JP2569208B2 - チタバリ系半導体磁器組成物用の原料粉末および磁器組成物 - Google Patents

チタバリ系半導体磁器組成物用の原料粉末および磁器組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、著しい正の温度特性を有し、しかも比抵抗
が十分に低いと同時に抵抗温度係数に優れたチタン酸バ
リウム系半導体磁器組成物およびその原料となる粉末に
関する。
[従来技術とその解決しようとする課題] 従来、チタン酸バリウム系半導体磁器はチタン酸バリ
ウムを主成分とし、これに半導体化剤としてY,La,Ceな
どの希土類元素、Nb,Sbのうち少なくとも1種を微量含
有させたもので、常温における比抵抗を低くし、抵抗急
変点(キュリー点)を越えると著しい正の抵抗温度特性
を示すという特性を有している。
通常、チタン酸バリウム系半導体磁器はその主成分で
あるチタン酸バリウムの影響によりキュリー点はほぼ12
0℃付近にある。
かかるチタン酸バリウム系半導体磁器のキュリー点を
高温側に移行させるために、Baの一部をPbで置換するこ
とが知られている。また、キュリー点を低温側に移行さ
せるためや電気的特性を改善するため、Baの一部をSrま
たはCaで置換したり、Tiの一部をZr,Snなどで置換する
ことも知られている。
さらに、チタン酸バリウム系半導体磁器にMnやシリ
カ、アルミナ、酸化銅等を添加することにより、キュリ
ー点を越えた後の抵抗温度変化率を改善したり、半導体
磁器の特性を安定化させる等、種々の試みが行われてい
る。(特公昭53−29386、特公昭54−10110、特公昭63−
28324等) そして、かかるチタン酸バリウム系半導体磁器の特性
を利用することにより、低温度発熱用素子、電流制限用
素子、温度制御用素子などとして使用されている。
しかしながら、上記のような用途において、チタン酸
バリウム系半導体磁器ができる限り低比抵抗であること
が求められる用途も多いが、従来のものにおいては比抵
抗が低くなるに従って、抵抗温度特性、および破壊電圧
が極端に劣化し、例えば比抵抗が5Ω・cm程度のもので
は抵抗温度係数、すなわち抵抗温度特性の勾配[以後、
α値と略記する。](%/℃)が約7程度しかなく、破
壊電圧も約30V/mm前後と低い値に留まり[西井基:エレ
クトロニク・セラミクス,88 5月号(1988)pp22〜27]
このような低比抵抗値を有するチタン酸バリウム系半導
体磁器は実際には実用化されていないのが現状である。
[課題を解決するための手段] 本発明者らはこのような現状に鑑み、上記問題点を解
決するために鋭意検討を行い、チタン酸バリウム系半導
体磁器の原料として通常用いられる炭酸塩または酸化物
の代わりに、主成分として使用されるBaTiO3、SrTiO3
CaTiO3、PbTiO3の内、少なくともBaTiO3、SrTiO3、PbTi
O3を特定の方法によって製造したシュウ酸塩の仮焼粉
末、すなわち微細で均一な一次粒子を有し、平均粒子径
が大きい形骸二次粒子を用い、該粉末に添加剤として半
導体化剤、Mn、SiO2を加えることにより低比抵抗で他の
電気的特性に優れた半導体磁器組成物が得られることを
見い出し、特願平1−225061号、特願平1−225062号に
より提案を行い、さらに添加剤として半導体化剤、Cu
O、SiO2を使用する系においても、同様に優れた電気的
特性が得られることを見い出し、特願平2−137667号に
より提案を行った。
本発明者らは、さらに検討を行い上記主成分に他の添
加剤として半導体化剤、Mn、CuO、SiO2を同時に加える
ことにより、比抵抗が10Ω・cm以下と極めて低く、しか
も抵抗温度係数が一段と優れた正抵抗温度特性を持つ磁
器が得られることを見いだし、本発明に到達したもので
ある。
すなわち本発明は、BaTiO3、SrTiO3、CaTiO3、PbTiO3
の主成の内、少なくともBaTiO3、SrTiO3、PbTiO3が、 BaTiO3:0.2μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
を有する形骸二次粒子でその大きさが平均粒径150〜250
μmであり、かつ50μm以下の形骸二次粒子が5wt%以
下であるBaTiO3粉末、 SrTiO3:0.1μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
を有する形骸二次粒子でその大きさが平均粒径70〜180
μmであり、かつそのBET比表面積が20〜30m2/gであるS
rTiO3粉末、 PbTiO3:0.2μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
を有する形骸二次粒子で、その大きさが平均50〜150μ
mであり、かつ20μm以下の形骸二次粒子が5wt%以下
であるPbTiO3粉末、 上記、、または、、で表わされる粉末よりな
り、 その主成分の組成がBaTiO3:45〜85モル%、SrTiO3:1
〜20モル%、CaTiO3:5〜20モル%、PbTiO3:1〜20モル%
であり 前記主成分に対して半導体化剤としてY,La,Ceなどの
希土類元素、Nb,Sbのうち少なくとも1種が酸化物とし
て0.05〜0.14モル%、 さらにCuO:0.005〜0.03モル%、Mn:0.005〜0.03モル
%、SiO2:0.5〜2.0モル%の組成範囲よりなることを特
徴とするチタン酸バリウム系半導体磁器組成物用原料粉
末、および上記粉末を焼結したチタン酸バリウム系半導
体磁器組成物、更に比抵抗値が10(Ω・cm)以下、抵抗
温度係数が9(%/℃)以上、耐電圧が50(V/mm)以上
であることを特徴とするチタン酸バリウム系サーミスタ
ーを提供するものである。
本発明の原料粉末は、シュウ酸塩を仮焼したものであ
り、そのために本発明特有の効果が生じるわけである
が、最初にまずそれらの各種シュウ酸塩の製造方法につ
いて述べることにする。
これらの方法において重要な事項は、できるだけ純度
の高いシュウ酸塩を得ること、シュウ酸塩中のBa,Sr,P
b,CaとTiのモル比ができるだけ1に近くかつ各結晶間の
ばらつきの無いものを得ることである。そのため純度に
ついては原料となるシュウ酸、四塩化チタンやBa,Sr,P
b,Caの塩ができるだけ高純度であることは勿論、反応容
器からの混入をさけるため反応容器はテフロン等の耐酸
性のプラスチック容器が好ましく、最終的に得られたシ
ュウ酸塩はアルカリ土類を除いた他の金属不純物濃度は
数ppm以下、トータルで100ppm以下が好ましい。またモ
ル比については結晶形状や粒子径が均一で、できるだけ
大きいものを得る必要があるが、それらは以下のような
製造法をとることによりうまく製造できることがわかっ
た。
初めにシュウ酸チタン酸バリウムの製造について述べ
ると、反応はシュウ酸を溶解した水溶液に対し、四塩化
チタンと塩化バリウムを溶解した溶液を添加することに
より行うわけであるが、設定濃度としては生成するシュ
ウ酸チタン酸バリウム4水塩の濃度が10〜12wt%の範囲
内に入るように設定すればよい。従って、両液の水バラ
ンスは設定濃度の範囲内であればどのような濃度でもよ
いが、四塩化チタンと塩化バリウムの溶液で塩化バリウ
ムが析出しないよう溶液中の塩化バリウムの濃度は10wt
%以下にする必要がある。
Ba/Ti(モル比)はBaが若干多目の1.02〜1.05に設定
する必要がある。Ba/Ti(モル比)が1.02より小さい場
合は生成するシュウ酸塩のBa/Ti(モル比)が0.998より
小さい値となり好ましくなく、一方Ba/Ti(モル比)が
1.05より大きい場合は、生成するシュウ酸塩のBa/Ti
(モル比)は1.0付近で大きく変化しないが未反応のBa
が多くなるため経済的でない。シュウ酸/Ti(モル比)
のモル比は、収量および経済性の点から2.1〜2.3の範囲
に設定するのが好ましい。また、他の塩の析出を抑えし
かも経済的な濃度、および結晶の形状等からみて、濃度
が10〜12wt%の範囲が好ましい。
さらに生成するシュウ酸チタン酸バリウム4水塩の結
晶の大きさ、形状、粒度分布に大きな影響を与えるのは
添加条件、撹拌状態、温度条件であり、添加はなるべく
広い範囲にシャワー状で添加するのがよく、添加時に十
分分散しないと微細な結晶が析出し、また4時間以上か
けてゆっくり、少量づつ添加しないと同様の現象がおこ
り、最終製品の物性が劣化する原因となる。撹拌状態に
ついても同様であり、容器のスケールや形状において若
干異なるが、少なくとも撹拌周速2.5m/secで行う必要が
ある。
次に温度条件であるが、晶析温度およびその温度の変
動は晶析に大きな影響を及ぼし微結晶の析出の大きな原
因となるので、55〜75℃の温度範囲で一定温度に保つ必
要があり、55℃より低い温度では結晶性の悪い結晶が生
成し、Ba/Ti(モル比)が0.998より小さい値となり、一
方75℃より高い場合は晶出した結晶が不安定で結晶中か
らBaが抜けやすく濾過までの時間が長くなった場合、Ba
/Ti(モル比)が0.998より低くなるため好ましくない。
このようにして析出したシュウ酸チタン酸バリウムの
結晶は、Ba/Ti(モル比)が0.998〜1.002の範囲内で、
結晶内部も化学量論的に均一であり、結晶粒径は平均10
0μm以上で揃っており、小さな結晶の少ないものとな
る。
次にシュウ酸チタン酸ストロンチウムの製造法である
が、シュウ酸チタン酸バリウムに比較してSr/Ti(モル
比)が1より小さい値になり易いため仕込みのSr/Ti
(モル比)を1.2以上に設定する必要がある。設定Sr/Ti
(モル比)が1.2より小さいと、生成シュウ酸塩のSr/Ti
(モル比)が0.998より小さい値となり好ましくない
が、余り大きすぎても経済的でなく、普通は1.2〜1.3の
範囲で設定する。シュウ酸/Ti(モル比)のモル比は、
収量および経済性の点から2.1〜2.3の範囲に設定するの
が好ましい。また、他の塩の析出を抑えしかも経済的な
濃度、および結晶の形状等からみて、濃度は10〜14wt%
の範囲が好ましい。
さらに生成するシュウ酸チタン酸ストロンチウム5水
塩の結晶の大きさ、形状、粒度分布に大きな影響を与え
るのは添加条件、撹拌状態、温度条件であり、添加はな
るべく広い範囲にシャワー状で添加するのがよく、添加
時に十分撹拌分散させないと微細な結晶が析出し、また
2時間以上かけてゆっくり、少量づつ添加しないと同様
の現象がおこり、結晶のSr/Ti(モル比)が0.998より小
さくなり好ましくない。撹拌条件についても同様であ
り、容器のスケールや形状において若干異なるが、少な
くても撹拌周速3.0m/secで行う必要がある。
次に温度条件であるが、晶析温度およびその温度の変
動は晶析に大きな影響を及ぼし微結晶の析出の大きな原
因となるので、60〜80℃とシュウ酸チタン酸バリウムに
比較してより高い温度範囲で一定温度に保つ必要があ
り、シュウ酸チタン酸バリウムと同様の理由で、上記範
囲より高い場合も低い場合もSr/Ti(モル比)が0.998よ
り小さい値となり好ましくない。
このようにして析出したシュウ酸チタン酸ストロンチ
ウムの結晶も、Sr/Ti(モル比)が0.998〜1.002の範囲
内で、結晶内部も化学量論的に均一であり、結晶粒径は
平均70μm以上で揃っており小さな結晶の少ないものと
なる。
シュウ酸チタン酸ストロンチウムの場合は、反応温度
の60〜80℃では収率が約80wt%と低いため、反応後に冷
却することにより収率を90wt%以上に上げることができ
る。しかし、冷却速度によりその後析出するシュウ酸塩
のSr/Ti(モル比)が変わってくるためその冷却速度は
5℃/hr〜30℃/hrの範囲内で行う必要がある。
更に、シュウ酸チタン酸鉛の製造法であるが、この場
合四塩化チタンを使用すると鉛の塩を溶解させた場合、
塩化鉛の沈殿を生成するため、シュウ酸チタン酸バリウ
ムの場合のような方法は使えず、四塩化チタンを一旦ア
ンモニアにより中和して水酸化チタンのゲルを生成さ
せ、十分濾過洗浄を行った後シュウ酸に溶解すれば溶液
状となるので、この溶液を使用することができる。シュ
ウ酸チタン酸鉛の場合、条件によってPb/Ti(モル比)
が変動するので種々の条件を一定にする必要があるが、
完全な溶液とするためおよび後のシュウ酸塩生成時の収
率等を考え、かつモル比が1に近い条件では、シュウ酸
/Ti(モル比)は2.1〜2.3、TiO2:4wt%以下とする必要
がある。トータルの水バランスから考えると、生成する
シュウ酸チタン酸鉛の濃度が10〜18wt%になるように設
定すればよくその範囲内になるよう、Tiがシュウ酸に溶
解した溶液と硝酸鉛の濃度を設定すればよい。
また、シュウ酸チタン酸鉛の濃度が10〜18wt%に設定
した場合、粒径が大きくかつ均一な結晶を得ることがで
きる。
Pb/Ti(モル比)が1に近いシュウ酸塩を得るために
は、設定Pb/Ti(モル比)は1.01〜1.03にする必要があ
り、設定Pb/Ti(モル比)が1.01より低いとシュウ酸塩
のPb/Ti(モル比)が0.99以下と下がり、一方設定Pb/Ti
(モル比)が1.03より大きい場合は、反対にシュウ酸塩
のモル比が1.01と大きすぎる値となる。設定シュウ酸/T
i(モル比)についても同様である。反応時の液温につ
いては、45〜55℃の範囲で行う必要があり、この範囲外
ではいずれもモル比が0.99より低くなり好ましくない。
シュウ酸チタン酸鉛を得る場合も、液中の拡散状態は
結晶状態に大きな影響を及ぼし、なるべく均一かつ早い
拡散が起こるよう、添加はシャワー状態で行い、撹拌周
速は2.0m/sec以上で行う必要がある。
このようにして析出したシュウ酸チタン酸鉛の結晶
も、Pb/Ti(モル比)が0.998〜1.002の範囲内で、結晶
内部も化学量論的に均一であり、結晶粒径は平均50μm
以上で揃っており、小さな結晶の少ないものとなる。
本発明の粉末組成物の一つであるチタン酸カルシウム
についても、チタン酸ストロンチウム等を製造するのと
同様に、Ca/Ti(モル比)、CaCl2の濃度、シュウ酸/Ti
(モル比)、生成するシュウ酸塩の濃度、液の温度、添
加の方法、撹拌の条件等を設定することにより、Ca/Ti
(モル比)が1に近く結晶粒径が同様に大きく整ったシ
ュウ酸チタン酸カルシウムを得ることができる。
前述の方法により得られたそれぞれのシュウ酸塩は、
有機酸のプロトンが金属または金属酸化物で置き換えら
れた形になっており、これを十分酸素の存在する雰囲気
中、普通の焼結を行う温度よりは若干低い温度で仮焼成
することにより有機物が酸化分解し、BaTiO3、SrTiO3
PbTiO3、CaTiO3のような形の酸化物となる。
この際の分解前の有機物の結晶状態が焼成後の酸化物
の粒径、粒度分布、モル比等の物性に大きな影響を与
え、さらに上記物性が最終的な焼結体の電気的性質にも
大きく影響するが、本発明で得られたシュウ酸塩の仮焼
体は、0.2μm程度以下の均一で微細な粒子が軽く焼結
してお互いに結合力を持ち、分解前のシュウ酸塩の形を
保持したいわゆる形骸粒子の構造をとっておりしかもそ
の粒子は原子分布の片寄りがなく均一に分布しておりこ
のような仮焼体を使用して後述する場合、焼成工程によ
り焼結体を得ることにより焼結体自体も均一な組織を持
ち、低比抵抗で抵抗温度係数が高くかつ耐電圧の高い磁
器となる。
まずシュウ酸チタン酸バリウム、シュウ酸チタン酸ス
トロンチウム、シュウ酸チタン酸カルシウムの仮焼成に
ついて具体的に述べると、得られたそれぞれのシュウ酸
塩は、結晶水が飛散しない程度の温度で乾燥されており
含水塩となっているが、これを有機物が炭化せずかつ粒
子が適当な大きさに留まる程度の温度で焼成する。従っ
て焼成時の炉内は酸素が十分供給される雰囲気中で行う
必要があるが、有機酸塩は急激な分解燃焼を起こす場合
があるので余り過剰な酸素は必要でなく、適度な酸素雰
囲気で行うことが好ましい。仮焼成温度は700〜900℃が
好ましく、700℃より低い場合は十分に酸化分解が進行
せず、炭素等が残留するため好ましくなく。一方900℃
より高い場合、不均一な粒成長が起きやすく、局所的な
異常粒成長が認められる場合が多く好ましくない。
このようにして得たシュウ酸塩の仮焼体は、チタン酸
バリウム、チタン酸カルシウムについては0.2μm以下
の一次粒子が互に繋がった開気孔を有する形骸二次粒子
で、その大きさが平均粒径150〜250μmであり、50μm
以下の形骸二次粒子が5wt%以下、BET比表面積が6〜10
m2/gの整った二次粒子径を有する仮焼体となる。
またチタン酸ストロンチウム仮焼体については、0.1
μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔を有する形骸
二次粒子でその大きさが平均70〜180μmであるが、こ
の場合シュウ酸塩の製造方法により生成した仮焼体のBE
T比表面積が大きく変化し、焼結磁器が優れた特性を示
す粉末はBET比表面積が20〜30m2/gの範囲内である。
シュウ酸チタン酸鉛の場合、上記したシュウ酸塩に比
べ酸化分解の温度が低く、粒成長しやすいため仮焼成は
600〜800℃が好ましく、600℃より低い温度では同様に
十分に酸化分解が進行せず、炭素等が残留するため好ま
しくなく。一方800℃より高い場合、不均一な粒成長が
起きやすく、局所的な異常粒成長が認められる場合が多
く好ましくない。このようにして得たシュウ酸チタン酸
鉛の仮焼体も、0.2μm以下の一次粒子が互に繋った開
気孔を有する形骸二次粒子で、その大きさが平均50〜15
0μmであり、20μm以下の形骸二次粒子が5wt%以下、
BET比表面積が6〜10m2/gの整った二次粒子径を有する
仮焼体となる。
以上のような方法で得られたシュウ酸塩仮焼体を原料
として、後述する方法により混合、焼成を行うわけであ
るが、この場合必ずしもすべてシュウ酸塩の仮焼体を使
用する必要はなく、少なくともBaTiO3、SrTiO3について
シュウ酸塩の仮焼体を使用すればよい。
この場合他のPbTiO3、CaTiO3は所謂普通の固相法によ
り製造したものを使用してもよく、普通はそれぞれの原
料粉末、例えばPbTiO3の場合はPbOとTiO2を混合、焼
成、粉砕することにより製造したPbTiO3組成の粉末と、
PbTiO3同様の方法で製造したCaTiO3組成の粉末をシュウ
酸塩仮焼体と混合して使用することになる。
しかし、均一な組織の焼結体を得るためには、固相法
で製造した粉末がシュウ酸塩仮焼体と平均粒径、不純物
濃度とも近似している必要があり、平均粒径は2μm以
下、アルカリ土類金属を除いた他の金属不純物は100ppm
以下である必要がある。
次に本発明の組成について説明すると、本発明は上記
主成分としてのBaTiO3、SrTiO3、CaTiO3 PbTiO3がBaTi
O3:45〜85モル%、SrTiO3:1〜20モル%、CaTiO3:5〜20
モル%、PbTiO3:1〜20モル%からなり、これに対して半
導体化剤としてY,La,Ceなどの希土類元素、Nb,Sbのうち
少なくとも1種が酸化物として0.05〜0.14モル%、さら
にCuO:0.005〜0.03モル%、Mn:0.005〜0.03モル%、SiO
2:0.5〜2.0モル%が添加されている組成である。
本発明の主成分のBaTiO3、SrTiO3、CaTiO3、PbTiO3
4成分系の磁器は、チタン酸バリウムのBaの一部をCa,S
r,Pbで同時に置換したものである。Pb,Srは単独ではキ
ュリー点をそれぞれ高温側、低温側へ移行させるもので
あり、これらにCa,Sr,Pbを共存状態で主成分に含有さ
せ、さらにMnおよびSiO2を加えることにより、耐電圧値
が高くなり、また突入大電流への耐久性が向上すること
が知られているが、本発明のような組成において比抵抗
が非常に低く他の特性にも優れたものは得られていな
い。
本発明の主成分は、BaTiO3:45〜85モル%、SrTiO3:1
〜20モル%、CaTiO3:5〜20モル%、PbTiO3:1〜20モル%
よりなるが、上記範囲に主成分を限定したのは以下の理
由によるためである。
まず、BaTiO3が45モル%未満の場合、半導体化が困難
になり、比抵抗も高くなる。一方、85モル%を越える
と、電気的特性が劣化するため好ましくない。
SrTiO3が1モル%未満では、焼結体の粒子が粗大とな
ってしまい、電気的特性改善の効果が現れず、20モル%
を越えると、部分的粒成長が起こり電気的特性が劣化し
てしまう。
CaTiO3が5モル%未満では、その耐電圧特性等が優れ
ず、20モル%を越えた場合、上記耐電圧特性が劣化して
しまう。
PbTiO3については、1モル%未満では電気的特性が満
足できるものではなく、20モル%を越えた場合、焼成時
にPbが飛散するため焼結しにくくまた半導体化が困難に
なる。
なお、このとき主成分のBa,Sr,Ca,Pbの合計とTiのモ
ル比については、0.99〜1.03の範囲内で調整すれば、製
造された磁器の物性に殆ど影響をおよぼさないものが製
造できる。
チタン酸バリウム系半導体磁器を製造するためには、
半導体化剤を微量含有させる必要があり、半導体化剤と
してY,La,Ceなどの希土類元素、Nb,Sbのうち少なくとも
1種を、酸化物として0.05〜0.14モル%添加、含有させ
ればよい。
添加量が0.05モル%より少ない場合は、半導体化がう
まくいかず、0.14モル%より多い場合も逆に比抵抗は高
くなり好ましくない。添加の際は、シュウ酸塩か酸化物
の形で添加するのが好ましい。
さらに、上記組成にCuO,Mn,SiO2の3成分を同時に添
加することにより、耐電圧、抵抗温度特性をさらに改善
させることができる。
第1図は、主要4成分がそれぞれBaTiO3:65モル%、S
rTiO3:11モル%、CaTiO3:15モル%、PbTiO3:9モル%の
場合の添加剤で、半導体化剤、SiO2以外の成分、すなわ
ちMn単独、CuO単独、MnとCuOを同時に添加した場合の比
抵抗と抵抗温度係数および比抵抗と耐電圧の関係を比較
した図であるが、Mn単独では抵抗温度係数の値が他の系
に比べ低く、一方CuO単独の系では耐電圧が他の系に比
べ低いのに対し、MnとCuOを同時に添加した系では、耐
電圧と抵抗温度係数の両特性とも高い値を示し、いわゆ
る相乗効果が認められるものである。
このように、本発明においては、微量のCuO、Mn、SiO
2の添加で大きな特性の向上が図られているが、これも
シュウ酸塩仮焼体を主原料として用いたため、添加剤が
非常に均一に分散し、上記効果を奏するものと考えられ
る。
この場合、CuOの添加量は、CuO:0.005〜0.03モル%
で、これらの割合で磁器中に含ませる。
CuOを添加することにより、キュリー点を越えた正の
抵抗温度特性において、その抵抗温度変化率を著しく増
大させることができる。
上記特性を表わすパラメーターとして、α値がある
が、CuOが0.005モル%より少ない場合、α値が小さくな
り、耐圧特性が劣化する。一方、CuOが0.03モル%より
多い場合は、α値は上がるが耐電圧が低くなるので好ま
しくない。CuOは酸化物、硫化物、シュウ酸塩の形で添
加すればよい。
次に、Mnの添加量は0.005〜0.03モル%の範囲内で磁
器中に含有せしめるのが好ましい。
Mnはα値を向上させると同時に耐電圧の向上に著しい
効果があり、Mnが0.005モル%より少ない場合、耐電圧
特性が劣化するため好ましくなく、一方Mnが0.03モル%
以上の場合は、耐電圧は上がるが比抵抗が高くなりすぎ
るため好ましくない。
Mnの添加は、シュウ酸塩か酸化物の形で添加すればよ
い。
次にSiO2の添加であるが、その量としては、SiO2:0.5
〜2.0モル%の範囲が好ましい。
SiO2の添加により、半導体化剤の添加のわずかな変動
によって生じる比抵抗の変化を抑制し、常温において低
い比抵抗値にしようとするものであり、SiO2が0.5モル
%より少ない場合、粒成長しやすく、耐電圧特性が劣化
し、α値が小さくなり、一方SiO2が2モル%より多い場
合、比抵抗が高くなり好ましくない。SiO2の添加は、な
るべく粒子径の小さい酸化物を使用すればよい。
上述のような割合で各原料粉末を秤量し、金属不純物
の混入しにくいプラスチック等のボールミル用ポットと
密度が高くしかも不純物として少量混入した場合も電気
的特性に影響を与えないジルコニア等のボールを使用し
て混合、解砕を行う。
この場合、解砕効果を上げるために水、有機溶剤等の
液体を添加してもよい。この工程の後、液体を除去し、
造粒を行い、0.3〜1.0t/cm3の圧力で成型を行う。成型
後は、5〜10℃/minで昇温を行い、1300〜1400℃で5分
〜2時間焼成した後に、昇温と同様の速度で降温し、本
発明の磁器を得る。
成型圧力が所定より低すぎると比抵抗が上がり、一方
高すぎると比抵抗は下がるがα値が下がり好ましくな
い。また、昇温速度が低すぎると比抵抗が上がる、一方
高すぎる場合は比抵抗は下がるがα値も下がり好ましく
ない。焼成温度については、温度が低すぎても高すぎて
も比抵抗が上がり好ましくない。
以上のような方法で製造した本発明の磁器は、密度が
5.2〜5.6g/cm3、比抵抗値が10(Ω・cm)以下、α値が
9(%/℃)以上、耐電圧が50(V/mm)以上という低抵
抗で耐電圧が高く、且つα値も高い優れたチタン酸バリ
ウム系半導体磁器となる。
このように、原料として主成分にシュウ酸塩から製造
されたものを用いたために優れた電気的特性を有するよ
うになった理由としては、原料の純度がアルカリ土類元
素を除いたトータルの金属元素が100ppmと非常に高いた
め劣化を起こす原因となるような元素が含まれず微量元
素の添加により特性がコントロールしやすくその特性改
善の効果が大きいこと、磁器中の組織がグレインサイズ
が10μm以下で平均サイズがおよそ5μmに制御された
整った粒径の焼結体からなる均一微細組織となっている
ため耐圧性が向上したこと、主成分のシュウ酸塩仮焼体
が適当な強度を有する微細で均一な一次粒子が結合した
形骸粒子であるため混合解砕時に形骸粒子が順次解砕さ
れながら混合され非常に混合性がよく、焼結時に均一に
各原子が固溶し、磁器とした場合原子の分布もより均一
となり、磁器中での局所的な特性の変化がなく、全体が
均一な特性を示すことなどが考えられるが、実際には本
発明の原料の選択および製造法、混合解砕方法、焼結方
法等で最も最適な条件になるよう種々の条件を検討した
結果、総合的な効果としてこのような格段の電気的特性
をする磁器を得ることができたものである。
このようにして得られた磁器は、特にバッテリーや電
池等で作動する低電圧用の定温度発熱用素子、電流制限
用素子、温度制御用素子等の用途として極めて有用であ
る。
[実施例] 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明は係る実施例に限定されるものではない。
実施例1 容量が5m3のゴムライニング製タンクAに、Ti(OH)
換算で27.6wt%のTiイオン、HCl換算で28.2wt%のCl
イオンを含有するTi溶液650kg、塩化バリウム2水塩389
kgおよび純水2980kgをゆっくり混合して添加用の溶液と
した。一方容量が7m3のゴムライニング製タンクBに、
シュウ酸429kgを2055kgの純水に溶解し、温度を60℃ま
で昇温し、その温度に維持した。
この時のBa/Ti(モル比)=1.03、シュウ酸/Ti(モル
比)=2.2、BaCl2=8.25wt%であった。
タンクAからタンクBへの溶液の添加はチャージポン
プによって行い、添加方法はパイプの先端に約200個の
穴を設けて、シャワー状で液面に添加することにより行
った。
この際の撹拌は平板状の2枚の羽根を有する撹拌羽根
を50rpmで回転させることにより行い、この時の撹拌周
速は2.9m/secであった。反応中の溶液は60℃に維持し、
添加時間は4時間であった。
またこの時に生成するシュウ酸チタン酸バリウムの設
定濃度は11wt%であった。
添加終了後、反応液は遠心分離機により濾過し洗浄し
た後、50℃で乾燥することによりシュウ酸チタン酸バリ
ウムの結晶592kgを得た。この時の収率は85.3wt%で、
そのBa/Ti(モル比)は0.999であった。
得られた粉末は磁器製のるつぼに入れ、空気中900
℃、2hrで焼成してチタン酸バリウム仮焼粉末を得た。
得られた粉末は、アルカリ土類以外の金属不純物がいず
れも10ppm以下で、平均粒径が200μmで、50μm以下の
粒子が約2wt%であった。上記粒度分布は、(株)セイ
シン企業製のレーザー式粒度分布測定機(PRO−7000)
により測定した。
実施例2 容量が5m3のゴムライニング製タンクAに、Ti(OH)
換算で31.9wt%のTiイオン、HCl換算で31.9wt%のCl
イオンを含有するTi溶液449kg、塩化ストロンチウム6
水塩516kg、純水1590kgをゆっくり混合して添加用の溶
液とした。一方容量が7m3のゴムライニング製タンクB
にシュウ酸429kgを2147kgの純水に溶解し、温度を75℃
まで昇温し、その温度に維持した。
この時のSr/Ti(モル比)=1.25、シュウ酸/Ti(モル
比)=2.2、SrCl2=12.0wt%であった。
タンクAからタンクBへの溶液の添加はチャージポン
プによって行い、添加方法はパイプの先端に約200個の
穴を設けて、シャワー状で液面に添加することにより行
った。
この際の撹拌は平板状の2枚の羽根を有する撹拌羽根
を用い、この時の撹拌周速は4.1m/secであった。反応中
の溶液は75℃に維持し、添加時間は25時間であった。ま
たこの時に生成するシュウ酸チタン酸ストロンチウムの
設定濃度は12wt%であった。
添加終了後、反応液を20℃/hrの速度で室温まで冷却
した後、遠心分離機により濾過し洗浄し、さらに50℃で
乾燥することによりシュウ酸チタン酸ストロンチウム5
水塩の結晶600kgを得た。このシュウ酸塩のSr/Ti(モル
比)=0.999、収率は93wt%であった。
得られた粉末は磁器製のるつぼに入れ、空気中900
℃、2hrで焼成してチタン酸ストロンチウム仮焼粉末を
得た。得られた粉末は、アルカリ土類以外の金属不純物
がいずれも10ppm以下で、二次粒子の平均粒子径が150μ
m、50μm以下の二次粒子が2.5wt%、BET比表面積が2
6.0m2/gであった。BET比表面積の測定は、(株)島津製
作所製の流動式比表面積自動測定装置マイクロメリティ
ックス フローソップII 2300形を使用した。
実施例3 TiCl4:10wt%の溶液を40℃以下になるよう冷却しなが
ら、アンモニウム水溶液でPH7になるまで中和し、ゲル
状の水酸化チタンを得た後、これを濾過、純水により洗
浄する。洗浄後のゲルは直ちにシュウ酸により溶解し、
Tiイオンの濃度を測定した後、純水およびシュウ酸によ
りTiイオンの濃度2.4wt%、シュウ酸/Ti(モル比)=2.
15に調整し、この溶液2378kgを添加用溶液として容量7m
3のゴムライニング製タンクAに移液した。一方、容量
が5m3のゴムライニング製タンクBに硝酸鉛402kgと純水
1086kgを入れ溶液とした。この時のTb/Ti(モル比)=
1.02、生成するシュウ酸チタン酸鉛の設定濃度:16.0wt
%であった。
タンクAからタンクBへの溶液の添加はチャートポン
プによって行い、添加方法はパイプの先端に約200個の
穴を設けて、シャワー状で液面に添加することにより行
った。
この際の撹拌は平板状の2枚の羽根を有する撹拌羽根
を用い、この時の撹拌周速は2.0m/secであった。反応中
の溶液は50℃に維持し、添加時間は2.0時間であった。
添加終了後、溶液を濾過洗浄し、さらに50℃で乾燥し
てシュウ酸チタン酸鉛4水塩を得た。収率は97.0wt%、
シュウ酸チタン酸鉛のPb/Ti(モル比)は0.998であっ
た。
得られた粉末は磁器製のるつぼに入れ、空気中700
℃、2hrで焼成してチタン酸鉛の仮焼粉末を得た。得ら
れた粉末は、アルカリ土類以外の金属不純物がいずれも
10ppm以下で、二次粒子の平均粒子径が140μm、50μm
以下の二次粒子が3wt%であった。
実施例4〜11 主成分原料として、BaTiO3、SrTiO3、CaTiO3は実施例
1〜3により製造したシュウ酸塩仮焼粉末を用い、CaTi
O3としては、CaCO3とTiO2から固相法により製造した、
アルカリ土類以外の金属不純物がいずれも10ppm以下、
平均粒径が0.5μmの粉末を用いた。
次に、半導体化剤として酸化ランタンを用い、他の微
量成分として酸化銅、シュウ酸マンガン、無水ケイ酸を
用いたが、半導体化剤、酸化銅、シュウ酸マンガン、無
水ケイ酸については、10μm以下の粒径の粒子を用い
た。これらの各原料を第1表に示すような組成比になる
ように配合し、バインダーを添加して50のポリエチレ
ン製のボールミル用ポットおよびジルコニア製ボールを
使用し、エタノールを添加し、24時間湿式混合を行っ
た。
これを脱水乾燥し造粒した後、成形圧力1000kg/cm2
円盤状に成形した。さらにこれを、実施例4〜7につい
ては1320℃で30分間、実施例8〜11については1340℃、
30分間焼成し、13mmφの直径で2.0mm厚さの円盤状焼結
体を得た。得られた半導体磁器につき両主表面にIn−Ga
合金の電極を付与し、これを試料とした。これらの試料
につき、比抵抗値、α値、耐電圧値を測定した。これら
の抵抗と温度の関係はpAメーター:横河ヒューレットパ
ッカード(株)製モデル4140B、X−Yレコーダー:横
河北辰電気(株)製モデル3086を用い、恒温浴中にサン
プルを入れ、一定速度で昇温しながら測定した。
実施例4のキュリー点は、94℃であった。
また上述の特性において、耐電圧については試料に電
圧を印加した後、徐々にその電圧を上昇させてゆき、試
料の破壊が生じる手前の最高印加電圧値を示したもので
ある。
試料組成と電気的特性の測定結果を第1表に示す。第
2図は、実施例4で得られた磁器の抵抗温度特性を図に
示したものであるが、低比抵抗でかつ高いα値に保つこ
とができる。
比較例1〜9 実施例1〜3のそれぞれの方法において、一つの条件
だけを変化させてそれぞれのシュウ酸塩を製造し、同様
の方法で仮焼し、その仮焼粉末を使用した他は、実施例
4と全く同様の組成、方法で磁器を製造してその電気的
特性を測定した。
その時の条件および電気的特性を第2表に示す。
上記比較例によれば、第2表に示されるように、平均
粒径が小さい粉末や粒径の小さい二次粒子を含有する粉
末が生成し、該粉末を使用して磁器を製造した場合、実
施例に比べ、比抵抗、耐電圧等の電気的特性に劣るもの
となることがわかる。
[発明の効果] 本発明の主成分の原料粉末は微細で粒子径の整った一
次粒子よりなる独特の形状を有する二次粒子であり、こ
の原料に半導体化剤およびCuO、Mn、SiO2を添加した混
合粉末組成物を使用して焼結することにより得られたチ
タン酸バリウム系半導体磁器組成物は、比抵抗値が10
(Ω・cm)以下、α値が9(%/℃)以上、耐電圧が50
(V/mm)以上という低抵抗で耐電圧、α値も優れた電気
的特性を示すため、特に電池、バッテリー等を電源とし
た低電圧用の電流制限用素子、温度制御用素子、定温度
発熱用素子等としての種々の用途へ、応用できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の半導体磁器組成物の比抵抗と抵抗温
度係数および耐電圧の関係を示す図であり、第2図は、
本発明のチタン酸バリウム系半導体磁器組成物の抵抗温
度特性図である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】BaTiO3、SrTiO3、CaTiO3、PbTiO3の主成分
    の内、少なくともBaTiO3、SrTiO3が、 BaTiO3:0.2μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
    を有する形骸二次粒子でその大きさが平均粒径150〜250
    μmであり、かつ50μm以下の形骸二次粒子から5wt%
    以下であるBaTiO3粉末、 SrTiO3:0.1μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
    を有する形骸二次粒子でその大きさが平均粒径70〜180
    μmであり、かつそのBET比表面積が20〜30m2/gであるS
    rTiO3粉末、 上記、で表わされる粉末よりなり、 その主成分の組成がBaTiO3:45〜85モル%、SrTiO3:1〜2
    0モル%、CaTiO3:5〜20モル%、PbTiO3:1〜20モル%で
    あり 前記主成分に対して半導体化剤としてY,La,Ceなどの希
    土類元素、Nb,Sbのうち少なくとも1種が酸化物として
    0.05〜0.14モル%、 さらにCuO:0.005〜0.03モル%、Mn:0.005〜0.03モル
    %、SiO2:0.5〜2.0モル%の組成範囲よりなることを特
    徴とするチタバリ系半導体磁器組成物用の原料粉末。
  2. 【請求項2】BaTiO3、SrTiO3、CaTiO3、PbTiO3の主成分
    の内、少なくともBaTiO3、SrTiO3、PbTiO3が、 BaTiO3:0.2μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
    を有する形骸二次粒子でその大きさが平均粒径150〜250
    μmであり、かつ50μm以下の形骸二次粒子が5wt%以
    下であるBaTiO3粉末、 SrTiO3:0.1μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
    を有する形骸二次粒子でその大きさが平均粒径70〜180
    μmであり、かつそのBET比表面積が20〜30m2/gであるS
    rTiO3粉末、 PbTiO3:0.2μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
    を有する形骸二次粒子で、その大きさが平均50〜150μ
    mであり、かつ20μm以下の形骸二次粒子が5wt%以下
    であるPbTiO3粉末、上記、、で表わされる粉末よ
    りなり、 その主成分の組成がBaTiO3:45〜85モル%、SrTiO3:1〜2
    0モル%、CaTiO3:5〜20モル%、PbTiO3:1〜20モル%で
    あり 前記主成分に対して半導体化剤としてY,La,Ceなどの希
    土類元素、Nb,Sbのうち少なくとも1種が酸化物として
    0.05〜0.14モル%、 さらにCuO:0.005〜0.03モル%、Mn:0.005〜0.03モル
    %、SiO2:0.5〜2.0モル%の組成範囲よりなることを特
    徴とするチタバリ系半導体磁器組成物用の原料粉末。
  3. 【請求項3】BaTiO3、SrTiO3、CaTiO3、PbTiO3の主成分
    の内、少なくともBaTiO3、SrTiO3が、 BaTiO3:0.2μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
    を有する形骸二次粒子でその大きさが平均粒径150〜250
    μmであり、かつ50μm以下の形骸二次粒子が5wt%以
    下であるBaTiO3粉末、 SrTiO3:0.1μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
    を有する形骸二次粒子でその大きさが平均粒径70〜180
    μmであり、かつそのBET比表面積が20〜30m2/gであるS
    rTiO3粉末、 上記、で表わされる粉末を原料とし、 その主成分の組成がBaTiO3:45〜85モル%、SrTiO3:1〜2
    0モル%、CaTiO3:5〜20モル%、PbTiO3:1〜20モル%で
    あり 前記主成分に対して半導体化剤としてY,La,Ceなどの希
    土類元素、Nb,Sbのうち少なくとも1種が酸化物として
    0.05〜0.14モル%、 さらにCuO:0.005〜0.03モル%、Mn:0.005〜0.03モル
    %、SiO2:0.5〜2.0モル%の組成範囲よりなることを特
    徴とするチタバリ系半導体磁器組成物。
  4. 【請求項4】BaTiO3、SrTiO3、CaTiO3、PbTiO3の主成の
    内、少なくともBaTiO3、SrTiO3、PbTiO3が、 BaTiO3:0.2μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
    を有する形骸二次粒子でその大きさが平均粒径150〜250
    μmであり、かつ50μm以下の形骸二次粒子が5wt%以
    下であるBaTiO3粉末、 SrTiO3:0.1μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
    を有する形骸二次粒子でその大きさが平均粒径70〜180
    μmであり、かつそのBET比表面積が20〜30m2/gであるS
    rTiO3粉末、 PbTiO3:0.2μm以下の一次粒子が互に繋がった開気孔
    を有する形骸二次粒子で、その大きさが平均50〜150μ
    mであり、かつ20μm以下の形骸二次粒子が5wt%以下
    であるPbTiO3粉末、 上記、、で表わされる粉末を原料とし、 その主成分の組成がBaTiO3:45〜85モル%、SrTiO3:1〜2
    0モル%、CaTiO3:5〜20モル%、PbTiO3:1〜20モル%で
    あり 前記主成分に対して半導体化剤としてY,La,Ceなどの希
    土類元素、Nb,Sbのうち少なくとも1種が酸化物として
    0.05〜0.14モル%、 さらにCuO:0.005〜0.03モル%、Mn:0.005〜0.03モル
    %、SiO2:0.5〜2.0モル%の組成範囲よりなることを特
    徴とするチタバリ系半導体磁器組成物。
  5. 【請求項5】請求項(3)または(4)記載の半導体磁
    器組成物からなり、比抵抗値が10(Ω・cm)以下、抵抗
    温度係数が9(%/℃)以上、耐電圧が50(V/mm)以上
    であることを特徴とするチタバリ系サーミスター。
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