JP2568679B2 - 電子写真感光体及び電子写真感光体用樹脂組成物 - Google Patents

電子写真感光体及び電子写真感光体用樹脂組成物

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JP2568679B2 JP1070898A JP7089889A JP2568679B2 JP 2568679 B2 JP2568679 B2 JP 2568679B2 JP 1070898 A JP1070898 A JP 1070898A JP 7089889 A JP7089889 A JP 7089889A JP 2568679 B2 JP2568679 B2 JP 2568679B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、有機光導電性物質を含有する電子写真感光
体及び電子写真感光体用樹脂組成物に関するものであ
る。
従来の技術 従来、電子写真感光体の感光層として、セレン,セレ
ン−テルル,酸化亜鉛などの無機光導電性物質が広く用
いられてきたが、近年、有機導電性物質を用いた電子写
真感光体に関する研究が進み、その一部は実用化されて
いる。ここで、実用化に至った感光体のほとんどは、感
光層を電荷発生層と電荷輸送層に機能を分離した感光層
からなる積層型有機感光体である。これにより、無機感
光体と比較して劣っていた感度及び感光体寿命の点で改
善され有機感光体が実用域に達した。この種の積層型有
機感光体は、一般には、導電性支持体上に、顔料,染料
などの電荷発生物質からなる電荷発生層,ヒドラゾン,
ピラゾリンなどの電荷輸送物質からなる電荷輸送層の順
に積層したものである。ここで用いられる電荷輸送物質
は正孔移動度の大きなものが主であるため、感光体表面
に負帯電したとき感度を有する。ところが、負帯電で
は、帯電時に用いるコロナ放電が正帯電時と比べて不安
定であり、正帯電時の十倍程度のオゾン,窒素酸化物な
どを発生するため、感光層表面に吸着などの物理的劣化
や酸化などの化学的劣化を引き起こしやすい。さらに、
セレン,セレン−テルル合金など従来用いられてきた感
光体が正帯電であり、これらの電子写真プロセスを負帯
電感光体では共用できない。したがって、正帯電有機感
光体の開発が望まれており、導電性支持体上に電荷輸送
層、電荷発生層の順に形成する積層型、あるいは電荷発
生物質と電荷輸送物質を混合して感光層を形成する単層
型などの研究が進められている。(例えば、第59回電子
写真研究討論会予稿、第61回電子写真研究討論会予稿な
ど参照) 発明が解決しようとする課題 正帯電有機感光体を実現するにはいろいろな課題があ
る。我々の積層型正帯電有機感光体に関する研究におい
ては、高温高湿下での感度特性の劣化が大きな課題であ
った。具体的には、後記の実施例中に示すようにメラミ
ン架橋タイプのアクリル樹脂とメラミン樹脂からなる樹
脂組成物を電荷発生層のバインダー樹脂に用いると高温
高湿下で減感する。これは、バインダー樹脂中に電荷発
生物質である顔料を分散した電荷発生層が電荷輸送層の
上層にあり湿度の影響を受け易いためである。つまり、
電荷発生層のバインダー樹脂が湿潤し分散顔料粒子間の
接触抵抗が大きくなり、電荷発生効率が低下するか、あ
るいは電荷発生層中の移動度が低下するためと考えられ
る。したがって、電荷発生層のバインダー樹脂としては
湿度依存性が低いことが、具体的には吸水率が低く湿潤
しにくいバインダー樹脂が望まれる。ここでは、電荷発
生層が上層の場合について言及したが、電荷発生層が電
荷輸送層の下層にあり湿度の影響を受けにくい場合でも
湿度依存性の低いバインダー樹脂を用いた方が好ましい
ことは言うまでもない。また一般的に、湿度の影響を受
けにくい樹脂として、例えば透湿性の低い樹脂であるポ
リ塩化ビニリデン,ポリフッ化ビニリデンなどがある
が、これらは各種の有機溶剤に溶解しにくく塗料化が難
しい。電荷発生層のバインダー樹脂としては各種の有機
溶剤に対する溶解性や各種の電荷発生物質との親和性を
有し、安定な分散系が得られるものが好ましい。特に、
電荷輸送層上に電荷発生層を設ける場合には、下層を浸
食しないようにアルコール系溶剤に溶解することが望ま
れる。
本発明は、前記問題点に鑑み、環境安定性に優れた電
荷発生層用バインダー樹脂、さらにそれを用いた積層型
正帯電有機感光体を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段 前記目的を達成するために、本発明の電子写真感光体
は、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層からなる積層型
有機感光体で、電荷発生層中に、溶剤可溶性フッ素樹脂
とメタアクリル共重合体とメラミン樹脂を含有するもの
である。詳細については実施例中で述べるが、溶剤可溶
性フッ素樹脂は、フルオロオレフィン単位とアルキルビ
ニルエーテル単位を含む共重合体である。また、メタア
クリル共重合体は、iso−ブチルメタアクリレートとメ
タアクリル酸とヒドロキシエチルメタアクリレートの共
重合体などが用いられる。架橋剤であるメラミン樹脂
は、n−ブチルエーテル化メラミン樹脂やiso−ブチル
エーテル化メラミン樹脂などのアルキルエーテル化メラ
ミン樹脂が用いられる。
作用 一般に、フッ素系樹脂は耐久性に優れた材料であるが
各種溶剤に対する溶解性が乏しく塗料化が難しいと言わ
れている。本発明に用いられているフルオロオレフィン
単位とアルキルビニルエーテル単位を含む共重合体から
なる溶剤可溶性フッ素樹脂は、フッ素樹脂の特徴を損な
わずに、導入するアルキルビニルエーテルなどの種類を
かえることにより各種の溶剤に対する溶解性、良好な顔
料分散性や各種材料との接着性が得られるものである。
また、顔料分散性や接着性をさらに向上させるためにヒ
ドロキシ基およびカルボキシル基から選ばれる基などを
側鎖、末端に有し、電荷発生物質との親和性のある特定
のメタアクリル共重合体を加えている。さらに、湿度の
影響を受けにくくするために架橋剤としてメラミン樹脂
を用い硬化させている。これらのバインダー樹脂を用い
て電荷発生層を形成することにより電子写真特性の環境
安定性を向上させるものである。
実施例 以下、本発明の電子写真感光体及び電子写真感光体用
樹脂組成物について図面を用いて詳細に説明する。
まず本発明の電子写真感光体用樹脂組成物、つまり電
荷発生層のバインダー樹脂について説明する。このバイ
ンダー樹脂は、溶剤可溶性フッ素樹脂とメタアクリル共
重合体と架橋剤としてメラミン樹脂を組合せたものであ
る。
本発明の溶剤可溶性フッ素樹脂としては、フルオロオ
レフィン単位とアルキルビニルエーテル単位を含む共重
合体であり、フルオロオレフィンに基づく単位の含有割
合が30〜70%のものが好ましい。フルオロオレフィンに
基づく単位の割合が小さすぎるものはフッ素樹脂の特徴
が得られず、大きすぎるものは溶剤への溶解性が損なわ
れ好ましくない。フルオロオレフィンとしては、クロロ
トリフルオロエチレン,テトラフルオロエチレン,トリ
フルオロエチレン,フッ化ビニリデン,ヘキサフルオロ
プロピレン,パンタフルオロプロピレンなどが例示され
る。アルキルビニルエーテルは、フルオロオレフィンと
の共重合体,フッ素樹脂の溶剤溶解性などの点から、特
に、炭素数1〜15程度の直鎖状、分岐状あるいは脂環状
のアルキル基を有するアルキルビニルエーテルが好まし
い。アルキルビニルエーテルは、炭素に直接結合した水
素の少なくとも一部がフッ素に置換されたものであって
もよい。また、溶剤可溶性フッ素樹脂は水酸基を有する
ものが、後記のメラミン樹脂との架橋性の点で好まし
い。水酸基は、水酸基含有単量体、例えば、ヒドロキシ
アルキルビニルエーテル,ヒドロキシアルキルアリルエ
ーテル,アリルアルコールなどを共重合させることによ
り導入することができる。また、溶剤可溶性フッ素樹脂
は、テトラヒドロフラン中、30℃で測定される固有粘度
が0.05〜0.10dl/g程度の分子量のものが好ましい。分子
量が大きすぎると溶液の粘度が高くなり層の形成が行い
にくくなり、小さすぎると層の機械的物性が低下するた
め好ましくない。この様な溶剤可溶性フッ素樹脂はフル
オロオレフィン,エチレン性不飽和単量体及び必要によ
り水酸基含有単量体混合物に重合開始剤、特に、ラジカ
ル重合開始剤を作用させて重合することにより製造可能
である。
本発明のメタアクリル共重合体は、iso−ブチルメタ
アクリレート、メタアクリル酸とヒドロキシエチルメタ
アクリレートが、それぞれ80〜85/1〜5/10〜20モル%の
割合で共重合したものである。このメタアクリル共重合
体は、iso−ブチルメタアクリレートが共重合した成分
を多く含むため前記溶剤可溶性フッ素樹脂と良く相溶
し、溶剤可溶性フッ素樹脂とメタアクリル共重合体が均
一に混合された層が形成されるものと考えられる。ま
た、ヒドロキシエチルメタアクリレートが共重合した成
分が含まれるため、メラミン樹脂との架橋により耐湿性
に優れた膜が形成されるものと思われる。さらに、メタ
アクリル共重合体を含有することによりフタロシアニン
顔料などの電荷発生物質の分散性も溶剤可溶性フッ素樹
脂単独に比較して向上する。このメタアクリル共重合体
は分子量が15000〜25000程度のものが好ましい。分子量
のあまりに小さいものは層の機械的性質が低下し、あま
りに大きいものは層の形成が行ないにくくなるので好ま
しくない。
前記溶剤可溶性フッ素樹脂とメタアクリル共重合体の
割合は二者の合計に対し、それぞれ20〜80,80〜20重量
%であることが好ましい。溶剤可溶性樹脂の割合が少な
すぎると耐久性、耐湿性が充分でなくなり、メタアクリ
ル共重合体の割合が少なすぎると電荷発生物質の分散性
が低下し好ましくない。
本発明において各バインダー樹脂は、メラミン樹脂に
より架橋されている。このため、優れた耐湿性が発揮さ
れるものと思われる。メラミン樹脂はn−ブチルエーテ
ル化メラミン樹脂やiso−ブチルエーテル化メラミン樹
脂などのアルキルエーテル化メラミン樹脂であり、前記
溶剤可溶性フッ素樹脂とメタアクリル共重合体の合計10
0重量部当たり15〜40重量部の割合で使用する。メラミ
ン樹脂の割合が少なすぎると良好な耐湿性が得られず、
多すぎると電荷発生物質の分散性などが低下するため好
ましくない。
前述した電子写真感光体用バインダー樹脂は有機溶剤
に溶解されたものが層の形成の容易さから好ましい。こ
こで有機溶剤としては種々の有機溶剤が使用可能である
が、層の形成上あるいは基材との関係などからアルコー
ル系溶剤、特にブタノール系の溶剤が好ましい。
以上、本発明の電子写真感光体用バインダー樹脂につ
いて詳細に説明したが、具体的に、溶剤可溶性フッ素樹
脂とメタアクリル共重合体からなる主剤の製造方法につ
いて実施例1に示す。
(実施例1) クロロトリフルオロエチレン,ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル,シクロヘキシルビニルエーテルとエチルビ
ニルエーテルが、それぞれ56,22,6,16(重量%)の割合
で共重合し、テトラヒドロフラン中30℃で測定される固
有粘度が0.06dl/gである含フッ素共重合体をt−ブタノ
ール/n−ブタノール(30/70)の混合溶剤を用い、固形
分濃度50%して溶剤A、及びiso−ブチルメタアクリレ
ート、メタアクリル酸とヒドロキシエチルメタアクリレ
ートが、それぞれ84,1,15(モル%)の割合で共重合
し、分子量約20000のメタアクリル共重合体をt−ブタ
ノール/n−ブタノール(30/70)の混合溶剤を用い、固
形分濃度50%とした溶液Bを、同量混合して主剤を得
た。
次に、前記バインダー樹脂を用いた電子写真感光体に
ついて詳細に説明する。本発明の電子写真感光体は導電
性支持体上の感光層が、少なくとも電荷輸送層と電荷発
生層からなる積層型有機感光体である。また、導電性支
持体上に電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した正帯電
有機感光体は、さらに電荷発生層上に保護層を積層する
ものである。
本発明の電子写真感光体の導電性支持体は、従来から
知られている導電性を有するものであればよく、一般に
はアルミニウム,アルミニウム合金などの金属板及びド
ラムなどが用いられる。
本発明の電子写真感光体の電荷輸送層は、少なくとも
電荷輸送物質とバインダー樹脂からなる。電荷輸送物質
は、アルキル基,アルコキシル基,アミノ基,イミノ
基,イミド基などの電子供与性を有する化合物、アント
ラセン,フェナントレン,ピレンなどの多環芳香族化合
物またはそれを含む誘導体,インドール,オミサゾー
ル,カルバゾール,ピラゾリン,イミダゾール,オキサ
ジアゾール,チアゾール,トリアゾールなどの複素環化
合物またはそれを含む誘導体などが用いられる。バイン
ダー樹脂は、ポリカーボネート樹脂,ポリアリレート樹
脂,ポリエステル樹脂,アクリル樹脂,スチレン樹脂な
どが従来から知られている熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂
を用いることができる。その中でも、感光層を電荷輸送
層上に電荷発生層を積層する場合には耐溶剤性が要求さ
れ、電荷輸送層が上層に形成される場合には耐摩耗性な
どの機械的特性が要求されるため、ポリカーボネート樹
脂がよく用いられる。バインダー樹脂の含有量は、特性
上、電荷輸送層全量の60重量%以下が好ましい。また、
電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂の所定量
を有機溶剤に溶解して得られた塗料を用いて、浸漬塗工
法,スピンコート法,あるいはスプレー塗工法などの塗
工法にて形成される。電荷輸送層の膜厚は、特性上、5
〜30μm程度が好ましい。膜厚が薄すぎると帯電性が低
下し、厚すぎると電荷の輸送能力が低下する。さらに、
導電性支持体上に電荷輸送層を形成する場合には、導電
性支持体と電荷輸送層の接着性向上のためにブチラール
樹脂,酢酸ビニル樹脂やポリアミド樹脂などからなる0.
1〜1μmの層を設けることもある。
本発明の電子写真感光体の電荷発生層は、少なくとも
電荷発生物質とバインダー樹脂からなる。電荷発生物質
は、フタロシアニン系,アゾ系,スクエアリリウム系,
ペリレン系,シアニン系などの有機顔料や染料などが用
いられる。その中で、結晶形により長波長領域(800nm
付近)に吸収をもつフタロシアニン系はレーザービーム
プリンタ用感光体の電荷発生物質として有用である。フ
タロシアニン系の電荷発生物質としては、いろいろな結
晶形の銅フタロシアニンやその他の金属フタロシアニン
あるいは無金属フタロシアニン、具体的には、ε型銅フ
タロシアニン,τ型無金属フタロシアニン,X型無金属フ
タロシアニン,α型やβ型の銅フタロシアニンやチタニ
ルフタロシアニンあるいは無金属フタロシアニンなどを
用いることができる。バインダー樹脂は、前述の溶剤可
溶性フッ素樹脂とメタアクリル共重合体と架橋剤として
メラミン樹脂を組合せたものが用いられる。バインダー
樹脂の含有量は、特性上、電荷発生層全量の70重量%以
下が好ましい。また、電荷発生層は、バインダー樹脂の
所定量を有機溶剤に溶解し、電荷発生物質をその溶液中
に均一に分散して得られた塗料を用いて、浸漬塗工法,
スピンコート法、あるいはスプレー塗工法などの塗工法
にて形成される。特に、電荷輸送層上に電荷発生層を形
成する場合には、電荷輸送層を浸食しにくいアルコール
系溶剤を用いる。電荷発生層の膜厚は、特性上、0.1/μ
m程度が好ましい。膜厚が薄すぎると電荷発生量が少な
く減感し、厚すぎると帯電性が低下する。さらに、電荷
は輸送層形成時と同時に、導電性支持体上に電荷発生層
を形成する場合には、導電性支持体と電荷発生層の接着
性向上あるいは導電性支持体側からの電荷注入防止のた
めにブチラール樹脂、酢酸ビニル樹脂やポリアミド樹脂
などからなる0.1〜1μmの層を設けることもある。
本発明の、特に、導電性支持体上に電荷輸送層、電荷
発生層の順に積層してなる電子写真感光体の保護層は、
少なくとも耐摩耗性に優れた樹脂,具体的には、熱硬化
性のアクリル樹脂,シリコーン樹脂,ポリアミド樹脂や
ウレタン樹脂などからなり、さらに、保護層中の電荷輸
送を補助するめたに電子受容性物質を添加することも可
能である。保護層は、各種樹脂と添加剤の所定量をアル
コール系溶剤に溶解して得られた塗料を用いて、通常の
塗工法にて、0.1〜5μm程度の膜厚に形成する。アル
コール系溶剤は、電荷輸送層や電荷発生層が浸食されな
いために用いる。保護層の膜厚は薄すぎると耐摩耗性が
低下し、厚すぎると層中のバルクトラップが増大し減感
する。
以上、本発明の電子写真感光体について詳細に説明し
たが、具体的に、導電性支持体上に電荷輸送層、電荷発
生層の順に形成した正帯電有機感光体の電子写真特性の
湿度依存性が解消された点について実施例2以下に示
す。
(実施例2) 1,1−ビス(P−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジ
フェニル−1,3−ブタジエン1重量部とポリカーボネー
ト樹脂(バイエル社製商品名マクロホール−N1)重量部
を塩化メチレン9重量部に溶解した塗料を用いて、ブチ
ラール樹脂(積水化学工業株式会社製商品名エスレック
BL−1)の0.2μmの接着層を施したφ60×300mmのアル
ミニウムドラム上に浸漬塗工し、80℃にて1時間乾燥し
て膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、実施例1にてえられた溶剤可溶性フッ素樹脂と
メタアクリル共重合体からなる主剤(固形分濃度50%)
1重量部を2−ブタノール8重量部に溶解しτ型無金属
フタロシアニン1重量部をくわえてボールミルにて4時
間分散した。その分散液にメラミン樹脂(大日本インキ
化学工業株式会社製商品名L−145−60、固形分濃度60
%)をτ型無金属フタロシアニン/主剤/メラミン樹脂
の固形分の割合が6/3/1になるように加え、分散液の固
形分濃度が5%になるように調液した。この塗液を用い
て、電荷輸送層上に浸漬塗工し、120℃にて1時間加熱
硬化させ膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
このようにして製造した感光体ドラムについて、電荷
発生層バインダー樹脂が電子写真特性に及ぼす影響を明
確にするために保護層を設けずに、電子写真特性を測定
した。測定は、第3図に示すような簡単な自作の試験機
を用いた。具体的には、電位計プローブA3にて帯電後の
電位を、電位計プローブB6にて露光後の電位をモニター
して光減衰特性を測定した。表面電位計は、トレック・
ジャパン株式会社製MODEL344を用いた。また、湿度依存
性は温度、湿度のコントロールが可能な環境室にて、常
温・常湿(25℃・50%RH)と高温・高湿(33℃・85%R
H)に設定し測定した。測定結果は第1図に示す。
(実施例3) 実施例2の比較実験として、実施例2の溶剤可溶性フ
ッ素樹脂とメタアクリル共重合体からなる主剤の変わり
にメラミン架橋タイプのアクリル樹脂(三菱レイヨン株
式会社製商品名ダイヤナールHR−664、固形分濃度45
%)を用い、他は同組成、同条件にて感光体ドラムを製
造した。このようにして得られた感光体ドラムについ
て、同様の電子写真特性の測定を行なった。測定結果は
第2図に示す。
第1図及び第2図より明らかなように、電荷発生層の
バインダー樹脂として溶剤可溶性フッ素樹脂とメタアク
リル共重合体と架橋剤としてメラミン樹脂を用いること
により電子写真特性の湿度依存性が解消された。
発明の効果 以上、本発明の電子写真感光体及び電子写真感光体用
樹脂組成物について詳細に説明したが、それにより本発
明は、以下に記載されるよな効果を奏する。
電荷発生層のバインダー樹脂として溶剤可溶性フッ素
樹脂とメタアクリル共重合体と架橋剤としてメラミン樹
脂を用いることにより、湿度依存性が解消され電子写真
特性の環境安定性を向上させることができた。特に、分
散性など塗料の性質も低下せず、感度や帯電性などの電
子写真特性も劣化することなく特性を改良することがで
きた。また、このバインダー樹脂がアルコール系溶剤に
も可溶であるため、電荷輸送層上に電荷発生層を積層す
る正帯電有機感光体を製造する場合に有効であり、特性
上も、電荷発生層が湿度の影響を受け易い正帯電有機感
光体の場合に有効であった。ただし、電荷発生層上に電
荷輸送層を積層した場合でも湿度の影響を受けにくいバ
インダー樹脂を用いた方が好ましいことは言うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のバインダー樹脂を用いたときの光減
衰特性を示す説明図、第2図は、一般的なアクリル樹脂
を用いたときの光減衰特性を示す説明図、第3図は、感
光体ドラムの特性を測定するための試験機の概略図であ
る。 1……感光体ドラム、2……コロナ帯電器、3……電位
計プローブA、4……タングステンランプ、5……干渉
フィルター(800nm)、6……電位計プローブB、7…
…ラングステンランプ、8……色ガラスフィルター(紫
外線カット)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久田 均 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 木村 博 神奈川県横浜市旭区二俣川2丁目30番 (72)発明者 宮崎 信幸 神奈川県横浜市緑区荏田南1丁目20番5 号 (56)参考文献 特開 昭63−316057(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上の感光層が少なくとも電荷
    発生層と電荷輸送層からなる有機感光体の、前記電荷発
    生層中に、フルオロオレフィン単位とアルキルビニルエ
    ーテル単位を含む共重合体からなる溶剤可溶性フッ素樹
    脂と、メラミン樹脂と、ヒドロキシ基およびカルボキシ
    ル基から選ばれる基を有するメタアクリル共重合体を含
    有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】電荷発生層中の電荷発生物質が、フタロシ
    アニン系顔料であることを特徴とする請求項(1)記載
    の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】感光層が、導電性支持体上に電荷輸送層、
    電荷発生層の順に積層してなる有機感光体であることを
    特徴とする請求項(1)記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】電荷発生層上に保護層を設けることを特徴
    とする請求項(3)記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】導電性支持体上の感光層が少なくとも電荷
    発生層と電荷輸送層からなる有機感光体の、前記電荷発
    生層に用いるバインダー樹脂であって、フルオロオレフ
    ィン単位とアルキルビニルエーテル単位を含む共重合体
    からなる溶剤可溶性フッ素樹脂と、メラミン樹脂と、ヒ
    ドロキシ基およびカルボキシル基から選ばれる基を有す
    るメタアクリル共重合体からなることを特徴とする電子
    写真感光体用樹脂組成物。
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JPH02250061A (ja) 1990-10-05

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