JP2573897B2 - 化粧板用真空プレス成形用塩化ビニル系樹脂フイルム - Google Patents

化粧板用真空プレス成形用塩化ビニル系樹脂フイルム

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JP2573897B2
JP2573897B2 JP4125275A JP12527592A JP2573897B2 JP 2573897 B2 JP2573897 B2 JP 2573897B2 JP 4125275 A JP4125275 A JP 4125275A JP 12527592 A JP12527592 A JP 12527592A JP 2573897 B2 JP2573897 B2 JP 2573897B2
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧板用真空プレス
形用塩化ビニル系樹脂樹脂フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】化粧板は、建材、家具、家庭用電気製品
のキヤビネツト等、種々の製品に広く用いられており、
従来、合板、MDF、鋼板、無機質板等に樹脂フイルム
をラミネートして製造されている。しかし、近年、特
に、立体的な曲面を有する基材に真空プレス成形にて塩
化ビニル系樹脂フイルムを貼り合わせてなる化粧板が多
く用いられるに至つている。
【0003】このように、立体的な曲面を有する基材に
接着剤を塗布し、この基材に真空プレスを用いて貼り合
わせる(以下、真空プレス成形という。)ことによつ
て、化粧板を製造するために用いる塩化ビニル系樹脂フ
イルムは、通常、真空プレス成形温度(通常、60〜8
0℃)にてよく伸びて、立体的な三次元曲面によく沿う
ことと共に、真空プレス成形にて基材に貼り合わされた
後に、フイルムの上記のように伸びた部分が収縮しない
ことが特性として要求される。フイルム中の可塑剤量が
少ないほど、フイルムの上記収縮は小さくなるが、反
面、真空プレス成形時の伸びが悪くなるうえに、印刷適
性、即ち、濡れ指数や、絞転写性等も悪くなる。例え
ば、濡れ指数は、一般的に、33〜36dyn/cmの
範囲がよいといわれており、また、絞転写性が悪いとき
は、例えば、艶消しの場合には、艶消し絞の効果が出
ず、他方、艶出しの場合には、艷が出ない等の問題が生
じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の真空
プレス成形に用いられる化粧板用塩化ビニル系樹脂フイ
ルムにおける問題を解決するためになされたものであつ
て、真空プレス成形において、立体的な三次元曲面によ
く沿うと共に、真空プレス成形にて基材に貼り合わされ
た後に、フイルムの上記のように伸びた部分が収縮せ
ず、更に、印刷適性や絞転写性等にもすぐれる化粧板用
真空プレス成形用塩化ビニル系樹脂フイルムを提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による化粧板用真
空プレス成形用塩化ビニル系樹脂樹脂フイルムは、基材
に接着剤を塗布し、真空プレスによつて基材に貼り合わ
せて、化粧板を製造するための化粧板用真空プレス成形
用塩化ビニル系樹脂フイルムであつて、塩化ビニル系重
合体100重量部について、 (a) 可塑剤0〜20重量部、及び (b) メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体
及びメタクリル酸メチル−マレイミド共重合体から選ば
れるメタクリル酸メチル共重合体3〜30重量部含有
することを特徴とする。
【0006】本発明による化粧板用真空プレス成形用塩
化ビニル系樹脂フイルムは、塩化ビニル系重合体100
重量部について、可塑剤を0〜20重量部の範囲で含有
する。塩化ビニル系重合体100重量部について、可塑
剤量が20重量部を越えるときは、真空プレス成形にて
基材に対して伸びて貼り合わされた部分のフイルムが収
縮し、基材が剥離して、製品価値を著しく損なうことが
ある。特に、本発明においては、可塑剤量は、好ましく
は、塩化ビニル系重合体100重量部について、8〜1
2重量部の範囲で含有する。
【0007】更に、本発明による真空プレス成形用塩化
ビニル系樹脂フイルムは、塩化ビニル系重合体100重
量部について、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキ
ル共重合体及びメタクリル酸メチル−マレイミド共重合
から選ばれるメタクリル酸メチル共重合体3〜30重
量部を含有する。かかるメタクリル酸メチル共重合体
は、用いる塩化ビニル系樹脂に比べて、ビガツト軟化温
度、熱変形温度及び柔軟温度が高く、且つ、塩化ビニル
系樹脂に相溶性を有し、かくして、フイルムの温度に対
する感受性を抑制して、真空プレス成形にて基材に対し
て伸びてり合わされた部分のフイルムの収縮を抑制す
る。しかも、かかるメタクリル酸メチル共重合体は、こ
れを塩化ビニル系樹脂フイルムに配合しても、配合しな
いフイルムに比べて、真空プレス成形時のフイルムの伸
びや、濡れ指数、絞転写性等を低下させず、ほぼ同等で
ある。
【0008】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。平均重合度850のポリ塩化ビニル100重量部
可塑剤フタル酸ジオクチル及びメタクリル酸メチル共重
合体を表1及び表2に示す量にて配合し、カレンダー加
工によつてフイルムとし、巻取つた後、木目をエンボス
加工した。表1及び表2中、実施例1〜8はメタクリル
酸メチル共重合体としてメタクリル酸メチル−アクリル
酸アルキル共重合体(三菱レイヨン(株)製H−60
2)を、また、実施例9はメタクリル酸メチル−マレイ
ミド共重合体(三菱レイヨン(株)製H−630)を用
いた。次に、横断面及び縦断面共に蒲鉾状である(四隅
上部のR部は10R)底面の平坦な板部材からなる基材
(MDF)に接着剤(コニシ(株)製ウレタン二液型水
性接着剤CVC45L)を塗布し、これに上記フイルム
を真空プレス成形(真空プレス)にて貼り合わせた。真
空プレス条件は、圧力3.0Kg/cm2 、温度60℃、時間
150秒、予熱時間15秒とした。
【0009】次に、横断面及び縦断面共に蒲鉾状である
(四隅上部のR部は10R)底面の平坦な板部材からな
る基材(MDF)に接着剤(コニシ(株)製ウレタン二
液型水性接着剤CVC45L)を塗布し、これに上記フ
イルムを真空プレス成形(真空プレス)にて貼り合わせ
た。真空プレス条件は、圧力3.0Kg/cm、温度
60℃、時間150秒、予熱時間15秒とした。
【0010】フイルム及び真空プレス成形性の評価は次
のようにして行なつた。結果を表1及び表2に示す。引張伸び率 JIS K−6734に基づく1号ダンベルにより試験
片を作製し、60℃にて縦方向のみの伸び率を引張試験
機にて測定した。クリープ性 幅25mm、標線100mmの試料を60℃にて引張試
験機に据え付け、1分間放置した後、50mm/粉の速
度で200mmまで引張り、下側チヤツクを外して試料
を解放し、5分後に取り出して、収縮率を測定した。こ
のクリープ性は、真空プレスにて基材にフイルムを貼り
合わせた後のフイルムの収縮についての代用試験であ
る。耐熱収縮量 前述したように、横断面及び縦断面共に蒲鉾状である底
面の平坦な板部材からなる基材にフイルムを真空プレス
にて貼り合わせた後、基材の対角線に沿つてフイルムに
切込みを入れ、60℃のギヤーオーブン中に放置し、7
2時間後に取出し、エツジ部収縮量及びコーナー部収縮
量を測定した。
【0011】フイルムが基材に沿つて収縮する結果、基
材の下部が露出する。そこで、各辺の中央部での基材の
露出長さ(基材下端からのフイルムの収縮長さ)の平均
値をエツジ部収縮量(mm)とした。フイルムが基材に沿
つて収縮する結果、基材の四隅でフイルムでフイルム間
に開きが生じる。各隅部におけるフイルムの開きの平均
値をコーナー部収縮量(mm)とした。濡れ指数 JIS K−6768に基づく濡れ指数標準試験によつ
た。エンボス後のグロス値 カレンダー加工にて圧延したフイルムの木目エンボスを
入れ、この後、フイルムのグロス値(艶)をJIS Z
−8741に準じて変角光沢計(日本電色工業(株)製
VG−ID型)にて入射角、受光角共に60°で測定し
た。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】表1及び表2に示す結果から明らかなよう
に、塩化ビニル系重合体に所定のメタクリル酸メチル
重合体を配合することによつて、濡れ指数、グロス値及
び伸び率に実質的に変化を及ぼすことなく、耐熱収縮量
及びクリープ性を改善することができ、かくして、本発
明によれば、真空プレス成形に好適に用いることができ
る化粧板用塩化ビニル系樹脂フイルムを得ることができ
る。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明の化粧板用真空
レス成形用塩化ビニル系樹脂フイルムによれば、伸びが
大きく、従つて、真空プレス成形において、立体的な三
次元曲面によく沿うと共に、真空プレス成形にて基材に
貼り合わされた後に、フイルムの上記のように伸びた部
分が収縮せず、又は抑制されるので、真空プレス成形性
にすぐれ、更に、印刷適性や絞転写性等にもすぐれる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 27:06 B29L 7:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に接着剤を塗布し、真空プレスによつ
    て基材に貼り合わせて、化粧板を製造するための化粧板
    用真空プレス成形用塩化ビニル系樹脂フイルムであつ
    て、塩化ビニル系重合体100重量部について、 (a) 可塑剤0〜20重量部、及び (b) メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体
    及びメタクリル酸メチル−マレイミド共重合体から選ば
    れるメタクリル酸メチル共重合体3〜30重量部含有
    することを特徴とする化粧板用真空プレス成形用塩化ビ
    ニル系樹脂フイルム。
JP4125275A 1992-05-19 1992-05-19 化粧板用真空プレス成形用塩化ビニル系樹脂フイルム Expired - Fee Related JP2573897B2 (ja)

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