JP2566591Y2

JP2566591Y2 - 傾起可能な荷台フレームを有する運搬車の荷台フレーム構造

Info

Publication number: JP2566591Y2
Application number: JP1991057702U
Authority: JP
Inventors: 省二寺元
Original assignee: セイレイ工業株式会社
Priority date: 1991-06-26
Filing date: 1991-06-26
Publication date: 1998-03-30
Anticipated expiration: 2006-06-26
Also published as: JPH051587U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、傾起可能な荷台フレ
ームを有する運搬車の荷台フレーム構造に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】クローラ走行装置を装備し、車体の前部
に荷物を載せて後傾する荷台フレームを装備した運搬車
がある。このような荷台フレームを設けることにより、
荷物の重心位置を車体中央側に近づけ、かつ、低い位置
に設定できるから、平地での走行はもちろんのこと、階
段走行も可能になる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、車体の
姿勢が前下りになる階段登坂時等では、重心位置がなお
前すぎて危険であることもある。また、旋回のときはク
ローラ走行装置の前方従動輪を浮かせて後方従動輪の部
分のみを接地させるが、この場合も、手元押下げ荷重か
らいえば、重心位置はできるだけ後方にあるのが望まし
い。この考案は、このような課題を解決するものであっ
て、要は、荷台フレームが傾斜した姿勢のままでそのま
まスライドできるようにしたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このような課題の下に、
この考案は、荷台フレームを車台フレームとの間に介設
される伸縮シリンダの伸縮によって水平な支持軸の回り
に起立姿勢と前下りに傾斜する傾斜フレームの上に寝る
傾斜姿勢とに亘って傾動可能に取り付けた傾起可能な荷
台フレームを有する運搬車において、前記荷台フレーム
を前記支持軸の回りに傾動する回動フレームとこの回動
フレームに対して昇降する昇降フレームとで構成してこ
の昇降フレームに前記伸縮シリンダを枢着するととも
に、前記回動フレームと前記昇降フレームとの間にこの
昇降フレームの昇降を規制する昇降ロック機構を、前記
回動フレームと前記車台フレームとの間に前記回動フレ
ームが起立姿勢になるまでは許容するもののそれ以上前
傾するのを規制する傾動ロック機構を、前記回動フレー
ムと前記傾斜フレームとの間に前記回動フレームが起立
するのを規制する起動ロック機構をそれぞれ設けてなる
傾起可能な荷台フレームを有する運搬車の荷台フレーム
構造を提供したのである。

【０００５】

【作用】以上の手段をとることにより、起動ロック機構
を働かせて伸縮シリンダを伸縮させれば、昇降フレーム
は回動フレームに対して平行にスライドし、その重心位
置が変更できる。また、傾動ロック機構を働かせて伸縮
シリンダを伸縮させれば、昇降フレームは昇降し、リフ
トの働きをする。そして、これらの動作を一個の伸縮シ
リンダで行わせることができる。

【０００６】

【実施例】図１および図２はこの考案に係る運搬車の側
面図であるが、この運搬車は水平な車台フレーム１０と
前下りに傾斜する傾斜フレーム１２をクローラ走行装置
１４で支え、図示は省略するがエンジン等を搭載してい
て自走能力を有する。車台フレーム１０の前部には伸縮
シリンダ１６の伸縮によって水平な支持軸１８の回りを
起立姿勢と傾斜フレーム１２の上に寝る傾斜姿勢とに亘
って回動する荷台フレーム２０が設けられている。そし
て、この考案では、まず、荷台フレーム２０を支持軸１
８の回りを回動する回動フレーム２２と、この回動フレ
ーム２２に対してスライド（昇降）可能な昇降フレーム
２４とで構成し、伸縮シリンダ１６を昇降フレーム２４
に枢着する。

【０００７】つぎに、回動フレーム２２と昇降フレーム
２４との間に昇降フレーム２４の昇降を規制する昇降ロ
ック機構２６を、また、回動フレーム２２と車台フレー
ム１０との間に回動フレーム２２が起立姿勢になるまで
は許容するもののそれ以上前傾するのを規制する傾動ロ
ック機構２８を、さらに、回動フレーム２２と傾斜フレ
ーム１２との間に回動フレーム２２が起立するのを規制
する起動ロック機構３０をそれぞれ設ける。これら各ロ
ック機構２６、２８、３０の具体的構成は、たとえば、
昇降ロック機構２６は、回動フレーム２２には昇降フレ
ーム２４側に向けて突出可能なピン３２を設け、昇降フ
レーム２４にはこのピン３２が突入できるノッチ３４を
形成したものが考えられる。また、傾動ロック機構２８
は、回動フレーム２２に枢着したリンクにピンを取り付
け、このピンを車台フレーム１０に前後に形成した長孔
に挿入して回動フレーム２２を車台フレーム１０に対し
て起立姿勢を越えては前傾できないリンク機構３６で構
成するものが考えられる。さらに、起動ロック機構３０
は、回動フレーム２２にピン３８を設け、傾斜フレーム
２４にこのピン３８に係脱するフック４０を取り付けた
ものが考えられる。なお、これら各ロック機構２６、２
８、３０の掛け外しはハンドル等から遠隔操作できるも
のが望ましい。

【０００８】以上の構成により、まず、荷物４４を積む
ときは、伸縮シリンダ１６を伸長させて荷台フレーム２
０を起立させ（このとき、傾動ロック機構２８および起
動ロック機構３０は外し、昇降ロック機構２６は掛けて
おく）、荷台フレーム２０の昇降フレーム２４に荷物４
４を積み込む。ついで、伸縮シリンダ１６を縮短させて
荷台フレーム２０を傾斜フレーム１２の上に寝る傾斜姿
勢にする。荷物４４はこの状態で運搬されるのである
が、たとえば、階段等を登坂しているとき、重心Ｇの位
置が前寄りになって危険なときは、昇降ロック機構２６
を外し、起動ロック機構３０を掛けて伸縮シリンダ１６
を伸長させる。すると、昇降フレーム２４は回動フレー
ム２２に沿って上方にスライドし、重心Ｇの位置はＧ１
からＧ２へと後方移動する。このことから、昇降ロック
機構２６と起動ロック機構３０は、一方を掛けたときに
は他方を外すようその掛け外しを相互に連動させたもの
にしてもよい。なお、平地走行のとき、この動作をクロ
ーラ走行装置１４の前方従動輪４６を上げて後方従動輪
４８部分のみを接地させる旋回時に行うと、手元の押下
げ荷重が軽くなって操縦が楽である。この他、荷台フレ
ーム２０を起立させておき、傾動ロック機構２８を掛け
ておいて昇降ロック機構２６を外して伸縮シリンダ１６
を伸縮させると、昇降フレーム２４にリフト動作を行わ
せることができるから、荷物４４の積降しが省力化す
る。

【０００９】

【考案の効果】以上、この考案は前記したものであるか
ら、車体が前下りに大きく傾く階段登坂時等に車体の重
心位置を後方に移動させることができるから、走行が安
全である。また、この重心移動は平地走行のときの旋回
時にも手元の押下げ荷重を軽くする作用がある。さら
に、荷台フレームにリフト作用を付与することもできる
から、荷物の積降しが省力化する。そして、これらの動
作を一個の伸縮シリンダで行わせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す運搬車の側面図であ
る。

【図２】この考案の実施例を示す運搬車の側面図であ
る。

【符号の説明】

１０車台フレーム１２傾斜フレーム１８支持軸２０荷台フレーム２２回動フレーム２４昇降フレーム２６昇降ロック機構２８傾動ロック機構３０起動ロック機構

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】荷台フレーム（２０）を車台フレーム
（１０）との間に介設される伸縮シリンダ（１６）の伸
縮によって水平な支持軸（１８）の回りに起立姿勢と前
下りに傾斜する傾斜フレーム（１２）の上に寝る傾斜姿
勢とに亘って傾動可能に取り付けた傾起可能な荷台フレ
ームを有する運搬車において、前記荷台フレーム（２
０）を前記支持軸（１８）の回りに傾動する回動フレー
ム（２２）とこの回動フレーム（２２）に対して昇降す
る昇降フレーム（２４）とで構成してこの昇降フレーム
（２４）に前記伸縮シリンダ（１６）を枢着するととも
に、前記回動フレーム（２２）と前記昇降フレーム（２
４）との間にこの昇降フレーム（２４）の昇降を規制す
る昇降ロック機構（２６）を、前記回動フレーム（２
２）と前記車台フレーム（１０）との間に前記回動フレ
ーム（２２）が起立姿勢になるまでは許容するもののそ
れ以上前傾するのを規制する傾動ロック機構（２８）
を、前記回動フレーム（２２）と前記傾斜フレーム（１
２）との間に前記回動フレーム（２２）が起立するのを
規制する起動ロック機構（３０）をそれぞれ設けてなる
傾起可能な荷台フレームを有する運搬車の荷台フレーム
構造。