JP2564570Y2 - 溶接用エンドタブ - Google Patents

溶接用エンドタブ

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JP2564570Y2
JP2564570Y2 JP1991068761U JP6876191U JP2564570Y2 JP 2564570 Y2 JP2564570 Y2 JP 2564570Y2 JP 1991068761 U JP1991068761 U JP 1991068761U JP 6876191 U JP6876191 U JP 6876191U JP 2564570 Y2 JP2564570 Y2 JP 2564570Y2
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welding
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Inventor
長谷川和夫
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栄豊物産株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】本考案は、溶接用エンドタブに係り、より
詳細には、特に板幅方向の端面を揃えて母材を突合せ溶
接する際に抜け落ちを防止し得る耐火物製エンドタブに
関する。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】溶接継
手の構造を大別すると、一般に、母材が同一板幅の場合
と異なる板幅の場合とで若干相違している。
【0003】すなわち、母材の板幅が同じ場合は、図1
に示すように、一方の母材1(図示の場合は開先加工面
1を有する母材)と他方の母材2(図示の場合は開先加
工面を有しない母材)を突き合わせると、母材端面は板
幅方向で同じ面に揃った状態で突合わせることになる
が、母材の板幅が異なる場合には、図2に示すように、
一般的には、一方の母材1(図示の場合は開先加工面11
を有する母材)の中心と他方の母材2の中心を一致させ
て突合せるので、母材端面は板幅方向で同じ面には揃わ
ない状態で突合せることになる。もっとも、図3に示す
ように、母材の板幅が異なる場合でも、一方の母材1の
端面と他方の母材2の端面を、図1と同様に、板幅方向
で同じ面に揃った状態で突合わせることもある。
【0004】上述のように、継手構造には、図1及び図
3の場合のように母材端面が揃った状態で突合せた継手
構造(「同幅継手」という)と、図2の場合のように揃わ
ない状態で突合せた継手構造(「異幅継手」という)とが
ある。
【0005】ところで、後者の異幅継手を溶接する場合
は、裏当金を開先底部に取り付けると共に、継手端部に
エンドタブを当接すると、継手端部では、エンドタブが
裏当金の上に載り、エンドタブの側面が他方の母材に密
着した状態になるので、継手端部に隙間が生じない。
【0006】 しかし、前者の同幅継手を溶接する場合
は、図4に示すように、裏当金3を開先底部に取り付け
ると共に、継手端部にエンドタブ4を当接すると、継手
端部では、エンドタブ4が裏当金3の上に載るものの、
エンドタブ4の堰部4が裏当金3の他方の母材2側の
端部と接するだけであるので、他方の母材2側の開先底
部に隙間(図中、Aの個所)が生じる。このような継手
構造を溶接するには、この隙間でアーク抜けや抜け落ち
が生じ易いため、細心の注意が必要である。
【0007】半自動溶接の場合には、この隙間を埋めて
から本溶接が行われるので、アーク抜けや抜け落ちを防
ぐことができる。しかし、アークロボット溶接の場合に
は、この隙間を埋める施工が行われないため、アークス
タート直後のウィービングの際にアーク抜けや抜け落ち
が生じるという問題があった。
【0008】なお、上述の継手構造は、開先がV状であ
る場合について説明したが、双方の母材に開先加工面を
形成しないで突合せた継手構造、すなわち、I型の継手
構造の場合にも同様の問題があった。
【0009】本考案は、かゝる状況に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、アークロボット
溶接であれ、半自動溶接であれ、同幅継手を溶接する際
に、隙間埋めを行う必要がなく、しかも、アーク抜けや
抜け落ちを効果的に防止し得るエンドタブを提供するこ
とにある。
【0010】本考案者は、前記課題を解決するために鋭
意研究を重ねた結果、エンドタブの形状に工夫を加える
ことによって解決できることを見い出し、ここに本考案
を完成したものである。
【0011】 すなわち、本考案は、少なくとも一方の
母材に開先加工面が形成されていない母材同士を板幅方
向の端面を揃えて突合わせた継手部を溶接する際に用い
る耐火物製エンドタブにおいて、開先断面にほぼ対応す
る溶接使用面とその両面に非使用面を備えており、か
つ、開先加工面を有しない母材側の非使用面が、開先底
部レベルを越えて延長した抜け落ち防止用脚部を備えた
形状であることを特徴とする裏当金に載せて使用する溶
接用エンドタブを要旨とするものである。
【0012】以下に本考案を図面を参照して詳細に説明
する。
【0013】
【実施例】
【0014】一般に、エンドタブは、図4に示す開先形
状がV状の継手構造を溶接する際に用いられる場合を例
にとって説明すると、同図に示すように、開先断面にほ
ぼ等しい溶接使用面41とその両側に堰部42を備えてお
り、堰部42の内側には、溶接使用面41に続く傾斜面4
3を形成した形状を有している。
【0015】本考案者の研究によれば、このような形状
のエンドタブを取り付けた場合に母材との間に隙間が生
じるのは、エンドタブの堰部の形状寸法に問題があるこ
とが判明した。すなわち、両側の堰部が同一レベルの高
さに設計されているため、裏当金が取り付けられていて
も、開先加工面を有しない母材との間に多少の隙間が生
じることが判明した。そこで、この隙間をなくすため
に、開先加工面を有しない母材側の堰部の長さを下方に
延長することを見出したのである。
【0016】本考案は、異幅溶接の場合と同じ効果を発
揮し得る形状にエンドタブを構成したもので、要する
に、エンドタブの非使用面(例、堰部)に抜け落ち防止用
の脚部を設けたものである。図5は本考案のエンドタブ
の一例とその使用例を示した図で、このエンドタブ4
は、堰部を設けたタイプのエンドタブであるが、開先加
工面を有しない母材側の堰部42が、開先底部レベルを
越えて下方に適当な長さに延長した抜け落ち防止用脚部
4を備えた形状のものである。エンドタブに脚部44
設けられているため、エンドタブ4と開先加工面を有し
ない母材2との間に隙間が生じない。
【0017】図6は本考案のエンドタブの一例を示した
もので、堰部を設けたタイプのエンドタブであり、溶接
使用面41の両側に堰部42が設けられ、それぞれの堰部
2の内側には溶接使用面41に続く傾斜面43が形成さ
れている。更に、一方の堰部42は、下方に延長されて
いて、脚部44が形成されている。この脚部44の長さ
は、特に制限されないが、例えば、12mm程度でよい。
【0018】このような脚部を備えている限り、耐火物
製エンドタブの形状、寸法、材質等も、従来と同様でよ
い。例えば、図6のエンドタブは溶接使用面を両面に設
けたものであるが、図7に示すように片面にのみ溶接使
用面を設けたエンドタブも可能である。また、溶接使用
面の形状は、図6の場合はV状であるが、曲線状でもよ
く、要するに、開先断面にほぼ等しい形状であればよ
い。また、エンドタブの全体の形状を直角形(図8参照)
にしたり、円錐形又は楕円形にしたものも可能である。
【0019】なお、脚部44の上端の角部分5(図6参
照)には、堰部42と同様に傾斜面を設けてもよいが、抜
け落ちを有効に防止するには傾斜面を設けない方が好ま
しい。また、エンドタブの各々の角にカット面(角落し)
を形成してもよく、また形成しない角のままでもよい。
【0020】また、エンドタブの高さ(上端)は、通常、
母材の高さ(上端)と同じになるような寸法であるが、エ
ンドタブの上端を高くして余盛り部に相当する部分を設
けたタイプのエンドタブも可能である。
【0021】更に、上述の実施例では、非使用面として
堰部が設けられているタイプのエンドタブについて説明
したが、非使用面に堰部が設けられていないタイプ、す
なわち、非使用面が溶接使用面と同一の平面に成形され
ているタイプのエンドタブにおいても本考案を適用でき
る。例えば、図9に示すように、溶接使用面41の両側
に同一平面上に非使用面42が区分されており、一方の
非使用面42に脚部44を形成することもできる。
【0022】更に、また、上述の実施例では、堰部の有
無に拘らず、一方の非使用面に脚部44を設けた場合に
ついて説明したが、双方の母材に開先加工面が形成され
ていない継手構造、すなわち、I状の継手構造の溶接に
用いる場合には、双方の非使用面にそれぞれ脚部を設け
ることができることは云うまでもない。
【0023】 本考案のエンドタブを使用するに当たっ
ては、従来のエンドタブの場合と同様にエンドタブの底
面(脚部のない底面)を裏当金に載せて使用することが
できる。
【0024】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案によれば、
エンドタブに抜け落ち防止用脚部を設けたので、同幅継
手の溶接において、抜け落ちを効果的に防止することが
できる。特にアークロボット溶接に好適であるが、半自
動溶接においても、従来のように隙間を埋める施工が不
要となる。エンドタブは耐火物製であるので繰り返し使
用ができ経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】同幅の母材を突き合わせた場合の継手部(同幅
継手)を説明する図である。
【図2】異幅の母材を突き合わせた場合の継手部(異幅
継手)を説明する図である。
【図3】異幅の母材を突き合わせた場合で、母材端面が
揃った状態の継手(同幅継手)を説明する図である。
【図4】従来のエンドタブの一例とその使用例を示す図
で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】本考案のエンドタブの一例とその使用例を示す
図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図6】本考案のエンドタブの一例を示す図で、(a)は
斜視図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【図7】本考案のエンドタブの他の例を示す斜視図であ
る。
【図8】本考案のエンドタブの他の例を示す斜視図であ
る。
【図9】本考案のエンドタブの一例を示す図で、(a)は
斜視図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【符号の説明】
1 母材(開先加工面を有する母材) 11 開先加工面 2 母材(開先加工面を有しない母材) 3 裏当金 4 エンドタブ 41 エンドタブの溶接使用面 42 エンドタブの非使用面(堰部) 43 エンドタブの傾斜面 44 エンドタブの抜け落ち防止用脚部

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の母材に開先加工面が形
    成されていない母材同士を板幅方向の端面を揃えて突合
    わせた継手部を溶接する際に用いる耐火物製エンドタブ
    において、開先断面にほぼ対応する溶接使用面とその両
    面に非使用面を備えており、かつ、開先加工面を有しな
    い母材側の非使用面が、開先底部レベルを越えて延長し
    た抜け落ち防止用脚部を備えた形状であることを特徴と
    する裏当金に載せて使用する溶接用エンドタブ。
  2. 【請求項2】 非使用面が堰部をなし、かつ、開先加工
    面を有しない母材側の堰部に、抜け落ち防止用脚部を除
    き、溶接使用面に続く傾斜面が形成されている請求項1
    に記載の裏当金に載せて使用する溶接用エンドタブ。
  3. 【請求項3】 非使用面が溶接使用面と同一平面をなし
    ている請求項1に記載の裏当金に載せて使用する溶接用
    エンドタブ。
  4. 【請求項4】 溶接使用面が片面又は両面に形成されて
    いる請求項1、2又は3に記載の裏当金に載せて使用す
    る溶接用エンドタブ。
  5. 【請求項5】 アークロボット溶接に用いられるもので
    ある請求項1、2、3又は4に記載の裏当金に載せて使
    用する溶接用エンドタブ。
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JPH0513691U (ja) 1993-02-23

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