JP3534434B2 - トロンボモジュリン類発現用シグナルペプチド - Google Patents
トロンボモジュリン類発現用シグナルペプチドInfo
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Description
有し、医薬として有用なトロンボモジュリン類を選択的
に発現させることができる新規なシグナルペプチド、該
シグナルペプチドのアミノ酸配列をコードし得るDNA
断片、該シグナルペプチドとトロンボモジュリン類のア
ミノ酸配列をコードし得る塩基配列を有するDNA断
片、このDNA断片を含む組換えベクター、該組換えベ
クターを保持する形質転換体細胞及び該形質転換体細胞
を用いるトロンボモジュリン類の製造法に関する。
のトロンビンの果たす役割については種々の研究が行わ
れ、凝固系のメカニズムに関してはほぼ解明されてい
る。
用するといわれているプロテインCをトロンビンが活性
化すること、並びにその機構に補酵素的に働く因子がウ
サギ肺組織抽出物中に存在することが報告されており、
この因子はトロンボモジュリンと命名されている〔N.
L.Esmon et al.,J.Biol.Che
m.,257,(2),859−864(198
2)〕。青木らは、ヒト胎盤より分離した同様な性質を
有する分子量約71,000(非還元状態)のヒト・ト
ロンボモジュリンを報告している〔Thromb.Re
s.,37,353−364(1985)〕。また、
H.Ishiiらはヒト血漿中及び尿中にトロンボモジ
ュリンと同じ活性を有する物質が存在すること、そして
血漿中の当該物質の分子量が約63,000と約54,
000であることを報告している〔J.Clin.In
vest.,76,2178−2181(198
5)〕。尿由来のトロンボモジュリンについてはその
後、分子量約39,000及び約31,000のもの
(特開昭63−146898号公報)、分子量約56,
000及び約63,000のもの(特開平3−8690
0号公報)、分子量約72,000及び約79,000
のもの:UTM(特開平3−218399号公報)、な
どが報告されている。
手法を用いてヒト肺cDNAライブラリーから、シグナ
ルペプチドを含むヒトトロンボモジュリン前駆体の遺伝
子をクローニングし、トロンボモジュリンの全遺伝子構
造を解明し、557残基のアミノ酸配列を明らかにした
〔EMBO J.6,1891−1897(198
7)〕。その後、アミノ酸の数が異なる各種のヒト・ト
ロンボモジュリンが遺伝子操作によって製造され、報告
されている〔WO 88/5053(全長のヒト・トロ
ンボモジュリン、N末端のAlaから498番目のGl
yまでなど)、特開昭63−301791号(シグナル
ペプチドを含む全長のヒト・トロンボモジュリン)、W
O 88/09811(307番目のAspから497
番目のSerまで、307番目のAspから469番目
のGlyまで)、WO 90/10081(216番目
のHisから468番目のAspまで、216番目のH
isから464番目のSerまでなど)、特開平2−2
55699号(365番目のGlnから462番目のC
ysまで)、特開平3−259084号(N末端のAl
aから468番目のAspまで:r−UTM)、WO
92/325(N末端付近から447番目のIle付近
まで)等参照〕。
ンを製造すると、グリコサミノグリカンで修飾されたト
ロンボモジュリンが同時に生成し、このものはアンチト
ロンビンIII 活性増強作用を示すことが報告されている
〔EP412841(N末端のAlaから497番目の
Serまで)、WO 91/4276(N末端のAla
から498番目のGlyまでなど)、WO 91/58
03(N末端のAlaから491番目のAlaまで)等
参照〕。
ドするDNA断片の3′−末端の特定のDNA断片を組
み込んだ組換えベクターを用いて宿主細胞を形質転換
し、当該DNAを発現することによりアンチトロンビン
III 活性増強作用及び血小板凝集抑制作用を有するトロ
ンボモジュリン(r−GAG−UTM)が得られること
を見いだし特許出願した(EP公開488317)。
ュリン類は、そのアミノ酸配列をコードするDNA配列
を含むDNA断片と複製可能な発現ベクターからなる組
換えベクターを保持する形質転換体細胞を培養すること
により製造されている。
したトロンボモジュリンには、N末端アミノ酸配列が本
来のものと異なるものが混在し、しかも目的物のみを単
離精製することは困難であるという問題点があった。
活性の高いr−GAG−UTM1(以下、GAG−UT
Mと称する)は配列番号4に示すアミノ酸配列を有し、
該アミノ酸配列をコードするDNA配列を含む配列番号
5に示すDNA断片と複製可能な発現ベクターからなる
組換えベクターを保持する形質転換体細胞を培養するこ
とにより製造されているが、この宿主ベクター系で発現
製造したGAG−UTMにはN末端アミノ酸配列が、本
来のAla(1)で始まるポリペプチドの他にPhe
(−2)で始まるポリペプチドが混在し、目的物のみを
単離精製することは困難であるという問題があった。
配列が本来のものであるトロンボモジュリンのみを発現
させるシグナルペプチドを提供することにある。
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結
果、従来の方法は、蛋白質が分泌される際に切断される
シグナル配列の構造に問題があるためと考え、シグナル
配列改変体をコードするDNAを作製し、pBPVに接
続してトロンボモジュリン類発現ベクターを構築して、
これを宿主細胞に導入した。この細胞を培養し、培養液
よりトロンボモジュリン類を単離してN末端アミノ酸配
列を分析したところ、本来のAla(1)で始まるポリ
ペプチドが認められ、Phe(−2)で始まるポリペプ
チドは検出されないことを見出し、本発明を完成した。
アミノ酸配列を有するトロンボモジュリン類発現用シグ
ナルペプチド、該シグナルペプチドのアミノ酸配列をコ
ードし得るDNA断片、該シグナルペプチドとトロンボ
モジュリン類のアミノ酸配列をコードし得る塩基配列を
有するDNA断片、このDNA断片を含む組換えベクタ
ー、該組換えベクターを保持する形質転換体細胞及び該
形質転換体細胞を用いるトロンボモジュリン類の製造法
を提供するものである。
示されるアミノ酸配列を有し、このペプチドをコードす
るDNA断片の塩基配列は配列番号2で示される。この
DNAの合成は通常の方法、例えばDNA自動合成装置
を用いて行える。
側にベクターに結合する際に利用できる制限酵素部位を
付加することが好ましい。また、本DNA断片の3′末
端側にはトロンボモジュリン類のアミノ酸配列をコード
するDNA断片と結合させる際に必要な適当な制限酵素
部位を付加することが好ましい。更に、本DNA断片が
長すぎて合成が困難な場合は2つ又はそれ以上に分ける
ことが好ましい。更に好ましくは上記DNA断片に相補
的なDNA断片を接着末端を形成するように合成するこ
とが好ましい。
制限酵素で切断したトロンボモジュリン類のアミノ酸配
列をコードするDNA断片の必要な部分を保持するクロ
ーニングベクターとライゲーションして、微生物を形質
転換する。得られた形質転換体よりプラスミドDNAを
抽出し、制限酵素切断を行うことにより、シグナルペプ
チドとトロンボモジュリン類のアミノ酸配列をコードし
得る塩基配列を有するDNA断片が得られる。ここでト
ロンボモジュリン類としては、前記GAG−UTMの外
にN末端のAlaから始まる構造を有する天然又は組換
えトロンボモジュリン類(J.Biol.Chem.,
257,(2),859−864(1982)、Thr
omb.Res.,37,353−364(198
5)、J.Clin.Invest.76,2178−
2181(1985)、特開昭63−146898号、
特開平3−86900号、特開平3−218399号、
EMBO J.6,1891−1897(1987)、
WO 88/5053、特開昭63−301791号、
WO 88/09811、WO 90/1081、特開
平2−255699号、特開平3−259084号、W
O 92/325、WO91/4276、EP4128
41、WO 91/5803、EP公開488317)
等が挙げられる。
クターを構築するには、該断片に複製可能な発現ベクタ
ーを接続すればよい。発現ベクターとしては、複製可能
であれば大腸菌を始めとする原核生物由来、酵母由来、
昆虫ウィルス由来、脊椎動物ウィルス由来等いずれのベ
クターでもよい。
生産するためには、転写の下流方向へ順に次の(1)〜
(7)の塩基配列、 (1)プロモーターとして作用する塩基配列 (2)リボソーム結合部位である塩基配列 (3)開始コドンである塩基配列 (4)配列番号1のシグナルペプチドのアミノ酸配列を
コードし得る塩基配列 (5)トロンボモジュリン類のアミノ酸配列をコードし
得る塩基配列 (6)終止コドンである塩基配列 (7)ポリA付加シグナルとして作用する塩基配列 を含む発現組換えベクターを構築するのが好ましい。
ドが好ましい。例えば大腸菌を宿主として増幅可能で、
哺乳動物細胞を形質転換することにより挿入遺伝子の発
現が可能なプラスミドが好ましい。このようなプラスミ
ドDNAは大腸菌細胞中にてプラスミドが増殖するため
に必要な塩基配列、例えばColE1系プラスミドの複
製起点の塩基配列を有し、更に哺乳動物細胞中でプロモ
ーターとして働く塩基配列、形質転換大腸菌の選択マー
カーとなる遺伝子、形質転換哺乳動物細胞の選択マーカ
ーとなる遺伝子を含み、更に好ましくは哺乳動物細胞中
で機能するSV40 ori、ポリオーマori、HS
V oriウシパピローマウィルスoriなどの複製起
点塩基配列を含む。プロモーターとしては例えばサイト
メガロウィルス、SV40、ポリオーマウィルス、ウシ
パピローマウィルス、アデノウィルスなどのプロモータ
ーやMMTVなどのレトロウィルスのLTR、メタロチ
オネイン遺伝子のプロモーターが挙げられる。大腸菌の
選択マーカーとしては例えばアンピシリン耐性遺伝子、
カナマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝
子、クロラムフェニコール耐性遺伝子などが挙げられ
る。哺乳動物細胞の選択マーカーとしては例えばネオマ
イシン耐性遺伝子、ハイグロマイシンB耐性遺伝子、チ
ミジンキナーゼ遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、
キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ
遺伝子などが挙げられ、これらの遺伝子の1種又は2種
以上が用いられる。
込むには、これを含むDNAを適当な制限酵素で切断
し、必要であれば適当なリンカーを付加した後、適当な
制限酵素で切断したベクターと結合させることにより行
われる。用いられる制限酵素としては、例えばEcoR
I、SphI、PstI、HindIII 、BamHI、
XhoI、XbaI、BanIII 、SmaI、Nco
I、NotIなどが挙げられる。また、エキソヌクレア
ーゼIII 、Ba131、S1ヌクレアーゼ、エキソヌク
レアーゼVII、ムングビーンヌクレアーゼ、DNAポリ
メラーゼIなどの核酸修飾酵素も利用できる。用いられ
るリンカーとしては、EcoRIリンカー、SmaIリ
ンカー、NcoIリンカー、BamHIリンカー、Xh
oIリンカー、HindIII リンカー、PstIリンカ
ー、SphIリンカー、XbaIリンカー、NotIリ
ンカーなどが利用できる。
テント細胞法、プロトプラスト法、リン酸カルシウム共
沈法、電気穿孔法、DEAEデキストラン法、リポフェ
クチン法などを用いて宿主細胞に導入すれば、本発明組
換えベクター及び/又はトロンボモジュリン類を効率的
に生産する能力を有する形質転換体細胞が得られる。こ
のような形質転換体細胞を得るための宿主細胞として
は、細菌、酵母のごとき単細胞微生物あるいは培養昆虫
細胞、培養脊椎動物細胞などが好ましい。大腸菌を宿主
とした場合には、E.coli K12株の種々の変異
株、例えばHB101、C600K、JM101、JM
103、JM105、JM109、MV1034、MV
1184、MC1061/P3などが利用できる。培養
哺乳動物細胞を宿主とした場合は、COS細胞、CHO
細胞、L細胞、C127細胞、NIH3T3細胞、He
La細胞などが利用できる。
換体細胞を培養し、該培養細胞及び/又は培養液から抽
出、分離することにより製造される。形質転換体細胞の
培養に際しては、種々の天然培地、合成培地が用いられ
る。培地は、糖類、アルコール類、有機酸塩などの炭素
源;蛋白質混合物、アミノ酸類、アンモニウム塩などの
窒素源;無機塩類を含んでいることが望ましい。更に、
ビタミン類、選択マーカー遺伝子に対応した抗生物質を
添加することが望まれる。発現の制御が可能なベクター
であれば、培養途中で遺伝子発現を誘導する操作を加え
る必要がある。培養後、遠心処理等を行い、培養液と培
養細胞とに分別する。トロンボモジュリン類が培養細胞
中に蓄積する様な場合は、例えば凍結融解、超音波処
理、フレンチプレス、酵素処理、ホモジナイザーなどを
用いて細胞を破壊した後に、例えばEDTA、界面活性
剤、尿素、塩酸グアニジンなどを用いてトロンビン結合
性物質を可溶化する必要がある。
液又は培養細胞抽出液を種々のカラムクロマトグラフィ
ーに付すことにより、精製されたトロンボモジュリン類
を得ることができる。カラムクロマトグラフィーとして
は、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティーク
ロマトグラフィー(例えば特開昭64−45398号公
報記載のモノクローナル抗体を使用)、ゲル濾過クロマ
トグラフィーなどを単独で又は組合せて用いることがで
きる。
うち、配列番号4のアミノ酸配列を有するGAG−UT
Mは、次の性質を有する。 (1)アミノ酸配列 DNA断片の塩基配列から、GAG−UTMのアミノ酸
配列は、配列番号1の如くであると判断される。 (2)分子量 70,000〜92,000(SDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動、非還元状態) (3)等電点(アンフォラインを用いる等電点電気泳動
法) pH3.9〜4.9 (4)糖分析 分子量より、複数の糖類が付加しているものと考えられ
るが、そのうちの1つはアミノ酸配列よりSer(47
2及び/又は474)に酸性多糖が付加しているものと
推定される。 (5)作用 イ.プロテインC活性化作用を有する。 ロ.抗トロンビン作用を有する。 ハ.アンチトロビンIII の活性を増強する。 ニ.血小板凝集抑制作用を有する。
成分として使用する場合の剤型としては、例えば注射剤
が挙げられる。注射剤としては、凍結乾燥粉末を用時、
注射用蒸留水、生理食塩水などに溶解して投与する形態
が好ましい。投与部位としては、静脈内が適当である。
より異なるが、通常10μg〜10mg/kg/day であるこ
とが好ましい。尚、GAG−UTMは、上記投与量の範
囲内においては全く異常が認められず、安全である。
するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
の構築:DNA合成装置(ABI model 381
A)を用いて改変シグナルペプチド及びGAG−UTM
1のN末端付近アミノ酸配列をコードする配列番号6に
示すDNAリンカー♯1、配列番号7に示すDNAリン
カー♯2、更にこれ等のDNAリンカーに相補的な配列
番号8に示すDNAリンカー♯3、配列番号9に示すD
NAリンカー♯4を合成し、ポリヌクレオチドキナーゼ
により5′末端をリン酸化したのち互いにアニールさせ
た。またpCDM−GAG−UTM1(EP48831
7)をXhoI切断し、得られた1.68kb GAG−
UTMDNA断片をクローニングベクターpUC118
のSalI部位へ連結した。挿入方向を確認後、Hin
dIII 切断しT4DNAポリメラーゼを用いて平滑末端
化した。平滑末端化したDNAにリン酸化BamHIリ
ンカーd(pCGGATCCG)をT4DNAリガーゼ
を用いて連結し、更にBamHI切断を行った。Bam
HI切断したDNA断片を再度平滑末端化し、NotI
リンカーd(pAGCGGCCGCT)を連結後、Sm
aIとNotIで切断し低融点アガロースゲル電気泳動
によりGAG−UTMのGly(23)以降をコードす
る1.46kbSmaI−NotI断片を調製した。一方
クローニングベクターpUC118をSphIで切断
し、平滑末端化後、NotIリンカーを連結し、Eco
RI、NotIで切断、低融点アガロースゲル電気泳動
によりベクターDNA断片を調製した。これと先のアニ
ールした合成DNAリンカー、1.40kb SmaI−
NotI断片とを連結し、E.coli MV1304
を形質転換した。得られた形質転換体よりプラスミドを
抽出し、制限酵素切断により正しく切断されるプラスミ
ドを選択し、更にDNA塩基配列を確認した。配列番号
10に示した正しい塩基配列を示した挿入DNA断片を
保持するプラスミドをXhoI、NotIで切断し、低
融点アガロースゲル電気泳動によりシグナルペプチド改
変型GAG−UTMをコードする1.53kb XhoI
−NotI断片を調製した。一方動物細胞発現ベクター
pBPV(Pharmacia社製)をXhoI、No
tIで切断し、低融点アガロースゲル電気泳動によりベ
クターDNA断片を調製した。これと先の1.53kb
XhoI−NotI断片とを連結し、E.coli H
B101を形質転換した。得られた形質転換体よりプラ
スミドを抽出し、制限酵素切断により正しく切断される
プラスミドを選択し、更にDNA塩基配列を確認した。
以上の様に構築された本発明ベクターをpBPV−GA
G−UTM1−GP(図1)と、本発明ベクターを保持
する形質転換体をE.coli HB101(pBPV
−GAG−UTM1−GP)と名付けた。
TM)の製造:pBPV−GAG−UTM1−GPを用
いてリン酸カルシウム沈殿法(Gorman,C.,
“DNA Cloning”,IRL Press,E
ngland,1985,Vol.2,pp.143−
190)によりマウスC127細胞にトランスフェクシ
ョンした。10cmのシャーレに8×105個のC127
細胞を播き、翌日、培養液(10%FCS添加ダルベッ
コ改変イーグル最少培地;以下培地と称す)を交換し、
その4時間後、DNAとリン酸カルシウムの共沈殿物を
加えた。共沈殿物の調製は以下のようにして行った。2
0μgのpBPV−GAG−UTM1−GPと100ng
のネオマイシン耐性遺伝子を含むプラスミドを450μ
lの1mMトリス塩酸(pH8.0)・0.1mM EDTA
に溶解し、2.5M塩化カルシウム50μlを混和後、
50mM HEPES(pH7.12)・280mM塩化ナト
リウム・1.5mMリン酸水素ナトリウム溶液500μl
に滴下混和した。室温にて30分間放置後、上記細胞培
養液に添加し、24時間培養した。次いで、新鮮培地に
替え、更に24時間培養後、400μg/mlのG418
を含む5%FBS添加培地に交換した。10日後、生じ
たコロニーを24穴培養プレートに移して更にコンフル
エントになるまで培養した。培養上清を集め、分泌され
たGAG−UTM量を定量し、高産生クローンを選択し
た。選んだクローンについて更に限界希釈法によるクロ
ーニング操作を行った。得られた形質転換体細胞株をC
127−GUTM−GP−1と名付け、通商産業省工業
技術院生命工学工業技術研究所にFERM BP−44
76として寄託した。
P−1を5%FBS添加培地を用いて1750cm2ロー
ラーボトルにコンフルエントになるまで培養後、500
mlの1%FBS添加培地に交換した。一週間培養して培
養上清を回収した。培養上清液中に本GAG−UTMは
20μg/ml分泌されていた。得られた培養液をモノク
ローナル抗体A−73(特開昭64−45398号公
報)を結合したセファロース4B(2mg IgG/ml樹脂)
5mlのカラムに通した。カラムを(1)0.1M塩化ナ
トリウムを加えた0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH
7.4)10ml、(2)1M塩化ナトリウム及び0.0
5%Tween20を加えた0.02Mトリス−塩酸緩
衝液(pH7.4)50ml、(3)1M塩化ナトリウムを
加えた0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)25
mlにて順次洗浄後、2Mチオシアン酸ナトリウム及び5
mMのEDTAを含む1M塩化ナトリウムを加えた0.0
2Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)25mlで溶出し
た。溶出液を0.1M塩化ナトリウムを加えた50mM酢
酸緩衝液(pH4.5)に対して透析し、MonoQカラ
ムに添加した。カラムを同じ緩衝液で洗浄したのち、
0.1M〜2Mの塩化ナトリウムを含有する50mM酢酸
緩衝液(pH4.5)で直線濃度勾配法により溶出して精
製GAG−UTM 3.0mgを得た。
ノ酸分析 精製GAG−UTM150μgを用い、ABI社プロテ
インシーケンサー473AでN末端より10残基分析し
た。結果は表1のようにGAG−UTMのN末端は正し
くプロセッシングされていた。
emmliの方法(Nature,227,680−6
85)に従いSDS−PAGEを行った。ゲルをMat
udairaの方法〔J.Biol.Chem.,26
2,(21),10035−10038〕に従い、PV
DF膜に転写した。次いでPVDF膜を0.1%牛血清
アルブミンを含有する0.1M塩化ナトリウムを加えた
0.05Mトリス−塩酸緩衝液(TBS)溶液中で室温
にて2時間反応させた。溶液を捨て、0.05%Twe
en20を加えたTBSで充分洗浄した後、西洋ワサビ
ペルオキシダーゼで標識したモノクローナル抗体A−6
0を含有する0.05%Tween20を加えたTBS
中、室温で1時間反応させた。溶液を捨て、0.05%
Tween20を加えたTBSで充分洗浄した後、3−
アミノ−9−エチルカルバゾール5mg及び30%過酸化
水素水25μlを含有する50mM酢酸緩衝液(pH5.
0)50mlに入れて発色させたところ、グリコサミノグ
リカン付加体特有のブロードなバンドが確認された。
れぞれ5μlのコンドロイチナーゼABC(10mU;生
化学工業社製)で37℃、40分間反応させた後、実施
例4と同様にしてイムノブロッティングしたところGA
G−UTMは低分子領域に移動したが、r−UTMは未
処理r−UTMと変化はなかった。従って、GAG−U
TMはコンドロイチン硫酸タイプのグリコサミノグリカ
ンが共有結合していることが確認された。
列をコードし得る塩基配列を有するDNA断片を用いて
トロンボモジュリン類を製造すれば、N末端アミノ酸配
列がトロンボモジュリン本来のもののみが得られる。
M1−GPの構造を示す説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 配列番号1で示されるアミノ酸配列を有
するトロンボモジュリン類発現用シグナルペプチド。 - 【請求項2】 請求項1記載のシグナルペプチドのアミ
ノ酸配列をコードし得る塩基配列を有するDNA断片。 - 【請求項3】 塩基配列が配列番号2に示すものである
請求項2記載のDNA断片。 - 【請求項4】 請求項1記載のシグナルペプチドとトロ
ンボモジュリン類のアミノ酸配列をコードし得る塩基配
列を有するDNA断片。 - 【請求項5】 塩基配列が配列番号3に示すものである
請求項4記載のDNA断片。 - 【請求項6】 請求項4記載のDNA断片及び複製可能
なベクターからなる組換えベクター。 - 【請求項7】 転写の下流方向へ順に次の塩基配列
(1)〜(7) (1)プロモーターとして作用する塩基配列 (2)リボソーム結合部位である塩基配列 (3)開始コドンである塩基配列 (4)請求項1記載のシグナルペプチドのアミノ酸配列
をコードし得る塩基配列 (5)トロンボモジュリン類のアミノ酸配列をコードし
得る塩基配列 (6)終止コドンである塩基配列 (7)ポリA付加シグナルとして作用する塩基配列 を含有する組換えベクター。 - 【請求項8】 請求項6又は7記載の組換えベクターを
保持する形質転換体細胞。 - 【請求項9】 請求項8記載の形質転換体細胞を培養
し、該培養物から生産されたポリペプチドを採取するこ
とを特徴とするトロンボモジュリン類の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31648793A JP3534434B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | トロンボモジュリン類発現用シグナルペプチド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31648793A JP3534434B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | トロンボモジュリン類発現用シグナルペプチド |
Publications (2)
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