JPH085801Y2 - 耐熱高剛性樹脂積層板 - Google Patents

耐熱高剛性樹脂積層板

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JPH085801Y2
JPH085801Y2 JP1990039802U JP3980290U JPH085801Y2 JP H085801 Y2 JPH085801 Y2 JP H085801Y2 JP 1990039802 U JP1990039802 U JP 1990039802U JP 3980290 U JP3980290 U JP 3980290U JP H085801 Y2 JPH085801 Y2 JP H085801Y2
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mica
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伸裕 田中
伸一 縄田
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筒中プラスチック工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は加温状態にある種々の薬液を入れる槽、そ
の他耐熱剛性を必要とする主として工業用製品の材料と
して用いられる耐熱高剛性樹脂積層板に関する。
従来の技術 熱可塑性硬質塩化ビニル樹脂板は各種樹脂製品の材料
として広く用いられているが、その曲げ弾性率は常温で
約300×102Kg f/cm2程度であり、用途によっては更に高
い剛性が要求される場合がある。
従来、このような高剛性を有する塩化ビニル樹脂材料
として、塩化ビニル樹脂にアスペクト比5〜1000のマイ
カを添加した高剛性塩化ビニル樹脂組成物が知られてい
る(例えば特公平1-24821号)。
考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記の樹脂組成物に基いてこれを板状
体としたものは、添加されたマイカによって確かに高い
剛性を示すが、加温条件下では変形性の点で劣り、耐熱
高剛性が要求される用途において必ずしも満足すべき好
適性を有しないという問題点があった。
更にまた、マイカが板状体表面に露出しているため、
母材としての塩化ビニル樹脂との界面に薬液等が浸透し
て母材とマイカとの密着性を阻害し、剛性の低下を招く
とか、折曲げ加工では加熱温度、加熱時間、曲げ角度等
の加工条件の許容範囲が狭くなるとか、あるいはまた、
接着加工では接着強度が低下するなどの種々の実用上の
問題もあった。
この考案は、前記のような問題を解決するためになさ
れたものであって、加温状態の液やガス体と接触しても
剛性の低下をもたらすことなく高い剛性を維持すると共
に、折曲げ性、接着性等にも優れた耐熱高剛性樹脂積層
板を得ようとするものである。
課題を解決するための手段 この考案は上記の課題を解決するために、芯層を塩素
化塩化ビニル樹脂で構成することによって優れた耐熱性
を付与し、その両面にマイカを添加した塩化ビニル樹脂
層を積層することによって、所要の高剛性を付与し、更
にその外面を塩化ビニル樹脂表面層で被覆することによ
って、耐薬品性、接着性、折曲げ等の加工性を改善した
ものである。
而して、この考案は、塩素化塩化ビニル樹脂からなる
芯層の両面にマイカが添加された塩化ビニル樹脂からな
る剛性付与層を介して塩化ビニル樹脂からなる表面層が
一体的に積層されると共に、前記芯層の厚さが全板厚に
対して20〜95%に設定され、かつ剛性付与層の厚さが0.
25mm以上、表面層の厚さが0.2mm以上に設定されている
ことを特徴とする耐熱高剛性樹脂積層板を要旨とする。
この考案において芯層に用いられる塩素化塩化ビニル
樹脂は、一般的には塩素含有率60〜70%、平均重合度30
0〜1500程度のものが好適に用いられる。
また、剛性付与層及び表面層に用いられる塩化ビニル
樹脂は、一般には平均重合度が700〜1300程度のもの
で、単一重合体からなるものが好適に用いられる。剛性
付与層用には、この塩化ビニル樹脂にマイカが加えられ
る。さらに上記各層用の塩化ビニル樹脂には、各々通常
一般に用いられる安定剤、滑剤、耐衝撃性改質剤、その
他加工助剤等が添加され、いずれもカレンダー加工によ
り、塩素化塩化ビニル樹脂からなる芯層用シート、塩化
ビニル樹脂にマイカを添加したものからなる剛性付与層
用シート、さらに塩化ビニル樹脂から表面層用シートに
それぞれ成形される。そして所定枚数の芯層用シートの
両面に、マイカを添加した塩化ビニル樹脂からなる剛性
付与層用シート、さらにその表面にマイカを添加しない
塩化ビニル樹脂からなる表面層用シートを配置したの
ち、ホットプレス方式で加熱加圧一体化することによ
り、所期する耐熱高剛性樹脂積層板に形成されるもので
ある。
こゝで、剛性付与層用シートとしての塩化ビニル樹脂
に添加されるマイカについて述べる。マイカは一般にKA
l2Si3AlO10(OH)2で代表されるものであり、平均フレー
ク径20〜40μ、平均アスペクト比30〜50程度のものが好
ましい。アスペクト比については、剛性のみを期待する
ものであれば、上記範囲以上のアスペクト比のものを用
いれば良いが、シート成形の際にマイカが破砕され結果
的にアスペクト比が大きく維持できないばかりかシート
成形作業が困難となり、しかも衝撃強度の低下を招くの
で好ましくない。マイカの添加量は、好ましくは塩化ビ
ニル樹脂100重量部に対してマイカ5〜30重量部とする
のが良い。マイカの添加量が上記範囲を下回ると樹脂積
層板の剛性の向上が期待できない虞れがあるばかりでな
く、衝撃強度が低下する危険がある。また、マイカの添
加量が上記範囲を超えると剛性の向上は期待できるが、
反面衝撃強度が低下する上にカレンダーによるシート成
形が著しく困難となる場合がある。特に好ましいマイカ
の添加量は10〜25重量部の範囲である。
次に、積層板としての板厚構成比について述べると、
先ず芯層の厚さについては、積層板の全体厚みの20〜95
%の範囲に設定するのが好ましい。即ち、芯層の厚さ
が、上記全体厚みの20%未満の場合には耐熱性の改善効
果が不十分なものとなる虞れがあり、また95%を超える
と相対的な剛性付与層の厚みの減少によって剛性付与効
果が薄れ、高い剛性が得られない。剛性付与層および表
面層は両面を同一厚さとするのが一般的である。例え
ば、積層板の板厚が10mmの場合、芯層を5.0mm、剛性付
与層を上下各2.0mm、表面層を上下各0.5mmとすれば良
い。しかしながら、必要に応じて両面の剛性付与層およ
び表面層を異なった厚さにしても良い。例えば全体板厚
が10mmの場合、芯層を5.0mm、剛性付与層の一方を2.25m
m、他方を1.5mm、表面層の一方を0.25mm、他方を1.0mm
としても良い。なおいずれの場合も表面層の厚さは片面
で最低0.2mm程度以上確保すべきである。0.2mm未満であ
ると、加工性、耐薬品性の点で実用に耐える性能が得ら
れない虞れがある。勿論、表面層の厚さが両面で異なる
場合は厚さの厚い方を薬液等が接触する所謂実用面とす
れば良い。また、剛性付与層は、0.25mm未満では、剛性
付与効果が上らないので、これ以上の厚さに設定すべき
である。
作用 この考案の樹脂積層板は上記の如く、芯層が塩素化塩
化ビニル樹脂で形成されているので、それ自体の熱変形
温度が高いことにより、樹脂積層板全体の耐熱変形性が
著しく向上される。また、上記芯層の両面にマイカを添
加した剛性付与層が積層配置されていることにより、そ
の厚さ構成比に応じた高い剛性を得ることができる。さ
らに、上記剛性付与層の外面にはマイカを添加しない塩
化ビニル樹脂からなる表面層が形成されているので、こ
れが薬液の浸透を防止し、折曲げ加工ではその条件の許
容範囲を拡大し、接着加工では接着強度を向上するのに
貢献する。
実施例 次のこの考案の実施例を説明する。
先ず、芯層用材料として塩素含有率65%の塩素化塩化
ビニル樹脂を用い、カレンダー成形により厚さ0.5mmの
芯層用シート(2a)を得た。
一方、剛性付与層用材料として平均重合度800の塩化
ビニル樹脂100重量部にマイカを20重量部添加したもの
を用い、同じくカレンダー成形により厚さ0.5mmの剛性
付与層用シート(3a)を得た。
更に表面層用材料として前記の塩化ビニル樹脂単独の
ものを用い、同様にカレンダー成形により厚さ0.5mmの
表面層用シート(4a)を得た。なお、各樹脂には安定
剤、滑剤、耐衝撃性改質剤、加工助剤等を通常の使用量
の範囲内で添加した。
次に、第1−(1)〜(5)図に示すように、各々芯
層用シート(2a)、剛性付与層用シート(3a)、表面層
用シート(4a)を所定枚数積み重ねた後、各々ホットプ
レスにより加熱加圧して、第2図に示す如く芯層(2)
の両面に剛性付与層(3)および表面層(4)が積層さ
れ、その積層構成比が各々異なる厚さ10.0mmの各樹脂積
層板(No.1〜5)を得た。
次に上記により得た各樹脂積層板について下記の方法
で曲げ弾性率、熱変形温度、アイゾット衝撃強度を測定
すると共に、35%塩酸および40%水酸化ナトリウムに対
する耐薬品性を試験し、更にまた接着性(接着強度)お
よび折曲加工性(120度折曲げ)の各試験を行った。
なお、比較例として、表面層用シート(4a)のみ、芯
層用シート(2a)のみ、剛性付与層用シート(3a)のみ
を用いてそれぞれ厚さ10mmの各積層板(No.6、7、8)
を作製し、前記と同一の試験等を行った。
これらの試験結果を第1表に併記する。
〔物性の測定方法〕 曲げ弾性率 ASTM D790に基いて、温度別に測定した。
熱変形温度 ASTM D648に基いて測定した。
アイゾット衝撃強度 ASTM D256に基いて測定した。
〔耐薬品性〕
薬液として35%塩酸溶液および40%水酸化ナトリウム
溶液を用い、試料片の切断面を塩化ビニル樹脂系のシー
リング剤でシーリング処理した後、試料片を60℃に加温
した上記の各薬液中に1ケ月浸漬し、その後ASTM D790
に基づき測定して得た曲げ弾性率の値を、原試料片のそ
れ()と比較しその低下率で評価した。
良 好(○):低下率10%未満 やゝ劣る(△):低下率10%以上〜20%未満 劣 る(×):低下率20%以上 〔接着性〕 溶剤接着法により表面層で面接着を施した試料片につ
いてJIS K6850に基づき引張せん断強度を測定し、この
値で表した。
〔折曲げ性〕
折曲げ角度120度の折曲げが可能となる、パイプヒー
ターの加熱条件範囲で評価した。
良 好(○):130〜160℃×3〜5minで折曲げ可能な
もの 劣 る(×):上記の範囲内では折曲げ不可能なもの 第1表の結果から分かるように、この考案の実施例に
よる積層板(No.1〜5)は、比較例の塩化ビニル樹脂単
体および塩素化塩化ビニル樹脂単独からなる各積層板
(No.6及び7)に較べ、常温下においてはもとより加温
下においても明らかに曲げ弾性率において優れている。
また、熱変形温度においては、比較例のマイカを添加
した塩化ビニル樹脂単体からなる積層板(No.8)に較べ
てもなお高い値を示し、かつ実施例(No.1〜5)の対比
により明らかなように芯層の厚み構成比の増加に伴って
漸次向上している。
一方、衝撃強度は塩素化塩化ビニル樹脂単体よりなる
もの(No.7)に較べわずかに低下が見られるものゝ、加
工性については塩素化塩化ビニル樹脂単体、剛性付与層
単体からなるもの(No.7、8)に比べて一層良好で実用
性の増大したものとなっており、表中明らかな耐薬品性
の良さと共に加温状態にある薬液槽、薬液容器等の材料
として好適に使用しうるものであることがわかる。
考案の効果 この考案は以上の如く、塩素化塩化ビニル樹脂からな
る芯層の両面にマイカを添加した塩化ビニル樹脂からな
る剛性付与層が形成されているから、加温状態の液やガ
ス体と接触しても剛性の低下をもたらすことなく、積層
板全体に優れた高い剛性を維持すると共に、剛性付与層
の両面にさらにマイカが添加されていない塩化ビニル樹
脂からなる表面層が一体的に積層形成されているから、
耐薬品性、溶接性、接着性、折曲げ性等に優れ、かつ外
観的にも塩化ビニル樹脂単体の積層板に較べて何ら遜色
のない耐熱高剛性の樹脂積層板となしうる。しかも芯
層、剛性付与層及び表面層の厚さ構成比が前記のように
設定されていることにより、上記の諸性質がバランス良
く調和した高品質の樹脂積層板とすることができる。従
って加温状態にある薬液を取扱う薬液槽、薬液容器等の
材料として好適に使用することができ、これら製品の品
質向上や施工作業の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1−(1)〜(5)図はこの考案の実施例に係る各種
積層板の積層構成を示す断面図、第2図は加熱加圧一体
化後の積層板の断面図である。 (1)……耐熱高剛性樹脂積層板、(2)……芯層、
(2a)……芯層用シート、(3)……剛性付与層、(3
a)……剛性付与層用シート、(4)……表面層、(4
a)……表面層用シート。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素化塩化ビニル樹脂からなる芯層の両面
    に、マイカが添加された塩化ビニル樹脂からなる剛性付
    与層を介して、塩化ビニル樹脂からなる表面層が一体的
    に積層されると共に、前記芯層の厚さが全板厚に対して
    20〜95%に設定され、かつ剛性付与層の厚さが0.25mm以
    上、表面層の厚さが0.2mm以上に設定されていることを
    特徴とする耐熱高剛性樹脂積層板。
  2. 【請求項2】剛性付与層のマイカ添加量が塩化ビニル樹
    脂100重量部に対してマイカ5〜30重量部である請求項
    (1)記載の耐熱高剛性樹脂積層板。
JP1990039802U 1990-04-13 1990-04-13 耐熱高剛性樹脂積層板 Expired - Lifetime JPH085801Y2 (ja)

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JPS609054B2 (ja) * 1977-03-09 1985-03-07 三菱樹脂株式会社 充填剤含有塩化ビニル系樹脂成形品のチヨーキング防止法
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