JP2568261Y2 - 門扉支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は門扉支持装置に関し、特
に門柱に支持させるためのヒンジが外部にあまり露出し
ないようにすることができる門扉支持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図６〜図８（Ａ）、（Ｂ）は従来の門扉
支持装置の構成を示すもので、門扉本体１の吊元側縁部
２を一対のヒンジ３、３を介して門柱４に回動開閉可能
に支持させている。ヒンジ３は、門扉本体１に取付ける
門扉側ヒンジ部材５と、門柱４に固着する門柱側ヒンジ
部材６とからなる。門扉側ヒンジ部材５は、門柱４に支
持させるネジもち７と門柱４の背面に外側から取付ける
ヒンジツボ８とからなり、これらをボルト９で締め付け
一体化するものである。門柱側ヒンジ部材６はくの字状
に折れ曲がった板状の部材で、一端側を門扉側ヒンジ部
材５のヒンジツボ８に回転可能に支持させ、他端側を２
本のボルト１０、１０で門柱４の背面外側に固定してあ
る。なお図８（Ａ）、（Ｂ）は門扉本体１の開き方向を
異ならせた取付け形態を示してあるが、基本的にはまっ
たく同一構造である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来の門扉支持装置は、ヒンジ３のほぼ全体が外部に露
出してしまうので、エクステリアとして近年美しさが求
められている門としての外観を損ないやすいという問題
がある。また、門扉本体１の位置が一対の門柱４の間に
きちんと収まらずに端部側にずれ、やはり外観上あまり
好ましくないものとなる。図８（Ｂ）のような開き態様
をとり、門柱側ヒンジ部材６の曲がり部分６ａを長くす
ることによって、門柱４の間に門扉本体１を収めること
が可能にはなるが、門柱側ヒンジ部材６の強度上の問題
が生じると共に露出面積も増えることになってしまうと
いう問題がある。

【０００４】本考案はこのような従来の問題に鑑みてな
したもので、ヒンジの外部露出を極力抑えて外観の良い
門を形成することができる門扉支持装置を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案に係る門扉支持装
置は上記目的を達成するために、ヒンジを介して門扉の
吊元側を門柱等の構造材に支持させてなり、構造材は、
内部の中心または中心寄りに中空部を有し、また門扉取
り付け側の面に開口部を有し、該開口部から中空部へヒ
ンジの取り付け基端を挿入可能とし、また構造材は、ヒ
ンジの取り付け基端を固定する側面を窪ませてなり、ヒ
ンジの取り付け基端を中空部内で構造材の窪ませた側面
に固定する構成としたものである。

【０００６】本考案に係る門扉支持装置は、構造材は水
平断面が略Ｈ形を有し、上記中空部をウェブ部分に設
け、上記開口部を構造材の門扉側フランジ部に設け、構
造材のウェブ部分外側から中空部内へ固着手段を通して
上記ヒンジの取付け基端を固定する構成とすることがで
きる。

【０００７】

【実施例】本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
図１は本考案の一実施例に係る門扉支持装置の要部を部
分的に破断して示す拡大斜視図、図２（Ａ）、（Ｂ）は
同断面図である。また図３は門柱の側面図、図４は門柱
の背面図、図５はヒンジを拡大して示す背面図である。

【０００８】また、本実施例の図では門扉としての全体
構造の図示は省略するが、従来公知のものと同様のもの
で、門扉本体２０は吊元側縁部２１を門柱２２にヒンジ
２３で回動開閉可能に支持されている。

【０００９】まず門柱２２の構造について説明する。門
柱２２は、断面がＨ形の主部材２４と、主部材２４に組
み合わせる一対の補助部材２５、２５と、補助部材２５
に取付ける一対の塞ぎ板材２６、２６とを組み合わせ
て、全体としても断面がＨ形をなすものである。これら
部材は主にアルミニウムなどの押し出し型材により形成
する。

【００１０】主部材２４は、薄肉板状の両フランジ部分
２７、２７と、中空の矩形状断面を有するウェブ部分２
８からなる構造としたものである。ウェブ部分２８内の
中空部２９は、ヒンジ２３の取付け部分となり、側壁に
ボルト挿通用の長孔３０が設けてある。補助部材２５
は、断面形状を略Ｔ形とした薄肉板状の部材で、主部材
２４のフランジ部分２７に組み合わせて門柱２２として
のフランジ部を構成する。塞ぎ板材２６は、補助部材２
５にいわゆる面一状態で取付けるものであり、ヒンジ２
３を取付けるための長孔３１が形成してある。なお詳細
な図示は省略するが、主部材２４のウェブ部分２８と、
補助部材２５にも長孔３１と位置、寸法、形状が対応す
る長孔を形成してある。

【００１１】ヒンジ２３は、門扉本体２０の吊元側縁部
２１に取付ける門扉側ヒンジ部材３２と、門柱２２に取
付ける門柱側ヒンジ部材３３とからなるもので、例えば
ステンレス鋼材等を用いて形成する。

【００１２】門扉側ヒンジ部材３２は、門扉本体２０の
吊元側縁部２１を挟んで保持する保持金具３４、３５
と、これら金具を一体化するためのボルト３６とからな
る。保持金具３４、３５にはそれぞれ突起部３７が形成
してあり、それぞれこれら突起部３７を吊元側縁部２１
に設けた凹溝３８内に嵌入させてボルト３６で締め付け
るが、ボルト３６を緩めれば凹溝３８内でスライドさせ
ることができ、これによって門扉本体２０に対する取付
け位置を可変できる。また一方の保持金具３５はいわゆ
るヒンジツボとなるもので、門柱側ヒンジ部材３３を連
結するためのヒンジピン３９を挿通させるピン孔４０を
突出部４１に設けてある。

【００１３】門柱側ヒンジ部材３３は、略くの字形状を
有する板状部材で、門柱２２の中空部２９内へ挿入固定
する固定基部４２と、門扉側ヒンジ部材３２の保持金具
３５と連結する連結端部４３とからなる。固定基部４２
は、門柱２２の塞ぎ板材２６に設けた長孔３１及び主部
材２４のウェブ部分２８と補助部材２５に設けた図示せ
ぬ長孔を通って中空部２９内へ突出し、主部材２４のウ
ェブ部分２８外から２本のボルト４４で固定するための
ボルト穴４５が設けてある。なお図中４６はワッシャー
板である。連結端部４３は、保持金具３５の下側でヒン
ジピン３９を挿通させるための長孔４７を備えている。

【００１４】なお図２（Ａ）、（Ｂ）は門扉本体の開き
方向を異ならせた取付け形態を示すためのもので、基本
的にはまったく同一構造である。また本考案に係る構造
材等の、形状、構造、寸法、材料、種類などは図示の実
施例のものに限定されない。

【００１５】次に本実施例の組立手順について説明す
る。まず門柱２２の主部材２４、補助部材２５及び塞ぎ
板材２６を組み合わせて、断面がＨ形の構造材を形成す
る。このとき、主部材２４のウェブ部分２８及び補助部
材２５に設けた図示せぬ長孔と、塞ぎ板材２６の長孔３
１の位置合わせを確認する必要がある。

【００１６】次に、門柱側ヒンジ部材３３の固定基部４
２を中空部２９内へ挿入し、主部材２４のウェブ部分２
８外からワッシャー板４６を介して２本のボルト４４を
ボルト穴４５にねじ込んで固定する。この状態で門柱２
２は塞ぎ板材２６に設けた長孔３１から門柱側ヒンジ部
材３３の連結端部４３のみが外方へ突出する状態とな
る。通常はボルト４４の取り付け側を門内側とするの
で、主部材２４の両フランジ部分２７、２７とウェブ部
分２８によって形成される凹所内に位置するボルト４４
は、門外側からはまったく見えなくなる。

【００１７】一方、門扉本体２０の吊元側縁部２１には
門扉側ヒンジ部材３２を取付ける。即ち、保持金具３
４、３５の突起部３７を吊元側縁部２１の凹溝３８内に
嵌入させて保持金具３４側からボルト３６をねじ込んで
軽く締め付けておく。

【００１８】上述のように準備を行なった後、門扉側ヒ
ンジ部材３２の保持金具３５を、その突出部４１が門柱
側ヒンジ部材３３の連結端部４３上に乗るように保持
し、ヒンジピン３９を突出部４１のピン孔４０と連結端
部４３の長孔４７に挿通させ、連結端部４３から下側へ
突出したヒンジピン３９の下端に袋ナット４８を取付け
る。そして最後に凹溝３８をガイドとして保持金具３
４、３５をスライドさせ、門扉本体２０と門柱２２の位
置を調節し、ボルト３６を堅く締め付けて位置を固定す
る。もちろんこの取付け手順は一つの例であって、その
他の手順を採用してもよい。

【００１９】

【考案の効果】請求項１に係る門扉支持装置は以上説明
してきたように、ヒンジを介して門扉の吊元側を支持さ
せる構造材の内部の中心または中心寄りに中空部を有
し、門扉取り付け側の面に設けた開口部から中空部へヒ
ンジの取り付け基端を挿入し、この基端を、構造材の窪
ませた側面に対して中空部内で固定するようにしたの
で、構造材の外へ露出するヒンジ部材の面積が小さくな
って見栄えがよくなり、また門扉を構造材の中心寄りに
位置させることが強度や外観の問題もなく容易にでき、
しかもヒンジの固定部分が位置する構造材へ側面が窪ん
でいるので外観上非常に目立たなくなるという効果があ
る。

【００２０】請求項２係る門扉支持装置は以上説明して
きたように、構造材の水平断面を略Ｈとして中空部をウ
ェブ部分に、開口部を門扉側フランジ部に設けて、ウェ
ブ部分外側から中空部内へ固着手段を通してヒンジの取
付け基端を固定するようにしたので、上記共通の効果に
加え、門扉と構造材の中心を容易に一致させることが容
易にでき、しかも構造材へのヒンジの固定部分が窪んで
いるウェブ部分に位置するので外観上非常に目立たなく
なり、一層見栄えがよくなるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る門扉支持装置の要部を
部分的に破断して示す拡大斜視図である。

【図２】同平面断面図で、（Ａ）、（Ｂ）はそれぞれ開
き方向を異ならせて取付けた状態を示すものである。

【図３】図１の矢印ＩＩＩ方向から見た門柱の側面図で
ある。

【図４】図１の矢印ＩＶ方向から見た門柱の背面図であ
る。

【図５】図１の矢印ＩＶ方向から見た背面図である。

【図６】従来の門扉支持装置を用いた門の正面図であ
る。

【図７】同平面図である。

【図８】 従来の門扉支持装置を示す平面断面図で、
（Ａ）、（Ｂ）は図２と同様にそれぞれ開き方向を異な
らせて取付けた状態を示すものである。

【符号の説明】

２０ 門扉本体 ２１ 吊元側縁部 ２２ 門柱 ２３ ヒンジ ２４ 主部材 ２５ 補助部材 ２６ 塞ぎ板材 ２７ フランジ部分 ２８ ウェブ部分 ２９ 中空部 ３１ フランジ部分の長孔 ３２ 門扉側ヒンジ部材 ３３ 門柱側ヒンジ部材 ３４、３５ 保持金具 ３９ ヒンジピン ４２ 固定基部 ４３ 連結端部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒンジを介して門扉の吊元側を門柱等の
   構造材に支持させてなる以下の要件からなる門扉支持装
   置。 （イ）構造材は、内部の中心または中心寄りに中空部を
   有する。 （ロ）構造材は、門扉取り付け側の面に開口部を有し、
   該開口部から中空部へヒンジの取り付け基端を挿入可能
   とする。 （ハ）構造材は、ヒンジの取り付け基端を固定する側面
   を窪ませてなる。 （ニ）ヒンジの取り付け基端を中空部内で構造材の窪ま
   せた側面に固定する。
2. 【請求項２】 以下の要件からなることを特徴とする請
   求項１の門扉支持装置。 （イ）構造材は水平断面が略Ｈ形を有し、上記中空部を
   ウェブ部分に設ける。 （ロ）上記開口部は、構造材の門扉側フランジ部に設け
   る。 （ハ）構造材のウェブ部分外側から中空部内へ固着手段
   を通して上記ヒンジの取付け基端を固定する。