JP2565376B2 - 長尺物の連続プレス成形法 - Google Patents

長尺物の連続プレス成形法

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JP2565376B2 JP16452988A JP16452988A JP2565376B2 JP 2565376 B2 JP2565376 B2 JP 2565376B2 JP 16452988 A JP16452988 A JP 16452988A JP 16452988 A JP16452988 A JP 16452988A JP 2565376 B2 JP2565376 B2 JP 2565376B2
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克己 山口
卓哉 金治
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、合成樹脂製の雨樋、U字溝、平板などの長
尺の合成樹脂成形品を得る場合に好適に採用される連続
プレス成形法に関する。
〔従来の技術〕 連続プレス成形によって長尺の成形品を得る場合は、
第5図に示すように、加熱装置100に通して加熱した材
料の長尺合成樹脂シートxをプレス成形用の上下の金型
101,120の間に送り込んで所定形状にプレス成形し、こ
のプレス成形部分xを前方へ所定の移動ピッチで移動さ
せてその後続部分x2を上下の金型101,102の間に送り込
んでプレス成形する操作を繰り返す方法が一般に採用さ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の連続プレス成形法によれば、得
られる長尺成形品が後端に近い部分ほど厚みを増し、全
長にわたって均一な厚みの成形品を製造し難いという問
題があった。
即ち、加熱された軟化溶融状態の合成樹脂シートxを
上下の金型101,102でプレス成形すると、第6図(イ)
に示すように、そのプレス成形部分Xの軟化溶融樹脂の
一部がプレス圧によって上下金型101,102の後端の隙間
から流出し、合成樹脂シートxの後続部分x2に隆起部a
を生じる。このとき、軟化溶融樹脂の一部は上下金型10
1,102の前端や両側端からも流出しようとするが、前端
は固化した先のプレス成形部分X0によって閉塞され、両
側端は上金型101の両側の喰切部(図示せず)によって
閉塞されるので、そこからは流出しない。このように隆
起部aが生じた合成樹脂シートの後続部分x2を第5図
(ロ)に示すように上下の金型101,102の間に送り込ん
で再びプレス成形すると、プレス成形までの間に該隆起
部aが周囲の空気によってある程度冷却されて半固化な
いし固化状態となるため、該隆起部aの存在する分だけ
上下の金型101,102の間隔が広がり、プレス成形部分の
厚みが若干増加すると共に、余剰の溶融樹脂が上記と同
様に流出して再び隆起部を生じる。そのため、プレスを
繰り返すごとにプレス成形部分Xの厚みが徐々に増加
し、全長にわたって厚みの均一な長尺成形品が得られな
くなるのである。
このような問題は、特に合成樹脂シートxの軟化溶融
粘度が低い場合に顕著にあらわれ、到底無視することは
できない。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、本発明は、加熱した長尺合
成樹脂シートをプレス成形用金型に送り込んでプレス成
形し、このシートのプレス成形部分を前方へ移動させて
その後続部分をプレス成形用金型へ送り込んでプレス成
形する操作を繰り返す従来の連続プレス成形法におい
て、上記シートのプレス成形部分を前方へ移動させてそ
の後続部分をプレス成形用金型へ送り込む前に、該後続
部分を再加熱することを特徴とするものである。
〔作 用〕
本発明のように、長尺合成樹脂シートのプレス成形部
分を前方へ移動させてその後続部分をプレス成形用金型
へ送り込む前に該後続部分を再加熱すれば、先のプレス
成形の際に該後続部分に生じた半固化ないし固化状態の
隆起部が再び軟化溶融状態となる。このように隆起部を
軟化溶融状態にしてからプレス成形部分を前方へ移動さ
せて後続部分をプレス成形用金型へ送り込んで次のプレ
ス成形を行えば、プレス成形までに隆起部が冷却されて
半固化ないし固化状態になることはない。従って、該隆
起部はプレス成形の際に完全に押しつぶされて消失する
ので、従来のように半固化ないし固化状態の隆起部によ
りプレス成形用金型の間隔が広がってプレス成形部分の
厚みが漸増することはなくなる。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳述す
る。尚、本発明の連続プレス成形法によればU字溝、雨
樋、波形板、リブ付き板など、種々の長尺異形成形品を
得ることができるが、以下の実施例では説明を容易にす
るため長尺平板状成形品を得る場合を例にとって説明す
る。
第1図は本発明連続プレス成形法の一実施例のフロー
チャートであって、これによれば材料の長尺合成樹脂シ
ートx(以下、シートと記す)が搬送ベルト1に載って
加熱炉2を通過する間に加熱され、プレス成形機3のプ
レス成形用金型4へ送り込まれて、後述するように平板
状に連続プレス成形される。そして、得られた長尺平板
状成形品Pは引取りロール5で引き取られ、最終的に切
断機6で所定の製品寸法に切断されて製品となる。
本発明に用いるシートxは、加熱によってある程度の
流動性をもつものであればよく、従って、PVCシートな
ど各種のプラスチック材料シートを使用することができ
るが、望ましくは軟化溶融粘度が10万ポアズ以下と低い
ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、
アクリル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレ
ンサルファイド、もしくはこれらのアロイ等よりなる熱
可塑性樹脂シートが使用される。特に、強靭な長尺成形
品を得る場合は、上記の熱可塑性樹脂の層と、平均繊維
長が10mm以上のガラス長繊維のマット(好ましくは連続
した渦巻き状のガラス長繊維を積み重ねたマット、例え
ば旭ファイバーグラス(株)製の「グラスロン・コンテ
ィニュアスストランドマット」等)とを交互に三層以上
積層した構造のシートや、7〜50mmのガラス繊維と粒状
又は粉状プラスチック材料、特に上記熱可塑性樹脂の粒
状又は粉状材料とよりなる通気性構造のシート等が好ま
しく使用される。
また、加熱炉2によるシートxの加熱温度は、シート
の樹脂の種類を考慮して、その樹脂が充分に軟化溶融す
る温度とすればよいが、あまり高温に加熱すると樹脂の
劣化により長尺成形品の強度が低下するので、例えばシ
ートxの樹脂がポリプロピレンである場合には250℃以
下、好ましくは210〜230℃の範囲に設定するのがよい。
プレス成形機3のプレス成形用金型4は、第2図及び
第3図に示すように、プレス金型7及びその前側の押え
金型8に二分割された昇降自在な上金型9と、この上金
型9の直下に設置された下金型10とから成るもので、プ
レス金型7は上部取付板11に直接固定されており、押え
金型8はコイルスプリング12を介して上部取付板11に取
付けられている。従って、この上部取付板11を昇降駆動
機構(図示せず)で昇降させれば、押え金型8はプレス
金型7と連動して上下動するようになっているが、場合
によっては、押え金型8を別個の昇降駆動機構でプレス
金型7と独立して上下動させるようにしてもよい。ま
た、押え金型7にかえてクランプ等の簡易な構造のもの
を用いてもよい。更に、プレス金型7の左右両側端に
は、プレス成形時に軟化溶融樹脂の流出を阻止する喰切
部15,15が下方にむかって突設されており、この喰切部1
5,15を受ける喰切受部16,16が下金型10の左右両側端に
凹段状に形成されている。同様に押え金型8の両側端に
も上記喰切部15,15と同形状の側壁部17,17が下方へむか
って突設されている。
しかして、前記シートxはこのプレス成形用金型4に
よって次のように連続プレス成形される。
先ず、第2図(イ)に示すように上金型9全体を上昇
させた状態で、加熱したシートxをプレス金型7と下金
型10の間に送り込む。そして、第2図(ロ)に示すよう
に上金型9全体を昇降駆動機構によって下降させ、押え
金型8を閉じてからシートxをプレス金型7でプレスし
て短尺平板状に成形する。このとき、短尺平板状のプレ
ス成形部分Xの軟化溶融樹脂がプレス圧によってプレス
金型7の後端と下金型10の後端との隙間から後方へ流出
するため、シートxの後続部分x2に隆起部aを生じ、こ
の隆起部aが周囲の空気により冷却されて半固化ないし
固化状態となる。しかし、前方及び両側方への軟化溶融
樹脂の流出は、前方の押え金型8とプレス金型7両側の
喰切部15,15によって阻止される。
最初のプレス成形が終わると、第2図(ハ)に示すよ
うに上金型9全体を上昇させ、隆起部aが形成されたシ
ートxの後続部分x2を加熱炉2へ戻して再加熱し、半固
化ないし固化状態の隆起部aを軟化溶融させる。そし
て、第2図(ニ)に示すように先のプレス成形部分Xを
前方へ移動させてその後続部分x2をプレス金型7と下金
型10の間に供給し、第2図(ホ)に示すように上金型9
全体を下降させて、先のプレス成形部分Xを押え金型8
で押圧固定すると共に、その後続部分x2をプレス金型7
でプレス成形する。このようにプレス成形すると、上記
の隆起部aが再加熱によって軟化溶融状態となっている
ため、プレス圧で完全に押しつぶされて消失し、所定厚
みの短尺平板状のプレス成形部分X2となる。また、この
プレス成形時には、プレス成形部分X2の軟化溶融樹脂が
プレス金型7の後端と下金型10の後端との隙間から流出
して、更にその後続部分X3に隆起部aを生じるが、前方
への樹脂の流出は先のプレス成形部分Xが押え金型8で
隙間なく押圧固定されているため完全に阻止され、ま
た、両側方への流出もプレス金型1両側の喰切部15,15
によって阻止される。従って、先のプレス成形部分Xの
表裏両面に流出樹脂の薄バリを生じたり、この二番目の
プレス成形部分X2の両側に流出樹脂のバリを生じたりす
ることはない。
以後同様に上金型9全体を上昇させ、隆起部aが形成
された後続部分x3を加熱炉2へ戻して再加熱してからプ
レス金型7と下金型10の間へ送り込み、上金型9全体を
下降させてプレス金型7で再加熱した後続部分を短尺平
板状にプレス成形する操作を繰り返すことによって、長
尺平板状成形品Pを得る。
このようにして得られた長尺成形品Pは、前記の隆起
部aがプレス成形時に完全に押し潰されて各プレス成形
部分X,X2,X3…がいずれも所定の厚みとなっているた
め、全長にわたってほぼ均一な厚みを有しており、従来
の連続プレス成形法によって得られる長尺成形品のよう
に後端に近づくほど厚みが漸増することはない。しか
も、各プレス成形部分X,X2,X3…の表裏両面には流出樹
脂の薄バリがなく、両側にも樹脂のバリがないので、外
観が頗る美麗であり、商品価値の極めて高いものであ
る。
以上の実施例では、隆起部aの形成されたシート後続
部分x2,x3…を再加熱するために加熱炉2へ戻している
が、後続部分x2,x3…を加熱炉2へ戻さないでガスバー
ナーなどの他の加熱手段により再加熱してもよい。ま
た、上記実施例のように隆起部aが形成されたシート後
続部分x2,x3…を加熱炉2へ戻して再加熱するときは、
先のプレス成形部分X,X2…の後端部も熱軟化して形崩れ
を生じる可能性があるので、これを防止するため再加熱
の際に、第4図に示すように先のプレス成形部分Xの後
端部を一対の断熱用ベルト13,13で上下から挟み、プレ
ス成形部分Xの後端部が再加熱されないようにするのが
望ましい。尚、第4図の実施例では、プレス成形部分X
の後端部を断熱する手段として昇降駆動源14,14により
上下動自在な上下一対の断熱用ベルト13,13を採用して
いるが、その他の昇降自在な断熱用金型や断熱用クラン
パーなど種々の断熱手段を採用できることは勿論であ
り、また、隆起部aが形成された後続部分x2を加熱炉2
の奥深くまで戻して効率良く再加熱するために、プレス
成形部分Xの後端部を加熱炉2内に入れ、この加熱炉2
内部でプレス成形部分Xの後端部を上記の断熱用ベルト
13,13等で断熱するようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明の連続プレス
成形法は、長尺合成樹脂シートのプレス成形部分を前方
へ移動させてその後端部分をプレス成形用金型へ送り込
む前に該後続部分を再加熱することによって、該後続部
分に形成された半固化ないし固化状態の隆起部を再び軟
化溶融状態となし、該隆起部がプレス成形の際に完全に
押しつぶされるようにしたので、従来のように半固化な
いし固化状態の隆起部によってプレス成形用金型の間隔
が広がることがなくなり、全長にわたってほぼ一定の厚
みを有する長尺成形品を得ることができるといった効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明連続プレス成形法の一実施例のフローチ
ャート、第2図は(イ)〜(ホ)はプレス成形の動作説
明図、第3図は同実施例に使用するプレス成形用金型の
背面図、第4図は本発明の他の実施例における再加熱の
説明図、第5図は従来の連続プレス成形法の説明図、第
6図(イ)(ロ)は従来の連続プレス成形法の問題点の
説明図である。 x……長尺合成樹脂シート、 x2,x3……後続部分、 X,X2……プレス成形部分、 a……隆起部、 2……加熱炉、 4……プレス成形用金型、 7……プレス金型、 8……押え金型、 9……上金型、 10……下金型、 13……断熱用ベルト。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱した長尺合成樹脂シートをプレス成形
    用金型に送り込んでプレス成形し、このシートのプレス
    成形部分を前方へ移動させてその後続部分をプレス成形
    用金型へ送り込んでプレス成形する操作を繰り返す連続
    プレス成形法において、上記シートのプレス成形部分を
    前方へ移動させてその後続部分をプレス成形用金型へ送
    り込む前に、該後続部分を再加熱することを特徴とする
    長尺物の連続プレス成形法。
JP16452988A 1988-06-30 1988-06-30 長尺物の連続プレス成形法 Expired - Lifetime JP2565376B2 (ja)

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