JP2566433Y2 - 分電盤の機器取り付け構造 - Google Patents

分電盤の機器取り付け構造

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JP2566433Y2 JP11175891U JP11175891U JP2566433Y2 JP 2566433 Y2 JP2566433 Y2 JP 2566433Y2 JP 11175891 U JP11175891 U JP 11175891U JP 11175891 U JP11175891 U JP 11175891U JP 2566433 Y2 JP2566433 Y2 JP 2566433Y2
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龍二 近藤
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、電気機器の取り付け
構造を簡素化した分電盤の機器取り付け構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、分電盤の機器取り付け構造は、図
6及び図7示のように、箱体本体20の背板20a四隅
にベース金具21が溶接され、このベース金具21にボ
ルト22を挿通し、そのボルト22をボルトサポータ2
3によってベース金具21に固定し、そのボルト22に
スペーサーとしてのナット24を螺着し、その上に機器
取り付け用のパネル25のボルト挿通孔25aを嵌合さ
せ、ボルト22に締め付け用のワッシャー26,ナット
27を螺着して、パネル25をベース金具21に締着す
るようになっていた。従って、分電盤を組み立てる時
は、電気機器類(図示省略)をパネル25にネジ止め
し、そのパネル25を、前述の如くベース金具21に締
着して箱体本体20に取り付けていた。・・・(第1従
来例)。
【0003】又、図8示の如く、パネル25に電気機器
類(図示省略)をネジ止めし、このパネル25を、箱体
本体の背板20aに固着したレール30に、ボルト31
で締着し固定していた。・・・(第2従来例)。そし
て、実開平1ー61809号公報には、基板を分電箱底
面から適宜距離隔てて保持するように保持フレームを形
成し、メインブレーカと、複数の分岐ブレーカを列設し
た基板とを、その保持フレームを介して分電箱底面に取
着した技術が開示されている。・・・(第3従来例)。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
技術において、第1従来例は、部品点数が多くなり、製
作及びパネル25取り付けに手間が掛ると共に、部品管
理が厄介であった。又、第2従来例は、第1従来例程部
品点数は多くないが、それでも、レール30,パネル2
5及びボルト31の3点を必要とし、しかも、レール3
0やパネル25は大型部品のため全体重量が大となり、
箱本体20への機器取り付け作業がしずらかった。更
に、パネル25を固定するボルト31の先端がパネル2
5下部に突出するため、パネル25下部に電線を引き回
す際、電線がボルト31の先端に引っ掛かって、被覆が
損傷する虞れがあった。
【0005】第3従来例は、保持フレームと基板と基板
取着用ネジとを備えたもので、第2従来例と同様に部品
点数が少なく、しかも、それらの部品は小型であるた
め、全体が軽量となり、箱本体への機器取り付け作業は
比較的容易であり、又、分岐ブレーカを基板に締着した
ネジの先端は保持フレームに保護されているので、電線
を傷つけることは無い。しかし、基板を保持フレームに
取着した基板取着用ネジの先端は、保持フレーム下面と
同一面に露出し、保持フレーム下部に電線を引き回す
際、第2従来例と同様に、電線が基板取着用ネジの先端
に引っ掛かって、被覆が損傷する虞れがあった。
【0006】そこで、本考案の課題は、パネルを廃し部
品点数の少ない簡単な構造により、軽量化を図って機器
の取り付け作業を容易にすると共に、製作コストを低減
し、更に、配線に際しては電線を損傷させる虞れが無い
分電盤の機器取り付け構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本考案に係る分電盤の機器取り付け構造は、キャビ
ネット本体の背板に並列に載設され、且つ電気機器を夫
々固着した機器取り付け枠体を備えた分電盤であって、
前記機器取り付け枠体が、基板と、その基板の中央部を
膨出させて形成した分岐機器取り付け板とから成り、機
器取り付け枠体の両側端を折曲して長手方向に溝部が夫
々設けられると共に、両溝部にその開口面を覆う機器取
り付け片が所定間隔に設けられ、更に、その機器取り付
け片にネジ孔が刻設され、そのネジ孔に機器止めネジを
螺着して電気機器を機器取り付け枠体に締着可能に形成
して構成したものである。
【0008】又、分岐機器取り付け板の機器取り付け片
が、分岐機器取り付け板の端縁を残して表面の一部を切
り裂き、前記端縁を基軸としてその切り裂き片を溝部側
へ反転し、分岐機器取り付け板と同一平面に形成されて
構成されたものである。更に、基板の機器取り付け片
が、基板の一部を溝部側へ伸長させ、基板と同一平面に
形成された機器取り付け片であって、その機器取り付け
片に対応する溝部底が開口して構成されたものである。
【0009】
【作用】この考案の分電盤機器の取り付け構造による
と、分岐機器取り付け板の機器取り付け片に設けられた
ネジ孔に、機器止めネジを螺着して分岐ブレーカを分岐
機器取り付け板に締着すると、機器止めネジの先端は、
分岐機器取り付け板の側端の溝部底によって保護され、
分岐機器取り付け板下面に突出することが無いので、分
岐機器取り付け板下部に電線を引き回す際、電線が機器
止めネジの先端に引っ掛かって、被覆が損傷することが
無く、配線作業が楽に出来る。
【0010】又、基板の機器取り付け片に設けられたネ
ジ孔に、機器止めネジを螺着して主ブレーカ又は他の電
気機器を基板に締着すると、機器止めネジが長い場合
は、その先端が基板下面に突出し、更に、溝部底の開口
を経て箱体本体の背板に螺着することが可能で、主ブレ
ーカ等の取り付けを強固にする。
【0011】このように、機器取り付け枠体の分岐機器
取り付け板や基板に、分岐ブレーカや主ブレーカ等を夫
々締着した後、機器取り付け枠体の基板をキャビネット
本体の背板に取り付ければよい。従って、部品点数が少
なく、構造が簡単で、しかも、機器取り付け枠体が軽量
化されているので、機器取り付け作業が容易である。そ
して、機器取り付け枠体の両側端には溝が形成されてい
るので、剛性を増し小型ながらより多くの機器が取り付
けられる。
【0012】
【実施例】本考案に係る分電盤の取り付け構造の構成
を、実施例により以下説明する。図1は本考案による分
電盤の取り付け構造の一実施例の要部斜視図であり、図
2〜図4は機器取り付け枠体の各種例の斜視図である。
キャビネット本体の背板1には機器取り付け枠体2,2
が並列に載設され、機器取り付け枠体2の片方の基板2
aには、主ブレーカMが締着され、又、機器取り付け枠
体2の分岐機器取り付け板2bには、夫々分岐ブレーカ
Sが3個ずつ締着されている。因みに、1aは充電部カ
バーである。
【0013】機器取り付け枠体2は、次のように構成さ
れている。即ち、図2示のように、基板2aと、その基
板2aの中央部を膨出させて形成した分岐機器取り付け
板2bとから成り、機器取り付け枠体2の両側端を折曲
して長手方向に溝部3が夫々設けられ、両溝部3にその
開口面を覆う機器取り付け片4,5が所定間隔に設けら
れ、更に、その機器取り付け片4,5にネジ孔6が夫々
刻設されている。
【0014】このように、機器取り付け枠体2は、その
両側端に溝部3が形成されているので、剛性を増し幅狭
の割に多くの分岐ブレーカSを取り付けることが出来
る。又、その両側端に溝部3と機器取り付け片4とを設
けているので、図5示のように、どちらの溝部3にでも
分岐ブレーカSを取り付けられるので、従って、この機
器取り付け枠体2は、上段と下段の分岐ブレーカSの取
り付けに共用出来るものである。そして、分岐機器取り
付け板2bは、基板2aの中央部を膨出させて形成され
ているので、その下部に電線を通すことが出来るので配
線作業がし易い。
【0015】分岐機器取り付け板2bの機器取り付け片
5は、図3示の如く、分岐機器取り付け板2bの端縁2
cを残して表面の一部を切り裂き、その端縁2cを基軸
としてその切り裂き片を溝部3側へ反転し、分岐機器取
り付け板2bと同一平面に形成されている。そして、機
器取り付け片5の外側端が接する溝部3の外側には、欠
切した穴3aが設けられているが、これは、切り裂き片
を溝部3側へ反転させる時に、当金(図示省略)を挿入
するためのものである。
【0016】又、図2示の如く、基板2aの機器取り付
け片4が、基板2aの一部を溝部3側へ伸長させ、基板
2aと同一平面に形成されている。そして、その機器取
り付け片4に対応する溝部3底が開口3bしているが、
これは、主ブレーカM等を取り付けるネジの逃げ又は背
板1に締着させるためのものである。更に、両端の基板
2aには、機器取り付け枠体2を締着させるためのネジ
挿通孔7が所要数穿設されている。
【0017】上記のように構成された分電盤の機器取り
付け構造は、次のように組立てて使用される。即ち、基
板2aの機器取り付け片4のネジ孔6に、主ブレーカM
の機器止めネジ(図示省略)を螺着して、主ブレーカM
を機器取り付け枠体2に締着する。尚、基板2aには、
主ブレーカM以外の電気機器や木板等を取り付けること
も可能である。
【0018】又、分岐機器取り付け板2bの各ネジ孔6
に、分岐ブレーカSの機器止めネジ6aを螺着して、分
岐ブレーカSを機器取り付け枠体2に夫々締着する。
(図5参照)この場合、機器止めネジ6aの先端は、分
岐機器取り付け板2bの側端の溝部3底によって保護さ
れ、分岐機器取り付け板2b下面に突出することが無い
ので、分岐機器取り付け板2b下部に電線を引き回す
際、電線が機器止めネジ6aの先端に引っ掛かって、被
覆を損傷することが防止される。
【0019】そして、この機器取り付け枠体2のネジ挿
通孔7に機器取り付け枠体2の取り付けネジ(図示省
略)を挿通し、その取り付けネジをキャビネット本体の
背板1に螺着して、機器取り付け枠体2をキャビネット
本体の背板1に締着する。
【0020】このように、従来技術と異なり、分岐ブレ
ーカSや主ブレーカM等をパネルに取り付けるのでは無
く、機器取り付け枠体2,機器止めネジ6a及び取り付
けネジだけで、分岐ブレーカSや主ブレーカM等をキャ
ビネット本体の背板1に取り付けられるので、部品点数
が少なく、構造が簡単で、それだけ安価に製作出来、し
かも、パネルが無く且つ機器取り付け枠体2が幅狭で、
構造全体が軽量化されているので、機器取り付け作業が
容易となっている。
【0021】図3は、機器取り付け枠体2の変更例を示
したもので、分岐機器取り付け板2bに別の小型の電気
機器が取り付けられるように、機器取り付け片5のピッ
チを変えたもので、それ以外の作用及び効果は、図2の
機器取り付け枠体2の場合と全く同様である。
【0022】図4は、機器取り付け枠体2の別の変更例
を示したもので、基板2aに主ブレーカM等を締着する
ことを廃し、分岐ブレーカSの専用の機器取り付け枠体
2となしたもので、その作用及び効果は、図2の機器取
り付け枠体2の場合と全く同様である。
【0023】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案に係る分電
盤の取り付け構造によると、従来技術と異なり、パネル
に電気機器を取り付けるのでは無く、機器取り付け枠体
とネジ類だけで、電気機器をキャビネット本体に取り付
けるものであるから、部品点数が少なく、構造が簡単
で、それだけ安価に製作出来、しかも、重いパネルを廃
して、全体重量を軽くしているので、機器取り付け作業
が容易に出来る。又、分岐ブレーカの機器止めネジの先
端は、分岐機器取り付け板の溝部底によって保護され、
分岐機器取り付け板の下面に突出することが無いので、
分岐機器取り付け板の下部に電線を引き回す際、電線が
機器止めネジの先端に引っ掛かって、被覆が損傷するこ
とが防止され、配線作業が楽に出来る等、頗る実用価値
に富むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による分電盤の取り付け構造の一実施例
の要部斜視図である。
【図2】機器取り付け枠体の一実施例の斜視図である。
【図3】機器取り付け枠体の変更例の斜視図である。
【図4】機器取り付け枠体の変更例の斜視図である。
【図5】機器取り付け枠体に分岐ブレーカを取り付けた
状態の説明図である。
【図6】従来の分電盤の取り付け構造の一実施例の斜視
図である。
【図7】図6のA部を拡大した分解斜視図である。
【図8】従来の分電盤の取り付け構造の別実施例の斜視
図である。
【符号の説明】
1・・キャビネット本体の背板、2・・機器取り付け枠
体、2a・・基板、2b・・分岐機器取り付け板、2c
・・端縁、3・・溝部、3b・・開口、4,5・・機器
取り付け片、6・・ネジ孔、6a・・機器止めネジ、M
・・主ブレーカ、S・・分岐ブレーカ。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビネット本体の背板に並列に載設さ
    れ、且つ電気機器を夫々固着した機器取り付け枠体を備
    えた分電盤であって、前記機器取り付け枠体が、基板
    と、その基板の中央部を膨出させて形成した分岐機器取
    り付け板とから成り、機器取り付け枠体の両側端を折曲
    して長手方向に溝部が夫々設けられると共に、両溝部に
    その開口面を覆う機器取り付け片が所定間隔に設けら
    れ、更に、その機器取り付け片にネジ孔が刻設され、そ
    のネジ孔に機器止めネジを螺着して電気機器を機器取り
    付け枠体に締着可能に形成したことを特徴とする分電盤
    の機器取り付け構造。
  2. 【請求項2】 前記分岐機器取り付け板の機器取り付け
    片が、分岐機器取り付け板の端縁を残して表面の一部を
    切り裂き、前記端縁を基軸としてその切り裂き片を溝部
    側へ反転し、分岐機器取り付け板と同一平面に形成され
    た機器取り付け片であるところの請求項1に記載の分電
    盤の機器取り付け構造。
  3. 【請求項3】 前記基板の機器取り付け片が、基板の一
    部を溝部側へ伸長させ、基板と同一平面に形成された機
    器取り付け片であって、その機器取り付け片に対応する
    溝部底が開口しているところの請求項1又は請求項2に
    記載の分電盤の機器取り付け構造。
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