JP2561710Y2 - 自動車用トランクリッドのロック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、トランク開口の周縁部
にストライカが固設されており、トランクリッドの周縁
部に設けられ、ストライカに係脱してトランクリッドを
開扉不能にするラッチ部材を有するとともに、ロック位
置に揺動してラッチ部材をストライカに係合した状態に
拘束可能なロッキングプレートを有する自動車用トラン
クリッドのロック装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動車用トランクリッドのロック
装置としては、例えば、図４および図５に示すようなも
のがある。すなわち、トランクリッド１の下縁部にはロ
ック装置２が装着され、ロック装置２の支持ベース３
に、図外のストライカに係脱するラッチ部材４が支持さ
れるとともに、ラッチ部材４をストライカに係合した状
態に拘束するロック位置とロック解除位置とに揺動可能
にロッキングプレート５とが支持され、ラッチ部材４お
よびロッキングプレート５はハウジング６内に収容さ
れ、ロッキングプレート５の被当接部７がハウジング６
から上方へ突出している。ロック解除機構の構成部材で
あるベルクランク８がロック装置２の上方位置に揺動可
能にブラケット９を介してボルト止めされ、ロック解除
操作によりベルクランク８が揺動して、ロッキングプレ
ート５の被当接部７に当接して、ロッキングプレート５
をロック位置からロック解除位置に揺動するように構成
されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の自動車用トランクリッドのロック装置では、
ベルクランク８がロック装置２とは別個に取り付けられ
ているため、ベルクランク８とロッキングプレート５と
の相対的な取付誤差が生じやすく、ロック解除動作する
際に確実性の高い構成でなく、また、ベルクランク８を
止めるボルトやブラケットが必要になって、部品点数が
増えるとともに、ボルト止めする組付工数が増えて、コ
ストが嵩むという問題点があった。本考案は、このよう
な従来の問題点に着目してなされたもので、ロック解除
動作する際の確実性を高め、部品点数および組付工数を
削減して、コストを低減することができる自動車用トラ
ンクリッドのロック装置を提供することを目的としてい
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本考案の要旨とするところは、トランク開口の周縁
部にストライカが固設されており、トランクリッド（１
０）の周縁部に設けられ、ストライカに係脱してトラン
クリッド（１０）を開扉不能にするラッチ部材（２２）
を有するとともに、ロック位置に揺動してラッチ部材
（２２）をストライカに係合した状態に拘束可能なロッ
キングプレート（２３）を有する自動車用トランクリッ
ドのロック装置であって、ロック解除操作によりベルク
ランク（４０）が揺動して、ロッキングプレート（２
３）を前記ロック位置からロック解除位置に動作して、
前記ラッチ部材（２２）の拘束を解除するようにしたロ
ック解除機構を備えたものにおいて、前記トランクリッ
ド（１０）の周縁部に固設され、前記ラッチ部材（２
２）およびロッキングプレート（２３）を支持する支持
ベース（２１）と、前記ラッチ部材（２２）およびロッ
キングプレート（２３）を収容するように前記支持ベー
ス（２１）に装着されるハウジング（３０）とを有し、
前記ハウジング（３０）に、前記ベルクランク（４０）
を揺動可能に支持する枢軸突起（３５）を有し、前記ハ
ウジング（３０）を前記支持ベース（２１）に取り付け
る際に支持ベース（２１）に弾撥的に係合し、前記ハウ
ジング（３０）と前記支持ベース（２１）とにより、前
記ベルクランク（４０）を挟むようにして抜け不能にす
る取付用の突起部（３４）を形成したことを特徴とする
自動車用トランクリッドのロック装置に存する。

【０００５】

【作用】ハウジング（３０）をロック装置（２０）の支
持ベース（２１）に取り付けるには、事前に、ハウジン
グ（３０）の枢軸突起（３５）にベルクランク（４０）
を揺動可能に支持しておく。次に、支持ベース（２１）
にラッチ部材（２２）およびロッキングプレート（２
３）を収容するようにしてハウジング（３０）を装着す
ると、取付用の突起部（３４）が支持ベース（２１）に
弾撥的に係合し、同時に、支持ベース（２１）とハウジ
ング（３０）とにより、ベルクランク（４０）が挟まれ
て抜け止めされる。

【０００６】すなわち、ベルクランク（４０）を特別に
取り付けることなく、ハウジング（３０）の取り付け作
業と併せてすることができ、ベルクランク（４０）単独
の取り付け工程を省略することができる。また、ハウジ
ング（３０）が支持ベース（２１）に適切に取付られれ
ば、支持ベース（２１）に対してロッキングプレート
（２３）が大きな誤差なく取付されており、また、ハウ
ジング（３０）に対してベルクランク（４０）が大きな
誤差なく取り付けられているため、ロッキングプレート
（２３）とベルクランク（４０）との相対的な取付誤差
がなく、ロック解除操作により、ベルクランク（４０）
がロッキングプレート（２３）を確実にロック位置から
ロック解除位置に揺動して、ロック解除動作の確実性が
高められる。

【０００７】

【実施例】以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明
する。図１〜図３は本考案の一実施例を示している。図
２に示すように、トランクリッド１０の下縁部中央には
ロック装置２０が設けられている。ロック装置２０は、
支持ベース２１と、支持ベース２１に揺動可能に支持さ
れ、ドア開口の周縁部に固設したストライカ（図示省
略）に係脱するラッチ部材２２と、ラッチ部材２２をス
トライカに係合した状態に拘束してトランクリッド１０
を開扉不能にするロック位置とロック解除位置とに揺動
可能に支持ベース２１に支持されたロッキングプレート
２３とを有している。ラッチ部材２２の上部突起とロッ
キングプレート２３の上端部とに掛け渡されたコイルば
ね２４により、ラッチ部材２２がストライカに係合する
方向へ付勢されるとともに、ロッキングプレート２３が
ロック位置に揺動する方向へ付勢されている。

【０００８】支持ベース２１は締着ボルトでトランクリ
ッド１０に固着されている。支持ベース２１の両側縁に
はトランク内側へ折曲げられ補強フランジ２５が形成さ
れ、支持ベース２１の上部両端には、トランク内側へ切
り曲げられた一対の嵌合突起部２６が形成されている。
また、支持ベース２１の上縁部には上方へ突出した支持
突起２７が形成され、支持突起２７には取付孔２８が穿
設されている。支持ベース２１には、ラッチ部材２２お
よびロッキングプレート２３を収容するためのハウジン
グ３０が装着されている。ハウジング３０の両側縁には
トランク内側と反対側へ曲がった補強フランジ３１が形
成され、補強フランジ３１が支持ベースの補強フランジ
２５に嵌め込まれている。

【０００９】ハウジング３０には、ハウジング３０を支
持ベース２１に装着する際に一対の嵌合突起部２６に嵌
着する嵌合孔３２がそれぞれ形成されている。また、ハ
ウジング３０の上部には、一般面より支持ベース２１側
へ近接した座部３３が形成され、座部３３には、取付孔
２８に対応させて取付用の突起部３４が形成されてい
る。取付用の突起部３４には、ラッチ部材２２をストラ
イカに係合した状態を拘束解除するためのロック解除機
構の機能部材であるベルクランク４０が支持されてい
る。ベルクランク４０には、上下方向の中央部に下孔４
１が穿接され、ベルクランク４０の上端部には、キーロ
ッド連結孔４２が穿設され、ベルクランク４０の下端部
がロッキングプレート２３の被当接部２３ａに当接し
て、ロッキングプレート２３をロック位置からロック解
除位置に揺させるための当接部４３になっている。取付
用の突起部３４は、下孔４１に貫通してベルクランク４
０を揺動可能に枢支するための円筒形状の枢軸突起３５
と、枢軸突起３５の先端部に形成され、ハウジング３０
を支持ベース２１に装着する際に復元力に抗して縮径し
て取付孔２８に挿通し、挿通した後復元力により拡径し
て、取付孔２８に抜け不能に嵌着する抜け止め用の舌片
３６とから構成されている。ベルクランク４０のキーロ
ッド連結孔４２にはキーロッド４５の下端部が係合して
いる。

【００１０】次に、作用を説明する。ハウジング３０を
ロック装置２０の支持ベース２１に取り付ける前に、ハ
ウジング３０の取付用の突起部３４の枢軸突起３５をベ
ルクランク４０の下孔４１に挿入すようにする。このと
き、取付用の突起部３４の抜け止め用の舌片３６が復元
力に抗して縮径し、下孔４１に通った後に復元力で拡径
する。それにより、枢軸突起３５によりベルクランク４
０が揺動可能に支持されるようになる。

【００１１】次に、支持ベース２１にラッチ部材２２お
よびロッキングプレート２３を収容するようにしてハウ
ジング３０を装着すると、嵌合突起部２６が嵌合孔３２
に嵌合し、前後して、取付用の突起部３４の抜け止め用
の舌片３６が復元力に抗して縮径して取付孔２８に挿通
し、挿通した後復元力により拡径して、取付孔２８に抜
け不能になる。それにより、取付用の突起部３４が取付
孔２８に抜け不能に嵌着し、支持ベース２１の取付孔２
８の周縁部とハウジング３０の座部３３とにより、ベル
クランク４０が挟まれて抜け止めされる。すなわち、ベ
ルクランク４０を特別に取り付けることなく、ハウジン
グ３０の取り付け作業と併せてすることができ、ベルク
ランク４０単独の取り付け工程を省略することができ、
その際に、例えば、取付ボルトや取付ブラケットを必要
としない。

【００１２】また、ハウジング３０側の嵌合孔３２およ
び取付用の突起部３４が、支持ベース２１側の嵌合突起
部２６および取付孔２８と対応して形成されていれば、
ロッキングプレート２３は枢軸を介して支持ベース２１
に支持され、ベルクランク４０は支持ベース２１の取付
孔２８に挿着される取付用の突起部３４に支持されるた
め、ロッキングプレート２３とベルクランク４０とは相
対的な取付誤差が少なく取付けられている。したがっ
て、ロック解除操作により、ベルクランク４０の当接部
４３がロッキングプレート２３の被当接部を叩いてロッ
キングプレート２３を確実にロック位置からロック解除
位置に揺動して、ロック解除動作の確実性が高められ
る。

【００１３】

【考案の効果】本考案にかかる自動車用トランクリッド
のロック装置によれば、ハウジングをロック装置の支持
ベースに取り付けるには、事前に、ハウジングの枢軸突
起にベルクランクを揺動可能に支持しておき、次に支持
ベースにハウジングを装着すれば、取付用の突起部が支
持ベースに弾撥的に係合し、同時に、支持ベースとハウ
ジングとにより、ベルクランクが挟まれて抜け止めされ
るようにしたので、ベルクランクを特別に取り付けるこ
となく、ハウジングの取り付け作業と併せてすることが
でき、ベルクランク単独の取り付け工程を省略すること
ができる。また、部品点数を削減することができる。さ
らに、ハウジングが支持ベースに適切に取付られれば、
支持ベースに対してロッキングプレートが大きな誤差な
く取付られており、また、ハウジングに対してベルクラ
ンクが大きな誤差なく取り付けられているので、ロッキ
ングプレートとベルクランクとの間に相対的な取付誤差
がなく、ロック解除操作により、ベルクランクがロッキ
ングプレートを確実にロック位置からロック解除位置に
揺動して、ロック解除動作の確実性が高められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すロック装置の分解斜視
図である。

【図２】本考案の一実施例を示すロック装置の装着状態
を表す分解斜視図である。

【図３】本考案の一実施例を示すロック装置の取付用の
突起部の要部断面図である。

【図４】従来例を示すトランクリッドのロック装置の装
着状態を表す全体斜視図である。

【図５】従来例を示すトランクリッドのロック装置の装
着状態を表す全体斜視図である。

【符号の説明】

１０…トランクリッド ２０…ロック装置 ２１…支持ベース ２２…ラッチ部材 ２３…ロッキングプレート ２８…取付孔 ３０…ハウジング ３２…嵌合孔 ３３…座部 ３４…取付用の突起部 ３５…枢軸突起 ３６…抜け止め用の舌片 ４０…ベルクランク ４５…キーロッド

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トランク開口の周縁部にストライカが固設
   されており、トランクリッドの周縁部に設けられ、スト
   ライカに係脱してトランクリッドを開扉不能にするラッ
   チ部材を有するとともに、ロック位置に揺動してラッチ
   部材をストライカに係合した状態に拘束可能なロッキン
   グプレートを有する自動車用トランクリッドのロック装
   置であって、ロック解除操作によりベルクランクが揺動
   して、ロッキングプレートを前記ロック位置からロック
   解除位置に動作して、前記ラッチ部材の拘束を解除する
   ようにしたロック解除機構を備えたものにおいて、 前記トランクリッドの周縁部に固設され、前記ラッチ部
   材およびロッキングプレートを支持する支持ベースと、
   前記ラッチ部材およびロッキングプレートを収容するよ
   うに前記支持ベースに装着されるハウジングとを有し、 前記ハウジングに、前記ベルクランクを揺動可能に支持
   する枢軸突起を有し、前記ハウジングを前記支持ベース
   に取り付ける際に支持ベースに弾撥的に係合し、前記ハ
   ウジングと前記支持ベースとにより、前記ベルクランク
   を挟むようにして抜け不能にする取付用の突起部を形成
   したことを特徴とする自動車用トランクリッドのロック
   装置。