JP5790366B2 - 耐プラズマ部材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

耐プラズマ性に優れた部材およびその製造方法に関する。詳しくは、局所的なエッチングが生じにくい耐プラズマ部材に関する。
半導体は、その製造工程において腐食性のあるフッ素系ガスの存在下のプラズマ処理、例えば、エッチングやスパッタリング等により微細加工される。このようなプラズマ処理おいては、半導体自体のみならず、プラズマ処理装置自体もプラズマに曝露され、これによる腐食を受ける。そのため、プラズマ処理装置の部材としてはプラズマによる腐食が起こらない材が求められている。
従来、プラズマ処理装置に用いられる部材は石英、ガラス等からなるものであった。しかしながら、これらの従来の部材よりも高いプラズマ耐性を有する部材、いわゆる耐プラズマ部材が求められている。このような部材として、アルミナ系焼結体などが使用されているが、これらは腐食による結晶粒子の離脱、いわゆるパーティクル発生が起きるものであった(特許文献1)。
さらに、これらアルミナ系部材より耐プラズマ性に優れる材料として、7〜17mol%のイットリアを含有するジルコニア系焼結体が報告されている(特許文献1)。
特開2002―37666号公報
本発明は、従来のジルコニア部材と比較して局所的なエッチングが生じにくく、なおかつ、局所的なエッチングに伴うパーティクル発生が生じにくい耐プラズマ部材及びその製造方法を提供する事を目的とする。
上記の課題に鑑み、本研究者らは鋭意検討した。その結果、従来のジルコニア部材は、プラズマ中で不均一なエッチングが起こりやすく、局所的なパーティクル発生及びこれによる部材表面の荒れが生じることが分かった。さらに、このような局所的なパーティクル発生は、従来からプラズマ耐性が低いとされている成分、すなわちチタニアを含有したジルコニアを用いることで解決できることを本発明者らは見出した。
すなわち、本発明はイットリア及びチタニアを含有するジルコニア焼結体からなる耐プラズマ部材である。
以下、本発明の耐プラズマ部材について説明する。
本発明の耐プラズマ部材は、イットリア(Y)及びチタニア(TiO)の両者を含有するジルコニア焼結体からなる。イットリアを含有することで耐プラズマ特性が高くなる。これが更にチタニアを含有することで局所的なエッチングが生じにくくなる。これにより、耐プラズマ部材とした場合に、部材表面の荒れが起きなくなる。
本発明の耐プラズマ部材が含有するイットリアの含有量は少なくとも6mol%であることが好ましく、少なくとも8mol%であることがより好ましい。イットリアの含有量が少なくとも6mol%であると、エッチング特性が高くなりやすく、例えば、エッチングレートが小さくなる。プラズマ耐性が高くなる量のイットリアを含有すればその上限は特に限定されない。このようなイットリア含有量としては、多くとも15mol%が例示できる。
ここで、イットリア含有量はY/(Y+ZrO)で求められる割合である。
本発明の耐プラズマ部材が含有するチタニアの含有量は少なくとも3mol%であることが好ましく、少なくとも8mol%であることがより好ましい。チタニアの含有量が3mol%より多いと、局所的なエッチングが生じにくくなり、例えば、エッチング後の表面が荒くなりにくい。局所的なエッチングが生じにくくなる量のチタニアを含有すれば、その上限は特に限定されない。このようなチタニア含有量としては、多くとも20mol%が例示できる。
ここで、チタニア含有量はTiO/(Y+ZrO+TiO)で求められる割合である。
本発明の耐プラズマ部材は、このようにイットリア及びチタニアの両者を含有するジルコニア焼結体からなる。これにより、プラズマ特性が高く、なおかつ、局所的なエッチングが生じくい耐プラズマ部材とすることができる。さらに、イットリア及びチタニアは、ジルコニアに固溶していることが好ましい。イットリア及びチタニアがジルコニアに固溶していることで、プラズマに対する耐性が高くなり、よりエッチングされにくくなる。
本発明の耐プラズマ部材は、その平均結晶粒径が100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが更に好ましく、15μm以下であることが更により好ましい。平均結晶粒径が100μm以下であることで、高い機械的強度、特に、高い曲げ強度を有する耐プラズマ部材となる。これにより、本発明の耐プラズマ部材をエッチング装置等の半導体製造装置に用いた場合、耐プラズマ性が高くエッチングされにくいだけでなく、物理的にも強く壊れにくい装置とすることができる。本発明の耐プラズマ部材は曲げ強度は高いことが好ましい。例えば、曲げ強度として、少なくとも150MPa、好ましくは少なくとも200MPa、より好ましくは少なくとも250MPa、更に好ましくは少なくとも300MPaを挙げることができる。
本発明の耐プラズマ部材は、直径1μm以上の気孔の頻度(以下、「気孔頻度」する)が、多くとも400個/mmであることが好ましく、多くとも100個/mmであることがより好ましい。気孔頻度が多くとも400個/mmであることで、プラズマ中での不均一なエッチングが起こりにくくなる。
また、直径の大きい気孔が耐プラズマ部材に含まれる場合、不均一なエッチングが起こりやすくなる。そのため、本発明の耐プラズマ部材を構成するジルコニア焼結体は、その平均気孔径の直径が3μmより小さいことが好ましく、2.5μmより小さいことがより好ましい。
本発明の耐プラズマ部材は、厚み1mm、D65光線における全光線透過率が少なくとも30%であることが好ましい。全光線透過率が少なくとも30%であることで、プラズマ処理装置の土台や支持材などの構造部材だけでなく、プラズマ処理装置の窓材としても使用することができ、その用途が広がる。全光線透過率は、少なくとも50%であることがより好ましく少なくとも60%であることが更に好ましく、少なくとも70%であることが更により好ましい。
本発明の耐プラズマ部材の製造方法を以下に説明する。
本発明の耐プラズマ部材は、イットリア、チタニア及びジルコニアを含む粉末を成形し、焼結した後、熱間静水圧プレス(HIP)処理することで製造することができる。
本発明の原料粉末としては、ジルコニア、イットリア、チタニアを含有する粉末を用いる。原料粉末はこれらの成分を所定量含有した粉末であればよく、原料粉末の組成は得られる耐プラズマ部材の組成と同等になる。好ましい原料粉末として、イットリア固溶ジルコニア粉末とチタニア粉末とを混合した混合粉末を挙げることができる。
混合粉末を原料粉末として用いる場合、各成分が均一に分散・混合できれば、その混合方法は適宜選択することができる。好ましい混合方法として、湿式ボールミル、湿式攪拌ミル等による湿式混合により混合が好ましい。
原料粉末を成形し、成形体を得る。原料粉末の成形方法は、所望の形状の成形体が得られる方法であればよく、プレス成形、冷間静水圧プレス成形、鋳込み成形、押し出し成形、射出成形等の一般的にセラミックスの成形に用いられている成形方法を用いることができる。
得られた成形体を焼結して一次焼結体を得た後、これを熱間静水圧プレス(HIP)処理することで本発明の耐プラズマ部材を得ることができる。
一次焼結体は、その結晶相が立方晶及び正方晶を含むことが好ましい。これにより、次いで行われるHIP処理後の焼結体の密度が高くなりやすい。なお、一次焼結の条件としては、焼結温度が少なくとも1200℃であることが好ましく、少なくとも1300℃であることがより好ましい。焼結温度が高いほど一次焼結体の密度は高くなりやすい。しかしながら、焼結温度が好ましくは1450℃以下、より好ましくは1400℃以下であるとで、得られる一次焼結体の結晶相が立方晶と正方晶の混相組織となりやすい。
一次焼結体をHIP処理することで本発明の耐プラズマ部材を得ることができる。
HIP処理は、HIP処理温度が少なくとも1250℃であることが好ましく、少なくとも1300℃であることがより好ましい。これにより、HIP処理後に得られる耐プラズマ部材の密度が高くなりやすい。HIP処理温度は耐プラズマ部材の密度が高くなれば必要以上に高くする必要はない。そのため、HIP処理温度の上限としては、好ましくは1700℃以下、より好ましくは1600℃以下を例示することができる。
HIP処理の圧力媒体は、非酸化雰囲気であれば特に限定するものではなく、例えば、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気などが例示でき、アルゴンガス雰囲気であることが簡便なため好ましい。
また、HIP処理の処理圧力は少なくとも50MPaであることが好ましく、100MPaであることがより好ましい。これにより、一次焼結体中の気孔が排除されやすくなり、密度の高い耐プラズマ部材が得られやすい。耐プラズマ部材の密度が高くなればHIP処理圧力は必要以上に高くする必要はない。そのため、HIP処理圧力の上限としては200MPaを例示することができる。
HIP処理後の耐プラズマ部材は、必要に応じてアニール処理することが好ましい。HIP処理後の耐プラズマ部材は黒色を呈している場合がある。この場合、アニール処理をすることで、耐プラズマ部材がより透明になる。これにより、本発明の耐プラズマ部材を透明性が必要な部材、例えば、窓材等にも使用することができる。
アニール処理は耐プラズマ部材が透明になるような条件で行えばよい。アニール処理の条件としては、例えば、大気中又は酸素中などの酸化雰囲気で、800℃から1200℃の温度を上げることができる。
本発明の耐プラズマ部材は、従来のジルコニア焼結体からなる耐プラズマ部材に比べて局所的なエッチングが生じにくい。そのため、本発明の耐プラズマ部材は従来の物よりも表面凹凸の少ない、滑らかなエッチング面が得られる。
気孔頻度とエッチング面の表面粗さ(Ra)との相関を示す図。 実施例3のエッチング処理後の表面組織図(図中スケールは3μm)。 実施例3のX線回折図(上:一次焼結体、下:耐プラズマ部材)。 実施例3のエッチング処理後のXPS測定結果。 比較例1のエッチング処理後の表面組織図(図中スケールは3μm)。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(平均結晶粒径の測定)
焼結体を平面研削した後、ダイアモンド砥粒9μm、6μm、1μmを用いて鏡面研磨した。研磨面を熱エッチングした後、SEM観察した。熱エッチングは各試料のHIP処理温度より50〜100℃低い温度で1〜2時間処理することで行った。SEM写真から、平均粒径をJ.Am.Ceram.Soc.,52[8]443−6(1969)に記載されている方法に従い、(5)式により求めた。Lの値は100本以上の実測長さの平均値とした。
D=1.56L (5)
D:平均結晶粒径(μm)
L:任意の直線を横切る粒子の平均長さ(μm)
(全光線透過率)
試料の表面を鏡面研磨し、表面粗さRa=0.02μm以下、試料厚み1mmの測定試料をとした。なお、鏡面研磨は試料の両面について行った。全光線透過率はヘーズメーター(日本電色、NDH5000)を用いてD65光線にて測定した。
(気孔率)
アルキメデス法により実測密度を求め、{1−(実測密度/真密度)}×100から気孔率を求めた。なお、真密度は、試料が含有するチタニア、イットリア及びジルコニアの量を加味し、実施例1は5.86g/cm、実施例2〜5については、5.83g/cm、比較例1、2については、6.00g/cmとした。
(気孔頻度、平均気孔径測定)
光学顕微鏡を用い、試料の気孔頻度及び平均気孔径を測定した。試料を光学顕微鏡に設置し、0.5μm以上の気孔の数を測定した。各試料について10点測定し、得られた気孔の数を1mm気孔頻度、及び、得られた気孔の平均径を平均気孔径とした。
(曲げ強度)
曲げ強度はJIS R1601に従い測定した。測定は10回行い、その平均値を平均曲げ強度とした。
(XPS測定)
XPS測定装置(ESCA5400MC、パーキンエルマー社製)を用い、試料のXPS測定を行った。X線源としてAl−Kα線を使用した。Arスパッタを行い深さ方向のXPSプロファイルを測定した。
(プラズマエッチング試験)
各試料のエッチング特性として、エッチング深さ、及び、エッチングレートを測定した。測定は、反応性プラズマエッチング装置(DEM−451、アネルバ製)を用い、出力300W、照射時間4時間、反応ガスは、CF 25.2sccm、O 6.3sccm、Ar 126sccmの条件で行った。測定に先立ち、試料の表面は表面粗さRa=0.02μm以下に鏡面研磨した。
なお、エッチング深さが大きいほど、エッチング後の表面が深くエッチングされることを示す。一方、エッチングレートが大きいほど短時間でエッチングされやすいことを示す。
(表面粗さ測定)
プラズマエッチング試験後の試料のエッチング面の表面粗さは、レーザー顕微鏡(VK−9500/VK−9510、キーエンス製)を用いて測定した。エッチング面について、JIS B 0601−1994に従い、中心線平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、及び、十点平均高さ(Rz)を測定した。
なお、Raはエッチング後のエッチング面の平均の高さに対する凹凸度合いを示す。したがって、これが大きいほどエッチング面に凹凸が多く、平滑度が低いことを示す。Ryは、エッチング後のエッチング面において、エッチングが最も進んだ部分とエッチングが最も進まなかった部分との高さの差を示す。したがって、Raの値が大きいほど局所的に深いエッチングが生じていることを示す。Rzはエッチング面の平均的な凹凸の深さを示す。したがって、Rzが大きいほど、エッチング面全体の凹凸が深いことを示す。
実施例1
(原料粉末の調製)
ジルコニア粉末及びチタニア粉末を所定量秤量し、エタノール溶媒中で直径10mmのジルコニア製ボールで72時間ボールミル混合し、乾燥した粉末を原料粉末とした。
ジルコニア粉末として、加水分解法で製造された8mol%イットリア含有ジルコニア粉末を使用し、チタニア粉末として高純度チタニア粉末を使用した。
(一次焼結)
原料粉末を金型プレスによって圧力50MPaで成形した後、冷間静水圧プレス装置を用い200MPaで成形した。一次焼結は、大気中で昇温速度を100℃/h、一次焼結温度を1350℃、焼結時間を2時間とした。得られた一次焼結体の結晶相は立方晶と正方晶の混晶であった。
(HIP処理及びアニール)
得られた一次焼結体をHIP処理して耐プラズマ部材を得た。HIP処理の条件は、温度1650℃、圧力150MPa、保持時間1時間とした。なお、HIP処理の圧力媒体として純度99.9%のアルゴンガスを用いた。
HIP処理後の耐プラズマ部材は黒色を呈していたため、大気中、1000℃でアニールし、透光性を有する耐プラズマ部材を得た。得られた耐プラズマ部材の相対密度は、アルキメデス法の測定誤差範囲内で100%であったため、その気孔率は0%であった。結果を表1に示す。また、得られた耐プラズマ部材についてエッチング試験を行った。結果を表2に示す。
なお、目視による確認の結果、エッチング試験前後において、耐プラズマ部材に変化は認められなかった。
実施例2
ジルコニア粉末として10mol%イットリア含有ジルコニア粉末を使用したこと以外は実施例1と同様な方法で透光性を有する耐プラズマ部材を得た。得られた耐プラズマ部材の相対密度は、アルキメデス法の測定誤差範囲内で100%であったため、その気孔率は0%であった。結果を表1に示す。また、得られた耐プラズマ部材についてエッチング試験を行った。結果を表2に示す。
なお、目視による確認の結果、エッチング試験前後において、耐プラズマ部材に変化は認められなかった。
実施例3
ジルコニア粉末として10mol%イットリア含有ジルコニア粉末を使用したこと、HIP処理温度を1500℃としたこと以外は実施例1と同様な方法で透光性を有する耐プラズマ部材を得た。得られた耐プラズマ部材の結晶相は立方晶単相であった。
なお、一次焼結体の結晶相は立方晶と正方晶の混相であった。得られた耐プラズマ部材の相対密度は、アルキメデス法の測定誤差範囲内で100%であったため、その気孔率は0%であった。結果を表1に示す。また、得られた耐プラズマ部材についてエッチング試験を行った。結果を表2に示す。
なお、目視による確認の結果、エッチング試験前後において、耐プラズマ部材に変化は認められなかった。
さらに、エッチング試験後の耐プラズマ部材の表面のXPS測定を行った。その結果、エッチングガスと直接接触している部材表面にフッ素(F)が確認され、ごく表面で耐プラズマ部材がフッ化されていることが分かった。しかしながら、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)及びチタン(Ti)の深さ方向の濃度低下は見られず、本発明の耐プラズマ部材は高いプラズマ耐性を有し、なおかつ、元素によるエッチング度合いの差が生じていないことが確認できた。
特に、本発明の耐プラズマ部材は、フッ素中でのプラズマ暴露によってエッチングされやすいチタンを含むにも関わらず、チタンの濃度低下が生じていないことが確認できた。
実施例4
ジルコニア粉末として10mol%イットリア含有ジルコニア粉末を使用したこと、HIP処理温度を1400℃としたこと以外は実施例1と同様な方法で耐プラズマ部材を得た。得られた耐プラズマ部材の相対密度は、アルキメデス法の測定誤差範囲内で100%であったため、その気孔率は0%であった。結果を表1に示す。また、得られた耐プラズマ部材についてエッチング試験を行った。結果を表2に示す。
なお、目視による確認の結果、エッチング試験前後において、耐プラズマ部材に変化は認められなかった。
実施例5
ジルコニア粉末として10mol%イットリア含有ジルコニア粉末を使用したこと、HIP処理温度を1380℃としたこと以外は実施例1と同様な方法で耐プラズマ部材を得た。なお、一次焼結体の結晶相は立方晶と正方晶の混晶であった。また、得られた耐プラズマ部材の相対密度は、アルキメデス法の測定誤差範囲内で100%であったため、その気孔率は0%であった。結果を表1に示す。また、得られた耐プラズマ部材についてエッチング試験を行った。結果を表2に示す。
なお、目視による確認の結果、エッチング試験前後において、耐プラズマ部材に変化は認められなかった。
Figure 0005790366
Figure 0005790366
比較例1
引用文献1に記載された方法により、チタニアを含まないジルコニア焼結体を作製し、耐プラズマ部材とした。すなわち、8mol%のイットリアを含有するジルコニア粉末を実施例1と同様な方法で成形して成形体を得た。得られた成形体を1500℃、2時間で焼結して比較例1のジルコニア焼結体を得、これを比較例1の耐プラズマ部材とした。得られた耐プラズマ部材の物性を表3に示す。
比較例1で得られた耐プラズマ部材は、実施例と同程度のエッチングレートであった。しかしながら、比較例1の耐プラズマ部材はRaが本発明の耐プラズマ部材の2倍近くあり、エッチングによりエッチング面に凹凸が多く形成されたことが分かった。これに加え、Ryが本発明の耐プラズマ部材の1.5〜3倍近くあり、比較例1の耐プラズマ部材は局所的にエッチングされやすく、パーティクル発生が高いことが確認できた。結果を表4に示す。
比較例2
比較例1で得られたジルコニア焼結体を用い、温度1500℃、圧力150MPa、保持時間1時間でHIP処理して比較例2の耐プラズマ部材とした。得られた耐プラズマ部材の物性を表3に示した。
比較例2で得られた耐プラズマ部材は、実施例と同程度のエッチングレートであった。しかしながら、比較例2の耐プラズマ部材はRaが本発明の耐プラズマ部材の2倍近くあり、エッチングによりエッチング面に凹凸が多く形成されたことが分かった。これに加え、Ryが本発明の耐プラズマ部材の1.5〜3倍近くあり、比較例2の耐プラズマ部材は局所的にエッチングされやすく、パーティクル発生が高いことが確認できた。結果を表4に示す。
Figure 0005790366
Figure 0005790366
比較例3
市販の石英ガラスを耐プラズマ部材として、エッチング試験を行った。結果を表5に示す。
石英ガラスはエッチングレートが高く、表面がエッチングされやすいことが確認できた。これより、本発明の耐プラズマ部材は石英ガラスと比べて高いプラズマ特性を有していることが確認できた。
比較例4
高純度アルミナ粉末(TM−DAR,大明化学製)を1250℃で一次焼結した後に、1500℃、150MPaでHIP処理して、透光性アルミナ焼結体を得た。当該透光性アルミナ焼結体を耐プラズマ部材として、エッチング試験を行った。結果を表5に示す。
透光性アルミナ焼結体はエッチングレートが高く、表面がエッチングされやすいことが確認できた。これより、本発明の耐プラズマ部材はアルミナ焼結体と比べて高いプラズマ特性を有していることが確認できた。
Figure 0005790366
本発明の耐プラズマ部材は、腐食性ガス下でのプラズマ照射に対して高い耐性を有する。そのため、半導体製造装置の部材として使用することができる。さらには、透光性が高く、半導体製造装置の構造部材以外にも窓材としても使用することができる。
○:実施例
△:比較例
※:立方晶(Cubic)
+:正方晶(Tetragonal)
●:酸素(O)
◎:フッ素(F)
▲:イットリウム(Y)
□:ジルコニウム(Zr)
▼:チタン(Ti)

Claims (7)

  1. イットリア及びチタニアを含有し、イットリア含有量が少なくとも6mol%であり、平均結晶粒径が2.7μm以上100μm以下であるジルコニア焼結体からなる耐プラズマ部材。
  2. チタニア含有量が、少なくとも3mol%であることを特徴とする請求項1に記載の耐プラズマ部材。
  3. 直径1μm以上の気孔の頻度が、多くとも400個/mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐プラズマ部材。
  4. 試料厚み1mm、D65光線における全光線透過率が少なくとも30%であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の耐プラズマ部材。
  5. 平均気孔径の直径が3μmより小さい請求項1乃至4のいずれかに記載の耐プラズマ部材。
  6. イットリア、チタニア及びジルコニアを含む粉末を成形し、焼結した後、熱間静水圧プレス処理することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の耐プラズマ部材の製造方法。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の耐プラズマ部材を用いた半導体製造装置。
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