JP5352971B2 - 含フッ素ポリエーテルオリゴマー、その製造方法およびそれを含有する硬化性組成物 - Google Patents

含フッ素ポリエーテルオリゴマー、その製造方法およびそれを含有する硬化性組成物 Download PDF

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本発明は、含フッ素ポリエーテルオリゴマー、その製造方法およびそれを含有する硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、耐熱性および低温特性に優れ、その上良好な耐薬品性を示す硬化物を与え得る含フッ素ポリエーテルオリゴマー、その製造方法およびそれを含有する硬化性組成物に関する。
分子末端に官能基を有する含フッ素ポリエーテル化合物としては、例えば一般式
Figure 0005352971
で表わされる化合物が知られている。
特開平11−343336号公報
また、上記化合物の主鎖構造をオリゴマー化したより一般的な化合物として、一般式
Figure 0005352971
で表わされる化合物が知られている。
特許2990646号公報
これらの一般式で表わされる化合物群は、Si-H基を分子内に複数個有する含フッ素オルガノ水素シロキサン化合物および白金化合物触媒により硬化し、非常に優れた特性(耐薬品性、耐熱性、低温特性)を有するエラストマー性成形物を与え得るとされ、特に-50℃程度の低温条件下でも柔軟性を失わずに、使用に耐え得るとされる。また、これらを主成分とする硬化性組成物は、抜群の成形加工性を有し、RIM成形も可能とさせる。しかしながら、この硬化物は、分子内架橋構造にシロキサン結合を有するため、フッ化水素などの酸性物質が存在する条件下で使用されると、化学的劣化によりそれの機械的な強度が低下するなどの好ましくない結果を与えることもある。
また、本発明者は先に、下記一般式で表わされる含フッ素ポリエーテル化合物を主成分とする硬化性組成物を提案している(特開2008-266462号公報)
Figure 0005352971
R1:水素原子、C1〜C3のアルキル基、フェニル基
R2:C2〜C10の2価の脂肪族炭化水素基
上記含フッ素ポリエーテル化合物は、適当な硬化剤と有機パラジウム化合物触媒を用いて硬化させ、エラストマー性成形物を得ることができる。この硬化性組成物は、室温で適度な流動性を示すとともに、硬化物の低温特性も良好で-50℃程度でも柔軟性を失わない。また、架橋構造にシロキサン結合を含まないため酸性条件下でも化学的劣化が起り難い。しかしながら、上記含フッ素ポリエーテル化合物はその製造上、ヘキサフルオロイソプロポキシ繰り返し単位(l+m)は130程度が限度とされ、結果的に含フッ素ポリエーテル化合物を硬化して得られる成形物の機械的強度が制限されることとなる。
本発明の目的は、Si-H結合を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン化合物を必要としないで硬化可能であり、その上耐熱性、低温特性、耐薬品性および成形加工性に優れ、しかも機械的強度が改善された硬化物を与える含フッ素ポリエーテルオリゴマー、その製造方法およびそれを含有する硬化性組成物を提供することにある。
本発明によって、一般式
Figure 0005352971
(ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、R2は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状の2価の脂肪族炭化水素基であり、BO2R2基のフェニル基上の置換位置はNR1基に対してm-またはp-位であり、Rfは下記一般式で表わされる2価のパーフルオロポリエーテル基であり、
Figure 0005352971
ただし、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数でl+mは30〜130であり、分子鎖内部のNR1基に結合したフェニレン基は、分子末端のフェニレン基と同じm-またはp-フェニレン基であり、2つのC6H4NR1基が結合したフェニレン基は、それとは独立にm-またはp-フェニレン基であり、nは1以上の整数である)で表わされ、25℃における粘度が1〜1000Pa・sである含フッ素ポリエーテルオリゴマーが提供される。
かかる含フッ素ポリエーテルオリゴマーは、一般式
Figure 0005352971
(ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、R2は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状の2価の脂肪族炭化水素基であり、BO2R2基のフェニル基上の置換位置はNR1基に対してm-またはp-位であり、Rfは下記一般式で表わされる2価のパーフルオロポリエーテル基であり、
Figure 0005352971
ただし、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数でl+mは30〜130である)で表わされる含フッ素ポリエーテルに、一般式
Figure 0005352971
(ここで、Xはヨウ素原子または臭素原子である)で表わされるm-またはp-ジハロゲン化ベンゼンを反応させることにより製造される。
このようにして得られる含フッ素ポリエーテルオリゴマーは、以下の硬化性組成物の主成分として用いられる。具体的には、本発明に係る硬化性組成物は、以下の各成分より構成される。
(A)成分 含フッ素ポリエーテルオリゴマー 100重量部
(B)成分 1,3,5-トリハロゲン化ベンゼン 0.1〜10重量部
(C)成分 0価または2価の有機パラジウム化合物 0.0001〜1重量部
(D)成分 塩基性無機化合物または塩基性有機化合物 0.1〜10重量部
(E)成分 有機リン化合物 0〜5重量部
本発明に係る含フッ素ポリエーテルオリゴマーは、入手容易な原料物質から、平易な反応によって製造することができる。また、特定の硬化剤および硬化触媒とともに、硬化性含フッ素ポリエーテルオリゴマー組成物を形成することができる。この硬化性含フッ素ポリエーテルオリゴマー組成物は、室温で適度な流動性を示すなど良好な加工性を有し、射出成形、RIM等種々の成形方法に適用できる。また、それを硬化することで、耐熱性および低温特性に優れ、さらにフッ化水素等の酸性条件下でも使用可能な程の耐薬品性にも優れ、また機械的強度が改善された硬化物を与える。かかる組成物を硬化して得られる成形物は、上述の如き諸特性を有するため、自動車燃料供給系シール材、オイルシール材、航空機燃料系および油圧系シール材、半導体製造装置シール材等の各種用途に好適に使用される。
本発明の含フッ素ポリエーテルオリゴマー
Figure 0005352971
において、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、製造面からはアルキル基またはフェニル基であることが好ましく、特にメチル基であることが好ましい。R2は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状の2価の脂肪族炭化水素基であり、BO2R2基のフェニル基上の置換位置はNR1基に対してm-またはp-位である。R2としては、例えば-CH2C(CH3)2CH2-、-CH2CH2CH2-、-C(CH3)2C(CH3)2-、-C(CH3)2CH2C(CH3)2-基等が挙げられ、好ましくは-C(CH3)2C(CH3)2-基が用いられる。また、分子鎖内部のNR1基が結合したフェニレン基は、分子末端のフェニレン基と同じm-またはp-フェニレン基であり、2つのC6H4NR1基が結合したフェニレン基は、それとは独立にm-またはp-フェニレン基であり、nは1以上の整数である。
Rfは、一般式
Figure 0005352971
で表わされる2価のパーフルオロポリエーテル基である。上記パーフルオロポリエーテル基において、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数でl+mは30〜130である。
かかる含フッ素ポリエーテルオリゴマーは、一般式
Figure 0005352971
で表わされる含フッ素ポリエーテルに、一般式
Figure 0005352971
X:ヨウ素原子または臭素原子
で表わされるm-またはp-ジハロゲン化ベンゼンを反応させることによって製造される。
上記一般式で表わされる原料物質含フッ素ポリエーテルとしては、次のような化合物が例示される。
Figure 0005352971
Figure 0005352971
Figure 0005352971
Figure 0005352971
この原料物質含フッ素ポリエーテルに対して、0.3〜1.5モル、好ましくは0.5〜1.0の割合で用いられるm-またはp-ジハロゲン化ベンゼンは、そのモル比が0.5で用いられた場合には、化学量論的にはn=1の含フッ素ポリエーテルオリゴマーが得られるが、実際にはn<1となることもある。これよりもモル比を多く用いると、nの値が1よりも大きい目的物質含フッ素ポリエーテルオリゴマーが得られるようになる。また、このモル比が1.0よりも大きくなると、含フッ素ポリエーテルオリゴマーの分子末端が-C6H4-BO2R2以外の基となる場合があり、注意が必要である。
鎖延長剤として用いられる、前記一般式で表わされるm-またはp-ジハロゲン化ベンゼンとしては、例えば1,3-ジヨードベンゼン、1,4-ジヨードベンゼン、1,3-ジブロモベンゼン、1,4-ジブロモベンゼン等が挙げられ、特に鎖延長反応の迅速性の点からは1,3-ジヨードベンゼン、1,4-ジヨードベンゼンが好んで用いられる。
これら両者間の反応、すなわちジハロゲン化ベンゼンによる鎖延長反応に際しては、0価または2価の有機パラジウム化合物が反応触媒として用いられる。有機パラジウム化合物としては、後記組成物の(C)成分に相当する化合物が、原料物質含フッ素ポリエーテルに対して0.01〜50モル%、好ましくは0.1〜10モル%の割合で用いられる。
また、塩基性無機化合物または塩基性有機化合物が、反応の中和剤として、原料物質含フッ素ポリエーテルに対して1〜10モル当量、好ましくは2〜5モル当量の割合で用いられる。塩基性の無機化合物または有機化合物としては、後記組成物の(D)成分に相当する化合物が用いられる。
さらに、分子内にリン化合物を含まない有機パラジウム化合物が反応触媒として用いられる場合には、触媒安定化剤として有機リン化合物を用いることが好ましく、有機リン化合物としては、後記組成物の(E)成分に相当する化合物が、有機パラジウム化合物反応触媒に対して0.5〜10モル当量、好ましくは1〜4モル当量の割合で用いられる。
鎖延長反応に際しては、ベンゾトリフルオリド、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等の部分フッ素化された芳香族炭化水素溶媒、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等の脂肪族含フッ素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の非フッ素系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、水またはこれらを混合した溶媒を用いることができる。好ましい例は、ベンゾトリフルオリド-エタノール-水混合溶媒、ベンゾトリフルオリド-メタノール-水混合溶媒、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン-エタノール-水混合溶媒が挙げられる。含フッ素系溶媒が混合溶媒として用いられる場合には、混合溶媒中約10〜90重量%の割合で用いられ、アルコール系溶媒はそれと水との可溶化溶媒として用いられる。反応は-50〜150℃、好ましくは0〜100℃で行われる。また、反応は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
原料物質含フッ素ポリエーテルのジハロゲン化ベンゼンによる鎖延長反応は、有機パラジウム触媒によるアリールボロン酸エステルとハロゲン化アリールのクロスカップリング反応(鈴木−宮浦反応)に基づくものであり、ジハロゲン化ベンゼンとしてp-ジハロゲン化ベンゼンを用いた場合には、模式的には次のように表わされる。
Figure 0005352971
また、BO2R2基のフェニル基上の置換位置はN(CH3)基に対してp-位またはm-位であり、分子鎖内部のN(CH3)基に結合したフェニレン基が分子末端のフェニレン基と同じp-フェニレン基またはm-フェニレン基であり、2つのC6H4N(CH3)基が結合したフェニレン基がm-またはp-フェニレン基である含フッ素ポリエーテルオリゴマーの例としては、次のような化合物が例示される。
Figure 0005352971
Figure 0005352971
Figure 0005352971
Figure 0005352971
本発明の硬化性含フッ素ポリエーテルオリゴマー組成物は、上記含フッ素ポリエーテルオリゴマー〔(A)成分〕を主成分とする、以下の各成分から構成される。
(A)成分 含フッ素ポリエーテルオリゴマー 100重量部
(B)成分 1,3,5-トリハロゲン化ベンゼン 0.1〜10重量部
(C)成分 0価または2価の有機パラジウム化合物 0.0001〜1重量部
(D)成分 塩基性無機化合物または塩基性有機化合物 0.1〜10重量部
(E)成分 有機リン化合物 0〜5重量部
上述の硬化性組成物の硬化反応は、パラジウム触媒による、アリールボロン酸またはそのエステルとハロゲン化アリールのクロスカップリング反応(鈴木−宮浦反応)に基づくものである。
Chem. Rev. 95巻 2457頁 (1995)
以下各成分の実施形態について順次説明する。
(A)成分である前記一般式で表わされる含フッ素ポリエーテルオリゴマーにおいて、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であるが、分子内または分子間水素結合および硬化における副反応を避けるために、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基が好ましい。特に、原料の入手のし易さの点から、メチル基が選ばれる。R2は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状の2価の脂肪族炭化水素基であり、BO2R2基のフェニル基上の置換位置は、NR1基に対してm-またはp-位である。BO2R2基のフェニル基上の置換位置がNR1基に対してo-位の場合、立体的要因により硬度速度が低下するので好ましくない。また、Rfで表わされる2価のパーフルオロポリエーテル基において、l+mは30〜130であるが、硬化後十分な機械的強度を有する硬化物を得るには、l+mは50〜130であることが好ましい。
(A)成分として用いられる、含フッ素ポリエーテルオリゴマーの25℃における粘度は、1〜1000Pa・sであるが、硬化後に得られる成形物の機械的強度を考慮すると、10〜1000Pa・sであることが好ましい。
(B)成分は、下記一般式で表わされる1,3,5-トリハロゲン化ベンゼン
Figure 0005352971
を用いることができる。ここで、Xはヨウ素原子または臭素原子であり、硬化の迅速性を考慮するとヨウ素原子であることが好ましい。具体的な例としては、1,3,5-トリヨードベンゼン、1,3,5-トリブロモベンゼン等が挙げられる。
(B)成分1,3,5-トリハロゲン化ベンゼンは、(A)成分含フッ素ポリエーテルオリゴマー100重量部当り0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。(B)成分がこれより少ないと、硬化が不十分となるかまたは得られる硬化物の機械的強度が低下する。一方、これより多い割合で用いることは、それに見合った効果が見込めず、経済的でない。
硬化触媒として用いられる(C)成分有機パラジウム化合物としては、0価または2価の有機パラジウム化合物が用いられる。0価のパラジウム化合物は、そのまま0価の状態で硬化反応の触媒として作用する。2価の有機パラジウム化合物は、(A)成分、(B)成分または後述の(E)成分有機リン化合物により0価に還元された後、触媒作用を発現する。(C)成分有機パラジウム化合物は、(A)成分含フッ素ポリエーテルオリゴマー100重量部当り、0.0001〜1重量部、好ましくは0.001〜0.2重量部の割合で用いられる。(C)成分がこれより少ないと、十分な硬化が行われず、一方これより多い割合で用いることは経済的でない。
0価の有機パラジウム化合物としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等が用いられる。2価の有機パラジウム化合物としては、例えば酢酸パラジウム、アリルパラジウムクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド、ビス(トリ第3ブチルホスフィン)パラジウムクロリド、〔1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕ジクロロパラジウム等が用いられる。特に、酢酸パラジウムが好適に用いられる。
なお、酢酸パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、アリルパラジウムクロリドのように分子内にリン化合物を含まない有機パラジウム化合物を用いる場合、その安定剤として、一般式
Figure 0005352971
で表わされる(E)成分有機リン化合物を併用することが好ましい。
ここで、R3、R4、R5はそれぞれ独立に、置換基を有し得る炭素数1〜10の鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数5〜12の環状脂肪族炭化水素基または炭素数6〜20の芳香族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基を有する有機リン化合物の具体例としては、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ第3ブチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン等が挙げられる。
また、芳香族炭化水素基を有する有機リン化合物としては、一般式
Figure 0005352971
で表わされるトリフェニルホスフィン化合物類または一般式
Figure 0005352971
で表わされる、Buchwald配位子と総称される化合物群を用いることもできる。
USP 6,307,087 USP 6,294,627
ここで、A、B、Cはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基あるいは炭素数1〜3のアルキル基を有するアルコキシ基またはジアルキルアミノ基である。R7は炭素数1〜6の鎖状または環状の脂肪族炭化水素基である。トリフェニルホスフィン化合物類としては、トリフェニルホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(1,3,5-トリイソプロピルフェニル)ホスフィン等が例示される。Buchwald配位子の具体例としては、(2-ビフェニル)ジシクロヘキシルホスフィン、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′,6′-ジメトキシビフェニル、2-ジ-第3ブチルホスフィノ-2′,4′,6′-トリイソプロピルビフェニル、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2′-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル等の化合物が例示される。
その他、分子内に2個のリン原子を有する、一般式
Figure 0005352971
で表わされる二座配位子有機リン化合物も用いることができる。ここで、R6は置換基を有し得るフェニル基または炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基であり、Yは2価の炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基またはメタロセン基である。
具体例には、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,1′-ビス(ジ第3ブチルホスフィノ)フェロセン、2,2′-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1′-ビナフタレン等の化合物が例示される。
(E)成分有機リン化合物は、(C)成分有機パラジウム化合物のPd原子に対して0.5〜10モル当量、好ましくは1〜4モル当量用いられる。(A)成分に対しては、その100重量部当り0.1〜2重量部の割合で用いられることが好ましい。
(D)成分の塩基性無機化合物または塩基性有機化合物としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩あるいは炭酸水素塩、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩あるいはリン酸水素塩、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物または水酸化物、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属フッ化物、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢酸塩、ナトリウムメトキシド、有機アミン類が挙げられる。好ましい例は、リン酸カリウムである。(D)成分塩基性無機化合物または塩基性有機化合物は、(A)成分含フッ素ポリエーテルオリゴマー100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いられる。(D)成分を添加しないと硬化反応がきわめて遅いかあるいは全く起こらない場合がある。
硬化性含フッ素ポリエーテル組成物中には、これらの各成分以外に、硬化反応を阻害しない量および純度を有する各種充填剤、補強剤、顔料等適宜配合して用いられる。組成物の調製は、3本ロールミル、プラネタリミキサー等を用いて混練することにより行われ、混合物の硬化は、室温〜200℃で圧縮成形、射出成形、RIM成形等により約1〜60分間行われ、必要に応じて50〜250℃で1〜30時間程度のオーブン加硫(二次加硫)が行われる。
次に、実施例について本発明を説明する。
参考例
(1) 含フッ素ジカルボン酸フルオリド化合物の調製
Figure 0005352971
攪拌装置、温度センサ、ガス導入口およびドライアイス/エタノール冷却凝縮器を備えた内容量1Lのガラス製反応容器を低温恒温槽に設置し、ジアルコキシド化合物 CsOCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CF2OCs を23ミリモルを含むテトラグライム溶液60gを仕込んだ。内温を-33〜-30℃に調整した後、ガス導入口よりヘキサフルオロプロペンを36g仕込んだ。次に、ヘキサフルオロプロペンオキシドを10g/hr、ヘキサフルオロプロペンを4g/hrの供給速度で反応容器内に仕込んだ。43時間経過後、ガスの供給を停止し、さらに1時間-33〜-30℃に内温を保った。減圧下でヘキサフルオロプロペンを反応系内より除去した後、室温までゆっくり昇温した。さらに100℃まで昇温し、減圧下でヘキサフルオロプロペンオリゴマーを反応混合物より除去した。このようにして、フッ化セシウム、テトラグライムおよび含フッ素ジカルボン酸フルオリドからなる混合物を淡黄色粘稠な懸濁液として478g得た。これを精製せずに、次の工程に用いた。
また、上記混合物の一部をメタノールによりエステル体とした後、19F-NMRによりヘキサフルオロプロペンオキシド数平均重合度および二官能性比(ヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーとのモル分率)を求めた。
Figure 0005352971
s=Fa(-131ppm)ピーク積分値
t=Fb(-133ppm)ピーク積分値
u=Fc(-146ppm)ピーク積分値
注) ケミカルシフトはCFCl3基準
二官能性比=(t/s-0.5)/(t/s+0.5)=0.89
ヘキサフルオロプロペンオキシド数平均重合度=4u/(2t+s)=102
(2) 上記(1)で得られた含フッ素ジカルボン酸フルオリド、フッ化セシウムおよびテトラグライムからなる混合物50g(約2.9ミリモル)を、含フッ素系溶媒(住友3M製品HFE-7100)50mlに溶解し、そこにトリエチルアミン1.2g(12ミリモル)およびジエチルエーテル20mlを加えた。これに、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-メチルアニリン1.7g(7.3ミリモル)を加え、室温で1時間反応を行った。得られた反応混合物を飽和食塩水に加え、分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、ロ過した。減圧下でロ液から含フッ素系溶媒およびジエチルエーテルを留去した後、得られた粘稠な液体をジエチルエーテルで数回洗浄し、次いで減圧下でジエチルエーテルを完全に留去した。このようにして、含フッ素ポリエーテル化合物
Figure 0005352971
を、僅かに黄色味を帯びた透明な液体として34g得た。E型粘度計(東機産業製TEV-22)により粘度を測定したところ、16Pa・s(25℃)であった。
19F-NMR(ケミカルシフトはCFCl3基準): -123ppm(-CF(CF3)CO-)
-146ppm(-OCF(CF3)-)
Figure 0005352971
Figure 0005352971
Figure 0005352971
Figure 0005352971
IR(neat): 1700cm-1(C=O)
1490cm-1(Ar)
実施例
ベンゾトリフルオリド(α,α,α-トリフルオロトルエン)200g、エタノール40gおよび水12gからなる混合溶媒に、(2-ビフェニル)ジシクロヘキシルホスフィン0.22gおよびリン酸カリウム2.5gを加え、次いで参考例で得られた含フッ素ポリエーテル50gを加え、反応容器内を窒素ガスで置換した。反応容器内温度を75℃に昇温させた後、これに1,4-ジヨードベンゼン0.49gおよび酢酸パラジウム70mgを順次加え、2時間反応を行った。
得られた反応混合物を飽和食塩水中に加え、含フッ素系溶媒(HFE-7100)で抽出した。得られた粘稠な液体をジエチルエーテルで数回洗浄し、その後減圧下でジエチルエーテルを完全に留去した。このようにして、含フッ素ポリエーテルオリゴマー
Figure 0005352971
Figure 0005352971
n:1.1(平均値)
を、僅かに黄色味を帯びた透明な液体として37g得た。E型粘度計(東機産業製TEV-22)により粘度を測定したところ、120Pa・s(25℃)であった。
19F-NMR(ケミカルシフトはCFCl3基準): -123ppm(-CF(CF3)CO-)
-146ppm(-OCF(CF3)-)
Figure 0005352971
Figure 0005352971
Figure 0005352971
Figure 0005352971
IR(neat): 1700cm-1(C=O)
1490cm-1(Ar)

Claims (9)

  1. 一般式
    Figure 0005352971
    (ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、R2は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状の2価の脂肪族炭化水素基であり、BO2R2基のフェニル基上の置換位置はNR1基に対してm-またはp-位であり、Rfは下記一般式で表わされる2価のパーフルオロポリエーテル基であり、
    Figure 0005352971
    ただし、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数でl+mは30〜130であり、分子鎖内部のNR1基が結合したフェニレン基は、分子末端のフェニレン基と同じm-またはp-フェニレン基であり、2つのC6H4NR1基が結合したフェニレン基は、それとは独立にm-またはp-フェニレン基であり、nは1以上の整数である)で表わされ、25℃における粘度が1〜1000Pa・sである含フッ素ポリエーテルオリゴマー。
  2. 上記一般式において、R1がメチル基である請求項1記載の含フッ素ポリエーテルオリゴマー。
  3. 上記一般式において、R2が-C(CH3)2C(CH3)2-基である請求項1記載の含フッ素ポリエーテルオリゴマー。
  4. 一般式
    Figure 0005352971
    (ここで、R1は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、R2は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状の2価の脂肪族炭化水素基であり、BO2R2基のフェニル基上の置換位置はNR1基に対してm-またはp-位であり、Rfは下記一般式で表わされる2価のパーフルオロポリエーテル基であり、
    Figure 0005352971
    ただし、lおよびmはそれぞれ独立に10以上の整数でl+mは30〜130である)で表わされる含フッ素ポリエーテルに、一般式
    Figure 0005352971
    (ここで、Xはヨウ素原子または臭素原子である)で表わされるm-またはp-ジハロゲン化ベンゼンを反応させることを特徴とする請求項1記載の含フッ素ポリエーテルオリゴマーの製造方法。
  5. 含フッ素ポリエーテルに対し0.5〜1.0のモル比でジハロゲン化ベンゼン鎖延長剤が用いられる請求項4記載の含フッ素ポリエーテルオリゴマーの製造方法。
  6. ジハロゲン化ベンゼンがm-またはp-ジヨードベンゼンである請求項4または5記載の含フッ素ポリエーテルオリゴマーの製造方法。
  7. ジハロゲン化ベンゼンによる鎖延長反応の反応触媒として0価または2価の有機パラジウム化合物が用いられる請求項4記載の含フッ素ポリエーテルオリゴマーの製造方法。
  8. 塩基性無機化合物または塩基性有機化合物が鎖延長反応の中和剤として用いられる請求項4記載の含フッ素ポリエーテルオリゴマーの製造方法。
  9. 有機リン化合物が触媒安定化剤として用いられる請求項7記載の含フッ素ポリエーテルオリゴマーの製造方法。
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