JP2561349B2 - 移動体上アンテナの姿勢制御装置 - Google Patents

移動体上アンテナの姿勢制御装置

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JP2561349B2
JP2561349B2 JP1238676A JP23867689A JP2561349B2 JP 2561349 B2 JP2561349 B2 JP 2561349B2 JP 1238676 A JP1238676 A JP 1238676A JP 23867689 A JP23867689 A JP 23867689A JP 2561349 B2 JP2561349 B2 JP 2561349B2
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Shinsangyo Kaihatsu KK
Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、移動体上のアンテナの姿勢制御に関し、特
に、移動体上において電波源を追尾する指向性アンテナ
の姿勢制御に関するものである。
〔従来の技術〕 例えば、車両,船舶,航空機等の移動体(以下車両等
という)に、移動通信や、テレビジョン放送受信、ラジ
オ放送受信、または自己位置認識等のために、固定局や
人工衛星局等との通信に用いるアンテナが搭載される。
この指向性アンテナを常に所定の電波発信源又は電波
反射体に向けるために、従来は次のようなアンテナ姿勢
制御方法が用いられている。
1).ジャイロセンサー等により移動体の位置および姿
勢を把握し、移動体の位置および姿勢の変化によるアン
テナの指向方向の偏位を打ち消すようにアンテナ姿勢を
制御する。
2).コニカルスキャン方式等により、アンテナをスキ
ャン駆動しながら実際に電波を受信して、受信レベルよ
り電波源を探策し追尾する。
3).前記1).と前記2).の組み合わせ。すなわち
障害物等のないところでは車両等の動きを検出してアン
テナの姿勢を補正し、そのとき生じる誤差を前記2).
で補正する。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記1).の場合、移動体の姿勢を検出する
姿勢検出手段で、車両等の動きを精確に検出することは
極めて困難で、姿勢検出誤差およびその累算により追尾
誤差や追尾外れを生じ易い。姿勢検出手段の検出精度を
高くしようとすると、それが複雑かつ高価となり、実用
に供する点で問題となる。また、前記2).の場合は、
車両等特有の問題である、山,トンネル,ビル等々の障
害物による受信中断時や、アンテナ姿勢(指向方向)が
電波源から大きくずれている時は、適応できないという
欠点がある。
したがって、前記3).のように、1).と2).を
組合せて、1).による追尾誤差又は追尾外れを2).
で補償し、かつ、2).の追尾不可環境(トンネル,障
害物等)では1).で追尾を補間するのが好ましい。
しかしながら、車両等が一時停止又は駐車していると
きには、1).では車両の姿勢変化が無いのでジャイロ
センサーの検出値が変化せずアンテナの追尾駆動は行な
われないが、2).では、アンテナ受信レベルが低いと
アンテナ走査が繰返えされ、電力が消費され、機械の動
作摩耗が進行する。通常は、自動追尾/解除をキースイ
ッチで入力するようになっているので、自動追尾の解除
をキー入力することにより、アンテナの無駄な駆動が停
止する。しかし、車両等、例えば路上車両を考えると、
追尾中に常に走行しているわけではなく、交叉点での一
時停止,乗降等のための一時停止あるいは休憩のための
駐車など、多くの停止する場面がある。このような場
合、停止の毎にキースイッチ等を操作して自動追尾を解
除することはわずらわしく、また、気が付かないことが
ある。
本発明は、実質上無駄な自動追尾動作を自動的に回避
することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明の移動体上アンテナの姿勢制御装置は、 移動体(CAR)上において、姿勢変更自在に支持され
たアンテナ(31,32);このアンテナの姿勢を変更する
ための駆動機構(46,57);該アンテナの受信レベルを
検出する受信レベル検出手段(5a,5b,5c);および、該
受信レベルを参照してそれが適正レベル以上となるアン
テナ姿勢を前記駆動機構を介して設定する制御手段
(1);を備える移動体上アンテナの姿勢制御装置にお
いて、 前記移動体(CAR)の移動停止を検出する停止検出手
段; 前記移動体の姿勢を検出する姿勢検出手段(9a,1); 前記受信レベルが前記適正レベル(TH1)以上のと
き、前記姿勢検出手段の検出値の変化に対応してそれに
よるアンテナの指向方向のずれを補正する姿勢にアンテ
ナ姿勢を補正する第1制御手段(1); 前記受信レベルが適正レベル(TH1)未満のとき、ア
ンテナを走査し受信レベルが高い方向にアンテナの姿勢
を設定するアンテナ走査を実行する第2制御手段
(1);および、 受信レベルが適正レベル(TH1)未満で且つ前記停止
検出手段が移動停止を検出した後所定のタイミングで、
第2制御手段の前記アンテナ走査の実行を禁止し、停止
検出手段が移動停止を検出しないと該禁止は解除する走
査タイミング制御手段(1);を備えることを特徴とす
る。
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面を
参照して後述する実施例の対応要素の記号又は値表示記
号を、参考までに付した。
(作用) (I)アンテナ(31,32)の受信レベルが適正レベル(T
H1)以上である間は、後述のアンテナ走査は行なわれ
ず、第1制御手段(1)が、姿勢検出手段(GYrp,GYy
a)の検出値の変化に対応してそれによるアンテナ(31,
32)の指向方向のずれを補正する姿勢にアンテナ(31,3
2)を設定する。
したがって、受信がうまく行っているときには、アン
テナのスキャンは行なわれず、車両等の姿勢変化による
指向方向のずれを補正する最小限のアンテナ駆動のみが
行なわれる。
車両等が停止しているときには、姿勢検出手段(GYr
p,GYya)の検出値が変化しないので、自動的に、第1制
御手段(1)によるアンテナ駆動は行われない。
(II)例えば姿勢検出手段(GYyp,GYya)の検出誤差あ
るいはアンテナ姿勢設定誤差又は応答遅れの累積によ
り、受信レベルが適正レベル(TH1)未満になると、す
なわち受信レベルが適値より下方に降下すると、第2制
御手段(1)が、アンテナ(31,32)を走査し受信レベ
ルが高くなる方向にアンテナ(31,32)の姿勢を設定す
る。これにより受信レベルが適正レベル(TH1)以上に
なると、上記(I)となり、なおかつ適正レベル(TH
1)未満であるとまたこの(II)が繰返えされる。
(III)車両等が停止すると、受信レベルが適正レベル
(TH1)未満で停止検出手段(9a,1)の停止検出の後所
定タイミングで、走査タイミング制御手段(1)が第2
制御手段(1)の前記アンテナ走査の実行(II)を禁止
するので、該所定タイミング後は上記(II)は行なわれ
ない。車両等が移動を開始すると、走査タイミング制御
手段(1)が禁止を解除するので、上記(II)が実行さ
れる。
以上により、車両等が移動している間は、上記(I)
および(II)の姿勢制御が行なわれ、姿勢検出手段(GY
rp,GYya)の検出誤差もしくはアンテナ姿勢制御誤差又
は応答遅れが累積する(受信レベルが適正レベル(TH
1)未満になる)と、自動的に上記(II)の姿勢制御が
実行されて検出誤差又は姿勢制御誤差の累積が自動的に
クリアされる(受信レベルが適正レベル(TH1)以上に
なる。したがって、車両等の姿勢を検出する姿勢検出手
段(GYrp,GYya)に、比較的に構造が簡単で検出誤差が
比較的に大きいものを用いても、実用上問題がなくな
る。またアンテナ姿勢制御系を格別に高い応答性にしな
くても、実用上十分な自動追尾が実現する。また、車両
等が移動しているときでも受信レベルが適正レベル(TH
1)以上で良好であるときには上記(II)のアンテナ走
査は行なわれず、更に、受信レベルが適正レベル(TH
1)未満で車両等が停止しているときは上記(II)が自
動的に実行禁止になるので、無駄なアンテナ走査が低減
し、電力消費が低減すると供に走査機構の摩耗も低減す
る。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下
の実施例の説明より明らかになろう。
〔実施例〕
第1図に本発明の一実施例の外観を示す。第1図にお
いて、CARは車輛(移動体)であり、そのルーフRf上に
は、衛星放送受信用のアンテナ(以下、単にアンテナと
いう)30が装備されている。本実施例では、アンテナ30
には市販の衛星放送受信用のパラボラアンテナを使用し
ている。
第3a図および第3b図を参照してアンテナ30を説明す
る。
まず第3a図を参照すると、31はパラボラ反射鏡、32は
BSコンバータと一体の1次放射器である。このパラボラ
反射鏡31および1次放射器32により、使用周波数におい
て半値角2゜の放射ローブ(主ローブ:以下同じ)を形
成する。
BSコンバータと一体の1次放射器32(以下、BSコンバ
ータという)は、支持アーム33および34によりパラボラ
反射鏡31に固着され、パラボラ反射鏡31は支持箱35に枢
着されている。支持箱35は、フレーム36および37により
アンテナ30の回転台38に固着されている。回転台38は、
ベアリング39を介して固定台40に回転可能に支持されて
いる。固定台40は、車輌CARのルーフRfの円形の凹みに
固定されており、ルーフRfと固定台38の当接部にはウェ
ザストリップ41が装着されている。
回転台38には、リング状に内歯42が刻まれており、こ
の内歯42にギア43が噛み合っている。このギア43が固着
された軸44は、ギアボックス45を介してアジマス駆動モ
ータ46の回転軸に係合されている。アジマス駆動モータ
46の回転軸にはロータリエンコーダ47が結合されてい
る。
アジマス駆動モータ46は、固定台40に固定されている
ので、これが正転付勢されると回転台38を、真上から見
て(第3b図)右に回動し(アジマス方向に右回動す
る)、逆転付勢されると回転台38を、真上から見て(第
3b図)左に回動する(アジマス方向に左回動する)。つ
まり、アジマス駆動モータ46の正転付勢でアンテナ30の
放射ローブが右を向き、逆転付勢でアンテナ30の放射ロ
ーブが左を向く。ロータリエンコーダ47は、アンテナ30
のアジマス方向の姿勢が0.5゜変化するごとに1パルス
を出力する。49はアンテナ30のアジマス方向のホームポ
ジション検出用のフォトインタラプタ(以下、Azセンサ
という)であり、該ホームポジションでは回転台38の下
側面に備わる遮光フィラーが進入する。
アンテナ30の支持箱35内の電気要素に接続されたケー
ブル48は、円板状のスリップリングユニット50を介して
固定側のケーブル(図示せず)に接続されている。
BSコンバータ32の出力端に接続された電気ケーブル
は、円筒状のロータリジョイント51を介して固定側ケー
ブル52に接続されている。
第3b図は、第3a図を真上から見た平面図であり、この
図を参照して支持箱35内部を説明する。
アンテナ30のパラボラ反射鏡31に固着された回転軸53
には、扇形歯車54が固着されている。この歯車には、ギ
アボックス56の出力軸に固着されたギア55が噛み合って
いる。ギアボックス56の入力軸には、エレベーション駆
動モータ57の回転軸が係合している。エレベーション駆
動モータ57の回転軸にはロータリエンコーダ58が結合し
ている。
エレベーション駆動モータ57は、支持箱35に固着され
ているので、これが正転付勢されるとパラボラ反射鏡31
およびBSコンバータ32等を一体で上方に回動し(第3a図
で右回転:エレベーション方向に上回動する)、これが
逆転付勢されるとパラボラ反射鏡31およびBSコンバータ
32等を一体で下方に回動(第3a図で左回転:エレベーシ
ョン方向に下回動する)する。。つまり、エレベーショ
ン駆動モータ57の正転付勢でアンテナ30の放射ローブが
上を向きで、逆転付勢でアンテナ30の放射ローブが下を
向く。ロータリエンコーダ58は、アンテナ30のエレベー
ション方向の姿勢が0.5゜変化するごとに1パルスを出
力する。第3b図では重なっているが、奥側の59Uはアン
テナ30の仰角の限界を検出するリミットスイッチであ
り、手前側の59Dはアンテナ30の俯角の限界を検出する
リミットスイッチである。また、60はアンテナ30のエレ
ベーション方向のホームポジション検出用のフォトイン
タラプタ(以下、アンテナElセンサ)であり、該ホーム
ポジションでは回転軸53に備わる遮光フィラーが進入す
る。
本実施例では、Azセンサ49およびElセンサ60がホーム
ポジションを検出しているとき、アンテナ30の主ローブ
が車輌CARの正面方向(前方に直進するときのCARの進行
方向:以下同じ)に一致し、ルーフRfと平行になる。
第2a図に、アンテナ30の姿勢制御を行う電気制御シス
テムの構成を示す。
この制御システムは、マイクロコンピュータ(以下、
MPU)1を中心として構成されている。MPU1のバスライ
ンには、読み出し専用メモリ(以下、ROM)2,読み書き
メモリ(以下RAM)3,タイマ4、並びに、入出力ポート
(以下、I/O)5,6,7,8および9bが接続されている。
I/O5にはアンテナ30の受信レベル検出ユニットが接続
されている。受信レベル検出ユニットは、アンテナ30の
BSコンバータ32,分配器5a、増幅器,周波数変換器およ
び検波器等を備えるBSレベル検出器5b、並びに、A/Dコ
ンバータ5cでなる。分配器5aはアンテナ30のBSコンバー
タ32の出力をBSレベル検出器5bとBSチューナ5dとに分配
する。BSレベル検出器5bは受信信号のレベルを検出し、
A/Dコンバータ5cに与える。A/Dコンバータ5cはMPU1の指
示に応答して、BSレベル検出器5bよりの受信信号レベル
をデジタル変換してMPU1に転送する。
また、BSチューナ5dには、衛星放送受信用のテレビジ
ョン受像機TVおよびラジオ受信器RDが接続されている。
I/O6には、車輌姿勢検出ユニットが接続されている。
車輌姿勢検出ユニットは、ピッチング・ローリング角度
検出フリージャイロGYrp,ヨーイング角度検出ジャイロG
Yya,ピッチ角検出器6a,ロール角検出器6b,ヨー角検出器
6dおよび、ジャイロドライバ6c,6eでなる。
ジャイロGYrpは、ピッチ軸回りおよびロール軸回りに
自由度を有し、ピッチ角検出器6aはピッチ軸回りの回転
角データ(デジタル値)を検出し、ロール角検出器6bは
ロール軸回りの回転角データ(デジタル値)を検出す
る。
ジャイロGYyaは、ヨー軸回りに自由度を有し、ヨー角
検出器6dはヨー軸回りの回転角データ(デジタル値)を
検出する。
ジャイロドライバ6cおよび6dは、それぞれ対応するジ
ャイロGYrpまたはGYyaのロータを回動付勢する。
I/O7には操作ボード22が接続されている。操作ボード
22は、車輌CAR内のコンソールボードに設置され、その
外観を第4図に示す。
第4図を参照すると、この操作ボード22には、アンテ
ナ30の方位角データ(以下アジマスデータ),仰(俯)
角データ(以下エレベーションデータ),受信レベルお
よび各種メッセージを表示するための小型CRTディスプ
レイ23,アンテナ30のオート姿勢制御を指示するスター
ト(START)キー24,アンテナ30のオート姿勢制御停止を
指示するストップ(STOP)キー25,マニュアル姿勢制御
のためのアップキー(Uキー)26,ダウンキー(Dキ
ー)27,ライトキー(Rキー)28、およびレフトキー
(Lキー)29が備わっている。
操作ボード22の内部には、MPU1の指示に応答してこれ
らのキーの操作を読取るためのキーエンコーダおよび、
CRTディスプレイ23に各種メッセージを表示するためのC
RTドライバが備わっている。
再度第2a図を参照すると、I/O9bには、車速データ処
理回路9aが接続されている。車速データ処理回路9aに
は、図示しない車速センサから、トランスミッションの
出力軸の所定小角度の回転につき1パルスの車速同期パ
ルスが与えられる。車速データ処理回路9aは、所定時間
の時限動作を行なうタイマ,車速同期パルスをカウント
するカウンタ,カウントデータをラッチする出力ラッチ
およびタイマがタイムオーバするとそのときのカウント
データをラッチに更新ラッチしカウンタをクリアして再
度0からカウントアップさせタイマを再スタートするタ
イミング回路を有し、それに電源が投入されている間、
車速Vs(所定時間の間の車速同期パルスのカウント値)
を示す車速データをラッチよりI/O9bに常時出力する。
車速データはMPU1が、I/O9bを介して所要時点に読込
む。
I/O8には、アジマス駆動モータ46およびエレベーショ
ン駆動モータ57等を含むモータコントロールユニット10
が接続されている。モータコントロールユニット10の構
成を第2b図に示した。
第2b図を参照すると、モータコントロールユニット10
は、マイクロプロセッサ(以下CPU)10a,アジマスユニ
ットAzU,エレベーションユニットElUおよび入力バッフ
ァ18等よりなる。
アジマスユニットAzUは、D/Aコンバータ11a,パワーア
ンプ12a,ベースドライバ13a,14a,波形整形回路15a,アッ
プダウンカウンタ16a,パラレルアウト・シリアルイン・
シフトレジスタ(以下PSレジスタという)17a,アジマス
駆動モータ46,ロータリエンコーダ47,パワートランジス
タTr1a,Tr2a,Tr3aおよびTr4a等で構成されている。
エレベーションユニットElUは、D/Aコンバータ11b,パ
ワーアンプ12b,ベースドライバ13b,14b,波形整形回路15
b,アップダウンカウンタ16b,PSレジスタ17b,エレベーシ
ョン駆動モータ57,ロータリエンコーダ58,パワートラン
ジスタTr1b,Tr2b,Tr3bおよびTr4b等で構成されている。
入力バッファ18には、前述したAzセンサ49,Elセンサ6
0,リミットスイッチ59Uおよび59Dが接続されている。
CPU10aは、MPU1よりの指示に応答して、モータ46およ
び57を指定速度で正逆転付勢制御し、アジマス姿勢デー
タ(角度)およびエレベーション姿勢データ(角度)、
ならびに、リミットスイッチ59Uおよび59dの状態を読み
取ってMPU1に転送する。
アジマスユニットAzUとエレベーションユニットElUと
は、構成要素の諸元にわずかな違いはあるが同構成であ
るので、ここではアジマスユニットAzUを説明する。
アジマスユニットAzUのD/Aコンバータ11aには、CPU10
aの出力ポートP1より、MPU1から指示された、モータ46
の付勢速度に対応する電圧データが与えられる。D/Aコ
ンバータ11aでは、この電圧データに対応する電圧を出
力してパワーアンプ12aに印加する。パワーアンプ12a
は、D/Aコンバータ11aの出力電圧を、モータ46の駆動電
圧に変換して、パワートランジスタTr1aおよびTr3aのコ
レクタに印加する。パワートランジスタTr1aのエミッタ
はパワートランジスタTr4aのコレクタに、パワートラン
ジスタTr3aのエミッタはパワートランジスタTr2aのコレ
クタに、それぞれ接続されており、また、パワートラン
ジスタTr4aおよびパワートランジスタTr2aのエミッタは
接地されている。パワートランジスタTr1aおよびTr2aの
ベースはベースドライバ13aの出力端子に、パワートラ
ンジスタTr3aおよびTr4aのベースはベースドライバ14a
の出力端子に、それぞれ接続されている。ベースドライ
バ13aの入力端子はCPU10aの出力ポートP2に、ベースド
ライバ14aの入力端子はCPU10aの出力ポートP3に、それ
ぞれ接続されており、CPU10aは、モータ46を正転付勢す
るときは、出力ポートP2からHレベル(高レベル)を出
力してベースドライバ13aにパワートランジスタTr1aお
よびTr2aのオン駆動を指示し、出力ポートP3からLレベ
ル(低レベル)を出力してベースドライバ14aにパワー
トランジスタTr3aおよびTr4aのオフ駆動を指示し、モー
タ46を逆転付勢するときは、出力ポートP2からLレベル
を出力してベースドライバ13aにパワートランジスタTr1
aおよびTr2aのオフ駆動を指示し、出力ポートP3からH
レベルを出力してベースドライバ14aにパワートランジ
スタTr3aおよびTr4aのオン駆動を指示し、モータ46を消
勢するときは、出力ポートP2およびP3からLレベルを出
力してベースドライバ13aおよび14aに、パワートランジ
スタTr1a,Tr2a,Tr3aおよびTr4aのオフ駆動を指示する。
モータ46は、パワートランジスタTr1aとTr4aとの接続
点と、パワートランジスタTr2aとTr3aとの接続点とを接
続するライン上に介挿されているので、パワートランジ
スタTr1aおよびTr2aがオン、パワートランジスタTr3aお
よびTr4aがオフになると、パワーアンプ12a出力,パワ
ートランジスタTr1a,モータ46,パワートランジスタTr2a
およびアースでなる正転付勢回路が構成されて、D/Aコ
ンバータ11aで設定された電圧で正転付勢され、パワー
トランジスタTr1aおよびTr2aがオフ、パワートランジス
タTr3aおよびTr4aがオンになると、パワーアンプ12a出
力,パワートランジスタTr3a,モータ46,パワートランジ
スタTr4aおよびアースでなる逆転付勢回路が構成され
て、D/Aコンバータ11aで設定された電圧で逆転付勢され
る。
ロータリエンコーダ47の出力は、波形整形回路15aで
波形整形されて、CPU10aの入力ポートR1およびアップダ
ウンカウンタ16aの入力端子Inに印加される。アップダ
ウンカウンタ16aは、U端子にHレベルが、D端子にL
レベルが与えられているときは入力端子Inに与えられる
パルスの立上りでカウントアップし、U端子にLレベル
が、D端子にHレベルが与えられているときは入力端子
Inに与えられるパルスの立上りでカウントダウンする。
このカウンタ16aは720進のカウンタ(10ビット)であ
り、値が719でカウントアップすると値が0となり、値
が0でカウントダウンすると値が719となる。
アップダウンカウンタ16aのリセット入力端子RstはCP
U10aの出力ポートP4に接続されており、また、10ビット
のパラレル出力端子は、PSレジスタ17aのパラレル入力
端子に接続されている。PSレジスタ17aのシフトロード
入力端子SLにはCPU10aの出力ポートP5よりシフトロード
パルスが与えられ、クロックインヒビット入力端子CIに
はCPU10aの出力ポートP6よりクロックインヒビット信号
が与えられ、クロック入力端子CKにはCPU10aの出力ポー
トP7よりクロックパルスが与えられる。
PSレジスタ17aは、シフトロードパルスの立上りでパ
ラレル入力端子に与えられているデータを各ビットにプ
リセットし、クロックインヒビット信号がHレベルに転
ずるとクロックパルスに同期してプリセットしたデータ
を出力端子OUTからCP10aのシリアル入力ポートR2に向け
てシリアル出力する。
第2a図を再度参照すると、このシステムの電源は、車
上バッテリBATであり、Accスイッチ(アクセサリモード
スイッチ)を介して定電圧回路Regから、定電圧Vcおよ
びVsが各部に供給される。定電圧Vcは主として電気制御
系各部の電源となり、定電圧Vsは主としてモータおよび
ジャイロ駆動用の電源となる。
次に、以上の構成とMPU1およびCPU10aの制御動作によ
ってもたらされる実施例装置のアンテナ姿勢制御につい
て説明する。
第5a図および第5b図に示したフローチャートは、MPU1
のメインルーチンを示し、第10図に示したフローチャー
トはCPU10aのメインルーチンを示す。なお、以下の説明
において“S−−”はフローチャートの各ステップに付
した番号を示す(フローチャートでは“S"を省略す
る)。
第5a図を参照すると、MPU1は、Accスイッチがオンに
なり各部に所定の電圧が供給されると、S1で各入出力ポ
ート,内部レジスタ,フラグ,RAM3等をリセットして初
期化し、S2においてCPU10aよりのReady信号を待つルー
プを構成する。
第10図を参照すると、このとき、CPU10aにおいては、
入出力ポート,内部レジスタ等をリセットして初期化し
た後、初期設定を実行する。初期設定では、アンテナ30
を、アジマス方向およびエレベーション方向のホームポ
ジションにセッティングする。つまり、モータ46を正転
付勢してAzセンサ49がオンとなるアジマス方向の姿勢を
探索し、その後、モータ57を正転付勢してElセンサ60が
オンとなるエレベーション方向の姿勢を探索するが、探
索する間にアンテナ30のエレベーション方向の姿勢が仰
角限界となり、リミットスイッチ59Uがオンになると、
モータ57を逆転付勢し、Elセンサ60がオンとなるエレベ
ーション方向の姿勢を探索する。CPU10aは、アンテナ30
の姿勢を、アジマス方向およびエレベーション方向のホ
ームポジションに設定完了すると、カウンタ16aおよび1
6bをリセットして、MPU1に向けてReady信号を出力す
る。この後は、MPU1よりの指示モードに応じて、1step
右シフト処理,1step左シフト処理,1step上シフト処理,1
step下シフト処理,右シフト処理,左シフト処理,上シ
フト処理,下シフト処理、あるいは、停止処理を実行す
る。これらの処理については、後述する。
MPU1は、CPU10aよりReady信号を受信すると、STARTキ
ー24がオン操作されるまで、S4のマニュアル操作処理を
実行するループを構成する。
マニュアル操作処理を第6図に示したフローチャート
を参照して説明する。Uキー26の操作があると、MPU1は
S30からS31に進み、ここでリミットスイッチ59Uの状態
を調べる。スイッチ59Uがオンになっていればアンテナ3
0のエレベーション方向の姿勢は仰角の限界にあり、そ
れ以上の上向駆動は不可能であるが、そうでなければS3
2でCPU10aに、1step上シフト処理の実行を指示する。ま
た、Dキー27の操作があると、S33からS34に進み、ここ
でリミットスイッチ59Dの状態を調べる。スイッチ59Dが
オンになっていればアンテナ30のエレベーション方向の
姿勢は俯角の限界にあり、それ以上の下向駆動は不可能
であるが、そうでなければS35でCPU10aに、1step下シフ
ト処理の実行を指示する。
Rキー28の操作があった場合には、MPU1は、S36からS
37に進み、ここでCPU10aに、1step右シフト処理の実行
を指示し、Lキー29の操作があった場合には、S38からS
39に進み、ここでCPU10aに、1step左シフト処理の実行
を指示する。
このようなMPU1の1step駆動指示に応答して、CPU10a
が実行する1step右シフト処理を第11a図に、1step左シ
フト処理を第11b図に、1step上シフト処理を第11c図
に、1step下シフト処理を第11d図に、それぞれ示す。
第11a図を参照して1step右シフト処理を説明すると、
CPU10aは、出力ポートP1からモータ46の最大速度に対応
する電圧データを出力してD/Aコンバータ11aに与え、出
力ポートP2からHレベルを、P3からLレベルをそれぞれ
出力してベースドライバ13aにパワートランジスタTr1a
およびTr2aのオン駆動を、ベースドライバ14aにパワー
トランジスタTr3aおよびTr4aのオフ駆動を指示するとと
もに、アップダウンカウンタ16aにアップカウントを指
示する。この後、モータ46が正転して入力ポートR1で、
波形整形回路15aを介してのロータリエンコーダ47の出
力パルスを検出すると、P2からLレベルを出力してベー
スドライバ13aにパワートランジスタTr1aおよびTr2aの
オフ駆動を指示してモータ46を消勢する。つまり、1ste
p右シフト処理においては、アンテナ30のアジマス方向
の姿勢を1ステップ分、すなわち0.5゜右方向にシフト
する。
同様に、第11b図に示す1step左シフト処理において
は、CPU10aは、アンテナ30のアジマス方向の姿勢を0.5
゜(1ステップ分)左方向にシフトし、第11c図に示す1
step上シフト処理においてはアンテナ30のエレベーショ
ン方向の姿勢を0.5゜(1ステップ分)上方向にシフト
し、第11d図に示す1step下シフト処理においてはアンテ
ナ30のエレベーション方向の姿勢を0.5゜(1ステップ
分)下方向にシフトする。
CPU10aは、1step右シフト処理(第11a図),1step左シ
フト処理(第11b図),1step上シフト処理(第11c図)あ
るいは1step下シフト処理(第11d図)を完了すると、シ
フト終了を示す信号ならびに、アジマス方向の姿勢デー
タ(Azデータ)およびエレベーション方向の姿勢データ
(Elデータ)をMPU1に転送する。
再度第6図を参照すると、MPU1は、S40においてCPU10
aによる1step右シフト処理,1step左シフト処理,1step上
シフト処理あるいは1step下シフト処理が実行されるの
を待ち、S41において転送されたAzデータおよびElデー
タを読み取る。さらに、S42では、受信レベルを読み取
ってレジスタL1に格納し、S43において、Azデータ,Elデ
ータおよびレジスタL1の受信レベルをCRT23に表示す
る。
MPU1は、S4およびS5(第5a図)において、STARTキー2
4がオン操作されると、S5で第7図に示す初期サーチ処
理を実行する。
第7図を参照して初期サーチ処理S5の内容を説明する
が、まず第12図を参照して初期サーチ処理S5の概念を説
明する。これにおいては、受信レベルを監視しながらア
ンテナ30のエレベーション方向の姿勢を下限位置(俯角
限界)から上限位置(仰角限界)まで1ステップ毎の上
シフトを繰り返し、上限位置になるとアンテナ30のアジ
マス方向の姿勢を1ステップ右にシフトし、今度は上限
位置から下限位置まで1ステップ毎の下シフトを繰り返
し、下限位置になるとアンテナ30のアジマス方向の姿勢
を1ステップ右にシフトし、以上を受信レベルが受信に
充分なレベルになるまで全周に亘って繰り返す(実際に
は、1ステップの移動が0.5゜であるので、第12図より
遥かに細くなる)。
第7図を参照してより具体的に説明すると、S50にお
いて、そのときのAzデータをレジスタA1およびA2に格納
し、ElデータをレジスタE1およびE2に格納すると、S51
でフラグF1をリセット(0)する。フラグF1は、エレベ
ーション方向のシフトの向き(上/下)を設定するフラ
グである。
この後、S52で受信レベルを読み取り、その値をレジ
スタL1に格納する。このときの受信レベル、すなわち、
レジスタL1の値が所定レベルTH1以上のときには、MPU1
は、S53から直ちにメインルーチンにリターンするが、
所定レベルTH1未満であれば、S54以下に進んでアンテナ
30の姿勢変更を行う。この姿勢変更ではまず、フラグF1
をリセット(0)しているときには、リミットスイッチ
59Uがオンでなければ、S54→S55→S56と進み、ここでCP
U10aに前述の1step上シフト処理の実行を指示し、S57で
レジスタE2の値を1インクリメントする。CPU10aよりシ
フト終了の信号を受信するとMPU1は、再度S52に戻り、
受信レベルを監視しながら、上記を繰り返す。受信レベ
ルが所定値TH1以上になる前にスイッチ59Uがオンになる
と、S58でフラグF1をセット(1)し、S59でCPU10aに前
述の1step右シフト処理の実行を指示し、S60でレジスタ
A2の値を1インクリメントする(ただし、レジスタA2の
値が720になるときは0とする)。
フラグF1をセット(1)した後は、S54→S61→S63と
進み、ここでCPU10aに前述の1step下シフト処理の実行
を指示し、S64でレジスタE2の値を1デクリメントす
る。この処理を繰り返して、受信レベルが所定値TH1以
上になる前にスイッチ59Dがオンになると、S62でフラグ
F1をリセット(0)し、S59でCPU10aに前述の1step右シ
フト処理の実行を指示し、S60でレジスタA2の値を1イ
ンクリメントする(ただし、レジスタA2の値が720にな
るときは0とする)。
以上の処理を繰り返す間に、受信レベルが所定値TH1
以上になるとメインルーチンにリターンするが、受信レ
ベルが所定値TH1以上になる前にアンテナ30の姿勢が初
期サーチ処理を開始したときの状態、すなわち、レジス
タA2の値がレジスタA1の値に、レジスタE2の値がレジス
タE1の値に、それぞれ等しくなると、S66からS67に進
み、CRT23に「受信不能」を表示してメインルーチンのS
3に戻る。
初期サーチ処理S5で、受信レベルが所定値TH1以上と
なるアンテナ30の姿勢を探索すると、第5a図のS6でジャ
イロデータをセットする。この処理においては、S6aで
ヨー角検出器6dによるヨー角データをレジスタRyに格納
し、ロール角検出器6bによるロール角データをレジスタ
Rrに格納し、ピッチ角検出器6aによるピッチ角データを
レジスタRpに格納した後、S6bで変換マトリクス(A)
を用いてアンテナ30のアジマス方向のデータおよびエレ
ベーション方向のデータに変換する(フローチャートの
S6bにおいては、高次項の記載を省略している)。この
変換演算は、ROM2に格納されている変換テーブルを参照
して実行する。変換したアジマス方向のジャイロデータ
はレジスタRa1に、エレベーション方向のジャイロデー
タはレジスタRe1にそれぞれ格納する。
S6でジャイロデータをセットすると、S7でT1タイマ
(内部タイマ)をクリア&スタートする。
次に第5b図を参照すると、MPU1は、S9のモータ付勢パ
ラメータセット処理においては、まず、S9aでレジスタR
a1に格納しているアジマス方向のジャイロデータをレジ
スタRa2に退避し、レジスタRe1に格納しているエレベー
ション方向のジャイロデータをレジスタRe2に退避す
る。この後、S9bで前述のS6での処理に等しいジャイロ
データセット処理を行って、そのとき検出した、ヨー角
データ(Ry),ロール角データ(Rf)およびピッチ角デ
ータ(Rp)からアジマスおよびエレベーション方向のジ
ャイロデータを求めてレジスタRa1およびRe1にそれぞれ
格納する。S9cでは、レジスタRa2とRa1との差をレジス
タRa3に、レジスタRe2とRe1との差をレジスタRe3に、そ
れぞれ格納する。つまり、レジスタRa3およびRe3の値
は、その前にジャイロデータセット処理を行ったときか
らのジャイロデータの変化分を示すことになる。また、
T1タイマは、このジャイロデータセット処理を行う間の
時間計測を行っているので、レジスタRa3の値をT1タイ
マの値で除した値はアジマス方向の変位速度(符号は方
向)を示し、レジスタRe3の値をT1タイマの値で除した
値はエレベーション方向の変位速度(符号は方向)を示
す。そこで、S9dでは、これらの値から、モータ46およ
び57の付勢速度および付勢方向を算定して、CPU10aに付
勢速度と右/左シフトあるいは上/下シフトを指示す
る。この演算は、ROM2に格納しているテーブルを参照し
て行う。
CPU10aは、MPU1が右シフトを指示したときには、第11
e図に示すように、出力ポートP1から指示速度に対応す
る電圧データを出力し、出力ポートP2からHレベルを出
力してベースドライバ13aにパワートランジスタTr1aお
よびTr2aのオン駆動を指示し、出力ポートP3からLレベ
ルを出力してベースドライバ14aにパワートランジスタT
r3aおよびTr4aのオフ駆動を指示し、左シフトが指示さ
れたときには、第11f図に示すように、出力ポートP1か
ら指示速度に対応する電圧データを出力し、出力ポート
P2からLレベルを出力してベースドライバ13aにパワー
トランジスタTr1aおよびTr2aのオフ駆動を指示し、出力
ポートP3からHレベルを出力してベースドライバ14aに
パワートランジスタTr3aおよびTr4aのオン駆動を指示
し、上シフトが指示されたときには、第11g図に示すよ
うに、出力ポートP8から指示速度に対応する電圧データ
を出力し、出力ポートP9からHレベルを出力してベース
ドライバ13bにパワートランジスタTr1bおよびTr2bのオ
ン駆動を指示し、出力ポートP10からLレベルを出力し
てベースドライバ14bにパワートランジスタTr3bおよびT
r4bのオフ駆動を指示し、また、下シフトが指示された
ときには、第11h図に示すように、出力ポートP8から指
示速度に対応する電圧データを出力し、出力ポートP9か
らLレベルを出力してベースドライバ13bにパワートラ
ンジスタTr1bおよびTr2bのオフ駆動を指示し、出力ポー
トP10からHレベルを出力してベースドライバ14bにパワ
ートランジスタTr3bおよびTr4bのオン駆動を指示する。
MPU1は、次のS9eでは、T1タイマをクリア&スタート
する。
MPU1は次のS10で受信レベルを読み取り、S11でアンテ
ナ30の姿勢を示すAzデータおよびElデータを読み取った
後、S12においてこれらのデータをCRT23に表示する。
(I)S13では、このときの受信レベル、すなわち、レ
ジスタL1の値と所定レベルTH1とを比較し、レジスタL1
の値が所定レベルTH1以上であると、S14で回路9aの車速
データVsを読込んでそれを、実質上車両停止と見なせる
比較値Vspと比較し、受信レベルがTH1以上かつ車速Vsが
Vspを越えている(車両が走行している)限り、S8→S9
→S10→S11→S12→S13→S14→S17→S8→・・・・なるル
ープを繰り返して、ジャイロデータに基づいたアンテナ
30の姿勢制御処理(I)を実行する。
つまり、受信レベルが第1設定値TH1以上で車速VsがV
spを越えている間は、ジャイロデータに変化があると、
それに対応する分、アンテナ30の姿勢を補正する。
受信レベルがTH1以上であって車速VsがVsp未満(車両
が実質上停止)のときは、S14からKR1,KR2に進んでスイ
ッチ24,25がオンかをチェックした後、それらがいずれ
もオンでないと、S10→S11→S12→S13→S14→KR1→KR2
→S10・・・・・なるループを繰り返して、ジャイロデ
ータに基づいたアンテナ30の姿勢制御処理(I)は実行
しない。
なお、車両が完了に停止しているときにはジャイロデ
ータが変わらないので、S14,S17を省略して、S13で受信
レベルがTH1以上であるとS8に戻るようにしてもよい。
なお、STOPキー25がオン操作されると、S8又はKR1で
これを読取って、第5a図に示すフローのS3(待機状態)
に戻る。
上述の、受信レベルが高く、ジャイロデータに基づい
てそれの変化に連動してアンテナ30の姿勢を変更する制
御を実行するループ(S8〜S13)において、受信レベ
ル、すなわち、レジスタL1の値が所定レベルTH1未満に
なると、MPU1はS13でこれを検知して、S13から第5c図に
示すS18に進み、更にレジスタL1の値と、受信下限レベ
ルTH2とを比較する。S18で、レジスタL1の値が受信下限
レベルTH2以上で車速VsがVsp越える(車両走行)時は、
MPU1は、S15に進み受信追尾処理を実行する。
(II−1)第8図を参照して受信追尾処理S15を説明す
るが、まず第13図を参照にしてその概念を説明する。第
13図は、アンテナを微小範囲のコニカル走査する時の走
査位置を平面に展開した概念図である。この、微小範囲
のコニカル走査は、アンテナ30の主ビームを回転(1→
2→3→4→5→6→7→8→1→・・・・・)させ、
目標電波源がアンテナビームの回転中心にあると受信レ
ベルは走査中実質上一定になるが、目標電波源がビーム
の回転中心からずれてると受信レベルが走査中に変動し
極大値が現われる現象を利用するものである。第13図に
おいて、升目はエレベーション方向(U/D)およびアジ
マス方向(R/L)の1ステップ(0.5゜)を示し、各点1,
2,3,4,5,6,7および8はアンテナ30の主ビーム(中心)
の投影点,点0はアンテナビームの回転中心,矢印はア
ンテナ30の姿勢のシフト方向を示す。また、点aにアイ
ソトロピックアンテナ(等方性点電波源)があるものと
する。以下、点0にアンテナ30が指向している状態から
の受信追尾処理を、第8図および第13図を参照して説明
する。
1).アンテナ30を起点0から点1に駆動し(S70〜S7
3)、点1において受信レベルを記憶した(S84)後、マ
ジアス方向右に2ステップシフト,エレベーション方向
下に1ステップシフトして点2に指向し(S74)点2の
受信レベルを記憶する(S84)。
2).次に、アジマス方向右に1ステップシフト,エレ
ベーション方向下に2ステップシフトして点3に指向し
(S75)点3の受信レベルを記憶する(S84)。
3).次に、アジマス方向左に1ステップシフト,エレ
ベーション方向下に2ステップシフトして点4に指向し
(S76)点4の受信レベルを記憶する(S84)。
4).次に、アジマス方向左に2ステップシフト,エレ
ベーション方向下に1ステップシフトして点5に指向し
(S77)点5の受信レベルを記憶する(S84)。
5).次に、アジマス方向左に2ステップシフト,エレ
ベーション方向上に1ステップシフトして点6に指向し
(S78)点6の受信レベルを記憶する(S84)。
6).次に、アジマス方向左に1ステップシフト,エレ
ベーション方向上に2ステップシフトして点7に指向し
(S79)点7の受信レベルを記憶する(S84)。
7).次に、アジマス方向右に1ステップシフト,エレ
ベーション方向上に2ステップシフトして点8に指向し
(S80)点8の受信レベルを記憶する(S84)。
以上で、1回のコニカル走査が終了し、その全点(8
点)の受信レベルが、レジスタPOR1〜8に書込まれてい
る。
8).次に、点1から点8までの受信レベルを比較し受
信レベルの最高の点を求める(S87〜91)。
9).そして求めた最大点にアンテナビームの回転中心
点を合わすようにアンテナ30の姿勢を定める(S92)。
第13図に示すa点が、電波源の位置であったときに
は、受信レベルの大きさは、点1〉点2〉点8〉点3〉
点7〉点4〉点6〉点5となるので受信レベルの最高の
点は点1となる。よって、点1にアンテナビームの指向
センターを合わすようにアンテナ30の姿勢を設定する。
以上のように、受信追尾処理S15においては、当初の
アンテナビームの中心軸(点0)を中心に、1サイクル
の微小範囲のコニカル走査をして、受信最高点を検出
し、そこにアンテナビームの中心軸を置くようにアンテ
ナ30の姿勢を設定する。したがって、電波源がアンテナ
30に対して相対的に移動する場合には、アンテナビーム
の中心軸(点0)の軌跡が電波源と共に移動する態様で
姿勢制御が行われてアンテナ30による電波源の追尾が行
われる。
なお、上述の1回のコニカル走査と姿勢設定(II−
1)を終了したとき、受信レベルはTH1以上であるとは
限らない。コニカル走査と姿勢設定(II−1)で受信レ
ベルがTH1以上になったときには、上述の姿勢制御
(I)が実行されるが、コニカル走査と姿勢設定(II−
1)によっても受信レベルがTH1以上にならなかったと
きには、MPU1は、第5b図のモータ付勢パラメータセット
(S9)のサブルーチンを実行し、S10〜S13を経て、S13
からまた受信追尾(S15;第8図)すなわちまた1回のコ
ニカル走査と姿勢設定(II−1)を実行する。先行のコ
ニカル一走査と後行のコニカル一走査の間にS9のモータ
パラメータセットを実行するので、コニカル走査を繰返
しているとき、その中心位置(第13図の0)は、車両の
姿勢変化に対応してシフトする。すなわち、コニカル走
査を繰返す間にも、アンテナ姿勢は、車両姿勢の変化に
対応して自動的にシフトする。(II−2)再度第5c図を
参照する。S18で、受信レベルが受信下限レベルである
第2設定値TH2未満で、車両が走行している(VsがVspを
越えている)時は、S16に進み追尾サーチ処理を実行す
る。
第9図に追尾サーチ処理S16のフローチャートを、第1
4図に追尾サーチ処理の概念を説明する模式図を示す。
これらの図面を参照して、S16の追尾サーチ処理の内容
を説明すると、S100は、初期設定であり、第14図に示す
点bにアンテナ30が指向している状態をTSC=0のとき
とする。
1).S101でTSCの値が4以下かをチェックする。TSCの
値が4以下である限りS102へ進みS102でスイッチ59Uの
状態を調べて、オンでなければS103でCPU10aに1step上
シフト処理の実行を指示する。これが第14図の、点0〜
5までの走査である。S101でTSCの値が5以上のとき
は、S104へ進む。
2).S104でTSCの値が54以下かをチェックする。TSCの
値が54以下である限りS105へ進みCPU10aに1step右シフ
ト処理の実行を指示する。これが第14図の点5〜55まで
の走査である。S104でTSCの値が55以上のときは、S106
へ進む。
3).S106でTSCの値が64以下かをチェックする。TSCの
値が65より小さい限りS107へ進みS107でスイッチ59Dの
状態を調べて、オンでなければS108でCPU10aに1step下
シフト処理の実行を指示する。これが第14図の点55〜65
までの走査である。S106でTSCの値が65以上のときは、S
109へ進む。
4).S109でTSCの値が164以下かをチェックする。TSCの
値が164以下である限りS110へ進みCPU10aに1step左シフ
ト処理の実行を指示する。これが第14図の点65〜165ま
での走査である。S109でTSCの値が165以上のときは、S1
11へ進む。
5).S111でTSCの値が174以下かをチェックする。TSCの
値が174以下である限りS112へ進みS112でスイッチ59Uの
状態を調べて、オンでなければS113でCPU10aに1step上
シフト処理の実行を指示する。これが第14図の点165〜1
75までの走査である。S111でTSCの値が175以上のとき
は、S114へ進む。
6).S114でTSCの値が224以下かをチェックする。TSCの
値が224以下である限りS115へ進みCPU10aに1step右シフ
ト処理の実行を指示する。これが第14図の点175〜225
(先の点5)の走査である。S114でTSCの値が225以上の
ときは、S116へ進む。
7).S116でTSCの値が229以下である限り、S117へ進みS
117でスイッチ59Dの状態を調べて、オンでなければS118
でCPU10aに1step下シフト処理の実行を指示する。これ
が第14図の点225(先の点5)〜点230(先の点0)まで
走査である。
8).S116でTSCの値が230以上のとき、ならびに、上述
のようにシフト処理の実行を指示して、シフト処理が終
了したときに、S120を実行して、受信レベルを読込み、
S121でそれがTH2以上であるかをチェックして、TH2以上
のときには、メインルーチン(第5b図)に戻る。TH2未
満のときには、S122のモータ付勢パラメータセット(こ
の内容は第5b図のS9の内容に同じ)を実行し、S123で受
信レベルを再度読込み、S124でそれが第2設定値TH2以
上であるかをチェックして、TH2以上のときにはメイン
ルーチンに戻るが、TH2未満のときには、S125でTSCの値
を1大きい数値に更新して、S101に進む。
以上のS101〜S125の処理により、受信レベルが第2設
定値TH2以上になるまでは、第14図に示すように、点b
(0)からスタートして、点1,2,3,・・・230(0)を
この順にたどる軌跡でサーチ走査が行なわれ、各点で受
信レベルがTH2以上になったかがチェックされる。TH2未
満のまま点230(b=0)に達すると、S119からメイン
ルーチン(第5b図のS8)に戻る。
このようなサーチ走査の間にも、各点に到達する毎
に、S122でモータ付勢パラメータセットが実行されて、
ジャイロの検出値の変化に対応する姿勢変更が実行され
るので、車両の姿勢変化が無い間は、基点(b=0)の
位置は変わらないが、車両の姿勢変化があると、それに
伴って基点が自動的にシフトするが、基点に対するサー
チ走査範囲(第14図)は変わらない。
障害物により電波が遮ぎられ、車両が走行している間
は、上述のサーチ走査が繰返えされ、その間に車両の姿
勢が変化するとそれに連動してサーチ走査の基点がシフ
トされる。したがって、電波が遮ぎられるとその直前の
アンテナのビーム中心軸の位置を基点(b=0:第14図)
にして、電波を受信するまで、第14図に示す軌跡のサー
チ走査が繰返えされ、その間に車両の姿勢変化があると
それに連動して基点がシフトする。
車両の比較的に急激な姿勢変化により、アンテナの上
記(I)および(II−1)の追尾が間に合わないで受信
レベルがTH2未満に低下したときにも、上述のサーチ走
査(II−2)が実行される。
以上に説明した追尾制御により、車両が走行している
(Vs>Vsp)ときは、アンテナの受信レベルが一定値以
上(TH1)の場合は、ジャイロセンサーの信号のみで移
動体の動きを打ち消すようにアンテナの指向方向を制御
し(I)、アンテナの受信レベルがTH1未満、かつ受信
下限レベルの値(TH2)以上の場合は、ジャイロセンサ
ーの信号で移動体の動きを打ち消すようにアンテナの指
向方向を制御すると同時に、コニカルスキャン動作を行
い最大の受信レベルが得られる方向にアンテナの指向方
向を制御するという受信追尾処理を行い(IおよびII−
1)ジャイロセンサーに含まれる誤差成分を補正する。
また、アンテナの受信レベルがTH2を下回った場合は、
ジャイロセンサーの信号で移動体の動きを打ち消すよう
にアンテナの指向方向を制御すると同時に、コニカルス
キャン動作でスキャンする範囲より大きい範囲でアンテ
ナの指向方向をスキャンさせるという追尾サーチ処理を
行う(II−2)ので、ジャイロセンサーの誤差,制御の
遅延時間や障害物等の影響で一時的に受信ができなくな
っても、十分広い範囲をサーチさせることによって再び
電波を自動的に捕えることができ、完全に電波を見失う
ことがなくなる。
また、小型で低出力の駆動装置を使用しても実用的な
受信が可能となり、移動体用として要求される小型で軽
量な装置の実現が可能である。
(III)次に、車両停止(Vs≦Vsp)のときの、MPU1の制
御動作を、第5b図および第5c図を参照して説明する。
(a)受信レベルが良好でTH1以上のときには、車両が
停止する(Vs≦Vspとなる)と、すでに説明したよう
に、S10−S11−S12−S13−S14−KR1−KR2−S10−・・・
とループをめぐり、受信レベルを読込んでそれがTH1以
上であるかのチェック(S14)を継続し、ジャイロデー
タに対応したアンテナ姿勢の変更(S9)は実行しない。
(b)車両停止(Vs≦Vsp)中に受信レベルがTH1未満TH
2以上になると、あるいは受信レベルがTH1未満TH2以上
で走行していた車両が停止すると、MPU1は、第5b図のS1
3から第5c図のS18を経てまたS19Aを経て、車両停止中の
受信追尾制御に進行したことを示すために、S21Aを経て
S22AでフラグレジスタSF1に1を書込み(SF1は走行中は
S17,S20A又はS20Bでクリアされて0となっている)、か
つ車両停止中の受信追尾実行回数Jを0に初期化し、そ
してS23Aで、1回の受信追尾を以下で実行するのでJを
1大きい数に更新する。そしてS24Aで、Jが32以上(31
回実行した)かをチェックして、そうでないと受信追尾
S15(内容は第8図)を実行する。そしてS8に戻る。こ
の受信追尾で受信レベルがTH1以上になっていると、上
記(a)に進む。以前と変わらずTH1未満TH2以上である
と、またS13−S14−S18−S19Aを経て、ここではSF1=1
であるのでS23Aに進んでJを1大きくしてS24Aでそれが
32以上になったかをチェックして、なっていないとまた
受信追尾S15を実行する。このようにして、車両停止か
つ受信レベルがTH1未満TH2以上、の2条件が連続して共
に成立しそれが継続すると、31回受信追尾S15を実行す
る。31回が終了すると次にS24Aに進んだときにJ=32で
あるので、第5b図に示すKR1に進み、以後、KR1−KR2−S
10−S11−S12−S13−S18−S19A−S21A−S23A−S24A−KR
1−・・・とループをめぐり、受信追尾S15を実行しな
い。車両が走行を始めると、S20AでSF1およびSF2がクリ
アされ、走行中は上記(II−1)が実行され、車両が停
止すると、また31回の受信追尾S15が実行される。
31回の受信追尾S15を実行してそれ以後受信追尾S15を
しない間に、STARTキースイッチ24がオンになると、KR2
でこれが検出されてS17でSF1およびSF2がクリアされる
ので、以前として、車両停止および受信レベルがTH1未
満TH2以上、の条件が成立していると、また31回まで受
信追尾S15が実行される。
(c)車両停止(Vs≦Vsp)中に受信レベルがTH2未満に
なると、あるいは受信レベルがTH2未満で走行していた
車両が停止すると、MPU1は、第5b図のS13から第5c図のS
18を経てまたS19Bを経て、車両停止中に追尾サーチ制御
に進行したことを示すために、S21Bを経てS22Bでフラグ
レジスタSF2に1を書込み(SF2は走行中はS17,S20A又は
S20Bでクリアされて0となっている)、かつ車両停止中
の追尾サーチ実行回数Kを0に初期化し、そしてS23B
で、1回の追尾サーチを以下で実行するのでKを1大き
い数に更新する。そしてS24Bで、Kが4以上(3回実行
した)かをチェックして、そうでないと追尾サーチS16
(内容は第9図)を実行する。そしてS8に戻る。この追
尾サーチで受信レベルがTH2以上になっていると、上記
(b)に進む。以前と変わらずTH2未満であると、またS
13−S14−S18−S19Bを経て、ここではSF2=1であるの
でS23Bに進んでKを1大きくしてS24Bでそれが4以上に
なったかをチェックして、なっていないとまた追尾サー
チS16を実行する。このようにして、車両停止かつ受信
レベルがTH2未満、の2条件が連続して共に成立しそれ
が継続すると、3回追尾サーチS16を実行する。3回が
終了すると次にS24Bに進んだときにK=4であるので、
第5b図に示すKR1に進み、以下、KR1−KR2−S10−S11−S
12−S13−S18−S19B−S21B−S23B−S24B−KR1−・・・
とループをめぐり、追尾サーチS16を実行しない。車両
が走行を始めると、S20BでSF1およびSF2がクリアされ、
走行中は上記(II−2)が実行され、車両が停止する
と、また3回の追尾サーチS16が実行される。
以上の(a),(b)のように、車両停止後31回まで
は受信追尾S15を実行し、3回までは追尾サーチS16を実
行するのは、車両停止中に、電波電界を弱めている障害
物(例えば貨物車,クレーン車)が存在しなくなる可能
性があり、また、車両停止直前の車両の振動等によるア
ンテナの方向ずれが停止により安定する可能性があるこ
と、ならびに、車両停止を判定する参照値Vspを、低い
値に設定すると、極く低速付近では車速データVsの信頼
性が低い(例えばt秒間の車速同期パルスのカウント値
を車速データとするとき、車速同期パルスの周期がt秒
以上になると、t秒間内に1パルスをカウントするとき
と、しないときがあり、車速データが速度0と0以上と
を繰返して示すものとなる)ので、Vspは0でなくある
極低速値(例えば4Km/h)に設定するので、車両停止と
判定しているときもわずかづつ車両が動いていることも
考えられるからである。
車両が完全に停止した場合でも、受信レベルがTH1未
満TH2以上のときには31回の受信追尾S15の実行の後に、
それがも早や行なわれなくなるので、また、受信レベル
がTH2未満のときには3回の追尾サーチS16の実行の後
に、それがも早や行なわれなくなるので、実質上無駄な
自動アンテナ走査が低減する。なお、このように自動ア
ンテナ走査をしなくなってから、車両のドライバが、電
波障害物が無くなったとの判断のもとに、自動アンテナ
走査を行なわせたいときには、STARTキースイッチ24を
一時的にオンにすればよい。こうすると、このオンをMP
U1が第5b図のKR2でこれを認知してS17でSF1およびSF2を
クリアするので、車両が停止したまま受信状態が変わっ
ていないと、再度31回の受信追尾S15又は3回の追尾サ
ーチS16が実行される。受信状態が良くなっていると、
これらのアンテナ走査で良好なアンテナ姿勢が検出さ
れ、それが設定される。
以上の実施例の説明より、本発明が路上車両以外の移
動体、すなわち、船舶,航空機等に適用できることは容
易に理解し得よう。
〔発明の効果〕
以上の通り、車両等が一時停止又は駐車しているとき
には、自動的にアンテナ走査が中断され、電力消費が低
減し、機構の動作摩耗が低減する。交叉点での一時停
止,乗降等のための一時停止あるいは休憩のための駐車
など、多くの停止する場面で、自動追尾の解除をキー入
力する必要がないので、わずらわしさない。このように
本発明は、実質上無駄な自動追尾動作を自動的に回避す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の外観を示す斜視図である。 第2a図は本発明の一実施例のアンテナの姿勢制御システ
ムの電気構成を示すブロック図であり、第2b図は第2a図
に示すモータコントロールユニット10の詳細を示すブロ
ック図である。 第3a図および第3b図は第1図に示したアンテナ30の構造
を示す部分断面図である。 第4図は第2図に示した操作ボード22の外観を示す平面
図である。 第5a図,第5b図,第5c図,第6図,第7図,第8図およ
び第9図は第2a図に示したマイクロコンピュータ1の動
作を示すフローチャートである。 第10図,第11a図,第11b図,第11c図,第11d図,第11e
図,第11f図,第11g図および第11h図は第2b図に示した
マイクロプロセッサ10aの動作を示すフローチャートで
ある。 第12図は第2a図に示したマイクロコンピュータ1の実行
する初期サーチ処理の概念を説明する模式図である。 第13図は第2a図に示したマイクロコンピュータ1の実行
する受信追尾処理の概念を説明する模式図である。 第14図は第2a図に示したマイクロコンピュータ1の実行
する追尾サーチ処理の概念を説明する模式図である。 1:マイクロコンピュータ(第1,第2制御手段,走査タイ
ミング制御手段) 2:読み出し専用メモリ、3:読み書きメモリ 4:タイマ、5,6,7,8:入出力ポート 5a:分配器、5b:BSレベル検出器 5c:A/Dコンバータ、5d:BSチューナ(5a〜5c:受信レベル
検出手段) 6a:ピッチ角検出器、6b:ロール角検出器 6c,6e:ジャイロドライバ、6d:ヨー角検出器 9a:車速データ処理回路(1,9b:停止検出手段) 10:モータコントロールユニット 10a:マイクロプロセッサ、11a,11b:D/Aコンバータ 12a,12b:パワーアンプ、13a,13b,14a,14b:ベースドライ
バ 15a,15b:波形整形回路、16a,16b:アップダウンカウンタ 17a,17b:パラレルイン・シリアルアウト・シフトレジス
タ 18:入力バッファ、22:操作ボード 23:CRTディスプレイ、24,25,26,27,28,29:操作キー 30:衛星放送受信用アンテナ、31:パラボラ反射鏡 32:BSコンバータと一体の1次放射器(31,32:アンテ
ナ) 33,34:支持アーム、35:支持箱 36,37:フレーム、38:回転台 39:ベアリング、40:固定台 41:ウェザストリップ、42:内歯 43,55:ギア、44:軸 45,56:ギアボックス、46:アジマス駆動モータ 47,58:ロータリエンコーダ、48:ケーブル(46,57:駆動
機構) 49,60:フォトインタラプタ、50:スリップリングユニッ
ト 51:ロータリジョイント、52:固定側ケーブル 53:回転軸、54:扇形歯車 57:エレベーション駆動モータ 59U,59D:リミットスイッチ、CAR:車輌(移動体) Rf:ルーフ、TV:テレビジョン受像機 RD:ラジオ、GYrp,GYya:ジャイロ(姿勢検出手段) Acc:アクセサリモードスイッチ Reg:定電圧回路、BAT:車輌バッテリ AzU:アジマスユニット、ElU:エレベーションユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−224703(JP,A) 特開 昭57−55633(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動体上において、姿勢変更自在に支持さ
    れたアンテナ;このアンテナの姿勢を変更するための駆
    動機構;該アンテナの受信レベルを検出する受信レベル
    検出手段;および、該受信レベルを参照してそれが適正
    レベル以上となるアンテナ姿勢を前記駆動機構を介して
    設定する制御手段;を備える移動体上アンテナの姿勢制
    御装置において、 前記移動体の移動停止を検出する停止検出手段; 前記移動体の姿勢を検出する姿勢検出手段; 前記受信レベルが前記適正レベル以上のとき、前記姿勢
    検出手段の検出値の変化に対応してそれによるアンテナ
    の指向方向のずれを補正する姿勢にアンテナ姿勢を補正
    する第1制御手段; 前記受信レベルが適正レベル未満のとき、アンテナを走
    査し受信レベルが高い方向にアンテナの姿勢を設定する
    アンテナ走査を実行する第2制御手段;および、 受信レベルが適正レベル未満で且つ前記停止検出手段が
    移動停止を検出した後所定のタイミングで、第2制御手
    段の前記アンテナ走査の実行を禁止し、停止検出手段が
    移動停止を検出しないと該禁止は解除する走査タイミン
    グ制御手段; を備えることを特徴とする移動体上アンテナの姿勢制御
    装置。
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