JPH01142726A - 電子写真感光体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、正帯電で、かつ有機光導電性物質を含有する
電子写真感光体に関するものである。

従来の技術 従来、電子写真感光体の感光層として、セレン、硫化カ
ドミウム、酸化亜鉛などの無機光導電性物質が広く用い
られてきたが、近年、有機光導電性物質を感光層に用い
た電子写真感光体に関する研究が進み、それらの一部は
実用化されている。有機光導電性物質からなる電子写真
感光体は、成膜が容易である、可とう性が高く設計の自
由度が大きい、安価で無公害である、材料の選択容易で
あるなどの長所を有している。したがって、無機光導電
性物質からなる感光体では不可能な電子写真プロセス（
例えば、ベルト状の感光体）を可能にすることができ、
さらに、一般複写機からレーザープリンター用感光体ま
で多種多様な電子写真記録方式に利用することができる
。

現在、研究の多くは、高怒度化のため電荷発生層と電荷
輸送層に機能を分離した積層型に関するもので、導電性
支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した負帯
電有機電子写真感光体が中心となっている。（例えば、
１９８５年電子写真学会シンポジウム「電子写真用有機
感光体の現状」予稿集）。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、負帯電は、帯電時に用いるコロナ放電が
正帯電に比べ不安定であり、正帯電時の１０倍量程度の
オゾン、窒素酸化物等を発生し感光層の化学的劣化を引
き起こす。これらの問題を解釈すべく導電性支持体上に
電荷輸送層、電荷発生層の順に積層してなる正帯電有機
電子写真感光体が考案されているが、この場合、電荷発
生層が表面層になるため、表面の機械的強度、帯電時の
電荷保持性などの点において、電荷輸送層が表面層とな
る負帯電有機電子写真感光体と比較して劣っているのが
現状である。さらに、−船釣有機電子写真感光体の塗工
法、例えば、浸漬塗工、スピンコードなどの塗膜形成に
際し、電荷輸送層が電荷発生層用塗料に侵されない組成
が要求される。

本発明は、前記問題点に鑑み、各層を容易に積層するこ
とができ、表面の機械的強度、帯電時の電荷保持性に優
れた正帯電有機電子写真感光体を提供するものである。

問題点を解決するための手段 前記問題点を解決するために、本発明の電子写真感光体
は、導電性支持体上に電荷輸送層、電荷発生層の順に積
層し、前記電荷発生層のバインダー樹脂として、ブチラ
ール樹脂をメラミン変性して用いることを特徴とするも
のである。

具体的には、アルコール系有機溶剤中に、ブチラール樹
脂とアルキル化メチロール基を有するメラミン樹脂を溶
解し、電荷発生物質を分散した塗料を用いて、塗工、加
熱乾燥し電荷発生層を形成するものである。

作用 ブチラール樹脂は、接着性、可とう性に優れた塗膜を形
成するが、機械的強度に乏しく、耐候性に劣る。そこで
、アルキル化メチロール基を有するメラミン樹脂を加え
ると、成膜後加熱時に、ブチラール樹脂とメラミン樹脂
間で架橋するか、あるいはメラミン樹脂間で架橋するこ
とによって、機械的強度、耐候性に優れた塗膜を得るこ
とができる。また、ブチラール樹脂は、アルコール系有
機溶剤に可溶であり、したがって、電荷発生物質分散塗
料用有機溶剤としてアルコール系有機溶剤を使用すると
、電荷発生層形成に際し、電荷輸送層を侵さず塗工する
ことができる。

実施例 以下、本発明の電子写真感光体の一実施例について詳細
に説明する。

本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に、電荷輸
送物質、バインダー樹脂と有機溶剤からなる電荷輸送層
用塗料と、電荷発生物質、バインダー樹脂と有機溶剤か
らなる電荷発生層用塗料とを用いて順に、浸漬塗工法ス
ピンコード法などにより積層した正帯電有機電子写真感
光体である。

本発明の電子写真感光体の導電性支持体は、従来から知
られている導電性を有するものであればよく、アルミニ
ウム、アルミニウム合金などの金属板及びドラム、また
、金属、あるいは酸化スズ、酸化インジウムなどの金属
酸化物を、真空蒸着、塗布などにより付着させ導電性処
理した各種プラスティックやガラスの板、ドラム及びフ
ィルムなどである。

本発明の電子写真感光体の電荷輸送層は、電荷輸送層物
質、具体的には、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基
、イミノ基、イミド基などの電子供与性基を有する化合
物、アントラセン、フェナントレン、ピレンなどの多環
芳香族化合物、またはそれを含む誘導体、インドール、
オキサゾール、カルバゾール、ピラゾリン、イミダゾー
ル、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾールなど
の複素環化合物、またはそれを含む誘導体と、バインダ
ー樹脂、具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂などアルコール
系有機溶剤に不溶な熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂とから
なり、バインダー樹脂の含有量は、特性上６０重量％以
下が好ましい。また、電荷輸送物質とバインダー樹脂の
所定量を各種有機溶剤に溶解し電荷輸送層用塗料が調整
され、浸漬塗工法、スピンコード法、あるいはスプレー
塗工法により、５〜２０μｍの電荷輸送層が形成される
。さらに、電荷輸送層形成に際し、導電性支持体と電荷
輸送層の接着性向上のため、導電性支持体と電荷輸送層
間に、ブチラール樹脂、酢酸ビニル樹脂などからなる、
０．３〜１μｍ程度の接着層をもうけることも可能であ
る。

本発明の電子写真感光体の電荷発生層は、電荷発生物質
、具体的には、フタロシアニン系、アゾ系、スクェアリ
リウム系、ペリレン系、シアニン系などの有機顔料や染
料と、バインダー樹脂、具体的には、ブチラール樹脂と
、アルキル化メチロール基を有するメラミン樹脂とから
なり、バインダー樹脂の含有量は、特性上６０重量％以
下が好ましい。また、電荷発生物質であるフタロシアニ
ン系では、ε型、α型、β型銅フタロシアニン、その他
の金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンを用いる
ことができる。バインダー樹脂であるブチラール樹脂は
、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるポリビニルアル
コールにブチルアルデヒドを反応させて製造されるもの
で、ビニルブチラール、ビニルアルコールと少量のビニ
ルアセテートの共重合物と考えれる。したがって、その
成分の割合によって、性質が著しく変るが、本発明に用
られるブチラール樹脂は、ブチラール化度６０〜７０　
ｍｏ１％、残存アセチル基６ｍｏ１％以下のものである
。メラミン樹脂は、顔料分散状態、硬化条件、塗膜性能
などを考慮して、適当なアルキル化メチロール基の種類
や数を有するも゛のを選択し、バインダー樹脂総量の、
１０〜４０重量％添加するのが好ましい。電荷発生層用
塗料は、アルコール系有機溶剤にブチラール樹脂を溶解
した溶液、あるいはブチラール樹脂とメラミン樹脂を溶
解した溶液中に、電荷発生物質を均一に分散することに
より得られ、浸漬塗工法、スピンコード法、あるいはス
プレー塗工法により、０．１〜１μｍの電荷発生層が形
成される。塗膜形成後、ブチラール樹脂とメラミン樹脂
、あるいはメラミン樹脂間で架橋させるため、８０〜１
５０°Ｃで１０〜１８０分間の加熱が必要となる。加熱
条件は、メラミン樹脂の種類、添加量により異なるが、
電荷輸送物質の耐熱性を考慮すると、低温・短時間が好
ましい。アルコール系有機溶剤は、エタノール、プロパ
ツール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジアセトンアルコールなどで、顔料の分散性、
バインダー樹脂の溶解性、あるいは塗工性などを加味し
て選択利用する。さらに、電荷発生層の機械的強度を増
すため、電荷発生層上に、シリコン樹脂などからなる保
護層を設けることも可能である。

この際、本発明の電荷発生層は、ブチラール樹脂をメラ
ミン変性することにより、アルコール系有機溶剤などに
不溶となるため、保護層の塗工に際して有利である。

以下、本発明の一実施例を詳細に説明するが、本発明は
、以下の一実施例に示す組合せに限定されるものではな
い。

（実施例１） のヒドラゾン化合物１重量部とポリカーボネート樹脂（
バイエル社製商品名マクロホールＧ）１重量部を塩化メ
チレン９重量部に溶解した塗液を、ブチラール樹脂（積
水化学工業株式会社製商品名工スレックＢＬ−１つの接
着層を０．３μｍ施したアルミ板上に浸漬塗工し、８０
°Ｃにて１時間乾燥して膜厚２０μｍの電荷輸送層を形
成した。

次に、ブチラール樹脂（積水化学工業株式会社製商品名
工スレックＢＨ−３）３重量部を２−ブタノール２４重
量部に溶解し、τ型無金属フタロシアニン４重量部を加
えてボールミルにて４時間分散した。その分散液に、メ
ラミン樹脂（大日本インキ化学工業株式会社製商品名ス
ーパーベッカミンＬ−１４５−６０）　　１重量部と２
−ブタノール６８重量部を加えた塗液を電荷輸送上に浸
漬塗工し、１００°Ｃにて３０分間乾燥して膜厚０．３
μｍの電荷発生層を形成した。

このようにして得た正帯電有機電子写真感光体を、静電
複写紙試験装置（株式会社川口電気製作所製Ｅ　Ｐ　Ａ
−８１００）を用いて特性評価した結果を表に示す。ま
た、電荷発生層塗膜の性能評価として、基盤目密着（セ
ロテープ剥離）テストジアセトンアルコール中浸漬テス
トを行った結果も表に付記する。

（実施例２） 比較実験として、実施例１と同様に電荷輸送層まで形成
した上に、ブチラール樹脂（積水化学工業株式会社製商
品名工スレックＢＨ−３）１重量部、τ型無金属フタロ
シアニン１重量部、２−ブタノール２３重量部からなる
分散液より、０．３μｍの電荷発生層を形成した。塗液
の分散条件、塗膜の乾燥条件などは、実施例１と同様で
ある。

このようにして得た正帯電有機電子写真感光体、つまり
、ブチラール樹脂をメラミン変性せずに用いたものを実
施例１と同様の電子写真特性評価、塗膜性能評価を行い
、その結果を表に示す。

（実施例３） 比較実験として、実施例１と同様に電荷輸送層まで形成
した上に、ブチラール樹脂（積水化学工業株式会社製商
品名工スレックＢＭＳ）１重量部、τ型無金属フタロシ
アニン１重量部、酢酸ｎ−ブチル２３重量部からなる分
散液より、電荷発生層（膜厚不明）を形成した。塗液の
分散条件、塗膜の乾燥条件などは、実施例１と同様であ
る。

このようにして得た正帯電有機電子写真感光体、つまり
、電荷発生層用塗料の溶剤に電荷輸送層が侵されたもの
を、実施例１と同様の電子写真特性評価を行い、その結
果を表に示す。

表　特性評価 電子写真特性評価の説明 ＥＰＡ−８１００，レンジ−３ｔａｔｉｃ２．印加電圧
−５，５ｋｖ、露光量２．１　ｐ　ｒ　／　ｃｎｌ−ｓ
ｅｃ（８００ｎｍ）■。：帯電直後の表面電位 ■ｌ　：暗減衰１秒後の表面電位 Ｅｌ／□二表面電位がηｖＩまで減衰するのに要する露
光量 ＶＲｔ　：露光後２秒後の表面電位 前記の表より明らかなように、実施例１の電子写真感光
体は、優れた電子写真特性を示し、塗膜以上、本発明の
電子写真感光体について詳細に説明したが、本発明の電
子写真感光体は、導電性支持体上に電荷輸送層、電荷発
生層の順に積層し、電荷発生層のバインダー樹脂として
アルコール系有機溶剤に可溶なブチラール樹脂をメラミ
ン変性してて用いたもので、電荷発生層用塗料の溶剤が
アルコール系であることにより、電荷輸送層を侵すこと
なく電荷発生層の塗工が可能となった。さらに、ブチラ
ール樹脂をメラミン変性することにより、機械的強度、
耐候性が良好で、優れた電子写真特性を示す正帯電有機
電子写真感光体を得ることができた。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）導電性支持体上に電荷輸送層、電荷発生層の順に
   積層して形成する正帯電有機電子写真感光体の、前記電
   荷発生層のバインダー樹脂として、ブチラール樹脂を、
   メラミン変性して用いることを特徴とする電子写真感光
   体。
2. （２）電荷発生物質分散塗料用有機溶剤として、アルコ
   ール系有機溶剤を用いることを特徴とする特許請求の範
   囲第（１）項記載の電子写真感光体。
3. （３）電荷発生層の電荷発生物質が、フタロシアニン系
   顔料であることを特徴とする特許請求の範囲第（１）項
   記載の電子写真感光体。