JPH088917Y2 - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

助手席用エアバッグ装置

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JPH088917Y2
JPH088917Y2 JP1990084268U JP8426890U JPH088917Y2 JP H088917 Y2 JPH088917 Y2 JP H088917Y2 JP 1990084268 U JP1990084268 U JP 1990084268U JP 8426890 U JP8426890 U JP 8426890U JP H088917 Y2 JPH088917 Y2 JP H088917Y2
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explosive
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両急減速時に袋体を膨張させることによ
り助手席に着座する乗員を保護する助手席用エアバッグ
装置に関する。
〔従来の技術及び考案が解決しようとする課題〕
車両急減速時に起動装置を作動させることにより袋体
を膨張させて、この膨張した袋体によって乗員を保護す
るエアバッグ装置には、運転席用のエアバッグ装置(以
下、D席用エアバッグ装置という)と助手席用のエアバ
ッグ装置(以下、P席用エアバッグ装置という)とがあ
る。
D席用エアバッグ装置に用いられる起動装置は略円柱
形状とされ、この起動装置内には車両急減速時に車両前
方へ慣性移動するボールと、ボールが慣性移動すること
により雷管方向(ボールの慣性移動方向と反対方向)へ
移動する着火ピンとを有している。また、この起動装置
はインフレータへ一体的に組付けられており、インフレ
ータ内には雷管が爆発した際に生じる火花を成長させる
伝爆剤や伝爆剤の回りに封入され燃焼することにより大
量のガスを発生するガス発生物質等が収容されている。
一方、P席用エアバッグ装置を配設する場合、車種に
よってはP席用エアバッグ装置を配設するための適当な
スペース(特に、車両前後方向に奥行きのあるスペー
ス)が確保できない等の理由から、インフレータを起動
装置に横付けする場合がある。また、横付けする場合に
おいては、車両急減速時に大量のガスを効率良くかつ瞬
時に袋体内へ流入させる必要から、インフレータの形状
を軸方向が半径方向よりも長い円筒形状にしてガス孔を
形成する表面積を確保した上で、インフレータの軸方向
が車両幅方向となるように配設している。
このような形状及び配置のインフレータに起動装置を
組付ける場合、上記形状及び配置に適合するような起動
装置をD席用エアバッグ装置の起動装置とは別仕様で製
造する必要があり、P席用エアバッグ装置全体のコスト
アップに繋がっていた。また、D席用エアバッグ装置の
起動装置とP席用エアバッグ装置の起動装置とを別仕様
で製造した場合、車両急減速時における加速度の感知性
を統一するために要求される精度がシビアになるという
不具合がある。
ここで、D席用エアバッグ装置の起動装置と同一仕様
品の起動装置をP席用エアバッグ装置に適用することが
できれば、これらの不具合は解消されるが、同一仕様品
の起動装置をP席用エアバッグ装置に適用する場合、ボ
ールの慣性移動方向が車両前方となるように起動装置を
配置しなければならないので、起動装置の軸方向とイン
フレータの軸方向とが直交するように配置せざるを得な
い。
この場合、着火ピンからガス発生物質までの着火経
路、特に雷管からインフレータ内の伝爆剤までの着火経
路が比較的長くなるので、伝爆剤が燃焼不良を起こす虞
れがある。この対策として、大きな雷管を使用すること
により、着火経路を確保することも考えられるが、雷管
を大きくすると必要とされる火薬の量が増える等の不具
合がある。また、伝爆剤を大きくし、これを起動装置側
からインフレータ側までに亘って配設することも考えら
れるが、起動装置とインフレータとは製造段階では別体
であり、これらを組付けてエアバッグ装置を構成する必
要から、組付が困難となり、しかも伝爆剤の形状が複雑
化するのでコストアップに繋がる。
従って、D席用エアバッグ装置の起動装置と同一仕様
の起動装置を上記着火経路が比較的長いタイプのP席用
エアバッグ装置に適用することができないという不具合
は、依然として解消されないでいた。
上記事実を考慮し、本考案は運転席用エアバッグ装置
の起動装置と同一仕様の起動装置を適用することができ
る助手席用エアバッグ装置を得ることが目的である。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係る助手席用エアバッグ装置は、車両急減速
時に慣性移動する慣性体と、この慣性体の慣性移動によ
り移動する着火部材と、この着火部材の移動軌跡上に配
置される雷管と、この雷管の爆発火力を受ける位置に配
設される第1の伝爆剤と、前記慣性体、着火部材、雷管
及び第1の伝爆剤を収容する起動装置本体と、この起動
装置本体が組付けられるインフレータと、このインフレ
ータ内に配設され前記インフレータ内に収容されるガス
発生物質を反応させて袋体を膨張させると共に前記着火
部材の移動方向から離れた位置に配設される第2の伝爆
剤と、前記起動装置本体が前記インフレータに組付けら
れた状態で前記第1の伝爆剤と前記第2の伝爆剤とを連
通する連通路が設けられる連通部と、を有することを特
徴としている。
〔作用〕
上記構成によれば、通常の車両走行状態では、慣性体
に加わる加速度が小さいので、慣性体は慣性移動するこ
とはなく、又は慣性移動量が微量である。このため、着
火部材は移動しないので、助手席用エアバッグ装置が作
動することはない。
この状態から車両急減速時になると、慣性体に加わる
加速度が大きくなるので、慣性体は大きく慣性移動す
る。このため、着火部材が移動して、着火部材の移動軌
跡上に配置された雷管に衝突する。従って、雷管が爆発
し、この雷管の爆発火力が第1の伝爆剤(エンハンサ)
から連通部に設けられた連通路を介して第2の伝爆剤
(エンハンサ)へと伝播される。この結果、インフレー
タ内に収容されるガス発生物質が反応し、ガスが発生し
て袋体が膨張する。膨張した袋体によって、助手席に着
座する乗員は車両急減速時の衝撃から保護される。
このように作動する本考案に係る助手席用エアバッグ
装置によれば、伝爆剤が複数個設けられ、しかも第1の
伝爆剤と第2の伝爆剤とを連通する連通部が設けられて
いるので、着火部材の移動方向から離れた位置に第2の
伝爆剤を配設しても、着火部材からガス発生物質に至る
までの着火経路が確実に確保される。従って、運転席用
エアバッグ装置の起動装置と同一仕様の起動装置を助手
席用エアバッグ装置に適用することが可能になる。
〔考案の効果〕
以上説明した如く、本考案に係る助手席用エアバッグ
装置は、運転席用エアバッグ装置の起動装置と同一仕様
の起動装置を適用することができるという優れた効果を
有する。
〔実施例〕
第3図には、本実施例に係る助手席用エアバッグ装置
(以下、P席用エアバッグ装置10という)が示されてい
る。なお、第1図〜第7図において、適宜示される矢印
FRは車両前方、矢印UPは車両上方、矢印INは車両室内側
をそれぞれ示している。
フロントガラス12の車両下方には、インストルメント
パネル14が配設されている。インストルメントパネル14
には、開口部16が形成されており、この開口部16内にP
席用エアバッグ装置10が収容されている。
P席用エアバッグ装置10はエアバッグケース18とエア
バッグカバー20とを備えている。エアバッグケース18は
図示しない取付手段によりインパネ・リインホースメン
ト(図示省略)に取付けられ、またエアバッグカバー20
はボルト21及びナット23によりエアバッグケース18に展
開可能に取付けられている。エアバッグカバー20がエア
バッグケース18に取付けられた状態では、エアバッグカ
バー20が開口部16を閉止すると共に助手席と対向してい
る。このエアバッグカバー20は、車両急減速時になって
袋体22(第5図参照)が膨張すると押圧されて第3図の
矢印A方向へ展開するようになっている。
エアバッグケース18内には第1図及び第2図に示され
る如く、円筒形状のインフレータ24が配設されている。
このインフレータ24は、円筒部24A及び円筒部24Aの一方
の端部に一体形成された取付部24Bを備えている。取付
部24Bは円筒部24Aよりも一回り大径とされ、その周面に
は外歯26が全周に亘って形成されている。
インフレータ24の取付部24B側には、起動装置本体と
しての屈曲管状のチャンバ28が配置されている。チャン
バ28は、インフレータ24の円筒部24Aと同軸上に位置す
る同軸管28Aと同軸管28Aから一体的かつ軸線が直交する
ように屈曲された屈曲管28Bとから成る。
同軸管28Aの内周面には、インフレータ24の取付部24B
の外歯26と噛み合う内歯30が形成されている。インフレ
ータ24の取付部24Bは、第5図(A)、(B)に示され
る如く、チャンバ28に対して所望の相対角度で嵌合され
た後、嵌合部位が溶着されてシールされている。この位
置決めは、後述するインフレータ24のガス孔92がエアバ
ッグケース18の壁部に略直交(第5図(A)、(B)に
おいて矢印B方向)するように行われている。
屈曲管28B内には、円柱形状の起動部32が同軸的に収
容されている。起動部32の車両後方側端面には、Oリン
グ34が配設されてチャンバ28の屈曲管28Bと起動部32と
の間をシールしている。これにより、車両急減速時に発
生したガスがP席用エアバッグ装置10外に漏れ、袋体22
内の内圧が低下するのを防止している。また、起動部32
の車両前方側端面には、サポートリング36が嵌着されて
起動部32をチャンバ28に固定している。
起動部32の車両前方側の端部には、その軸芯部に円筒
状の突起部38が形成されている。この突起部38は起動部
32の軸芯部と連通されており、軸芯部には図示しない解
除ピンが配設されている。解除ピンはP席用エアバッグ
装置10の組付以前の状態では起動部32の作動を阻止し
(阻止状態)、組付後の状態では起動部32の作動を可能
にする(解除状態)ものである。
第3図に示される如く、突起部38の車両前方側にはシ
リンダ40が配設されており、このシリンダ40はブラケッ
ト42を介して前記インパネリインホースメント(図示省
略)にボルトで固定されている。シリンダ40の軸芯部に
はチューブ44が連結されている。チューブ44のシリンダ
40と反対側の端部には、ボルト用シリンダ46が連結され
ている。ボルト用シリンダ46の周面には一対のフランジ
48が一体形成され、前記インパネリインホースメント
(図示省略)にボルトで固定されている。第4図に示さ
れる如く、ボルト用シリンダ46内には円柱形状のスライ
ダ50が収容されている。スライダ50の一方の端面には、
ワイヤ52の一端が固着されている。ワイヤ52の中間部は
チューブ44内を挿通可能に収容され、また他端はシリン
ダ40を貫通している(第3図参照)。ボルト用シリンダ
46内には、圧縮コイルばね54が収容され、スライダ50を
第4図の矢印C方向へ押圧付勢している。スライダ50の
他方の端面には解除ボルト56の軸方向先端が当接してい
る。解除ボルト56はボルト用シリンダ46に固着されたシ
リンダキャップ58の軸芯部に形成された雌ねじへ螺合さ
れている。
第3図に示される治具60で解除ボルト56を第4図の矢
印D方向へ螺入させると、圧縮コイルばね54の付勢力に
抗してワイヤ52が進入し、更にワイヤ52の先端が起動部
32の突起部38内へ進入し、解除ピンを押圧して前述した
解除状態にしている。
起動部32内にはシリンダ(図示省略)が配設され、こ
のシリンダ内には車両急減速時に第1図の矢印E方向へ
向けて慣性移動する慣性体としてのボール62が収容され
ている。また、起動部32内には着火部材としての軸状の
着火ピン64が配設されている。この着火ピン64は圧縮コ
イルばね(図示省略)に遊嵌されて第1図の矢印E方向
と反対方向へ押圧付勢されている。さらに、起動部32内
には、ボール62の慣性移動量を制限するバイアスピン
(図示省略)が配設されると共にバイアスピンとボール
62とに当接しかつ着火ピン64に一部が係止されるドライ
ブシャフト(図示省略)が配設されている。なお、第1
図にはボール62及び着火ピン64は各1個のみ図示されて
いるが、起動部32内の各部品は2個ずつ配設されてい
る。
着火ピン64の移動軌跡上には雷管66が配設されてい
る。雷管66の車両後方側には円柱形状の第1の伝爆剤68
が配置されている。雷管66と第1の伝爆剤68とは連通路
70を介して連通されている。この第1の伝爆剤68は、雷
管66が爆発した際に生じる火花を成長させる機能を有し
ている。この第1の伝爆剤68は同軸管28A内から屈曲管2
8B内の車両後方側に亘って収容されているが、第1の伝
爆剤68は同軸管28Aの軸芯に対して偏芯している。
一方、インフレータ24の取付部24B内には、連通部と
しての略円盤形状の導流板72が嵌入されている。導流板
72の一方の端面には、その軸芯部には円柱形状の凹部74
が形成されている。また、導流板72の他方の端面には、
その軸芯部から長手方向が半径方向とされる長孔76が形
成されている。導流板72には、その軸芯部にこれらの凹
部74と長孔76とを連通する円孔78が形成されている。円
孔78の径は、凹部74のそれよりも小径とされている。
導流板72の凹部74には、円柱形状の第2の伝爆剤80の
軸方向一方の端部が挿入固着されている。この第2の伝
爆剤80は第1の伝爆剤68と同様火花を成長させる機能を
有している。第2の伝爆剤80の残りの部分は、円管形状
の導爆管82の基端82A内に挿入固着されている。導爆管8
2は、基端82A及びこの基端82Aから縮径された後インフ
レータ24の軸方向に沿って延長された円管部82Bとを備
えている。円管部82B内には、伝爆剤84が充填されてい
る。
インフレータ24の取付部24Bには、導爆管82の基端82A
の外周面からインフレータ24の内周面に亘って略円板形
状のリテーナ86が配設されている。リテーナ86は、その
軸芯部に形成された円筒形状のボス86Aと周縁がチャン
バ28側へ屈曲された支持部86Bとから成る。ボス86A内に
は導爆管82の基端82Aが挿入されて弾性的に支持され、
また支持部86Bはその外周面がインフレータ24の内周面
に弾性力で押圧係止している。
インフレータ24内には、導爆管82の円管部82Bの外周
部にガス発生物質88が封入されている。さらに、ガス発
生物質88の外周部には複数種類のフィルタ90が配設され
ており、ガス発生物質88が燃焼した際に生じる破片の除
去、発生した高温のガスの冷却等をしている。インフレ
ータ24の周面には半径方向に対向する位置に軸方向に沿
って各々複数個のガス孔92が形成されている。ガス孔92
はそれぞれ二列ずつ形成されている(第2図参照)。
一方、第6図には運転席用エアバッグ装置(以下、D
席用エアバッグ装置100という)が示されている。D席
用エアバッグ装置100は、ステアリングホイール102のハ
ブ104に配置されている。このD席用エアバッグ装置100
ではベースプレート106を備えており、ベースプレート1
06にはパッド108が配設されている。パッド108とベース
プレート106との間にはバッグ110が折り畳まれた状態に
配置され、リングプレート112を介して取付けられてい
る。ベースプレート106の略中央部には貫通孔114が配置
され、円柱形状のインフレータ116が挿入された状態に
固着されている。第7図に示される如く、インフレータ
116内にはその軸芯部に起動部32が組付けられている。
この起動部32は、P席用エアバッグ装置10で用いられて
いる起動部32と同一仕様品とされている。
インフレータ116内には、起動部32の乗員側に雷管11
8、伝爆剤120が順次配設され、またこれらの外周部には
ガス発生物質122、フィルタ124が順次配設されている。
以下に、本実施例の作用を説明する。
車種に応じて第5図(A)、第5図(B)に示される
如く、インフレータ24のチャンバ28に対する取付角度を
最適角度に設定して、インフレータ24の取付部24Bの外
歯26をチャンバ28の同軸管28Aの内歯30へ噛み合わせて
嵌合させる。その後、溶接により嵌合部位をシールす
る。その後にP席用エアバッグ装置10を車両に組付け
る。
次に、図示しない解除ピンを解除状態にする作業を行
う。
治具60を用いて、解除ボルト56を第4図の矢印D方向
へ螺入させる。従って、スライダ50が圧縮コイルばね54
の付勢力に抗して第4図の矢印C方向と反対方向へ移動
する。これに伴い、ワイヤ52がチューブ44内を第4図の
矢印D方向へ移動し、その先端部が起動部32の突起部38
から進入する。このため、ワイヤ52の先端部に解除ピン
が押圧されて解除状態、即ちP席用エアバッグ装置10の
作動可能状態になり、乗車可能となる。
次に、通常の車両走行時では、ボール62は慣性移動す
ることはなく、又は慣性移動量が微量であるため、着火
ピン64が第1図の矢印E方向と反対方向へ移動すること
はない。この結果、起動部32が作動することはなく、通
常の車両走行状態が維持される。
この状態から車両急減速時になると、ボール62が第1
図の矢印E方向へ大きく慣性移動する。このため、ドラ
イブシャフト(図示省略)と着火ピン64との係止状態が
解除され、着火ピン64が圧縮コイルばね(図示省略)の
付勢力により第1図の矢印E方向と反対方向へ移動し、
雷管66に衝突する。このため、雷管66が爆発して火花が
生じる。この火花は連通路70を介して第1の伝爆剤68へ
案内される。これにより、第1の伝爆剤68は燃焼し、燃
焼ガスが導流板72の長孔76から円孔78を通って第2の伝
爆剤80へ案内される。このため、第2の伝爆剤80が燃焼
し、燃焼ガスが導爆管82内へ流入する。この燃焼ガスに
より、導爆管82内に充填された伝爆剤84が発火し、この
熱によりガス発生物質88が燃焼する。この結果、大量の
ガスが発生し、このガスはガス孔92を通って袋体22内に
流入し袋体22を膨張させる。膨張した袋体22はエアバッ
グカバー20を第3図の矢印A方向へ展開させて、インス
トルメントパネル14と助手席に着座する乗員との間に介
在し、乗員を車両急減速時の衝撃から保護する。
このように本実施例では、チャンバ28に設けられる第
1の伝爆剤68及びインフレータ24に設けられる第2の伝
爆剤80というように伝爆剤を2個に分割し、これらの間
に導流板72を配設することにより、着火経路を確実に確
保することができる。
また、本実施例では、インフレータ24の半径方向に対
向する位置に各々円管部24Aの軸方向に沿ってガス孔92
を形成したインフレータ24を適用しており、即ちガスの
噴出方向(第5図(A)、(B)の矢印B方向)に方向
性があるインフレータ24を適用しているので、車種に応
じてインフレータ24の軸回りの位置が最初に決まるが、
インフレータ24の取付部24Bの形状を円筒形状にすると
共にチャンバ28の同軸管28Aを取付部28Bと略同径の円筒
形状にしているので、インフレータ24のチャンバ28に対
する取付角度を自在にすることができ、起動部32のボー
ル62の慣性移動方向を確実に車両前方(第1図の矢印E
方向)にすることができる。
これらの効果から、D席用エアバッグ装置100に適用
される起動部32と同一仕様品の起動部32をP席用エアバ
ッグ装置10に適用することが可能となる。このため、車
両急減速時におけるP席用エアバッグ装置10の加速度の
感知性とD席用エアバッグ装置100の加速度の感知性と
を統一することができる。
また、P席用エアバッグ装置10専用の起動部を製造す
る必要性が無いので、製造工程を削減することができ、
製造時間を短縮することができる。このため、P席用エ
アバッグ装置10の生産性を向上させることができると共
にP席用エアバッグ装置10全体の製造コストを大幅に削
減することができる。
さらに、第1の伝爆剤68及び第2の伝爆剤80は共に円
柱形状とし、それぞれチャンバ28、インフレータ24内に
収容させ、チャンバ28、インフレータ24の組付状態で同
流板72が介在される構造を案出したことにより、伝爆剤
の形状が複雑化してチャンバ28とインフレータ24との組
付が出来なくなるといった不具合が解消される。
また、雷管62自体は従来通り小型のものを用いること
ができるので、安全性を確保することができる。
さらに、本実施例では、導流板72に長孔76を設けてい
るので、第1の伝爆剤68がインフレータ24の軸芯に対し
て偏芯していても、第2の伝爆剤80をインフレータ24の
軸芯に配置することができる。このため、ガス発生物質
88をインフレータ24の軸線に対して同心円状に配設する
ことができ、ガスを効率良くインフレータ24の外部へ噴
出させることができる。
なお、本実施例では、2個の第1の伝爆剤68、第2の
伝爆剤80を用いているが、これに限らず例えば第1の伝
爆剤68を更に分割して3個以上としてもよく、チャンバ
28の同軸管28Aに配設される伝爆剤とインフレータ24の
取付部24Bに配設される伝爆剤とに分割される構造で組
付状態で確実に着火経路を確保することができる構造の
ものであればすべて適用することができる。
また、本実施例では、インフレータ24のチャンバ28に
対する取付角度を自在にするために、インフレータ24の
取付部24Bの外周面に外歯26を形成し、チャンバ28の同
軸管28Aの内周面に内歯30を形成しているが、これに限
らず、インフレータ24の取付部24B若しくはチャンバ28
の同軸管28Aの何れか一方に突起を設けると共に他方に
切欠きを設ける等、取付角度が自在にできる構成であれ
ばすべて適用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例に係るP席用エアバッグ装置のインフ
レータ及びチャンバを示す第2図のI−I線断面図、第
2図は第1図のインフレータ、起動部等を示す分解斜視
図、第3図は第1図のインフレータ等が組み込まれたP
席用エアバッグ装置及び解除ボルトを示す斜視図、第4
図は第3図のIV−IV線断面図、第5図(A)及び(B)
は第3図のP席用エアバッグ装置を車種に応じて取付け
角度を変更して組付けた状態を示す概略側面図、第6図
は本実施例に係るD席用エアバッグ装置を示す概略断面
図、第7図は第6図のインフレータを軸線を含む平面で
切断した状態を示す断面図である。 10……P席用エアバッグ装置、22……袋体、24……イン
フレータ、28……チャンバ(起動装置本体)、62……ボ
ール(慣性体)、64……着火ピン(着火部材)、66……
雷管、68……第1の伝爆剤、72……導流板(連通部)、
80……第2の伝爆剤。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両急減速時に慣性移動する慣性体と、こ
    の慣性体の慣性移動により移動する着火部材と、この着
    火部材の移動軌跡上に配置される雷管と、この雷管の爆
    発火力を受ける位置に配設される第1の伝爆剤と、前記
    慣性体、着火部材、雷管及び第1の伝爆剤を収容する起
    動装置本体と、この起動装置本体が組付けられるインフ
    レータと、このインフレータ内に配設され前記インフレ
    ータ内に収容されるガス発生物質を反応させて袋体を膨
    張させると共に前記着火部材の移動方向から離れた位置
    に配設される第2の伝爆剤と、前記起動装置本体が前記
    インフレータに組付けられた状態で前記第1の伝爆剤と
    前記第2の伝爆剤とを連通する連通路が設けられる連通
    部と、を有することを特徴とする助手席用エアバッグ装
    置。
JP1990084268U 1990-08-09 1990-08-09 助手席用エアバッグ装置 Expired - Lifetime JPH088917Y2 (ja)

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