JP2576554B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はシャンプー等の洗浄剤組成物に関し、更に詳
述すると、豊富な泡立ちを有すると共に、なめらかさ、
柔らかさ等の仕上り性能効率を有し、しかも低温での安
定性が良好な洗浄剤組成物に関するものである。
従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 近年、シャンプーについては洗浄時における泡立ち、
洗浄力は勿論のこと、仕上りのなめらかさ、柔らかさ等
についても強い要望があり、かかる仕上りの向上を目的
として油分、シリコーン高分子等の添加剤を配合するこ
とが知られている。
しかし、シャンプーは泡立ちと洗浄力を得るために、
通常大量のアニオン活性剤が配合されているのでそれら
の添加剤の効果が充分発揮されないという問題がある。
このため、従来はなめらかさ、柔らかさ等の仕上り効
果を付与するためにシャンプー後にリンス、トリートメ
ントが行なわれてきたが、このような2回の洗髪行動は
繁雑であり、従って1度の洗髪行動でなめらかさ、柔ら
かさ等の仕上り効果を同時に与えるシャンプーが望まれ
ている。
また、シャンプー等の洗浄剤組成物は保存安定性に優
れていることが要望され、特に低温で安定であることが
望まれる。
本発明は上記要望に応えるためになされたもので、豊
富な泡立ちを有し、しかも充分な仕上り効果を有する
上、低温で安定な洗浄剤組成物を提供することを目的と
する。
問題点を解決するための手段及び作用 本発明者らは、上記目的を達成すべう鋭意研究を進め
た結果、アシルアミノ酸又はその塩とパラフィンスルホ
ネーオトとカチオン性化合物との3者を併用すること、
この場合アシルアミノ酸又はその塩とパラフィンスルホ
ネートとを重量比として5:1〜1:5の割合で使用し、かつ
カチオン性化合物を組成物全体の0.1〜10%(重量%、
以下同じ)の割合で使用することにより、泡立ち性に優
れると同時に、なめらかさ、柔らかさ等の仕上り効果に
優れ、しかも低温での安定性が良好な洗浄剤組成物が得
られることを知見し、本発明を完成するに至ったもので
ある。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に係る洗浄剤組成物は、アシルアミノ酸又はそ
の塩、パラフィンスルホネート、カチオン性化合物を含
有する。
ここで、アシルアミノ酸又はその塩としては、特に制
限されないが、下記式(1)で示されるN−アシルグル
タミン酸又はその塩、(2)式で示されるN−アシル−
N−アルキルアミノ酸又はその塩が好ましく用いられ
る。
(但し、R1は炭素数10〜16の飽和又は不飽和アルキル基
を示し、Mはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオ
ン、アルカノールアミンイオン、低級脂肪酸アミンイオ
ン又は水素原子を示す) (但し、R2は炭素数10〜16の飽和又は不飽和アルキル
基、R3は炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖アルキル基又は
水素原子を示し、Mはアルカリ金属イオン、アンモニウ
ムイオン、アルカノールアミンイオン、低級脂肪酸アミ
ンイオン又は水素原子を示し、nは1又は2である。) なお、上記(1)式のN−アシルグルタミン酸及びそ
の塩を例示すると、N−ラウロイルグルタミン酸;N−ミ
リストイルグルタミン酸;N−パルミトイルグルタミン
酸;ヤシ油脂肪酸または硬化牛脂脂肪酸の低炭素数留分
と高炭素数留分とをカットした脂肪液から合成されたN
−アシルグルタミン酸;およびこれらのN−アシルグル
タミン酸の混合物、並びに、これらのN−アシルグルタ
ミン酸のモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、ナトリウム塩およびカリ
ウム塩などを挙げることができ、これらは、光学活性体
またはラセミ体として使用できる。また、(2)式のN
−アシル−N−アルキルアミノ酸及びその塩としては、
N−ラウロイル−N−エチルグリシン、N−ラウロイル
−N−イソプロピルグリシン、N−ラウロイルザルコシ
ン、N−ミリストイルザルコシン、N−パルミトイルザ
ルコシン、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニ
ン、N−ラウロイル−N−エチル−β−アラニン、N−
ミリストイル−β−アラニン、N−パルミトイル−β−
アラニンおよびこれらの混合物、並びに、これらのモノ
エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタ
ノールアミン塩、ナトリウム塩およびカリウム塩などを
挙げることができる。
本発明において、上記アシルアミノ酸及びその塩は、
その1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても
よい。またその配合量は特に限定されるものではない
が、泡立ちの点からはアシルアミノ酸とパラフィンスル
ホネートの合計量が組成物全体の8%以上、より好適に
は10〜25%とすることが好ましい。
本発明に用いられるパラフィンスルホネートとして
は、特に下記式(3)、 PS−M1 …(3) (但し、PSは炭素数10〜18の直鎖又は分枝鎖アルキル基
スルホネートの酸基、M1はアルカリ金属又はアルカリ土
類金属イオンを示す。) で示されるものが好適に用いられる。このようなパラフ
ィンスルホネートとして、例えばHostapur SAS(ヘキス
ト社製,商品名)を使用することができる。
ここで、本発明においては、上述したアシルアミノ酸
類とパラフィンスルホネートとの配合割合を5/1〜1/5
(重量比)とすることが必要で、この重量比の範囲外で
は泡立ちが劣化し、なめらかさ、柔らかさ等の仕上り性
能も低下し、また重量比が5/1より大きいと低温での安
定性が劣化するので、本発明の目的を達成し得ないもの
である。なお、アシルアミノ酸類とパラフィンスルホネ
ートとのより好ましい比率は3/1〜1/3の範囲である。
また、本発明に用いられるカチオン性化合物として
は、下記(4) (但し、R4,R5,R6及びR7はいずれもアルキル基、ヒドロ
キシアルキル基、アルケニル基、ポリアルキレンオキシ
ド基、またはベンジル基を示し、そのうちの1個または
2個の炭素数10〜24の長鎖アルキル基、ヒドロキシアル
キル基またはアルケニル基であり、残りはメチル基、エ
チル基、ベンジル基または式−(C2H4O)−Hもしく
は−(C3H6O)−H(ただしn,mはそれぞれ1〜5の整
数)で表わされる基であるが、これらは互いに同一であ
っても異なってもよい。また、X-は陰イオンを示す。) で示される第四級アンモニアム塩型カチオン界面活性剤
や陽イオン性高分子化合物などが挙げられ、これらの1
種又は2種以上が使用される。
この場合、第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性
剤の具体例としては、例えば、ステアリルトリメチルア
ンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウム
クロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジ
セチルジメチルアンモニウムクロライド、ジベヘニルジ
メチルアンモニウムクロライド等がある。
また、陽イオン性高分子物質の具体例としては、例え
ば第四級窒素含有セルロースエーテル、第四級窒素含有
ポリ(トリアルキルアミノエチルメタクリレート)、第
四級窒素含有ポリビニルピロリドン、ジメチルジアリル
四級アンモニアム塩の共重合体である。ここで、これら
第四級窒素含有ポリマーとしては、分子量2000〜300000
0のものを用いることが好ましい。
なお、上述したカチオン性化合物のうちでは、ステア
リルトリメチルアンモニウムクロライド等のモノ長鎖ア
ルキルアンモニウム塩やジメチルジアリル4級アンモニ
ウム塩の共重合体が特に好ましく、このジメチルアリル
4級アンモニウム塩の共重合体の例としては、米国MERC
K社から市販されている商品名MERQUAT 550がある。
上記カチオン性化合物の配合量は0.1〜10重量%、特
に0.3〜5重量%とすることが必要である。0.1重量%よ
り少ないと仕上りが不充分であり、10重量%を越えると
泡立ちが劣化し、液安定性が悪くなる。
本発明の洗浄剤組成物は、シャンプーなどとして調製
されるが、この場合これら製品の種類、使用目的等に応
じ、上記成分に加えて通常使用される適宜な任意成分を
配合することができる。
例えば、シャンプー組成物を調製する場合は、任意成
分として、通常シャンプーに使用されるアニオン界面活
性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性
界面活性剤、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セ
ルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コールの脂肪酸エステル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールア
ミド等の増粘剤;エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソル
ビトール等の保湿剤;ビタミンE、ビタミンC、ビタミ
ンE酢酸エステル等のビタミン類;ペパーミント、トウ
ガラシチンキ等の冷感剤或いは熱感剤;殺菌剤、可溶化
剤、軟化剤、紫外線吸収剤、キレート化剤、粘度調製
剤、着色剤、香料などの1種又は2種以上を配合するこ
とができる。
発明の効果 本発明の洗浄剤組成物は、上述したようにアシルアミ
ノ酸又はその塩とパラフィンスルホネートを5/1〜1/5の
比率で併用したものにカチオン性化合物を0.1〜10重量
%配合したことにより、豊富な泡立ちを有し、かつなめ
らかさ、柔らかさ等の仕上り効果が得られ、しかも、低
温で安定なものである。
従って、例えばシャンプー組成物として調製した場
合、シャンプー効果と同時にリンス、トリートメント効
果が与えられ、従来のようにシャンプー後にリンス、ト
リートメント等を行なわなくてもよいものである。
以下、本発明の実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお、各例の説明に先立ち、各例において
採用した評価方法について説明する。
(1) 起泡力 調製された液体洗浄剤組成物の6%水溶液20ml(25
℃)を100mlメスシリンダーに採取し人工汚垢として液
体ラノリンを0.2gを加え、10秒間に20回振とうし、1分
後の泡容積(ml)を測定した。ここで60ml以上の泡立ち
を得れば、実用でも良好な泡立ちを得ることができる。
(2) 毛髪のなめらかさ 洗浄、すすぎおよび乾燥を行った後の毛束(5g,20c
m)のなめらかさを、テスター20名により、標準のシャ
ンプーを用いた場合と対象させた一対比較法によって官
能評価した。標準基準は次のとおりである。
2:標準シャンプーよりなめらかさが優れる 1: 〃 やや優れる 0: 〃 同 等 −1: 〃 やや劣る −2: 〃 劣 る (3) 毛髪の柔らかさ (2)の評価方法と同様に官能試験を行った。但し、
この場合の評価基準は次のとおりである。
2:標準シャンプーより柔らかさが優れる 1: 〃 やや優れる 0: 〃 同 等 −1: 〃 やや劣る −2: 〃 劣 る なお、標準シャンプーとしては、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(=3)を10重量
%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドを3重量%、硫酸
ナトリウム1重量%、水バランスの組成のものを用い
た。
また、(2)及び(3)の結果はテスター20名の合計
点で表したが、この場合合計10点以上あれば、実用でも
充分良好な効果を得ることができる。
(4) 液安定性 0℃、1ケ月の組成物の外観と初期の外観とを比較
し、評価した。評価基準は次のとおりである。
○:変化なし ×:変化あり(例 濁り等) 〔実施例1〜7,比較例1〜4〕 第1表に示す組成の液体洗浄剤組成物を調製し、その
性能を評価した。結果を第1表に併記する。
第1表の結果から明らかなように、アシルアミノ酸塩
と、パラフィンスルホネートと、及びカチオン性化合物
との三成分を配合して成る組成物(実施例1〜7)の場
合、泡立ち、なめらかさ、柔らかさ等の仕上り及び液安
定性の各評価とも優れた性能を示しているのに対し、ア
シルアミノ酸塩やパラフィンスルホネートを配合してい
ない組成物(比較例1,2)、アシルアミノ酸塩とパラフ
ィンスルホネートとの配合比率が本発明の範囲外である
組成物(比較例3,4)では、泡立ち、仕上り、液安定性
のいずれかの性能が劣ることが認められた。
〔実施例8,9〕 第2表に示す洗浄剤組成物をそれぞれ調製し、前記と
同様にして、その性能を試験した。結果を同表に併記す
る。
第2表の結果からも、本発明洗浄剤組成物が優れた性
能を有することが知見される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アシルアミノ酸又はその塩とパラフィンス
    ルホネートとを重量比として5:1〜1:5の割合で含有する
    と共に、カチオン性化合物を組成物全体の0.1〜10重量
    %含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
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