JP3500693B2 - 燃料蒸気処理装置の燃料蒸気パージ量制御装置 - Google Patents

燃料蒸気処理装置の燃料蒸気パージ量制御装置

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JP3500693B2
JP3500693B2 JP09471794A JP9471794A JP3500693B2 JP 3500693 B2 JP3500693 B2 JP 3500693B2 JP 09471794 A JP09471794 A JP 09471794A JP 9471794 A JP9471794 A JP 9471794A JP 3500693 B2 JP3500693 B2 JP 3500693B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの燃料タンク
等から蒸発する燃料蒸気を一時的に吸着した後吸気系に
吸入させて処理する装置に関し、特に、燃料蒸気のパー
ジ率を適正に制御するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の燃料タンクの燃料蒸気処理装置と
しては、例えば特公昭53−19729号公報に開示さ
れるものがある。このものは、燃料タンク内の圧力が所
定値以上の正圧になったときに、燃料タンク内で蒸発し
た燃料蒸気をキャニスタに導き、該キャニスタ内に充填
されている活性炭等の吸着剤に前記燃料蒸気を吸着さ
せ、該吸着剤に吸着された燃料蒸気を所定の運転条件で
パージ通路を介してエンジンにパージするようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、燃料
蒸気放出量の規制強化に伴い、大型のキャニスタを用い
て大量のパージを行うことが要求されてきているが、前
記従来方式ではパージ量がコントロールされないため、
パージによる空燃比の変動が大きく、大量のパージを行
うことができなかった。
【0004】また、パージ量を制御するものとして、例
えば特公昭63−39787号公報に開示されるよう
に、パージ通路に介装される弁を流量を可変制御できる
流量制御弁とし、パージを行う際に流量制御弁の開度を
徐々に変化させるようにして急激なパージ量の変化を抑
制するようにしているものがある。しかしながら、この
ものは、単に開閉時のパージ量の急激な変化を抑制する
機能しか有していないため、パージ中に空燃比を一定に
保持できるものではなく、やはり大量のパージという要
求に応えられるものではなかった。
【0005】パージ中の空燃比を安定化するためには、
吸入空気流量に対する燃料蒸気のバージ量を一定にすれ
ばよいが、パージ混合気 (燃料蒸気とパージ用エアとの
混合気) 中に占める燃料蒸気の比率がキャニスタ内に残
留する燃料蒸気量に応じて異なるため、それに応じて、
吸入空気流量に対するパージ混合気流量の比率 (以下パ
ージ率という) を変える必要がある。キャニスタに残留
する燃料蒸気量はエンジン始動後燃料蒸気のパージが進
むほど減少するので、該パージ量の総量を求め、エンジ
ン始動時の残留燃料蒸気量からパージ総量を減算するこ
とで推定可能であるが、エンジン始動時にキャニスタに
燃料蒸気量が満たされているとは限らないので、該始動
時の初期残留燃料蒸気量を把握する必要がある。
【0006】本発明は、このような従来の実状に鑑みな
されたもので、始動時の残留燃料蒸気量を正確に把握し
つつ、適切なパージ率制御を行うことにより、パージ制
御中の空燃比を安定化でき、引いてはパージ処理能力を
高めることができる燃料蒸気処理装置の燃料蒸気パージ
量制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため請求項1に係る
発明は、燃料蒸気を一時的に吸着手段に吸着し、該吸着
手段に吸着された燃料蒸気をパージ用エアと混合させて
所定のエンジン運転条件でエンジンの吸気系にパージす
る燃料蒸気処理装置において、エンジン始動後に前記吸
着手段からパージされる燃料蒸気のパージ量を積算する
パージ量積算手段と、エンジン停止後少なくとも所定時
間前記パージ量積算手段によって積算された燃料蒸気パ
ージ量の累積値を記憶する累積値記憶手段と、エンジン
停止後から再始動までの経過時間に関連する値を検出す
る経過時間関連値検出手段と、パージ混合気流量の吸入
空気流量に対する割合としてのパージ率特性を、前記
ンジン始動後の燃料蒸気パージ量の累積値に対して設定
したパージ率特性を、前記エンジン始動時に前記累積値
記憶手段に記憶されている燃料蒸気パージ量の累積値と
前記経過時間関連値検出手段によって検出された経過時
間関連値とに基づいて、可変に設定するパージ率特性設
定手段と、前記パージ率特性設定手段によって設定され
たパージ率特性に基づいてパージ混合気流量を制御する
パージ混合気流量制御手段と、を設けて構成したことを
特徴とする。
【0008】また、請求項2に係る発明のように、前記
パージ率特性設定手段は、前回エンジン停止時の燃料蒸
気パージ量の累積値が大きく、エンジン停止後再始動ま
での経過時間が短いときに、再始動後のパージ率の立ち
上がり速度を大きくするように設定する構成としてもよ
い。また、請求項3に係る発明のように、前記パージ率
特性設定手段は、前記燃料蒸気パージ量の累積値の増大
に応じて始動時のパージ率の初期値を増大して設定する
構成としてもよい。
【0009】また、請求項4に係る発明のように、前記
経過時間関連値検出手段は、エンジン停止後再始動まで
の経過時間に関連する値として、再始動時のエンジン冷
却水温度を検出するようにしてもよい。また、請求項5
に係る発明のように、前記パージ混合気流量制御手段
は、パージ率の制御を吸着手段とエンジン吸気系とを接
続するパージ通路に介装された流量制御弁の開度を制御
することによって行う構成としてもよい。
【0010】
【作用】パージ率特性設定手段により、前回エンジン運
転時に積算されたパージ量累積値と、エンジン停止時か
ら再始動時までの経過時間に関連する値とに基づいて、
エンジン始動後のパージ量累積値に対するパージ率特性
が、可変に設定される。その結果、エンジン始動時に吸
着手段に吸着されている燃料蒸気量に応じたパージ率特
性に設定することができ、始動時の吸着燃料蒸気量が少
ないと推定されるときには、それに応じて始動後速やか
に高パージ率でパージすることができるため、燃料蒸気
の処理能力が高められ、延いては排気性状改善効果が高
められる。
【0011】具体的には、前回エンジン停止時の燃料蒸
気パージ量の累積値が大きく、エンジン停止後再始動ま
での経過時間が短いときは、前回運転停止時に吸着手段
に残留している燃料蒸気量が少なく、その後短時間で始
動されるため、始動時の吸着燃料蒸気量も少ないと判断
して始動後のパージ率の立ち上がり速度を大きくするよ
うにパージ率特性を設定すれば、始動直後から効率よく
パージを行うことができる。
【0012】また、上記の場合、燃料蒸気パージ量の累
積値の増大に応じて始動時のパージ率の初期値を増大し
て設定する構成とすれば、始動時の残留燃料蒸気量が少
ないほど高いパージ率でパージを開始できるため、より
効率のよいパージを行うことができる。また、再始動時
のエンジン冷却水温度は、エンジン停止後再始動までの
経過時間が短いほど冷却水温度が高温に保持されるの
で、該経過時間に関連する値として検出することがで
き、他の制御で使用される水温センサを使用できる。
【0013】また、パージ混合気流量の制御を吸着手段
とエンジン吸気系とを接続するパージ通路に介装された
流量制御弁の開度をデューティ制御等によって制御する
ことができる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図2において、エンジン1には、スロットルチャ
ンバー2及び吸気マニホールド3を介して空気が吸入さ
れる。前記スロットルチャンバー2には、図示しないア
クセルペダルと連動するスロットル弁4が設けられてい
て、吸入空気流量Qを制御する。吸気マニホールド3に
は、各気筒毎に電磁式燃料噴射弁5が設けられていて、
図示しない燃料ポンプから圧送されプレッシャレギュレ
ータにより所定の圧力に制御される燃料を吸気マニホー
ルド3内に噴射供給する。前記燃料噴射弁5による燃料
噴射量の制御は、マイクロコンピュータ内蔵のコントロ
ールユニット6で行われるようになっている。
【0015】また、前記エンジン1には、燃料タンク20
の燃料蒸気処理装置21が備えられている。前記燃料蒸気
処理装置21は、吸着手段としてのキャニスタ22内に充填
された活性炭などの吸着剤23に、燃料タンク20内で発生
した燃料の燃料蒸気を吸着捕集させ、該吸着剤23に吸着
された燃料を、パージ通路24を介してスロットル弁4下
流側の吸気通路に供給するものである。
【0016】前記キャニスタ22には、燃料タンク20内の
正圧が所定以上になったときに開くチェックバルブ25が
介装された燃料蒸気通路26を介して燃料タンク20内の燃
料蒸気が導入されるようになっており、また、前記パー
ジ通路24には、前記コントロールユニット6からの制御
信号に基づいて開弁デューティ制御される電磁駆動式の
流量制御弁27が介装されている。
【0017】また、内燃機関1の吸入空気流量Qを検出
するエアフローメータ51,機関回転速度Nを検出する回
転速度センサ52,冷却水温度を検出する水温センサ53が
設けられ、それらの検出信号はイグニッションスイッチ
54のON,OFF信号と共にコントロールユニット6に
出力され、燃料蒸気のパージ制御条件等の判別に用いら
れる。
【0018】コントロールユニット6は、前記各種のセ
ンサからの信号に基づいて燃料噴射弁5による燃料噴射
量等を制御すると共に、所定の運転条件で前記流量制御
弁27の開弁デューティを運転状態 (吸入空気流量) 及び
燃料蒸気パージ量の累積値に基づいて制御することによ
り空燃比を一定に保持するように燃料蒸気を吸気系にパ
ージする。尚、本発明のパージ量積算手段,累積値記憶
手段,経過時間関連値検出手段,パージ率特性設定手段
は、コントロールユニット6がソフトウエア機能によっ
て備える。
【0019】ここで、キャニスタ22の燃料蒸気の脱離特
性は図3のAに示すようになる。図で明らかなように、
パージの初期ではキャニスタ22内に残留する燃料量が多
いため燃料蒸気圧が高く、したがって、パージ混合気中
に占める燃料蒸気の割合が大きくなって、パージ混合気
流量 (累積値) の増加と共に燃料蒸気パージ量 (脱離
量) の累積値も大きく増加していくが、パージが進行す
るにつれて、キャニスタ22内の残留燃料量が少なくなっ
てパージ混合気中に占める燃料蒸気の割合が小さくな
り、累積値の増加は鈍ってくる。
【0020】図3のBは、上記燃料蒸気の脱離特性に応
じたパージ混合気中の燃料蒸気の比率 (パージ空燃比A
/F) の変化特性を示したもので、パージの進行につれ
て、パージ空燃比が大きくなることが分かる。図3のC
は、かかるパージの進行によるパージ空燃比の変化が空
燃比フィードバック制御に与える影響を、パージ率 (吸
入空気流量に対するパージ混合気流量の比率) をパラメ
ータとして示したもので、パージ空燃比が大きくなるに
従って、燃料蒸気の供給量が少なくなるため、空燃比フ
ィードバック補正係数αの目標空燃比に対応した基準値
からのズレは小さく、空燃比に与える影響は小さくな
り、そのためズレ量を一定に保持するにはパージ率を増
大すればよいことが分かる。
【0021】また、エンジン停止時間がある程度以上長
いときには、停止中にキャニスタ内に燃料蒸気が吸着さ
れて満たされていると推定できるが、エンジン停止後比
較的短時間で再始動する場合には、停止中にキャニスタ
内に吸着される燃料蒸気量が少なかったり、あるいは前
回の運転時間が短い場合はキャニスタへの残留燃料量が
多かったりして、再始動時のキャニスタの吸着燃料量が
異なってくる。
【0022】そこで、本発明では、前回のエンジン停止
時におけるパージ量の累積値を記憶しておき、この累積
値と再始動時における温度状態とに基づいて再始動時に
おける残留燃料量を推定し、それによって始動後のパー
ジ累積値に対するパージ率の特性を可変に設定する構成
とする。以上の点に基づいて行われる本実施例の燃料蒸
気パージ制御を図4,図5のフローチャートに従って説
明する。
【0023】図4は、エンジン始動時にパージ累積値に
対するパージ率の特性を可変に設定するルーチンを示
す。ステップ (図ではSと記す。以下同様) 1では、イ
グニッションスイッチ54のがOFFからONになったか
否かによって始動時か否かを判定する。始動時と判定さ
れたときは、ステップ2へ進み、後述するようにして積
算され記憶された前回の運転時における燃料蒸気パージ
量の累積値EVPCNTが、キャニスタ22内の残留燃料
量が十分少量となるように設定された所定値EVCNT
H♯以上になっているか否かを判定する。
【0024】EVPCNT≧EVCNTH♯と判定され
た場合は、ステップ3へ進み水温センサ53によって検出
されたエンジン冷却水温度TWNがホットリスタート時
における暖機時相当の所定値EVCLTW♯以上になっ
ているか否かを判定する。そして、TWN≧EVCLT
W♯と判定された場合は、エンジン停止後、再始動まで
の経過時間が短いために水温が高く保持されているホッ
トリスタート状態であると判断し、その場合、キャニス
タ22への燃料蒸気の吸着量が十分少ない状態に保持され
ていると判断してステップ4へ進み、エンジン始動後の
パージ量累積値に対するパージ率の特性を設定した2種
類のマップテーブルの中から該始動時のキャニスタ22内
への吸着燃料蒸気量が少ない場合に合わせて設定された
マップテーブルTEVTRHを選択する。かかる低吸着
量時用のパージ率特性は、図6に示すように、始動後速
やかにパージ率を立ち上げるように設定されている。こ
こで、エンジン停止時の残留燃料量に応じた高いパージ
率を初期値として設定しないのは、エンジン停止後数分
の放置の後に再始動したような状況では、その間にキャ
ニスタ22の温度が上昇して初期のパージが活発となるた
め、初期から高パージ率に設定すると燃料蒸気のパージ
量が過剰となって空燃比が過濃となることを防止するた
めである。
【0025】一方、ステップ2でパージ量累積値EVP
CNTが、所定値EVCNTH♯未満と判定された場合
は、前回の運転時間が短くパージが十分に行われていな
いために、再始動時のキャニスタ22の残留燃料量が多い
と判断し、また、ステップ3で水温TWNが所定値EV
CLTW♯未満と判定された場合は、エンジン停止後再
始動までに十分時間が経過しており、この間にキャニス
タ22に燃料蒸気が十分吸着されていると判断し、ステッ
プ5へ進みキャニスタ22内への吸着燃料蒸気量が多い場
合に合わせて設定された通常用のマップテーブルTEV
TRCを選択する。かかる通常用のパージ率特性は、図
7に示すように吸着燃料蒸気量の初期値が大きい値であ
るため、始動後パージ率を緩やかに立ち上げる特性に設
定されている。
【0026】このようにしてパージ率特性を設定したマ
ップテーブルを選択した後、ステップ6へ進み、始動後
新たにパージ累積値をカウントしなおすため、累積値E
VPCNTを0にリセットする。次に、前記のように選
択されたパージ率特性を用いて、パージ量制御を行うル
ーチンを図5のフローチャートに従って説明する。
【0027】ステップ11では、回転速度センサ52によっ
て検出された機関回転速度Nと別途設定された基本燃料
噴射量TP とに基づいてマップテーブルから流量制御弁
の基準開口面積指数EVPSSTを検索する。これは、
流量制御弁27が同一の開口面積に制御されても、吸気負
圧によってパージ混合気流量が異なるので運転条件によ
って異なる吸気負圧に応じて同一のパージ混合気流量が
得られるように開口面積を補正するための係数である。
【0028】ステップ12では、エアフローメータ51によ
り検出された吸入空気流量Qを読み込む。ステップ13で
は、要求パージ流量qP を次式により演算する。 qP =Q・EVPTROLD /K2 ここで、EVPTROLD は、前記図4で選択したマップ
テーブルから前回検索されたパージ率であり、一定の空
燃比に保持するには必要な燃料蒸気の流量は吸入空気流
量Qに対して比例的に設定すればよいが、既述したよう
にパージ混合気中の燃料蒸気の比率がキャニスタ22内の
残留燃料量等によって異なるので、燃料蒸気の比率が大
きいときはパージ率を小さく、比率が小さいときにはパ
ージ率を大きく設定してあり、該パージ率を乗じること
で燃料蒸気の比率によらず、必要な燃料蒸気流量が得ら
れるのである。K2 は単位合わせ用の定数である。
【0029】ステップ14では、燃料蒸気のパージ量の累
積値の前回値EVPCNTOLD に前記要求パージ流量q
P を加算することにより、累積値の更新値EVPCNT
NEWを求める。尚、要求パージ流量qP の代わりに、パ
ージ用のエアを除く燃料蒸気流量をQ/K2 として積算
していく構成としてもよい。ステップ15では、前記更新
された累積値EVPCNTNEW に基づいて前記マップテ
ーブルから新たなパージ率EVPTRNEW を検索する。
【0030】ステップ16では、流量制御弁27の目標開口
面積指数EVPSを次式により演算する。EVPS=E
VPSST・EVPTRNEWステップ17では、流量制御
弁27の前記目標開口面積指数EVPSに対応する開弁デ
ューティ比EVSTPDをマップテーブルからの検索に
より設定し、出力する。
【0031】かかる構成とすれば、エンジン始動時にキ
ャニスタ22に吸着されている燃料蒸気量を、前回のエン
ジン停止時に記憶されている燃料蒸気パージ量の累積値
つまりキャニスタ22への残留燃料量と、始動時の水温か
ら推定される停止後再始動までの経過時間、つまりこの
間にキャニスタ22に吸着される燃料蒸気量とで推定して
これらを加算することで推定でき、該始動時の吸着燃料
蒸気量の大小に応じて適切なパージ率の特性に切り換え
ることができるため、始動時の条件によらず、空燃比を
一定化できるパージ量制御を行うことができ、排気エミ
ッション性能とパージ処理能力とを両立することができ
る。
【0032】図8は、パージ率特性の設定を多段階に切
り換えるようにした実施例のフローチャートを示す。ス
テップ21,22は、図4のステップ1,3と同様であり、
ステップ22の水温判定でTWN<EVCLTW♯と判定
された場合にステップ23で通常用のマップテーブルTE
VTRCを選択することも同様である。
【0033】前記したように、ホットリスタート時の直
後は、キャニスタ22温度の上昇によりパージが活性化さ
れるため、前記実施例では初期パージ率を低くしておい
て、急激に立ち上げる特性としたが、かかるパージ活性
化状態でパージされる期間及びその間のパージ混合気中
の燃料蒸気の比率は初期の残留燃料量に依存する。その
ため、ステップ24において前回エンジン停止時のパージ
累積値EVPCNTを複数のレベル (実施例では4レベ
ル) に判別し、該累積値EVPCNTが大きく初期残留
燃料量が小さいときは、初期パージ率, パージ率の立ち
上げ速度の一方又は双方をより大きくし、初期残留燃料
量が増大するにしたがって、それらを小さくするような
複数の特性を有するマップテーブル (実施例ではTEV
TR1〜TEVTR4,図9参照) を用意して多段階に
切り換えるようにする。
【0034】このようにすれば、エンジン始動時のキャ
ニスタ22への吸着燃料蒸気量に応じて初期パージ率の特
性をより極め細かに設定することができ、燃料蒸気処理
能力をより高めることができる。以上の実施例では、エ
ンジン停止後再始動までの経過時間をエンジン始動時の
水温によって推定するものを示した。水温センサは通常
のエンジン制御に必須であるから、特別センサを追加す
ることなく経過時間の推定を行える利点があるが、エン
ジン停止後の経過時間を計測するタイマを設ける構成と
してもよい。
【0035】かかる経過時間計測の実施例を図10〜図12
に基づいて説明する。その場合、停止中にキャニスタ22
に燃料蒸気が満たされるのに要する時間に計測する時間
の上限値を制限してよい。図10は、エンジン停止後の経
過時間を計測するルーチンを示す。ステップ31では、イ
グニッションスイッチ54がONからOFFにされたか否
かを判定する。
【0036】OFFにされた、つまりエンジンが停止さ
れたと判定されると、ステップ32へ進み、タイマTを起
動してエンジン停止後の経過時間を計測する。ステップ
33では、前記タイマTの計測値が、キャニスタ22に十分
量の燃料蒸気が満たされるのに相当する所定値T0 を超
えたか否かを判定する。そしてT0 を超えるまでは計測
を継続し、T0 を超えたときは、ステップ34へ進みタイ
マTを停止する。
【0037】図11は、エンジン再始動時にパージ率特性
を設定するルーチンを示す。ステップ41では、イグニッ
ションスイッチ54がOFFからONにされたか否かによ
って始動判定を行い、始動時はステップ42へ進み、前記
図10で計測されたエンジン停止からエンジン再始動時ま
での経過時間Tと、水温センサ53からの該再始動時のエ
ンジン冷却水温度Twとを読み込む。
【0038】ステップ43では、経過時間Tが前記所定値
0 を超えているか否かを判定する。超えていない場合
は、ステップ44へ進み、前記経過時間Tと、エンジン冷
却水温度Twとに基づいて、パージ量累積値の補正量Δ
EVPCNTを演算する。この補正量ΔEVPCNT
は、エンジン停止後から再始動までに変化するキャニス
タ22への吸着燃料蒸気量を補正するためのもので、経過
時間Tが長いほど、また、エンジン冷却水温度Twが高
いほど停止中にキャニスタ22に吸着される燃料蒸気量が
増大するので、それに見合う量としてエンジン停止時の
パージ量累積値EVPCNTを減少補正する量として設
定する。
【0039】ステップ45では、エンジン停止時のパージ
量累積値EVPCNTから前記ステップ44で演算された
補正量ΔEVPCNTを減算して、始動時のパージ量累
積値EVPCNTの初期値を求める (図12参照) 。そし
て、エンジン始動後のパージ量累積値EVPCNTに応
じたパージ率の設定は、通常用のマップテーブルTEV
TRCを使用して行うが、パージ量累積値EVPCNT
の積算が前記補正値を初期値として開始されることとな
る。本実施例では、エンジン経過後再始動までの経過時
間を直接計測した値を用いるため、始動時の吸着燃料蒸
気量をより高精度に推定できるため、始動後のパージ率
の特性をより高精度に設定することができ、パージ処理
能力を可及的に高めることができる。
【0040】一方、前記ステップ43の判定で経過時間T
がT0 を超えていると判定された場合には、エンジン停
止中にキャニスタ22内に燃料蒸気が満たされたと判断
し、ステップ46へ進んでEVPCNTをクリア (初期値
を0とする) する。この場合は、通常用のマップテーブ
ルTEVTRCを使用し、再始動時からのパージ量の累
積値EVPCNTに従ってパージ率を設定する。
【0041】また、本実施例では、1つの通常用マップ
テーブルのみで、パージ率制御精度を高めることができ
るが、経過時間Tと冷却水温度Twとに基づいて前記実
施例のように複数用意したパージ率特性のマップテーブ
ルを切り換える構成としてもよい。図13は、本発明の各
実施例におけるエンジン再始動後の各種状態量の変化
を、従来例 (点線図示) と比較して示したものであり、
停止後短時間の始動後は速やかにパージ率を立ち上げ
て、空燃比を安定化できることが示されている。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、エンジン始動時に吸着手段に吸着されている燃料蒸
気量を始動条件に応じて正確に把握でき、該始動時の吸
着燃料蒸気量に見合ったパージ率特性に設定することが
できるため、燃料蒸気の処理能力が高められ、延いては
排気性状改善効果が高められる。
【0043】また、前回エンジン停止時の燃料蒸気パー
ジ量の累積値が大きく、エンジン停止後再始動までの経
過時間が短いときに、始動後のパージ率の立ち上がり速
度を大きく設定することにより、始動直後から効率よく
パージを行うことができ、特に、燃料蒸気パージ量の累
積値の増大に応じて始動時のパージ率の初期値を増大し
て設定することにより、始動時の残留燃料蒸気量が少な
いほど高いパージ率でパージを開始できるため、より効
率のよいパージを行うことができる。
【0044】また、エンジン冷却水温度の検出によって
エンジン停止後再始動までの経過時間を推定することが
でき、低コストで実施できる。また、パージ混合気流量
の制御は吸着手段とエンジン吸気系とを接続するパージ
通路に介装された流量制御弁の開度をデューティ制御等
によって制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成・機能を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例のシステム構成を示す図。
【図3】燃料蒸気の脱離特性等を示す線図。
【図4】第1の実施例のパージ率特性設定ルーチンを示
すフローチャート
【図5】同上実施例のパージ量制御ルーチンを示すフロ
ーチャート。
【図6】同上実施例の低吸着燃料時用のパージ率特性の
マップテーブル。
【図7】同じく通常用のパージ率特性のマップテーブ
ル。
【図8】第2の実施例のパージ率特性設定ルーチンを示
すフローチャート
【図9】同上実施例の各種始動条件に応じたパージ率特
性のマップテーブル。
【図10】第3の実施例のエンジン停止後の経過時間を計
測するルーチンを示すフローチャート。
【図11】同上実施例のパージ率特性設定ルーチンを示す
フローチャート
【図12】同上実施例のパージ率特性の補正を示す図。
【図13】各実施例における各種状態量の変化を示すタイ
ムチャート。
【符号の説明】
1 エンジン 3 吸気マニホールド 6 コントロールユニット 20 燃料タンク 22 キャニスタ 23 吸着剤 24 パージ通路 27 流量制御弁 51 エアフローメータ 53 水温センサ 54 イグニッションスイッチ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料蒸気を一時的に吸着手段に吸着し、該
    吸着手段に吸着された燃料蒸気をパージ用エアと混合さ
    せて所定のエンジン運転条件でエンジンの吸気系にパー
    ジする燃料蒸気処理装置において、 エンジン始動後に前記吸着手段からパージされる燃料蒸
    気のパージ量を積算するパージ量積算手段と、 エンジン停止後少なくとも所定時間前記パージ量積算手
    段によって積算された燃料蒸気パージ量の累積値を記憶
    する累積値記憶手段と、 エンジン停止後から再始動までの経過時間に関連する値
    を検出する経過時間関連値検出手段と、 パージ混合気流量の吸入空気流量に対する割合としての
    パージ率特性を、前記エンジン始動後の燃料蒸気パージ
    量の累積値に対して設定したパージ率特性を、前記エン
    ジン始動時に前記累積値記憶手段に記憶されている燃料
    蒸気パージ量の累積値と前記経過時間関連値検出手段に
    よって検出された経過時間関連値とに基づいて、可変に
    設定するパージ率特性設定手段と、 前記パージ率特性設定手段によって設定されたパージ率
    特性に基づいてパージ混合気流量を制御するパージ混合
    気流量制御手段と、を設けて構成したことを特徴とする
    燃料蒸気処理装置の燃料蒸気パージ量制御装置。
  2. 【請求項2】前記パージ率特性設定手段は、前回エンジ
    ン停止時の燃料蒸気パージ量の累積値が大きく、エンジ
    ン停止後再始動までの経過時間が短いときに、再始動後
    のパージ率の立ち上がり速度を大きくするように設定す
    ることを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸気処理装置
    の燃料蒸気パージ量制御装置。
  3. 【請求項3】前記パージ率特性設定手段は、前記燃料蒸
    気パージ量の累積値の増大に応じて始動時のパージ率の
    初期値を増大して設定することを特徴とする請求項2に
    記載の燃料蒸気処理装置の燃料蒸気パージ量制御装置。
  4. 【請求項4】前記経過時間関連値検出手段は、エンジン
    停止後再始動までの経過時間に関連する値として、再始
    動時のエンジン冷却水温度を検出することを特徴とする
    請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の燃料蒸気処
    理装置の燃料蒸気パージ量制御装置。
  5. 【請求項5】前記パージ混合気流量制御手段は、パージ
    混合気流量の制御を吸着手段とエンジン吸気系とを接続
    するパージ通路に介装された流量制御弁の開度を制御す
    ることによって行うことを特徴とする請求項1〜請求項
    4のいずれか1つに記載の燃料蒸気処理装置の燃料蒸気
    パージ量制御装置。
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