JP2572975Y2 - 内燃機関の蒸発燃料制御装置 - Google Patents
内燃機関の蒸発燃料制御装置Info
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- JP2572975Y2 JP2572975Y2 JP1992071696U JP7169692U JP2572975Y2 JP 2572975 Y2 JP2572975 Y2 JP 2572975Y2 JP 1992071696 U JP1992071696 U JP 1992071696U JP 7169692 U JP7169692 U JP 7169692U JP 2572975 Y2 JP2572975 Y2 JP 2572975Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、燃料タンク内の蒸発燃
料を一時的に蓄え、所定の機関運転条件で機関の吸気系
に吸入量を制御しつつ吸入させる内燃機関の蒸発燃料制
御装置に関する。
料を一時的に蓄え、所定の機関運転条件で機関の吸気系
に吸入量を制御しつつ吸入させる内燃機関の蒸発燃料制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より機関始動時には通常運転時に比
べて燃料噴射量を増量補正して混合気濃度を高めること
により機関の始動性の向上を図っているが、液体燃料の
増量補正では燃料が十分霧化されていない状態で点火が
行なわれるため、十分始動性を向上させることが難し
く、始動時間の増大に伴って未燃燃料の排出量等が多く
なるため、始動性・始動時エミッション改善の要請があ
る。
べて燃料噴射量を増量補正して混合気濃度を高めること
により機関の始動性の向上を図っているが、液体燃料の
増量補正では燃料が十分霧化されていない状態で点火が
行なわれるため、十分始動性を向上させることが難し
く、始動時間の増大に伴って未燃燃料の排出量等が多く
なるため、始動性・始動時エミッション改善の要請があ
る。
【0003】一方、燃料タンクから発生する蒸発燃料の
排出量を規制する対策として、該蒸発燃料を一旦キャニ
スタと称される吸着手段に吸着させ、該吸着燃料を所定
の機関運転状態で吸気負圧により吸気系に吸入 (パー
ジ) して燃焼処理させるシステムが考えられている。該
システムそのものは、実車に搭載されているが、近年の
対策としては、蒸発燃料のキャニスタからの放出を確実
に防止されるように、キャニスタが蒸発燃料で満たされ
た状態からパージを開始して燃焼処理させ、排出量を規
制値内に留めることが要求されるという過酷な条件であ
る。
排出量を規制する対策として、該蒸発燃料を一旦キャニ
スタと称される吸着手段に吸着させ、該吸着燃料を所定
の機関運転状態で吸気負圧により吸気系に吸入 (パー
ジ) して燃焼処理させるシステムが考えられている。該
システムそのものは、実車に搭載されているが、近年の
対策としては、蒸発燃料のキャニスタからの放出を確実
に防止されるように、キャニスタが蒸発燃料で満たされ
た状態からパージを開始して燃焼処理させ、排出量を規
制値内に留めることが要求されるという過酷な条件であ
る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】このように多量の蒸発
燃料がパージされる場合には、該蒸発燃料の吸入によっ
て通常の空燃比制御では空燃比に大きなズレを生じて、
各種排気汚染成分の排出量を増加させてしまうため、蒸
発燃料の吸入量と燃料供給手段から機関に供給される燃
料量とを制御して空燃比を適切に保つ制御が必要であ
る。このため、キャニスタが吸着している蒸発燃料の量
を推定して流量制御弁の開度を制御して蒸発燃料の吸入
量を所定量に制御する内燃機関の蒸発燃料制御装置を、
本願出願人は特願平4−239852号において提案し
ている。
燃料がパージされる場合には、該蒸発燃料の吸入によっ
て通常の空燃比制御では空燃比に大きなズレを生じて、
各種排気汚染成分の排出量を増加させてしまうため、蒸
発燃料の吸入量と燃料供給手段から機関に供給される燃
料量とを制御して空燃比を適切に保つ制御が必要であ
る。このため、キャニスタが吸着している蒸発燃料の量
を推定して流量制御弁の開度を制御して蒸発燃料の吸入
量を所定量に制御する内燃機関の蒸発燃料制御装置を、
本願出願人は特願平4−239852号において提案し
ている。
【0005】しかしながら、このものは機関始動後にキ
ャニスタに吸着される蒸発燃料の量を推定するものであ
って、該推定を開始する直前にキャニスタが吸着してい
る蒸発燃料量を考慮していないため、正確な推定を行な
えるものではなかった。即ち、キャニスタの吸着燃料量
は、始動時にキャニスタに吸着されている蒸発燃料の量
を始動後に吸着された量に上乗せする必要があるが、始
動直前の吸着量が不明であるため、推定された吸着量と
実際の吸着量とは相違するものであった。その結果、キ
ャニスタの蒸発燃料の吸着量の推定による空燃比制御の
精度向上を必ずしも十分に遂行できるものではなかっ
た。
ャニスタに吸着される蒸発燃料の量を推定するものであ
って、該推定を開始する直前にキャニスタが吸着してい
る蒸発燃料量を考慮していないため、正確な推定を行な
えるものではなかった。即ち、キャニスタの吸着燃料量
は、始動時にキャニスタに吸着されている蒸発燃料の量
を始動後に吸着された量に上乗せする必要があるが、始
動直前の吸着量が不明であるため、推定された吸着量と
実際の吸着量とは相違するものであった。その結果、キ
ャニスタの蒸発燃料の吸着量の推定による空燃比制御の
精度向上を必ずしも十分に遂行できるものではなかっ
た。
【0006】本考案は、このような実情に鑑みなされた
もので、機関始動時に吸着手段に吸着されている蒸発燃
料を積極的に機関に吸入させて始動性・始動時エミッシ
ョンを改善することができ、また、特に、吸着手段に吸
着されている蒸発燃料量を推定して、蒸発燃料の吸入量
を制御すると共に機関に供給される燃料量を補正するこ
とにより良好な空燃比に維持するようにした内燃機関の
蒸発燃料制御装置に適用することにより、始動時に吸着
手段に吸着されている蒸発燃料量が前記推定に与える影
響を排除して前記推定を精度良く行ない、延いては始動
後の空燃比制御精度を向上できるようにした内燃機関の
蒸発燃料制御装置を提供することを目的とする。
もので、機関始動時に吸着手段に吸着されている蒸発燃
料を積極的に機関に吸入させて始動性・始動時エミッシ
ョンを改善することができ、また、特に、吸着手段に吸
着されている蒸発燃料量を推定して、蒸発燃料の吸入量
を制御すると共に機関に供給される燃料量を補正するこ
とにより良好な空燃比に維持するようにした内燃機関の
蒸発燃料制御装置に適用することにより、始動時に吸着
手段に吸着されている蒸発燃料量が前記推定に与える影
響を排除して前記推定を精度良く行ない、延いては始動
後の空燃比制御精度を向上できるようにした内燃機関の
蒸発燃料制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の考案にかかる内燃機関の蒸発燃料制御装置は図1に
示すように、燃料タンク内の蒸発燃料を一時的に吸着手
段に吸着して貯留し、該貯留された蒸発燃料を所定の機
関運転条件で機関の吸気系に吸入量を制御しつつ吸入さ
せる内燃機関の蒸発燃料制御装置において、機関始動時
または始動開始から始動後所定の時間まで、機関温度に
応じた吸入量で蒸発燃料を吸入させる始動時蒸発燃料吸
入制御手段を含んで構成した。
載の考案にかかる内燃機関の蒸発燃料制御装置は図1に
示すように、燃料タンク内の蒸発燃料を一時的に吸着手
段に吸着して貯留し、該貯留された蒸発燃料を所定の機
関運転条件で機関の吸気系に吸入量を制御しつつ吸入さ
せる内燃機関の蒸発燃料制御装置において、機関始動時
または始動開始から始動後所定の時間まで、機関温度に
応じた吸入量で蒸発燃料を吸入させる始動時蒸発燃料吸
入制御手段を含んで構成した。
【0008】また、請求項2に記載の考案にかかる内燃
機関の蒸発燃料制御装置は、前記各手段に加えて、図1
の点線で示すように、機関吸気負圧を検出する機関吸気
負圧検出手段と、機関への前記貯留された蒸発燃料の吸
入量を制御する流量制御弁の制御電圧を検出する制御電
圧検出手段と、前記機関吸気負圧検出手段により検出さ
れた機関吸気負圧と前記制御電圧検出手段により検出さ
れた制御電圧とに基づいて流量制御弁の開度を補正する
流量制御弁開度補正手段と、を備えた構成とした。
機関の蒸発燃料制御装置は、前記各手段に加えて、図1
の点線で示すように、機関吸気負圧を検出する機関吸気
負圧検出手段と、機関への前記貯留された蒸発燃料の吸
入量を制御する流量制御弁の制御電圧を検出する制御電
圧検出手段と、前記機関吸気負圧検出手段により検出さ
れた機関吸気負圧と前記制御電圧検出手段により検出さ
れた制御電圧とに基づいて流量制御弁の開度を補正する
流量制御弁開度補正手段と、を備えた構成とした。
【0009】
【作用】請求項1に記載の考案の構成によれば、機関始
動時または始動開始から始動後所定の時間まで、機関温
度に応じて前記吸着手段に吸着された蒸発燃料を積極的
に機関に吸入せしめることによって、良好な混合気を得
ることができ、始動性・始動時エミッションを改善でき
ると共に、前記吸着手段の蒸発燃料吸着状態を初期状
態、略空状態として、その後の吸着量の推定精度を高め
られる。
動時または始動開始から始動後所定の時間まで、機関温
度に応じて前記吸着手段に吸着された蒸発燃料を積極的
に機関に吸入せしめることによって、良好な混合気を得
ることができ、始動性・始動時エミッションを改善でき
ると共に、前記吸着手段の蒸発燃料吸着状態を初期状
態、略空状態として、その後の吸着量の推定精度を高め
られる。
【0010】また、請求項2に記載の考案の構成によれ
ば、機関吸気負圧とパージ制御弁の制御電圧とパージ流
量との関係に基づいて流量制御弁の開度を補正すること
で、蒸発燃料吸入量を所定値に維持することができる。
ば、機関吸気負圧とパージ制御弁の制御電圧とパージ流
量との関係に基づいて流量制御弁の開度を補正すること
で、蒸発燃料吸入量を所定値に維持することができる。
【0011】
【実施例】以下に、本考案の一実施例を図面に基づいて
説明する。一実施例の構成を示す図2において、機関11
の吸気通路12には吸入空気流量Qを検出するエアフロー
メータ13及びアクセルペダルと連動して吸入空気流量Q
を制御する絞り弁14が設けられ、下流のマニホールド部
分には気筒毎に燃料を噴射供給する電磁式の燃料噴射弁
15が設けられる。
説明する。一実施例の構成を示す図2において、機関11
の吸気通路12には吸入空気流量Qを検出するエアフロー
メータ13及びアクセルペダルと連動して吸入空気流量Q
を制御する絞り弁14が設けられ、下流のマニホールド部
分には気筒毎に燃料を噴射供給する電磁式の燃料噴射弁
15が設けられる。
【0012】燃料噴射弁15は、マイクロコンピュータを
内蔵したコントロールユニット16からの噴射パルス信号
によって開弁駆動し、燃料を噴射供給する。更に、機関
11の冷却ジャケット内の冷却水温度Twを検出する水温
センサ17が設けられるが、機関温度を検出できるもので
あれば、これに限定されるものではない。
内蔵したコントロールユニット16からの噴射パルス信号
によって開弁駆動し、燃料を噴射供給する。更に、機関
11の冷却ジャケット内の冷却水温度Twを検出する水温
センサ17が設けられるが、機関温度を検出できるもので
あれば、これに限定されるものではない。
【0013】一方、排気通路18にはマニホールド集合部
に排気中酸素濃度を検出することによって吸入混合気の
空燃比を検出する空燃比センサ19が設けられ、その下流
側の排気管に排気中のCO,HCの酸化とNOX の還元
を行って浄化する排気浄化触媒としての三元触媒20が設
けられる。また、図2で図示しないディストリビュータ
には、クランク角センサ21が内蔵されており、該クラン
ク角センサ21から機関回転と同期して出力されるクラン
ク単位角信号を一定時間カウントして、又は、クランク
基準角信号の周期を計測して機関回転速度Nを検出す
る。
に排気中酸素濃度を検出することによって吸入混合気の
空燃比を検出する空燃比センサ19が設けられ、その下流
側の排気管に排気中のCO,HCの酸化とNOX の還元
を行って浄化する排気浄化触媒としての三元触媒20が設
けられる。また、図2で図示しないディストリビュータ
には、クランク角センサ21が内蔵されており、該クラン
ク角センサ21から機関回転と同期して出力されるクラン
ク単位角信号を一定時間カウントして、又は、クランク
基準角信号の周期を計測して機関回転速度Nを検出す
る。
【0014】そして、図示しないキースイッチのスター
ト位置を検出するスタートスイッチ34が設けられ、スタ
ート信号がコントロールユニット16へ入力される。ま
た、コントロールユニット16は、制御電圧としてバッテ
リ35の出力電圧を検出する制御電圧検出手段を備えてい
る。次に燃料供給系について説明すると、燃料タンク22
内には燃料ポンプ23が装着され、該燃料ポンプ23から圧
送された燃料がプレッシャレギュレータ24を介装した燃
料供給通路25を経て所定の圧力に調整されて前記燃料噴
射弁15に供給される。前記プレッシャレギュレータ24か
らの余剰燃料はリターン燃料通路26を介して燃料タンク
22に戻される。
ト位置を検出するスタートスイッチ34が設けられ、スタ
ート信号がコントロールユニット16へ入力される。ま
た、コントロールユニット16は、制御電圧としてバッテ
リ35の出力電圧を検出する制御電圧検出手段を備えてい
る。次に燃料供給系について説明すると、燃料タンク22
内には燃料ポンプ23が装着され、該燃料ポンプ23から圧
送された燃料がプレッシャレギュレータ24を介装した燃
料供給通路25を経て所定の圧力に調整されて前記燃料噴
射弁15に供給される。前記プレッシャレギュレータ24か
らの余剰燃料はリターン燃料通路26を介して燃料タンク
22に戻される。
【0015】また、燃料タンク22の上部空間に溜まる蒸
発燃料は、チェックバルブ27を介装した蒸発燃料通路28
を介してキャニスタ29に導かれる。キャニスタ29内に一
時的に吸着された蒸発燃料は、所定の運転条件でパージ
制御弁30を介装したパージ通路31を経て絞り弁14下流の
吸気通路12に吸入される。また、キャニスタ29周辺部の
温度を検出する第1温度センサ32と、キャニスタ29内部
の温度を検出する第2温度センサ33とが設けられる。
発燃料は、チェックバルブ27を介装した蒸発燃料通路28
を介してキャニスタ29に導かれる。キャニスタ29内に一
時的に吸着された蒸発燃料は、所定の運転条件でパージ
制御弁30を介装したパージ通路31を経て絞り弁14下流の
吸気通路12に吸入される。また、キャニスタ29周辺部の
温度を検出する第1温度センサ32と、キャニスタ29内部
の温度を検出する第2温度センサ33とが設けられる。
【0016】そして、前記コントロールユニット16は、
前記第1温度センサ32及び第2温度センサ33により検出
されるキャニスタ29の温度状態を含む条件に基づいてキ
ャニスタ29に吸着されている蒸発燃料量を推定し、該蒸
発燃料量に基づいてパージ制御弁30の開度を制御して蒸
発燃料のパージ量を制御する。コントロールユニット16
により設定され、該設定された開度制御信号をコントロ
ールユニット16から入力して制御される。
前記第1温度センサ32及び第2温度センサ33により検出
されるキャニスタ29の温度状態を含む条件に基づいてキ
ャニスタ29に吸着されている蒸発燃料量を推定し、該蒸
発燃料量に基づいてパージ制御弁30の開度を制御して蒸
発燃料のパージ量を制御する。コントロールユニット16
により設定され、該設定された開度制御信号をコントロ
ールユニット16から入力して制御される。
【0017】次に、前記コントロールユニット16による
キャニスタ29への吸着蒸発燃料量の推定及び該推定結果
に基づく空燃比制御を図3及び図4のフローチャートに
従って説明する。吸着蒸発燃料量の推定ルーチンを示す
図3において、ステップ(図ではSと記す)1では、第
1温度センサ32により検出されるキャニスタ29周辺部の
温度Taを読み込む。
キャニスタ29への吸着蒸発燃料量の推定及び該推定結果
に基づく空燃比制御を図3及び図4のフローチャートに
従って説明する。吸着蒸発燃料量の推定ルーチンを示す
図3において、ステップ(図ではSと記す)1では、第
1温度センサ32により検出されるキャニスタ29周辺部の
温度Taを読み込む。
【0018】ステップ2では、第2温度センサ33により
検出されるキャニスタ29内部の温度Tc を読み込む。ス
テップ3では、前記キャニスタ29周辺部の温度Ta に対
するキャニスタ29内部温度Tc の偏差ΔT (=Tc −T
a ) を求める。ステップ4では、前記ΔTの時間積分値
Sc を演算する。
検出されるキャニスタ29内部の温度Tc を読み込む。ス
テップ3では、前記キャニスタ29周辺部の温度Ta に対
するキャニスタ29内部温度Tc の偏差ΔT (=Tc −T
a ) を求める。ステップ4では、前記ΔTの時間積分値
Sc を演算する。
【0019】ここで、Sc =∫ΔT≒ΣS1 −ΣS2 但し、ΣS1 は、蒸発燃料の吸着による発熱反応で正の
値となるΔTの積算値であり、ΣS2 は、蒸発燃料の離
脱による吸熱反応で負の値となるΔTの積算値である。
ステップ5では、前記ΔTの時間積分値Sc に基づいて
今回の運転でキャニスタ29に吸着された蒸発燃料量Gc
を予め実験的に求められてROMに記憶されたマップか
らの検索により推定する。尚、ΣS1 <ΣS2 の場合に
は、吸着量より離脱量の方が大きい場合であり、その場
合は、Gc は負の値となる。
値となるΔTの積算値であり、ΣS2 は、蒸発燃料の離
脱による吸熱反応で負の値となるΔTの積算値である。
ステップ5では、前記ΔTの時間積分値Sc に基づいて
今回の運転でキャニスタ29に吸着された蒸発燃料量Gc
を予め実験的に求められてROMに記憶されたマップか
らの検索により推定する。尚、ΣS1 <ΣS2 の場合に
は、吸着量より離脱量の方が大きい場合であり、その場
合は、Gc は負の値となる。
【0020】次に、始動時の蒸発燃料のパージ量の制
御、および前記推定されたキャニスタ29の吸着蒸発燃料
量Gc に基づいて蒸発燃料のパージ量を制御する図4に
示したフローチャートに従って説明する。なお、以下に
説明するように、本考案にかかる始動時蒸発燃料吸入制
御手段は、図4のステップ11〜ステップ16により達成さ
れることになる。ステップ11で、スタートスイッチ34の
ON、OFFが判別され、スタートスイッチ34がONで
あれば、ステップ12へ進み、OFFであれば、ステップ
19へ進む。
御、および前記推定されたキャニスタ29の吸着蒸発燃料
量Gc に基づいて蒸発燃料のパージ量を制御する図4に
示したフローチャートに従って説明する。なお、以下に
説明するように、本考案にかかる始動時蒸発燃料吸入制
御手段は、図4のステップ11〜ステップ16により達成さ
れることになる。ステップ11で、スタートスイッチ34の
ON、OFFが判別され、スタートスイッチ34がONで
あれば、ステップ12へ進み、OFFであれば、ステップ
19へ進む。
【0021】ステップ12では、予め記憶されている機関
始動用のパージ量割付マップに基づいてパージ制御弁30
の開弁制御デューティPSDUTY が機関水温Twに応じて
検索される。ここで、ステップ12が、始動時蒸発燃料吸
入制御手段の一部を構成する。ステップ13では、機関回
転速度Nと基本燃料噴射量TP によって吸気通路12の絞
り弁14下流の吸気負圧PE を推定するが、勿論直接的に
吸気負圧を検出しても良い。ここで、ステップ13が機関
吸気負圧検出手段を構成する。
始動用のパージ量割付マップに基づいてパージ制御弁30
の開弁制御デューティPSDUTY が機関水温Twに応じて
検索される。ここで、ステップ12が、始動時蒸発燃料吸
入制御手段の一部を構成する。ステップ13では、機関回
転速度Nと基本燃料噴射量TP によって吸気通路12の絞
り弁14下流の吸気負圧PE を推定するが、勿論直接的に
吸気負圧を検出しても良い。ここで、ステップ13が機関
吸気負圧検出手段を構成する。
【0022】つづいて、ステップ14では、ステップ12で
求めた開弁制御デューティPSDUTYを、ステップ13で求
めた吸気負圧PE と前記制御電圧検出手段により検出さ
れるバッテリ35の出力電圧( バッテリ電圧値VB ) とに
応じて補正するために、機関吸気負圧PE とバッテリィ
電圧値VB とに基づいて予め記憶されたマップからの検
索により補正係数Xを求める。
求めた開弁制御デューティPSDUTYを、ステップ13で求
めた吸気負圧PE と前記制御電圧検出手段により検出さ
れるバッテリ35の出力電圧( バッテリ電圧値VB ) とに
応じて補正するために、機関吸気負圧PE とバッテリィ
電圧値VB とに基づいて予め記憶されたマップからの検
索により補正係数Xを求める。
【0023】ステップ15では、ステップ14で求めた補正
係数Xをステップ12で求めた開弁制御デューティP
SDUTY に乗じて最終的なパージ制御弁30の開弁制御デュ
ーティPADUTY を求める。ここで、ステップ14およびス
テップ15が流量制御弁開度補正手段を構成する。ステッ
プ16では、前記開弁デューティPADUTY を有する制御信
号をパージ制御弁30に出力して開度制御する。
係数Xをステップ12で求めた開弁制御デューティP
SDUTY に乗じて最終的なパージ制御弁30の開弁制御デュ
ーティPADUTY を求める。ここで、ステップ14およびス
テップ15が流量制御弁開度補正手段を構成する。ステッ
プ16では、前記開弁デューティPADUTY を有する制御信
号をパージ制御弁30に出力して開度制御する。
【0024】ステップ17では、燃料噴射弁15の蒸発燃料
がパージされない場合に機関運転状態 (機関回転速度N
, 吸入空気流量Q, 機関水温TW 等) により設定された
有効噴射パルス幅Te から前記パージ量目標値PASETを
噴射パルス幅に換算するために換算定数mを乗じた値を
差し引くことにより、燃料噴射弁15の有効燃料噴射パル
ス幅Te ’を求める。
がパージされない場合に機関運転状態 (機関回転速度N
, 吸入空気流量Q, 機関水温TW 等) により設定された
有効噴射パルス幅Te から前記パージ量目標値PASETを
噴射パルス幅に換算するために換算定数mを乗じた値を
差し引くことにより、燃料噴射弁15の有効燃料噴射パル
ス幅Te ’を求める。
【0025】ステップ18では、前記有効噴射パルス幅T
e ’にバッテリ電圧補正による無効噴射パルス幅TS を
加算した噴射パルス幅TI を有する噴射パルス信号を燃
料噴射弁15に出力する。ところで、ステップ11におい
て、スタート信号がOFFであれば、ステップ19へ進む
のであるが、このステップ19では、機関回転速度Nと基
本燃料噴射量TPによって吸気通路12の絞り弁14下流の
吸気負圧PE を推定するが、勿論直接的に吸気負圧を検
出しても良い。
e ’にバッテリ電圧補正による無効噴射パルス幅TS を
加算した噴射パルス幅TI を有する噴射パルス信号を燃
料噴射弁15に出力する。ところで、ステップ11におい
て、スタート信号がOFFであれば、ステップ19へ進む
のであるが、このステップ19では、機関回転速度Nと基
本燃料噴射量TPによって吸気通路12の絞り弁14下流の
吸気負圧PE を推定するが、勿論直接的に吸気負圧を検
出しても良い。
【0026】ステップ20では、前記吸気負圧PE と前記
吸着蒸発燃料量Gc とに基づいて、パージ可能な、つま
りパージ制御弁30を全開とした場合の最大の蒸発燃料パ
ージ量PAMAXを予め設定されたマップからの検索により
求める。次にステップ21では、機関回転速度Nと基本燃
料噴射量TP と (又はステップ11で推定した吸気負圧P
E ) に基づいて蒸発燃料のパージ量の要求値PASETを予
め設定されたマップからの検索により求める。
吸着蒸発燃料量Gc とに基づいて、パージ可能な、つま
りパージ制御弁30を全開とした場合の最大の蒸発燃料パ
ージ量PAMAXを予め設定されたマップからの検索により
求める。次にステップ21では、機関回転速度Nと基本燃
料噴射量TP と (又はステップ11で推定した吸気負圧P
E ) に基づいて蒸発燃料のパージ量の要求値PASETを予
め設定されたマップからの検索により求める。
【0027】ステップ22では、前記最大蒸発燃料パージ
量PAMAXと前記目標値PASETとに基づいて、該目標値P
ASETを得るための最終的なパージ制御弁30の開弁制御デ
ューティPADUTY を予め設定されたマップからの検索に
より求める。その後、ステップ16へ進んで、前記同様に
パージ制御弁30に出力して開度制御および燃料噴射量制
御がなされる。
量PAMAXと前記目標値PASETとに基づいて、該目標値P
ASETを得るための最終的なパージ制御弁30の開弁制御デ
ューティPADUTY を予め設定されたマップからの検索に
より求める。その後、ステップ16へ進んで、前記同様に
パージ制御弁30に出力して開度制御および燃料噴射量制
御がなされる。
【0028】かかる実施例によれば、機関始動時または
始動開始から始動後所定の時間まで、機関水温TW に応
じて前記吸着手段に吸着された蒸発燃料を積極的に吸入
させるようにしたので、吸着手段から離脱してくる霧化
促進された蒸発燃料によって、始動時に良好な混合気形
成を行なうことができ、始動性等を改善できると共に、
前記吸着手段の吸着状態を初期状態とすることができる
ので、その後の蒸発燃料量の推定を精度良く行なうこと
ができる。
始動開始から始動後所定の時間まで、機関水温TW に応
じて前記吸着手段に吸着された蒸発燃料を積極的に吸入
させるようにしたので、吸着手段から離脱してくる霧化
促進された蒸発燃料によって、始動時に良好な混合気形
成を行なうことができ、始動性等を改善できると共に、
前記吸着手段の吸着状態を初期状態とすることができる
ので、その後の蒸発燃料量の推定を精度良く行なうこと
ができる。
【0029】さらに、開弁制御デューティPSDUTY を、
吸気負圧PE とパージ制御弁30の制御電圧、すなわちバ
ッテリ35の出力電圧( バッテリ電圧値VB ) とに応じて
補正することができるので、バッテリ電圧値VB の変動
に応じてパージ制御弁30の開度を補正して所定のパージ
量を得ることができる。なお、本願考案は、本実施例に
限定されるものではなく、蒸発燃料量の推定等を行なわ
ない蒸発燃料制御装置に関しても適用可能であることは
勿論である。
吸気負圧PE とパージ制御弁30の制御電圧、すなわちバ
ッテリ35の出力電圧( バッテリ電圧値VB ) とに応じて
補正することができるので、バッテリ電圧値VB の変動
に応じてパージ制御弁30の開度を補正して所定のパージ
量を得ることができる。なお、本願考案は、本実施例に
限定されるものではなく、蒸発燃料量の推定等を行なわ
ない蒸発燃料制御装置に関しても適用可能であることは
勿論である。
【0030】
【考案の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載の考案によれば、機関始動時または始動開始から始動
後所定の時間まで、機関温度に応じて吸着手段に吸着さ
れた蒸発燃料を積極的に機関に吸入させるようにしたの
で、吸着手段から離脱してくる霧化促進された蒸発燃料
によって、始動時において良好な混合気形成を促進で
き、以って機関始動性、および始動時エミッションの改
善を図ることができると共に、前記吸着手段の吸着状態
を初期状態とすることができるので、吸着手段に吸着さ
れている蒸発燃料量を推定して良好な空燃比を維持する
よう制御する蒸発燃料制御装置等に適用した場合には、
始動時に吸着手段に吸着されている蒸発燃料量が前記推
定に与える影響を排除することができるので、前記推定
精度が向上するため、空燃比制御の高精度化が図れる。
載の考案によれば、機関始動時または始動開始から始動
後所定の時間まで、機関温度に応じて吸着手段に吸着さ
れた蒸発燃料を積極的に機関に吸入させるようにしたの
で、吸着手段から離脱してくる霧化促進された蒸発燃料
によって、始動時において良好な混合気形成を促進で
き、以って機関始動性、および始動時エミッションの改
善を図ることができると共に、前記吸着手段の吸着状態
を初期状態とすることができるので、吸着手段に吸着さ
れている蒸発燃料量を推定して良好な空燃比を維持する
よう制御する蒸発燃料制御装置等に適用した場合には、
始動時に吸着手段に吸着されている蒸発燃料量が前記推
定に与える影響を排除することができるので、前記推定
精度が向上するため、空燃比制御の高精度化が図れる。
【0031】そして、請求項2に記載の考案によれば、
流量制御弁の制御電圧が変動して要求する開度が得られ
ないような場合においても、制御電圧に応じて流量制御
弁の開度を補正することにより、機関吸気負圧に対する
パージ流量を所定値に維持して精度の高い空燃比制御を
行なって、排気エミッション特性を良好に維持できる。
流量制御弁の制御電圧が変動して要求する開度が得られ
ないような場合においても、制御電圧に応じて流量制御
弁の開度を補正することにより、機関吸気負圧に対する
パージ流量を所定値に維持して精度の高い空燃比制御を
行なって、排気エミッション特性を良好に維持できる。
【図1】本考案の構成を示すブロック図
【図2】本考案の一実施例の構成を示す図
【図3】同上実施例のキャニスタ吸着燃料量推定ルーチ
ンを示すフローチャート
ンを示すフローチャート
【図4】同上実施例のパージ量制御ルーチンを示すフロ
ーチャート
ーチャート
11 機関 16 コントロールユニット 17 水温センサ 19 空燃比センサ 21 クランク角センサ 22 燃料タンク 28 蒸発燃料通路 29 キャニスタ 30 パージ制御弁 34 スタートスイッチ 35 バッテリ
Claims (2)
- 【請求項1】燃料タンク内の蒸発燃料を一時的に吸着手
段に吸着して貯留し、該貯留された蒸発燃料を所定の機
関運転条件で機関の吸気系に吸入量を制御しつつ吸入さ
せる内燃機関の蒸発燃料制御装置において、 機関始動時または始動開始から始動後所定の時間まで、
機関温度に応じた吸入量で蒸発燃料を吸入させる始動時
蒸発燃料吸入制御手段を含んで構成したことを特徴とす
る内燃機関の蒸発燃料制御装置。 - 【請求項2】請求項1に記載の内燃機関の蒸発燃料制御
装置が、 機関吸気負圧を検出する機関吸気負圧検出手段と、 機関への前記貯留された蒸発燃料の吸入量を制御する流
量制御弁の制御電圧を検出する制御電圧検出手段と、 前記機関吸気負圧検出手段により検出された機関吸気負
圧と前記制御電圧検出手段により検出された制御電圧と
に基づいて流量制御弁の開度を補正する流量制御弁開度
補正手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992071696U JP2572975Y2 (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 内燃機関の蒸発燃料制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992071696U JP2572975Y2 (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 内燃機関の蒸発燃料制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0637548U JPH0637548U (ja) | 1994-05-20 |
JP2572975Y2 true JP2572975Y2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=13467971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992071696U Expired - Lifetime JP2572975Y2 (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 内燃機関の蒸発燃料制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2572975Y2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4581756B2 (ja) * | 2005-03-09 | 2010-11-17 | トヨタ自動車株式会社 | 蒸発燃料処理装置 |
JP4655695B2 (ja) * | 2005-03-09 | 2011-03-23 | トヨタ自動車株式会社 | 蒸発燃料処理装置 |
JP6906856B2 (ja) * | 2017-08-31 | 2021-07-21 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2677356B2 (ja) * | 1987-05-29 | 1997-11-17 | マツダ株式会社 | エンジンの蒸発燃料制御装置 |
-
1992
- 1992-10-14 JP JP1992071696U patent/JP2572975Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0637548U (ja) | 1994-05-20 |
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