JP2562672Y2 - エアバッグ装置のインフレータ用フィルタ - Google Patents

エアバッグ装置のインフレータ用フィルタ

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JP2562672Y2
JP2562672Y2 JP1991084008U JP8400891U JP2562672Y2 JP 2562672 Y2 JP2562672 Y2 JP 2562672Y2 JP 1991084008 U JP1991084008 U JP 1991084008U JP 8400891 U JP8400891 U JP 8400891U JP 2562672 Y2 JP2562672 Y2 JP 2562672Y2
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清 恒川
紅三 河野
明 川口
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、エアバッグ装置のイン
フレータ用フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】エアバッグ装置では、車両急減速時にガ
ス発生物質を燃焼させることにより発生したガスをエア
バッグ袋体に供給するインフレータが設けられており、
ガス発生物質とエアバッグ袋体との間にフィルタが配置
されている。インフレータでは、このフィルタによって
ガスに含まれる燃えかすを除去してエアバッグ袋体に供
給している。
【0003】ところで、エアバッグ装置では、車種や取
付位置により、エアバッグ装置と乗員との間隔が異なる
等の理由から、エアバッグ袋体の膨張速度や乗員に対す
る膨出量を車種に応じて設定する必要がある。これに応
じてガスの流出速度や、流出量を変化させるので、ガス
通過孔の大きさの異なったフィルタを各種準備する必要
がある。従来、フィルタは、織成した網状とされてお
り、編み目の大きさを変えて編み込むことによりガス通
過孔の大きさを変えている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フィルタでは、編み目の大きさを変えて編み込むことに
よりガス通過孔の大きさを変えているため、所望の大き
さのガス通過孔を有するフィルタを形成することは容易
ではない。さらに、フィルタを所望の大きさに切断する
と、切断部がほつれるという不具合がある。
【0005】本考案は上記事実を考慮し、エアバッグ装
置のインフレータ用フィルタを、所望の大きさのガス通
過孔を有した状態に容易に形成できるようにすることを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の考案に係るエ
アバッグ装置のインフレータ用フィルタは、インフレー
タのガス発生物質とエアバッグ装置の袋体との間に介在
され前記ガス発生物質の燃焼により発生したガスが通過
するフィルタであって、複数の互いに平行な切込みを形
成しこの切込みを板厚方向に押し広げることによって板
厚方向に凹凸状の突部を形成しこの突部によって前記ガ
スが通過する複数個のガス通過孔が形成された板状部材
を、前記ガスの通過方向に複数個重ね合わされて構成し
たことを特徴としている。
【0007】請求項2の考案に係るエアバッグ装置のイ
ンフレータ用フィルタは、インフレータのガス発生物質
とエアバッグ装置の袋体との間に介在され前記ガス発生
物質の燃焼により発生したガスが通過するフィルタであ
って、打抜きにより形成され前記ガスの通路となる複数
のガス通過孔とこれらの複数のガス通過孔の間に板厚方
向に突設された突部とを有する第1の板状部材と、打抜
きによって前記ガスの通路となる複数個のガス通過孔が
形成され、このガス通過孔が前記第1の板状部材のガス
通過孔と連通された状態に前記ガスの通過方向において
前記突部を介して前記第1の板状部材に重なり合わされ
た第2の板状部材と、を有することを特徴としている。
なお、請求項3の考案に係るエアバッグ装置のインフレ
ータ用フィルタは、インフレータのガス発生物質とエア
バッグ装置の袋体との間に介在され前記ガス発生物質の
燃焼により発生したガスが通過するフィルタであって、
打抜きにより形成され前記ガスの通路となる複数のガス
通過孔とこれらの複数のガス通過孔の間に板厚方向に突
設された突部とを有する板状部材を備え、前記ガス通過
孔を前記突部間の略真ん中に形成し、かつ前記突部の前
記板状部材の長さ方向の長さまたは幅方向の長さを異に
した複数の前記板状部材を、前記ガス通過孔同志が連通
された状態に前記ガスの通過方向において前記突部を介
して重ね合わされて構成したことを特徴としている。
【0008】
【作用】請求項1の考案では、所望の大きさのガス通過
孔を有するフィルタを形成する場合には、板状部材に、
所定の大きさの切込みを複数個形成し、この切込みを押
し広げることにより所望の大きさのガス通過孔を形成す
る。この板状部材をガスの通過方向に複数個重ね合わさ
れてフィルタを構成する。よって、本考案によれば、本
考案では、所望の大きさのガス通過孔を編み込みの際の
編み目の大きさを変えることにより形成することなく、
切込み量や押し広げ量を調節することにより形成できる
ので、エアバッグ装置のインフレータ用フィルタを、所
望の大きさのガス通過孔を有した状態に容易に形成でき
る。
【0009】請求項2の考案では、所望の大きさのガス
通過孔を有するフィルタを形成する場合には、第1の板
状部材に、打抜きにより所望の大きさのガス通過孔を形
成しさらに突部を形成する。また、第2の板状部材に、
打抜きにより所望の大きさのガス通過孔を形成する。そ
して、この第2の板状部材を前記第1の板状部材のガス
通過孔と連通された状態に前記ガスの通過方向において
突部を介して前記第1の板状部材に重なり合わせてフィ
ルタを構成する。
【0010】
【実施例】以下に本考案の一実施例に係るフィルタが適
用されたエアバッグ装置用インフレータを図1〜図5に
従って説明する。
【0011】図4には、エアバッグ装置10が示されて
いる。なお、図中矢印FR方向は車両前方方向を示して
いる。
【0012】エアバッグ装置10では、ベースプレート
12がステアリングホイール14のハブ14Aに略平行
に支持されている。ベースプレート12には、エアバッ
グ袋体16、エアバッグカバー18、インフレータ20
が取り付けられている。
【0013】エアバッグ袋体16はベースプレート12
の乗員側(図4上側)に折り畳まれた状態で配置されて
いる。このエアバッグ袋体16は開口側の縁がベースプ
レート12の略中央部にリングプレート22を介して取
り付けられている。リングプレート22は図示しないボ
ルトでベースプレート12に締め付けられ、エアバッグ
袋体16の開口側の縁をベースプレート12に押し付け
ている。
【0014】エアバッグカバー18はベースプレート1
2の乗員側に配置されてベースプレート12との間にエ
アバッグ袋体16を格納している。このエアバッグカバ
ー18は図示しない枠状の芯金が埋設され、芯金を介し
てリベット等によりベースプレート12へ取り付けられ
ている。このエアバッグカバー18のベースプレート1
2との対向部には薄肉部24が形成され、この部分で破
断され易いようになっている。
【0015】図1に示す如く、インフレータ20内に
は、収容室50〜56が形成されている。収容室50に
は、後述する起動装置32及び着火部材ユニット35が
収容され、収容室52には、ガス発生物質30が収容さ
れている。また、収容室54には、ガス発生物質30の
燃焼により生じたガスを冷却するためのクーラーント3
6が収容され、収容室56にはガスに含まれる燃えかす
を除去するためのフィルター37が収容されている。
【0016】以下に、インフレータ20の本体の構成を
説明する。インフレータ20の本体は、プレス成形され
たステンレス製の筒体58、70、84、96、112
の各々が接合されて形成されている。
【0017】図1に示す如く、筒体58は、底部60を
備えており、開口端部から半径方向外方へフランジ62
が延出されている。底部60には、中央部が、開口部側
へ屈曲されて平面視で円状の凹部64が形成されてい
る。この凹部64を形成する側壁の外壁面65A及びこ
の裏面である内壁面65Bは、インフレータ20の本体
の軸線方向(図1矢印A方向)に向けてしだいに小径と
なるテーパ面とされている。内壁面65Bは、筒体70
との溶接面とされている。凹部64の底部は、その一部
が、筒体58の開口部と反対側へ屈曲されており、平面
視で円状の溝部66とされている。この溝部66を形成
する壁部は、筒体58を軸線方向に沿って切断した断面
が略U字状とされている。また、筒体58の側壁58A
には、ガスの通路となるガス孔63が周方向に沿って複
数個形成されている。
【0018】筒体58内には、底部72を備えた筒体7
0が配置されている。この筒体70には、底部72の略
中央部が、開口部側へ屈曲されて円状の凹部73が形成
されている。凹部73の矢印A方向から見た内壁面73
Aは、インフレータ20の本体の軸線方向Aに沿ってし
だいに小径とされるテーパ面とされている。さらに、凹
部73の底部の略中央部には、平面視で円状の溝部74
が形成されており、溝部74を形成する壁部は、筒体7
0を軸線方向Aに沿って切断した断面形状が略U字状と
されている。さらに、図2に示す如く、筒体70には、
複数個の係止片78が形成されている。この係止片78
は、筒体70の開口部から軸方向へ延出された基部の先
端が筒体70の周方向の一方向に略直角に屈曲されて形
成された爪部82を備えている。具体的には、具体的に
は、係止片78へスリット78Aを刻設することにより
爪部82が形成される。係止片78は、筒体84に形成
された長孔86に対応している。
【0019】図1に示す如く、前記筒体70の底部72
は、筒体58の底部60に当接して凹部64、溝部66
が凹部73、溝部74と各々密着しており、この当接部
がレーザ溶接により接合され、これにより、筒体70が
筒体58に固定されている。この場合のレーザ溶接は、
筒体58の外壁面65Aと直交するようにレーザビーム
LB1を照射することにより、当接部を融解し、固化さ
せることにより行っている。
【0020】この筒体70には、筒体84が係止されて
いる。図2にも示す如く、筒体84は、底部88を備え
ており、開口端部からフランジ90が半径方向外方へ延
出されている。フランジ90には、ガスが通過するガス
孔92が形成されている。さらに底部88には、略中央
部に、筒体96が挿入される円状の挿入孔94が形成さ
れており、底部88の外周部には、係止片78が挿入さ
れる長穴86が形成されている。長穴86は、略円弧状
とされており、底部88の周方向に沿って複数個形成さ
れている。この長穴86に係止片78が挿入された後に
回転することによって、爪部82が長穴86の端部に係
合され、すなわち、スリット78A内へ長穴86の周縁
が入り込み、筒体84が筒体70に係止されている。図
1に示す如く、この係止状態でフランジ90は、外周面
90Aが、筒体58の側壁58Aの内面の開口部近傍に
レーザ溶接により溶接されており、筒体58と筒体70
との間にドーナツ形状のスペース、すなわち収容室56
を形成している。
【0021】前記挿入孔94に挿入された筒体96は、
底部98を有しており、軸方向長さが筒体58、70よ
りも長くされ内部が収容室50とされている。筒体96
には、開口部から半径方向外側へフランジ106が延出
されている。底部98の外周には、平面視で円状の突部
100が形成されている。突部100は、インフレータ
20の本体の軸線方向に沿って筒体96を切断した断面
形状が略U字状とされ、溝部74に密着されている。筒
体96の側壁96Aには、底部98側に、複数の貫通孔
104が形成されている。フランジ106の一部は底部
98側へ屈曲されており、平面視で円状の溝部108と
されている。溝部108を形成する壁部は、インフレー
タ20の本体の軸線方向に沿って筒体96を切断した断
面形状が略U字状とされている。突部100は、前記筒
体70の溝部74の内面76Aにレーザ溶接によって接
合されている。この場合のレーザ溶接は、筒体96内側
から突部100に向けてレーザビームLB2を照射する
ことによって行われており、これによって内壁面76A
と突部100との境界部を融解させ、固化させることに
より境界部が接合されている。
【0022】筒体112は、底部114を備えており、
底部114の略中央部に、円孔116が形成されてい
る。底部114の円孔116の外側には、一部が底部1
14側から開口部側へ向けて屈曲されて、突部118が
形成されている。突部118は、筒体112をインフレ
ータ20の本体の軸線方向に沿って切断した断面形状が
略U字状にされている。
【0023】突部118は、前記溝部108の内壁に当
接しており、この当接部がレーザ溶接により溶接されて
いる。この場合のレーザ溶接は、筒体112の突部11
8を形成する側壁にレーザビームLB3を照射すること
によって行われ、これにより、溝部108の内壁と突部
118との境界部が融解され、固化されて接合されてい
る。また、筒体112の側壁112Aの開口部側の端部
が筒体58の側壁58Aの内壁の開口部側端部に当接さ
れ、この当接部位がレーザ溶接により接合されている。
側壁112Aは、フランジ62と直交する面67に対し
て所定角度θ傾斜しており、これにより、側壁112A
とフランジ62との間隔が広くされており、側壁112
Aと側壁58Aとの間へレーザビームが照射し易いよう
になっている。すなわち、レーザ溶接は、図示しないレ
ーザビーム射出部をフランジ62と筒体112の側壁1
12Aとのスペースに挿入してレーザビームLB4を照
射することによって行われ、これにより、側壁112A
の端部と側壁58Aの端部との当接部が融解し、固化さ
れて筒体112及び筒体58が接合される。この筒体1
12は、筒体84との間に収容室54を形成している。
この収容室54は、内側が側壁96Aで筒体50と区画
されており、挿入孔94を介して収容室52と、円孔9
2を介して収容室56と連通されている。
【0024】以上のようにしてインフレータ20の本体
が構成されている。インフレータ20の本体の収容室5
0に収容された着火部材収容ユニット35は、図5に示
す如く、収容ケース122、エンハンサ124及び雷管
45によって構成されている。収容ケース122は、底
部126を備えた円筒状とされており、内部にエンハン
サ124及び雷管45を収容している。雷管45は、収
容ケース122内に2個設けられており、これらの雷管
45の外周には、エンハンサ124が設けられている。
底部126には、各々の雷管45に対応する位置に、貫
通孔128が各々形成されている。この貫通孔128の
周囲は段部128Aとされて雷管45のつば部45Aを
収容している。さらに、底部126には、一対の位置決
め凹部130が設けられており、これらの位置決め凹部
130は、底部126の中心部を隔ててこの中心部に対
してと対称の位置に各々形成されている。図1に示す如
く、これらの位置決め凹部130に起動装置32の位置
決め突起33が嵌入されており、これによって、着火ピ
ン43の先端部が貫通孔128に対応し、着火ピン43
が雷管45に衝突可能な位置に配置されている。
【0025】さらに、収容ケース122の側壁には、貫
通孔134が周方向に沿って複数個形成されており、エ
ンハンサ124が着火されたときに火花が各々の貫通孔
134を通過できるようになっている。なお、貫通孔1
34は、筒体96の貫通孔104と連通している。
【0026】上記着火部部材ユニット35と共に収容室
50に収容された起動装置32には、図3に示す如く、
車両急減速時に慣性移動するボール42が設けられてい
る。このボール42は、シリンダ40内に収容されてお
りドライブシャフト44の一端部が当接している。ドラ
イブシャフト44の中間部には、トリガ部46が形成さ
れており、着火ピン43に係合してこれを保持してい
る。車両急減速時には、ボール42が慣性移動してドラ
イブシャフト44を回動させ、これによって、トリガ部
46よる着火ピンの係止が解除されて、着火ピン43が
移動し、雷管45と衝突するようになっている。
【0027】前記フィルタ37は、図7に示すエキスパ
ンドメタル150が複数枚重ね合わされて構成されてい
る。エキスパンドメタル150は、複数個のガス通過孔
152が千鳥配列で形成されている。ガス通過孔152
は、図6に示すカッター158によって形成される。
【0028】カッター158は、上刃154と下刃15
6とを有している。上刃154は、所定ピッチLWで刃
先154Aが形成され先端が鋸刃状とされている。下刃
156は、長手方向が上刃154の長手方向と平行とさ
れかつ、上刃154の刃先154Aの形成面と直交する
方向に若干ずらされて配置されている。
【0029】ガス通過孔152を形成する場合には、上
刃154と下刃156との間に金属板160を配置し、
上刃154を下刃156へ向けて下方へ移動させ、上刃
154と下刃156とによって金属板160に切込みを
形成し、上刃154をさらに下方へ移動させ、切込み部
を押し広げる。これにより、刃先154Aに対応したピ
ッチLWで交互に凹部が形成された波部162が金属板
160に形成される。次に、上刃154を上方へ移動さ
せ、さらに、長手方向に1/2LW(刃先154Aのピ
ッチの1/2)移動させる。また、金属板160を水平
に上刃154方向へ所定量搬送し、上刃154を下方へ
移動させ、金属板160に切込みを形成し、上刃154
をさらに下方へ移動させ、切込み部を押し広げる。これ
により、刃先154Aに対応したピッチLWで交互に凹
部が形成される共に波部162に対して1/2LWだけ
長手方向へずれた状態で波部164が形成される。以上
の動作を繰り返すことによりガス通過孔154を有する
エキスパンドメタル150が形成される。この場合、カ
ッター158による切込み量、あるいは押し広げ量を変
えることにより図8及び図9に示すような異なった大き
さ(所望の大きさ)のガス通過孔152を有するエキス
パンドメタル166、168を容易に形成できる。フィ
ルタ37は、これらのエキスパンドメタル166、16
8を重合わせるだけで構成できるので、車種に等に応じ
て要求される所望のフィルタ37を容易に形成できる。
【0030】さらに、本実施例のフィルタ37は、所望
の大きさに切断しても、編み込みではなく、単一の金属
板によって形成されているので、切断部がほつれること
はない。本実施例では、インフレータ20のインフレー
タ20の本体は、複数の筒体58、70、84、96、
112をプレス成形により形成し、各々を接合すること
によって構成しているので、鍛造によりインフレータ2
0の本体を形成する場合に比べて切削等の煩雑な後加工
が不要で量産性がよい。さらに、本実施例では、エンハ
ンサ124の着火時等に受ける圧力にインフレータ20
の本体が耐え得るように、インフレータ20の本体を複
数個の筒体58、70、84、96、112を接合して
構成しているため、各筒体の肉厚寸法を小さくでき軽量
であると共にプレス成型が容易である。
【0031】なお、従来、インフレータ20の本体の材
料としてアルミニウムを使用しているが、アルミニウム
は強度が低く、高圧に耐え得るように厚肉にする必要が
ある。
【0032】以下に本実施例の作用を説明する。本実施
例では、ガス発生物質30により発生するガス流出速度
等を考慮して、所望の大きさのガス通過孔152を有す
るエキスパンドメタル150を形成し、これを重ね合わ
せてフィルタ37を構成しており、このフィルタ37が
収容室56に配置されている。
【0033】通常状態では、起動装置32は、作動せず
エアバッグ袋体16は膨張することはない。
【0034】一方、車両急減速時には、ボール42が慣
性移動し、この慣性移動により着火ピン43の係合状態
が解除され、着火ピン43が移動する。この着火ピン4
3は、貫通孔128を通過して雷管45と衝突し、雷管
45が着火され、これによりエンハンサ124が燃焼す
る。このとき、雷管45及びエンハンサ124には、極
めて短時間に火炎が伝播し、大きな爆発力が、ケース本
体に作用するが、上記の如く、収容室50の底部は、底
部60、72、98が接合されて3層にされており、ケ
ース本体の軸方向の強度が充分に確保されているため、
ケース本体は、爆発力に充分に耐えることができる。さ
らに、係止片78によって筒体70及び筒体84が結合
されているので、各々がケース本体の軸線方向に離間す
ることはない。
【0035】エンハンサ124が着火されると、火花が
貫通孔134さらには貫通孔104を通過してガス発生
物質30に至り、この火花によってガス発生物質30が
着火されて、ガスが発生する。この場合、収容室52の
壁部は、ガス発生物質30の燃焼の際に圧力を受ける
が、上記の如く、係止片78によって筒体70及び筒体
84が互いに連結されており、さらに、筒体70の側壁
70Aの外側に筒体84の側壁84Aが配置されケース
本体の半径方向外方に対する圧力をこの側壁70A及び
側壁84Aによって受けるように構成されているので、
ケース本体の軸線方向のみならず、半径方向外方に対す
る強度も充分に確保される。また、収容室52の底部
が、筒体58の底部60と、筒体70の底部72とが接
合され多層となっているので、ケース本体の軸線方向に
おける強度を充分に確保できる。
【0036】前記ガス発生物質30の燃焼によって発生
したガスは、円孔94を通過し収容室54に至り、クー
ラント36により冷却された後、ガス孔92を通過し
て、収容室56へ至る。収容室56内に供給されガス
は、フィルタ37のガス通過孔152を介してガス孔6
3を通過しエアバッグ袋体16内に供給され、エアバッ
グ袋体16が膨張する。この膨張によってエアバッグカ
バー18が薄肉部24から破断され、エアバッグ袋体1
6がこの破断された部位から乗員へ向けて膨出する。こ
の場合、フィルタ37をエキスパンドメタル150によ
って構成し、ガス通過孔152をガスの流出速度等を考
慮して最適な大きさとしているので、ガス発生物質30
の燃えかすが確実に除去された状態で、ガスがエアバッ
グ袋体16に供給される。
【0037】図10には、フィルタの他の実施例が示さ
れている。図10に示すフィルタ170は、パンチング
メタル172が3枚重ね合わされて構成されいる。パン
チングメタル172は、打ち抜きにより、複数個のガス
通過孔174が形成されており、各々のガス通過孔17
4の間には、エンボス加工により突部176が形成され
ている。この突部176は、紙面に直交する方向へ延び
る突状に形成してもよく、あるいは紙面に直交する方向
へ間隔おいて形成した突起であってもよい。各々のパン
チングメタル172は、この突部176を介してガス通
過方向(図1及び図10の矢印B方向)に重ね合わされ
ている。これにより、各々のパンチングメタル172の
ガス通過孔174が互いに連通されガスが通過する通路
とされる。
【0038】この本実施例では、打ち抜きにより種々の
大きさのガス通過孔174を有するパンチングメタル1
72を容易に形成できる。フィルタ170は、フィルタ
37はこれらのエキスパンドメタル166、168を重
合わせるだけで構成できるので、車種等に応じて要求さ
れる所望のフィルタ37を容易に形成できる。また、前
記フィルタ37と同様、所望の大きさに切断しても、編
み込みではなく、単一の金属板によって形成されている
ので、切断部がほつれることはない。
【0039】図11には、フィルタの他の実施例が示さ
れている。本実施例は、第2層目のパンチングメタル1
75に突部176が形成されてない点が図11の実施例
と異なっている。すなわち、本実施例のパンチングメタ
ル175は平板状とされており、図2に示す如く、パン
チングメタル175に形成されたガス通過孔174が、
このパンチングメタル175の上下に重ね合わされた各
々のパンチングメタル172のガス通過孔174と連通
されており、ガスが通過する通路とされている。
【0040】
【考案の効果】以上のように構成したので、本考案よれ
ば、エアバッグ装置のインフレータ用フィルタを、所望
の大きさのガス通過孔を有した状態に容易に形成できる
という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係るフィルタが適用された
エアバッグ装置用インフレータの断面図である。
【図2】本考案の一実施例に係るフィルタが適用された
エアバッグ装置用インフレータのケース本体を構成する
筒体の係止状態を示す分解斜視図である。
【図3】起動装置を構成する部品の配置を示す分解斜視
図である。
【図4】本考案の一実施例に係るフィルタが適用された
エアバッグ装置用インフレータがステアリングホイール
に取付られた状態を示す断面図である。
【図5】着火部材ユニットの分解斜視図である。
【図6】本考案の一実施例に係るフィルタを製造するカ
ッターの斜視図である。
【図7】本考案の一実施例に係るフィルタを構成するエ
キスパンドメタルの平面図である。
【図8】本考案の他の実施例に係るフィルタを構成する
エキスパンドメタルの平面図である。
【図9】本考案の他の実施例に係るフィルタを構成する
エキスパンドメタルの平面図である。
【図10】本考案の他実施例に係るフィルタの断面図で
ある。
【図11】本考案の他実施例に係るフィルタの断面図で
ある。
【符号の説明】
16 エアバッグ袋体 20 インフレータ 30 ガス発生物質 32 起動装置 37 フィルタ 45 雷管 150 エキスパンドメタル(板状部材)
フロントページの続き (72)考案者 河野 紅三 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番 地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)考案者 川口 明 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番 地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)考案者 坂口 喜英 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番 地 株式会社東海理化電機製作所内 (56)参考文献 特開 平3−174210(JP,A)

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インフレータのガス発生物質とエアバッ
    グ装置の袋体との間に介在され前記ガス発生物質の燃焼
    により発生したガスが通過するフィルタであって、 複数の互いに平行な切込みを形成しこの切込みを板厚方
    向に押し広げることによって板厚方向に凹凸状の突部を
    形成しこの突部によって前記ガスが通過する複数個のガ
    ス通過孔が形成された板状部材を、 前記ガスの通過方向に複数個重ね合わされて構成したこ
    とを特徴とするエアバッグ装置のインフレータ用フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 インフレータのガス発生物質とエアバッ
    グ装置の袋体との間に介在され前記ガス発生物質の燃焼
    により発生したガスが通過するフィルタであって、 打抜きにより形成され前記ガスの通路となる複数のガス
    通過孔とこれらの複数のガス通過孔の間に板厚方向に突
    設された突部とを有する第1の板状部材と、 打抜きによって前記ガスの通路となる複数個のガス通過
    孔が形成され、このガス通過孔が前記第1の板状部材の
    ガス通過孔と連通された状態に前記ガスの通過方向にお
    いて前記突部を介して前記第1の板状部材に重なり合わ
    された第2の板状部材と、 を有することを特徴とするエアバッグ装置のインフレー
    タ用フィルタ。
  3. 【請求項3】 インフレータのガス発生物質とエアバッ
    グ装置の袋体との間に介在され前記ガス発生物質の燃焼
    により発生したガスが通過するフィルタであって、 打抜きにより形成され前記ガスの通路となる複数のガス
    通過孔とこれらの複数のガス通過孔の間に板厚方向に突
    設された突部とを有する板状部材を備え、 前記ガス通過孔を前記突部間の略真ん中に形成し、かつ
    前記突部の前記板状部材の長さ方向の長さまたは幅方向
    の長さを異にした複数の前記板状部材を、 前記ガス通過孔同志が連通された状態に前記ガスの通過
    方向において前記突部を介して重ね合わされて構成した
    ことを特徴とするエアバッグ装置のインフレータ用フィ
    ルタ。
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