JPH1152592A - 塗布液及び電子写真感光体 - Google Patents

塗布液及び電子写真感光体

Info

Publication number
JPH1152592A
JPH1152592A JP20599297A JP20599297A JPH1152592A JP H1152592 A JPH1152592 A JP H1152592A JP 20599297 A JP20599297 A JP 20599297A JP 20599297 A JP20599297 A JP 20599297A JP H1152592 A JPH1152592 A JP H1152592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
embedded image
photoreceptor
charge transfer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20599297A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Sugimura
博 杉村
Akihiro Kondo
晃弘 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP20599297A priority Critical patent/JPH1152592A/ja
Publication of JPH1152592A publication Critical patent/JPH1152592A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光層用の塗布液を用いて作製される感光体
の特性が安定であること、且つ、感光層用塗布液自身が
安定であることの両方の特性を両方とも満たし塗布液及
びそれを用いて作製された高感度でかつ高耐久性を有し
残留電位が低く、繰り返し使用でも感度の低下がほとん
ど起らない感光体を得ることが従来困難であった。 【解決手段】 導電性支持体上に、電荷移動物質を含ん
だ層を形成してなる電子写真感光体の製造において用い
られる塗布液は、少なくとも電荷移動物質として下記一
般式(I)で示されるビスエナミン化合物を含有し、塗
料化溶剤としてテトラヒドロフランを含有することを特
徴とする塗布液とそれを用いた感光体を提供する。 【化64】 (式中、Arは置換基を有してもよいアリール基、置換
基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラ
ルキル基または複素環置換アルキル基であり、nは2、
3若しくは4である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布液及び電子写
真感光体に関し、詳しくは、導電性支持体上に形成せし
めた有機光導電性の電子写真感光体に用いる塗布液及び
電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真プロセスにおいては種々
の方式があり、その代表的な例として直接方式や潜像転
写方式等が知られている。これら電子写真プロセスに使
用される電子写真感光体において、その感光層を構成す
る光導電層材料として必要とされる基本的な性質には、 1)暗所においてコロナ放電による電荷の帯電性が高い
こと。 2)得られたコロナ放電による電荷が暗所において減衰
の少ないこと。 3)光照射によって電荷が速やかに散逸すること。 4)光の照射後の残留電荷が少ないこと。 5)繰り返し使用時による残留電位の増加、初期電位の
減少が少ないこと。 6)気温、湿度により電子写真特性の変化が少ないこ
と。 等があげられる。この様な材料として、従来は酸化亜鉛
(特公昭57−19780号公報)、硫化カドミウム
(特公昭58−46018号公報)、非晶質セレン合金
等の無機系光導電性材料が用いられてきたが、近年さま
ざまな問題点が指摘されるようになった。
【0003】すなわち、酸化亜鉛系の材料においては、
増感剤がコロナ放電による帯電劣化や露光による光退色
を生じるため、長期にわたって安定した画像を与えるこ
とができない。また、硫化カドミウム系の材料において
は、多湿の条件下で安定した感度が得られない。セレン
系の材料においては、熱安定性、結晶化による特性の劣
化、製造上の困難性等である。
【0004】そこで将来的な展望から、資源の枯渇によ
る生産面の問題や、毒性による公害の心配、さらには環
境面への問題がある無機系の材料よりも、有機系の材料
よりなる電子写真感光体の研究が盛んに行われるように
なり、その結果、さまざまな有機化合物を用いた電子写
真感光体が研究されるようになった。とりわけ、ここ数
年の研究開発は、機能分離型の感光体の概念を積極的に
導入する方向にあり、その中でも特に導電層の上に電荷
発生層と、正孔移動性の電荷移動層とを順に積層し、電
荷移動層表面を負に帯電させる方法が主流になってい
る。
【0005】そしてこのように、機能を分離させる事に
より、電荷発生と電荷移動とのそれぞれの機能を個別に
有する材料を独立して開発できるようになり、その結
果、さまざまな分子構造を有する電荷発生物質、並びに
電荷移動物質が多数開発された。
【0006】ここで、電荷移動物質に注目して、それら
の中から代表的なものを構造的特徴から分類すると、ヒ
ソラゾン系(特開昭54−59143)、スチルベン・
スチリル系(特開昭58−198043)、トリアリー
ルアミン系(特公昭58−32372)、フェノチアジ
ン系、トリアゾール系、キノキサリン系、オキサジアゾ
ール系、オキサゾール系、ピラゾリン系、トリフェニル
メタン系、ジヒドロニコチンアミド化合物、インドリン
化合物、セミカルバゾン化合物等が開発されている。
【0007】尚、これら有機化合物からなる電子写真感
光体は、導電性支持体の上に感光層を塗布して製造され
る。その製造方法としては、ベーカーアプリケーター、
バーコーター等、ドラムの場合にはスプレー法、垂直リ
ング法、浸漬塗工法などが知られているが、一般的には
装置が簡便であるため、浸漬塗工法が用いられている。
浸漬塗工法で用いられる塗布液は、通常電荷発生物質ま
たは電荷移動物質と結着樹脂とを塗料化溶剤中に溶解ま
たは分散させることによって作製されている。
【0008】これら塗布液として求められる特性として
は、 (1)塗布液を用いて作製される感光体の特性が安定で
あること (2)塗布液自身が安定であること が求められている。塗布液自身が安定であることとは、
塗布液が安定でなければ塗布液を作製後、塗布液が劣化
しないようにすぐに感光層を作製する必要があるため、
大量生産が困難となり、製造コストが上昇し、また、製
品の品質維持が困難となる。
【0009】従来、作製される感光体の特性を安定にさ
せる目的で、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの添加物を
塗布液に添加するを行われている。例えば、特開平3−
91760号公報に記載されているように、ハイドロキ
ノン類化合物などの添加剤を添加させたりしている。
【0010】また、塗布液の塗料化溶剤として、電荷移
動物質や電荷発生物質と、種々の結着樹脂とを溶解しや
すく、しかも低沸点であって、乾燥も容易であるジクロ
ロメタンが塗料化溶剤として主に検討されている。その
中でも、テトロヒドロフランを塗布液の塗料化溶剤に用
いたものが、特開平7−152184号公報、特開平7
−212954号公報に記載されており、良好な特性を
有する感光体が得られる。また、特開平8−29737
号公報には、結着樹脂としてポリカーボネート樹脂を用
い、塗料化溶媒として特定の混合溶剤を用いて塗布液の
保存性を高めた塗布液が記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
いろいろな従来技術にもかからわず、感光層の塗布液に
求められる2つの特性を両方とも満足するものは得られ
ていない。塗布液に添加剤を添加する方法では、感光体
を作製した後も添加剤が感光体中に残存しており、感光
体の感度の低下など感光体の特性に悪影響を及ぼす問題
があった。
【0012】また、特開平7−152184号公報や特
開平7−219254号公報のようなテトロヒドロフラ
ンを用いた場合でも、長期間保存した後これを用いて電
子写真感光体を作製すると、電荷移動物質の凝縮により
画像に白点が発生し、良好な感光体が作製できなかっ
た。
【0013】また、特開平8−36269号公報に記載
された方法の場合には、塗布液の保存性は向上している
が、繰り返し使用時の電気特性については劣化が大き
い。
【0014】上述したように、本発明の目的は、感光層
用塗布液を用いて作製される感光体の特性が安定である
こと、且つ、感光層用塗布液自身が安定であることの両
方の特性を両方とも満たし塗布液及びそれを用いて作製
された高感度でかつ高耐久性を有し残留電位が低く繰り
返し使用でも感度の低下がほとんど起らない感光体を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】発明者等は、塗布液の保
存安定性を改良するには、電荷移動物質と有機溶剤との
選択が重要であることを見出し、様々な電荷移動物質と
有機溶剤の組み合わせを検討した結果、電荷移動物質と
して特定のビスエナミン化合物と塗料化溶剤としてテト
ラヒドロフランを用いた塗布液が長期間保存しても安定
であり、長期の保存後においても高感度、高耐久性を有
する感光体が作製できることを見い出した。
【0016】即ち、請求項1に記載の発明は、導電性支
持体上に、電荷移動物質を含んだ感光体層を形成してな
る電子写真感光体の製造において用いられる塗布液は、
少なくとも電荷移動物質として下記一般式(I)で示さ
れるビスエナミン化合物を含有し、塗料化溶剤としてテ
トラヒドロフランを含有することを特徴とする塗布液を
提供する。
【0017】
【化3】
【0018】(式中、Arは置換基を有してもよいアリ
ール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有し
てもよいアラルキル基または複素環置換アルキル基であ
り、nは2、3若しくは4である。) また、請求項2に記載の発明は、前記一般式(I)で示
されるビスエナミン化合物が一般式(II)で示される
化合物であることを特徴とする。
【0019】
【化4】
【0020】(式中、Arは置換基を有してもよいアリ
ール基、置換基を有してもよい複素環基、置換基を有し
てもよいアラルキル基または複素環置換アルキル基であ
る。) また、請求項3に記載の電子写真感光体は、前記感光層
を有する電子写真感光体を作製するのに用いられる塗布
液が、請求項1に記載の塗布液であることを特徴とす
る。
【0021】また、前記感光層が電荷キャリア発生物質
と、電荷キャリア移動物質を含有する電荷キャリア移動
層からなり、該電荷キャリア移動層を作製するのに用い
られる塗布液が請求項1に記載の塗布液であることを特
徴とする。
【0022】上記一般式(I)で示される本発明のビス
エナミン化合物の具体的な例として、例えば以下に示す
ような構造を有するものが挙げられるが、これによって
ビスエナミン化合物が限定されるものではない。
【0023】但し、表1〜表5に記載の化合物の化5〜
化58は下記の化5〜化58で示される基を表す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【化5】
【0030】
【化6】
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
【化25】
【0050】
【化26】
【0051】
【化27】
【0052】
【化28】
【0053】
【化29】
【0054】
【化30】
【0055】
【化31】
【0056】
【化32】
【0057】
【化33】
【0058】
【化34】
【0059】
【化35】
【0060】
【化36】
【0061】
【化37】
【0062】
【化38】
【0063】
【化39】
【0064】
【化40】
【0065】
【化41】
【0066】
【化42】
【0067】
【化43】
【0068】
【化44】
【0069】
【化45】
【0070】
【化46】
【0071】
【化47】
【0072】
【化48】
【0073】
【化49】
【0074】
【化50】
【0075】
【化51】
【0076】
【化52】
【0077】
【化53】
【0078】
【化54】
【0079】
【化55】
【0080】
【化56】
【0081】
【化57】
【0082】
【化58】
【0083】本発明にかかる電子写真感光体は、 以上に
示したビスエナミン化合物を1種類あるいは2種類以上
含有させることによって得られる。また、他の電荷移動
物質、例えば、次のスリチル化合物として、β−フェニ
ル−{4−(ジベンジルアミノ)}スチルベン、β−フ
ェニル−{4−(N−エチル−N−フェニルアミノ)}
スチルベン、1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニ
ル)4,4−ジフェニルブタジエンや、あるいはヒドラ
ゾン化合物として、4−(ジベンズアルデヒド−N,N
−ジフェニルヒドラゾン、4−エチルフェニルアミノ)
ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、4
−ジ(p−トリルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−
ジフェニルヒドラゾン、3,3−ビス−(4’−ジエチ
ルアミノフェニル)−アクロレイン−N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン)や、トリフェニルアミン化合物として、
4−メトキシ−4’−(4−メトキシスチリル)トリフ
ェニルアミン、4−メトキシ−4’−スチリルトリフェ
ニルアミン)等を含有させることもできる。
【0084】これら電荷移動物質を電子写真感光体とし
て用いる態様には、種々の方法が考えられる。例えば、
電荷移動物質と増感染料を必要によっては化学増感剤や
電子吸引性化合物を添加して、結合剤樹脂中に溶解もし
くは分散させたものを導電性支持体上に設けて成る感光
体あるいは、電荷キャリアー発生効率の高い電荷発生層
と電荷移動層とからなる積層構造の形態において、 導電
性支持体上に増感染料又はアゾ系顔料、 フタロシアニン
系顔料を代表とする顔料を主体として設けられた電荷発
生層上に本発明の電荷移動物質を必要によって、 酸化防
止化合物や電子吸引性化合物を添加して結合剤中に溶解
もしくは分散させ、これを電荷移動層として設けてなる
積層感光体などがあるが、いずれの場合にも適用するこ
とが可能である。
【0085】本発明の塗布液を用いて感光体を作成する
に際しては、金属ドラム、金属板、導電性加工を施した
紙、プラスチックフィルムの様な支持体上へ重合体フィ
ルム形成性結合剤の助けを借りて皮膜にする。この場
合、更に感度を上げるために、増感剤及び重合性フィル
ム形成剤に対する可塑性を付与する物質を加えて均一な
感光皮膜するのが望ましい。これら重合性フィルム形成
結合剤としては、利用分野に応じて種々のものが挙げら
れる。即ち、複写機用もしくはプリンター用感光体の分
野では、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフ
ェニレンオキサイド樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッ
ド樹脂、ポリアリレート樹脂等が望ましい。これらは単
独でも2種類以上混合しても構わない。なかでも、ポリ
スチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスルホ
ン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサ
イド樹脂は、体積抵抗値が1013Ω以上であり、また、
被覆性、電位特性などにも優れている。
【0086】また、本発明の結合剤の本発明の電荷移動
物質に対して加える量は、重量比で0.2〜20倍の割
合で、好ましくは0.5〜5倍の範囲で、0.2未満にな
ると電荷移動物質が感光体表面より析出してくるという
欠点が生じ、又、20倍以上になると著しく感度低下を
まねく。
【0087】次に、感光層中に添加される増感染料とし
ては、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、
ナイトブルー、ビクトリアブルー等で代表されるトリフ
ェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ロ
ーダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシン等に
代表されるアクリジン染料、メチレンブルー、メチレン
グリーン等に代表されるチアジン染料、カプリブルー、
メルドラブルー等に代表されるオキサジン染料、その他
シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料、チオ
ピリリウム塩染料などがある。
【0088】又、感光層において、光吸収によって極め
て高い効率で電荷キャリアーを発生させる光導電性の顔
料としては、各種金属フタロシアニン、無金属フタロシ
アニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロ
シアニン系顔料、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物等
のペリレン酸顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料
等のアゾ系顔料、その他キナクリドン系顔料、アントラ
キノン系顔料などがある。特に、電荷キャリアーを発生
する顔料に無金属フタロシアニン顔料、チタニルフタロ
シアニン顔料、フルオレン、フルオレノン環を含有する
ビスアゾ顔料、芳香族アミンから成るビスアゾ顔料、ト
リスアゾ顔料を用いたものは、高い感度を示す秀れた電
子写真感光体を与える。
【0089】又、前述の染料も電荷キャリアー発生物質
として用いてもよい。これら染料は、単独で使用しても
よいが、顔料を共存させることにより更に高い効率で電
荷キャリアーを発生させる場合が多い。
【0090】以上にあげた分光増感剤とは別に、繰り返
し使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低下、感
度の低下等を防止する目的で種々の化学物質を添加する
場合が必要となってくる。これら添加する物質として
は、1−クロルアントラキノン、ベンゾキノン、2,3
−ジクロロナフトキノン、ナフトキノン、4,4’−ジ
ニトロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェ
ノン、4−ニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザル
マロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェ
ニル)アクリル酸エチル、9−アントラセニルメチルマ
ロンジニトリル、1−シアノ−1−(p−ニトロフェニ
ル)−2−(p−クロルフェニル)エチレン、2,7−
ジニトロフルオレノン等の電子吸引性化合物があげられ
る。その他、感光体中への添加物として、酸化防止剤、
カール防止剤、レベリング剤などを必要に応じて添加す
ることができる。
【0091】本発明の塗布液は感光体の形態に応じて上
記の種々の添加物質と共に塗料化溶剤中に溶解又は分散
し、その塗布液を先に述べた導電性支持体上に塗布し、
乾燥して感光体を製造する。
【0092】塗料化溶剤は感光体の形態に応じて種々の
添加物とともにテトラヒドロフラン中にビスエナミン化
合物を分散または溶解したものであり、この塗布液を導
電性支持体上に塗布し、乾燥して感光体を製造する。
【0093】本発明の電子写真感光体は前記一般式
(I)で示される電荷移動物質をキャリアー移動物質と
して用いるもので、その態様には種々の方法が考えられ
るが、感光体の構成を図1から図6に模式的に示す。
【0094】図1は、導電性支持体1の上に感光層4と
して、電荷発生物質2を主成分としてバインダー中に分
散させた電荷発生層5と電荷移動物質3を主成分として
バインダー中に分散させた電荷移動層6との積層より成
る機能分離型感光体であり、この電荷移動層6中に電荷
移動物質3として、本発明の塗布液を用いて作製した感
光体の構成を示すものである。
【0095】図2は、図1と同一の電荷発生層5と、電
荷移動層6との積層よりなる機能分離型感光体である
が、図1とは逆に電荷移動層6の表面に電荷発生層5が
形成されており、この電荷移動層6中に電荷移動物質3
として、本発明の塗布液を用いて作製した感光体の構成
を示すものである。
【0096】図3は導電性支持体1の上に感光層4’と
して、電荷発生物質2と、電荷移動物質3をバインダー
中に分散させた単層よりなる感光体の構成を示すもので
ある。
【0097】図4は図3の感光体の表面にさらに表面保
護層7を設けたものであり、単層よりなる感光体の構成
を示すものである。
【0098】図5は導電性支持体1と図1と同一の感光
層4の間に下引き層8を設けたものであり、積層よりな
る機能分離型感光体の構成を示すものである。
【0099】図6は導電性支持体1と図3と同一の感光
層4’の間に下引き層8を設けたものであり、単層より
なる感光体の構成を示すものである。
【0100】尚、感光層4の表面に設けられた表面保護
層7は、機械的ストレスに対して耐久性を向上し、暗所
でコロナ放電の電荷を受容し保持することを目的とした
ものであり、化学的に安定な物質で構成され、電荷発生
層が感光する光を透過する性能を有し、露光時に光を透
過して電荷発生層に到着させ、発生した電荷の注入を受
けて表面電荷を中和消滅させる必要があり、さらに電荷
発生物質の光の吸収極大の波長領域において、できるだ
け透明であることが要求される。この様な性質を有する
材料としては、アクリル樹脂、ポリアリール樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ウレタン樹脂などの有機絶縁性皮膜
形成材料に、単独あるいは、酸化スズや酸化インジウム
等の低抵抗化合物を分散させたもの、変性シリコン樹脂
として、アクリル変性シリコン樹脂、エポキシ変性シリ
コン樹脂、アルキッド変性シリコン樹脂 ポリエステル
変性シリコン樹脂、ウレタン変性シリコン樹脂、ハード
コート剤としてのシリコン樹脂を単独あるいは、より耐
久性を向上させる目的で酸化ケイ素、酸化チタン、酸化
インジウム、酸化ジルコニウム、を主成分とし、被膜を
形成できる金属アルコキシ化合物の縮合物との混合材料
などが適当である。
【0101】また、有機プラズマ重合膜も使用でき、必
要に応じて、酸素、窒素、ハロゲン、周期律表の第II
I、第V族原子を含めることも可能で、さらには無機材
料の金属、金属酸化物などを蒸着、スパッタリングなど
の手法により、形成させることも可能である。導電性支
持体1と感光層4との間に設けられる下引き層8は、保
護機能や接着機能を付与し、塗工性を高め、さらには基
盤から感光層への電荷注入改善を目的としたものであ
り、このような材料として、カゼイン、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エ
チレンーアクリル酸コポリマー、ポリアミド(ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、
アルコキシメチ化ナイロンなど)、ポリウレタン、ゼラ
チン酸化アルミニウムなどが適当である。
【0102】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施例により更
に詳細に説明するが、本発明はこれらにより、なんら限
定されるものではない。
【0103】(実施例1)まず、フェノキシ樹脂(PK
HH:フェノキシアソシエイト社製)1重量部をメチル
エチルケトン100重量部に溶解する。
【0104】
【化59】
【0105】次に、上記化59に示すビスアゾ顔料1重
量部を溶液に加え、ペイントコンディショナー(レッド
レベル社製)中で直径1.5mmのガラスビーズと一緒
の状態で約2時間分散を行い電荷発生物質を含有した溶
液を調整した。この溶液に円筒状のタンクに満たし、直
径65mm長さ348mmのアルミニウムの円筒上基体
を浸漬し、室温で1時間乾燥して、電荷発生層を形成し
た。乾燥後の膜厚は、0.2μmであった。
【0106】次に、電荷移動物質として例示化合物N
o.13で示されるビスエナミン化合物を1重量部と、
結着樹脂としてポリカーボネート樹脂(PCZ200:
三菱ガス化学社製)を1重量部とを、テトラヒドロフラ
ン8重量部に溶解し、電荷移動層塗工用の塗布液を作製
する。先程作製した電荷発生層上に、電荷移動層塗工用
の塗布液を浸漬塗工し、100℃で1時間乾燥すること
で、膜厚25μmの電荷移動層を形成することで、感光
体を得た。
【0107】(実施例2)まず、共重合ナイロン(アミ
ランCM8000:東レ社製)6重量部をメチルアルコ
ール47重量部とクロロホルム47重量部の混合溶液に
溶解し、これをタンクに満たし、直径65mm、長さ3
48mmのアルミ製円筒状支持体に浸漬塗工し、110
℃で10分間乾燥を行い、厚さ2μmの下引き層を形成
した。
【0108】次に、フェノキシ樹脂(PKHH:フェノ
キシアソシエイト社製)1重量部をメチルエチルケトン
100重量部に溶解する。
【0109】
【化60】
【0110】次に上記化60に示すτ型無金属フタロシ
アニン1重量部を溶液に加え、ペイントコンディショナ
ー(レッドレベル社製)中で直径1.5mmのガラスビ
ーズと一緒の状態で約2時間分散を行い電荷発生物質を
含有した溶液を調整した。この溶液に円筒状のタンクに
満たし、先程形成した下引き層上に塗布し、室温で1時
間乾燥して、電荷発生層を形成した。乾燥後の膜厚は、
0.5μmであった。
【0111】次に、電荷移動物質として例示化合物N
o.13で示されるビスエナミン化合物を1重量部と、
結着樹脂としてポリカーボネート樹脂(PCZ200:
三菱ガス化学社製)を1重量部とを、テトラヒドロフラ
ン8重量部に溶解し、電荷移動層塗工用塗布液を作製す
る。先程作製した電荷発生層上に、電荷移動層塗工用の
塗布液を浸漬塗工し、100℃で1時間乾燥すること
で、膜厚25μmの電荷移動層を形成することで、感光
体を得た。
【0112】(実施例3)まず、酸化チタン(TTO−
55A:石原産業社製)8重量部と共重合ナイロン(ア
ミランCM8000:東レ社製)2重量部をメチルアル
コール45重量部とクロロホルム45重量部の混合溶液
に溶解し、ペイントコンディショナー(レッドレベル社
製)中で直径1.5mmのジルコニアビーズと一緒の状
態で約8時間分散を行い、これをタンクに満たし、直径
65mm長さ348mmのアルミ製円筒状支持体に浸漬
塗工し、110℃で10分間乾燥を行い、厚さ1μmの
下引き層を形成した。
【0113】次に、ブチラール樹脂(積水化学社製:エ
スレックBLS)1重量部を酢酸エチル100重量部に
溶解する。
【0114】
【化61】
【0115】次に上記化61に示すチタニルフタロシア
ニン1重量部を溶液に加え、ペイントコンディショナー
(レッドレベル社製)中で直径1.5mmのガラスビー
ズと一緒の状態で約2時間分散を行い電荷発生物質を含
有した溶液を調整した。この溶液に円筒状のタンクに満
たし、先程形成した下引き層上に塗布し、室温で1時間
乾燥して、電荷発生層を形成した。乾燥後の膜厚は、
0.5μmであった。
【0116】次に、電荷移動物質として例示化合物N
o.13で示されるビスエナミン化合物を1重量部と、
結着樹脂としてポリカーボネート樹脂(PCZ200:
三菱ガス化学社製)を1重量部とを、テトラヒドロフラ
ン8重量部に溶解し、電荷移動層塗工用塗布液を作製す
る。先程作製した電荷発生層上に、電荷移動層塗工用の
塗布液を浸漬塗工し、100℃で1時間乾燥すること
で、膜厚25μmの電荷移動層を形成することで、感光
体を得た。
【0117】(実施例4〜8)電荷移動物質として、例
示化合物No.2、No.4、No.6、No.8、N
o.26をそれぞれ用い、他は実施例3と同様にサンプ
ルを作製する。
【0118】(実施例9)
【0119】
【化62】
【0120】次に、電荷発生物質として、上記化62に
示すペリレン顔料2重量部とテトラヒドロフラン98重
量部をペイントシェイカーで分散して分散液を作製し、
これに、電荷移動物質として、電荷移動物質として例示
化合物No.13で示されるビスエナミン化合物を10
0重量部と、結着樹脂としてポリカーボネート樹脂(P
CZ200:三菱ガス化学社製)を100重量部とを、
テトラヒドロフラン700重量部に溶解し、感光体層塗
工用の塗布液を作製し、これをタンクに満たし、直径6
5mm長さ348mmのアルミ製円筒状支持体に浸漬塗
工し、110℃で10分間乾燥を行い、厚さ15μmの
感光層を形成した。
【0121】(実施例10)実施例3と同様に下引き層
を設けた上に、実施例9と同様に感光層を設けて感光体
を作製した。これを実施例1と同様に評価した。
【0122】(比較例1)
【0123】
【化63】
【0124】電荷移動物質として、上記化63に示す化
合物を用い、他は実施例3と同様にして感光体を作製し
た。
【0125】(比較例2)電荷移動層塗工用塗布液の有
機溶剤として、ジクロロメタンを用いてその他は実施例
3と同様にして感光体を作製した。
【0126】このようにして作製した電子写真感光体を
自作の感光体ドラム評価装置で感度を測定した。感度
は、干渉フィルターで分光した550nmで10μW/
cm2の光を照射した時、帯電電位が1/2になるのに
要した光エネルギーの量で評価した。静電記録紙試験装
置(川口電機製;SP−428)により電子写真特性を
評価した。また、市販の複写機(シャープ社製:AR5
130)に電子写真感光体を搭載し繰り返し使用時の電
位変動として、初期の帯電電位(Vo)及び10000
回使用後の残留電位(Vr)を測定した。また、3ヶ月
間電荷移動層塗工用の塗布液を保存したあと、電荷発生
層上に電荷移動層を塗布液を用いて電子写真感光体を形
成した。市販の複写機(シャープ社製:AR5130)
にこの電子写真感光体を搭載し、繰り返し使用時の電位
変動として、初期の帯電電位(Vo)及び10000回
使用後の残留電位(Vr)を測定した。この結果を表6
に示す。
【0127】
【表6】
【0128】表6に示されるように、本発明の電子写真
感光体は、電荷移動層塗工用の塗布液作製直後に作製し
た場合も、3ヶ月間保存したのちに作製した場合も電子
写真感光体は繰り返し使用後の劣化もなく、3ヶ月後も
同様の性能であった。
【0129】
【発明の効果】本発明の電荷移動層塗工用塗布液は、長
期間保存しても劣化がなく、従って、長期間保存した後
に作製した電子写真感光体は、繰り返し使用しても残留
電位の上昇などの変化もなく、初期電位と同様に安定し
た高感度、高耐久性を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成を模式的に示
した断面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の層構成を模式的に示
した断面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の層構成を模式的に示
した断面図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の層構成を模式的に示
した断面図である。
【図5】本発明の電子写真感光体の層構成を模式的に示
した断面図である。
【図6】本発明の電子写真感光体の層構成を模式的に示
した断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生物質 3 電荷移動物質 4、4’ 感光層 5 電荷発生層 6 電荷移動層 7 表面保護層 8 下引き層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、電荷移動物質を含ん
    だ感光層を形成してなる電子写真感光体の製造において
    用いられる塗布液は、少なくとも電荷移動物質として下
    記一般式(I)で示されるビスエナミン化合物を含有
    し、塗料化溶剤としてテトラヒドロフランを含有するこ
    とを特徴とする塗布液。 【化1】 (式中、Arは置換基を有してもよいアリール基、置換
    基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラ
    ルキル基または複素環置換アルキル基であり、nは2、
    3若しくは4である。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)で示されるビスエナミ
    ン化合物が一般式(II)で示される化合物であること
    を特徴とする請求項1に記載の塗布液。 【化2】 (式中、Arは置換基を有してもよいアリール基、置換
    基を有してもよい複素環基、置換基を有してもよいアラ
    ルキル基または複素環置換アルキル基である。)
  3. 【請求項3】 前記感光層を有する電子写真感光体を作
    製するのに用いられる塗布液が、請求項1或いは2に記
    載の塗布液であることを特徴とする電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記感光層が電荷発生物質を含有する電
    荷発生層と、電荷移動物質を含有する電荷移動層からな
    り、該電荷移動層を作製するのに用いられる塗布液が請
    求項1或いは2に記載の塗布液であることを特徴とする
    記載の電子写真感光体。
JP20599297A 1997-07-31 1997-07-31 塗布液及び電子写真感光体 Pending JPH1152592A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20599297A JPH1152592A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 塗布液及び電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20599297A JPH1152592A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 塗布液及び電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1152592A true JPH1152592A (ja) 1999-02-26

Family

ID=16516122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20599297A Pending JPH1152592A (ja) 1997-07-31 1997-07-31 塗布液及び電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1152592A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010002483A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Sharp Corp 単層型電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010002483A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Sharp Corp 単層型電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5492786A (en) Electrophotographic photoreceptor
JPH02228673A (ja) 電子写真像形成部材
JP2990310B2 (ja) ポリスチリル化合物及び該化合物を用いた電子写真感光体
JP3280578B2 (ja) 電子写真感光体
JPH055359B2 (ja)
JPH0516019B2 (ja)
JPH0516018B2 (ja)
JPH1152592A (ja) 塗布液及び電子写真感光体
US5077163A (en) Electrophotographic photoreceptor
JP2814739B2 (ja) 電子写真用感光体
JPS6313048A (ja) 電子写真感光体
JP2618276B2 (ja) 電子写真感光体
JP4118225B2 (ja) 電子写真感光体および画像形成装置
JP2665803B2 (ja) 電子写真感光体
JP2858167B2 (ja) 電子写真感光体
JP2898170B2 (ja) 電子写真感光体
JP2990981B2 (ja) 電子写真感光体
JP2816064B2 (ja) 電子写真感光体
JPH0435756B2 (ja)
JPH07114191A (ja) 電子写真感光体
JP2000242014A (ja) 電子写真用感光体
JPH02123366A (ja) 電子写真感光体
JPH10186694A (ja) 電子写真感光体
JPH0244362A (ja) 電子写真感光体
JPH05249708A (ja) 電子写真用感光体