JP2576862B2 - カルボスチリル誘導体 - Google Patents

カルボスチリル誘導体

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JP2576862B2
JP2576862B2 JP62049374A JP4937487A JP2576862B2 JP 2576862 B2 JP2576862 B2 JP 2576862B2 JP 62049374 A JP62049374 A JP 62049374A JP 4937487 A JP4937487 A JP 4937487A JP 2576862 B2 JP2576862 B2 JP 2576862B2
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不二男 田房
和良 詠
啓徳 筒井
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、カルボスチリル誘導体に関する。
発明の開示 本発明のカルボスチリル誘導体は、下記一般式(1)
で表わされる。
〔式中R1は水素原子、低級アルケニル基、低級アルキニ
ル基、フエニル低級アルキル基又はフエニル低級アルコ
キシカルボニル低級アルキル基を示す。R2は1−ピペラ
ジニル基を示す。このピペラジン環上には、炭素数1〜
6のアルキル基が置換していてもよい。R3は置換基とし
てハロゲン原子を1〜3個有することのある低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基又はフエニル低級アルコキシ基
を示す。nは0又は1を示す。但しR3はカルボスチリル
骨格の8位に置換しているものとする。またR1が水素原
子を示し、R2が無置換の1−ピペラジニル基を示す場
合、nは0であつてはならない。〕 上記一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体
及びその塩は、抗不整脈作用を有している。上記化合物
は、特に心筋の収縮力には殆んど影響を及ぼさず、虚血
時等に生じる刺激生成異常を抑制するという特徴を有し
ている。
本明細書において、R1〜R8及びX1〜X3で示される各基
は、より具体的にはそれぞれ以下の通りである。
低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状ア
ルキル基を挙げることができる。
低級アルケニル基としては、例えばビニル、アリル、
2−ブテニル、3−ブテニル1−メチルアリル、2−ペ
ンテニル、2−ヘキセニル基等の炭素数2〜6の直鎖又
は分枝鎖状アルケニル基を挙げることができる。
低級アルキニル基としては、例えばエチニル、2−プ
ロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−
2−プロピニル、2−ペンチニル、2−ヘキシニル基等
の炭素数2〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキニル基を挙げ
ることができる。
フエニル低級アルキル基としては、例えばベンジル、
2−フエニルエチル、1−フエニルエチル、3−フエニ
ルプロピル、4−フエニルブチル、1,1−ジメチル−2
−フエニルエチル、5−フエニルペンチル、6−フエニ
ルヘキシル、2−メチル−3−フエニルプロピル、ジフ
エニルメチル、2,2−ジフエニルエチル基等のアルキル
部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基であ
り、フエニル基が1〜2個置換していてもよいフエニル
アルキル基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、例えば弗素原子、塩素原子、
臭素原子及び沃素原子が挙げられる。
低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素数
1〜6の直鎖又は分岐鎖状アルコキシ基を挙げることが
できる。
炭素数1〜6のアルキル基が置換した1−ピペラジニ
ル基としては、例えば4−メチル−1−ピペラジニル、
3,4−ジメチル−1−ピペラジニル、2,4−ジメチル−1
−ピペラジニル、2,4,5−トリメチル−1−ピペラジニ
ル、4−エチル−1−ピペラジニル、4−tert−ブチル
−1−ピペラジニル基等を挙げることができる。
フエニル低級アルコキシ基としては、例えばベンジル
オキシ、2−フエニルエトキシ、1−フエニルエトキ
シ、3−フエニルプロポキシ、4−フエニルブトキシ、
1,1−ジメチル−2−フエニルエトキシ、5−フエニル
ペンチルオキシ、6−フエニルヘキシルオキシ、2−メ
チル−3−フエニルプロポキシ基等のアルコキシ部分が
炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基であるフ
エニルアルコキシ基を挙げることができる。
置換基としてハロゲン原子を1〜3個有することのあ
る低級アルキル基としては、前記低級アルキル基に加え
て、ヨードメチル、トリフルオロメチル、2,2−ジフル
オロエチル、1,1−ジクロロエチル、トリクロロメチ
ル、ジクロロメチル、トリブロモメチル、2,2,2−トリ
フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−フル
オロエチル、2−クロロエチル、1−フルオロエチル、
1,2−ジクロロエチル、3,3,3−トリクロロプロピル、3
−フルオロプロピル、4−クロロブチル、3−クロロ−
2−メチルエチル基等の置換基としてハロゲン原子を1
〜3個有することのある炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖
状アルキル基を例示できる。
フエニル低級アルコキシカルボニル低級アルキル基と
しては、フエニルメトキシカルボニルメチル、2−(2
−フエニルエトキシカルボニル)エチル、1−(1−ヘ
ニルエトキシカルボニル)エチル、3−(3−フエニル
プロポキシカルボニル)プロピル、4−(4−フエニル
ブトキシカルボニル)ブチル、1,1−ジメチル−2−
(2−フエニルエトキシカルボニル)エチル、5−(5
−フエニルペンチルオキシカルボニル)ペンチル、6−
(6−フエニルヘキシルオキシカルボニル)ヘキシル、
2−メチル−3−(3−フエニルプロポキシカルボニ
ル)プロピル基等のアルキルもしくはアルコキシ部分の
炭素数が1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキルもしくはア
ルコキシ基であるフエニルアルコキシカルボニルアルキ
ル基を例示できる。
上記一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体
は、種々の方法で製造され得るが、その一例を示せば例
えば下記反応式で示される方法により製造される。
反応式−1 〔式中R2、R3及びnは前記に同じ。R4及びR5はそれぞれ
低級アルキル基を示す。〕 一般式(2)の化合物の環化反応は、例えば適当な
溶媒中接触還元触媒を用いて還元するか又は適当な不
活性溶媒中、金属もしくは金属塩と酸又は金属もしくは
金属塩とアルカリ金属水酸化物、硫化物、アンモニウム
塩等との混合物等を還元剤として用いて還元することに
より行なわれる。
の接触還元を用いる場合、使用される溶媒として
は、例えば水、酢酸、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサ
ン等の炭化水素類、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエー
テル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエス
テル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性
極性溶媒等が挙げられる。使用される接触還元触媒とし
ては、例えばパラジウム、パラジウム−黒、パラジウム
−炭素、白金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネ−ニツケ
ル等が用いられる。触媒の使用量としては、一般式
(2)の化合物に対して0.02〜1倍重量程度用いるのが
よい。上記反応は、通常50〜150℃付近、好ましくは50
〜100℃付近、水素圧1〜10気圧で行なわれ、一般に0.5
〜10時間程度で終了する。
またの方法を採用する場合、鉄、亜鉛、錫もしくは
塩化第一錫と塩酸、硫酸等の鉱酸、又は鉄、硫酸第一
鉄、亜鉛もしくは錫と水酸化ナトリウム等のアルカリ金
属水酸化物、硫化アンモニウム等の硫化物、アンモニア
水、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩との混合物が
還元剤として用いられる。使用される不活性溶媒として
は、例えば水、酢酸、メタノール、エタノール、ジオキ
サン等を例示できる。上記還元反応の条件としては、用
いられる還元剤によつて適宜選択すればよく、例えば塩
化第一錫と塩酸とを還元剤として用いる場合、有利には
0〜150℃付近、0.5〜10時間程度反応を行なうのがよ
い。還元剤の使用量としては、化合物(2)に対して少
なくとも等モル量、通常は等モル〜5倍モル量用いられ
る。
一般式(3)の化合物を一般式(1a)に導く反応は、
酸の存在下無溶媒又は適当な溶媒中にて行なわれる。こ
こで使用される酸としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸等
の鉱酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等を例示で
きる。斯かる酸の使用量としては、化合物(3)に対し
て通常少なくとも等モル程度、好ましくは大過剰量とす
るのがよい。また溶媒としては、水、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール等のアルコール類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、テトラリン等の芳香族炭化水
素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、ジグライム、モノグライム等のエーテル類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド等の極性溶媒等を例示できる。上記
反応は、通常室温〜200℃程度、好ましくは室温〜150℃
程度にて好適に進行し、一般に1〜10時間程度で完結す
る。
反応式−2 〔式中R1、R2、R3及びnは前記に同じ。〕 一般式(4)の化合物の環化反応は、適当な塩基性化
合物の存在下、適当な溶媒中にて行なわれる。ここで使
用される塩基性化合物としては、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化ナト
リウム、炭酸水素ナトリウム、金属ナトリウム、金属カ
リウム、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム等の無機
塩基、ナトリウムエチラート、ナトリウムメチラート等
のアルコラート類、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン等の有機塩基
等を例示できる。斯かる塩基性化合物の使用量として
は、化合物(4)に対して通常少なくとも等モル程度、
好ましくは等モル〜2倍モル程度とするのがよい。また
溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル類、N−メチルピロリドン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド、無水酢酸等の極性溶媒等を例示で
きる。上記反応は、通常室温〜150℃程度、好ましくは
室温〜100℃程度にて好適に進行し、一般に1〜10時間
程度で完結する。
反応式−3 〔式中R1、R2、R3及びnは前記に同じ。カルボスチリル
骨格の3位及び4位の炭素間結合は一重結合又は二重結
合を示す。X1はハロゲン原子を示す。〕 一般式(5)の化合物と一般式(6)の化合物との反
応は、適当な溶媒中、塩基性化合物の存在下又は非存在
下にて行なわれる。ここで使用される溶媒としては、N
−メチルピロリドンに加えて、後記反応式−9における
カルボン酸ハライドとアミン(16)との反応において使
用される溶媒がいずれも使用可能である。また塩基性化
合物としても、溶媒と同様、後記反応式−9におけるカ
ルボン酸ハライドとアミン(16)との反応において使用
される塩基性化合物をいずれも使用することができる。
該反応においては、反応系内に沃化銅等のハロゲン化
銅、銅粉等を添加すると該反応が有利に進行する。該反
応は、通常室温〜250℃程度、好ましくは室温〜200℃程
度にて好適に進行し、一般に5〜20時間程度で完結す
る。
反応式−4 〔式中R1、R3、n並びにカルボスチリル骨格の3位及び
4位の炭素間結合は前記に同じ。X2はハロゲン原子、M
はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、R6は低級ア
ルキル基を示す。〕 一般式(7)の化合物と一般式(8)の化合物との反
応は、適当な溶媒中塩基性化合物の存在下又は非存在下
で行なわれる。ここで使用される溶媒としては、例えば
塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキ
エタン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエ
ステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、スルホキシ
ド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極
性溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、3−メトキシ−1−ブタノール、エチルセロソ
ルブ、メチルセロソルブ等のアルコール類、ピリジン、
アセトン、アセトニトリル、水等やこれらの混合溶媒等
を挙げることができる。また塩基性化合物としては、例
えばトリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン、
ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、DBN(1,5−
ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5)、DBU(1,8−ジ
アザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7)、DABCO(1,4
−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン)等の有機塩基、
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭
酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸銀、ナト
リウムメチラート、ナトリウムエチラート等のアルコラ
ート類等の無機塩基等を挙げることができる。化合物
(8)の使用量としては、化合物(7)に対して通常少
なくとも等モル量程度、好ましくは等モル〜1.5倍モル
量程度とするのがよい。該反応では、通常−300〜180℃
程度、好ましくは0〜150℃付近にて好適に進行し、一
般に5分〜30時間で完結する。
一般式(9)の化合物と一般式(10)の化合物との反
応は、適当な溶媒中又は無溶媒下、通常0〜150℃程
度、好ましくは室温〜100℃付近にて行なわれる。ここ
で使用される溶媒としては、上記化合物(7)と化合物
(8)との反応において用いられる溶媒をいずれも使用
することができる。化合物(10)の使用量としては、化
合物(9)に対して通常大過剰量とするのがよい。該反
応は、一般に1〜5時間程度で完了する。
一般式(11)の化合物を一般式(12)の化合物に導く
反応は、前記反応式−1における一般式(3)の化合物
を一般式(1a)の化合物に導く反応と同様の反応条件下
にて行なわれる。
反応式−5 〔式中R1、R3、X2並びにカルボスチリル骨格の3位及び
4位の炭素間結合は前記に同じ。R7は炭素数1〜6のア
ルキル基を示す。1は0又は1〜3の整数を示す。X3
ハロゲン原子を示す。〕 一般式(12)の化合物と一般式(13)の化合物との反
応は、無溶媒で又は通常の不活性溶媒中にて行なわれ
る。不活性溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等の
エーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等の低級アルコール類、酢酸、酢酸エチル、ジメチル
ホムルアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセ
トニトリル、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン
酸トリアミド等の極性溶媒等を挙げることができる。上
記反応は、より有利には塩基化合物を脱酸剤として用い
て行なわれる。該塩基性化合物としては、例えば炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムアミド、水素
化ナトリウム等の無機塩基、ナトリウムメチラータ、ナ
トリウムエチラート等の金属アルコラート類、DBU、ト
リエチルアミン、トリプロピルアミン、ピリジン、キノ
リン等の有機塩基等を挙げることができる。また上記反
応は、必要に応じ反応促進剤として、沃化カリウム、沃
化ナトリウム等の沃化アルカリ金属化合物を添加して行
ない得る。更に該反応においては、反応系内に沃化銅等
のハロゲン化銅、銅粉等を添加してもよい。上記反応に
おける化合物(12)と化合物(13)との使用割合として
は、通常前者に対して後者を等モル〜過剰量、好ましく
は等モル〜5倍モル程度とするのがよい。該反応は、通
常室温〜200℃程度、好ましくは600〜120℃程度にて好
適に進行し、一般に数時間〜30時間程度で完結する。
斯くして得られる一般式(1c)の化合物において、1
が0である化合物は、これに一般式R7X2 〔式中R7及びX2は前記に同じ。〕 で表わされる化合物を反応させることにより、窒素原子
上にR7基が置換した化合物(1c)に誘導することができ
る。この反応は、上記化合物(12)と化合物(13)との
反応と同様の反応条件下にて行なうことができる。
反応式−6 〔式入R2、R3、n、X2並びにカルボスチリル骨格の3位
及び4位の炭素間結合は前記に同じ。R1は低級アルケニ
ル基、低級アルキニル基又はフエニル低級アルキル基を
示す。〕 一般式(14)の化合物と一般式(15)の化合物との反
応は、例えば塩基性化合物の存在下適当な溶媒中にて行
なうのがよい。ここで塩基性化合物としては、例えば水
素化ナトリウム、カリウム、ナトリウム、ナトリウムア
ミド、カリウムアミド等を挙げることができる。また溶
媒としては、例えばジオキサン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類、ジメチルホムルアミド、ジメチ
ルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等を挙
げることができる。化合物(14)と化合物(15)との使
用割合としては、特に限定がなく広い範囲内で適宜選択
すればよいが、通常前者に対して後者を少なくとも等モ
ル程度、好ましくは等モル〜2倍モル程度とするのがよ
い。該反応は、通常0〜70℃程度、好ましくは0℃〜室
温付近にて行なわれ、一般に0.5〜12時間程度で終了す
る。
反応式−7 〔式中R1、R2、R3及びnは前記に同じ。〕 一般式(1e)の化合物の脱水素反応は、適当な溶媒中
酸化剤を使用して行なわれる。用いられる酸化剤として
は、例えば2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベゾキノン、
クロラニル(2,3,5,6−テトラクロロベンゾキノン)等
のベゾキノン類、N−ブロモコハク酸イミド、N−クロ
ロコハク酸イミド、臭素等のハロゲン化剤、二酸化セレ
ン、パラジウム−炭素、パラジウム黒、酸化パラジウ
ム、ラネーニッケル等の水素化触媒等を挙げることがで
きる。ハロゲン化剤の使用量としては、特に限定されず
広い範囲内から適宜選択すればよいが、通常化合物(1
e)に対して通常等モル〜5倍モル量、好ましくは等モ
ル〜2倍モル量とするのがよい。また水素化触媒を用い
る場合には通常の触媒量とするのがよい。触媒として
は、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシ
エタノール、ジメトキシメタン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素
類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、
四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ブタノール、ア
ミルアルコール、ヘキサノール等のアルコール類、酢酸
等の極性プロトン溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の極
性非プロトン溶媒類等を例示できる。該反応は、通常室
温〜300℃程度、好ましくは室温〜200℃にて行なわれ、
一般に1〜40時間程度で完結する。
更に一般式(1)で表わされる化合物のうち、R1が水
素原子を示す化合物は、下記反応式−8に示すようにラ
クタム−ラクチム型の互変異性をとり得る。
反応式−8 〔式中R2、R3及びnは前記に同じ。〕 反応式−9 〔式中R1、R2、R3及びnは前記に同じ。R6はフエニル
基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示す。〕 一般式(16)の化合物と一般式(17)の化合物の反応
には、通常のアミド結合生成反応の条件を広く適用で
き、例えば(イ)混合酸無水物法即ちカルボン酸(17)
にアルキルハロカルボン酸を反応させて混合酸無水物と
し、これにアミン(16)を反応させる方法、(ロ)活性
エステル法即ちカルボン酸(17)をp−ニトロフエニル
エステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、1
−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル等の活性エス
テルとし、これにアミン(16)を反応させる方法、
(ハ)カルボジイミド法即ちカルボン酸(17)にアミン
(16)をジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニル
ジイミダゾール等の活性化剤の存在下に縮合させる方
法、(ニ)その他の方法としてカルボン酸(17)を無水
酢酸等の脱水剤によりカルボン酸無水物とし、これにア
ミン(16)を反応させる方法、カルボン酸(17)と低級
アルコールとのエステルにアミン(16)を高圧高温下に
反応させる方法、カルボン酸(17)の酸ハロゲン化物即
ちカルボン酸ハライドにアミン(16)を反応させる方法
等を挙げることができる。
混合酸無水物法において用いられる混合酸無水物は、
通常のシヨツテン−バウマン反応により得られ、これを
通常単離することなくアミン(16)と反応させることに
より一般式(18)の化合物が製造される。シヨツテン−
バウマン反応は塩基性化合物の存在下に行なわれる。用
いられる塩基性化合物としては、シヨツテン−バウマン
反応に慣用の化合物が用いられ、例えばトリエチルアミ
ン、トリメチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、
N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕
ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウ
ンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕
オクタン(DABCO)等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等
の無機塩基等が挙げられる。該反応は、通常−20〜100
℃程度、好ましくは0〜50℃程度において行なわれ、反
応時間は通常5分〜10時間、好ましくは5分〜2時間で
ある。得られた混合酸無水物とアミン(16)との反応
は、通常−20〜150℃程度、好ましくは10〜50℃程度に
おいて行なわれ、反応時間は通常5分〜10時間、好まし
くは5分〜5時間である。混合酸無水物は、一般に溶媒
中で行なわれる。用いられる溶媒は、混合酸無水物法に
慣用の溶媒がいずれも使用可能であり、具体的には塩化
メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン
化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸メチル、酢
酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリア
ミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。混合酸
無水物法において使用されるアルキルハロカルボン酸と
しては、例えばクロロ蟻酸メチル、ブロモ蟻酸メチル、
クロロ蟻酸エチル、ブロモ蟻酸エチル、クロロ蟻酸イソ
ブチル等が挙げられる。該法におけるカルボン酸(1
7)、アルキルハロカルボン酸及びアミン(16)の使用
割合は、通常当モルづつ使用されるが、アミン(16)に
対してアルキルハロカルボン酸及びカルボン酸(17)を
1〜1.5倍モル使用してもよい。
またカルボン酸ハライドにアミン(16)を反応させる
方法を採用する場合、該反応は塩基性化合物の存在下適
当な溶媒中にておこなわれる。用いられる塩基性化合物
としては公知のものを広く使用でき、例えば上記シヨツ
テン−バウマン反応に用いられる塩基性化合物の他に水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、
水素化カリウム、炭酸銀、ナトリウムメチラート、ナト
リウムエチラート等のアルコラート等を挙げることがで
きる。用いられる溶媒としては、例えば上記混合酸無水
物法に用いられる溶媒の他に、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、3−メトキシ−1−ブ
タノール、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等のア
ルコール類、ピリジン、アセトン、アセトニトリル等や
これらの混合溶媒等を挙げることができる。アミン(1
6)とカルボン酸ハライドとの使用割合としては、特に
限定がなく広い範囲内で適宜選択すればよいが、通常前
者に対して後者を少なくとも等モル量程度、好ましくは
等モル〜5倍モル量程度とするのがよい。該反応は、通
常−30〜180℃程度、好ましくは0〜150℃程度にて好適
に進行し、一般に5分〜30時間程度で完結する。
一般式(18)の化合物の環化は、酸の存在下無溶媒下
で又は適当な溶媒中にて行われる。酸としては特に限定
されず通常の無機酸や有機酸を広く使用でき、具体的に
は塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸、塩化アルミニウ
ム、三弗化酸素、四塩化チタン等のルイス酸、ギ酸、酢
酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有
機酸等を例示し得る。これらの酸のうちで塩酸、臭化水
素酸、硫酸等が好ましい。斯かる酸の使用量としては、
通常一般式(18)の化合物に対して少なくとも等重量、
好ましくは10〜50倍重量の酸を用いるのがよい。また溶
媒としては通常の不活性溶媒を広く使用でき、例えば
水、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級ア
ルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエー
テル類、クロロベンゼン、ベンゼン、トルエン等の芳香
族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭
素等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸
トリアミド等を例示できる。これらのうちで前記低級ア
ルコール類、エーテル類、アセトン、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリ
アミド等の水溶性溶媒が好ましい。該反応は通常0〜20
0℃、好ましくは室温〜150℃にて行われ、通常5分〜6
時間程度で反応は終了する。
本発明の一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘
導体は、医薬的に許容される酸を作用させることにより
容易に酸付加塩を形成させることができる。該酸として
は、例えば塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機
酸、シユウ酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ酸、酒
石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を挙げることがで
きる。
本発明の一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘
導体は、医薬的に許容される塩基性化合物を作用させる
ことにより容易に塩を形成させることができる。該塩基
性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
カリウム等を挙げることができる。また、ヨウ化メチ
ル、塩化エチル等のハロゲン化アルキル等を作用させた
り、三級アミンと反応させることにより、四級塩を形成
させることができる。
斯くして得られる各々の行程での目的化合物は、通常
の分離手段により容易に単離精製することができる。該
分離手段としては、例えば溶媒抽出法、希釈法、再結晶
法、カラムクロマトグラフイー、プレパラテイブ薄層ク
ロマトグラフイー等を例示できる。
尚本発明は光学異性体も当然に包含するものである。
一般式(1)の化合物は通常、一般的な医薬製剤の形
態で用いられる。製剤は通常使用される充填剤、増量
剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の
希釈あるいは賦形剤を用いて調製される。この医薬製剤
としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その
代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、
乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁
剤等)等が挙げられる。錠剤の形態に成形するに際して
は、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用で
き、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿
素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロ
ース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノー
ル、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶
液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセ
ルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の
結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテ
ン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシ
ウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセ
リド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、
カカオバター、水素添加油糖の崩壊抑制剤、第4級アン
モニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進
剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸
着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエ
チレングリコール等の滑沢剤等が例示できる。さらに錠
剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣
錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フイルムコーテイング
錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。丸剤の
形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来
公知のものを広く使用でき、例えばブドウ糖、乳糖、デ
ンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の
賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エ
タノール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等
が例示できる。坐剤の形態に成形するに際しては、担体
として従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチ
レングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アル
コールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等
を挙げることができる。注射剤として調製される場合に
は、液剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張である
のが好ましく、これら液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に成
形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用
されているものをすべて使用でき、例えば水、エチルア
ルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステ
アリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコ
ール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類
等を挙げることができる。なお、この場合等張性の溶液
を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセ
リンを強心剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解
補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必
要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や
他の医薬品を医薬製剤中に含有せしめてもよい。
本発明の抗不整脈剤中に含有されるべき一般式(1)
の化合物の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択され
るが、通常全組成物中1〜70重量%、好ましくは1〜30
重量%である。
本発明の抗不整脈剤の投与方法は特に制限はなく、各
種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程
度等に応じた方法で投与される。例えば錠剤、丸剤、液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には経
口投与される。また注射剤の場合には単独であるいはブ
ドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与
され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下も
しくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与さ
れる。
本発明の抗不整脈剤の投与量は用法、患者の年齢、性
別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択される
が、通常有効成分である一般式(1)の化合物の量は1
日当り体重1kg当り約0.1〜10mgとするのがよい。また、
投与単位形態中に有効成分を2〜200mg含有せしめるの
がよい。
製剤例1 3−(4−メチル−ピペラジニル)−8−メチル カルボスチリル塩酸塩 5mg デンプン 123mg マグネシウムステアレート 18mg乳 糖 45mg 計 200mg 常法により1錠中、上記組成物の錠剤を製造した。
製剤例2 3−(4−メチル−ピペラジニル)−8−メチル カルボスチリル塩酸塩 10mg デンプン 127mg マグネシウムステアレート 18mg乳 糖 45mg 計 200mg 常法により1錠中、上記組成物の錠剤を製造した。
製剤例3 3−(4−メチル−ピペラジニル)−8−メチル カルボスチリル塩酸塩 500mg ポリエチレングリコール(分子量:4000) 0.3g 塩化ナトリウム 0.9g ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート 0.4g メタ重亜硫酸ナトリウム 0.1g メチル−パラペン 0.18g プロピル−パラペン 0.02g 注射用蒸留水 100ml 上記パラペン類、メタ重亜硫酸ナトリウム及び塩化ナ
トリウムを撹拌しながら80℃で上記の蒸留水に溶解す
る。得られた溶液を40℃まで冷却し、本発明化合物、次
にポリエチレングリコールし及びオキシエチレンソルビ
タンモノオレエートをその溶液中に溶解した。次にその
溶液に注射用蒸溜水を加えて最終の容量に調製し、適当
なフイルターペーパーを用いて滅菌濾過することにより
滅菌して1mlずつアンプルに分注し、注射剤を調製す
る。
参考例1 ジエチル 2−アセチルアミノ−2−(2−ニトロ−
3−メチルベンジル)マロネイト10g及び10%Pd−C1gを
酢酸50mlに懸濁し、3〜3.5気圧、60〜70℃にて接触還
元を行なう。水素添加終了後、触媒を濾去、溶媒を留去
する。得られた残渣をエタノールより再結晶して、2.7g
のエチル 3−アセチルアミノ−8−メチル−3,4−ジ
ヒドロカルボスチリル−3−カルボキシレイトを得る。
mp.236.5〜238.5℃ 白色粉末状 参考例2 2−〔2−(4−ベンジル−1−ピペリジニル)アセ
チル〕アミノ−3−メチルベンズアルデヒド0.5gをエタ
ノール10mlに溶解し、ナトリウムエチラート0.11gを加
え、2時間加熱還流する。反応混合物に水を加え、ジク
ロロメタンで抽出する。水洗後、硫酸マグネシウムで乾
燥する。溶媒を減圧留去して、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフイー(溶出液;ジクロロメタ
ン:メタノール=100:1)で精製する。エタノールHClで
塩酸塩とし、ジクロロメタン−エタノールより再結晶し
て、0.22gの3−(4−ベンジル−1−ピペリジニル)
−8−メチルカルボスチリル塩酸塩を得る。
淡黄色粉末状 mp,221〜222℃(分解) 適当な出発原料を用い、参考例2と同様にして下記第
1表に示す化合物を得る。
参考例3 4−クロロ−8−メチルカルボスチリル2.0g、ジエチ
ルアミン5ml、ヨウ化銅、銅粉末0.2g及びN−メチルピ
ロリドン20mlをオートクレーブ中180〜190℃で10時間加
熱する。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出す
る。水洗、乾燥後、溶媒を留去する。得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイー(溶出液;ジクロロ
メタン)にて精製する。エタノール−HClにて塩酸塩と
し、アセトン−ジエチルエーテルより再結晶して、0.6g
の4−ジエチルアミノ−8−メチルカルボスチリル塩酸
塩を得る。
淡褐色粉末状 mp.183〜186℃ 適当な出発原料を用い、参考例3と同様にして前記第
1表に示す化合物並びに後記第2表、第3表及び第4表
に示す化合物を得る。
参考例4 1−メチル−8−アミノ−3,4−ジヒドロカルボスチ
リル1g、1,4−ジブロモブタン1.35g、ヨウ化ナトリウム
1.9g、炭酸カリウム1.75g及びアセトニトリル10mlの懸
濁液を20時間加熱還流する。反応液にジクロロメタン−
水を加え、有機層を分取、水洗、硫酸ナトリウムにて乾
燥する。溶媒を留去後、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイー(溶出液;ジクロロメタン:メタ
ノール=50:1)にて精製する。ジエチルエーテルに溶解
し、エタノール−濃塩酸を加えて塩酸塩とし、エタノー
ル−ジエチルエーテルより再結晶して、1.15gの1−メ
チル−8−ピロリジノ−3,4−ジヒドロカルボスチリル
塩酸塩を得る。
白色粉末状 mp.174.5〜177℃ 適当な出発原料を用い、参考例4と同様にして前記第
1表に示す化合物並びに後記第2表、第3表及び第4表
に示す化合物を得る。
参考例5 3−ジエチルアミノ−8−メチル−3,4−ジヒドロカ
ルボスチリル塩酸塩12.3gの無水ジメチルホルムアミド1
00ml溶液に60%水素化ナトリウム1.9gを加え50℃で30分
間加熱する。次に氷冷下ヨウ化メチル6.53gを滴下す
る。滴下後50〜60℃にて2時間加熱撹拌する。反応液を
水に注ぎ込み、クロロホルムにて抽出する。クロロホル
ム層を水洗後、乾燥する。クロロホルムを留去後、得ら
れた残渣を塩酸塩とし、アセトン−n−ヘキサンより再
結晶して、12gの1−メチル−3−ジエチルアミノ−8
−メチル−3,4−ジヒドロカルボスチリル塩酸塩を得
る。
淡褐色粉末状 mp.162.5〜164.5℃ 適当な出発原料を用い、参考例5と同様にして後記実
施例18の化合物及び第4表に示す化合物を得る。
適当な出発原料を用い、参考例2と同様にして下記第
2表に示す化合物を得る。
参考例6 a) 2−メチル−3−アミノアセトアニリド5.1gをア
セトン150mlに溶解し、シンナモイルクロリド5.7gのア
セトン30ml溶液及び炭酸カリウム5.2gの水50ml溶液を氷
冷撹拌下に同時に滴下、同温度にて2時間撹拌後、反応
混合物を氷冷中に注ぎ込み析出物を濾取、水洗、乾燥し
て、8.64gのN−(3−アセチルアミノ−2−メチル)
フエニルシンナモイルアミドを得る。
NMR(DMSO−d6)δ; 2.10(3H,s) 2.14(3H,s) 6.92(1H,d,J=15Hz) 7.05−7.65(8H,m) 7.60(1H,d,J=15Hz) 9.28(1H,brs) 9.44(1H,brs) b) 塩化アルミニウム24gをクロロベンゼン25mlに懸
濁し、N−(3−アセチルアミノ−2−メチル)フエニ
ルシンナモイルアミド8gを加え、110−120℃にて、5時
間加熱撹拌する。反応混合物を氷水中に注ぎ込み、析出
物を濾取する。n−ヘキサン、ジエチルエーテル、水の
順に洗浄後、ジメチルホルムアミドより再結晶して、4.
09gの7−アセチルアミノ−8−メチルカルボスチリル
を得る。
NMR(DMSO−d6)δ; 2.10(3H,s) 2.30(3H,s) 6.45(1H,d,J=9Hz) 7.23(1H,d,J=8Hz) 7.47(1H,d,J=8Hz) 7.85(1H,d,J=9Hz) 9.60(1H,brs) 参考例7 7−アセチルアミノ−8−メチルカルボスチリルの5g
に20%HCl60mlを加え油浴上110−120℃に加熱撹拌す
る。4時間加熱後、減圧で溶媒留去し残渣を熱メタノー
ル洗浄、乾燥後、メタノール−水より再結晶して、7−
アミノ−8−メチルカルボスチリル塩酸塩5.25gを得
る。
mp.290−293℃(分解) 淡黄色針状晶 参考例8 2−メチル−3−(β−ブロモアクリロイル)アミノ
−アセトアニリド2.07gの濃塩酸10mlを加え70℃に加熱
する。氷水にあけハルツ状物を除去し、10N−NaOHで中
和する。析出晶を濾取、水洗してジメチルホルムアミド
より再結晶して7−アセチルアミノ−8−メチルカルボ
スチリル0.75gを得る。
NMR(DMSO−d6)δ; 2.10(3H,s) 2.30(3H,s) 6.45(1H,d,J=9Hz) 7.23(1H,d,J=8Hz) 7.47(1H,d,J=8Hz) 7.85(1H,d,J=9Hz) 9.60(1H,brs) 参考例9 2−メチル−3−(β,β−ジエトキシプロピオニ
ル)アミノ−アセトアニリド2.15gのアセトン3ml溶液を
60℃で撹拌しながら濃塩酸20mlに滴下する。30分間反応
して溶媒を留去し10N−NaOHで中和する。析出する結晶
を濾取、水洗後ジメチルホルムアミドより再結晶して、
7−アセチルアミノ−8−メチルカルボスチリル1.25g
を得る。
NMR(DMSO−d6)δ; 2.10(3H,s) 2.30(3H,s) 6.45(1H,d,J=9Hz) 7.23(1H,d,J=8Hz) 7.47(1H,d,J=8Hz) 7.85(1H,d,J=9Hz) 9.60(1H,brs) 適当な出発原料を用い、参考例6〜9と同様にして前
記第1表及び第2表に示す化合物を得る。
適当な出発原料を用い、参考例2と同様にして下記第
3表に示す化合物を得る。
適当な出発原料を用い、参考例6〜9と同様にして下
記第4表に示す化合物を得る。
薬理試験 平岡等〔Circ.Res.、第48巻、第510〜518頁(1980
年)〕がイヌ心室筋に用いた方法に準じて行なつた。即
ち、ネコ(体重1.5〜5kg)をケタミン30mg/kgの筋肉内
注射とペントバルビタール20mg/kgの腹腔内投与により
麻酔後、心臓を冷したタイロード液中に摘出した。常法
に従い右心室の乳頭筋を摘出し、タイロード液(NaCl 1
37ミリモル、NaHCO3 15.9ミリモル、グルコース5.5ミリ
モル、MgCl2 1.0ミリモル、NaH2PO4 0.42ミリモル、KCl
2.7ミリモル及びCaCl2 1.8ミリモル)で満たしたマグ
ナス装置に吊した。タイロード液を酸素95%及び二酸化
炭素5%の混合ガスで爆気し、温度を37℃に維持した。
静止張力は0.5gに合わせた。0.5Hzの頻度で電気刺激を
加えながら約30分間標本の安定化を図つた。刺激を止
め、タイロード液をKフリーのタイロード液で置換し
た。
30分後、K及びCaフリーのタイロード液に置換し、更
に30分後Kフリー且つCa(3.6ミリモル)のタイロード
液で置換した。10分後より5分毎に刺激間隔320msecで1
0回トレイン刺激を与えると、約半数例で刺激停止後に
後収縮が認められた。電気刺激による収縮及び後収縮が
一定した後、供試化合物を20分間隔で累積的に投与し、
10回目の収縮及び後収縮に対する作用を検討した。結果
を下記第5図に示す。
供試化合物 1 3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−8−メチ
ルカルボスチリル塩酸塩 2 3−(4−n−プロピル−1−ピペラジニル)−8
−メチルカルボスチリル塩酸塩 3 3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−8−トリ
フルオロメチルカルボスチリル塩酸塩 4 3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−8−ベン
ジルオキシカルボスチリル塩酸塩
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−52179(JP,A) 特開 昭51−6972(JP,A) 特開 昭51−48675(JP,A) 特開 昭58−83677(JP,A) 特開 昭58−83678(JP,A) 特開 昭52−137416(JP,A) 特開 昭58−88314(JP,A) 特開 昭60−126270(JP,A) 特開 昭59−29667(JP,A) 特開 昭51−125390(JP,A) 特開 昭56−49364(JP,A) 特開 昭56−49363(JP,A) 特開 昭61−15875(JP,A) 特開 昭60−209567(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中R1は水素原子、低級アルケニル基、低級アルキニ
    ル基、フエニル低級アルキル基又はフエニル低級アルコ
    キシカルボニル低級アルキル基を示す。R2は1−ピペラ
    ジニル基を示す。このピペラジン環上には、炭素数1〜
    6のアルキル基が置換していてもよい。R3は置換基とし
    てハロゲン原子を1〜3個有することのある低級アルキ
    ル基、低級アルコキシ基又はフエニル低級アルコキシ基
    を示す。nは0又は1を示す。但しR3はカルボスチリル
    骨格の8位に置換しているものとする。またR1が水素原
    子を示し、R2が無置換の1−ピペラジニル基を示す場
    合、nは0であつてはならない。〕 で表わされるカルボスチリル誘導体又はその塩。
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