JP2569461B2 - 熱転写型カラ−プリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱昇華性染料等を利用してカラープリント
を行うビデオプリンタ等の熱転写型カラープリンタに関
し、特に面順次記録方式の熱転写型カラープリンタに関
する。

〔従来の技術〕

従来、パーソナルコンピュータでは、CRTディスプレ
イのカラー化が進み、いわゆるカラーグラフィック機能
が充実してきている。また、カラーテレビジョン受像機
やビデオテープレコーダでは、カラー画像が一般的にな
っている。それに伴い、カラー画像を普通紙にコピーす
るビデオプリンタが要望され、各種の記録方式が提案さ
れている。

そして、サーマルプリンタにおける記録方式として、
熱溶融性インクや熱昇華性インクを塗布したインクリボ
ンをプラテンに巻装した印画用の普通紙とサーマルヘッ
ドとの間に介在され、サーマルヘッドの発熱抵抗体の発
熱により、熱溶融性インクや熱昇華性インクを溶融ある
いは気化させて普通紙に転写するようにした熱転写方式
が知られている。そして、カラープリントを行う方式と
しては、例えばＹ（イエロー）,M（マゼンタ）,C（シア
ン）の減色混合の三原色のインクリボンを用いて、各色
の画像を面順次に印刷して重ね合わせるようにした面順
次記録方式が従来より実用化されている。

一般に、カラープリントに利用される熱溶融性インク
や熱昇華性インクが溶融あるいは気化する量は、温度に
依存して変化し、また、同一温度であっても各色の染料
によって異なる。そして、インクリボンのインクを印画
用紙に転写するためのサーマルヘッドは、プリンタ内に
おけるサーマルヘッドの設置場所の周囲温度に応じて熱
伝達が異なり、周囲温度が低ければ冷えており、高けれ
ば温まっているので、カラー画像の面順次記録を行うと
各色の画像に濃度差を生じてしまう。さらに、サーマル
ヘッドは、ヘッド電圧を固定して連続駆動すると、サー
マルヘッド自身の蓄熱により周囲温度が徐々に上昇する
ので、印画する画像の濃度が次第に濃くなってしまう。

〔発明が解決しようとする課題〕

一般に、面順次記録によりカラープリントを行うビデ
オプリンタ等の熱転写型カラープリンタにおいては、熱
溶融性インクや熱昇華性インクが溶融あるいは気化する
量がサーマルヘッドの温度に依存するので、サーマルヘ
ッドの温度変化が色むら等の原因となり、特に、連続プ
リントを行うような場合にサーマルヘッド温度に経時的
な変化が生じて、プリント結果に色むらや濃度差が現れ
て、品質の安定したカラープリントを行うことができな
いという問題点がある。

そこで、本発明は、上述の如き問題点に鑑み、面順次
記録によりカラー画像を印画する熱転写型カラープリン
タにおいて、プリント結果に色むらや濃度差が現れるこ
となく品質の安定した連続プリントを行うことを可能に
した新規な熱転写型カラープリンタ提供することを目的
とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上述の問題点を解決するために、サーマル
ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、プリント動作
の開始時点毎に上記温度検出手段の検出信号レベルをサ
ンプル・ホールドするサンプル・ホールド手段と、印画
モード指定信号及び色指定信号の論理値に応じて動作
し、第１の印画動作モードでは上記サンプル・ホールド
手段によるホールド出力に所定のオフセットを与え、第
２の印画動作モードでは上記温度検出手段の検出信号レ
ベルに所定レベルを加算するとともに上記サンプル・ホ
ールド手段によるホールド出力にプリントする各色に応
じて与えるオフセットを可変制御する制御手段とを備
え、上記サーマルヘッドにヘッド駆動部が与える駆動電
圧を上記サンプル・ホールド手段によるホールド出力に
て制御し、インクリボンに同一温度で転写量の多い色か
ら順番に面順次に塗布された複数の色のインクを上記サ
ーマルヘッドにて面順次に熱転写してカラー画像の印画
を行うようにしたものである。

〔作用〕

本発明に係る熱転写型カラープリンタでは、第１の印
画動作モードで、サーマルヘッドの温度を検出する温度
検出手段の検出信号レベルをプリント動作の開始時点毎
にサンプル・ホールド手段によりサンプル・ホールド
し、そのホールド出力に制御手段により所定のオフセッ
トを与えて、上記サーマルヘッドにヘッド駆動部が与え
る駆動電圧を上記サンプル・ホールド手段によるホール
ド出力にて制御し、インクリボンに同一温度で転写量の
多い色から順番に面順次に塗布された複数の色のインク
を上記サーマルヘッドにて面順次に熱転写してカラー画
像の印画を行う。また、第２の印画動作モードでは、上
記温度検出手段の検出信号レベルに所定レベルを加算す
るとともに上記サンプル・ホールド手段によるホールド
出力にプリントする各色に応じたオフセットを上記制御
手段により与えて、上記サーマルヘッドにヘッド駆動部
が与える駆動電圧を上記サンプル・ホールド手段による
ホールド出力にて制御し、インクリボンに同一温度で転
写量の多い色から順番に面順次に塗布された複数の色の
インクを上記サーマルヘッドにて面順次に熱転写してカ
ラー画像の印画を行う。

〔実施例〕

以下、本発明に係る熱転写型カラープリンタの一実施
例について、図面に従い詳細に説明する。

第１図ないし第３図に示す実施例において、プラテン
１は、その外周面に着脱自在に印画用の普通紙２が巻装
され、図示しない回転駆動機構により一方向（第２図
中、矢印Ａ方向）に回転されるようになっている。ま
た、インクリボン３は、第３図に模式的に示すように、
Ｙ（イエロー）,M（マゼンタ）,C（シアン）の減色混合
の三原色の熱昇華性インクをこの順序で繰り返し塗布し
た面順次の印画領域3Y,3M,3Cが形成されている。そし
て、インクリボン３は、プラテン１の外周面上の印画用
の普通紙２に摺接した状態で供給リール4Aと巻取リール
4Bとの間に装架されている。さらに、サーマルヘッド５
は、支軸６を中心として揺動自在な揺動アーム７に取り
付けられており、この揺動アーム７がクランク機構８を
介して図示しない回転駆動機構により揺動されることに
よって、プラテン１の外周面上の印画用の普通紙２とイ
ンクリボン３の摺接部分に当接する印画位置と、プラテ
ン１の外周面から最も離れた非印画位置との間を移動す
るようになっている。さらにまた、クランク機構８のク
ランクピン8aが設けられている回転盤8Aの外周部分には
シャッタ板９が突設されており、回転盤8Aの回転位置す
なわりサーマルヘッド５の移動位置がシャッタ板９を利
用して第１及び第２の位置センサ部10,15にて検出され
るようになっている。上記第１の位置センサ部10は、サ
ーマルヘッド５が印画位置に位置していることを検出す
るようになっている。また、上記第２の位置センサ部15
は、サーマルヘッド５が非印画位置に位置していること
を検出するようになっている。

この実施例において、プラテン１に巻装された印画用
の普通紙２には、まず、インクリボン３の第１の印画領
域3Yが重ねられ、この状態でサーマルヘッド５が印画位
置に移動して各画素に対応する抵抗体が画像情報に応じ
て発熱することにより、Ｙ（イエロー）の画像が１ライ
ンずつ線順次に記録される。そして、Ｙ（イエロー）の
画像の記録を終えたら、普通紙２には、次に、インクリ
ボン３の第２の印画領域3Mが重ねられ、サーマルヘッド
５により、Ｍ（マゼンタ）画像が線順次記録される。そ
して、Ｍ（マゼンタ）の画像の記録を終えたら、普通紙
２には、さらに、インクリボン３の第３の印画領域3Cが
重ねられて、サーマルヘッド５により、Ｃ（シアン）画
像が線順次記録される。このようにして、普通紙２に
は、Ｙ（イエロー）,M（マゼンタ）,C（シアン）の各画
像が面順次に記録される。

さらに、この実施例の熱転写型カラープリンタは、そ
の電気的な構成を第１図に示してあるように、このサー
マルプリンタにて印画するビデオ信号の色信号情報に対
応する印画データが、PWM（Pulse Width Modulation）
パルス列として信号入力端子20よりヘッド駆動部21に供
給され、このヘッド駆動部21により上記印画データに応
じた電流をサーマルヘッド５に流して印画動作を行うよ
うになっている。

ヘッド駆動部21は、その制御端子23に印加される制御
電圧に応じて駆動出力電圧すなわち上記サーマルヘッド
に供給するヘッド電圧を変化させることのできる出力電
圧の外部制御機能を有するもので、この実施例では制御
端子23に規定の制御電圧を印加するとサーマルヘッド５
に規定の出力電圧が印可され、制御電圧を直線的に上昇
させると出力電圧が直線的に低下し、制御電圧を直線的
に低下させると出力電圧が直線的に上昇するようになっ
ている。

そして、この実施例では、第１図に示すような構成の
駆動制御部30にて、ヘッド駆動部21の制御端子23に制御
電圧を与えるようにしてある。

駆動制御部30は、その第１ないし第４の信号入力端子
31,32,33,34に、図示しないシステムコントローラか
ら、印画モード指定信号OHP、第１及び第２の色指定信
号CLA,CLB、プリント指令信号PRINTが供給されている。

この実施例において、印画モード指定信号OHPは、通
常のカラープリント用の印画動作モードを論理「Ｈ」に
て示し、オーバーヘッドプジェクタ用の印画動作モード
を論理「Ｌ」にて示すようになっている。そして、この
印画モード指定信号OHPは、第１の信号入力端子31より
定数切換ブロック35とインバータ39に供給されている。
また、第１及び第２の色指定信号CLA,CLBは、インクリ
ボン３の各印画領域3M,3Cによる各色Ｍ（マゼンタ）,C
（シアン）の画像の印画動作期間をそれぞれ論理「Ｈ」
に示すようになっており、第２及び第３の信号入力端子
32,33より定数切換ブロック35に供給されている。

そして、定数切換ブロック35は、印画モード指定信号
OHP、第１及び第２の色指定信号CLA,CLBの論理値に応じ
て第１及び第２のNPNトランジスタ36,37を選択的にオン
させるようになっている。第１のNPNトランジスタ36
は、電源端子と接地間に直列接続された３個の抵抗38A,
38B,38Cの内の接地側の抵抗38Cに並列接続されている。
また、第２のNPNトランジスタ37は、そのエミッタが接
地されており、さらに、そのコレクタが電源端子側の上
記２個の抵抗38A,38Bの接続点に接続されているととも
に後述するサンプル・ホールド回路50を構成する演算増
幅器51にホールドコンデサ52を介して接続されている。

また、インバータ39の出力端は、固定抵抗39A,可変抵
抗39B及び固定抵抗39Cの直列回路を介して負の電源端子
に接続されているとともに、反転増幅回路40を構成して
いる演算増幅器41の入力端に固定抵抗39Aを介して接続
されている。さらに、演算増幅器41は、その入力端に第
１及び第２のサーミスタ45,46が接続されており、ま
た、その出力端がサンプル・ホールド回路50の演算増幅
器51の一方の入力端に接続されている。サンプル・ホー
ルド回路50の演算増幅器51の他方の入力端には、第４の
信号入力端子34からプリント動作期間中を論理「Ｌ」に
て示すプリント指令信号PRINTが供給されている。

この実施例において、第１のサーミスタ45は、サーマ
ルヘッド５に取り付けられており、該サーマルヘッド５
の温度を検出するようになっている。また、第２のサー
ミスタ46は、このサーマルプリンタのセット内の温度を
検出するようになっている。そこで、反転増幅回路40の
出力電圧は、温度変化に応じた各サーミスタ45,46の抵
抗値変化によって、温度変化に比例して変化する。そし
て、サンプル・ホールド回路50は、第４の信号入力端子
34から供給されるプリント指令信号PRINTにより、１枚
のカラー画像のプリント期間の開始時点における各サー
ミスタ45,46にて検出される各温度に応じた反転増幅回
路40の出力電圧をサンプリングして、１枚のカラー画像
の上述の面順次記録によるカラープリントが完了する時
点までホールドするようになっている。このサンプル・
ホールド回路50によるサンプル・ホールド出力が、出力
トランジスタ61,62を介してサーマルヘッド駆動部21の
制御端子23に上述の制御電圧として供給される。

このように、サンプル・ホールド回路50によるサンプ
ル・ホールド動作を１枚のカラー画像のプリントすなわ
ち一連の面順次記録動作の開始時点で行うようにして、
まず、同一温度で最も気化量の多いＹ（イエロー）の熱
昇華性染料による印画を行い、次に、Ｍ（マゼンタ）熱
昇華性染料による印画を行い、最後に、同一温度では気
化量の少ないＣ（シアン）の熱昇華性染料による印画を
行う順序で面順次記録を行うことによって、色むらのな
い極めて画質の良好なカラープリントを行うことができ
る。

また、連続プリントを行う場合にも、サンプル・ホー
ルド回路50によるサンプル・ホールド動作を毎回行うこ
とによって、各プリント動作毎に、その温度に適した制
御電圧を上記サーマルヘッド駆動部21の制御端子23に供
給して画質の安定した連続プリント動作を行うことがで
きる。

さらに、この実施例では、オーバーヘッドプジェクタ
用の印画動作モードが設定され、第１の信号入力端子31
に論理「Ｌ」の印画モード指定信号OHPが供給される
と、インバータ39の出力がハイ・レベルになって反転増
幅回路40の入力端の電圧が上昇して、この反転増幅回路
40の出力電圧が下がるようになっている。従って、オー
バーヘッドプジェクタ用の印画動作モードにおいては、
反転増幅回路40の出力電圧をサンプル・ホールド回路50
にてサンプル・ホールドして得られる制御電圧が低くな
り、サーマルヘッド駆動部21の出力電圧すなわちヘッド
電圧が上昇して、上述の通常の印画動作モードよりも、
濃度の濃いカラープリントを行うことができる。さら
に、オーバーヘッドプジェクタ用の印画動作モードで
は、定数切換ブロック35が第１及び第２の色指定信号CL
A,CLBにて指定されるＭ（マゼンタ）とＣ（シアン）の
印画動作期間中に各NPNトランジスタ36,37を選択的にオ
ンさせることにより、サンプル・ホールド回路50による
サンプル・ホールド出力に与えるオフセット電圧が下げ
られる。これにより、Ｙ（イエロー）,M（マゼンタ）,C
（シアン）の各色の画像の濃度バランスを可変設定して
普通紙２に濃度の濃いカラープリントを行う。濃度バラ
ンスの設定により、このオーバーヘッドプロジェクタ用
の印画動作モードで普通紙２にプリントされた熱昇華性
染料による濃度の濃いカラー画像は、プロジェクタ用紙
に適正な濃度バランスで熱転写することができる。

〔発明の効果〕

上述の実施例の説明から明らかなように、本発明に係
る熱転写型カラープリンタでは、第１の印画動作モード
で、サーマルヘッドの温度を検出する温度検出手段の検
出信号レベルをプリント動作の開始時点毎にサンプル・
ホールド手段によりサンプル・ホールドし、そのホール
ド出力に制御手段により所定のオフセットを与えて、サ
ーマルヘッドにヘッド駆動部が与える駆動電圧をサンプ
ル・ホールド手段によるホールド出力にて制御し、イン
クリボンに同一温度で転写量の多い色から順番に面順次
に塗布された複数の色のインクをサーマルヘッドにて面
順次に熱転写してカラー画像の印画を行うことにより、
色むらのない極めて画質の良好なカラープリントを連続
して確実に行うことができる。また、第２の印画動作モ
ードでは、温度検出手段の検出信号レベルに所定レベル
を加算するとともにサンプル・ホールド手段によるホー
ルド出力にプリントする各色に応じたオフセットを上記
制御手段により与えて、サーマルヘッドにヘッド駆動部
が与える駆動電圧をサンプル・ホールド手段によるホー
ルド出力にて制御し、インクリボンに同一温度で転写量
の多い色から順番に面順次に塗布された複数の色のイン
クをサーマルヘッドにて面順次に熱転写してカラー画像
の印画を行うことにより、プロジェクタ用紙に適正な濃
度バランスで熱転写することができる濃度の濃いカラー
プリントを行う。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る熱転写型カラープリンタの一実施
例の電気的な構成を示す回路図であり、第２図は上記実
施例の機械的な構成を示す模式図であり、第３図は上記
実施例に用いたインクリボンの構造を模式的に示す平面
図である。 １……プラテン ３……インクリボン ５……サーマルヘッド 21……サーマルヘッド駆動部 30……駆動制御部 35……定数切換ブロック 36,37……トランジスタ 45……サーミスタ 50……サンプル・ホールド回路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】サーマルヘッドの温度を検出する温度検出
   手段と、 プリント動作の開始時点毎に上記温度検出手段の検出信
   号レベルをサンプル・ホールドするサンプル・ホールド
   手段と、 印画モード指定信号及び色指定信号の論理値に応じて動
   作し、第１の印画動作モードでは上記サンプル・ホール
   ド手段によるホールド出力に所定のオフセットを与え、
   第２の印画動作モードでは上記温度検出手段の検出信号
   レベルに所定レベルを加算するとともに上記サンプル・
   ホールド手段によるホールド出力にプリントする各色に
   応じて与えるオフセットを可変制御する制御手段とを備
   え、 上記サーマルヘッドにヘッド駆動部が与える駆動電圧を
   上記サンプル・ホールド手段によるホールド出力にて制
   御し、インクリボンに同一温度で転写量の多い色から順
   番に面順次に塗布された複数の色のインクを上記サーマ
   ルヘッドにて面順次に熱転写してカラー画像の印画を行
   うようにしたことを特徴とする熱転写型カラープリン
   タ。