JP2562951B2 - 細胞接着活性ポリペプチド - Google Patents

細胞接着活性ポリペプチド

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JP2562951B2 JP63216252A JP21625288A JP2562951B2 JP 2562951 B2 JP2562951 B2 JP 2562951B2 JP 63216252 A JP63216252 A JP 63216252A JP 21625288 A JP21625288 A JP 21625288A JP 2562951 B2 JP2562951 B2 JP 2562951B2
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フイブロネクチン様な細胞接着活性タンパ
ク質に関し、更に詳しくは、ヒトフイブロネクチンの細
胞接着活性を有するポリペプチド並びにそれらをコード
する遺伝子、及びその遺伝子を用いた遺伝子工学的な製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
フイブロネクチンは、動物の種々の組織や体液中、ま
た、培養細胞表面などに広く分布する多機能糖タンパク
質であり、細胞の接着、伸展、移動、分化、増殖、貧食
作用などの生理作用を示し、組織修復、組織構築、生体
防御などに関与していることが知られている。
フイブロネクチンは、分子量約25万のポリペプチドが
C末端付近でS−S結合で2量体を形成している。分子
内アミノ酸配列は、繰返し構造を有し、I、II、III型
に分けられる。更に、種々の機能を有するドメイン構造
を有し、細胞接着、コラーゲン、ヘパリン及びフイブリ
ン等に対する結合活性を示す。これらのドメインのう
ち、細胞接着ドメインについては、その生物活性から産
業上の利用が考えられており、例えば、培養基質のコー
テイング剤として、細胞が付着する基質の調製に使用す
ることができる。また、細胞付着の促進剤として、点眼
液、ローシヨン、外傷治療薬等に使用することができ
る。
フイブロネクチンの細胞接着ドメインの基本構造につ
いては、その最小活性単位としてR−G−D−S配列が
明らかにされており〔ネーチヤー(Nature)第309巻、
第30〜33頁(1984)〕、この配列を含む108アミノ酸残
基から成る分子量1.15万のポリペプチドが、細胞接着活
性ペプチドとして、特表昭59−501548号公報に記載され
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、この分子量1.15万のポリペプチドの細
胞接着活性は、天然のフイブロネクチンに比べて非常に
弱く、前記の用途として用いるには必ずしも実用的とは
言い難い。このことについては、例えばジャーナル オ
ブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)第
260巻、第13256〜13260頁(1985)に記載されている。
また、本発明者らは、前記分子量1.15万のポリペプチド
を遺伝子工学的に製造し、そのNRK細胞(ラツト腎細
胞)に対する細胞接着活性を、天然のフイブロネクチン
と比較した。その結果、フイブロネクチンは0.1〜1μg
/ウエルで活性がみられたのに対し、分子量1.15万のポ
リペプチドでは50μg/ウエルでも活性は認められなかつ
た。
本発明の目的は、フイブロネクチンの細胞結合ドメイ
ンペプチドとして、新たに細胞接着活性を有するアミノ
酸配列を明らかにし、その製造方法を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は概説すれば、本発明の第1の発明は細胞接着
活性ポリペプチドに関する発明であつて、下記一般式I: で表されるアミノ酸配列で示されることを特徴とする。
本発明の第2の発明は、第1の発明の一般式Iで表さ
れる細胞接着活性ポリペプチドをコードする遺伝子に関
する。
また本発明の第3の発明は前記一般式Iで表される細
胞接着活性ポリペプチドをコードする遺伝子を含有せし
めた組換体プラスミドに関し、また本発明の第4の発明
は前記組換体プラスミドを導入せしめた形質転換体に関
する。更に本発明の第5の発明は前記形質転換体を培養
し、該培養物より前記一般式Iで表される細胞接着活性
ポリペプチドを採取する細胞接着活性ポリペプチドを製
造する方法に関する。
本発明者らは、ヒトフイブロネクチン(以下、FNと略
記する)の細胞接着活性ポリペプチドとして特許出願さ
れている11.5KD(108アミノ酸残基)のポリペプチドに
は細胞接着活性がほとんどないが、そのN末を伸長した
283アミノ酸残基ペプチド(Ala1235−Met1517)にはFN
と同等の接着活性があることを見出し、その遺伝子工学
的製造法を開発して既に特許出願した(特願昭63−148
号)。
なお、本明細書において、アミノ酸に付された肩数字
は、EMBLデータバンク(EMBL DATA BANK)中のFNのcDNA
配列を翻訳して得られるアミノ酸配列の、N末からのア
ミノ酸残基数を示す。
更に本発明者らは283アミノ酸残基ペプチドのN末側
から、アミノ酸又はペプチド配列を欠失した鎖長の異な
る細胞接着ドメインペプチドを遺伝子工学的に調製し、
それらの細胞接着活性を測定してペプチドの鎖長と接着
活性の詳細な関係を明らかにした。更にその過程でN末
領域のアミノ酸配列によつてペプチドの発現が著しく変
化することを見出し、接着活性が強く、かつ大量発現に
適したペプチドの配列として、例えば、279アミノ酸残
基ペプチド(Pro1239−Met1517)を明らかにし、それら
の遺伝子工学的製造法を開発して、既に特許出願した
(特願昭63−31820号)。
本発明者らは更に研究を進め、279アミノ酸残基ペプ
チド(Pro1239−Met1517)の細胞接着最小活性単位であ
るRGDS配列のSer1496をValに変換した279アミノ酸残基
ペプチド(Pro1239−Met1517〔Ser1496→Val〕)を遺伝
子工学的に調製し、その細胞接着活性を測定してFNと実
質上ほぼ同等の活性があることを明らかにした。本発明
はこれらの知見に基づいて達成された。
以下本発明を具体的に説明する。
279アミノ酸残基ペプチド(Pro1239−Met1517)をコ
ードするプラスミドの調製については、特願昭63−3182
0号明細書に記載された方法により行うことができる。
FNのAla1235−Met1517をコードするpTF301の開始コド
ンの少し上流の一箇所を適当な制限酵素で切断した後、
エキソヌクレアーゼを作用させて、5′側の配列を除去
することができる。反応条件を変えることにより、コー
ド領域の5′末端が適当に除去されたプラスミドが得ら
れる。これらのプラスミドのコード領域の終止コドンの
少し下流の一箇所を適当な制限酵素で切断し、断片化し
DNAをゲル電気泳動で精製することにより、5′末端が
種々の部位まで除去されたcDNA断片が得られる。これら
のcDNA断片を適当な発現ベクターに接続することによ
り、Ala1235−Met1517(283アミノ酸残基)のN末領域
が除去された種々の鎖長のペプチドを発現させることが
できる。
発現ベクターとしては、既存のすべてのベクターを使
用することができるが、本発明者らは、リボゾーム結合
部位と開始コドンの距離を最適化したpUC系ベクターを
用いる直接発現で好結果を得ている。
更に、pUC系ベクターの終止コドンの下流に転写終結
シグナルを接続することにより、発現レベルを向上させ
ることが可能である。
細胞接着活性ペプチドが発現されている組換体の選択
は、イムノスクリーニングによつて行うのが好都合であ
る。すなわち、鎖長の異なるcDNA断片を接続した発現ベ
クターを常法により大腸菌に導入し、得られた形質転換
体をニトロセルロースフイルター上で生育させ、溶菌
後、菌体タンパク質をフイルター上に固定させる。フイ
ルターをウシ血清アルブミン等でブロツキングした後、
FNの細胞接着ドメインを認識するモノクローナル抗体を
作用させる。フイルターに結合したモノクローナル抗体
を、標識二次抗体で検出する。このようにして、細胞接
着ドメインペプチドを発現している組換体を選択するこ
とができる。
次に、選択された組換体を発現に適した条件下に培養
し、細胞接着ドメインペプチドの発現を誘導する。発現
の確認には、イムノブロツテイングの手法が用いられ
る。すなわち、培養菌体の全タンパク質をSDSを含むバ
ツフアー中で加熱溶解し、SDS−ポリアクリルアミド電
気泳動で分離し、泳動パターンを、ニトロセルロースや
ナイロンメンブランに移し取る。メンブランにFNの細胞
接着ドメインに特異的なモノクローナル抗体を作用さ
せ、次いで酵素標識第二抗体を作用させて、結合した抗
体の酵素活性を、発色基質で発色させることにより、細
胞接着ドメインペプチドのバンドを確認することができ
る。
更に、得られたクローンについて挿入断片5′側の塩
基配列を解析することにより、発現しているペプチドの
N末端を同定することができる。
RGDV配列279アミノ酸残基ペプチド(Pro1239−Met
1517〔Ser1496→Val〕)を遺伝子工学的に調製する方法
としては、以上の実験により得られた、279アミノ酸残
基ペプチド(Pro1239−Met1517)をコードするプラスミ
ドpTFD707を用いるのが好都合である。279アミノ酸残基
ペプチドのSer1496のコドンAGCをValのコドンGTCに変換
することによりRGDV配列279アミノ酸残基ペプチド(Pro
1239−Met1517〔Ser1496→Val〕)をコードするプラス
ミドを調製することができる。この塩基の変換は、部位
特異的変異の導入により行うことができる。
組換体からの細胞接着ドメインペプチドの精製は、例
えば次のようにする。菌体ペレツトをバツフアーに懸濁
し、超音波処理により可溶性画分と不溶性画分に分け
る。後者は更に7M尿素を含むバツフアーで可溶化する。
可溶性画分を集めて、イムノブロツテイングに用いた抗
体を結合させたセフアロース4Bのカラムにかけ、アフイ
ニテイ精製を行う。溶出にはpH2.3付近のバツフアーを
用いる。イムノブロツテイングで目的画分を集めること
により、細胞接着ドメインペプチドを得ることができ
る。必要とあれば、FPLC又はHPLCで更に精製することが
できる。得られた細胞接着ドメインペプチドは、NRK細
胞(ラツト腎細胞)に対する細胞接着活性の測定に用い
る。試料をバツフアーに溶かして、マイクロプレートに
吸着させた後、NRK細胞を添加し、37℃で一定時間イン
キユベートする。顕微鏡下で細胞の伸展を観察し、伸展
活性を発現するウエル当りの最少量を天然のFNと比較す
ることにより、細胞接着活性の強さを表すことができ
る。
以上の一連の実験により、前記一般式Iで表される配
列を有するRGDV配列279アミノ酸残基ペプチド(Pro1239
−Met1517〔Ser1496→Val〕)がFMと実質上ほぼ同等の
細胞接着活性を示すことが明らかとなつた。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されない。
参考例1 279アミノ酸残基ペプチド(Pro1239−Met1517)をコー
ドするプラスミドpTFD707及びpTF7021の構築 279アミノ酸残基ペプチドをコードするプラスミドpTF
D707及びpTF7021の構築方法については、特願昭63−318
20号明細書に詳細に記載されている。以下これを概説す
る。283アミノ酸残基ペプチド(Ala1235−Met1517)を
コードするプラスミドpTF301をXba1で分解した後、BAL3
1ヌクレアーゼーSを作用させ、経時的にサンプリング
した。サンプリングした反応液を一つにまとめ、DNAを
精製、回収し、クレノウ酵素により末端を修復した後、
Hind IIIで分解、これをアガロースゲル電気泳動にか
け、0.5kb〜0.8kbに相当する断片を回収した。このDNA
断片に、リン酸化Nco Iリンカーd〔pAGCCATGGCT〕をT4
DNAリガーゼにより接続し、Nco I及びHind IIIにて分
解後、セフアロースCL−4Bのカラムにかけて遊離のリン
カーを除去した。得られたDNA断片を、あらかじめNco I
及びHind IIIで処理して脱リン酸したプラスミドpUC119
Nに接続し、大腸菌HB101を形質転換した。得られた形質
転換体をアンピシリン含有L寒天倍地上のニトロセルロ
ースフイルターに移し、37℃にて培養し、生育したコロ
ニーをクロロホルム蒸気中に接触させた後、リゾチー
ム、DNase I処理、BSAによるブロツキングを行つた。フ
イルターに、FNの細胞接着ドメインを特異的に認識する
抗FNモノクローナル抗体FN−10〔宝酒造(株)販売〕、
次いでパーオキシターゼ標識第二抗体を作用させ、過酸
化水素と4−クロロ−1−ナフトールの存在下で発色さ
せることにより、発現している形質転換体を選別した。
得られたクローンをL−ブロスで振とう培養後、全菌体
タンパク質をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(S
DS−PAGE)で分離し、抗FNモノクローナル抗体FN−10と
反応する、22kDa〜32kDaのポリペプチドが生産されてい
ることを確認した。これらのうち、11クローンについて
挿入断片5′側の塩基配列を決定したところ、C末端を
Met1517として、それぞれ279、258、219、213、207、20
6、198、195、190、186、178アミノ酸残基をコードして
いた。これらのペプチドの発現量をSDS−FAGEで比較し
たところ、最も発現量の多いペプチドが279アミノ酸残
基ペプチドであり、これをpTED707と命名した。更に、p
TFD707に含まれる、ベクター由来のAlaに対応する配列
(GCT)を部位特異的変異の手法(特願昭63−148号)に
より除去した。更に発現レベルを上げるために、分泌発
現ベクターpIN III−ompA1からlppターミネーターを配
列をHind III、−Sal I断片として取出し、pTFD707のHi
nd III−Sal Iサイトに接続して、pTF7021を構築した。
実施例1 RGDV配列279アミノ酸残基ペプチド(Pro1239−Met1517
〔Ser1496→Val〕)をコードするプラスミドの構築 pTF707への部位特異的変異の導入は、クンケル(Kunn
kel)らの方法[プロシ−デイングズ オブ ザ ナシ
ヨナル アガデミー オブ サイエンス オブ ザ U.
S.(Procee−dings of the National Academy of Scien
ce of the U.S.A)第82巻、第488〜492(1985)、メソ
ツズ イン エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y)第154巻、第367〜382頁〕に準じて構成された、サイ
ト−ダイレクテツド ミユータジエネシス システム
ミユータン−K(Site−directed mutagenesis system
Mutan−K)〔宝酒造(株)販売〕を用いて行つた。
pTFD707を大腸菌BW313に導入し、50μg/mlのアンピシ
リンを含む100mlの2×YT倍地(1.6%パクトトリプト
ン、1%酵母エキス、0.5%NaCl)で37℃にて振とう培
養した。660nmの吸光度が0.3の時点で1010pfu/mlのM13K
07フアージ液1mlを加え、更に37℃で16時間培養を設け
た。遠心分離により上清を回収し、2.5M Nacl、20%ポ
リエチレングリコール#6000の25mlを加え、室温で10分
放置した。遠心分離し、沈殿を5mlのTEバツフアー〔10m
Mトリス(Tris)−HCl、pH8.0、1mM EDTA〕に溶解し、
フエノール:クロロホルム処理、更にクロロホルム処理
後、エタノール沈殿により一本鎖DNAを回収した。得ら
れた一本鎖DNA30ngを、1μのアニーリングバツフア
ー(20mMトリス・HCl、pH8.0、10mM MgCl2、50mM NaC
l、1mM DTT)に溶解し、あらかじめリン酸化したオリゴ
ヌクレオチドd〔pTTGCGGGGACGTCTCCAC〕1pmolを含む1
μの溶液を加え、65℃15分、37℃15分静置した。これ
に、25μの伸長バツフアー(50mMトリス・HCl、pH8.
0、60mM酢酸アンモニウム、5mM MgCl2、5mM DTT、1mM N
AD、0.5mM dATP、dGTP、dCTP、dTTP)、60ユニツトのE.
coli DNAリガーゼ、1ユニツトのT4 DNAポリメラーゼ
を加え、25℃2時間静置し、3μの0.2M EDTA、pH8.
0を加え、65℃5分静置した。反応液3μと、大腸菌B
MH71−18mutsコンピテントセル30μを混合し、0℃30
分、42℃45秒、0℃2分静置した。これに300μのL
−ブロスを加え、37℃1時間静置し、次いで10μのM1
3K07フアージ液を加え、37℃30分静置し、更に150μg/m
lのアンピシリン、70μg/mlのカナマイシンを含む2×Y
T培地1mlを加え、37℃で16時間振とうした。遠心分離に
より上清を回収し、得られた上清20μと、大腸菌JM10
9の終夜培養液80μを混合し、37℃10分静置した後、
一部を50μg/mlのアンピシリンを含むL寒天培地に塗布
し、37℃で一夜静置した。得られた組換体のうち8クロ
ーンについて塩基配列の解析を行つたところ、4クロー
ンに目的の変異が認められた。得られた組換体プラスミ
ドをpTFD707−Vと命名した。
2μgのpTFD707−VをBamH I及びHind IIIで分解
し、アガロースゲル電気泳動にかけ、0.5kbのフラグメ
ントを回収した。一方、2μgのpTF7021をBamH I及びS
ca I、で分解し、アガロースゲル電気泳動し、2.1kbの
フラグメントを回収した。更に、2μgのpTF7021をHin
d III及びSca Iで分解し、アガロースゲル電気泳動にか
け、2.4kbのフラグメントを回収した。得られた0.5kbフ
ラグメント5ng、2.1kbフラグメント20ng、2.4kbフラグ
メント20ngを含む3μの溶液に、12μのDNAライゲ
ーシヨンキツト〔宝酒造(株)販売〕A液、3μのB
液を加え、16℃で30分インキユベートした。反応液10μ
を用いて大腸菌JM109を形質転換し、FNのRGDS配列のS
er1496のコドンをValのコドンに変換した279アミノ酸残
基ペプチド(Pro1239−Met1517〔Ser1496→Val〕)をコ
ードし、lppのターミネーター配列をもつプラスミドを
得、pTF7321と命名した。pTF7321を導入した大腸菌JM10
9をEscherichia coli JM109/pTF7321と表示し、工業技
術院微生物工業技術研究所に寄託した〔微工研菌寄第10
248号(FERM P−10248)〕、 JM109/pTF7321を培養して、細胞接着活性ポリペプチ
ドの発現を調べたところ、全菌体タンパク質の少なくと
も30%の発現が認められた。
実施例2 RGDV配列279アミノ酸残基ペプチド(Pro1239−Met1517
〔Ser1496→Val〕)の精製 FNのPro1239−Met1517〔Ser1496→Val〕279アミノ酸
残基をコードするDNAを発現ベクターに接続して得られ
たプラスミドpTF7321を導入したEscherichia coli JM10
9/pTF7321を、50μg/mlのアンピシリンを添加した5mlの
L−ブロスを含む試験管で37℃、一夜振とう培養した。
これを500mlの同培地を含む2の三角フラスコに接種
し、180r.p.m.で培養を続けた。660nmの吸光度が0.3の
時点で2mMのIPTG(イソプロピル−β−チオガラクトシ
ド)を添加し、20時間後に集菌した。菌体の一部を用い
てイムノプロテイングを行つた。すなわち、全菌体タン
パク質をSDS−PAGEで分離し、泳動パターンをニトロセ
ルロースメンブランに転写した後、FNの細胞接着ドメイ
ンを特異的に認識するモノクロ−ナル抗体〔FN−10、宝
酒造(株)販売〕を作用させ、次いでパーオキシダーゼ
標識第二抗体を作用させた。結合した第二抗体のパーオ
キシダーゼ活性を4−クロロ−1−ナフトールと過酸化
水素の存在下で発色させ、279アミノ酸残基ペプチド(P
ro1239−Met1517)と同位置35kD付近に目的のバンドを
確認した。次に、全菌体ペレツトを10mMトリス・HCl(p
H7.5)、5mM EDTA、5mMメルカプトエタノールを含む溶
液に懸濁して超音波処理を行つた。遠心分離により上清
を採取し、20mMトリス・HCl(pH2.5)に対して透析し
た。透析内液をモノクローナル抗体FN−10を結合させた
セフアロース4Bのカラム(8ml)に適した。カラムを洗
浄バツフアーム(20mMトリス・HCl、pH8.0、0.15M KC
l)で洗浄し、更に洗浄バツフアーB(20mMトリス・HC
l、pH6.4、0.15M KCl)で洗浄した。最後に溶出バツフ
アー(50mMグリシン・HCl、pH2.3、0.2M KCl)で溶出
し、分画した。イムノブロツテイングにより目的画分を
集め、脱塩、凍結乾燥して、電気泳動的にほぼ単一なペ
プチド約5mgを得た。次いで該ペプチドをアミノペプチ
ダーゼP(1983年、朝倉書店発行、酵素ハンドブツク、
第534頁参照)処理を行い、N末のMetを除去後、前述の
方法によりペプチドを再精製した。本ペプチドのN末端
から約10アミノ酸残基のアミノ酸配列を調べたところ、
Pro−Thr−Asp−Leu−Arg−Phe−Thr−Asn−Ile−Glyの
配列が確認され、目的ペプチドのN末端配列と一致し
た。
実施例3 細胞接着活性の測定 前記実施例2で得られたRGDV配列279アミノ酸残基ペ
プチド、279アミノ酸残基ペプチド(特願昭63−31820
号)及びFNの細胞接着活性をルオスラーテイ(Ruoslaht
i)らの方法〔メソツズ イン エンザイモロジー(Met
hods in Enzymolozy)第82巻、第803〜831頁(1981)〕
に準じて測定した。試料を生理食塩水又は蒸留水に溶か
して段階的に希釈し、その50μを96穴マイクロプレー
トに分注し、4℃、一夜インキユベートして、試料をプ
レートに吸着させた。次に、PBS(リン酸緩衝化生理食
塩水)でプレートを2回洗浄し、3%BSAを100μ加
え、37℃、1時間インキユベートして、プレートをブロ
ツクした。PBSで2回プレートを洗浄した後、あらかじ
めイーグルの最小培地(MEM)に106細胞/mlとなるよう
に懸濁させたラツト腎細胞(NRK−49F)を100μ/ウ
エルの割合で分注し、37℃で2〜3時間インキユベート
した。なお、使用したNRK−49F細胞は、凍結保存した株
を前培養した後、トリプシン処理したものを用いた。顕
微鏡下で細胞の伸展を観察し、細胞接着活性に必要な最
少量を決定した。その結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 以上詳細に説明したように、本発明により、FNと実質
上同等の細胞接着活性を有すポリペプチド、並びにそれ
らをコードする遺伝子、及びその遺伝子を用いた遺伝子
工学的な製造方法が提供された。上記ポリペプチドは、
創傷治癒、点眼薬、ガン転移防止、人工臓器の人体への
定着剤等の医薬品として、また化粧品、歯磨等に使用さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 君塚 房夫 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒 造株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−89699(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式I: で表されるアミノ酸配列で示されることを特徴とする細
    胞接着活性ポリペプチド。
  2. 【請求項2】請求項1記載の細胞接着活性ポリペプチド
    をコードする遺伝子。
  3. 【請求項3】請求項2記載の細胞接着活性ポリペプチド
    をコードする遺伝子を含有せしめた組換体プラスミド。
  4. 【請求項4】請求項3記載の繰換体プラスミドを導入せ
    しめた形質転換体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の形質転換体を培養し、該培
    養物より請求項1記載の細胞接着活性ポリペプチドを採
    取することを特徴とする細胞接着活性ポリペプチドの製
    造方法。
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