JP2567079B2 - 組換えヒトインターロイキンー1αポリペプチド - Google Patents

組換えヒトインターロイキンー1αポリペプチド

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Description

【発明の詳細な説明】 ヒトインターロイキン−1には2つの型、いわゆるα
型およびβ型が知られている(Marchら:Nature,315:641
〜647,1985)。ヒトインターロイキン−1α(hIL−1
α)をコードするDNAのヌクレオチド配列の解柝から、
分子量30,606ダルトンのhIL−1αプレカーサーポリペ
プチドに相当する271個のアミノ酸の大きな読み取り枠
が明らかにされた。
Gubler(J.Immunol.,136:2492〜2497,1986)によつて決
定されたhIL−1αのプレカーサーポリペプチドのヌク
レオチド配列およびアミノ酸配列を第1図その1および
その2に示す。
ヨーロツパ特許出願公告第188,864号には、hIL−1α
プレカーサーポリペプチドの113番目のSerから271番目
のAlaまでのC末端部分(第1図その1およびその2)
が生物学的に活性であることが開示されている。ヨーロ
ツパ特許出願公告第188,920号には、第1図その1およ
びその2に示したアミノ酸配列と、114番目のAlaの代わ
りにコドンTCAでコードされるSerを有する点でアミノ酸
配列が異なるhIL−1αプレカーサーポリペプチドが開
示されている。ヨーロツパ特許出願第188,920にはさら
に、様々なhIL−1αポリペプチド、すなわち上述のよ
うに第1図その1およびその2に示したアミノ酸配列の
114番目のアラニン残基の存在位置がセリン残基によつ
て置換されているアミノ酸配列の位置63〜271,113〜27
1,115〜271,123〜271,127〜271,128〜271,129〜271,113
〜267,113〜264,113〜266,113〜265および128〜267のア
ミノ酸配列を有するhIL−1αポリペプチドの製造が開
示されている。ヨーロツパ特許出願公告第200,986号に
は、118番目から271番目までのアミノ酸配列と117番目
にメオニン残基を有する組換えhIL−1αポリペプチド
の製造が記載されている。このメチオニンは118番目か
ら271番目までのアミノ酸配列をコードするDNAフラグメ
ントの発現に用いられるATGコドンに由来するものであ
る。天然のhIL−1αポリペプチドは117番目の位置にセ
リン残基を有するので、ヨーロツパ特許出願公告第200,
986号の記載に従つて製造される組換えhIL−1αポリペ
プチドは、ヒト体液または培養ヒト細胞の上澄液から単
離された相当する天然成熟hIL−1αポリペプチドとは
N末端において相違する。この組換えhIL−1αポリペ
プチドにおける修飾N末端の存在は、この組換えポリペ
プチドで処置された患者に副作用が起こる可能性を生じ
る。このような副作用を回避するために、天然の成熟hI
L−1αのアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する
組換え成熟hIL−1αポリペプチドの製造のための手段
が検討されてきた。そして驚くべきことに、第1図その
1およびその2に示したアミノ酸配列の117番目から271
番目までのアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列 を有する組換え成熟hIL−1αポリペプチド、ならびに
第1図その1およびその2に示したアミノ酸配列の120
番目から271番目までのアミノ酸配列に相当するアミノ
酸配列 を有する組換え成熟hIL−1αポリペプチドが、単細胞
生物内で、N末端メチオニン残基をもたずに製造できる
ことが発見された。
したがつて、本発明は、アミノ酸配列(I)を有する
均一な組換えヒトインターロイキン−1αポリペプチ
ド、このポリペプチドをコードするDNA、このポリペプ
チドのいずれかをコードするDNAを含有する組換えベク
ター、ならびにこの組換えベクターを含有し、上述のDN
Aを発現できる単細胞生物を提供する。さらに、本発明
は、上述のインターロイキン−1αポリペプチドの製造
方法、このポリペプチドからなる医薬組成物、ならびに
宿主主体の免疫系の刺激、創傷治癒の促進および危篤状
態のタンパク質栄養不良患者の回復の改善のための上記
ポリペプチドまたは医薬組成物の使用に関する。
本発明のポリペプチドはペプチド合成の慣用方法によ
つて、液相でもしくは好ましくはたとえばMerrifield
(J.Am.Chem.Soc.,85:2149〜2154,1963)の方法のよう
に固相で、または本技術分野の他の均等方法によつて製
造することができる。
本発明のポリペプチドはまた、好ましくは、組換えDN
A技術の方法を用いて製造される。この場合、本発明の
成熟ヒトインターロイキン−1αポリペプチドをコード
するDNA配列を含有する組換えベクターを含む単細胞生
物を上記DNA配列の発現に適当な条件下に培養し、その
単細胞生物によつて産生されたヒトインターロイキン−
1αポリペプチドを培養物から単離する。
このような単細胞生物は原核細胞でも真核細胞でもよ
い。このような単細胞生物の多くは市販品として入手で
きるし、また、12301Park−Iawn Drive,Rockville,Mary
land,USAに所在するAmerican Iype Culture Collection
(ATCC)の寄託細胞から自由に入手できる。原核生物の
例には、大腸菌[たとえばDZ291として Villarejoら:J.Bacteriol.,120:466〜474,1974に記載さ
れているE.coli M15,E.coli 294(ATCC No.31446),E.
coli RR1(ATCC No.31343)またはE.Coli W3110(ATC
C)No27325)]のような分裂菌類、枯草菌(B.subtilli
s)のような桿菌類、ならびにたとえばネズミチフス菌
Salmonella typhimurium))および霊菌(Serratia ma
rcescens)のような腸内細菌類がある。プラスミドpRK2
48cIts(例参照)を含有するE.coli MC1061株はとくに
好ましい。また、ビール酵母菌(Saccharomyces cerevi
siae)のような酵母細胞も宿主生物として使用できる。
組換えベクターの宿主生物として適当な多くの真核細胞
が本技術分野の熟練者には知られている。CV−1(ATCC
No.CCL70)のような哺乳類細胞およびその誘導体たと
えばCOS−1(ATCC No.CRL1650)またはCOS−7(ATCC
No.CRL1651)の使用も好ましい。さらに、Smithら(Mo
l.Cell.Biol.,:2156〜2165,1983)によつて記載され
た昆虫細胞の使用も可能である。
組換えベクターを単細胞生物に導入するには様様の方
法が知られている。このような方法の例としては、マイ
クロインジエクシヨン、トランスフエクシヨンまたはト
ランスダクシヨンがある。本技術分野の熟練者によれ
ば、使用する特定の宿主生物に最も適した方法を選択す
ることは容易である。
本発明に用いられる組換えベクターは、本発明のhIL
−1αポリペプチドをコードするDNA、たとえば第1図
その1およびその2に示したヌクレオチド配列の385番
目から852番目までのヌクレオチド配列を有するDNAを含
有するベクターである。このようなDNAは慣用の化学的
方法、たとえばNarangら(Meth.Enzymol.,68:90〜108,1
979)によつて報告されているホスホトリエステル法、
またはBrownら(Meth.Enzymol.,68:109〜151,1979)の
ホスホジエステル法により合成できる。いずれの方法で
も、まず長いオリゴヌクレオチドを合成し、ついで予め
定められた順番に互いに連絡する。DNAのヌクレオチド
配列は上述のヌクレオチド配列と同一でも、また一部も
しくは完全に異なつていてもよい。これは遺伝暗号の退
縮、すなわち1つのアミノ酸が数個のコドンに対応して
いるという事実によるものである。hIL−1αポリペプ
チドの発現に用いられる宿主生物の好むコドン利用に適
合するようにコドンを選択することができる(Grosjean
ら:Gene,18:199〜209,1982)。この方法で得られるDNA
が、たとえば望ましくない制限酵素切断部位の導入によ
り組換えベクターの構築を困難にしたり、ポリペプチド
の発現を妨害する部分構造を含まないように注意する必
要がある。
本発明のhIL−1αポリペプチドをコードするDNAはま
た、本技術分野において公知の操作(たとえばMarch
ら:前出;Gublerら:前出)に従つてヒトcDNAライブラ
リーまたはヒト遺伝子ライブラリーからhIL−1αプレ
カーサーポリペプチドをコードするDNAを単離し、つい
で組換えDNA技術の分野でよく知られた方法に従い、制
限エンドヌクレアーゼおよび場合により小さな合成オリ
ゴヌクレオチドを用いて、DNAを所望の大きさおよびヌ
クレオチド配列に構築することによつても製造できる。
上述の組換えベクターの構築には、ヨーロツパ特許出
願公告第200,986号に記載されているような多数のベク
ターを使用することができる。これらのベクターは、hI
L−1αポリペプチドをコードするDNAの転写および翻訳
のために必要な要素、ならびにそのベクターの宿主内に
おける維持および複写に必要な要素を含有する。本発明
の組換えベクターの構築に適当なベクターの選択および
その組換えベクターと適合する単細胞宿主生物の選択は
本分野の技術者の技能で十分対応できる事項である。
本発明の組換えベクターはまた、好ましくは、hIL−
1αポリペプチドをコードするDNAを含む組換えベクタ
ーを、Morinagaら(BIO/TECHNOLOGY,:636〜639,198
4)によつて記載されたオリゴヌクレオチドの特定部位
の突然変異誘発法を用いて修飾することでも製造でき
る。ベクターとhIL−1αポリペプチドをコードするDNA
を含むこのような組換えベクターの例には、プラスミド
phil1−154*がある。このプラスミドの構築はヨーロ
ツパ特許出願公告第200,986号に記載されている。
本発明によるポリペプチドの発現を行う方法は、使用
する発現ベクターおよび宿主生物によつて決定される。
通常、発現ベクターを含有する宿主生物は、その宿主生
物の生育に最適な条件下に生育される。単位時間あたり
の細胞数の増加が低下する対数増殖期の末期近くに、本
発明のポリペプチドの発現を誘導する。すなわち、ポリ
ペプチドをコードするDNAの転写、転写されたmRNAの翻
訳を行わせる。誘導は、生育メジウムにインデユーサー
またはデプレツサーを添加することにより、あるいは物
理的パラメーターたとえば温度を変化させることによつ
て行うことができる。
宿主生物中に産生されたポリペプチドは、特定の輸送
機構によつて細胞から分泌させるか、または細胞を破壊
することによつて単離できる。細胞は機械的な(Charm
ら:Meth.Enzymol.,22:476〜556,1971)、酵素的な(リ
ソチーム処理)または化学的な(界面活性剤処理、尿素
もしくはグアニジン塩酸塩処理等)手段、あるいはそれ
らの組合せによつて破壊することができる。
真核生物では、細胞から分泌されるポリペプチドはプ
レカーサー分子の型に合成される、成熟ポリペプチド
は、いわゆるシグナルペプチドの切断によつて生じる。
原核宿主生物では、プレカーサー分子から真核シグナル
ペプチを切断することができないので、原核宿主生物中
では、真核ポリペプチドを直接その成熟型として発現し
なければならない。DNAのレベルではコドンATGに相当す
る翻訳開始シグナルAUGは、原核宿主生物中では、すべ
てのポリペプチドをN末端にメチオニン残基をもつ型で
合成させる。場合によつては、用いた発現システムによ
り、また多分、発現されるポリペプチドにより、このメ
チオニン残基は切断される。
本発明のポリペプチドは公知の方法により、たとえば
様々な速度での遠心分離、硫酸アンモニウムによる沈
殿、透析(常圧または減圧下での)、製造等電点電気泳
動、製造ゲル電気泳動、またはゲル濾過、高速液体クロ
マトグラフイー(HPLC)、イオン交換クロマイトグラフ
イー、逆相クロマトグラフイーおよびアフイニテイーク
ロマトグラフイー(たとえばSepharose Blue CL−6Bま
たはhIL−1αポリペプチドに対する担体結合モノクロ
ーナル担体)のような様々のクロマトグラフ法によつて
均一に精製できる。
本発明の精製組換えhIL−1αポリペプチドは、たと
えば病原に対する宿主防御応答の改善、ワクチンアジユ
バントとしての作用および新生物疾患に対する宿主防御
増強によるような宿主自体の免疫系の刺激のために、そ
れ自体公知の方法で使用できる。本技術分野においてhI
L−1αについて同定されている他の臨床的用途には、
線維芽細胞の増殖を介して創傷治癒の促進および危篤状
態のタンパク質栄養不良患者の回復の改善が包含され
る。
本発明に従つて製造された均一なhIL−1αポリペプ
チドは、上述の臨床的用途のため温血動物に投与するこ
とができる。投与は、静脈内、皮下または筋肉内のいず
れかの非経口投与のような任意の慣用方法で行われる。
必要な投与量は、当然、処置すべき特定の状態、状態の
重篤度、処置の期間および投与方法によつて変動する。
医療用途に適当な投与剤型は、減菌濾過し、凍結乾燥し
たhIL−1αポリペプチドから得られ、使用に先立つて
慣用方法で再構築される。均一なヒトインターロイキン
−1αを適合性のある医薬的に許容される担体材料、た
とえば緩衝剤、安定化剤、静菌剤および他の賦形剤なら
びに医薬経口投与剤型に慣用される添加剤と混合するこ
とによる本発明の均一なヒトインターロイキン−1α含
有医薬組成物の製造もまた、本分野の技術者の技能で十
分対応できる事項である。
例 Morinagaらによつて記載されたオリゴヌクレオチドの
特定部位の突然変異誘発法(BIO/TECHNOLOGY,2:636〜63
9,1984)を用いてプラスミドphil1−154*(ヨーロツ
パ特許出願公開第200,986号)に突然変異を誘発して、
第1図その1およびその2の117番目から271番目、119
番目から271番目および120番目から271番目までのアミ
ノ酸配列を有するhIL−1αポリペプチドをコードする
遺伝子を製造した。これらの操作を実施するには、以下
のヌクレオチド配列 を有する合成オリゴヌクレオチドをMatteucciらのホス
ホラミダイト固体支持体(J.Am.Chem.Soc.,103:3185〜3
191,1981)によつて製造した。
プラスミドphil1−154*はBglIIおよびSalIを用い
てギヤツプ型に、PstIを用いて線型に変換した。ギヤツ
プ型のヘテロ二重鎖が製造された。上記オリゴヌクレオ
チドを3段階の別反応で、アニーリングし、二重鎖型に
変換してリゲーシヨンを行い、CaCl2法(Maniatisら:
“Moleculir Cloning,A Laboratory Manual"′250〜251
頁、Cold Spring Harbor Laboratory,1982)を用いてプ
ラスミドpRK248cIts(Bernardら:Meth.Enzymol.,68:482
〜492,1979)含有E.coli K−12MC1061株(Casadabanら:
J.Mol.Biol.,138:179〜207,1980)に形質転換した。E.c
oli MC1061およびプラスミドpRK248cItsはAmerican Typ
e Culture Collection,12301 Parklawn Drive,Rockvill
e,Maryland,USAから、それぞれ寄託番号ATCC No.53338
およびATCC No.33766として入手できる。
所望の突然変異を含むコロニーはManiatisら(前出、
312〜315頁)によつて記載されたようにハイブリダイゼ
ーシヨンによつて同定した。プライマーの突然変異誘発
に用いた同じオリゴヌクレオチドをManiatisら(前出、
396頁)の操作に従いポリヌクレオチドキナーゼを用い
てγ−32P−ATPで5′末端を標識したのちハイブリダイ
ゼーシヨンのプローブとして使用した。
オリゴヌクレオチド(0、117)は、以下の配列修飾
によつてphil1−154*のpHuIL−1α(117〜271)へ
の変換に用いた。
同様に、オリゴヌクレオチド(0、119)は以下の配
列でpHuIL−1α(119〜271)を製造し、 オリゴヌクレオチド(0、120)は以下の配列でpHuIL−
1α(120〜271)を製造した。
DNA配列解析により上記突然変異を確認した。
phil1−154[ヨーロツパ特許出願公開第200,986
号、hIL−1α(118〜271)を発現できる]、pHuIL−1
α(117〜271)、pHuIL−1α(119〜271)およびpHuIL
−1α(120〜171)を含有するE.coli MC1061/pRK248cI
tsを、アンピシリンを含むM9メジウム(Maniatisら、前
出、68〜69頁)中、30℃で、550nmにおける吸収
(A550)が0.7に達するまで生育させ、ついで3時間温
度を42℃に上げた。培養液1mlからの細菌細胞を遠心分
離によつて集め、7Mグアニジン塩酸塩50μl中に可溶化
した。粗腺菌抽出液について、Mizelらのマウス胸腺細
胞増殖検定法(J.Immunol.,120:1497〜1508,1978)を用
いてインターロイキン−1の生物活性を検定した。4種
の抽出液のすべてが活性を示した。
不溶性の細胞質封入体を4種のすべての誘導培養液か
ら単離し、上述のようにして精製し、可溶化してSDSポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(Laemmli:Nature,227:6
80〜685,1970)に付した。インターロイキン−1αの主
バンドをAebersoldらの方法(J.Biol.Chem.,261:4229〜
4238,1986)によつて各ゲルから溶出し、Hewickらの方
法(J.Biol.Chem.,256:7990〜7997,1981)に従つてN末
端アミノ酸配列解析に付したところ、10サイクルで以下
の結果が得られた。
明らかなように、最初のメチオニンはhIL−1α(117
〜271)およびhIL−1α(120〜271)からは切断されて
いるが、hIL−1α(119〜271)およびhIL−1α(118
〜271)には残つている。
hIL−1αポリペプチド、hIL−1α(117〜271)、hI
L−1α(118〜271)およびhIL−1α(120〜271)につ
いてさらに検討するために、pHuIL−1α(117〜27
1)、phil1−154およびpHuIL−1α(120〜271)を
取り込んだMC1061/pRK248cIts形質転換体の分解物の上
澄液分画の精製を次のように行つた。
(1)各形質転換体5kgを含有する培養液を硫酸でpH1.8
に調整し、室温に30分〜1時間保持し、酸で殺した細胞
を遠心分離によつて回収した。
(2)酸で殺した細胞を水18lに懸濁し、自動ブレード
攪拌器により室温で1時間攪拌した。
(3)懸濁した物質を2重のチーズ布で濾過し、細胞屑
を除去した。
(4)濾過された物質を、8,000psi(約5.5×107Pa)で
操作したMonton−Gaulin細胞ホモジナイザー(Meth.Enz
ymol.,22:482〜484,1971)に2回、最初は15℃、次は約
30℃で通過させた。
(5)この物質を、Sorvall遠心分離器(Du Pont,Wilmi
ngton,Delaware,USA)により、GS−3ローター(Du Pon
t)を用いて、4℃、8,000rpmで1時間遠心分離した。
上澄液約16.6lを回収し、ペレツトは捨てた。
(6)上澄液を0.8/0.2ミクロンSartoriusフイルター
(Sartorius Filters Inc.,Haywood,California,USAま
たはSartorius−Membranfilter GmbH,D−3400Gttinge
nから入手できる)を通して濾過したのち、50%(v/v)
水酸化ナトリウム溶液を用いてpH3.0に調整した。
(7)上澄液を、予め0.02M酢酸で平衡化した10×40cm
Nugel P−SPシリカカラム(スルホプロピル陽イオン交
換樹脂;40〜60ミクロン、200Å;Separation Industrie
s,Metuchen,New Jersey,USA)に適用した。サンプルを
適用後、カラムを31の0.02M酢酸で洗浄し、ついで30m
M Tris−HCl、pH8.0で溶出した。カラム溶出液について
280nmで比色的にモンタリングを行つた。このようにし
て、タンパク質の2つのピーク、4.5l容量の第1のピー
クおよび7.5lの主ピークが得られた。
(8)工程7からの主ピークを、予め30mM Tris−HCl、
pH8.0で平衡化した10×40cmNuGel P−DEシリカカラム
(ジエチルアミノエチル陰イオン交換樹脂;40〜60ミク
ロン、200Å;Separation Industries)に適用した。カ
ラムを17lの30mM Tris−HClおよび0.075M NaCl、pH8.0
で洗浄し、ついで13lの30mM Tris−HClおよび0.25M NaC
l、pH8.0で溶出した。溶出液について280nmの光学密度
(O.D.280)で分光測光によりタンパク質の存在をモニ
タリングした。このようにして、13lの容量に含まれた
O.D.280タンパク質ピークが得られた。
(9)工程8からの溶出液を3.7mM酢酸、pH4.8で4倍に
希釈し、pHを4.8に調整し、5×250cm NuGel P−SP HPL
Cカラム(Separation Industries)に流速150ml/分で適
用した。次にカラムをpH4.8(3.75mM酢酸)からpH6.8
(10mM K2HPO4)までの直線勾配により、流速75ml/分で
120分を要して溶出した。かくして、9.3lのO.D.280ピー
クが得られた。
(10)HPLCカラムからの溶出液をAmiconらせんカートリ
ツジ(分子量1,000カツトオフ;W.R.Grace & Co.のAmic
on Div.,Danvers,Massachusetts,USAから入手できる)
で約225mlに濃縮し、予め50mM K2HPO4+0.1M NaCl,pH6.
8て平衡化した直列の2本の10×100cm Sephadex G−5
0カラム(Pharmacia Fine Chemicals,Piscataway,New J
ersey,USA)に適用した。800mlのO.D.280ピークが得ら
れた。これをAmiconらせんカートリツジ(分子量30,000
カツトオフ)により、パイロジエン除去に付した。最終
生成物の容量は約1,070mlであつた。
とくに指示のない限り、上記精製工程は、室温で流し
たHPLCカラムを除き、すべて4℃で実施した。
精製したhIL−1α(117〜271)、hIL−1α(118〜2
71)およびhIL−1α(120〜271)タンパク質を、上述
のようにSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動解析に付
し、クーマツシーブルーで染色した。いずれも均一な型
であることが明らかにされた。
生物活性の検定は、精製タンパク質について、Kayeら
のマウスD10強線細胞増殖検定法(J.Exp.Med.,158:836
〜856,1983)を用いて実施した。結果は第1表に示すと
おりである。
第1表のデータは(ヨーロツパ特許出願公開第200,98
6号の表Iに示されたデータと考え合わせると)、分子
内に最低132番目から271番目まで(第1図その1および
その2)のカルボキシ末端が存在する限り、hIL−1α
タンパク質の正確な長さは重要でないことを示してい
る。すべてのタンパク質が同じ特異的生物活性を示し
た。これらのデータはまた、N末端の最初のメチオニン
の有無は活性に影響を与えないことも示している。N末
端に付加的なメチオニンを有するhIL−1α(118〜27
1)は、いずれもこのメチニオンを欠く他の両タンパク
質と活性が等しかつた。
第1表のデータはまた驚くべきことに、可溶性hIL−
1α(117〜271)タンパク質の発現レベルは、タンパク
質をコードする遺伝子はすべて同じベクター中に組込
み、細胞の培養および収穫は全く同様に実施したにもか
かわらず、可溶性hIL−1α(118〜271)およびhIL−1
α(120〜271)タンパク質の発現レベルの3倍に達した
ことを示している。
本発明は、ヒトインターロイキン−1α cDNAのヌクレオチド配列および予測されるアミノ酸配列
を示した第1図その1およびその2とともに考慮する
と、理解が容易であろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ヒトインターロイキン−1α(hIL−1α)
プレカーサーポリペプチドのヌクレオチド配列およびア
ミノ酸配列を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 A61K 37/02 AGZ

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ酸配列、 を有する均質組換えヒトインターロイキン−1αポリペ
    プチド。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に定義されたヒトイ
    ンターロイキン−1αポリペプチドをコードするDNA。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項に記載のDNAを含有
    し、適合性のある単細胞宿主生物中で上記DNAの発現の
    指示が可能な組換えベクター。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項に記載の組換えベク
    ターを含有し、ヒトインターロイキン−1αをコードす
    るDNAを発現することができる単細胞生物。
  5. 【請求項5】宿主主体の免疫系の刺激、創傷治癒の促進
    および危篤状態のタンパク質栄養不良患者の回復の改善
    のための特許請求の範囲第1項に記載の均質なヒトイン
    ターロイキン−1αポリペプチド。
  6. 【請求項6】(a)特許請求の範囲第4項に記載の単細
    胞生物を、ヒトインターロイキン−1αポリペプチドを
    コードするDNAの発現に適当な条件下に培養し、 (b)培養物からヒトインターロイキン−1αポリペプ
    チドを単離し、それを均質に精製する ことを含んでなる特許請求の範囲第1項に記載のヒトイ
    ンターロイキン−1αポリペプチドの製造方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項に記載のヒトインタ
    ーロイキン1αポリペプチドおよび医薬的に許容される
    担体を含んでなる宿主主体の免疫系の刺激、創傷治癒の
    促進および危篤状態のタンパク質栄養不良患者の回復の
    改善のための医薬組成物。
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