JP2013035849A - フッ素アルコールおよびこれを用いた撥水性ポリウレタン用組成物 - Google Patents

フッ素アルコールおよびこれを用いた撥水性ポリウレタン用組成物 Download PDF

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孝之 伊藤
Taiji Katsumata
泰司 勝又
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昌之 原田
Toshimitsu Sakuma
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Abstract

【課題】相溶性に優れ、タックやブリードがなく、耐擦傷性に優れた硬化物を与え得るポリウレタン組成物に適した多官能含フッ素アルコール及びポリウレタン組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(II)又は(III)で表される含フッ素アルコール及び撥水性ポリウレタン用組成物。
Figure 2013035849

[式中、Rf及びRfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状のフッ化炭化水素基を表す。ただし、Rfはq価であり、Rfは1価である。qは2以上の整数を表す。また上記式中メチロール基のヒドロキシル基の水素原子は重合性基Qで置換されていてもよく、このQを導入した化合物のフッ素含有率は該化合物の分子量で35質量%以上であり、該化合物を重合させたとき、重合により得られ重合体の架橋間分子量の計算値がいずれも300以下となる。またqが2以上のとき、複数のQは同一でも異なってもよい。]
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素アルコールおよびこれを用いた撥水性ポリウレタン用組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、硬化後の耐擦傷性に優れた撥水性ポリウレタン用組成物に関する。
含フッ素多官能モノマーは、ポリマーの架橋剤として用いることにより、または、そのもの自身を重合させることにより、低屈折率で高硬度のポリマーを与える。このような含フッ素重合体は防汚性などにも優れ、反射防止フィルム、光ファイバーのクラッド材、塗料などの分野に使用されている。含フッ素多官能モノマーとして、これまでに、2〜4官能および6官能の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルが知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。しかしながら、これらの含フッ素多官能モノマーは屈折率が高く、これを改善するためにフッ素含有率を上げると耐擦傷性が低下してしまう。また、従来の製造方法では重合性基導入前の含フッ素中間体合成において、所望の化合物を選択的に高収率で得ることは困難であった(特許文献7)。これに対し、液相フッ素化の手法を用いて所望の含フッ素中間体を効率的に合成し、それにより上記問題点を改善することが試みられている(特許文献8)。しかしながら、いまだ屈折率および耐擦傷性において改良の余地がある。
一方、含フッ素多官能モノマー中間体である含フッ素アルコール類の利用例として、相溶性に優れ、タックやブリードのない硬化物を与え得る、含フッ素ジオール含有ポリウレタン組成物が知られている(特許文献9)。この硬化物は、撥水性、防水性、防汚性、耐候性等に優れ、各種コーティング剤や保護剤として有用であるが、硬度が不十分で、耐擦傷性に問題があった。
特開2001−330706号公報 特開2001−262011号公報 特開2001−40249号公報 特開2000−111716号公報 特開平11−60637号公報 特開平10−182746号公報 特開昭63−265920号公報 特開2006−28280号公報 特開平7−316500号公報
本発明は、相溶性に優れ、タックやブリードがなく、耐擦傷性に優れた硬化物を与え得るポリウレタン組成物に適した多官能含フッ素アルコールおよびそれを含有したポリウレタン組成物の提供を目的とする。
前記課題を解決する手段は以下の通りである。
(1)下記一般式(II)または(III)で表される含フッ素アルコール。
Figure 2013035849
[式中、Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、q価のフッ化炭化水素基を表す。qは2以上の整数を表す。Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、1価のフッ化炭化水素基を表す。また上記式中メチロール基のヒドロキシル基の水素原子は重合性基Qで置換されていてもよく、このQを導入した化合物のフッ素含有率は該化合物の分子量において35質量%以上であり、該化合物を重合させたとき、重合により得られ重合体の架橋間分子量の計算値がいずれも300以下となる。またqが2以上のとき、複数のQは同一でも異なってもよい。]
(2)下記一般式(II−1)または(III−1)で表される含フッ素アルコール。
Figure 2013035849
(3)少なくとも、(A)ポリオール化合物、(B)ポリイソシアネート化合物および(C)下記一般式(II)および/または(III)で表される含フッ素アルコールからなる撥水性ポリウレタン用組成物。
Figure 2013035849
[式中、Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、q価のフッ化炭化水素基を表す。qは2以上の整数を表す。Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、1価のフッ化炭化水素基を表す。また上記式中メチロール基のヒドロキシル基の水素原子は重合性基Qで置換されていてもよく、このQを導入した化合物のフッ素含有率は該化合物の分子量において35質量%以上であり、該化合物を重合させたとき、重合により得られ重合体の架橋間分子量の計算値がいずれも300以下となる。またqが2以上のとき、複数のQは同一でも異なってもよい。]
(4)少なくとも(A)ポリオール化合物、(B)ポリイソシアネート化合物および(C)下記式(II−1)または(III−1)で表される含フッ素アルコールの少なくとも1種を含む撥水性ポリウレタン用組成物。
Figure 2013035849
なお、発明の前記一般式(II)又は(III)で表される化合物は下記一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の前駆物質に相当する。
Figure 2013035849
[式中、Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、(m+n)価のフッ化炭化水素基を表す。Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、1価のフッ化炭化水素基を表す。mおよびnはそれぞれ独立に、0以上の整数(ただし、m+n≧2)を表す。Qは重合性基を表す。ただし、複数のRfは同一でも異なってもよく、またnが2以上のとき、複数のQは同一でも異なってもよい。]
本発明の多官能含フッ素アルコールを含有するポリウレタン組成物は、相溶性に優れ、タックやブリードがなく、耐擦傷性に優れた硬化物を与え、撥水性、防水性、防汚性、耐候性等に優れたコーティング剤や保護剤として利用することができる。
なお、本発明の多官能含フッ素アルコールは後述の一般式(I)で表される重合性フッ素化合物の前駆体であり、該重合性含フッ素化合物は、それを重合させて、低屈折率で優れた硬度を有し、且つ、耐擦傷性および防汚性等に優れる重合体とすることができる。さらに、上記の優れた重合性含フッ素化合物より得た反射防止膜及び反射防止フィルムは、反射率が低くしかも高い硬度を有し耐擦傷性に優れ、それを用いた画像表示装置は画像表示部の高い表面強度及び耐久性を有し、しかも表示面の汚染や外光の反射による表示性の低下を防止しうる。
図1は、反射防止フィルム一実施態様を模式的に示す断面図である。 図2は、反射防止フィルムの別の実施態様を模式的に示す断面図である。
以下、本発明について詳しく説明する。
最初に、一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物について説明する。
Figure 2013035849
Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、(m+n)価のフッ化炭化水素基であり、該化合物を重合させたとき、後述する架橋間分子量の計算値が300以下になるように選ばれたものである。また、Rfにおける水素原子数/フッ素原子数は1/4以下が好ましく、より好ましくは1/9であり、水素原子を実質的に含まないことが特に好ましい。mおよびnはそれぞれ独立に、0以上の整数であり、m+n≧2である。好ましくは、m<nでかつnは2〜10(より好ましくは3〜6の整数)の整数である。Rfの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013035849
Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、1価のフッ化炭化水素基を表す。Rfは好ましくは炭素数1〜12の鎖状または分岐のペルフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル、ペルフルオロエチル、ペルフルオロプロピル等)または炭素数3〜12のペルフルオロシクロアルキル基(例えば、ペルフルオロペンチル、ペルフルオロシクロヘキシル等)であり、より好ましくは上記のペルフルオロアルキル基であり、最も好ましくはトリフルオロメチル基である。
Qは重合性基を表し、ラジカル、カチオン、又は縮合重合性の基であることが好ましく、−COC(R)=CH、アリル基、エポキシアルキレン基、−(CHSi(OW)、−(CHNCOまたは−(CHCNであることがより好ましい。ここで、Rは水素原子、ハロゲン原子または置換基を有してよいアルキル基を表し、Wはアルコキシ基または水酸基を表し、x、yおよびzはそれぞれ1以上の整数を表し、3個のWは互いに異なってもよい。x、yおよびzはそれぞれ、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。Rにおけるアルキル基の置換基としてはどのような置換基でも構わないが、好ましくはハロゲン原子である。ここで、複数のRfは同一でも異なってもよく、またnが2以上のとき、複数のQは同一でも異なってもよい。本発明においては、複数のRfおよび複数のQが存在する場合、複数のRfは同一であり、複数のQは同一である場合が好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物は下記一般式(Ia)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013035849
式中、Rf、Rf、mおよびnはそれぞれ前記一般式(I)と同義であり、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
上記エポキシアルキレン基としてはエポキシメチレン基が好ましい。
本発明の重合性含フッ素化合物においては、フッ素含有率がその分子量の35質量%以上であり、35〜70質量%が好ましく、37〜60質量%がより好ましい。
一般式(I)で表される化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2013035849
Figure 2013035849
Figure 2013035849
Figure 2013035849
Figure 2013035849
一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物は、架橋密度の観点から、重合性含フッ素化合物の重合性基を全て重合させたとき、その重合により得られる重合体の架橋間分子量の計算値が全て300以下となる。架橋間分子量の計算値とは、重合性含フッ素化合物(以下含フッ素多官能モノマーともいう。)の重合性基が全て重合した重合体において、合わせて3個以上炭素原子及び/又はケイ素原子が置換した炭素原子を(a)、合わせて3個以上炭素原子及び/又は酸素原子が置換したケイ素原子を(b)とするときに、(a)と(a)、(b)と(b)、又は(a)と(b)で挟まれた原子団の原子量の合計をいう。
ここで、架橋間分子量は、該重合性含フッ素化合物である、モノマー中における架橋間分子量であって、重合性基は、共重合することにより、対象とする重合性含フッ素化合物とは異なった分子の重合性基と反応し、上記の(a)または(b)の原子が生成する。従って、このような原子および対象とする上記モノマー中の重合に関与しない部分の原子を含めている。
例えば、前記含フッ素多官能モノマーの内、M17を例に挙げて説明する。M17の重合性基がすべて重合したと仮定すると、下式のように表される。
Figure 2013035849
この場合、上記で定義した架橋間分子量の計算の対象となる部分構造(原子団)は、上式の破線で囲まれた部分(ここでは、−CFOCF(CF)CHOCO−部分を一つのみ破線で囲んだが、他の同じ部分(5ヶ所)も架橋間分子量の計算の対象となる部分構造である)であり、架橋間分子量の計算値は、それぞれCO=116.0とC=224.1であり、何れも300以下である。
架橋間分子量の計算値は、より好ましくは250以下、さらに好ましくは200以下である。含フッ素多官能モノマーの重合性基をすべて重合させたときの架橋間分子量が300を超えると、塗膜にしたときの硬度が下がってしまい、さらには、防汚性や耐傷性が悪化する。
次に、一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の製造方法を説明する。
一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の合成法は特に限定されないが、分子設計の自由度やコストの観点より、米国特許第5,093,432号明細書や国際公開特許00/56694号明細書に記載の液相フッ素化反応を利用するのが好ましい。液相フッ素化反応を利用した一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の合成ルートとしては、例えば、(m+n)価の水酸基含有炭化水素系化合物を出発原料とした下記のようなルートで合成できる。
Figure 2013035849
[含フッ素重合体]
含フッ素多官能モノマー(重合性含フッ素化合物)は、種々の重合方法により、含フッ素重合体として使用することができる。重合に際しては、単独重合、または共重合してもよく、さらには、架橋剤として用いてもよい。
共重合させる他のモノマーとしては、通常のモノマー類を使用することができるが、特に代表的なモノマーを例示すると、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、エチルアリルエーテル、α−フルオロアクリル酸メチルエステル、酢酸ビニル、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトンなどのラジカル重合性のモノマー類、
テトラエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、クロロトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、または以下の化学式で表される、縮合重合性のモノマー類、
Figure 2013035849
Figure 2013035849
Figure 2013035849
グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、1,1,1−トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、フルオログリシノールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのカチオン重合性のモノマー類などが挙げられる。これらの中でも、重合性の観点から、ラジカルまたはカチオン重合性のモノマー類が好ましく、より好ましくは、ラジカル重合性のモノマー類である。
重合反応は、塊状重合または溶液重合が好ましい。薄膜を得るためには、一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物を含む硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、溶媒を揮発させた後に重合を行うことが好ましい。このとき硬化性樹脂組成物において、一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の含有率はとくに限定されないが、5〜100質量%であることが好ましく、10〜100質量%であることがより好ましく、50〜100質量%であることがさらに好ましく、60〜100質量%であることが特に好ましい。重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線を照射する方法、酸を加える方法、光酸発生剤を添加した後に光を照射する方法、加熱により脱水縮合させる方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二著、「高分子合成方法」改訂版(日刊工業新聞社刊、1971年)や大津隆行・木下雅悦共著、「高分子合成の実験法」、化学同人、昭和47年、124〜154頁に記載されている。
用いられる溶媒としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどが挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上混合してもよい。
ラジカル重合の開始剤としては、熱の作用によりラジカルを発生するもの、あるいは光の作用によりラジカルを発生するもののいずれの形態も可能である。
熱の作用によりラジカル重合を開始する化合物としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、有機アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウムなどを挙げることができる。
光の作用によりラジカル重合を開始する化合物を使用する場合は、活性エネルギー線の照射によって皮膜の硬化が行われる。
このような光ラジカル重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類などがある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。これらの光ラジカル重合開始剤と併用して増感色素も用いることができる。
前記ラジカル重合開始剤の添加量は、前記ラジカル反応基が重合反応を開始できる量であれば特に制限されないが、一般的には硬化性樹脂組成物中の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%である。
重合温度は特に制限は無いが、開始剤の種類によって適宜、調節すればよい。また、光ラジカル重合開始剤を用いる場合には、特に加熱の必要は無いが、加熱してもよい。
含フッ素重合体を形成する硬化性樹脂組成物には、上記に加えて、皮膜硬度、屈折率、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性の観点から、各種の添加剤を含有することもできる。
例えば、(中空)シリカ等の無機酸化物微粒子、シリコーン系あるいはフッ素系の防汚剤、もしくは、滑り剤などを添加することができる。これらを添加する場合には、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0〜30質量%の範囲であることが好ましく、0〜20質量%の範囲であることがより好ましく、0〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
本発明において、用いることのできる無機酸化物微粒子(以下、無機微粒子という)について次に説明する。
該無機微粒子を含有させた前記硬化性樹脂組成物を用いて、反射防止フィルムにおける低屈折率層を形成する場合、無機微粒子の塗設量は、1mg/m〜100mg/mが好ましく、より好ましくは5mg/m〜80mg/m、更に好ましくは10mg/m〜60mg/mである。無機微粒子の量が少なすぎると耐擦傷性の改良効果が減り、多すぎると、例えば、反射防止フィルムの低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりなどの外観や積分反射率が悪化する。該無機微粒子は、低屈折率層に含有させることから、低屈折率であることが望ましい。
具体的には、有機溶媒分散液中における分散性の改良処理がなされている無機酸化物粒子または中空無機酸化物粒子であって、低屈折率のものが好ましく用いられる。例えば、シリカまたは中空シリカの微粒子が挙げられる。シリカ微粒子の平均粒径は、低屈折率層の厚みの30%以上150%以下が好ましく、より好ましくは35%以上80%以下、更に好ましくは40%以上60%以下である。即ち、低屈折率層の厚みが100nmであれば、シリカ微粒子の粒径は30nm以上150nm以下が好ましく、より好ましくは35nm以上80nm以下、更に好ましくは、40nm以上60nm以下である。
シリカ微粒子の粒径が小さすぎると、耐擦傷性の改良効果が少なくなり、大きすぎると低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりといった外観、積分反射率が悪化する。
シリカ微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでもよく、また単分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球径が最も好ましいが、不定形であっても問題無い。ここで、無機微粒子の平均粒径はコールターカウンターにより測定される。
低屈折率層の屈折率を低下させるために、中空のシリカ微粒子を用いることが好ましい。該中空シリカ微粒子は屈折率が1.17〜1.40、より好ましくは1.17〜1.35、さらに好ましくは1.17〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体としての屈折率を表し、中空シリカ粒子を形成している外殻のシリカのみの屈折率を表すものではない。この時、粒子内の空腔の半径をa、粒子外殻の半径をbとすると、空隙率xは下記数式(I)で算出される。
(数式I)
x=(4πa/3)/(4πb/3)×100
空隙率xは、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空のシリカ粒子をより低屈折率に、より空隙率を大きくしようとすると、外殻の厚みが薄くなり、粒子の強度としては弱くなるため、耐擦傷性の観点から1.17未満の低屈折率の粒子は成り立たない。
なお、これら中空シリカ粒子の屈折率はアッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定をおこなった。
また、中空粒子を低屈折率層に含有させることで該層の屈折率を低下させることができる。中空粒子を用いた場合に好ましい該層の屈折率は1.20以上1.47以下であり、更に好ましくは1.25以上1.41以下であり、最も好ましくは1.25以上1.39以下である。中空シリカの調製方法は例えば、特開2001−233611号、特開2002−79616号の各公報等に記載されている。
また、平均粒径が低屈折率層の厚みの25%未満であるシリカ微粒子(以下、「小サイズ粒径のシリカ微粒子」という。)の少なくとも1種を上記の粒径のシリカ微粒子(以下、「大サイズ粒径のシリカ微粒子」という。)と併用することが好ましい。
小サイズ粒径のシリカ微粒子は、大サイズ粒径のシリカ微粒子同士の隙間に存在することができるため、大サイズ粒径のシリカ微粒子の保持剤として寄与することができる。
小サイズ粒径のシリカ微粒子の平均粒径は、低屈折率層が100nmの場合、1nm以上20nm以下が好ましく、5nm以上15nm以下が更に好ましく、10nm以上15nm以下が特に好ましい。このようなシリカ微粒子を用いると、原料コストおよび保持剤効果の点で好ましい。
この他に、保存安定性の観点から上記硬化性樹脂組成物は重合禁止剤を含有してもよい。本発明において好適に用いることができる重合禁止剤としては、例えばヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、モノ−tert−ブチルヒドロキノン、カテコール、p−tert−ブチルカテコール、p−メトキシフェノール、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−m−クレゾール、ピロガロール、β−ナフトール等のフェノール類、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロキノンなどのキノン類;ニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、2−メチル−2−ニトロソプロパン、α−フェニル−tert−ブチルニトロン、5,5−ジメチル−1−ピロリン−1−オキシドなどのニトロ化合物またはニトロソ化合物;クロラニル−アミン、ジフェニルアミン、ジフェニルピクリルヒドラジン、フェノール−α−ナフチルアミン、ピリジン、フェノチアジンなどのアミン類;ジチオベンゾイルスルフィド、ジベンジルテトラスルフィドなどのスルフィド類等のラジカル重合禁止剤が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、複数を組み合わせて用いてもよい。
より好ましくはフェノール類、キノン類、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、アミン類、スルフィド類のうち少なくとも1つに属する化合物である。中でも、屈折率、ラジカル捕捉能の観点から、フェノール類を用いることが好ましい。
これら重合禁止剤は、硬化性樹脂組成物中の全固形分に対して0.0001〜10質量%となるように添加することが好ましく、より好ましくは0.0001〜5質量%であり、特に好ましくは0.001〜2質量%である。
その他、硬化性樹脂組成物には各種シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加してもよい。
一般式(I)で表される含フッ素重合体は、後述する高屈折率層、中屈折率層、又はその他の各種基材上に本発明の含フッ素モノマーを含む硬化性樹脂組成物を塗布したのち、硬化して形成することができる。
[反射防止膜]
本発明の反射防止膜は、一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物を含有する硬化性樹脂組成物を硬化してなる低屈折率層を有する。
本発明の反射防止膜は、単層構造でもよいし多層構造でもよい。すなわち、反射防止膜が単層構造である場合は、低屈折率層のみからなる。反射防止膜が多層構造である場合は、低屈折率層と高屈折率層の少なくとも2層以上を有する。反射防止膜は多層構造であることが好ましく、前記低屈折率層と高屈折率層との二層構造、または前記低屈折率層及び前記高屈折率層の他に中屈折率層を有する三層構造が好ましい。
[低屈折率層]
前記低屈折率層は、後述するように高屈折率層の上層に配置される。すなわち、低屈折率層の上面が反射防止膜の表面となる。
低屈折率層の屈折率は、1.20以上1.47以下であり、更に好ましくは1.25以上1.41以下であり、最も好ましくは1.25以上1.39以下である。屈折率は、アッベ屈折率計を用いる測定や、層表面からの光の反射率からの見積もりにより求めることができる。
低屈折率層の厚さは、50〜400nmであることが好ましく、50〜200nmであることがより好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
[高屈折率層及び中屈折率層]
本発明の反射防止膜において、低屈折率層と組み合わせて用いられる高屈折率層及び中屈折率層は、それぞれ低屈折率層より高い屈折率を有する層である。また、中屈折率層は、低屈折率層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率が低い層である。
高屈折率層及び中屈折率層は、それぞれ有機材料のみ又は有機材料と無機材料とを主成分としてなる。
この際用いられる有機材料としては、熱可塑性樹脂組成物(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外のハロゲン基を有するポリマー);熱硬化性樹脂組成物(例、メラミン樹脂、フェノール樹脂、またはエポキシ樹脂などを硬化剤とする樹脂組成物);ウレタン樹脂形成性組成物(例、脂環式または芳香族イソシアネートとポリオールとを含有する樹脂組成物);およびラジカル重合性組成物(上記ポリマー又はモノマーに二重結合を導入することにより、ラジカル硬化を可能にした変性樹脂組成物または変性プレポリマーを含む組成物)などを挙げることができる。高屈折率層又は中屈折率層に用いる有機材料は、高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。
なお、高屈折率層又は中屈折率層には、有機材料と無機材料を併用することができる。
有機材料と無機材料を併用する場合は、一般に無機材料によって高い屈折率を確保できるため、有機材料単独で用いる場合よりも低屈折率の有機材料を用いることができる。このような有機材料としては、ペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどのアクリル系モノマーとビニル系モノマーとの共重合体、ポリエステル、アルキド樹脂、繊維素系重合体、ウレタン樹脂、および、これらの樹脂を硬化させる各種の硬化剤又は硬化性官能基を有する化合物を含有する組成物等が挙げられる。これらの有機材料は、透明性があり、無機材料を安定に分散させることができる。硬化性官能基を有する化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート類、ポリイソシナネートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレートの反応によって得られるウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
さらに、有機材料としては、有機置換されたケイ素系化合物を用いることができる。該ケイ素系化合物としては、下記式(5)で表される化合物、あるいはその加水分解生成物が挙げられる。
式(5) R (R SiZ4−m−n
ここで、Rはアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、Rはハロゲン、エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリロイルまたはシアノで置換された、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、Zは、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な基を表し、m+nが1または2である条件下で、m及びnはそれぞれ0、1または2である。
無機材料としては、無機系微粒子が挙げられる。前記無機系微粒子を構成する好ましい無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げることができる。無機系微粒子は、粉末または粉末が水等の溶媒に分散されたコロイド状分散体として、市販されている。これらを使用する場合は、前記有機材料または有機ケイ素化合物中に混合分散して使用することが好ましい。
また、無機材料としては、皮膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自身が液状である無機材料を用いることができる。このような無機材料としては、例えば、各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物(例、キレート化合物)、無機ポリマー)を挙げることができる。
より具体的には、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−sec −ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec−ブトキシド及びジルコニウムテトラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコレート化合物;ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジブトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジエトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ビス(アセチルアセトンジルコニウム)、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトアセテート及びトリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテートなどのキレート化合物;さらには炭素ジルコニルアンモニウムあるいはジルコニウムを主成分とする無機ポリマーなどを挙げることができる。
高屈折率層及び中屈折率層には、以上に挙げた化合物の他に、屈折率が比較的低い化合物を併用できる。このような化合物としては、各種のアルキルシリケート類もしくはその加水分解物、微粒子状シリカ特にコロイド状に分散したシリカゲルが挙げられる。
また、高屈折率層及び中屈折率層には分散溶媒又は溶剤を使用することができる。分散溶媒又は溶剤としては、シクロヘキサノンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトントルエン、トルエン、酢酸エチル、DMF、2−プロパノール、n−ブタノールなどを挙げることができる。
さらに、高屈折率層及び中屈折率層には、従来の反射防止膜に通常添加される添加剤を適宜使用することができる。
高屈折率層及び中屈折率層の実施態様としては、上記の無機材料の分散物と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどのモノマーと、光重合開始剤や熱重合開始剤などの重合開始剤と、必要に応じて用いられる増感剤や触媒とを溶剤(前記分散溶媒と同じものが例示できる)に溶解してなる層形成用組成物を用いて形成されたものが挙げられる。
このような構成は従来の反射防止膜における高屈折率層や中屈折率層に関する構成が適宜適用される。
高屈折率層の屈折率は、1.57〜2.40の範囲がよい。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましく、30nm〜0.5μmであることが最も好ましい。高屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。高屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で1H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.85の範囲がよい。高屈折率層に無機微粒子とポリマーを用い、中屈折率層は、高屈折率層よりも屈折率を低めに調節して形成することが特に好ましい。中屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましい。
中屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましく、30nm〜0.5μmであることが最も好ましい。中屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で1H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
[反射防止膜の形成方法]
本発明の反射防止膜は、各種基材などに前記高屈折率層や前記中屈折率層の形成用組成物を塗工し、光照射などにより硬化させて、前記高屈折率層などを形成した後、該高屈折率層又は該中屈折率層上に前記低屈折率層用の硬化性樹脂組成物を塗工し、更に光照射や加熱を行って硬化させることにより形成することができる。
なお、本発明の反射防止膜は、下記の反射防止フィルム及び表示装置に用いることが好ましく、その他、ケースカバー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、ウインドウシールド、ライトカバーやヘルメットシールドにも利用できる。
[反射防止フィルム]
本発明の反射防止フィルムは、透明支持体上に本発明の反射防止膜が設けられたものである。
本発明の反射防止フィルム1の一実施態様として好適な反射防止フィルムの基本的な構成を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の反射防止フィルムの一実施態様の断面を示す模式図である。
図1に示す反射防止フィルムは、透明支持体2上に、高屈折率層8及び低屈折率層5がこの順序で形成された反射防止膜6を有する。
このような構成では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、高屈折率層8が下記数式(II)、低屈折率層5が下記数式(III)をそれぞれ満足すると、優れた反射防止性能を有する反射防止フィルムを得られるため好ましい。
数式(II):(mλ/4)×0.7<n<(mλ/4)×1.3
式中、mは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは高屈折率層の屈折率であり、そして、dは高屈折率層の層厚(nm)である。
数式(III):(nλ/4)×0.7<n<(nλ/4)×1.3
式中、nは正の奇数(一般に1)であり、nは低屈折率層の屈折率であり、そして、dは低屈折率層の層厚(nm)である。
高屈折率層の屈折率nは、一般に透明支持体より少なくとも0.05高く、そして、低屈折率層の屈折率nは、一般に高屈折率層の屈折率より少なくとも0.1低くかつ透明支持体より少なくとも0.05低い。更に、高屈折率層の屈折率nは、一般に1.57〜2.40の範囲にある。
また本発明の反射防止フィルムは、前記のように、低屈折率層と高屈折率層の二層からなる反射防止膜を有する構成でもよいが、さらに、中屈折率層、ハードコート層などの層を予め形成し、この上に前記した方法に従い低屈折率層と高屈折率層が形成された三層以上の反射防止膜を有する構成が好ましい。より好ましくは中・高・低屈折率層の三層以上の層を積層してなる形態である。このような反射防止フィルムの実施形態を図1(b)に示す。
すなわち、図2に示す反射防止フィルム1は、透明支持体2上にハードコート層3を有し、この上に中屈折率層7、高屈折率層8、低屈折率層5が、この順序で形成された反射防止膜6を有する。
このような構成では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、中屈折率層7が下記数式(IV)、高屈折率層8が下記数式(V)、低屈折率層5が下記数式(VI)をそれぞれ満足することが好ましい。
数式(IV):(hλ/4)×0.7<n<(hλ/4)×1.3
式中、hは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは中屈折率層の屈折率であり、そして、dは中屈折率層の層厚(nm)である。
数式(V):(jλ/4)×0.7<n<(jλ/4)×1.3
式中、jは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは高屈折率層の屈折率であり、そして、dは高屈折率層の層厚(nm)である。
数式(VI):(kλ/4)×0.7<n<(kλ/4)×1.3
式中、kは正の奇数(一般に1)であり、nは低屈折率層の屈折率であり、そして、dは低屈折率層の層厚(nm)である。
中屈折率層の屈折率nは、一般に1.50〜1.85の範囲にあり、高屈折率層の屈折率nは、一般に1.57〜2.40の範囲にある。
また、数式(II)〜(VI)中のλは可視光線の波長であり、380〜680nmの範囲の値である。ここで記載した高屈折率、中屈折率、低屈折率とは層相互の相対的な屈折率の高低をいう。例えば中屈折率層は高屈折率層に添加する高屈折率無機微粒子の含率を変えるなどの方法で作製される。
反射防止フィルムには、上述のようにハードコート層を設けることができる他、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層を設けてもよい。ハードコート層は、透明支持体に耐擦傷性を付与するために設ける。ハードコート層は、透明支持体とその上の層との接着を強化する機能も有する。ハードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコン系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハードコート層に添加してよい。
アクリル系ポリマーは、多官能アクリレートモノマー(例、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート)の重合反応により合成することが好ましい。ウレタン系ポリマーの例には、メラミンポリウレタンが含まれる。シリコン系ポリマーとしては、シラン化合物(例、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン)と反応性基(例、エポキシ、メタクリル)を有するシランカップリング剤との共加水分解物が好ましく用いられる。二種類以上のポリマーを組み合わせて用いてもよい。シリカ系化合物としては、コロイダルシリカが好ましく用いられる。ハードコート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上である好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。透明支持体の上には、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
[透明支持体]
本発明において好ましく用いることができる前記透明支持体としては、透明支持体としては、ガラス板よりもプラスチックフィルムの方が好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースアシレート(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。セルロースアシレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましく、トリアセチルセルロースがさらに好ましい。
セルロースアシレートフィルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通常5〜500μmの範囲であり、さらに20〜250μmの範囲が好ましく、特に30〜180μmの範囲が最も好ましい。なお、光学用途としては30〜110μmの範囲が特に好ましい。セルロースアシレートフィルムを、非塩素系溶媒を用いて製造することについて、発明協会公開技報2001−1745号に詳しく記載されており、そこに記載されたセルロースアシレートフィルムも本発明に好ましく用いることができる。
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。透明支持体には、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。該無機化合物の例には、SiO、TiO、BaSO、CaCO、タルクおよびカオリンが含まれる。透明支持体に、表面処理を実施してもよい。
表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
[反射防止フィルムの形成方法]
反射防止膜の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許第2,681,294号明細書記載)により、透明支持体上に直接又は他の層を介して塗布することにより形成することができる。二層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許第2,761,791号、同第2,941,898号、同第3,508,947号、同第3,526,528号の各明細書および原崎勇次著、「コーティング工学」、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。本願の反射防止膜は、各層の塗布組成物を塗布後、乾燥し、電離放射線又は熱により硬化させることが好ましい。電離放射線を用いることが好ましく、紫外線を用いて硬化する場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
反射防止膜の反射率は低いほど好ましい。反射防止膜の平均反射率は、450〜650nmの波長領域において2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることが最も好ましい。反射防止膜(下記のアンチグレア機能がない場合)のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。反射防止膜の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましい。
反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。微粒子を使用した低屈折率層では、微粒子により反射防止膜の表面に凹凸が形成できる。微粒子により得られるアンチグレア機能では不充分な場合は、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層あるいはハードコート層に比較的大きな粒子(粒径:50nm〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加してもよい。反射防止膜は、液晶表示装置の視野角(特に下方向視野角)を拡大し、観察方向の視角が変化してもコントラスト低下、階調または黒白反転、あるいは色相変化を抑止する目的で光拡散機能を有していてもよい。光拡散機能は光拡散フィルムに含有される透光性微粒子の内部散乱の効果により実現できる。反射防止膜がアンチグレア機能及び/又は光拡散機能を有する場合、反射防止膜のヘイズは、3〜60%であることが好ましく、4〜40%であることがさらに好ましい。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の反射防止フィルムを備える。
前記画像表示装置としては、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)等が挙げられる。本発明の画像表示装置においては、反射防止フィルムの透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して形成されることが好ましい。
[撥水性ポリウレタン用組成物]
本発明の撥水性ポリウレタン用組成物は、少なくとも(A)ポリオール化合物、(B)ポリイソシアネート化合物および(C)下記一般式(II)または(III)で表される含フッ素アルコールの少なくとも1種を含む撥水性ポリウレタン用組成物である。
Figure 2013035849
[式中、Rf、Rf、mおよびnは、それぞれ上記一般式(I)で表される重合性フッ素化合物におけるRf、Rf、m、nと同義である。なお、mおよびnはqである。]
一般式(II)および(III)で表される含フッ素アルコールの化合物例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2013035849
Figure 2013035849
一般式(II)又は(III)で表わされる含フッ素アルコールのアルコール末端基をアクリル酸ハライド(例えばアクリル酸クロリド)と反応させることによって前記一般式(I)で表わされる化合物のうち、一般式(Ia)で表わされる化合物に対応する末端に炭素−炭素二重結合を有する化合物を得ることができる(後記の実施例1のスキーム2参照)。この際アルコール末端基に対するアクリル酸ハライドのモル比を適宜に制御することにより、未反応のアルコール末端基を生成化合物に残すこともできる。一般式(II)又は(III)の化合物は、一般式(I)で表わされる化合物の前駆物質に相当する。
一般式(II)または(III)で表される含フッ素アルコールの最も好ましい態様は、それぞれ上記一般式(II−1)および(III−1)で表されるものである。
(A)成分のポリオール化合物、(B)成分のポリイソシアネート化合物およびこれらの化合物と一般式(II)および/または(III)で表される(C)成分との混合比率、硬化方法等については特に限定されないが、好ましい態様としては、特開平7−316500号に記載されたものを挙げることができる。
一般式(II)で表される含フッ素アルコールは上記(化15)に示したルートで合成することができる。また、一般式(III)で表される含フッ素アルコールは、例えば以下のルートで合成することができる。
Figure 2013035849
以下、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1:含フッ素アルコールの合成>
(化合物例M5の合成)
以下のスキームにしたがって、本発明の含フッ素アルコールII−1、および合成例として一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物M5を合成した。
Figure 2013035849
(化合物3の合成)
t−ブトキシカリウム(253g)のt−ブタノール(750ml)溶液にトリメチロールエタン(30g)を加え、さらに2−クロロ酢酸(122g)を滴下した。反応液を還流温度で6時間攪拌し、室温まで冷却後、36%塩酸水(200ml)およびエタノール(500ml)を加え、不溶物を濾別した。濾液を減圧にて濃縮後、エタノール(1L)および濃硫酸(100ml)を加え、還流温度で3時間攪拌した。減圧にてエタノール(約600ml)を留去後、反応液を酢酸エチル(1.5L)/炭酸水素ナトリウム(300g)/水(1.5L)にゆっくり注いだ。有機層を食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥した。減圧にて濃縮後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)で精製することにより化合物3(45g、43%)を得た。化合物3のNMR測定の結果は下記のとおりであった。
H NMR(CDCl) δ 0.99(s,3H),1.28(t,J=7.0Hz,9H),1.36(d,J=6.9Hz,9H),3.25〜3.53(m,6H),3.90〜3.97(m,3H),4.13〜4.24(m,6H)]
(化合物4の合成)
リチウムアルミニウムヒドリド(7.1g)をテトラヒドロフラン(270ml)に分散し、25℃以下の温度で化合物3(21.7g)のテトラヒドロフラン(70ml)溶液を滴下した。反応液を室温にて3時間攪拌後、水(14ml)および10%水酸化ナトリウム溶液(11.2ml)をゆっくり滴下し、さらに1時間攪拌した。不溶物を濾別し、濾液に食塩水(60ml)を加えた。分液後、有機層を減圧にて濃縮することにより、化合物4(12g、80%)を得た。化合物4のNMR測定結果は下記のとおりであった。
H NMR(CDCl) δ 0.91(s,3H),1.08(d,J=6.0Hz,9H),2.40(brs,3H),3.29〜3.63(m,15H)]
(化合物5の合成)
化合物4(12g)およびピリジン(19.8ml)のテトラヒドロフラン(120ml)溶液に7H−ドデカフルオロペンタノイルクロリド(30.6ml)を滴下し、室温にて5時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(200ml)および食塩水(200ml)に注ぎ、分液した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥後、減圧にて濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)で精製することにより化合物5(44g、84%)を得た。化合物5のNMR測定結果は下記のとおりであった。
H NMR(CDCl) δ 0.86(s,3H),1.15(d,J=6.3Hz,9H),3.17〜3.24(m,3H),3.20〜3.34(m,3H),3.61〜3.67(m,3H),4.23〜4.35(m,6H),6.04(tt,J=51.6,5.1Hz,3H)]
19F NMR(CDCl) δ −118.46(s,6F),−121.97(6F),−122.69,−123.52(6F),−129.45(6F),−137.14(d,J=51.6Hz,6F)]
(化合物7の合成)
原料供給口、フッ素供給口、へリウムガス供給口およびドライアイスで冷却した還流装置を経由してフッ素トラップに接続されている排気口を備えた500mlテフロン(登録商標)製容器に、フッ化ナトリウム(29.5g)およびFC−72(350ml)を入れて、内温20℃にてヘリウムガスを流速100ml/minで30分間吹き込んだ。引き続き20%F/Nガスを100ml/minで30分間吹き込んだ後、フッ素流量を200ml/minとし、化合物5(15g)とヘキサフルオロベンゼン(4.35ml)の混合溶液を2.6ml/hで添加した。フッ素流量を100ml/minに下げ、ヘキサフルオロベンゼン(1.3ml)を0.6ml/hで添加し、さらに20%F/Nガスを100ml/minで15分間流した。反応器をヘリウムガスで置換した後、メタノール(100ml)を加え、1時間攪拌した。反応液をろ過した後、常圧にてFC−72を加熱留去し、さらに100mmHgの減圧下でメタノールを留去した。濃縮残渣をAK−225/炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、AK−225層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。AK−225を300mmHgで留去した後、残渣を2mmHgで蒸留精製することにより、化合物7(3.5g、40%)を得た。化合物7のNMR測定結果及び融点は下記のとおりであった。
H NMR(CDCl) δ 3.98(s,9H)]
19F NMR(CDCl) δ −63.04〜−63.15(m,3F),−63.78(d,J=154Hz,3F),−68.46(d,J=154Hz,3F),−82.10(s,9F),−130.98〜−131.31(m,3F)]
[b.p.=115℃(2mmHg)]
(化合物II−1の合成)
リチウムアルミニウムヒドリド(1.75g)をジエチルエーテル(10ml)に分散し、10℃以下の温度で化合物7(3.5g)のジエチルエーテル(30ml)溶液を滴下した。反応液を室温にて6時間攪拌し、酢酸エチル(100ml)をゆっくり滴下した。この溶液を、希塩酸水/氷/酢酸エチルにゆっくり注ぎ、不溶物を濾別した。有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後減圧にて濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)で精製することにより化合物II−1(3.1g、99%)を粘稠な油状物として得た。化合物II−1のNMR測定結果は下記のとおりであった。
H NMR(CDCl) δ 4.12〜4.17(m,6H)]
19F NMR(CDCl) δ −63.78(d,J=147Hz,3F),−64.18〜−64.41(m,3F),−68.46(d,J=147Hz,3F),−82.95(s,9F),−136.20〜−136.53(m,3F)]
(化合物M5の合成)
化合物II−1(2.8g)および炭酸カリウム(3.4g)のN−メチルピロリドン(50ml)溶液に、10℃以下の温度でアクリル酸クロリド(1.1ml)を滴下した。反応液を室温にて5時間攪拌後、炭酸カリウム(3.4g)およびアクリル酸クロリド(1.1ml)を追加し、さらに20時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(200ml)/希塩酸水(200ml)に注ぎ、分液した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄後、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/4)で精製することにより化合物M5(2.2g、63%)を得た。化合物M5のNMR測定の結果は下記のとおりであった。
H NMR(CDCl) δ 4.61〜4.80(m,6H)、5.97(dd、J=10.5,1.2Hz,3H),6.14(dd、J=17.1,10.5Hz,3H),(dd、J=17.1,1.2Hz,3H)]
19F NMR(CDCl) δ −63.21(brs,3F),−63.52(d, J=147Hz,3F),−65.88(d,J=147Hz,3F),−82.57(s,9F),−133.39〜−133.48(m,3F)] 粘稠な油状物としてM5を得た。
上記と同様の方法によりM1〜4、M6〜20の化合物を合成した。
<実施例2:含フッ素アルコールの合成>
(化合物III−1の合成)
以下のスキームにしたがって、本発明の含フッ素アルコールIII−1を合成した。
Figure 2013035849
(化合物9の合成)
原料供給口、フッ素供給口、へリウムガス供給口およびドライアイスで冷却した還流装置を経由してフッ素トラップに接続されている排気口を備えた1000mlテフロン(登録商標)製容器に、フッ化ナトリウム(40.7g)およびFC−72(700ml)を入れて、内温0℃にてヘリウムガスを流速100ml/minで30分間吹き込んだ。引き続き20%F/Nガスを100ml/minで60分間吹き込んだ後、フッ素流量を250ml/minとし、化合物8(15g)とAK−225(33g)の混合溶液を6.0ml/hで添加した。フッ素流量を200ml/minに下げ、ヘキサフルオロベンゼン(3ml)のFC−72(6ml)溶液を2.8ml/hで添加し、さらに20%F/Nガスを200ml/minで15分間流した。反応器をヘリウムガスで置換した後、濾過した。濾液にフッ化ナトリウム(10g)を添加し、メタノール(300ml)を加え、2時間攪拌した。反応液をろ過した後、常圧にてFC−72を加熱留去し、さらに100mmHgの減圧下でメタノールを留去した。濃縮残留物をジエチルエーテル/炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を減圧下で濃縮することにより、化合物9(6.59g、81%)を無色の油状物として得た。
H NMR(CDCl) δ 3.98(s,12H)]
19F NMR(CDCl) δ −66.2(s,8F),−86.8(s,8F),−122.8(s,8F)]
(化合物III−1)の合成
リチウムアルミニウムヒドリド(1.75g)をジエチルエーテル(10ml)に分散し、10℃以下の温度で化合物9(3.2g)のジエチルエーテル(30ml)溶液を滴下した。反応液を室温にて6時間攪拌し、酢酸エチル(100ml)をゆっくり滴下した。この溶液を、希塩酸水/氷/酢酸エチルにゆっくり注ぎ、不溶物を濾別した。有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥後減圧にて濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)で精製することにより化合物III−1(2.7g、96%)を粘稠な油状物として得た。化合物III−1のNMR測定結果は下記のとおりであった。
H NMR(CDCl) δ 3.93(s,8H)]
19F NMR(CDCl) δ −66.73(s,J=14Hz,8F),−86.89(s,8F),−127.23(t,J=14Hz,8F)]
(比較重合性化合物の合成)
上記含フッ素アルコールIII−1をアクリロイル化することにより、特開2006−28280号公報に記載の4官能の含フッ素モノマーR2を得た。また、同様の方法により3官能および6官能の含フッ素モノマーR1およびR3を得た。また、上記公報の実施例の項に記載の方法により、含フッ素多官能モノマーR4およびR5を合成した。
Figure 2013035849
一般式(I)で表される化合物および比較化合物R1〜R5のフッ素含有率と架橋間分子量(複数ある場合は一番大きいもの)を表1に示す。
Figure 2013035849
<参考例1.反射防止膜の作製および評価>
(硬化性樹脂組成物の調製)
表2に示す各成分を混合(括弧内は、固形成分比率を示す)し、メチルエチルケトンに溶解し、30質量%溶液を調製した後、孔径0.25μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、硬化性樹脂組成物を調製した。
表中のIrg907はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の光重合開始剤イルガキュア907(商品名)を表し、WPAG−145は和光純薬株式会社製の光酸発生剤(Bis(cyclohexylsulfonyl)diazomethane)を表す。
(反射防止膜の評価)
前述のように調製した、硬化性樹脂組成物をバーコーターを用いてガラス基板上に塗布した。90℃で乾燥した後、窒素雰囲気下で紫外線を照射し、さらに、120℃で10分加熱し、その後、室温まで冷却した。このようにして、作成した反射防止膜(試料P−1〜P−10)のユニバーサル硬度、屈折率、および防汚性の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2013035849
(評価方法)
ユニバーサル硬度評価:
(株)フィッシャー・インスツルメンツ社製の微小硬度計(フィッシャースコープH100VP−HUC)を用いて測定した。この際、ダイヤモンド製の四角錘圧子(先端対面角度;136)を使用し、押し込み深さが1μmを超えない範囲で、適当な試験荷重下での押し込み深さを測定した。ユニバーサル硬度値(HU)は試験荷重をその試験荷重で生じた圧痕の幾何学的形状から計算される表面積で割った値で表される。
屈折率:
屈折率:アッベ屈折計(アタゴ株式会社製)を用いて測定した。
防汚性の評価:
作製した塗膜の表面に、赤、青、黒の油性マジックで線を書き、室温で24時間放置した後、乾いた布もしくは紙で拭き取ったときの、マジックに対する防汚性のレベルを確認した。判定は次の基準に従った。
全くつかない :○
うっすらと色が残る:△
着色が著しい :×
<参考例2.反射防止フィルムの作製および評価>
(反射防止フィルムの作製)
調製した硬化性樹脂組成物を用いて、下記のようにして、透明支持体上に反射防止膜を塗設し、反射防止フィルムを作製した。
(二酸化チタン分散物の調製)
コア/シェル構造の二酸化チタン微粒子(TTO−55B、シェル材料;アルミナ粒子全体の9質量%、石原産業(株)社製、商品名)30g、ポリ(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート)4.5g、市販のカチオン性モノマー(DMAEA、商品名、(株)興人社製)0.3gおよびシクロヘキサノン65.2gを、サンドグラインダーミルにより分散し、重量平均径53nmの二酸化チタン分散物を調製した。
(中屈折率層用塗布液の調製)
前記二酸化チタン分散物49.60gに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA(商品名)、日本化薬(株)社製)を18.08g、光重合開始剤(イルガキュア907、商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.920g、光増感剤(カヤキュアーDETX、商品名、日本化薬(株)社製)を0.307g、メチルエチルケトンを230.0gおよびシクロヘキサノンを500g添加して撹拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して中屈折率層形成用の塗布液を調製した。
(高屈折率層用塗布液の調製)
前記二酸化チタン分散物110.0gに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA(商品名)、日本化薬(株)社製)を6.29g、光重合開始剤(イルガキュア907、商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)を0.520g、光増感剤(カヤキュアーDETX、商品名、日本化薬(株)社製)を0.173g、メチルエチルケトンを230.0gおよびシクロヘキサノンを460.0g添加して撹拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層形成用の塗布液を調製した。
(ハードコート層用塗布液の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(DPHA(商品名)、日本化薬(株)社製)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6300B(商品名)、日本合成化学工業(株)社製)125gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュア−DETX(商品名)、日本化薬(株)社製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を撹拌した後、1ミクロンメッシュのフィルターでろ過してハードコート層形成用の塗布液を調製した。
(各層の塗設)
以下のようにして、図2に示す反射防止フィルムを製造した。
透明支持体2としての厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD80U(商品名)、富士フイルム(株)社製)上に、前記のハードコート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布した。90℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmのハードコート層3を形成した。
ハードコート層3の上に、前記中屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布した。60℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層7(屈折率1.70、膜厚70nm、TTB−55B、21体積%)を形成した。中屈折率層7の上に、前記の高屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布した。60℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層8(屈折率1.95、膜厚75nm)を形成した。
高屈折率層8の上に、前述のように調製した硬化性樹脂組成物を、それぞれバーコーターを用いて塗布し、90℃で乾燥した後、窒素雰囲気下で紫外線を照射し、さらに120℃で10分間加熱し、その後室温まで放冷して低屈折率層5(膜厚100nm)を形成し、反射防止フィルム(S−1〜S−8)を作製した。
(反射防止フィルムの評価)
得られた反射防止フィルムについて、平均反射率、鉛筆硬度、および耐擦傷性についての試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 2013035849
平均反射率の評価:
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの鏡面平均反射率を用いた。
鉛筆硬度評価:
反射防止フィルムを温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。
耐擦傷性の評価:
作製した皮膜について、膜表面をスチールウール#0000を用いて、1000g/cmの荷重下で10往復擦った後に、傷のつくレベルを確認した。判定は次の基準に従った。
全くつかない :○
細かい傷がつく:△
傷が著しい :×
以上の結果から明らかなように、R4の含フッ素化合物を用いた塗膜および反射防止フィルムは、高屈折率で、反射率が高く、さらに、硬度、耐擦傷性、および防汚性も不十分であった。また、R5の含フッ素化合物を用いた塗膜および反射防止フィルムは、鉛筆硬度が低く、耐擦傷性および防汚性が不十分であった。
これに対し、一般式(I)で表される重合性含フッ素多化合物を用いた塗膜および反射防止フィルムは、フッ素含率が高く、且つ、重合性基を多く含み、低屈折率および低反射率でありながら、優れた硬度、耐擦傷性、および防汚性を兼ね備えていた。また、一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物を用いたものの中では、フッ素含率が高いほど反射率の観点で有利であること、および、1分子中に含まれる重合性基の数が多いほど硬度、耐擦傷性の観点で有利であることが分かる。
上記の結果をふまえ、重合性モノマーにおいてフッ素含有率及び架橋間分子量が同じである(屈折率ないし反射率が所定の値である)反射防止膜試料(表2)及び反射防止フィルム試料(表3)につき、一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物を用いた試料と比較試料とを対比した。
具体的には、(1)一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の化合物M5を用いた試料と比較化合物R1を用いた試料、(2)一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の化合物M13を用いた試料と比較化合物R2を用いた試料、(3)一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物の化合物M17を用いた試料と比較化合物R3を用いた試料を対比した。その結果、硬度及び耐擦傷性について、比較例のものに対し一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物を用いた試料は、いずれの対比においても優れることが分かる。このことから一般式(I)で表される重合性含フッ素化合物によれば、所望の光学特性において、高い硬度及び優れた耐擦傷性を有する反射防止膜及び反射防止フィルムとすることができることが分かる。
<参考例3>
上記本発明の反射防止フィルム(P−1、2、4、6、及び8)をそれぞれ用いて、画像表示装置を作製した。それらの画像表示装置はいずれも外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止しつつ、かつ表面強度に優れるものであった。
<実施例3.撥水性ポリウレタン組成物の評価>
(水酸基末端液状ポリイソプレンの調製)
1リットル容のステンレス製耐圧反応容器に、イソプレン200g、濃度30%の過酸化水素水100g及びイソプロパノール300gを仕込み、温度116℃、反応時間2.4時間の条件で反応を行なった。反応中において、圧力は最大7.1kg/cmGまで上昇した。反応が終了した後、分液ロートに反応混合物を入れ、600gの水を添加して震盪し、3時間静置した後、油層を分取した。この油層から溶媒,モノマー,低沸点成分を2mmHg,100℃,2時間の条件で留去し、分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイソプレン(収率70重量%)を得た。このものの数平均分子量は1350であり、水酸基含有量は1.54meq/g、粘度は45ポイズ/30℃であった。このときの1分子当たりの平均水酸基数は2.13である。また、H−NMRによる構造解析結果はトランス−1,4構造が56mol%であり、シス−1,4構造が34mol%であって、1,2構造が6mol%、3,4構造が4mol%であった。
(ポリウレタン硬化物の作成と評価)
第4表に示す配合からジイソシアネート化合物を除く他の成分を混合し、60℃で2時間攪拌した。この混合物にジイソシアネート化合物を第4表に示す割合で加え、60℃で2分間攪拌し、液状重合体組成物を得た。これを300×150×2mmの金型上に流し、60℃で2時間プレス後、60℃で15時間養生して硬化物を得た。液状混合物の相溶性、および硬化物の撥水性、ブリード、タックの有無、擦傷性を評価した結果を表5に示す。
Figure 2013035849
*1:上記で合成した水酸基末端液状ポリイソプレン、水酸基含量=1.54meq/g
*2:カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(イソシアネート含量29%)
*3:HOCH(CF2)CHOH水酸基含量=4.33meq/g、融点124〜128℃
II−1:水酸基含量=4.46meq/g、粘稠オイル
III−1:水酸基含量=5.00meq/g、粘稠オイル
*4:ジブチル錫ジラウリレート
Figure 2013035849
(相溶性の評価)
第4表に示す配合からジイソシアネート化合物を除く他の成分を混合し、150℃で15時間後の外観を観察し、次の3段階で評価した。
○:均一透明、△:白濁、×:二層分離
(接触角)
上記のようにして得られた硬化物に対する水の接触角を、CA-X型の接触角計(協和界面科学(株)製)を用い、測定温度20℃の条件にて測定した。接触角が大きい程、そのサンプル撥水性は高いと評価される。
(ブリードおよびタックの確認)
上記のようにして得られた硬化物を1週間室温にて放置し、目視によるブリード確認及び指触によるタックの有無を確認した。
(耐擦傷性)
上記のようにして得られた硬化物の表面をスチールウール#0000を用いて、100g/cmの荷重下で10往復擦った後に、傷のレベルを観察し、次の3段階で評価した。
○:ほとんど傷が認められない、△:細かい傷が認められる、×:著しい傷が認められる
1 反射防止フィルム
2 透明支持体
3 ハードコート層
5 低屈折率層
6 反射防止膜
7 中屈折率層
8 高屈折率層

Claims (4)

  1. 下記一般式(II)または(III)で表される含フッ素アルコール。
    Figure 2013035849
    [式中、Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、q価のフッ化炭化水素基を表す。qは2以上の整数を表す。Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、1価のフッ化炭化水素基を表す。また上記式中メチロール基のヒドロキシル基の水素原子は重合性基Qで置換されていてもよく、このQを導入した化合物のフッ素含有率は該化合物の分子量において35質量%以上であり、該化合物を重合させたとき、重合により得られ重合体の架橋間分子量の計算値がいずれも300以下となる。またqが2以上のとき、複数のQは同一でも異なってもよい。]
  2. 下記一般式(II−1)または(III−1)で表される含フッ素アルコール。
    Figure 2013035849
  3. 少なくとも、(A)ポリオール化合物、(B)ポリイソシアネート化合物および(C)下記一般式(II)および/または(III)で表される含フッ素アルコールからなる撥水性ポリウレタン用組成物。
    Figure 2013035849
    [式中、Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、q価のフッ化炭化水素基を表す。qは2以上の整数を表す。Rfは少なくとも炭素原子及びフッ素原子を含み、酸素原子及び/又は水素原子を含んでもよい、鎖状又は環状の、1価のフッ化炭化水素基を表す。また上記式中メチロール基のヒドロキシル基の水素原子は重合性基Qで置換されていてもよく、このQを導入した化合物のフッ素含有率は該化合物の分子量において35質量%以上であり、該化合物を重合させたとき、重合により得られ重合体の架橋間分子量の計算値がいずれも300以下となる。またqが2以上のとき、複数のQは同一でも異なってもよい。]
  4. 少なくとも(A)ポリオール化合物、(B)ポリイソシアネート化合物および(C)下記式(II−1)または(III−1)で表される含フッ素アルコールの少なくとも1種を含む撥水性ポリウレタン用組成物。
    Figure 2013035849
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