル、2,4,6−トリ
メチルヘプチル、2,4,6,8−テトラメチルノニル、ベン
ジル、2−フェネチル、3−(t−オクチルフェノキ
シ)プロピル、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキ
シ)プロピル、2−(4−ビフェニリルオキシ)エチ
ル、3−ドデシルオキシプロピル、2−ドデシルチオエ
チル、9,10−エポキシオクタデシル、ドデシルオキシカ
ルボニルメチル、2−(2−ナフチルオキシ)エチ
ル〕、無置換もしくは置換基(例えばハロゲン原子、ア
リール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオ
キシ基、アリールチオ基、またはアルコキシカルボニル
基)を有するアルケニル基〔例えばアリル、10−ウンデ
セニル、オレイル、シトロネリル、シンナミル〕、無置
換もしくは置換基(例えばハロゲン原子、アルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはア
リールオキシ基)を有するシクロアルキル基〔例えばシ
クロペンチル、シクロヘキシル、3,5−ジメチルシクロ
ヘキシル、4−t−ブチルシクロヘキシル〕、または無
置換もしくは置換基(例えばハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール
基、カルボンアミド基、アルキルチオ基またはスルホン
アミド基)を有するアリール基〔例えばフェニル、4−
ドデシルオキシフェニル、4−ビフェニリル、4−ドデ
カンスルホンアミドフェニル、4−t−オクチルフェニ
ル、3−ペンタデシルフェニル〕であり、特に好ましく
は前記直鎖状、分岐鎖状もしくは置換アルキル基であ
る。
一般式〔I〕においてR2はベンゼン環上に置換可能な
基であり、好ましくは前記置換基群Aの中から選ばれる
基であり、lが整数のとき、R2は同じであっても異なっ
ていてもよい。R2はさらに好ましくはハロゲン原子
(F、Cl、Br、I)、C数1〜24のアルキル基(例えば
メチル、ブチル、t−ブチル、t−オクチル、2−ドデ
シル)、C数3〜24のシクロアルキル基(例えばシクロ
ペンチル、シクロヘキシル)、C数1〜24のアルコキシ
基(例えばメトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシ、ベン
ジルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、3−ドデシル
オキシプロポキシ、2−ドデシルチオエトキシ、ドデシ
ルオキシカルボニルメトキシ)、C数2〜24のカルボン
アミド基(例えばアセトアミド、2−エチルヘキサンア
ミド、トリフルオロアセトアミド)またはC数1〜24の
スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ドデ
カンスルホンアミド、トルエンスルホンアミド)であ
る。
一般式〔I〕においてlは好ましくは0〜2の整数で
あり、より好ましくは0または1の整数である。
一般式〔I〕においてR3は好ましくはC数6〜36、よ
り好ましくは6〜15のアリール基を表わし、前記置換基
群Aから選ばれる置換基で置換されていても、縮合環で
あってもよい。ここで、好ましい置換基としてハロゲン
原子(F、Cl、Br、I)、シアノ基、ニトロ基、アシル
基(例えばアセチル、ベンゾイル)、アルキル基(例え
ばメチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、トリクロ
ロメチル)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ、ブトキシ、トリフルオロメトキシ)、アルキルスル
ホニル基(例えばメチルスルホニル、プロピルスルホニ
ル、ブチルスルホニル、ベンジルスルホニル)、アリー
ルスルホニル基(例えばフェニルスルホニル、p−トリ
ルスルホニル、p−クロロフェニルスルホニル)、アル
コキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、ブト
キシカルボニル)、スルホンアミド基(例えばメタンス
ルホンアミド、トリフルオロメタンスルホンアミド、ト
ルエンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えばN,N
−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)
またはスルファモイル基(例えばN,N−ジエチルスルフ
ァモイル、N−フェニルスルファモイル)が挙げられ
る。R3は好ましくはハロゲン原子、シアノ基、スルホン
アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、及びトリフルオロメチル基の中から選ばれる置換基
を少なくとも一つ有するフェニル基であり、さらに好ま
しくは4−シアノフェニル、4−シアノ−3−ハロゲノ
フェニル、3−シアノ−4−ハロゲノフェニル、4−ア
ルキルスルホニルフェニル、4−アルキルスルホニル−
3−ハロゲノフェニル、4−アルキルスルホニル−3−
アルコキシフェニル、3−アルコキシ−4−アルキルス
ルホニルフェニル、3,4−ジハロゲノフェニル、4−ハ
ロゲノフェニル、3,4,5−トリハロゲノフェニル、3,4−
ジシアノフェニル、3−シアノ−4,5−ジハロゲノフェ
ニル、4−トリフルオロメチルフェニルまたは3−スル
ホンアミドフェニルであり、特に好ましくは4−シアノ
フェニル、3−シアノ−4−ハロゲノフェニル、3−ク
ロロ−4−シアノフェニル、3,4−ジシアノフェニルま
たは4−アルキルスルホニルフェニルである。
一般式〔I〕において、Zは水素原子またはカップリ
ング離脱基(離脱原子を含む。以下同じ)を表わす。カ
ップリング離脱基の好ましい例として、ハロゲン原子、
−OR4、−SR4−OSO2R4、−NHCOR4C数6〜30のアリールアゾ基、C数1〜30で、かつ窒素
原子でカップリング活性位(Zの結合する位置)に結合
する複素環基(例えばコハク酸イミド、フタルイミド、
ヒダントイニル、ピラゾリル、2−ベンゾトリアゾリ
ル)などが挙げられる。ここでR4はC数1〜36のアルキ
ル基、C数2〜36のアルケニル基、C数3〜36のシクロ
アルキル基、C数6〜36のアリール基またはC数2〜36
の複素環基を表わす、これらの基は前記A群から選ばれ
る置換基で置換されていてもよい。Zはさらに好ましく
は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオ
キシ基またはアルキルチオ基であり、特に好ましくは水
素原子、塩素原子、下記一般式〔II〕で表わされる基ま
たは下記一般式〔III〕で表わされる基である。
一般式〔II〕 〔式中、R5はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アル
キル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスル
ホニル基、アリールスルホニル基、カルボンアミド基、
スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、カルバモ
イル基、スルファモイル基またはカルボキシル基を、m
は0〜5の整数を表わす。ここでmが複数のときR5は同
じでも異なっていてもよい。〕 一般式〔III〕 (式中、Wは酸素原子または窒素原子を、R6及びR7はそ
れぞれ水素原子または1価の基を、Yは を、 R8及びR9はそれぞれヒドロキシル基、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリール
オキシ基または置換もしくは無置換アミノ基を、nは1
〜6の整数を表わす。ここで、nが複数のとき は同じでも異なっていてもよい。) 一般式〔II〕において、R5は好ましくはハロゲン原
子、アルキル基(例えばメチル、t−ブチル、t−オク
チル、ペンタデシル)、アルコキシ基(例えばメトキ
シ、n−ブトキシ、n−オクチルオキシ、ベンジルオキ
シ、メトキシエトキシ)、カルボンアミド基(例えばア
セトアミド、3−カルボキシプロパンアミド)またはス
ルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、トルエ
ンスルホンアミド、p−ドデシルオキシベンゼンスルホ
ンアミド)であり、特に好ましくはアルキル基またはア
ルコキシ基である。nは好ましくは0〜2の整数、より
好ましくは0または1の整数である。
一般式〔III〕において、R6及び/またはR7が一価の
基を表わすとき、好ましくはアルキル基(例えばメチ
ル、エチル、n−ブチル、エトキシカルボニルメチル、
ベンジル、n−デシル、n−ドデシル)、アリール基
(例えばフェニル、4−クロロフェニル、4−メトキシ
フェニル)、アシル基(例えばアセチル、デカノイル、
ベンゾイル、ピバロイル)またはカルバモイル基(例え
ばN−エチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイ
ル)であり、R6及びR7はさらに好ましくは水素原子、ア
ルキル基またはアリール基である。一般式〔III〕にお
いてYは好ましくは または である。一般式〔III〕においてR8は好ましくはアルキ
ル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオ
キシ基または置換もしくは無置換アミノ基であり、さら
に好ましくはアルコキシ基または置換もしくは無置換ア
ミノ基である。
一般式〔III〕においてnは好ましくは1〜3の整
数、より好ましくは1を表わす。一般式〔III〕におい
てWは好ましくは酸素原子である。
以下に一般式〔I〕における の具体例を示す。
以下に一般式〔I〕におけるR3の例を示す。
以下に一般式〔I〕におけるZの例を示す。
H F Cl -OSO2CH3 -OCH3 -OC2H5 -OCH2CH2OCH3 -OCH2COOCH3 -OCH2CH2COOCH3 -OCH2COOH -OCH2CH2SO2CH3 -OCH2CONHCH2CH2OH -OCH2CONHCH2CH2OCH3 -OCH2CH=CH2 -OCH2CH2SCH2COOH -OCH2CH2NHSO2CH3 -SCH2COOC2H5 -SCH2COOH -SCH2CH2COOH -SCH2CH2OH -OCH2COOC4H9-sec -OCH2COOC4H9-t -OCH2COOCH2CH2OCH3 -OCH2COOCH2COOC2H5 -OCH2COOCH2CH2SO2CH3 なお、Zがカップリング離脱基の場合写真的有用基
(例えば現像抑制剤残基、色素残基)を含有しないこと
が好ましい。
以下に一般式〔I〕で表わされるシアンカプラーの具
体例を示す。ただし( )内はR2の置換位置を示す。
一般式〔I〕で表わされる本発明のシアンカプラーは
種々の合成ルートによって合成することができるが、代
表的な合成ルートを以下に示す。
ここでRは水素原子、メチル基またはエチル基であ
り、Xはハロゲン原子、メシルオキシ基、トシルオキシ
基等の離脱基である。化合物bはチオサリチル酸類また
はチオサリチル酸エステルとR1−Xとの求核置換反応に
より合成される。この反応において、塩基を用いること
は好ましく、ピリジン、トルエチルアミン、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウム
メトキシド、リチウムメトキシド、P−メチルジメチル
アミノピリジン、DABCO(ジアザビシクロオクタン)、
N−メチルモルホリン DBU(ジアザビシクロウンデセ
ン)、DBN(ジアザビシクロノネン)などが好適であ
る。反応溶媒は用いなくてもよいが、アセトニトリル、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N′−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、アセ
トン、トルエン等の溶媒を使用してもよい。反応温度は
通常−20℃〜150℃、好ましくは20℃〜100℃である。
Rがアルキル基の場合、加水分解によりcに誘導す
る。水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、
炭酸ナトリウム水溶液など無機塩基の水溶液を用いるの
が一般的であり、反応溶媒として水、メタノール、エタ
ノール、テトラヒドロフラン等水混和性溶媒が選ばれ
る。反応温度は通常−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜8
0℃である。
cからdへの誘導は塩化チオニル、オキシ塩化リン、五
塩化リン、オキザリルクロリドなどを用い、無溶媒か、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエ
タン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミドなどの溶媒中で反応させることによ
り行なう。反応温度は通常−20℃〜150℃、好ましくは
−10℃〜80℃である。
化合物eは米国特許第4,333,999号、特開昭60−35731
号、同61−2757号、同61−42658号及び特開平63−20856
2号明細書などに記載の合成方法により合成することが
できる。
deとの反応は無溶媒またはアセトニトリル、酢酸エ
チル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N′−
ジメチルイミダゾリジン−2−オンなどの溶媒中、通常
−20℃〜150℃、好ましくは−10℃〜80℃の温度範囲で
行なわれる。このときピリジン、イミダゾール、N,N−
ジメチルアニリンなどの弱塩基を用いてもよい。一般式
〔I〕で表わされるシアンカプラーはceとの直接の脱
水縮合反応によっても合成することができ、この時縮合
剤としてN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、カル
ボニルジイミダゾールなどが用いられる。
合成例1 例示化合物3の合成 窒素気流下、2−ヘキシルデカノール(24.2g、0.10m
ol)の塩化メチレン(200ml)溶液に、トリエチルアミ
ン(12.1g、0.12mol)存在下、メタンスルホニルクロラ
イド(12.5g、0.11mol)を室温にて15分で滴下する。滴
下後1時間攪拌し、水を加え、塩化メチレンにて抽出す
る。0.1規定希塩酸、水、飽和食塩水で洗い、無水硫酸
ナトリウムで乾燥する。減圧下溶媒を留去し、残渣のN,
N−ジメチルホルムアミド(100ml)溶液を、炭酸カリウ
ム(20.0g、0.145mol)存在下チオサリチル酸(15.4g、
0.10mol)のN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)溶媒
に加え、80℃にて2時間攪拌する。冷却後、水を加え、
酢酸エチルで2回抽出する。有機層を1規定希塩酸、
水、飽和食塩水で洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥する。
減圧下溶媒を留去し、塩化メチレン(100ml)、N,N−ジ
メチルホルムアミド(0.5ml)を加え、オキザリルクロ
ライド(15cc)を室温にて15分で滴下し2時間攪拌す
る。減圧下溶媒を留去すると、2−(2−ヘキシルデシ
ルチオ)安息香酸クロライドの粗生成物(31.5g、83
%)が得られた。
米国特許第4,333,999号に記載の合成方法に従って合
成した5−アミノ−2−[3−(4−シアノフェニル)
ウレイド]フェノール(22.2g、0.083mol)のN,N−ジメ
チルアセトアミド(200ml)溶液に室温にて、2−(2
−ヘキシルデシル)チオ安息香酸クロライドの粗生成物
を30分で滴下し、滴下後、60℃にて2時間攪拌する。水
を加え、酢酸エチルで2回抽出する。有機層を0.1規定
希塩酸、水、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで
乾燥する。減圧下溶媒を留去し、残渣をアセトニトリル
から再結晶すると、例示化合物3(38.1g、73%)が得
られた。
本発明において前記シアンカプラーは感光性ハロゲン
化銀1モルあたり、通常0.002ないし0.3モル使用し、好
ましくは0.01ないし0.2モル使用する。また1平方メー
トルあたりの塗布量は、0.01ないし5ミリモルであり、
好ましくは0.1ないし2ミリモルである。
本発明のシアンカプラーは、水中油滴分散法により感
光材料に導入できる。カプラーに対し、重量比で2.0な
いし零の高沸点有機溶媒を使用できる。好ましくは1.0
ないし零の高沸点有機溶媒が使用でき、他の類似構造の
シアンカプラーに比べて0.1ないし零の少量の高沸点有
機溶媒でも安定に分散できる。高沸点有機溶媒を使用せ
ずに安定な分散物が得られるのが本発明のカラー写真感
光材料の特徴である。
本発明においてはカプラー溶媒としては後記のものが
利用できるが、シアンカプラーに対しては、フタル酸エ
ステル類(例えばジブチルフタレート、ジ−2−エチル
ヘキシルフタレート、ジドデシルフタレート、エチルフ
タリルエチルグリコレートなど)、脂肪酸エステル類
(例えば、テトラデカン酸2−エチルヘキシル、ジ−2
−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシル
セバケート、2−エチルヘキシル、9,10−エポキシステ
アレート)、安息香酸エステル類(例えば2−エチルヘ
キシルベンゾエート、ドデシルベンゾエート、ヘキサデ
シル−4−ヒドロキシベンゾエート等)、フェノール類
(例えば、2,4−ジ−t−ペンチルフェノール、2,4−ジ
ノニルフェノール、2,4−ジドデシルフェノールなど)
および塩素パラフィン類(例えば、塩素含量が40〜70重
量%のパラフィン類)などの高沸点有機溶媒が好まし
い。
本発明のシアンカプラーは、感光性乳剤層、非感光性
乳剤層、中間層のいずれの層にも用いる事ができるが、
感光性乳剤層中に添加して用いる事が好ましく、赤感性
乳剤層中に添加して用いる事がより好ましい。
本発明のシアンカプラーは、シアンカプラーとして単
独で用いても良いし、他のシアンカプラーと併用して用
いる事もできる。併用できる好ましいシアンカプラーと
しては、1−ナフトール型シアンカプラー、5−アミド
−1−ナフトール型シアンカプラー(米国特許第690899
号、特開昭64−78252に記載)、2−ウレイドフェノー
ル型シアンカプラー(特開昭64−2044に記載)等が挙げ
られる。
本発明のカプラーは、例えばカラーペーパー、カラー
反転ペーパー、カラーポジフィルム、カラーネガフィル
ム、カラー反転フィルム、カラー直接ポジ感光材料に適
用することができる。特にカラーネガフィルムへの適用
が好ましい。
本発明に用いられる感光材料のハロゲン化銀乳剤は、
沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩化銀等いかなるハロゲ
ン組成のものでも使用できる。
乳剤のハロゲン組成は粒子間で異なつていても等しく
ても良いが、粒子間で等しいハロゲン組成を有する乳剤
を用いると、各粒子の性質を均質にすることが容易であ
る。また、ハロゲン化銀乳剤粒子内部のハロゲン組成分
布については、ハロゲン化銀粒子のどの部分をとつても
組成の等しい所謂均一型構造の粒子や、ハロゲン化銀粒
子内部のコア(芯)とそれを取り囲むシエル(殻)〔一
層または複数層〕とでハロゲン組成の異なる所謂積層型
構造の粒子あるいは、粒子内部もしくは表面に非層状に
ハロゲン組成の異なる部分を有する構造(粒子表面にあ
る場合は粒子のエツジ、コーナーあるいは面上に異組成
の部分が接合した構造)の粒子などを適宜選択して用い
ることができる。高感度を得るには、均一型構造の粒子
よりも後二者のいずれかを用いることが有利であり、耐
圧力性の面からも好ましい。ハロゲン化銀粒子が上記の
ような構造を有する場合には、ハロゲン組成において異
なる部分の境界部は、明確な境界であつても、組成差に
より混晶を形成して不明確な境界であつても良く、また
積極的に連続滴な構造変化を持たせたものであつても良
い。
ハロゲン組成は適用する感光材料の種類によつて異な
り、例えば、カラーペーパーなどのようなプリント材料
においては主として塩臭化銀乳剤系が、カラーネガなど
のような撮影材料においては主として沃臭化銀乳剤系が
用いられる。
また、迅速処理に適した感光材料には塩化銀含有率の
高い所謂高塩化銀乳剤が好ましく用いられる。これ等高
塩化銀乳剤の塩化銀含有率は90モル%以上が好ましく、
95モル%以上が更に好ましい。
こうした高塩化銀乳剤においては臭化銀局在層を先に
述べたような層状もしくは非層状にハロゲン化銀粒子内
部および/または表面に有する構造のものが好ましい。
上記局在相のハロゲン組成は、臭化銀含有率において少
なくとも10モル%のものが好ましく、20モル%を越える
ものがより好ましい。そして、これらの局在層は、粒子
内部、粒子表面のエツジ、コーナーあるいは面上にある
ことができるが、一つの好ましい例として、粒子のコー
ナー部にエピタキシヤル成長したものを挙げることがで
きる。
本発明に使用するハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ
(球状もしくは球に近い粒子の場合は粒子直径を、立方
体粒子の場合は、稜長をそれぞれ粒子サイズとし投影面
積にもとづく平均であらわす。平板粒子の場合も球換算
で表わす。)は、2μm以下で0.1μm以上が好ましい
が、特に好ましいのは1.5μm以下で0.15μm以上であ
る。粒子サイズ分布は狭くても広くてもいずれでもよい
が、ハロゲン化銀乳剤の粒度分布曲線に於る標準偏差値
を平均粒子サイズで割った値(変動率)が20%以内、特
に好ましくは15%以内のいわゆる単分散ハロゲン化銀乳
剤を本発明に使用することが好ましい。また感光材料が
目標とする階調を満足させるために、実質的に同一の感
色性を有する乳剤層において粒子サイズの異なる2種以
上の単分散ハロゲン化銀乳剤(単分散性としては前記の
変動率をもつたものが好ましい)を同一層に混合または
別層に重層塗布することができる。さらに2種以上の多
分散ハロゲン化銀乳剤あるいは単分散乳剤と多分散乳剤
との組合わせを混合あるいは重層して使用することもで
きる。
本発明に使用するハロゲン化銀粒子の形は立方体、八
面体、菱十二面体、十四面体の様な規則的(regular)
な結晶体を有するものあるいはそれらの共存するもので
もよく、また球状などのような変則的(irregular)な
結晶形をもつものでもよく、またこれらの結晶形の複合
形をもつものでもよい。また平板状粒子でもよい。
本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えば
リサーチ・デイスクロージヤー(RD)No.17643(1978年
12月),22〜23頁,“I.乳剤製造(Emulsion preparatio
n and types)”、および同No.18716(1979年11月),64
8頁、グラフキデ著「写真の物理と化学」,ポールモン
テル社刊(P.Glafkides,Chemie et Phisique Photograh
ique,Paul Montel,1967)、ダフイン著「写真乳剤化
学」,フオーカルプレス社刊(G.F.Duffin,Photograhic
Emulsion Chemistry(Focal Press,1966))、ゼリク
マンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フオーカルプレス
社刊(V.L.Zelikman et al,,Making and Coating Photo
grahic Emuldion.Focal Press,1964)などに記載された
方法を用いて調製することができる。
米国特許第3,574,628号、同3,655,394号および英国特
許第1,413,748号などに記載された単分散乳剤も好まし
い。
また、アスペクト比が約5以上であるような平板状粒
子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フ
オトグラフイツク・サイエンス・アンド・エンジニアリ
ング(Gutoff,Photographic Science and Engineerin
g)、第14巻、248〜257頁(1970年);米国特許第4,43
4,226号、同4,414,310号、同4,433,048号、同4,439,520
号および英国特許第2,112,157号などに記載の方法によ
り簡単に調製することができる。
結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハ
ロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をなしてい
てもよい。また、エピタキシヤル接合によつて組成の異
なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、また例えば
ロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接
合されていてもよい。
また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成およ
び分光増感を行ったものを使用する。このような工程で
使用される添加剤はリサーチ・デイスクロージヤーNo.1
7643および同No.18716に記載されており、その該当箇所
を後掲の表にまとめた。
本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記の2つ
のリサーチ・デイスクロージヤーに記載されており、下
記の表に関連する記載箇所を示した。
また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を
防止するために、米国特許4,411,987号や同第4,435,503
号に記載されたホルムアルデヒドと反応して、固定化で
きる化合物を感光材料に添加することが好ましい。
本発明には種々のカラーカプラーを使用することがで
き、その具体例は前出のリサーチ・デイスクロージヤー
(RD)No.17643、VII−C〜Gに記載された特許に記載
されている。
イエローカプラーとしては、例えば米国特許第3,933,
501号、同第4,022,620号、同第4,326,024号、同第4,40
1,752号、同第4,428,961号、特公昭58−10739号、英国
特許第1,425,020号、同第1,476,760号、米国特許第3,97
3,968号、同第4,314,023号、同第4,511,649号、欧州特
許第249,473A号、等に記載のものが好ましい。
マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン系及びピロ
ゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許第4,310,
619号、同第4,351,897号、欧州特許第73,636号、米国特
許第3,061,432号、同第3,725,067号、リサーチ・デイス
クロージヤーNo.24220(1984年6月)、特開昭60−3355
2号、リサーチ・デイスクロージヤーNo.24230(1984年
6月)、特開昭60−43659号、同61−72238号、同60−35
730号、同55−118034号、同60−185951号、米国特許第
4,500,630号、同第4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開WO88/04795号等に記載のものが特に好ましい。
本発明において併用しうるシアンカプラーとしては、
フエノール系及びナフトール系カプラーが挙げられ、米
国特許第4,052,212号、同第4,146,396号、同第4,228,23
3号、同第4,296,200号、同第2,369,929号、同第2,801,1
71号、同第2,772,162号、同第2,895,826号、同第3,772,
002号、同第3,758,308号、同第4,334,011号、同第4,32
7,173号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許第121,
365A号、同第249,453A号、米国特許第3,446,622号、同
第4,333,999号、同第4,775,616号、同第4,451,559号、
同第4,427,767号、同第4,690,889号、同第4,254,212
号、同第4,296,199号、特開昭61−42658号等に記載のも
のが好ましい。
発色色素の不要吸収を補正するためのカラード・カプ
ラーは、リサーチ・デイスクロージヤーNo.17643のVII
−G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−39413号、
米国特許第4,004,929号、同第4,138,258号、英国特許第
1,146,368号に記載のものが好ましい。また、米国特許
第4,774,181号に記載のカツプリング時に放出された蛍
光色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラー
や、米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反応し
て色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基として
有するカプラーを用いることも好ましい。
発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、
米国特許第4,366,237号、英国特許第2,125,570号、欧州
特許第96,570号、西独特許(公開)第3,234,533号に記
載のものが好ましい。
ポリマー化された色素形成カプラーの典型例は、米国
特許第3,451,820号、同第4,080,211号、同第4,367,282
号、同第4,409,320号、同第4,576,910号、英国特許第2,
102,173号等に記載されている。
カツプリングに伴って写真的に有用な残基を放出する
カプラーもまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制
剤を放出するDIRカプラーは、前述のRD17643、VII〜F
項に記載された特許、特開昭57−151944号、同57−1542
34号、同60−184248号、同63−37346号、同63−37350
号、米国特許4,248,962号、同4,782,012号に記載された
ものが好ましい。
現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放出す
るカプラーとしては、英国特許第2,097,140号、同第2,1
31,188号、特開昭59−157638号、同59−170840号に記載
ものが好ましい。
その他、本発明の感光材料に用いることのできるカプ
ラーとしては、米国特許第4,130,427号等に記載の競争
カプラー、米国特許第4,283,472号、同第4,338,393号、
同第4,310,618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60
−185950号、特開昭62−24252号等に記載のDIRレドツク
ス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出カプラー、DIR
カプラー放出レドツクス化合物もしくはDIRレドツクス
放出レドツクス化合物、欧州特許第173,302A号、同第31
3,308A号に記載の離脱後復色する色素を放出するカプラ
ー、R.D.No.11449、同24241、特開昭61−201247号等に
記載の漂白促進剤放出カプラー、米国特許第4,553,477
号等に記載のリガンド放出カプラー、特開昭63−75747
号に記載のロイコ色素を放出するカプラー、米国特許第
4,774,181号に記載の蛍光色素を放出するカプラー等が
挙げられる。
本発明に使用するカプラーは、種々の公知分散方法に
より感光材料に導入できる。
水中油滴分散法に用いられる高沸点有機溶媒の例は米
国特許第2,322,027号などに記載されている。また、ポ
リマー分散法の1つとしてのラテツクス分散法の工程、
効果、含浸用のラテツクスの具体例は、米国特許第4,19
9,363号、西独特許出願(OLS)第2,541,274号および同
第2,541,230号などに、有機溶媒可溶性ポリマーによる
分散法についてはPCT国際公開番号WO88/00723号明細書
に記載されている。
前述の水中油滴分散法に用いる高沸点有機溶媒として
は、例えばフタール酸アルキルエステル(ジブチルフタ
レート、ジオクチルフタレートなど)、リン酸エステル
(ジフエニルフオスフエート、トリフエニルフオスフエ
ート、トリクレジルフオスフエート、ジオクチルブチル
フオスフエート)、クエン酸エステル(例えばアセチル
クエン酸トリブチル)、安息香酸エステル類(例えば、
安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジクロロ安息香酸
2−エチルヘキシル)、アルキルアミド(例えばジエチ
ルラウリルアミド)、脂肪酸エステル類(例えば、コハ
ク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、テトラデカン酸2−ヘキシルデシル、クエン酸トリ
ブチル、ジエチルアゼレート)、塩素化パラフィン類
(塩素含量10%ないし80%のパラフィン類)、トリメシ
ン酸エステル類(例えばトリメシン類トリブチル)な
ど、又は沸点約30℃〜150℃の有機溶媒、例えば酢酸エ
チル、酢酸ブチルの如き低級アルキルアセテート、プロ
ピオン酸エチル、2級ブチルアルコール、メチルイソブ
チルケトン、β−エトキシエチルアセテート、メチルセ
ロソルブアセテート等を併用してもよい。
併用しうるカラーカプラーの標準的な使用量は、感光
性ハロゲン化銀の1モルあたり0.001ないし1モルの範
囲であり、好ましくはイエローカプラーでは0.01ないし
0.5モル、マゼンタカプラーでは0.003ないし0.3モル、
またシアンカプラーでは0.002ないし0.3モルである。
本発明のカラー感光材料中には、特開昭63−257747
号、同62−272248号、および特開平1−80941号に記載
の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチ
ル、p−ヒドロキシベンゾエート、フエノール、4−ク
ロル−3,5−ジメチルフエノール、2−フエノキシエタ
ノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール等
の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好まし
い。
本発明に用いられる写真感光材料は通常用いられてい
るプラスチツクフイルム(硝酸セルロース、酢酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレートなど)、紙などの可
撓性支持体またはガラス、などの剛性の支持体に塗布さ
れる。支持体及び塗布方法については、詳しくはリサー
チ・デイスクロージヤー176巻 Item 17643 XV項(p.
27)XVII項(p.28)(1978年12月号)に記載されてい
る。
本発明を用いて作られる感光材料は、色カブリ防止剤
として、ハイドロキノン誘導体、アミノフエノール誘導
体、没食子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体などを含有
してもよい。
本発明の感光材料には、種々の褪色防止剤を用いるこ
とができる。即ち、シアン、マゼンタ及び/又はイエロ
ー画像用の有機褪色防止剤としてはハイドロキノン類、
6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラン
類、スピロクロマン類、p−アルコキシフエノール類、
ビスフエノール類を中心としたヒンダードフエノール
類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類アミ
ノフエノール類、ヒンダードアミン類およびこれら各化
合物のフエノール性水酸基をシリル化、アルキル化した
エーテルもしくはエステル誘導体が代表例として挙げら
れる。また、(ビスサリチルアルドキシマト)ニツケル
錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバマ
ト)ニツケル錯体に代表される金属錯体なども使用でき
る。
有機褪色防止剤の具体例は以下の特許の明細書に記載
されている。
ハイドロキノン類は米国特許第2,360,290号、同第2,4
18,613号、同第2,700,453号、同第2,701,197号、同第2,
728,659号、同第2,732,300号、同第2,735,765号、同第
3,982,944号、同第4,430,425号、英国特許第1,363,921
号、米国特許第2,710,801号、同第2,816,028号などに、
6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラン
類、スピロクロマン類は米国特許第3,432,300号、同第
3,573,050号、同第3,574,627号、同第3,698,909号、同
第3,764,337号、特開昭52−152225号などに、スピロイ
ンダン類は米国特許第4,360,589号に、p−アルコキシ
フエノール類は米国特許第2,735,765号、英国特許第2,0
66,975号、特開昭59−10539号、特公昭57−19765号など
に、ヒンダードフエノール類は米国特許第3,700,455
号、特開昭52−72224号、米国特許4,228,235号、特公昭
52−6623号などに、没食子酸誘導体、メチレンジオキシ
ベンゼン類、アミノフエノール類はそれぞれ米国特許第
3,457,079号、同第4,332,886号、特公昭56−21144号な
どに、ヒンダードアミン類は米国特許第3,336,135号、
同第4,268,593号、英国特許第1,326,889号、同第1,354,
313号、同第1,410,846号、特公昭51−1420号、特開昭58
−114036号、同第59−53846号、同第59−78344号など
に、金属錯体は米国特許第4,050,938号、同第4,241,155
号、英国特許第2,027,731(A)号などにそれぞれ記載
されている。これらの化合物は、それぞれ対応するカラ
ーカプラーに対し通常5ないし100重量%をカプラーと
共乳化して感光層に添加することにより、目的を達成す
ることができる。シアン色素像の熱および特に光による
劣化を防止するためには、シアン発色層およびそれに隣
接する両側の層に紫外線吸収剤を導入することがより効
果的である。
紫外線吸収剤としては、アリール基で置換されたベン
ゾトリアゾール化合物(例えば米国特許第3,533,794号
に記載のもの)、4−チアゾリドン化合物(例えば米国
特許第3,314,794号、同第3,352,681号に記載のもの)、
ベンゾフエノン化合物(例えば特開昭46−2784号に記載
のもの)、ケイヒ酸エステル化合物(例えば米国特許第
3,705,805号、同第3,707,395号に記載のもの)、ブタジ
エン化合物(米国特許第4,045,229号に記載のもの)、
あるいはベンゾオキシドール化合物(例えば米国特許第
3,700,455号に記載のもの)を用いることができる。紫
外線吸収性のカプラー(例えばα−ナフトール系のシア
ン色素形成カプラー)や、紫外線吸収性のポリマーなど
を用いてもよい。これらの紫外線吸収剤は特定の層に媒
染されていてもよい。
なかでも前記のアリール基で置換されたベンゾトリア
ゾール化合物が好ましい。
本発明の感光材料の乳剤層に用いることのできる結合
剤または保護コロイドとしては、ゼラチンを用いるのが
有利であるが、それ以外の親水性コロイド単独あるいは
ゼラチンと共に用いることができる。
本発明においてゼラチンは石灰処理されたものでも、
酸を使用して処理されたものでもどちらでもよい。ゼラ
チンの製法の詳細はアーサー・ヴアイス著、ザ・マクロ
モレキユラー・ケミストリー・オブ・ゼラチン(アカデ
ミツク・プレス、1964年発行)に記載がある。
本発明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、
好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分
とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬とし
ては、アミノフエノール系化合物も有用であるが、p−
フエニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その
代表例としては3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミド−N−エチル−N
−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩
酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩などが挙げられ
る。これらの化合物は目的に応じ2種以上併用すること
もできる。
発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もし
くはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物塩、沃化物塩、
ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメ
ルカプト化合物のような現像抑制剤またはカブリ防止剤
などを含むのが一般的である。また必要に応じて、ヒド
ロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、亜硫酸
塩ヒドラジン類、フエニルセミカルバジド類、トリエタ
ノールアミン、カテコールスルホン酸類、トリエチレン
ジアミン(1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン)類
の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレング
リコールのような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリ
エチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類の
ような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、
ナトリウムボロンハイドライドのようなカブラセ剤、1
−フエニル−3−ピラゾリドンのような補助現像主薬、
粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホ
ン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表
されるような各種キレート剤、例えば、エチレンジアミ
ン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチル
イミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン
酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレン
ホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフ
エニル酢酸)及びそれらの塩を代表例として挙げること
ができる。
また反転処理を実施する場合は通常黒白現像を行って
から発色現像する。この黒白現像液には、ハイドロキノ
ンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フエニル−3−
ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類またはN−メチ
ル−p−アミノフエノールなどのアミノフエノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。
これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは9〜12であ
ることが一般的である。またこれらの現像液の補充量
は、処理するカラー写真感光材料にもよるが、一般に感
光材料1平方メートル当たり3l以下であり、補充液中の
臭化物イオン濃度を低減させておくことにより500ml以
下にすることもできる。補充量を低減する場合には処理
槽の空気との接触面積を小さくすることによつて液の蒸
発、空気酸化を防止することが好ましい。また現像液中
の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることにより
補充量を低減することもできる。
発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理される。漂白
処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし(漂白定着
処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理の迅速化を
図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理方法でもよ
い。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理すること、
漂白定着処理の前に定着処理すること、又は漂白定着処
理後漂白処理することも目的に応じて任意に実施でき
る。漂白剤としては、例えば鉄(III)、コバルト(II
I)、クロム(VI)、銅(II)などの多価金属の化合
物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。
代表的漂白剤としてはフエリシアン化物;重クロム酸
塩;鉄(III)もしくはコバルト(III)の有機錯塩、例
えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二
酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸類も
しくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩;過硫酸
塩;臭素酸塩;過マンガン酸塩;ニトロベンゼン類など
を用いることができる。これらのうちエチレンジアミン
四酢酸鉄(III)錯塩を始めとするアミノポリカルボン
酸鉄(III)錯塩及び過硫酸塩は迅速処理と環境汚染防
止の観点から好ましい。さらにアミノポリカルボン酸鉄
(III)錯塩は漂白液においても、漂白定着液において
も特に有用である。これらのアミノポリカルボン酸鉄
(III)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常
5.5〜8であるが、処理の迅速化のために、さらに低いp
Hで処理することもできる。
漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴には、必要に応
じて漂白促進剤を使用することができる。有用な漂白促
進剤の具体例は、次の明細書に記載されている:米国特
許第3,893,858号、西独特許第1,290,812号、特開昭53−
95630号、リサーチ・デイスクロージヤーNo.17,129号
(1978年7月)などに記載のメルカプト基またはジスル
フイド結合を有する化合物;特開昭50−140129号に記載
のチアゾリジン誘導体;米国特許第3,706,561号に記載
のチオ尿素誘導体;特開昭58−16235号に記載の沃化物
塩;西独特許第2,748,430号に記載のポリオキシエチレ
ン化合物類;特公昭45−8836号記載のポリアミン化合物
類;臭化物イオン等が使用できる。なかでもメルカプト
基またはジスルフイド基を有する化合物が促進効果が大
きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,858号、西
独特許第第1,290,812号、特開昭53−95630号に記載の化
合物が好ましい。更に、米国特許第4,552,834号に記載
の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感光材料中
に添加してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定着
するときにこれらの漂白促進剤は特に有効である。
定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエ
ーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげ
ることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、
特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。漂
白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜硫酸塩ある
いはカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、脱銀処
理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一般的であ
る。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えば
カプラー等使用素材による)、用途、更には水洗水温、
水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充方式、そ
の他種々の条件によつて広範囲に設定し得る。このう
ち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係
は、Journal of the Society of Motion Picture and T
elevision Engineers 第64巻、p.248〜253(1955年5月
号)に記載の方法で、求めることができる。
前記文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を
大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の
増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感
光材料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感
光材料の処理において、このような問題の解決策とし
て、特開昭62−288838号に記載のカルシウムイオン、マ
グネシウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用い
ることができる。また、特開昭57−8542号に記載のイソ
チアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソ
シアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベン
ゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴の化学」(1986
年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防
黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編
「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いる
こともできる。
本発明の感光材料の処理における水洗水のpHは、4〜
9であり、好ましくは5〜8である。水洗水温、水洗時
間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し得るが、一
般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜40℃で
30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感光材
料は、上記水洗に代り、直接安定液によつて処理するこ
ともできる。このような安定化処理においては、特開昭
57−8543号、58−14834号、同60−220345号に記載の公
知の方法はすべて用いることができる。
又、前記水洗処理に続いて、更に安定化処理する場合
もあり、その例として、撮影用カラー感光材料の最終浴
として使用される、ホルマリンと界面活性剤を含有する
安定浴を挙げることができる。この安定浴にも各種キレ
ート剤や防黴剤を加えることもできる。
上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロ
ー液は脱銀工程等他の工程において再利用することもで
きる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略
化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。
内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレカーサーを
用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,342,597号記
載のインドアニリン系化合物、同第3,342,599号、リサ
ーチ・デイスクロージヤー14,850号及び同15,159号記載
のシツフ塩基型化合物、同13,924号記載のアルドール化
合物、米国特許第3,719,492号記載の金属塩錯体、特開
昭53−135628号記載のウレタン系化合物を挙げることが
できる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じ
て、発色現像を促進する目的で、各種の1−フエニル−
3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な化合物
は特開昭56−64339号、同57−144547号、および同58−1
15438号等記載されている。
本発明における各種処理液は10℃〜50℃において使用
される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、よ
り高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆に
より低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達
成することができる。また、感光材料の節銀のため西独
特許第2,226,770号または米国特許第3,674,499号に記載
のゴバルト補力もしくは過酸化水素補力を用いた処理を
行つてもよい。
(実施例) 次に、本発明の効果を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 下塗を施した三酢酸セルロース支持体上に、乳剤層及
び保護層の二層よりなる単色に発色する感光材料(試料
101−117)を下記に示す組成で作成した。数値は、カプ
ラー以外についてはg/m2単位で表わした。(ハロゲン化
銀については、銀換算での値を示した) 乳剤層 沃臭化銀乳剤(沃化銀2モル%、 平均粒径0.3μm) 銀0.8 ゼラチン 1.2 カプラー(第1表参照)mol/m2単位0.001 ジブチルフタレート 0.3 保護層 ゼラチン 0.9 ポリメチルメタアクリレート 粒子(直径1.5μm) 0.4 1−オキシ−3,5−ジクロロ −s−トリアジン酸ナトリウム 0.04 このようにして作成したカラー感光材料(試料101−1
17)を、連続濃度のウエッジを用いて、露光強度40cms
にて露光した後、下記の標準カラー現像処理を行なっ
た。
標準カラー現像処理(温度38℃) カラー現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 定 着 4分20秒 水 洗 5分 安 定 1分 各工程に用いた処理液組成は下記の通りであった。
カラー現像液 ジエチレントリアミン五酢酸 1.0g 1−ヒドロキシエチリデン− 1,1−ジホスホン酸 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸カリウム 30.0g 臭化カリウム 1.4g 沃化カリウム 1.3mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−β− ヒドロキシエチルアミノ) 2−メチルアニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて 1.0l pH10.0 漂白液 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第2鉄アン モニウム1水塩 105.0g アンモニア水 3.0ml 臭化アンモニウム 150.0g 硝酸アンモニウム 10.0g 水を加えて 1.0l pH4.2 定着液 エチレンジアミン四酢酸二ナ トリウム塩 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム水溶液 (70%) 175.0ml 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて 1.0l pH6.6 安定液 ホルマリン(40%) 2.0ml ポリオキシエチレン−p−モ ノノニルフェニルエーテル (平均重合度≒10) 0.3g 水を加えて 10.0l 標準カラー現像処理工程においてシアン発色した試料
(101−117)を、富士式濃度計(FSD)を用いて、ガン
マ値(かぶり濃度に比べて0.3だけ濃度が高い点と0.8だ
け濃度が高い点を結んだ直線の傾き)と、Dmax(最大発
色濃度)を測定した。結果を第1表に示す。各値は、試
料101の測定値を1としたときの相対値で表わした。
第1表より明らかなように、本発明の化合物を用いた
試料の場合、比較カラプーAを用いた場合に比べて、カ
ップリング反応性および最大発色濃度が高い。
実施例2 下塗りを施した三酢酸セルロース支持体上に、下記の
組成の感光層を塗布した多層ハロゲン化銀感光材料(試
料201〜217)を作成した。
(感光層組成) 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を
示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 0.34 第2層(中間層) 2,5−ジ−t−ペンタデシル ハイドロキノン 0.18 EX−1 0.07 EX−3 0.02 EX−12 0.002 U−1 0.06 U−2 0.08 U−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.02 ゼラチン 0.88 第3層(第1赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 増感色素I 6.9×10-5 増感色素II 1.8×10-5 増感色素III 3.1×10-4 カプラー(第2表参照) 6.3×10-4(モル/m2) EX−10 0.020 HBS−1 0.060 ゼラチン 0.73 第4層(第2赤感乳剤層) 乳剤G 銀 1.0 増感色素I 5.1×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.3×10-4 カプラー(第2表参照) 7.5×10-4(モル/m2) EX−3 0.020 EX−4 0.030 EX−10 0.015 HBS−1 0.060 ゼラチン 1.1 第5層(第3赤感乳剤層) 乳剤D 銀 1.60 増感色素I 5.4×10-5 増感色素II 1.4×10-5 増感色素III 2.4×10-4 EX−3 0.010 EX−4 0.080 EX−2 0.097 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.39 第6層(中間層) EX−5 0.040 HBS−1 0.020 ゼラチン 0.68 第7層(第1緑感乳剤層) 乳剤A 銀 0.15 乳剤B 銀 0.15 増感色素V 3.0×10-5 増感色素VI 1.0×10-4 増感色素VII 3.8×10-4 EX−6 0.260 EX−1 0.021 EX−7 0.030 EX−8 0.025 HBS−1 0.100 HBS−3 0.010 ゼラチン 1.53 第8層(第2緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.45 増感色素V 2.1×10-5 増感色素VI 7.0×10-5 増感色素VII 2.6×10-4 EX−6 0.094 EX−8 0.018 EX−7 0.026 HBS−1 0.160 HBS−3 0.008 ゼラチン 0.43 第9層(第3緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.2 増感色素V 3.5×10-5 増感色素VI 8.0×10-5 増感色素VII 3.0×10-4 EX−13 0.015 EX−14 0.015 EX−11 0.100 EX−1 0.025 HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.31 第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.05 EX−5 0.08 HBS−1 0.03 ゼラチン 0.81 第11層(第1青感乳剤層) 乳剤A 銀 0.08 乳剤B 銀 0.07 乳剤F 銀 0.07 増感色素VIII 3.5×10-4 EX−9 0.72 EX−8 0.042 HBS−1 0.28 ゼラチン 0.94 第12層(第2青感乳剤層) 乳剤G 銀 0.45 増感色素VIII 2.1×10-4 EX−9 0.154 EX−10 0.007 HBS−1 0.05 ゼラチン 0.66 第13層(第3青感乳剤層) 乳剤H 銀 0.77 増感色素VIII 2.2×10-4 EX−15 0.20 HBS−1 0.07 ゼラチン 0.69 第14層(第1保護層) 乳剤I 銀 0.5 U−4 0.11 U−5 0.17 HBS−1 0.05 ゼラチン 0.85 第15層(第2保護層) ポリメチルアクリレート粒子 (直径 約1.5μm) 0.54 S−1 0.20 ゼラチン 1.20 各層には上記の成分の他に、ゼラチン硬化剤H−1や
界面活性剤を添加した。
HBS−1 トリクレジルホスフェート HBS−2 ジ−n−ブチルフタレート この時作成した試料201〜217の支持体及び支持体の下
塗り層を除く全塗布層の乾燥膜厚は、16.5μであった。
作成した試料(201〜217)は、35mm巾に裁断・加工し
赤色光のウエッジ露光を与えた。
次に、下記に示す処理処方でシネ式自動現像機を用い
て処理を行った。但し、性能を評価する試料は発色現像
液の累積補充量が母液タンク容量の3倍量になるまで像
様露光を与えた試料を処理してから、処理を実施した。
以下に処理液の組成を示す。
(母液現像液) (漂白液) (定着液) 母液、補充液共通(g) エチレンジアミン四酢酸二 アンモニウム塩 1.7 亜硫酸アンモニウム 14.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液 (700g/l) 340.0ml 水を加えて 1.0l pH 7.0 (水洗水)母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンド
ハース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強塩基性
アニオン交換樹脂(同アンバーライトIRA−400)を充填
した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウ
ムイオン濃度を3mg/l以下に処理し、続いて二塩化イソ
シアヌール酸ナトリウム20mg/lと硫酸ナトリウム150mg/
lを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
(安定液)母液、補充液共通 (単位g) ホルマリン(37%) 1.2ml 界面活性剤 0.4 〔C10H21-OCH2CH2O10H〕 エチレングリコール 1.0 水を加えて 1.0 l pH 5.0−7.0 現像処理によって発色した試料(201〜217)を富士式
濃度計を用いて、赤色濃度を測定した。第3表には、試
料201において濃度1.0を与えた露光量における各試料の
濃度を示した。
第2表の結果より、本発明の試料は多層感光材料にお
いても、高い発色性を示すことがわかる。
(発明の効果) 以上の結果から明らかなように、本発明のハロゲン化
銀カラー写真感光材料においてはシアンカプラーのカッ
プリング反応性が高く、画像の発色濃度が高いという優
れた効果を奏する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀
    乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
    て、少なくとも一種の下記一般式〔I〕で表わされるシ
    アン色素形成カプラーを含有することを特徴とするハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式〔I〕 〔式中、R1はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキ
    ル基またはアリール基を、R2はベンゼン環に置換可能な
    基を、R3はアリール基を、Zは水素原子またはカップリ
    ング離脱基を、lは0〜4の整数をそれぞれ表わす。〕
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