JP2569662B2 - 透光性ジルコニア質焼結体の製造方法 - Google Patents

透光性ジルコニア質焼結体の製造方法

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ジルコニア質の透光性焼結体の製造方法に
関するものである。
ジルコニア質の透光性焼結体は、ジルコニア本来の、
靭性が高い、高温強度が高いなどの優れた特性、及び、
赤外線透過性などの透光性に関する特性から、高温用窓
材、赤外線透過用窓材、透明ルツボ、光学材料、歯列矯
正用透明材料など、多くの用途が見込まれている。
<従来の技術> ジルコニア質の透光性焼結体の製造方法としては、ジ
ルコニア−イットリア系及びジルコニア−カルシア系の
焼結体がそれぞれジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・
セラミック・ソサイアティ(Journal of theAmerican C
eramic Society)第50巻第532頁(1967)及びジャーナ
ル・オブ・レス−コモン・メタルズ(Journal of Less
−Common Metals)第13巻第530頁(1967)に報告されて
いるが、これらの焼結体の光透過率はいずれも約10%程
度のものである。
これらより光透過率の高いものとしてチタニア及びイ
ットリアを含有するジルコニア質の透光性焼結体がある
(特開昭62−91467号公報)。このジルコニア質の透光
性焼結体は、チタニアを5〜20モル%及びイットリアを
2モル%以上含むもので、特に、イットリアを6モル%
以上含む透光性焼結体は、直線透過率で50%以上の高い
透光性を有している。
そして、これらの透光性焼結体は、所望の組成に調合
された粉末は、所定の形状に成型し、1400℃以上で焼成
して製造される。またさらに、熱間静水圧プレス(HI
P)処理を施すことにより、より高い光透過率をもつも
のが得られることが知られている。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、原料粉末の状態などのさまざまな要因
により、このジルコニア質の透光性焼結体の光透過率は
低くなることがあるため、それらの要因を充分考慮し、
注意深く製造しなければならなかった。
本発明は、シルコニア質の透光性焼結体の製造方法に
おける焼成条件を工夫することで、原料粉末の状態など
の透過率を低くするさまざまな要因に配慮しなくとも、
それらの要因を充分補い、簡便に、光透過率の高いジル
コニア質の透光性焼結体を得る方法を提供するものであ
る。
<問題を解決するための手段> 本発明者らは、上記の問題点を解決するために、鋭意
検討を行った結果、成型体を焼成する際に、二段階にわ
けて焼成することで、簡便に、光透過率の高いジルコニ
ア質の透光性焼結体を得ることを見出し、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、成型体を焼成して
透光性ジルコニア質焼結体を製造する方法において、一
度1200〜1550℃で5時間以上焼成(一次焼成)した後、
あらためて1650℃以上で焼成(二次焼成)することを特
徴とする、ジルコニア質の透光性焼結体の製造方法であ
る。
以下にその詳細について説明する。
<作用> 透光性焼結体において、光の透過を妨げる要因は、主
に、空孔での散乱と粒界での散乱である。そこで、透光
性焼結体では、空孔を極力なくし、粒径を大きくする工
夫がなされている。
ジルコニア質の透光性焼結体は、前述のとおり、所望
の組成の高純度微粉末を成型し、1400℃以上で焼成する
ことにより、得ることができる。しかしながら、本発明
者らがそのような方法を検討したところ、原料粉末の平
均粒径や粒径分布、水分含有量、不純物量など、その粉
末の状態により、焼結体の光透過率は著しく変化し、光
透過率の高いジルコニア質の透光性焼結体を定常的に得
ることができなかった。
そこで、焼成温度に対する焼結体の粒径、収縮率、空
孔率等を調べた結果、図−1に模式的に示すように、焼
結の始まる温度からある一定温度までは、結晶粒の成長
はある程度までに抑えられ、焼結体の収縮と、空孔の拡
散、消失が主として起こり、その温度以上では、結晶粒
の成長が著しく、空孔が結晶粒内に閉じ込められ、消失
にしくくなっていることを見出した。その温度は、原料
粉末の組成や粒形などにより異なるが、1550〜1650℃で
ある。すなわち、粒界による光散乱を減らすために粒径
を充分に成長させるには、ある程度高い温度で、空孔に
よる光散乱を減らすために空孔を減らすには、ある程度
低い温度で焼成しなければならない。
本発明者は、このような知見に基づき、ある程度低い
温度で焼成して空孔を減らし(一次焼成)、ついで、さ
らに高い温度で焼成して粒径を大きくする(二次焼成)
ことにより、光透過率の高いジルコニア質の透光性焼結
体を定常的に得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
上記の一次焼成における温度は、焼結の始まる温度か
ら、粒成長の抑えられている温度までであれば何℃でも
よいが、あまり低温であると、空孔の拡散が遅く空孔の
消失に長時間を要し、また、あまり高温であると、焼結
体の一部で粒成長しやすくなり光散乱が生じやすくな
る。すなわち、一次焼成における温度は、1200〜1550℃
でよいが、1450〜1500℃が好ましい。
また、一次焼成における時間は、原料粉末の状態に大
きく影響され、粉末の状態がよれれば、一次焼成は行わ
なくともよい。しかしながら、原料粉末の製造は、行程
が長く、不純物の混入や、混合状態、粒径等、その状態
を一定に製造することが難しい。そこで、原料粉末の状
態に影響されないように一次焼成を行なう。すなわち、
一次焼成における時間は、5時間以上であればよいが、
より定常的に高い光透過率を得るには、さらに長い時間
行なえばよい。
一方、二次焼成においては、1650℃以上で直ちに粒成
長がなされるため、長時間行なう必要はない。
また、本発明は、チタニア−イットリア−ジルコニア
系の透光性焼結体に、特に、その組成が、5〜20モル%
(TiO2)/6〜9モル%(Y2O3)/70〜85モル%(ZrO2
である透光性焼結体に、効果的である。
<発明の効果> 以上の説明から明らかなように本判明によれば、ジル
コニア質の透光性焼結体の製造方法において、 (1)従来よりも、原料粉末の品質に気を使う必要がな
く、 (2)焼成条件を少しだけ工夫するという、簡便な方法
であり、 (3)それにより、常に、高い透光性が得られ、 (4)上記(1)〜(3)によるコストダウンが期待で
きる。
<実施例> 実施例1 東ソ−(株)製ジルコニア粉末(8モル%Y2O3添加
品)とチタニアの微粉末とをモル比で9:1によく混合し
た高純度微粉末を、1kgずつ5ロッド作製した。これを
成型し、1500℃で10時間酸素雰囲気中で焼成し、冷却し
た後、あらためて、1700℃で2時間酸素雰囲気中で焼成
した。その後、1500℃、1500kgf/cm2で熱間静水圧プレ
ス(HIP)処理し、1000℃、2時間熱処理し、ジルコニ
ア質の透光性焼結体を得た。
この透光性焼結体の1mm厚に換算された直径透過率
(%、以下同じ)を表中に示す。
実施例2、3 実施例1で作製した高純度微粉末を成型し、酸素雰囲
気中で、1500℃で10時間(実施例2)または、20時間
(実施例3)保持し、冷却せずに、1700℃に昇温し、2
時間保持する方法で焼成した。その後、実施例1と同じ
後処理を行ない、ジルコニア質の透光性焼結体を得た。
この透光性焼結体の1mm厚に変換された直線透過率を
表中に示す。
実施例4、5 実施例1で作製した高純度微粉末を成型し、酸素雰囲
気中で、1550℃で10時間(実施例4)または、20時間
(実施例5)保持し、冷却せずに、1700℃に昇温し、2
時間保持する方法で焼成した。その後、実施例1と同じ
後処理を行ない、ジルコニア質の透光性焼結体を得た。
この透光性焼結体の1mm厚に換算された直線透過率を
表中に示す。
実施例6 実施例1で作製した高純度微粉末を成型し、酸素雰囲
気中で、1400℃で20時間保持し、冷却せずに、1700℃に
昇温し、2時間保持する方法で焼成した。その後、実施
例1と同じ後処理を行ない、ジルコニア質の透光性焼結
体を得た。
この透光性焼結体の1mm厚に換算された直線透過率を
表中に示す。
実施例7 実施例1で作製した高純度微粉末を成型し、酸素雰囲
気中で、1500℃で10時間保持し、冷却せずに、空気雰囲
気中で、1700℃に昇温し、2時間保持する方法で焼成し
た。その後、実施例1と同じ後処理を行ない、ジルコニ
ア質の透光性焼結体を得た。
この透光性焼結体の1mm厚の換算された直線透過率を
表中に示す。
比較例 実施例1で作製した高純度微粉末を成型し、1700℃で
2時間、酸素雰囲気中で焼成した。その後、実施例1と
同じ後処理を行ない、ジルコニア質の透光性焼結体を得
た。
この透光性焼結体の1mm厚に換算された直線透過率を
表中に示す。
【図面の簡単な説明】
図−1は、透光性ジルコニア焼結体の製造における、焼
成温度と、焼結体の平均結晶粒径および空孔量との関係
を模式的に示したグラフである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成型体を焼成して透光性ジルコニア質焼結
    体を製造する方法において、一度1200〜1550℃で5時間
    以上焼成(以下この処理を「一次焼成」という)した
    後、あらためて1650℃以上で焼成(以下この2度目の熱
    処理を「二次焼成」という)することを特徴とする、ジ
    ルコニア質の透光性焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】一次焼成で冷却せず、そのまま昇温して二
    次焼成を行なう、特許請求の範囲第(1)項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】ジルコニア質焼結体がチアニア−イットリ
    ア−ジルコニア系である、特許請求の範囲第(1)また
    は(2)項記載の方法。
  4. 【請求項4】チタニア/イットリア/ジルコニアの組成
    が、5〜20モル%/6〜10モル%/70〜85モル%である、
    特許請求の範囲第(3)項記載の方法。
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