JP2566646Y2 - ブーム付き作業車の制御装置 - Google Patents

ブーム付き作業車の制御装置

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JP2566646Y2 JP8911892U JP8911892U JP2566646Y2 JP 2566646 Y2 JP2566646 Y2 JP 2566646Y2 JP 8911892 U JP8911892 U JP 8911892U JP 8911892 U JP8911892 U JP 8911892U JP 2566646 Y2 JP2566646 Y2 JP 2566646Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願考案(第1の考案及び第2の
考案)は、車輌フレーム上に設けられた旋回台に起伏自
在なブームをそなえ且つ適宜の走行モータによって駆動
される走行装置により前進又は後退可能とされたブーム
付き作業車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のようなブーム付き作業車は、ブー
ムの起伏及び伸縮によりブームの吊り荷や作業用バケッ
トなどを所望の位置(高度及び水平距離)へ移動させるよ
うにしているのがこれまでの一般的な制御方法である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、たとえば図
4に示すように、ブーム付き作業車Aを一定位置に停止
させた状態で、ブーム先端部Baに装着したバケットC
などを前方の障害物(たとえば垂直壁面3など)の間際ま
で接近させ且つその状態でバケットCなどを垂直方向に
上下させる(C′,C″)ような場合などは、運転者は、
ブームBの起伏及び伸縮の同時微調整をともなった細心
の運転を行わなければならず、作業車の運転者として高
度の熟練者を必要としたり、あるいは必要以上に運転者
が疲労するという問題があった。
【0004】本願各考案は、上記のような事情に鑑みて
なされたもので、ブーム付き作業車の運転方法の一部と
して、たとえば壁際でのブーム先端部の垂直上下操作な
どのようにブーム操作の微調整をともなう運転を行うよ
うな場合において、ブームの起伏と作業車の前進又は後
退とを組合わせることによりその運転方法を簡便化し得
るようにした制御装置を提供しようとしてなされたもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願考案(第1の考案及
び第2の考案)のブーム付き作業車の制御装置は、上記
の課題を達成するために、たとえば図1ないし図2に例
示するように、車輌フレーム11上に設けられた旋回台
12に起伏自在なブームBをそなえ且つ適宜の走行モー
タによって駆動される走行装置Eにより後退可能(第1
の考案の場合)又は前進可能(第2の考案)とされたブ
ーム付き作業車Aにおいて、前記ブームBの起伏角度を
検出するブーム起伏角度検出手段21と、前記ブームB
の起伏に合せて前記ブーム付き作業車Aの前後進を制御
するコントローラ16とを備え、前記コントローラ16
は、該コントローラ16による前記作業車の後退(第1
の考案の場合)又は前進(第2の考案の場合)の制御が
開始されたかどうかを判別するスタート判別手段20
と、ブーム起伏角度とブーム長さとからブーム作業半径
を算出するブーム作業半径算出手段22と、前記スター
ト判別手段20で前記作業車の後退(第1の考案の場
合)又は前進(第2の考案の場合)の制御が開始された
と判別された時点でのブーム作業半径Roを初期値とし
て記憶するブーム作業半径初期値記憶手段24と、ブー
ム作業半径が変化した場合に前記ブーム作業半径初期値
Roに対する現在のブーム作業半径Rnの変動量ΔRを演
算するブーム作業半径変動量演算手段25と、前記ブー
ムの起伏により前記ブーム作業半径が増大した場合(第
1の考案の場合)にはそのブーム作業半径の増大量に見
合う前記ブーム付き作業車Aの後退方向移動量を算出し
これに対して前記ブームの起伏により該ブーム作業半径
が減少した場合(第2の考案の場合)にはそのブーム作
業半径の減少量に見合う前記ブーム付き作業車Aの前進
方向移動量を算出する作業車移動量・ブーム作業半径変
動量・比較演算手段26と、該作業車移動量・ブーム作
業半径変動量・比較演算手段26で算出された前記ブー
ム付き作業車Aの後退方向移動量又は前進方向移動量に
したがってブーム付き作業車Aを走行駆動すべく該ブー
ム付き作業車Aの走行制御装置28へ走行操作信号を出
力する走行操作信号出力手段27とを備えていることを
特徴とするものである。
【0006】
【作用】本願各考案のブーム付き作業車の制御装置は、
上記の如く構成されていることにより次のように作用す
る。
【0007】先ず、本願各考案のブーム付き作業車の制
御装置が使用される作業現場は、吊り荷を吊り下げてい
るブームBの先端部、あるいはブーム先端部に装着され
ているバケットCを、ブームBを微調整起伏制御しなが
ら垂直方向に昇降させるような作業現場である。
【0008】そして、本願各考案の制御装置は、ブーム
Bの起伏にともなってブームの作業半径Rが増大(第1
の考案の場合)又は減少(第2の考案の場合)すると
き、その増大量又は減少量ΔRに見合った距離だけブー
ム付き作業車Aそれ自体を後退(第1の考案の場合)又
は前進(第2の考案の場合)させ、それによってブーム
作業半径Rの変動を補正してブーム先端部Baの垂直昇
降を維持することを基本的作用とするものである。
【0009】これをさらに詳しく説明すると、本願各考
案のブーム付き作業車の制御装置では、ブームBの起伏
に合わせてブーム付き作業車Aの後退(第1の考案の場
合)又は前進(第2の考案の場合)を制御するためのコ
ントローラ16を備えているが、該コントローラ16は
次のような作用を行う。
【0010】すなわち、コントローラ16には該コント
ローラ16による作業車の後退(第1の考案の場合)又
は前進(第2の考案の場合)の制御が開始されたかどう
かを判別するスタート判別手段20がそなえられてお
り、同スタート判別手段20により同作業車の後退(第
1の考案の場合)又は前進(第2の考案の場合)の制御
が開始されたことが判別されると、ブーム作業半径初期
値記憶手段24がその時点でのブーム作業半径Roを初
期値として記憶する。
【0011】ブーム付き作業車Aの作業にともなって、
ブームBの起伏操作が行なわれると、ブームの作業半径
Rnに変動が生じるが、この現在のブーム作業半径Rnと
ブーム作業半径初期値Roとの差、すなわちブーム作業
半径変動量ΔR(=Rn−Ro)は作業車移動量・ブーム作
業半径変動量・比較演算手段26に入力される。作業車
移動量・ブーム作業半径変動量・比較演算手段26で
は、ブームが倒伏(ブームが水平より下向きの場合は起
仰、以下同じ)操作されてブーム作業半径が増大(ΔR<
0)した場合にはそのブーム作業半径増大量に見合うだ
けの作業車Aの後退方向移動量を算出するとともに、ブ
ームが起仰(ブームが水平より下向きの場合は倒伏、以
下同じ)操作されてブーム作業半径が減少(ΔR>0)し
た場合にはそのブーム作業半径減少量に見合うだけの作
業車Aの前進方向移動量を算出する。
【0012】この作業車移動量・ブーム作業半径変動量
・比較演算手段で算出された作業車Aの後退方向移動量
又は前進方向移動量は走行操作信号出力手段27に出力
され、走行操作信号出力手段27はその出力信号にした
がって走行制御装置28を制御する。
【0013】以上のようにして、ブームの起伏操作のた
びにその作業半径の増減量に見合った距離だけ作業車A
の後退(第1の考案の場合)又は前進(第2の考案の場
合)の制御が自動的に行われ、ブーム先端部は運転者が
微調整操作を行うまでもなく自動的に垂直昇降する。
【0014】
【考案の効果】本願各考案は上記の如き構成と作用とに
より次のような効果を奏するものである。
【0015】すなわち、本願各考案によれば、ブーム付
き作業車Aの運転者は、ブームの起伏操作とその安全性
に専念すれば、他にブームの伸縮操作等を行わなくても
自動的にブーム先端部Baの垂直昇降を実現することが
でき、格別に高度な熟練者でなくてもこの種のブーム付
き作業車の運転が一層確実且つ簡便になる。
【0016】又、本願各考案によれば、ブーム付き作業
車AはブームBの起仰に際してはその作業半径の減少分
だけ前進するが、そうすると、もしブームBの上方に梁
などの障害物があってブームの起仰角度が制限されてい
る場合などにおいても、ブーム付き作業車Aの前進によ
ってブームBをより大きい起仰角度まで起仰せしめるこ
とができ、図4に示すようなブーム付き作業車Aを一定
位置に固定してブームの起伏・伸縮操作を行う場合に比
べて、ブームBの上下方向作業範囲を拡大させることが
可能となる。
【0017】
【実施例】図1には本願各考案を適用して構成されてい
るブーム付き作業車とその作業現場の一例が示されてい
る。
【0018】この実施例のブーム付き作業車は、車輌フ
レーム11上に設けられた旋回台12に対して支軸41
を支点として多段伸縮式のブームBを起伏シリンダDに
より起伏自在に枢着している。ブーム先端部Baにはバ
ケットCがバケット垂直支持装置Fを介して装着されて
いる。このバケットCはブームBが起伏操作されてもバ
ケット垂直支持装置Fによって垂直姿勢に保持されてブ
ームBの起伏にしたがってC1,C2のように対向壁面3
に沿って昇降操作される。
【0019】図1の実施例は、上方に障害物(梁)4があ
る狭小な屋内の作業空間1に高さの低い入口2からブー
ム付き作業車Aを進入させ、ブームBを全縮とした状態
でブーム先端部のバケットCを対向する垂直壁面3に沿
って垂直昇降させるような作業現場を示している。
【0020】図1に示す実施例のブーム付き作業車A
は、前車輪14を駆動する油圧式の走行モータ13によ
って前後進せしめられる。前車輪14(又は後車輪15)
には車輪回転計17が対設されていて該車輪回転計17
で前車輪14(又は後車輪15)の回転量を計測すること
によってブーム付き作業車Aの進退量を検出するように
されている。
【0021】図1に示す実施例のブーム付き作業車Aに
は、図2に示すように、種々の計器類、たとえばブーム
起伏角度検出手段21、ブーム長さ検出手段29、作業
車位置検出手段31(車輪回転計17)や、作業車が走行
操作中であるかどうかを検出する作業車走行操作検出手
段32、ブームBが伸縮操作中であるかどうかを検出す
るブーム伸縮操作検出手段等のセンサー類が付設されて
おり、さらにそれに加えて上記のような各種計器類やセ
ンサー類からの各種データの入力をうけてブーム付き作
業車Aの走行制御装置28へ走行制御信号を出力するコ
ントローラ16と、該コントローラ16をしてその制御
作用を開始させる操作スイッチ30とが付設されてい
る。
【0022】以下、図2に示す制御装置をさらに詳細に
説明すると、コントローラ16には次の〜のような
演算又は制御手段が内包されている。
【0023】 スタート判別手段20 コントローラ16による制御を行ってもよいかどうかを
判別するもので、操作スイッチ30がONとなったとき
にコントローラ16による制御を開始させるものであ
る。一方、ブーム伸縮操作検出手段33によりブームB
が伸縮操作中であることの信号が入力されたり、あるい
は作業車走行操作検出手段32により作業車が手動で走
行操作されていることの信号が入力されたりした場合
は、操作スイッチ30がON状態であってもコントロー
ラ16による制御を停止させる。
【0024】 ブーム作業半径算出手段22 ブーム長さ検出手段29から入力されるブーム長さLと
ブーム起伏角度検出手段21から入力されるブーム起伏
角度αによりその時々のブーム作業半径Rを算出する。
【0025】 ブーム作業半径初期値記憶手段24 操作スイッチ30がONとされてスタート判別手段20
によりコントローラ16による制御が開始されたと判別
されたその時点でのブーム作業半径Roをブーム作業半
径初期値として記憶する。
【0026】 作業車位置初期値記憶手段34 操作スイッチ30がONとされてスタート判別手段20
によりコントローラ16による制御が開始されたと判別
されたその時点での作業車の位置(図1の実施例では車
輪回転計17によって算出されるそのときの前車輪14
の回転角βo)を初期値Koとして記憶する。
【0027】 ブーム作業半径比較演算手段25 ブーム作業半径初期値記憶手段24から入力されるブー
ム作業半径初期値Roとブーム作業半径算出手段22か
ら入力される現在のブーム作業半径Rnとの差、すなわ
ち、ブーム作業半径の変動量ΔR(=Rn−Ro)を算出す
る。
【0028】 作業車移動量検出手段23 作業車位置検出手段31から入力される現在の作業車位
置Kn(図1の実施例では車輪回転計17によって算出さ
れるそのときどきの前車輪14の回転角βn)と作業車位
置初期値記憶手段34から入力される作業車位置初期値
Ko(図1の実施例における前車輪14の回転角初期値β
o)との差、すなわち、作業車の(後退方向又は前進方
向)移動量ΔK(=Kn−Ko)を算出する。
【0029】 作業車移動量・ブーム作業半径変動量
・比較演算手段26 ブーム作業半径比較演算手段25から入力されるブーム
作業半径変動量ΔRと、作業車移動量検出手段23から
入力される作業車(後退方向又は前進方向)移動量ΔK
とを比較し、その演算の結果、すなわち、ΔR+ΔK
(=X)を走行操作信号出力手段27へ出力する。
【0030】この場合、この実施例では、前方の垂直壁
面3を基点(P)とし、ブーム先端部と前方の垂直壁面3
との間の水平距離が減少する方向、すなわちブームBが
倒伏してブーム作業半径が増大する方向(又は、作業車
が前進する方向)を−(マイナス)とし、ブーム先端部と
前方の垂直壁面3との間の水平距離が増大する方向、す
なわちブームBが起仰してブーム作業半径が減少する方
向(又は、作業車が後退する方向)を+(プラス)としてい
る。したがって、図1の実施例において、もしそのとき
どきのブーム作業半径Rnがブーム作業半径初期値Roに
対してRn>Roの関係にあるときはΔR<0となり、こ
れに対してRn<Roの関係にあるときにはΔR>0とな
る。一方、同様に図1の実施例においてブーム付作業車
Aがその初期位置より前進するときはその前進方向移動
量(ΔK)はΔK<0となり、これに対してブーム付作業
車Aがその初期位置より後退するときにはその後退方向
移動(ΔK)はΔK>0となる。以上のことから、図1の
実施例において、もしブームBが倒伏(又は起仰)してブ
ーム作業半径RがΔRだけ増大(又は減少)し、それに対
応して作業車AがΔRと同量のΔKだけ後退(又は前進)
したとすれば、ΔR+ΔK=X=0となるものである。
【0031】 走行操作信号出力手段27 作業車移動量・ブーム作業半径変動量・比較演算手段2
6から入力される信号に基づき、X=ΔR+ΔK>0な
らばブーム付き作業車Aを前進させるべく走行制御装置
28へ前進信号を出力し、これに対してX=ΔR+ΔK
<0ならばブーム付き作業車Aを後退させるべく走行制
御装置28へ後退信号を出力する。
【0032】図1の実施例では走行モータ13として油
圧モータが使用されており、且つ走行制御装置28とし
て電磁比例弁が使用されている。この電磁比例弁は、走
行操作信号出力手段27からの制御信号の内容に応じて
走行モータ13への作動油の供給方向と供給量を制御
し、ΔR+ΔK≒0となった時点で走行装置E(前車輪
14)の駆動を停止する。
【0033】次に図1及び図2に示すブーム付き作業車
の作用を図3に示すフローチャートを併用して説明す
る。
【0034】図1に示す実施例のブーム付き作業車を図
2に示すような制御装置によって制御する場合は、次に
示すステップS1〜S11の順序によりその制御が行われ
る。
【0035】ステップS 1 図2に示す制御装置による制御を開始させるべく操作ス
イッチ30をONにする。
【0036】ステップS 2 ブーム伸縮操作検出手段33により、現在、ブームBが
伸縮操作されていないかどうか判定し、もしブームBが
伸縮操作中であれば、図2の制御装置による制御を停止
させる。
【0037】ステップS 3 作業車走行操作検出手段32により、現在、ブーム付き
作業車Aが図2の制御装置によらないで手動で走行制御
されていないかどうかを判定し、もし、ブーム付き作業
車Aが手動で走行操作されていれば図2の制御装置によ
る制御を停止させる。
【0038】ステップS 4 現在、ブームBが起伏操作中であるかどうかを判定し、
もしブームBが起伏操作中でない場合には、図2の制御
装置による制御を停止させる一方、もしブームBが起伏
操作中である場合には、以下のステップS5〜S10にし
たがってブーム付き作業車Aの前後進制御を行わせる。
【0039】ステップS 5 ブーム長さ検出手段29で検出されるブーム長さL(一
定)とブーム起伏角度検出手段21で検出されるブーム
起伏角度αとをブーム作業半径算出手段22に入力して
該ブーム作業半径算出手段22でブーム作業半径Rを算
出するとともに、制御スタート時のブーム作業半径Ro
を初期値として設定しブーム作業半径初期値記憶手段2
4で記憶する。
【0040】ステップS 6 ブームBの起伏操作に応じて刻々変化する現在のブーム
作業半径Rnを演算して、これをブーム作業半径変動量
演算手段25においてブーム作業半径初期値Roと比較
し、その増減量ΔR(=Rn−Ro)を算出する。
【0041】ステップS 7 ステップS6で算出したブーム作業半径増減量ΔRが、
ΔR>0のとき、すなわちブーム先端部と前方の垂直壁
面3との間の水平距離が増大しつつあるときには、作業
車を前進させ、これに対して、ΔR<0とき、すなわち
ブーム先端部と前方の垂直壁面3との間の水平距離が減
少しつつあるときには、作業車を後退させるように走行
制御装置28へ走行操作信号を出力する。
【0042】ステップS 8 走行操作信号の出力を受けた走行制御装置28では、電
磁比例弁が走行モータ13への作動油の供給方向と供給
量を調節し、ブーム付き作業車Aを前進又は後退させ
る。
【0043】ステップS 9 作業車移動量検出手段23(図1の実施例では車輪回転
計17)によりブーム付き作業車Aの(後退方向又は前
進方向)移動量ΔKを演算してその信号を作業車移動量
・ブーム作業半径変動量・比較演算手段26へ出力す
る。
【0044】ステップS 10 作業車移動量・ブーム作業半径変動量・比較演算手段に
おいて、ブーム作業半径変動量ΔRと作業車(後退方向
又は前進方向)移動量ΔKとを比較し、 ΔR+ΔK≒0 の関係になったかどうかを判定する。
【0045】この実施例の制御装置による制御では若干
の不感帯を設定しており、たとえば、(ΔR+ΔK=0
±5cm)の範囲内にあるときは、ブーム付き作業車の前
後進制御を行わないようにして制御時のハンチングの発
生を防止している。
【0046】このステップS10で、ΔR+ΔK≒0の判
定がなされた場合、そのときのブーム起伏角度におけ
る、図2の制御装置によるブーム付き作業車の前後進制
御は終了し、ステップS1へ復帰する。又、このステッ
プS10でΔR+ΔK≒0の判定が得られなかった場合
は、ステップS11に移行し、さらにΔR+ΔK≒0とな
るまで走行モータ13への作動油の供給調節が行われ
る。
【0047】図1に示すような狭小な屋内の作業現場に
おいてブーム付き作業車Aによる作業を行う場合は、同
ブーム付き作業車Aの最高位部(たとえば旋回台12の
頂部12a、あるいはバケットCの頂部Ca)が入口2の
頂部に衝突しないように注意しながらブーム付き作業車
Aを作業空間1内に進入させる。その場合、この実施例
ではブームBを最縮小させた状態でしかもブームBを最
倒伏させた状態でブーム付き作業車Aを作業空間1内の
最奥部まで進入させる。そして、その後はブームBの起
伏操作にともなってブーム作業半径が変動すれば、図2
に示す制御装置が、そのブーム作業半径の変動量に見合
うだけブーム付き作業車Aそれ自体を前後進させて、常
にバケットCが垂直壁面3に沿ってほぼ垂直方向に昇降
するように制御する。
【0048】図1に示す実施例では、ブーム(最縮小状
態にある)Bが最起仰した状態(符号B2)ではブーム付き
作業車Aは符号A2で示す位置まで進入し、そのときの
ブーム起仰角はα2である。
【0049】これに対して、従来のブーム伸縮をともな
う制御方法によって同様の作業現場での作業を行う場合
(図4)は、ブームBが起仰するにつれて最縮小状態(B
o)からブームBを伸長(B′)させる必要があるため、ブ
ーム最縮小のままで全ての作業を行う図1の実施例の場
合に比して、作業空間1への進入当初からブーム付き作
業車Aそれ自体を後方に位置させておくことを余儀なく
され、その結果、ブームBの最起仰角度(α′)は図1に
示すブーム最起仰角度(α2)よりも小さくならざるを得
ない。換言すれば、本願考案の技術思想が適用されてい
る図1の実施例の場合の方が、図4の従来の制御例の場
合に比して、ブーム起仰角の上限を大きくとれる(昇降
操作範囲を大きくとれる)ということがいえる。
【0050】上記の説明は伸縮ブームを全縮状態におい
て使用する場合についてのものであったが、図1の実施
例のブーム付き作業車Aは、伸縮ブームを全伸状態とし
た場合においても、図4に示す従来例の場合に比して上
下方向の作業範囲を拡大することができる。すなわち、
図1に示す実施例の場合は、作業車Aの位置が前後進可
能とされているから、ブーム全伸状態という限界作業状
態においても作業車Aが前後移動せしめられる分だけ、
図4に示す作業車固定によって作業を行う場合に比して
その作業範囲を拡大し得る余地がある。
【0051】なお、図2及び図3による実施例の説明
は、フィードバック方式の制御装置にもとずくものであ
ったが、本願考案の思想は、あらかじめ演算されている
ブーム半径変動量ΔRと作業車進退量ΔKとの関係のデ
ータを使用し、一定のブーム半径変動量ΔRが生じたと
きには、その演算データにもとずいて一定の(後退方向
又は前進方向)移動量ΔKだけ作業車を前進又は後退さ
せるという、いわゆるフィードフォワード方式の制御装
置にも適用できるものであることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願考案の実施例にかかるブーム付き作業車の
制御装置による作業現場の説明図。
【図2】図1に示されているブーム付き作業車に付設さ
れている制御装置のブロック図。
【図3】図2に示す制御装置による制御のフローチャー
ト。
【図4】従来の制御方法によってブーム付き作業車の制
御を行う場合の作業現場の説明図。
【符号の説明】
11は車輌フレーム、12は旋回台、13は走行モー
タ、14は車輪、16はコントローラ、17は車輪回転
計、20はスタート判別手段、21はブーム起伏角度検
出手段、22はブーム作業半径算出手段、23は作業車
移動量検出手段、24はブーム作業半径初期値記憶手
段、25はブーム作業半径変動量演算手段、26は作業
車移動量・ブーム作業半径変動量・比較演算手段、27
は走行操作信号出力手段、28は走行制御装置、29は
ブーム長さ検出手段、30は操作スイッチ、Aはブーム
付き作業車、Bはブーム、Cはバケットである。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輌フレーム(11)上に設けられた旋回
    台(12)に起伏自在なブーム(B)をそなえ且つ適宜の走
    行モータ(13)によって駆動される走行装置(E)により
    後退可能とされたブーム付き作業車(A)において、 前記ブーム(B)の起伏角度を検出するブーム起伏角度検
    出手段(21)と、前記ブーム(B)の起伏に合せて前記ブ
    ーム付き作業車(A)の後退を制御するコントローラ(1
    6)とを備え、 前記コントローラ(16)は、該コントローラ(16)によ
    る前記作業車の後退制御が開始されたかどうかを判別す
    るスタート判別手段(20)と、ブーム起伏角度とブーム
    長さとからブーム作業半径を算出するブーム作業半径算
    出手段(22)と、前記スタート判別手段(20)で前記作
    業車の後退制御が開始されたと判別された時点でのブー
    ム作業半径(Ro)を初期値として記憶するブーム作業半
    径初期値記憶手段(24)と、ブーム作業半径が変化した
    場合に前記ブーム作業半径初期値(Ro)に対する現在の
    ブーム作業半径(Rn)の変動量(ΔR)を演算するブーム
    作業半径変動量演算手段(25)と、前記ブームの起伏に
    より前記ブーム作業半径が増大した場合にはそのブーム
    作業半径の増大量に見合う前記ブーム付き作業車(A)の
    後退方向移動量を算出する作業車移動量・ブーム作業半
    径変動量・比較演算手段(26)と、該作業車移動量・ブ
    ーム作業半径変動量・比較演算手段(26)で算出された
    前記ブーム付き作業車(A)の後退方向移動量にしたがっ
    てブーム付き作業車(A)を走行駆動すべく該ブーム付き
    作業車(A)の走行制御装置(28)へ走行操作信号を出力
    する走行操作信号出力手段(27)とを備えていることを
    特徴とするブーム付き作業車の制御装置。
  2. 【請求項2】 車輌フレーム(11)上に設けられた旋回
    台(12)に起伏自在なブーム(B)をそなえ且つ適宜の走
    行モータ(13)によって駆動される走行装置(E)により
    前進可能とされたブーム付き作業車(A)において、 前記ブーム(B)の起伏角度を検出するブーム起伏角度検
    出手段(21)と、前記ブーム(B)の起伏に合せて前記ブ
    ーム付き作業車(A)の前進を制御するコントローラ(1
    6)とを備え、 前記コントローラ(16)は、該コントローラ(16)によ
    る前記作業車の前進制御が開始されたかどうかを判別す
    るスタート判別手段(20)と、ブーム起伏角度とブーム
    長さとからブーム作業半径を算出するブーム作業半径算
    出手段(22)と、前記スタート判別手段(20)で前記作
    業車の前進制御が開始されたと判別された時点でのブー
    ム作業半径(Ro)を初期値として記憶するブーム作業半
    径初期値記憶手段(24)と、ブーム作業半径が変化した
    場合に前記ブーム作業半径初期値(Ro)に対する現在の
    ブーム作業半径(Rn)の変動量(ΔR)を演算するブーム
    作業半径変動量演算手段(25)と、前記ブームの起伏に
    より該ブーム作業半径が減少した場合にはそのブーム作
    業半径の減少量に見合う前記ブーム付き作業車(A)の前
    進方向移動量を算出する作業車移動量・ブーム作業半径
    変動量・比較演算手段(26)と、該作業車移動量・ブー
    ム作業半径変動量・比較演算手段(26)で算出された前
    記ブーム付き作業車(A)の前進方向移動量にしたがって
    ブーム付き作業車(A)を走行駆動すべく該ブーム付き作
    業車(A)の走行制御装置(28)へ走行操作信号を出力す
    る走行操作信号出力手段(27)とを備えていることを特
    徴とするブーム付き作業車の制御装置。
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