JP2563959B2 - 含フッ素エーテル化合物及びその製造方法 - Google Patents

含フッ素エーテル化合物及びその製造方法

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JP2563959B2 JP63040794A JP4079488A JP2563959B2 JP 2563959 B2 JP2563959 B2 JP 2563959B2 JP 63040794 A JP63040794 A JP 63040794A JP 4079488 A JP4079488 A JP 4079488A JP 2563959 B2 JP2563959 B2 JP 2563959B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、1分子中に2個の重合可能な二重結合若し
くはエポキシ基を有する含フッ素エーテル化合物に関す
る。
(従来技術及び発明が解決しようとする課題) 分子中にフッ素原子を有する化合物は、熱安定性及び
化学安定性が良好であり、更に光学性及び界面特性等に
も優れているという利点を有している。そこで、フッ素
原子を有する化合物の1分子中に2個の反応性基を導入
し、合成樹脂の製造に使用することが行なわれている。
例えば、米国特許第3310606号明細書には下記式 CF2=CFOCF2 nOCF=CF2 で示されるバーフルオロ化合物が示されてる。このよう
な1分子中に2個の反応性基を有する化合物は架橋剤と
して作用する。このため、1分子中に1個の反応性基し
か有しない化合物を用いた場合に比べて得られる合成樹
脂の物性が向上することが予想される。しかしながら、
上記した1分子中に2個のパーフルオロビニル基を有す
る化合物は、単独重合性及び他のモノマーとの共重合性
に劣るという欠点があった。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明は、1分子中に2個の反応性基を有す
る含フッ素化合物の重合性を改良することを目的として
研究を重ねた。その結果、末端の反応性基と酸素原子を
介して隣接する炭素原子に2つの水素原子が結合してい
る化合物の合成に成功し、また、該化合物が重合性に優
れていることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式〔I〕 で示される含フッ素エーテル化合物である。
上記一般式〔I〕中、R1及びR2で示されるエポキシア
ルキル基は原料の入手容易さ等の理由から、下記式 〔但し、kは1〜8の整数である。〕 で示される基が好適である。
上記一般式〔I〕中、X1,X2,X3,及びX4で示されるパ
ーフルオロアルキル基の炭素数には特に制限されない
が、原料の入手の容易さ及び上記一般式〔I〕で示され
る本発明の化合物の製造の容易さから、通常はパーフル
オロメチル基が好適である。
上記一般式中、l及びnは0以上の整数であれば良い
が、一般には0〜10の整数である化合物が得やすい。ま
た、上記一般式中、mは2以上の整数であれば良いが、
原料の入手の容易さから2〜8の範囲であることが好ま
しい。
本発明の含フッ素エーテル化合物は以下の分析手段に
より確認することが出来る。
(a)赤外吸収スペクトル(以下、IRと略称する。)を
測定することにより、3300cm-1に−OH,3000cm-1付近に
C−H,1750cm-1にC=0,1670cm-1にCH2=CHCH2−,1640c
m-1にCH2=CH−,1300〜1000cm-1にC−F,905cm-1にエポ
キシ基の各特性基に由来する吸収を観察することができ
る。
(b)フッ素核磁気共鳴スペクトル(以下、19F−NMRと
略称する。トリクロロフルオロメタン基準,高磁場側を
正とする。単位はppm。)を測定することにより本発明
の化合物中に存在するフッ素原子の結合様式を知ること
ができる。
(c)水素核磁気共鳴スペクトル(以下、H−NMRと略
称する。テトラメチルシランを基準とする。単位はpp
m。)を測定することにより本発明の化合物中に存在す
る水素原子の結合様式を知ることができる。
(d)元素分析により本発明の化合物中の水素,炭素,
フッ素の各元素の重量%を求め、各元素の重量%を和を
100から減じることにより酸素の重量%を算出し、該化
合物の化学組成式を決定することができる。
本発明の含フッ素エーテル化合物は、どのような製造
方法で得ても良いが、好適な製造方法は以下のとおりで
ある。
下記式 で示される酸フルオリドをそのまま、又はアルコールと
反応させるか若しくは加水分解した後に還元する方法等
により下記一般式〔II〕の含フッ素ジヒドロキシエーテ
ル化合物を得る。
この化合物を原料とし、これにアルキルビニルエーテ
ル,アリルハライド,アクリル酸,メタクリル酸,アク
リル酸ハライド,メタクリル酸ハライド及びエポキシド
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を反応
させる方法である。
原料として使用される上記一般式〔II〕で示される含
フッ素ジヒドロキシエーテル化合物を得るには、該当す
る酸フルオリドを、そのまま還元しても良いが、該酸フ
ルオリド化合物にメタノール,エタノール,プロパノー
ル等のアルコールを反応させて末端のフルオロカルボニ
ル基をアルコキシカルボニル基に変換するか、又は該酸
フルオリド化合物を加水分解して末端をカルボキシル基
に変換した後に還元することが好ましい。アルコールと
の反応は、酸フルオリド化合物のフルオロカルボニル基
に対して過剰量のアルコールが用いられ、一般に−30〜
50℃の温度で行なわれる。また、加水分解は、酸フルオ
リド化合物のフルオロカルボニル基に対して過剰量の水
が用いられ、上記と同様の条件で反応が行なわれる。
酸フルオリドの還元には、還元剤が使用される。還元
剤としては、米国特許第3574770号明細書に記載された
ものなど公知のものが何ら制限なく使用されるが、好適
には、リチウムアルミニウムハイドライド,リチウムボ
ロハイドライド,ナトリウムボロハイドライド等の金属
水素化物;ジボラン;アルカリ金属とアルコールの併
用;水素と白金,パラジウム,ロジウム,ルテニウム,
又はニッケル等の触媒との併用が挙げられる。還元剤と
して金属水素化物又はジボランを使用する場合には、こ
れらの還元剤は原料1モルに対して2モル以上、好まし
くは2〜8モルの範囲で使用するのが良い。この場合、
反応温度は0〜150℃、反応圧力は常圧付近で1時間か
ら2日間反応を行なうことが好ましい。また、還元剤と
してアルカリ金属とアルコールを併用する場合には、ア
ルカリ金属とアルコールとを原料1モルに対して夫々3
〜8モル及び4〜50モルの範囲で使用することが好まし
い。反応条件は上記の場合と同様の条件が採用される。
また、還元剤として水素を使用する場合には、1〜150
気圧の水素圧力下、0〜300℃で4時間から2日間反応
を行なうことが好ましい。
本発明の一般式〔I〕の化合物は、上記した還元反応
などによって得られた含フッ素ジヒドロキシエーテル化
合物とアルキルビニルエーテル,アリルハライド,アク
リル酸メタクリル酸,アクリル酸ハライド,メタクリル
酸ハライド及びエポキシドからなる群から選ばれた少く
とも1種の化合物と反応させることによって得られる。
まず、アルキルビニルエーテルとの反応に於いて使用
されるアルキルビニルエーテルのアルキル基は、その炭
素数には特に制限されるものではないが、一般には1〜
6の範囲が好適である。具体的には、メチルビニルエー
テル,エチルビニルエーテル,プロピルビニルエーテ
ル,ブチルビニルエーテル,ペンチルビニルエーテル等
のアルキルビニルエーテルを挙げることができる。アル
キルビニルエーテルの使用量は含フッ素ジヒドロキシエ
ーテル化合物1モルに対して2〜10モルの範囲であるこ
とが好ましい。また、酢酸第2水銀,安息香酸第2水
銀,フエニル酢酸第2水銀,シュウ酸第2水銀,クエン
酸第2水銀等の弱酸の水銀塩を含フッ素ジヒドロキシエ
ーテル化合物1モルに対して0.005〜0.1モルの範囲で使
用することが好ましい。反応温度は、0〜100℃、反応
時間は4〜72時間の範囲から採用される。
次に、前記一般式〔I〕で示される本発明の化合物
中、R1及びR2がアリル基である化合物は、含フッ素ジヒ
ドロキシエーテル化合物とアリルハライドとの反応で得
られる。アリルハライドとしては、塩化アリル,臭化ア
リル及びヨウ化アリルが使用される。アリルハライドの
使用量は、含フッ素ジヒドロキシエーテル化合物1モル
に対して2〜8モルの範囲であることが好ましい。ま
た、反応に際しては、通常は水酸化ナトリウム,水酸化
カリウム及び炭酸ナトリウム等の塩基性化合物が、含フ
ッ素ジヒドロキシエーテル化合物1モルに対して2〜10
モルの範囲で使用される。反応温度は0〜100℃で反応
時間は1時間から1日の範囲が採用される。
前記一般式〔I〕で示される本は発明の化合物中、R1
及びR2がアクリロイル基又はメタクリロイル基である化
合物は、含フッ素ジヒドロキシエーテル化合物とアクリ
ル酸又はメタクリル酸或いはアクリル酸ハライド又はメ
タクリル酸ハライドとを反応させることによって得るこ
とができる。アクリル酸又はメタクリル酸を用いる場合
には、含フッ素ジヒドロキシエーテル化合物1モルに対
してアクリル酸又はメタクリル酸を2〜8モルの範囲で
使用し、硫酸,塩酸,トリフルオロ酢酸無水物,又はP
−トルエンスルホン酸等の酸触媒を0.01〜0.2モルの範
囲で使用し、反応温度50〜150℃、反応時間4〜24時間
の条件で反応を行なうことが好ましい。また、アクリル
酸ハライド,メタクリル酸ハライドを用いる場合には、
含フッ素ジヒドロキシエーテル化合物1モルに対してア
クリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドを2〜4モ
ルの範囲で使用し、ジメチルアニリン,トリエチルアミ
ン,トリブチルアミン等の塩基性化合物を脱酸剤として
2〜4モルの範囲で使用し、反応温度0〜100℃、反応
時間1〜24時間の条件で反応を行なうことが好ましい。
以上に述べた反応に於いては、二重結合の開裂による
重合を防止するために、重合禁止剤としてハイドロキノ
ン,t−ブチルカテコール,P−キノン等を含フッ素ジヒド
ロキシエーテル化合物に対して0.01〜00.5重量%を使用
することが好ましい。
最後に、前記一般式〔I〕で示される本発明の化合物
中、R1及びR2がエポキシアルキル基である化合物は、含
フッ素ジヒドロキシエーテル化合物とエポキシドとの反
応によって得ることができる。エポキシダとしては、下
記式 で示される化合物が好ましく、特にエピクロルヒドリ
ン,エピブロモヒドリンが好適である。エポキシドの使
用量は、含フッ素ジヒドロキシエーテル化合物1モルに
対して2〜8モル範囲が好ましい。反応に際しては、水
酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム及び
炭酸カリウム等の塩基性化合物を2〜10モルの範囲で使
用することが好ましく、また、テトラブチルアンモニウ
ムハイドロジエンサルフエート,テトラペンチルアンモ
ニウムクロリド,テトラヘキシルアンモニウムクロリド
等の相間移動触媒を0.01〜0.1モルの範囲で使用するこ
とが好ましい。反応は、水又は有機溶媒中で10〜100
℃、1時間から1日の条件で行なうことができる。
(効 果) 本発明の含フッ素エーテル化合物のうち、エポキシ基
を有する化合物は耐薬品性,耐熱性の優れたエポキシ樹
脂として利用することができる。また、本発明の含フッ
素エーテル化合物のうちビニル基,アリル基,アクリロ
イル基,メタクリロイル基を有する化合物はその2個の
二重結合を利用してフッ素系樹脂及びゴムの架橋剤とし
て使用し得るほか、C−F結合の防汚性,撥水性を利用
して撥水撥油処理剤,C−F結合の低屈折率特性を利用し
て眼鏡レンズの表面処理,酸素透過性を利用したコンタ
クトレンズ用モノマー,更にこれらの二重結合にトリク
ロロシランを付加した後、加水分解して重合することに
より含フッ素ケイ素樹脂を合成することができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を具体的に示す。
原料合成例1 ステンレス製反応容器にテトラエチレングリコールジ
メチルエーテル100重量部,乾燥したフッ化カリウム10
重量部を入れ、ドライアイス−メタノールで反応容器を
冷却しながらオキザリルフルオリド100重量部を導入し
た。その後、0℃の反応温度下にヘキサフルオロプロピ
レンオキシド700重量部を付加反応させ、蒸留すること
によって、 部を単離した。これら化合物のうち、 60重量部とメタノール13重量部を低温で反応させ、水
洗、乾燥、蒸留することによりパーフルオロカルボン酸
ジメチルエステル (BP.88〜90℃/10mmHg)50重量部を単離した。次いで、
乾燥したジエチルエーテル50重量部に、リチウムアルミ
ニウムハイドライド5.1重量部を投入し、撹拌下に上記
パーフルオロカルボン酸ジメチルエステル30重量部を5
℃の反応温度下に2時間かけて滴下し、その後1時間還
流した。反応後、塩酸水溶液で処理し、ジエチルエーテ
ルで抽出し乾燥した後、蒸留することにより、沸点102
〜106℃/4mmHgで常温で白色固定である化合物を23重量
部単離した。この化合部構造は、IR(図1)、F−NMR
(図2)、H−NMR(図3)、元素分析より であることを確認した。
(1) IR 300cm-1 −OH 1300〜1000cm-1 C−F (2) H−NMR、F−NMR (a) 4.27 (d,JH-F=12Hz) (b) 135 (c) 85.5 (d) 81.5 (3) 元素分析 実測値:水素1.51%,炭素24.12%,フッ素57.82%,酸
素16.55% 論理値:水素1.53%,炭素24.38%,フッ素57.85%,酸
素16.23% 実施例1 原料合成例1で得られた 9重量部、ジエチルエーテル15重量部,ジメチルアニリ
ン6.6重量部,ハイドロキノン0.01重量部を混合した
後、還流下にアクリル酸クロリド4.4重量部を滴下じ6
時間反応させた。反応後、稀硫酸水溶液でジエチルエー
テル層を洗浄した後乾燥し蒸留することによって、沸点
101〜103℃/4mmHgの化合物5重量部を得た。この化合物
の構造はIR(図4)、F−NMR(図5)、H−NMR(図
6)、元素分析より下記構造であることがわかった。
(1) IR 3000cm-1 C−H 1750cm-1 C=O 1640cm-1 CH2=CH− 1300〜1000cm-1 C−F (2) H−NMR、F−NMR (a) 5.86 (b) 6.39 (c) 6.15 (d) 4.70(JHF=11Hz) (e) 133 (f) 85.5 (g) 82.0 (3) 元素分析 実測値:水素2.02%,炭素33.61%,フッ素45.27%,酸
素19.10% 理論値:水素2.01%,炭素33.48%,フッ素45.40%,酸
素19.11% 実施例2 原料合成例1で得られた含フッ素ジヒドロキシエーテ
ル化合物8重量部をジエチルエーテル20重量部に溶解
し、更にエチルビニルエーテル2重量部,酢酸水銀0.06
重量部,ハイドロキノン0.01重量部を混合し、還流下に
1日反応させ、エーテル,エチルビニルエーテルを分解
した後、液状物4重量部を得た。この混合物の構造はI
R、H−NMR、F−NMR、元素分析より下記構造であるこ
とを確認した。
、1) IR 300cm-1 C−H 1650cm-1,1630cm-1 CH2=CH 1300〜1000cm-1 C−F (2) H−NMR、F−NMR (a) 4.18 (b) 4.42 (c) 6.54 (d) 4.46(JHF=10Hz) (e) 133 (f) 85.5 (g) 82.0 (3) 元素分析 実測地:水素2.14%,炭素32.41%,フッ素51.55%,酸
素13.90% 理論値:水素2.24%,炭素32.29%,フッ素51.12%,酸
素14.35% 実施例3 原料合成例1で得られた含フッ素ジヒドロキシエーテ
ル化合物10重量部をジエチルエーテル100重量部で希釈
した後、金属ナトリウム1.5gと反応させアルコキシドを
生成させた。その後、室温下に塩化アリル6重量部を1
時間かけて滴下後、8時間還流し蒸留することによって
液状物を7重量部得た。この化合物の構造はIR,F−NMR
及び元素分析より下記の構造であることを確認した。
(1) IR 3000cm-1 C−H 1670cm-1 CH2=CHCH2− 1300〜900cm-1 C−F (2)FC−NMR (a) 82.0 (b) 133 (c) 85 (3) 元素分析 実測値:水素29.1%,炭素35.81%,フッ素47.85%,酸
素13,4% 理論値:水素2.95%,炭素35.44%,フッ素48.10%,酸
素13.50% 実施例4 原料合成例1で得られた 10重量部,イソプロピルエーテル20重量部,トリフルオ
ロ酢酸無水物0.4重量部,メタアクリル酸6.5重量部及び
p−キノン0.01gを混合し1日還流させた。反応後、水
洗,乾燥しイソプロピルエーテルを留去することによっ
て液状物8重量部を得た。この化合物の構造はRI、F−
NMR及び元素分析より下記の構造であることがわかっ
た。
(1) IR (2) F−NMR (a) 82.0 (b) 133 (c) 85.5 (3) 元素分析 実測値:水素2.61%,炭素36.27%,フッ素43.55%,酸
素17.57% 理論値:水素2.64%,炭素36.23%,フッ素43.02%,酸
素18.11% 実施例5 原料合成例1で得られた 10重量部,ジエチルエーテル40重量部,50水酸化ナトリ
ウム12重量部及びテトラブチルアンモニウムハイドロジ
エンサルフエート0.3重量部を混合し激しく撹拌しなが
らこれにエピクロルヒドリン7重量部を1時間かけて滴
下し、その後1日間還流下に反応させた。反応後水洗し
ジエチルエーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
蒸留によりジエチルエーテル及びエピクロルヒドリンを
除去した後、液状物6重量部を単離した。この化合物の
構造はIR,H−NMR,F−NMR及び元素分析より下記構造であ
ることがわかった。
(1) IR 3000cm-1付近 C−H 1300〜1000cm-1 C−F 910cm-1 エポキシ基 (2) H−NMR 2.2〜3.9ppmにエポキシ基に基因するマルチプレット
が観察された。
(3) F−NMR 原料である含フッ素ジハイドロオキシエーテル化合物
とほとんど同じスペクトルを示した。
(4) 元素分析 実測値:水素2.91%,炭素33.52%,フッ素44.75%,酸
素18.82% 理論値:水素2.77%,炭素33.20%,フッ素45.06%,酸
素18.97% 原料合成例2〜5 原料合成例1と同様にして種々のパーフルオロアルカ
ンジオイルフルオリド を出発物質をとしてその両端末にヘキサフルオロプロピ
レンオキシドを付加反応させた化合物を作り、更にメタ
ノールでカルボン酸エステル化した後、リチウムアルミ
ニウムハイドライドを用いて両端末を還元し、本発明の
含フッ素ジヒドロキシエーテル化合物を得た。これらの
化合物のIRを測定したところ、いずれの化合物にも3300
cm-1に−O基,1300〜1000cm-1にC−F基による吸収が
観察された。また、元素分析を行なうことにより本発明
の含フッ素ジヒドロキシエーテル化合物であることを確
認した(第1表)。
実施例6 原料合成例2で得られた 10重量部,ジエチルエーテル30重量部,ジメチルアニリ
ン6.6重量部,P−キノン0.01重量部を混合した後、還流
下にメタクリル酸クロリド5重量部を滴下し8時間反応
させた。反応後、希硫酸水溶液でジエチルエーテル層を
洗浄した後乾燥し蒸留することにより液状物6重量部を
得た。この化合物の構造はIR、元素分析より下記構造で
あることがわかった。
(1) IR (2) 元素分析 実測値:水素2.56%,炭素36.12%,フッ素46.12%,酸
素15.20% 理論値:水素2.41%,炭素35.17%,フッ素45.86%,酸
素16.55% 実施例7 原料合成例4で得られた含フッ素ジヒドロキシエーテ
ル化合物10重量部をジエチルエーテル20重量部に溶解
し、ブチルビニルエーテル3重量部及びフエニル酢酸第
2水銀0.05重量部を混合し、還流下に2日間反応させジ
エチルエーテル及びブチルビニルエーテルを分離した
後、液状物を5重量部得た。この化合物の構造はIR、元
素分析より下記の構造であることがわかった。
(1) IR 3000cm-1 C−H 1650cm-1,1630cm-1 CH2=CH 1300〜1000cm-1 C−F (2) 元素分析 実測値:水素0.50%,炭素59.63%,フッ素63.35%,酸
素6.52% 理論値:水素0.69%,炭素29.79%,フッ素62.90%,酸
素6.62% 実施例8 原料合成例3で得られた含フッ素ジヒドロキシエーテ
ル化合物10重量部をテトラハイドロフラン100重量部に
溶解させた後、50%水酸化ナトリウム水溶液6重量部及
びテトラブチルアンモニウムクロリド0.3gを入れ、激し
く撹拌しながら臭化アリル6.5重量部を1時間の速度で
滴下し、更に還流下で4時間反応させた。その後、水洗
・乾燥・蒸留の操作を経て液状物6重量部を得た。この
化合物の構造はIR、元素分析の測定により下記の構造で
あることを確認した。
(1) IR 3000cm-1 C−H 1670cm-1 CH2=CHCH2− 1300〜1000cm-1 C−F (2) 元素分析 実測値:水素1.15%,炭素26.82%,フッ素62.34%,酸
素9.69% 理論値:水素1.03%,炭素26.59%,フッ素61.74%,酸
素10.64% 実施例9 原料合成例5で得られた含フッ素ジヒドロキシエーテ
ル化合物10重量部をテトラハイドロフランに溶解させ、
50%水酸化ナトリウム4重量部とテトラブチルアンモニ
ウムハイドロジエンサルフエート0.3重量部を投入し、
激しく撹拌しながらエピブロモヒドリン5重量部を滴下
させ50℃で8時間反応させた。反応後水洗し、ジエチル
エーテルで抽出し、乾燥した後、単蒸留によりエーテ
ル,エピブロモヒドリンを除去後、液状物6重量部を得
た。この化合物の構造はIR、元素分析により下記の構造
であることがわかった。
(1) IR 3000cm-1付近 C−H 1300〜1000cm-1 C−F 910cm-1 エポキシ基 (2) 元素分析 実測値:水素2.11%,炭素31.98%,フッ素52.73%,酸
素13.18% 理論値:水素2.13%,炭素31.09%,フッ素52.14%,酸
素14.64% 参考例1 実施例1で得られた 0.5重量部にスチレン0.5重量部及びアゾビスイソブチロ
ニトリル0.01重量部を混合し、温度50℃で1時間重合
し、60℃で真空乾燥し0.95重量部の透明な樹脂を得た。
この樹脂はトリクロロトリフルオロエタン及びアセトン
に不溶の樹脂であった。
比較参考例 重合性を比較するため、パーフルオロジビニルエーテ
ル CF2=CFO(CF25OCF=CF2 0.5重量部、スチレン0.5重
量部及びアゾビスイソブチロニトリル0.01重量部を混合
し重合を行なったが、二層に分離し共重合が不可能であ
った。
参考例2 実施例5で得られた 1重量部にジアミノジフエニルメタン0.2重量部を混合
し、80℃で4時間硬化させ、続いて160℃で6時間硬化
した。その結果、1.1重量部の不溶不融のエポキシ樹脂
が得られた。
参考例3 0.2重量部,アクリル酸ブチル0.5重量部及びアゾビスイ
ソブチロニトリル0.01重量部を60℃の温度下8時間重合
し0.98重量部の重合体を得た。この重合体は4塩化炭
素,ジメチルホルムアミド等に不溶な架橋物であった。
一方、 0.2重量部,アクリル酸ブチル0.8重量部及びアゾビスイ
ソブチロニトリル0.01重量部を60℃の温度下8時間重合
し0.91重量部の重合体を得た。この重合体は4塩化炭
素,ジメチルホルムアミドに可溶な線状重合体であっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図及び第3図は、原料合成例1で得られた
含フッ素エーテル化合物について、また、第4図,第5
図及び第6図は、実施例1で得られた含フッ素エーテル
化合物についての赤外吸収スペクトル、19F−核磁気共
鳴スペクトル及び1H−核磁気共鳴スペクトルを夫々示
す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)一般式 で示される含フッ素エーテル化合物。 (2)一般式 で示される含フッ素ジヒドロキシエーテル化合物をアル
    キルビニルエーテル、アリルハライド、アクリル酸、メ
    タクリル酸、アクリル酸ハライド、メタクリル酸ハライ
    ド及びエポキシドよりなる群から選ばれた少くとも1種
    の化合物を反応させることを特徴とする下記式 で示される含フッ素エーテル化合物の製造方法。
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