JP2575678B2 - 新規な固定化生体触媒およびその製造と使用 - Google Patents

新規な固定化生体触媒およびその製造と使用

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、生細胞から成り粒子状の新規な固定化水不
溶性生体触媒(生触媒:biocatalyst)およびその製造と
使用に関する。
米国特許第3,838,007号には、半固体または固体の粒
子状の水不溶性酵素組成物を製造する方法であって、ゲ
ル化タンパク質の水溶液中に非タンパク分解酵素(non
−proteolytic enzyme)を懸濁させ、得られた混合物に
水中で貧混和性ないしは不混和性の有機液体を加えて粒
子状のサスペンションを形成し、該サスペンションを処
理してゲル化タンパク質のゲル化を起こさせ、さらに、
得られたゲル化タンパク質粒子を架橋剤と接触させるこ
とから成る方法が開示されている。ゲル化タンパク質
(これは、好ましくはゼラチンである)は、酵素を所望
の大きさの水不溶性粒子にするのに重要であり、さら
に、酵素を安定化する作用もある。酵素−ゲル化タンパ
ク質水性溶液を粒子状にするために開示されている有機
液体は、とりわけ、4個またはそれ以上の炭素原子を有
する脂肪族アルコール(例えば、ブタノール)、アルコ
ールと低級脂肪酸のエステル(例えば酢酸エチル、酢酸
ブチルおよびプロピオン酸エチル)である。この特許に
は、不溶性粒子を形成することのできる数種の非タンパ
ク質分解酵素についても言及されている。粒子状の該組
成物は、酵素反応用の塔型(カラム)反応器または層型
反応器に使用することができ、特に、使用酵素が最終生
成物に含有されていないことが要求されるような反応に
有用である。
生細胞、例えば、パン・菓子用イースト(Saccharomy
ces cerevisiae)の細胞は、米国特許第3,838,007号に
開示された方法に用いられているような有機溶媒によっ
て迅速に殺されてしまうことは当業者に理解されるであ
ろう。幾つかの有機溶媒は、酵母における自己消化を開
始するものとして報告されている。例えば、酢酸エチル
は、パン・菓子用イースト(baker′ s yeast)を処理
して、結晶シトクロムC〔Nature、178(1956)、629−
630〕やβ−クラクトフラノシダーゼ〔J.Bacteriol.、1
19(1972)、1346−1352〕を調製するのに使用されてい
る。
HoughおよびLyonsは、共有結合による酵素不溶化法が
生体に対して激しいことに注目し、そのような生体が支
持体として使用されたときに生存し得ることは殆んどな
いと推論している〔Nature、235(1972)、389参照〕。
それから、彼らは、結合剤としてチタン塩その他の無機
塩を用い、特定の酵素を生体支持体、すなわち、Saccha
romyces cerevisiaeの幾つかの株に共有結合させる技
術を開示している。この結合技術は、Barker等によって
開示された技術〔Process Biochem.、(1971)、11〕
の修正である。
西独特願公開明細書2805607(第9項、第11〜17行)
には、Prcess Biochem.No.7(1972)、9−12、すなわ
ち、溶媒としてトルエンまたは塩化メチレンを用いセル
ローストリアセテート糸状体に微生物を捕獲(エントラ
ップ)することについて言及されている。該西独特願公
開明細書においては、それらの溶媒は毒性が高く、した
がって、支持マトリックス内での生長による微生物の再
生は殆ど不可能であるとしている。
最近、HaegerdalおよびMosbachは、セロビオースから
エタノールを製造するための小型カラム反応器における
研究に基づき、パン菓子用イーストとβ−グルコシダー
ゼとの共固定化体(coimmobilsate)について記述して
いる〔Food Process Eng.,Proc.Int.Congr.,2nd 1979
(Pub.1980)2、129−32:Chemical Abstracts94(198
1)119457K参照〕。ここでは、酵素はアルギン酸塩に共
有結合され、しかる後、得られた調製物とともにパン菓
子用イースト細胞がアルギン酸塩ゲル中で捕獲されてい
るが、そのような生細胞とともに有機溶媒または架橋剤
のいずれも用いられてはいない。
アルギン酸カルシウムは、リン酸イオンまたはその他
のキレート化剤の存在下において不安定であるという欠
点を有する。生細胞においてはリン酸塩は必須の栄養分
であり、したがって、生存細胞を含む多くの固定化系に
おいてそのようなアルギン酸は使用に適していない。
ヨーロッパ特願EP−A−41,610には、酵素が発酵能の
ある酵母生細胞と結合されて周りを取り囲むようになっ
た酵母/酵素共固定化体が開示されている。この共固定
化体は、酵母の細胞を脱水し、酵素の水溶液によって再
水和し、さらに、酵母細胞の発酵に影響を与えない酵素
沈殿剤を添加し、好ましくは,この後に架橋剤を添加す
ることにより製造されている。この共固定化体の製造に
は、有機溶媒も分散剤を使用されていない。該共固定化
体は、支持用マトリックスを欠いているので、カラム型
反応器等に用いるには不適当である。
上述した引用例は、いずれも、発酵および増殖能を保
持した固定化生細胞を調製するに当り有機溶媒、特に、
トルエン、ブタノール、酢酸ブチルおよび酢酸エチルの
ような溶媒を使用することは教示していない。
本発明の目的は、生細胞を含み所望の大きさの粒子状
を成す固定化水不溶性生体触媒であって、各種の用途、
例えば、カラム充填層、流動層反応器、撹拌槽型反応器
に用いることのできる生体触媒を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の固定化水不溶性粒子をか
なり温和な条件(すなわち、サスペンションが押出され
る周りの有機溶媒とは対照的に、粒子内での条件)下に
調製することにより、固定化後において多量の生細胞が
生存しているか、あるいは再生することのできるように
した方法を提供することにある。
本発明の上述した目的および他の目的並びに効果は、
以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
広範な研究と実験の後、驚くべきことに、水と貧混和
性ないしは非混和性の有機溶媒に生細胞を接触させ、ゲ
ル化剤の水不溶液中に生細胞を懸濁させておくと、生細
胞、特に微生物の生細胞(例えば、酵素)の生存度は悪
影響を受けないということが見出された。
かくして、本発明は、架橋剤により架橋したゲル化剤
中に生細胞を含む粒子状の固定化水不溶性生体触媒であ
って、水の少なくとも一部分が該架橋した粒子から除去
されていることを特徴とする固定化水不溶性生体触媒を
提供する。
本明細書において用いる「生細胞(living cells)」
という語は、そのような細胞がその構造上の一体性を保
持しているときにのみ可能な広範囲の代謝反応(または
タンパク質同化反応)を行なうことのできるような適合
性を有している細胞と理解すべきである。そのような反
応の例は、エネルギー(ATP)の発生、細胞構成分のリ
サイクルおよび細胞の増殖である。
本明細書において用いる「粒子状(particulate for
m)」という語は、広い意味で解釈すべきである。粒子
状とは、球形または実質的に球形の粒子の形状を含み、
本明細書は一般にこのような球状ないしはほぼ球状の粒
子を指称しているが、粒子状とは、更に、例えば、繊維
状の形状(例えば、押出し繊維)、流し込みフィルム
(cast film)、容器のコーティング、および含浸紙ま
たは含浸組織のような形状も含むことができる。一般
に、「粒子状」とは、所望の大きさを有し本発明に従う
組成物の形状を意味するものとする。
本明細書において用いる「ゲル化剤」(gelling agen
t)」という語は、その水溶液が特別な処理(例えば、
ゼラチンまたは寒天が用いられたときには冷却)により
固体状態または半固体状態に転換し得るような物質を意
味する。本発明の目的に好適なゲル化剤は、例えば、ゼ
ラチン、ゲル化性ポリ炭水化物(例えば、寒天)と、遊
離アミノ基を含有するポリマー(例えば、キトサン)と
の混合物であった適当な二価性または多価性架橋剤と架
橋することができるもの、および、ゼラチンとそのよう
な化合物との混合物である。ゼラチン、およびゼラチン
とキトサンとの混合物は、好ましいゲル化剤である。
本発明の目的に好適な架橋剤の例は、グルタル酸ジア
ルデヒド(グリタリックジアルデヒド、これは特に好ま
しい)およびタンニン酸である。
本発明に従う固定化水不溶性生体触媒に好適な生細胞
は、例えば、微生物細胞、および、動物や高等植物の細
胞である。好適な微生物の生細胞の中で好ましいものと
しては、酵母や細菌、例えば、Saccharomyces cerevis
iae(例えば、パン菓子用イースト)、Acetobacter属
(例えば、Acetobacter pasteurianum)、Clostridium
属(例えば、Clostridium butyricum,Clostridium the
rmocellum,およびClostridium acetobutylicum)、Kle
bsiella属並びにLactobacillus属(例えば、Lactobacil
lus bavaricus)である。好ましい植物生細胞の例は、
Tagetes minuta種に属する細胞である。
本発明に従えば、固定化水不溶性生体触媒は、一種ま
たはそれ以上の酵素、特に非タンパク分解酵素を含むこ
ともできる。生体触媒に酵素が入れられるときには、該
酵素は生細胞およびゲル化性に対して適合性を有してい
なければならないことは勿論である。本発明の生体触媒
に含むことのできる酵素の例は、アミノグリコシダー
ゼ、ラクターゼ、マルターゼ、アミラーゼ、グルコース
イソメラーゼ、プルラナーゼ、インベルターゼ、リパー
ゼ、エステラーゼ、グルコースオキシダーゼ、およびデ
ヒドロゲナーゼである。酵素の混合物を用いることもで
きる。
特定の条件下においてはタンパク分解酵素を用いるこ
ともできるが、この点は当業者には明らかであろう。例
えば、ゲル化剤がゼラチンのようなタンパク質であると
きには、タンパク分解に活性な酵素はゲル化性タンパク
を分解して物理的に非常に不安定な生成物を与えるの
で、タンパク分解酵素の使用は回避すべきである。
さらに、本発明に従えば、固定化水不溶性生体触媒
は、任意に一種またはそれ以上の酵素と組合わせた二種
またはそれ以上の生細胞を含むこともできる。
本発明に従う粒子状の固定化水不溶性生体触媒は、カ
ラム型の反応器、流動層反応器または撹槽型反応器等に
用いて連続的な生体触媒を行なうのに特に有用である。
この生体触媒を適用することのできる好適な反応は、炭
水化物の転化反応(例えば、液状でん粉からのオリゴサ
ッカライドのエタノールへの転化)、ラクトース(例え
ば、ホエイ中のラクトース)の乳酸またはエタノールへ
の転化、および、セロビオースの酢酸、イタコン酸また
はクエン酸への転化である。本発明に従う固定化水不溶
性生体触媒の好適例は、Saccharomyces cerevisiae
含み、グリセロールを生成し副生物としてエタノールを
生成するためのものであり、あるいは、ラクターゼと組
合せてホエイをエタノールに転化するものであり、ある
いは、Zymomonas mobilisと組合せて液状でん粉からエ
タノールを連続的且つ迅速に生成するためのものであ
る。好ましい固定化水不溶性生体触媒は、Saccharomyce
s cerevisiaeを含み、任意的に1種またはそれ以上の
でん粉分解酵素、特にアミノグリコシダーゼと組合せた
ものである。このような組合せは、液状でん粉(例え
ば、デキストリン)からエタノールを製造する発酵や低
カロリービールの製造に特に有用である。本発明に従う
他の好適な生体触媒は、炭化水素をケトンまたは酸に転
化するためのモノオキシダーゼを形成する固定化体(例
えば、Clostridium,KlebsiellaおよびAerobacterに属す
る種)、製紙における亜硫酸塩液を処理するためのリグ
ニナーゼ形成固定化体(例えば、CoriolusPhanerocha
ete,SporotrichumおよびSterptomycesに属する種)、あ
る種の医薬的に活性な化合物を製造するに際して特定の
反応を触媒する酵素を形成する固定化体(例えば、ステ
ロイドや光学活性異性体を製造するのに有用なCurvular
iaMycobacteriumおよびPseudomonasに属する種)、で
ん粉またはグルコースから酢酸を製造するためのAcetob
acterに属する種の固定化体、およびモノクロナール抗
体を製造するための固定化ハイブリドーマ細胞である。
本発明に従えば、上述したような固定化水不溶性生体
触媒は次の各工程から成る方法によって製造することが
できる: (a)ゲル化剤の水性溶液に生細胞を懸濁させ、 (b)得られた混合物に、水中で貧混和性または非混和
性の有機溶媒を加えて、生細胞とゲル化剤とから成る水
性粒子が有機溶媒中に存在するサスペンションを形成
し、 (c)該サスペンションを処理して粒子中のゲル化剤を
ゲル化し、 (d)工程(c)で得られた粒子を二価性または多価性
架橋剤と処理して粒子中に存在するポリマーを架橋し、
さらに、 (e)工程(d)で得られた粒子から水の少なく一部を
除去する。
本発明に従う方法は、工業的な用途においてきわめて
有用になる多くの利点がある。例えば、本発明の方法は
単純であるので、正確な制御を行なうことができる。得
られる粒子は、均一に分割されており均質であり、一般
に半固体状であるか、好ましくは、固体状である。酢酸
ブチルまたはトルエン中で押出すことにより、本発明の
固定化は無菌的に行なうことができる。最後に、本発明
の方法は比較的安価である。
ゲル化剤は、ゼラチンまたはゼラチンとキトサンとか
ら本質的になる混合物が好ましく、このゲル化剤は、生
体触媒に加えられた酵素を安定化する作用も有する。
生細胞、酵素およびゲル化剤から成る粒子状の混合物
は、ゲル化剤の水溶液中に生細胞および場合によっては
酵素を懸濁させ、得られる混合物を水に貧混和性ないし
は非混和性の有機液体に加えて粒子形状とし、さらに、
得られる粒子状のサスペンションを処理して(例えば、
ゼラチンがゲル化剤であるときには冷却する)ゲル化剤
のゲル化を起こさせることにより形成することが好まし
い。生細胞、酵素(任意)、およびゲル化剤を含有する
混合物を有機液体に加えるには、撹拌を調整しながら混
合したり、あるいは、生細胞、酵素およびゲル化剤から
成る混合物を有機液体中にサブマージスプレーする等の
手法が行われる。後者の手法は、垂直カラムを用い、こ
のカラム内で形成粒子を有機液体(これには架橋剤が含
有されていることがある)中を下降させることによって
行なうことができる。
生細胞、ゲル化剤、およびこれに酵素が含まれている
ことがある混合物の架橋は、有機液体から該粒子状を分
離し、二価ないしは多価架橋剤で処理することによって
行なわれる。別の方法として、例えば、Clostriclium
胞の場合には、有機液体中に懸濁されている粒子状混合
物を上記のごとき架橋剤で処理してもよい。生体触媒中
に酵素を存在させることが望まれるときには、架橋工程
に際してゲル化サスペンションに該酵素を導入すること
ができる。その後、所望に応じて、固体化生細胞を活性
化し増殖させてもよい。
好ましい態様として、架橋後に得られた粒子を乾燥す
ることにより、該粒子が貯蔵とパッキングに便利なよう
にする。使用前、通常、粒子を再度水和し、また、必要
に応じて固定化生細胞を増殖させる。
本発明の方法において出発原料として用いられる生細
胞、酵素およびゲル剤から成る混合物は、ゲル化剤の水
溶液に、生細胞、および任意に酵素を懸濁させることに
より調製することができる。ゲル化剤水溶液の温度は、
活性混合物が液状で得られるような温度にすべきであ
る。すなわち、約25℃から約40℃の温度が好ましく、こ
こで、最高温度は用いる生細胞の熱的許容度に依存す
る。
溶液中のゼラチンは用いるゼラチンの種類に依存し、
水に対して約0.1重量%から約25重量%の範囲で変わ
り、好ましくは、約5から10重量%の範囲である。生細
胞および酵素の濃度は、固定化生体触媒の使用目的およ
びその活性に依存する。ゼラチンとキトサンとの混合物
を用いる場合には、キトソンの濃度は、水を基準にして
約0.05重量%から約10重量%の範囲で変わることがで
き、好ましくは、約0.1から約1重量%の範囲である。
溶液のpHは、その環境下において細胞が最も安定になる
ようなpHにすることが好ましいが、ゼラチンが共存して
いるときには、pHは約2から12の範囲、好ましくは3か
ら10の範囲にしてゼラチンがゲル化できるようにする。
他のゲル化剤については、pHの範囲が異なることもあ
る。
生細胞、酵素およびゲル化剤の混合物を調製するに際
しては安定剤を添加してもよく、この安定剤は、ゲル化
剤とともに生細胞を安定にし、さらに、酵素が存在する
ときには生細胞および(または)酵素を安定にする。基
本的には有機液体の代わりに冷水を使用できるとも考え
られたが、この方法は満足できる結果を生じないことが
見出されている。本発明の方法において有用な安定剤の
例は、ソルビトール、グリセロール、使用した生細胞と
酵素に対して非代謝成の基質である。
生細胞、酵素およびゲル化剤から成る水溶液ないしは
サスペンションを粒子状にするのに用いる有機液体は、
水中で貧混和性または非混和性の有機液体である。好適
な有機液体の例は、4個またはそれ以上の炭素原子を有
する脂肪族アルコール、例えば、ブタノールのようなア
ルカノール;アルコールと低級脂肪酸のエステル、例え
ば、酢酸エチル酢酸ブチルおよびプロピオン酸エチルの
ようなC1〜C4のアルカン酸;パラフィン油、ペトロール
および石油エーテルのような分枝状または直鎖状脂肪族
炭素水素;ベンゼンおよびその同族体のような芳香族炭
化水素;塩化メチレンおよびトリクロロエチレンのよう
な塩素化炭化水素;並びに、上述したような液体の二種
またはそれ以上から成る混合物である。これらの中で
も、入手が簡単であり且つ経済的に回収することができ
る点において、酢酸ブチルが特に好ましい。
生細胞−酵素(任意)−ゲル化剤の水性混合物に有機
液体を加えるとき、および得られるサスペンションの冷
却操作(ゼラチンを用いる場合)に際して行なわれる撹
拌は、生細胞−酵素(任意)−ゲル化剤の水性混合物を
所望の大きさの粒子に分割できるようにする。得られる
大きさは、撹拌の強さ、液体の比重の違い、表面張力お
よび液体の粘性、さらに、場合によっては、冷却速度、
温度および当初の生細胞−酵素−ゲル化剤から成る当初
の混合物ないしはサスペンションの濃度に依存する。一
般に撹拌で充分であるが、他の方法、例えば、生細胞−
酵素−ゲル化剤混合物を有機液体中にスプレーしてサス
ペンションを形成する方法を用いることもできる。有機
液体中での生細胞−酵素−ゼラチン混合物の冷却(例え
ば、約10℃またはそれ以下、あるいは、該混合物の凝固
点よりも低い温度まで)は、有機液体中におけるサスペ
ンションの形成と同時に、または、その形成の後に行な
われ、そして、冷却は迅速に行なわれたり緩慢に行なわ
れたりする。
架橋工程は、二価または多価の架橋剤を用いて実施さ
れ、アミノ基含有ポリマーと共有結合を形成させる。好
適な二価架橋剤の例は、グルタル酸ジアルデヒドおよび
タンニン酸である。
本発明の一態様においては、架橋工程の前に粒子の脱
水が行なわれる。この脱水は、得られる粒子の大きさを
減少させ、このような縮小粒子が二価または多価架橋剤
と接触させられたときには架橋反応が向上する。
脱水工程は、粒子を例えばソルビトールまたはグリセ
ロールを用いて浸透収縮させることにより実施すること
が好ましい。この脱水工程の後、二価または多価の架橋
剤を液体に添加したり粒子に適用する。脱水工程は、懸
濁(サスペンション)工程に用いた有機液体から粒子を
分離した後に行ってもよい。
本発明の方法に用いる生細胞−酵素(任意)−ゲル化
剤混合物に不溶性の充てん材を添加してもよく、この充
てん材は最終的に得られる粒子形状の物理的性質を改良
することができる。好適な不溶性充てん材の例は、微細
に分割されたシリケートまたは酸化ケイ素、例えば、KE
TJENSIL(合成酸化ケイ素)、HYFLO、DICALITE、けいそ
う土等である。
本発明の固定化生体触媒は、比較的重い材料(例えば
酸化ジルコン粉末)で被覆されて粒子に重量を与えるこ
とにより、流動層反応器において表面液速度を高めて酵
素濃度を高くすることもできる。
最後に、本発明の方法により得られた粒子状の細胞−
酵素(任意)−ゲル化剤混合物は洗浄されることが好ま
しい。好ましい洗浄液の例は、水または生物学的活性物
質に応じたpHを有する緩衝液である。一般に、本発明の
粒子状調製物は乾燥することが好ましい。
本発明において用いられるゼラチンのごときゲル化剤
は、ポリ電解質であり、これが、存在する酵素の見かけ
の最適pH、すなわち、該酵素が最大の活性を示すpHに影
響を与えるものと考えられる。さらに、酵素の見かけの
最適pHに影響を与える他の化合物を粒子に存在させても
よく、例えば、硫酸プロタミンおよびポリアクリル酸に
よって例示されるような他のポリ電解質を加えることも
でき、これにより後の用途に応じた生細胞−酵素−ゲル
化剤粒子の最適pHが得られる等の効果がある。
酵母の固定化に際して遭遇する実際的な問題の一つ
は、従来の使用法では、酵母が固定されたときには酵母
の発酵特性が不測的に変化すること、および、従来から
の発酵条件下において見られるような好ましい発酵特性
は該酵母が固定化されると必ずしも保有されないという
ことである。さらに、酵母の発酵特性は、該酵素が回分
式発酵において用いられるか連続式発酵によって使用さ
れるかに応じて予測できないような変化をするというこ
とも見出されている。
醸造業においては連続式発酵に大きな興味があり、長
期間にわたって連続式発酵器において使用することがで
きる固定化酵素の製造について多大の研究および開発が
行なわれている。他方、問題となるのは、長時間の反応
にわたって固定化酵母が物理的一体性を有し、さらに、
長時間の反応期間にわたって所望の原料糖から許容でき
るような高濃度で恒常的にエタノールを産生する能力を
有するかということである。連続式発酵において遭遇す
る別の問題は、固定化酵母の層において発生する熱に関
する問題である。醸造業において興味がもたれている多
くの酵母は回分式発酵では非常に好ましい挙動をする
が、連続式の層型発酵器において用いられる場合には熱
の問題が起こり酵母の挙動に悪影響を与える。したがっ
て、連続層発酵器においては複雑で高価な冷却機構を設
ける必要がある。
固定化および連続式発酵における使用に特に適してい
る酵母の種類を明らかにするために、本発明者は、親熱
性(thermophilic)、あるいは、さらに良好なものとし
て耐熱性(thermotolerant)と言われている多種の酵母
についてスクリーニングを行なった。酵母の親熱性は、
40℃以上の温度(通常は40から44℃の間)において回分
式培養により数世代(少なくとも4〜5)にわたり増殖
能力を維持しているときに現われる。かくして、或る酵
母の親熱性は、少なくとも40℃の温度で特定の培地にお
いて増殖させ、その増殖の程度を光学濃度によって測定
するというテストによって評価した。採用した手法は次
のとおりである。
テスト用酵母を、1%W/Vのバクト酵母の抽出物、2
%W/Vのバクトペプトンおよび2%W/Vのグルコース(ye
ast extract−peptone−dextrose、以下、YEPDと称す
る)から成る水性培地で増殖させた。すなわち、32℃に
おいてYEPD上でテスト用酵母を予備増殖させた後、静置
細胞1リットル当り150gの乾燥酵母となるような割合で
接種した。酵母培養体を42.5℃において16時間にわたり
増殖させ、光学濃度を読み取ることにより酵素細胞の増
殖を測定した。同一条件下におけるパン菓子用イースト
2103Ng(CBS6131)について得られた光学密度の少なく
とも2.5倍の光学濃度を与える酵母を親熱性とみなし、
本明細書においてはこの光学濃度の読みを有するものを
親熱性酵母と定義する。
上述したような目的を達成するため本発明者は、耐熱
であり、さらに、エタノール耐性の高い各種の酵母をス
クリーニングして、本発明に従う固定化および連続式発
酵用に充分な親熱性を有するような株の同定を試みた。
本発明者によるスクリーニングテストによって得られ
たそのような酵母の一つは、以前はSaccharomyces ana
mensisと称されていたものである。これは、当初1913年
に明らかにされたものであり、その後の研究者は、この
酵母はSaccharomycesと別異の種ではないと決定してい
たが、事実は、Saccharomyces cerevisiaeの変異体で
ある。S.anamensisS.cerevisiaeとの間の同一性につ
いては、LodderおよびKreger van Rijによる「酵母(Ye
asts)」(North Holland Publ.Co.発行、アムステルダ
ム)の第1版、および第2版、並びに、Kreger van Rij
編集によるその後の改訂版(Elsevier発行)に記述され
ている。
本発明者は、日本の大阪にあるIFOから入手したS.Cer
evisiae ver. anamensis(寄託番号IFO 0203)のサ
ンプルについて調べ、驚くべきことに、この酵母の例え
ばグルコースの発酵能は、本発明に従い固定化した場
合、予期しない好ましい変化をすることを見出した。我
々のスクリーニングテストにおいては、従来からのパン
菓子用イーストである227Ng株〔英国においてBritish F
ermentation Products Ltd.からFermipan“red"の商品
名で販売されている。なお、Fermipanは登録商標であ
る〕と種々の方法でIFO 0203株を比較した。40℃また
はそれより高い温度下による本発明者の親熱性テストに
おいて、IFO 0203は正の反応を示すのに対し、227Ngは
負であることが見出された。37℃、6時間における生成
エタノールの量を測定する別のテストにおいては、IFO
0203が2.27%V/Vを生成し、他方、同一条件下におい
て、227Ngは実質的に同じである2.54%V/Vを生成してい
た。
酵母のこの2つの株間について、初期の細胞密度を高
くした回分式発酵の比較を行なったところ、IFO 0203
は、最初の16時間において15%V/V、また、24時間後に
おいて16.5%のエタノールを生成することができ、他
方、同一条件下で、227Ngは最初の16時間において18%
のエタノール、また、24時間後において18.5%のエタノ
ールを生成することができた。これらのテストは、発酵
性糖分の欠如により発酵が停止しないような条件下で行
なわれた。
それらの株についてさらに比較を行ない、所謂、糖の
D値を測定した。この値は、東独特許公報DD−216480−
Aにおいて導入された概念であり、25秒より大きいD値
を有するものをアルコール耐性酵母と定義している。こ
のD値は、58℃の温度下に供されたときに、酵母の90%
を死滅させるのに必要な時間を秒で表わしたものであ
る。25秒より小さいD値を有する酵母はアルコール感受
性とみなされる。このテストによると、IFO 0203は50
秒のD値を有し、また、227Ngは26秒のD値を有してお
り、両者とも該テストではアルコール耐性とみなされ
る。
従来からの発酵による上述したような各種の比較テス
トに基づけば、本発明に従い固定化し連続式発酵に用い
たときに2つの酵母株の間に有意の相違があるだろうと
予測されるような根拠はなかった。しかしながら、実際
に比較したときには、IFO 0203の挙動には非常に顕著
な改良が認められた。本発明に従い227Ngをアミログリ
コシダーゼとともに共固定化し、原料デキストリンが連
続的に供給されエタノールを含む生成物流が連続的に収
出されているカラムに粒状物質を加えると、発酵が定常
状態で実施されるとき、生成物流は8.5〜9.5%V/Vのエ
タノールを含有していることが見出された。IFO 0203
株を用いて同じ操作を行なうと、エタノールのレベルは
11〜12%となり、6ケ月間にわたって維持された。
IFO 0203に関する我々の研究が示しているところに
よれば、公表されている性質に反して、上述したような
実験に用いたIFO 0203株はマルトースを発酵させない
ことが見出されている点において、該株の当初の単離者
およびLodderの第一版によって報告されているような発
酵能に何らかの変化が生じている。このことは、当初の
物質が寄託されてから突然変異が生じたことを示唆して
おり、そこで、我々は、このマルトースを発酵させない
S. CerevisiaeのIFO 0203株を1986年5月7日にthe C
entraal Bureau voor Schimme lcultures(Oosterstraa
tl、3742 SK Baarn、オランダ国)に寄託し、該機関か
ら寄託番号CBS 252.86を受けた。
更に、我々は、IFO 0203株(CBS 252.86)の人為的
な変異株についても研究を行なった。既知の変異原物質
(突然変異誘発物質)を亜致死量で酵母細胞にパルス付
与することにより該株の突然変異を試みた。我々が用い
た変異原物質には亜硝酸ナトリウムおよびエチルメタン
スルホネートが含まれる。
亜硝酸ナトリウムおよびエチルメタンスルホネートを用
いてIFO 0203株にパルス処理して得られた特定の株の
一つは、その親株よりも優れた性質を示すことが見出さ
れた。本発明者らは、この変異株を2490−KI13と名づけ
て、この変異株2490−KI13も1986年5月7日にCentraal
Bureau voor Schimmelculturesに寄託し寄託番号CBS25
3.86を受けた。簡単にするため、この寄託した変異株を
変異株13とする。変異株13もまた本発明の別の態様を構
成するものである。
変異株13を、親株IFO 0203に関する上述した各種の
比較テストに供した。耐熱性増殖テストにおいては、変
異株13はその親株CBS252.86よりも耐熱性が小さいが、2
27Ngよりは耐性があることが見い出された。Klett−Sum
mersonの濃度計(66フイルター及び3つの独立した読み
取り付き)を用いた光学濃度の平均は次のとおりであっ
た。
37℃での従来からの発酵においては、変異株13は3.61
%V/Vのエタノールを生成し、これに対し、CBS252.86は
2.67%V/Vであり、また、227Ngは2.54%V/Vであった。
16時間および24時間後のアルコール生成を測定するテ
ストによれば、変異株13は、16時間では僅か13.25%V/V
また、24時間では15.5%のアルコールを生成しており、
アルコール生成の点では、その親株および227Ng株の両
者の方が優れている。
しかしながら、変異株13が、本発明に従いアミログリ
コシダーゼとともに架橋ゼラチン内で共固定化され、粒
子が連続式発酵カラムに入れられると、生成流中のエタ
ノールのレベルは定常状態において11%〜12%V/Vに達
し、この高レベルのアルコールが最大6時間にわたって
連続的に維持され、さらに、アルコール生成の平衡レベ
ルが迅速に到達される点において、該変異株は親株より
も優れた挙動を示した。
本発明の生体触媒の主たる用途は炭水化物の転化であ
るが、生細胞の性質に応じ、固定化細胞が性能を発揮す
るような他の微生物学的プロセスにも適用されることは
できる。
本発明に従えば、さらに、アルコール生成用の基質を
可溶性酵母とアミログリコシダーゼを含有する発酵器に
通す前に該基質を固定化酵母/アミログリコシダーゼを
用いて好適に処理することができる。
さらに、本発明によれば、本発明の固定化酵母生体触
媒を用い、部分転化したアルコール生成用基質の転化を
完了させることもできる。例えば、20DSデキストロース
等量を含有する基質を可溶性酵母とアミログリコシダー
ゼを用い最初の反応器で9%エタノール(V/V)まで転
化させる。次に、この溶液を、本発明に従いアルコール
耐性酵母(例えば、前述したような種類に属するような
酵母の一つ)を含有する固定化酵母/アミログリコシダ
ーゼ反応器に供給する。
生細胞が酵母細胞である生体触媒の主要な用途は、発
酵性糖質の発酵、特に連続式発酵によるエタノールの生
成である。前述したように、本発明の生体触媒は連続式
発酵器において特に酵母細胞の利点を発揮させ、ここ
で、該生体触媒は固定層中に存在する場合もあれば、あ
るいは、流動層または(連続式)撹拌槽反応器(contin
uously stirred tank reactor:CSTR)中に存在する。
本発明の好ましい実施態様においては流動層反応器中
に生体触媒を存在させ、この場合には、該反応器内で均
一な流動化が達成されるように反応混合物を導入する。
反応器空間の頂部に多機能分離区画を設けて、反応空間
を出るガス−液体−固体混合物が完全に分離され、且
つ、該反応空間に生体触媒が完全に戻るようにすること
が好ましい。多機能分離区画を備えたそのような流動層
反応器は、担体粒子に付着したバイオマスを有する廃水
の精製に関するEP−A−0090450に記述されている。こ
の反応器と同種の反応器は、エタノールの分離、特に、
本発明の生体触媒を用いる分離に効果的に使用できるこ
とが見い出された。生細胞(例えば酵母細胞)の滞在時
間に対する増殖速度に関し反応器の原理は、上述したヨ
ーロッパ特許の場合と同様であり、最適な条件は当業者
によって簡単に決定されるが、使用する細胞に特に依存
する。
発酵性糖から成る原料が反応器に連続的に供給され、
エタノールから成る生成物流が連続的に取り出される。
勿論、酵母と発酵性糖原料とを適合させることが必要で
あり、本発明の特に好ましい態様に従えば、生体触媒と
して、本発明者が寄託したS. cerevisiae株であるCBS25
2.86またはCBS253.86をアミログリコシダーゼと組合せ
たものを用い、原料としてデキストリンを用いる。この
デキストリンとしては、でん粉の発酵分解(例えば、ア
ルファアミラーゼを用いて)によって得られ、平均重合
度が約7〜10のデキストリンであり、デキストリンの最
終分解により生体触媒そのものにおいて得られたグルコ
ース原料を与えるようにしたものである。
本発明のいくつかの好ましい実施例を以下に記述する
が、本発明はこれらの特定の実施例に限定されるもので
はない。
実施例1 40gの乾燥インスタント酵母(Saccharomyces cerevi
siae2103Ng CBS No.6131、乾燥固形分96.5%)を、約40
℃の温度下において、60gのゼラチンを含有する水溶液9
60mlに懸濁させた。pHを5.5に調整した。このゼラチン
−ゼラチン水性サスペンションを撹拌しながら400mlの
n−酢酸ブチル(予め40℃に加熱)に添加した。得られ
たサスペンションを10℃に急速冷却することにより、酵
母−ゼラチン含有粒子を形成した。n−酢酸ブチルはデ
カンテーションした。2000mlの水に溶かしpH6.5に調整
したグルタル酸ジアルデヒド30gの溶液を用い、5℃の
温度下に1時間、粒子(1kgの湿ビード)の架橋処理を
行なった。n−酢酸ブチル臭が検知されなくなるまで水
で粒子を洗浄した。得られた粒子は良好な物理的安定性
を有し、水に不溶性であった。捕獲(エントラップ)さ
れた酵母細胞を好気条件下に3000mlの培地中で一晩回分
式で培養した。ジャケット中で、0.1NのNaOHを用いてpH
を4.5に保ち、恒温制御した水浴からの水を循環させる
ことにより温度を35℃に維持した。
選択した酵母を次の組成から成る培地中で増殖させた
(%はW/V):グルコース22%、NH4Cl 2%、KH2PO40.5
%、NaCl 0.1%、MgSo4・7H2O 1%、CaCl・2H2O 0.2
%、Tween80(1ml/l)、エルゴステロール(6.5ml/
l)、酵母抽出物0.1%、ビタミンB(7.5mg/l)および
消泡剤(0.5ml/l)。固定化法の各工程において粒子中
に閉じ込められた、生存細胞の数(モルト抽出寒天上の
プレートカウント)は、第1表にまとめられている。ゼ
ラチン埋設酵母細胞に対するn−酢酸ブチルの劣化効果
は検出できなかった。
実施例2 実施例1に記載したのと同様の方法であるが、酵母単
独の代わりに、出発物質として40gの乾燥インスタント
酵母(Saccharomyces cerevisiae 2031Ng、CBS No.612
8、乾燥固形分96.5%)と8mlのアミログリコシダーゼ
(AMIGASE LX、26.000AGI単位/ml、Gistbrocades)を用
いて、架橋した酵母−アミログルコシダーゼ−ゼラチン
粒子を得た。この粒子は水中で不溶性で、良好な物理的
安定性を有していた。
実施例3 実施例1に記載した方法により酵母−ゼラチン粒子を
調製した。但し、Saccharomyces cerevisiae(1777N
g、CBS No.4877、乾燥固形分96.5%)を用い、n−酢
酸ブチルのデカンション後に得た粒子は、溶解化アミロ
グルコシダーゼの存在下においてグルタル酸ジアルデヒ
ドを用いた架橋した。
200mgの水に溶かした30gのグルタル酸ジアルデヒド
(50%V/V溶液)と200mgのアミログルコシダーゼ(AMIG
ASE、実施例2参照)から成る溶液および1000gの湿ビー
ドを、5℃の温度下、pH6.5において1時間、架橋処理
した。
液体を除去した後、架橋剤が完全に取り除かれるまで
アミログルコシダーゼ被覆酵素−ゼラチン粒子を数回洗
浄した。実施例20に記述するようなエタノール発酵を行
なった。実施例2の方法に従って製造された粒子に比較
すると、このアミログリコシダーゼ−酵母−ゼラチン粒
子は高い安定性を示した。
実施例4 固定化微生物を連続的に製造するため、次の改良法を
実施した。ゼラチン含有微生物溶液を、多数の狭い管を
介してn−酢酸ブチルを含有するカラム(5℃に維持)
にポンプ給送した。前記の管は、その下端が酢酸ブチル
よりも位置的に低くなっており、微生物−ゼラチン溶液
から成る流体を恒常的に供給し、該流体はn−酢酸ブチ
ルに到達したときに小さい液滴になる。この液滴の大き
さはポンプの速度に依存していた。カラムの長さは5cm
であり、下降する液滴がゲル化し架橋剤と反応するのに
充分な時間を有していた。得られたビードをカラムの底
部から連続的に集め、n−酢酸ブチルを除去し水で洗浄
した。消費したグルタル酸ジアルデヒドを補充した後、
n−酢酸ブチルはリサイクルした。カラムは、約4cmの
内径を有し、1時間当たり約8lの固定化微生物を生成し
た。
実施例5 実施例4に記載した方法により、共固定化微生物−酵
素粒子を連続的に調製した。但し、酵素および微生物を
含有するゼラチン溶液をn−酢酸ブチル低温溶液中に押
出した。
実施例6 一連の実験を行ない、実施例1に記載した方法に従い
酵母−ゼラチン粒子を調製した。但し、酢酸ブチルの代
わり、次の有機溶媒を順次使用した。
トルエン ペトロール 石油エーテル(高沸点留分、70/110) シクロヘキサン n−ペンタン いずれの場合においても、これらの有機溶媒中で少な
くとも1時間培養した後の生存細胞量は100%であっ
た。
実施例7 実施例4と同様であるが、酵母の代わりにAcebacter
pasteurianumの株であるATCC9325を用いて不溶化粒子を
得た。固定化法の各工程において粒子中にカプセル被覆
された生存細胞の量(DifcoからのB.H.I寒天上のプレー
トカウント、pH7.4)を第2表にまとめている。ゼラチ
ン埋設Acetobacter細胞に対するn−酢酸ブチルの変質
効果は検出されず、また、グルタル酸ジアルデヒドによ
る細胞の損傷も検出されなかった。
実施例8 450mlの稀酢酸に40℃において20gのカニ殻キトサンを
溶解させ、酢酸ナトリウム30gを用いてpH6.0に中和し
た。次いで、該キトサン溶液に、Acebacter pasteurian
umの湿細胞250gを懸濁させ、温度を40℃に維持した。こ
れとは別に、500mlの水道水に20gの寒天を溶解し、温度
を100℃に上昇させた。
この寒天溶液を45℃に冷却し、上記のAcetobacter
キトサンサスペンションに添加した。得られたサスペン
ションを、実施例4に記載したように、5℃においてn
−酢酸ブチルに押出した。このようにして得られた粒子
を、実施例3と同様に、水で洗浄しグルタル酸ジアルデ
ヒドで架橋した。但し、架橋剤の濃度は2倍に高めた。
得られる粒子は水中で不溶性であり、良好な物理的安
定性を示した。
実施例9 60gのゼラチンを含有する水溶液70mlに、約40℃の温
度に於いて、250gのバクテリアスラリー(Lactobacillu
s plantarus、乾燥固形分3.5%)を懸濁させた。
このバクテリア−ゼラチン水性サスペンションを撹拌
しながら4000mlのn−酢酸ブチル(予め40℃に加熱)に
添加した。得られるサスペンションを10℃に急冷してバ
クテリア−ゼラチン含有粒子を形成させた。n−酢酸ブ
チルはデカンテーションした。2000mlの水に溶かしpH6.
5に調整した30gのグルタル酸の溶液(50%v/v溶液)を
用い1時間、5℃の温度で粒子(1kgの湿ビード)を架
橋した。n−酢酸ブチル臭が検出されなくなるまで粒子
を水で洗浄した。得られる粒子は良好な物理的安定性を
有し、水中で不溶性であった。エントラップされたバク
テリア細胞を微好気性条件下に3000mlの培地においてバ
ッチ方式で培養した。ジャケット中において、10NのNaO
Hを用いてpH6.0に維持し、サーモスタットで制御された
水浴からの水を循環することにより30℃に温度を維持し
た。
固定化法の各工程において粒子中に閉じ込められ生存
細胞の量(MRS AGAR(OXOID CM359)上のプレートカウ
ント)を第3表にまとめている。ゼラチン埋設バクテリ
ア細胞に対するn−酢酸ブチルの変質効果は検出できな
かった。
実施例10 Clostridium cetobutylicum ATCC 824(Weizmann
株)の活性培養体を第4表に記す培地に接種(0.5%)
し、窒素雰囲気下に37℃においてpH制御を行なうことな
く培養した。2週間後、発酵内容物をハーベストし、胞
子(spores)を無菌脱ミネラル水で2回洗浄した。代表
的な収率は0.43g胞子(湿重量)/gグルコースであっ
た。1mg胞子は、2.3×1010に相当する。選んだ条件下に
おける培養体の最大増殖速度(μmax)は0.36hr-1であ
った。洗浄後の胞子を再懸濁させて最終的な濃度が15g/
l(約5g/l乾燥重量)になるようにし、グルタル酸ジア
ルデヒドの存在下(上限1%w/w)に5℃で1時間、
アリコートを培養した。無菌脱ミネラル水で洗浄した
後、グルコースを含有する(10g/l)脳−心臓浸出液に
接種した希釈列に熱ショックを与え(80℃において2分
間)、37℃において培養した。胞子の生存率に対するグ
ルタル酸ジアルデヒドの影響は認められなかった。酵素
/アミログリコシダーゼに関する標準的な方法に従い、
グルタル酸ジアルデヒド(0.75%w/w)と架橋したゼラ
チン(6.0%w/w)中で胞子を固定化(0.2% w/w)し
た。タンパク分解酵素サスペンションによるゼラチンの
加水分解後、胞子を熱活性し、グルコース(10g/l)お
よびジチオスレオトール(0.08%w/w)を含有するBHI寒
天上に希釈列を配置した。好気性ジャー中で37℃におい
て1週間培養した後のカウントによれば、C.acetobutyl
icum胞子の生存度は固定化法によって影響されないこと
が示されていた。
第4表 培地組成(蒸留水1当り) K−リン酸緩衝液 15mM MaSO4.6H2O 0.2 g NH4C1 0.65g 酵母抽出物 5.0 g トリプトン 5.0 g ビタミン液 0.5 ml 微少成分液 9.0 ml レザズリン(0.1%) 1.0 ml Na2S−システインHCl(5%) 10.0 ml グルコース 30.0 g ビタミン類 ビオチン 40 mg/l pABA 100 mg/l 葉酸 40 mg/l Caパントテン酸 100 mg/l ニコチン酸 100 mg/l ビタミンB12 2 mg/l チアミン.HCl 10 mg/l ピリドキシン.HCl 100 mg/l チオクト酸 100 mg/l リボフラビン 10 mg/l 微少成分 ニトリロ三酢酸 12.8 g/l FeSO4.7H2O 0.1 g/l MnCl2.4H2O 0.1 g/l COCl2.6H2O 0.17g/l CaCl2.2H2O 0.1 g/l ZnCl2 0.1 g/l CuCl2 0.02g/l H3BO3 0.01g/l NaMoO4.2H2O 0.01g/l NaCl 1.0 g/l Na2SeO3 0.02g/l NiCl2 0.1 g/l 実施例11 実施例9と同様の方法により、Lactobacillus planta
rusを固定化した。但し、ゼラチン(6%w/w)およびキ
トサン(sigma,C−3646)0.5%w/wから成る混合物を用
いて該Lactobacillus細胞を固定化した。固定化の各工
程において粒子内に閉じ込められた生存細胞の量(実施
例9に記載したようなプレートカウント)を第5表にま
とめている。
実施例12 実施例11に記載した方法を繰り返した。但し、酵母細
胞を固定化するために、ゼラチン(6%w/w)およびポ
リエチレンイミン(sp−200、日本触媒製)2%w/wから
成る混合物を用いた。固定化法の諸工程において粒子中
に閉じ込められた生存細胞の数(実施例1と同様のプレ
ートカウント)を第6表にまとめている。
実施例13 実施例9の方法を繰り返した。但し、使用した混合物
はゼラチン(4%w/w)とアルギン酸アミン(2%w/w)
の混合物である。このアルギン酸−アミン誘導体は次の
ように調製した: 750mlの蒸留水に溶かしたManucol E/RE20gの溶液(pH3.
5)に、200mlの蒸留水に溶かした1,6−ヘキサンジアミ
ン23g(0.2モル)の溶液(濃酢酸の添加によりpHを10.0
に調節)を迅速に且つ少量ずつ添加した。得られる反応
混合物を室温下において4時間撹拌し、次いで、1.0lの
メタノールで希釈した。沈でんを濾過し、200mlのメタ
ノールで2回洗浄した。真空下に50℃で乾燥後、酵素お
よび微生物に対する有用な担体になると思われる白色の
粉末が得られた。グルタル酸ジアルデヒドを用いる架橋
処理(実施例1参照)したところ、不溶性粒子が得ら
れ、この粒子は良好な物理的安定性を有し、また、第6
表のデータに匹敵する生存細胞カウント数を示した。
実施例14 植物細胞(Tagetes minuta;1.5%w/w乾燥質量)のス
ラリー75gを、17gのゼラチンを含有する水溶液(温度約
40℃、pH5.0)175mlに懸濁させた。このゼラチン溶液を
含有する植物細胞を、n−酢酸ブチル(5℃に維持)を
含有するカラムに多数の狭管を介してポンプ輸送した。
それらの管の下端は酢酸ブチルよりも低い位置にあり、
植物細胞−ゼラチン溶液から成る流体を定常的に給送
し、該流体はn−酢酸ブチルに到達すると小さな液滴に
なる。液滴の大きさはポンプの速度に依存していた。カ
ラムの長さは5mであり、したがって、下降液滴がゲル化
するのに充分な時間が与えられる。得られるビードをカ
ラムの底から連続的に集め、酢酸ブチルから分離し、水
で洗浄した。n−酢酸ブチルはカラムにリサイクルし
た。カラムは、約4cmの直径を有し、1時間当り約8lの
不溶化植物細胞ビードを生成した。その後、各種の濃度
のグルタル酸ジアルデヒドを用い、5℃、pH6.0におい
て1時間、粒子の架橋を行なった。得られた粒子を水道
水で充分に洗浄した。該粒子は水に不溶性であり、良好
な物理的安定性を示した。
実施例15 n−酢酸ブチルの代わりにペトロールを用いて実施例
14の方法を繰り返した。この実験においても、物理的安
定性が良好で水に不溶性の粒子が得られた。
実施例16 一連の実験を行ない、実施例4に記載した方法により
酵素−ゼラチン粒子を調製した。但し、低温酢酸ブチル
内に押出す前に酵母−ゼラチンサスペンションに酸化ジ
ルコンの粉末(325メッシュ)を加えた。添加するZrO2
の量が多くなる程、高密度の湿粒子が得られるようであ
る。代表的な実験の結果は第1図に示されている。
実施例17 実施例4に記載の実験に従い酢酸ブチルに少量のホス
ファチジルコリン(レシチン)を添加した。この方法に
よると、小ビードの代わりに、小繊維が形成された。
実施例18 実施例2に記載したような方法に従い、共固定化した
アミログリコシダーゼと酵母の湿粒子20gを調製した。
貯蔵安定性を増すために、酵母−アミログルコシダーゼ
−ゼラチン粒子を実験室規模の非連続式流動化装置で20
〜30分間乾燥し、この際、酵母粒子の温度が40℃を超え
ないように注意した。空気による流動化を注意深く行な
い、また、乾燥の開始は迅速に行なった。初期のうち
は、粒子を手で撹拌ないしは振動させた。得られる粒子
は85〜93%の乾燥物質を含有していた。真空下に5℃に
おいて貯蔵したところ、酵母細胞あるいは共固定化アミ
ログルコシダーゼのいずれも、12ヶ月間にわたり何らの
活性の低下を示さなかった。
実施例19 実施例1に記載の方法によって得られた酵母−ゼラチ
ン含有粒子をバイオリアクター(CSTR)(作動空間:800
ml)に用いた。すなわち、350gの湿粒子を充填し、既述
の増殖培地に添加されたグルコースの殺菌20%(w/v)
溶液を流量を変化させて反応器(リアクター)に通し
た。温度は32℃に保った。該バイオリアターは、4ヶ月
間連続的に作動した。この期間中、流出物からサンプル
を採り、エタノール、グルコースおよびクリセロールの
測定を行なった。無菌性が維持されるような注意は払っ
ていなかったが、汚染はみとめられなかった。
得られた結果によると、固定化酵母細胞の作動安定性
は高く平均エタノール濃度は8.0〜8.5体積%であった。
実施例20 実施例2の方法によって得られた酵母−アミログルコ
シダーゼ−ゼラチン粒子を実施例19と同様に再生し使用
した。但し、グルコースの代わりに、当初のDE値が15の
マルトデキストリンの20%(W/v)溶液を用いた。
結果は、第2図に与えられており、共固定化されたア
ミログルコシダーゼと酵母が高い作動安定性を有するこ
と、また、DE−15マルトデキストリン基質が1工程の作
動でエタノールに転化される可能性が示されている。平
均エタノール濃度は8.5体積%であった。
実施例21 実施例7に記載の方法によって得られたAcetobacter
−ゼラチン含有ビードをバイオリアクター(CSTR)(作
動空間800ml)に用いた。すなわち、湿ビード80g、及
び、グルコース溶液5%(w/v)と酵母抽出物溶液2%
(w/v)とを有する無菌培地720mlを充填した。該培地は
リン酸塩でpH7.0に緩衝した。30℃の温度下、16時間培
養した後、サンプルを取り、そのグルコースと酢酸を分
析した。
酢酸の最終濃度は0.5g/lであり、測定した酸生成速度
は、1時間当り、1gの細胞(乾燥質量)に対して酢酸21
mgであった。
グルコースの代わりに基質としてエタノールを用いて
同じ実験を行なった。酢酸の最終濃度は0.8g/lであり、
生成速度は31mg酢酸/g細胞(乾燥質量)/時間であっ
た。
実施例22 実施例9に記載された方法によって得られたLactobac
illus plantarus細胞−ゼラチン含有粒子をバイオリア
クター(CSTR)(作動時間:800ml)に使用し、該粒子の
湿粒子140gを実施例9に記載の培地300mlとともに充填
した。
発酵の開始時に、48%(w/w)のグルコース溶液352ml
を22時間にわたり16ml/時間の速度で発酵装置に添加し
た。温度を30℃に保ち、10NのNaOHを用いてpH6.0に保持
した。回分式発酵の全時間は6日間であり、この期間、
サンプルを採取してグルコースと乳酸を測定した。無菌
性が維持されるような注意を払ってはいなかったが汚染
はみとめられなかった。結果は、乳酸の高生成能を有し
ており、また、終りでも96%という高い収率を有してい
ることを示した。発酵終了時における乳酸濃度は第3図
に示されるように17.8%(w/v)であった。
実施例23 N2ガス雰囲気にあるCSTR(培養体積0.5l)及び第4表
に示す培地を用いて、実施例10に記載した固定化Clostr
idium細胞を含む有機溶媒の発酵を行なった。ビード(2
g/l胞子を含有する0.25l)の「殺菌」および発芽の活性
化は、水性エタノール(50%(w/w)を用い、Krouwelの
方法(Biotechnol.Letts.(1981)158−159)に従っ
て行なった。エタノールは、培地添加の前に、殺菌生理
食塩で洗浄することにより除去した。その後、発芽と生
育相のみが続いた。最初の160時間に得られた発酵結果
を第4図に示している。グルコースはブタノール、ブチ
レート、アセテート及びラクテートに転化している。微
少量のアセトンが見られることもあった(但し、示して
いない)。ブタノールの最大生成能は0.76g/l時間であ
り、このとき、グルコース転化速度は5g/l時間であっ
た。
培養の諸段階においてビードを電子顕微鏡で走査する
と、ゼラチンマトリックス中を胞子及び幾分かの残存細
胞が均一に分散されており、ビードの完全なコロニー化
は7日間で達成されることが示されている。
実施例24 Murachige及びSkoog培地(2%w/vサッカロース含
有)を用いて、実施例14および15に記載の固定化植物細
胞の酸素消費を測定した。その結果は第5図に示されて
いる。固定化Tagetesminuta細胞の酸素消費は、サスペ
ンション中の細胞の場合と同程度の大きさであった。
実施例25 S.cerevisiae IFO 0203(CBS 252.86)の突然変異 用いた方法は、酵母の連続培養に基づくものであり、
発酵装置に添加する新しい培地の速度を制御するために
増殖依存性pH変化を採用している(“phauxostat")。
この方法は、G.A.Martin及びW.P.Hempflingによる“Arc
h.Microbiol.107(1976)41−47"に記述されている。Ga
llenkamp型の1の発酵装置に、後述する組成を有する
基礎最少培地を充填した。すべての操作は無菌条件下に
行なわれ、上述の著者による複合培地を含有する発酵装
置に、S.Cerevisiae IFO 0203(CBS 252.86)の予備増
殖培養体を接種した。当初、pHを4.5に維持した。この
ため、発酵装置にNaOH用の入口を設け、必要に応じてNa
OHを注入してpH4.5に保った。さらに、発酵装置に、‘p
hauxostat'によって制御される新鮮培地用の入口も設け
て、グルコース濃度が制限されないようにした。初期の
温度設定は32℃であった。発酵装置が定常状態操作に達
したときには、温度を40℃に上げた。該発酵装置は、4
ヶ月間連続運転した。
後述するようなプロトコールに従い、アルコール濃度
が限定的になると変異原物質を用いて酵母にパルスを与
え、さらに、後の場合においても、アルコール濃度が限
定的になったときに酵母に再び変異原物質によるパルス
処理を施した。当初、エチルメタンスルホネート(EM
S)を注入し、注入直後、発酵装置におけるEMSの濃度が
後述するようなパーセントw/vとなるようにした。EMSを
3回注入した後は、引き続く注入は亜硝酸ナトリウムの
水溶液で行ない、注入直後において、発酵装置内の亜硝
酸ナトリウムの濃度が後述したようなミリモル(mM)/l
になるようにした。
基礎培地の濃度は次のとおりであった。
g/l NH4Cl 2.5 KH2PO4 0.25 MgSO4.7H2O 0.1 NaCl 0.05 Spore Elements 0.1 (ml) Vitamins 0.5 (ml) Ergosterol 1.72 (mg) Tween 80 0.25 Glucose 100g 変異原物質のパルス化処理プロトコールは次のとおりで
ある。
接種後(時間) 変異原物質パルス 160 0.01EMS 460 0.1EMS 650 1.0EMS 1200 0.1mM NaNO2 1430 0.5mM NaNO2 1600 1.0mM NaNO2 1820 2.0mM NaNO2 1960 3.0mM NaNO2 規則的な間隔でサンプルを取り出し、全体で2490時間
終了後、取り出したサンプルを希釈し、6%エタノール
を含有するモルト寒天上にまいた。増殖の良好な16のコ
ロニーを前述したような6時間/37℃アルコール生成テ
ストで更に分析した。37℃における6時間培養後、単離
されたいろいろな変異株は2.53〜3.61%v/vの間の濃度
のメタノール濃度を与えることが見出された。3.61%の
数値を与えたコロニーを変異体2490K113と称し、前述し
たようにCBS253.86として寄記した。
主培養体の発酵を続け、全体で4860時間の培養後、別
のサンプルを取り出した。
単離された各種のサンプルをテストし、前述した手法
に従い6時間、37℃においてアルコール生成能を調べ
た。得られた変異株は2.69〜3.56%v/vのエタノールを
生成することができることが見出された。3.56%のエタ
ノールを生成するサンプルを変異体4860KIとし、また、
3.31%のエタノールを生成する変異体は変異体4860KI6
と命名した。
実施例26 第6図に示すようなタイプの流動層型反応器において
発酵を行なった。
この発酵装置は、内径6cmで高さ1500cmのカラムの形
状を成す流動層部(1)から本質的に成り、その頂部に
内径14cmの沈降区画(2)とその沈降区画(セトラー)
の内側にあるガス分離セクション(3)とが設けられて
いる。流動層部(1)は原料パイプ(12)により下方か
ら供給を受けるようになっており、沈降区画(2)には
出口(14)と再循環(リサイクル)口(15)とが設けら
れている流動層部(1)は水ジャケット(4)により恒
温制御されるようになっている。水ジャケット(4)は
ライン(6)を介して供給を受け、温度制御装置(7)
および冷却水貯蔵装置(11)によって制御される。流動
層部(1)内のpHは、pH制御装置(10)により制御され
るようになっており、この装置(10)は、注入パイプ
(5)を通るアルカリの供給量を制御する。原料は原料
貯蔵器(16)から入口(12)を介して流動層部(1)に
送られるが、この入口(12)には温度指示装置(8)お
よびpH指示装置(9)が設けられている。ライン(15)
を介して沈降区画(2)を出る再循環用基質は、ポンプ
(13)を通ってリサイクルされ入口(12)を介して戻さ
れる。
次の組成の基質を調製した。
A.マルトデキストリン(DE 8−10) 160 g/l NH4Cl 2.5 g/l KH2PO4 0.25 g/l B.基礎塩 CaCl2.2H2O 2.0 g/l MgSO4.7H2O 10.0 g/l NaCl 1.0 g/l C.胞子エレメント クエン酸 0.250g/l FeSO4(NH4)2SO4.6H2O 0.450g/l ZnSO4.7H2O 0.084g/l CuSO4.5H2O 0.013g/l MnSO4.4H2O 0.010g/l H3BO3 0.010g/l Na2MoO4.2H2O 0.010g/l Kl 0.005g/l D.ビタミン イノシトール 0.200 g/l ニコチン酸 0.010 g/l Ca−D−パントテン酸 0.010 g/l ビタミンB1 0.010 g/l p−アミノ安息香酸 0.006 g/l ビタミンB6 0.001 g/l D−ビオチン 0.04x10-3g/l エルゴステロール 0.001 g/l Tween−20 0.250 ml/l 消泡剤 0.25 ml/l マルトデキストリン溶液、基礎塩培地、ビタミン溶液
および胞子エレメント溶液を20分間120℃において、別
々に殺菌した。殺菌後、この4つの溶液を互いに添加し
て上述したような組織とした。
流動層反応器(第6図)に、その作動空間(1)の50
%(E=0.5)となるようにビード(平均直径:1.8mm)
を充填した。このビードは、実施例2において詳述した
ように、架橋ゼラチン担持体中に固定化された賦活酵母
細胞とアミログリコシダーゼとから成る。この実施例の
実験は、次の酵母株を用いて行なわれた。
1.Sacchromyces cerevisiae(パン菓子用イースト、227
Ng) 2.Sacchromyces cerevisiae CBS 252.86 3.Sacchromyces cerevisiae CBS 253.86 マルトデキストリン(Morsweet、CPC)溶液を(11)
から連続的に発酵装置に供給し、このとき、その供給
は、すべてのオリゴザッカライドが糖化しエタノールに
転化するような特定の速度で行なった。温度を32℃に保
持し、4.0NのNaOHを添加することによりpH4.15に保っ
た。
基質は上述の条件下で連続的発酵に供した。ビードの
流動化を促進するために、再循環パイプ(12)にあるポ
ンプ(13)により反応混合物の線速度を0.15cm/秒に調
製した。排出混合物中のエタノール濃度、マルトデキス
トリン、マルトースおよびグルコースなどの糖類の濃
度、ならびに、グリセロール濃度は、高圧液体クロマト
グラフ(炭水化物カラム付、タイプHPX07C Biocad)を
用いて毎日測定した。
第7図は、使用した3種の異なる酵母株に関して、反
応器内の基質の希釈速度と最終的なエタノール濃度の関
係を示している。定常状態は、いずれも1週間維持され
た。驚くべきことに、酵母株CBS252.86およびCBS253.86
のみが、10.5体積%より大きい最終エタノール濃度およ
び2%より小さいグリセロール濃度を達成することがで
きたが、これに対して、パン菓子用イーストの場合、最
終的なエタノール濃度は9%より小さく、また、グリセ
ロール濃度は3%v/vより大きかった。さらにCBS253.86
の場合アルコール生成の平衡レベルに早く到達した。
実施例27 実施例1に記載した方法に従いゼラチン中にSaccharo
myces cerevisiae CBS253.86を固定化し、酸素存在下
に実施例1の培地で培養した。ビード中の酵母細胞をプ
レートカウントにより適時測定した。第8図は、培養時
間に対し、乾燥ビード全体1g当りの生存細胞の平均濃度
を示している。
乾燥ビードのg当り少なくとも4×1019細胞から成る
最終濃度を得ることができた。実施例26の流動層反応器
にこのような活性化ビードを充填することにより、単位
反応器体積当りに高い濃度の酵母細胞が得られた。第9
図は、反応器m3当りの酵母細胞の数と、ビードによる反
応器の装填度とを示している。酵母細胞の濃度は、非固
定化反応系(例えば、細胞リサイクル反応器)において
得られる濃度の少なくとも10倍であった。
実施例28 共固定化したアミログリコシダーゼとS.Cerevisiae C
BS253.86を含む高活性ビード(実施例27参照)を、実施
例26に記載の流動層反応器3台から成る発酵システム
(但し、互いに直列に接続)に使用した。各反応器は、
作動空間の40%w/vを占めるようにビードが充填され
た。
第一段階、第二段階および第三段階における体積は、
それぞれ、次のとおりである:V1=500ml;V2=480mlお
よびV3=800ml。各反応器における原料の滞在時間は、T
1=2.63時間;T2=2.53時間およびT3=であった。最終
エタノール濃度およびアミログルコシダーゼの残存活性
に関する結果を第2図に示している。この図に示すよう
に、エタノール生成用の安定した反応系が得られ、第三
段階における平均エタノール濃度は10.4体積%であっ
た。
第7表は、これらの3つの段階における平均比反応速
度、エタノール濃度、収率および生成速度を示すもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ファン デル プラート ヨハネス ベ ルテュス オランダ国 エヌエル 2353 セーカー レイデルドルプ オルトマンスドレー フ 25 (56)参考文献 特開 昭59−63186(JP,A) 特開 昭57−118793(JP,A) 特公 昭59−33356(JP,B2) 特公 昭55−2950(JP,B2) 特表 昭57−501411(JP,A) 米国特許4518693(US,A) 米国特許4163691(US,A)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋剤により架橋したゲル化剤中に生細胞
    を含む粒子状の固定化水不溶性生体触媒であって、水の
    少なくとも一部分が該架橋した粒子から除去されている
    こと、及び該生体触媒の製造時にゲル化剤の水溶液中に
    該生細胞が懸濁されている間に、水に貧混和性又は非混
    和性の有機液体に該生細胞が接触していたことを特徴と
    する固定化水不溶性生体触媒。
  2. 【請求項2】生細胞が、酵母、細菌および植物の細胞か
    ら成る群、または、それらの混合物から選ばれる請求の
    範囲第1項に記載の生体触媒。
  3. 【請求項3】生細胞およびゲル化剤と適合する1種また
    はそれ以上の酵素とともに該生細胞が分散されている請
    求の範囲第1項または第2項に記載の生体触媒。
  4. 【請求項4】酵素が、アミログルコシダーゼ、ラクター
    ゼ、マルターゼ、アミラーゼ、グルコースイソメラー
    ゼ、プルラナーゼ、インベルターゼ、リパーゼ、エステ
    ラーゼ、グルコースオキシダーゼまたはデヒドロゲナー
    ゼである請求の範囲第3項に記載の生体触媒。
  5. 【請求項5】ゲル化剤が、ゼラチン、または、ゲル化性
    ポリ炭水化物と架橋条件下に架橋され得る遊離アミノ基
    を含有するポリマーとの混合物である請求の範囲第1項
    〜第4項のいずれか1項に記載の生体触媒。
  6. 【請求項6】S.cerevisiaeの生存細胞が架橋ゼラチンに
    分散されている請求の範囲第5項に記載の生体触媒。
  7. 【請求項7】生細胞が、酵母抽出物/ペプトン/グルコ
    ース中において40℃を超える温度下に持続増殖すること
    のできるS.cerevisiaeの親熱性株である請求の範囲第1
    項〜第6項のいずれか1項に記載の生体触媒。
  8. 【請求項8】耐熱性株がS.cerevisiae CBS252.86である
    請求の範囲第7項に記載の生体触媒。
  9. 【請求項9】生細胞が、25秒より大きいD値(58℃にお
    いて生細胞の90%を死滅させるのに要する時間)を有す
    S.cerevisiaeのエタノール感受性株である請求の範囲
    第1項〜第6項のいずれか1項に記載の生体触媒。
  10. 【請求項10】エタノール感受性株がS.cerevisiae CBS
    253.86である請求の範囲第6項に記載の生体触媒。
  11. 【請求項11】該有機液体が、炭素数4以上の脂肪族ア
    ルコール、アルコールと低級脂肪酸とのエステル又は芳
    香族炭化水素である請求の範囲第1項に記載の生体触
    媒。
  12. 【請求項12】該有機液体が、トルエン、ブタノール、
    酢酸ブチル、プロピオン酸エチル又は酢酸エチルである
    請求の範囲第1項に記載の生体触媒。
  13. 【請求項13】生細胞を含む粒子状の固定化水不溶性生
    体触媒を製造する方法であって、 (a)ゲル化剤の水溶液中に生細胞を懸濁させ、 (b)このようにして得られた混合物を、水中で貧混和
    性または非混和性の有機液体に加えて、生細胞とゲル化
    剤を含む水性粒子が該有機液体中に存するサスペンジョ
    ンを形成し、 (c)該サスペンジョンを処理して、粒子中でゲル化剤
    をゲル化させ、 (d)工程(c)で得られた粒子を二価または多価架橋
    剤で処理して、粒子中でゲル化剤を架橋させ、さらに、 (e)工程(d)で得られた粒子から水の少なくとも一
    部分を除去する工程を含む前記方法。
  14. 【請求項14】生細胞およびゲル化剤に適合性を有する
    酵素を、工程(a)のサスペンジョンに導入し、および
    /または、該酵素を架橋工程(d)に際してゲル化サス
    ペンジョンに導入する請求の範囲第13項に記載の方法。
  15. 【請求項15】工程(c)で得られた粒子を脱水する請
    求の範囲第13項又は第14項に記載の方法。
  16. 【請求項16】工程(e)で得られた粒子を再水和する
    請求の範囲第13項〜第15項のいずれか1項に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】該有機液体が、炭素数4以上の脂肪族ア
    ルコール、アルコールと低級脂肪酸とのエステル又は芳
    香族炭化水素である請求の範囲第13項に記載の方法。
  18. 【請求項18】該有機液体が、トルエン、ブタノール、
    酢酸ブチル、プロピオン酸エチル又は酢酸エチルである
    請求の範囲第13項に記載の方法。
  19. 【請求項19】発酵性糖類の発酵によりエタノールを生
    成する方法であって、架橋剤により架橋したゲル化剤中
    に酵母細胞を含む粒子状の固定化水不溶性生体触媒であ
    って、水の少なくとも一部分が該架橋した粒子から除去
    されていること、及び該生体触媒の製造時にゲル化剤の
    水溶液中に該酵母細胞が懸濁されている間に、水に貧混
    和性又は非混和性の有機液体に該酵母細胞が接触してい
    た固定化水不溶性生体触媒の存在下に発酵性糖類を発酵
    条件に供することを特徴とする上記方法。
  20. 【請求項20】連続式発酵装置内のカラムに生体触媒を
    保持し、該発酵装置に糖類原料を連続的に供給し、さら
    に、発酵装置からエタノールを連続的に除去する請求の
    範囲第19項に記載の方法。
  21. 【請求項21】原料がデキストリンであり、生細胞がS.
    cerevisiae CBS252.86、またはS.cerevisiae CBS253.86
    であり、生体触媒がアミログルコシダーゼをさらに含む
    請求の範囲第20項記載の方法。
  22. 【請求項22】頂部に多機能分離区画を備える流動層反
    応器を使用する請求の範囲第19項〜第21項のいずれか1
    項に記載の方法。
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