JP2560739B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP2560739B2
JP2560739B2 JP62200813A JP20081387A JP2560739B2 JP 2560739 B2 JP2560739 B2 JP 2560739B2 JP 62200813 A JP62200813 A JP 62200813A JP 20081387 A JP20081387 A JP 20081387A JP 2560739 B2 JP2560739 B2 JP 2560739B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は複写機、ファクシミリ装置およびプリンタ等
の画情報の記録を行うための記録装置に係わり、特に戸
籍謄本から抄本を作成する場合のように2つまたは3つ
以上の領域を適宜つなぎ合わせたりして一枚の記録画を
作成する場合に使用することに適する記録装置に関す
る。
「従来の技術」 国民各個人の身分関係を明確にする目的で記載された
公文書として、戸籍が存在する。戸籍は本籍の市町村に
置かれ、夫婦およびこれと氏をおなじくする未婚の子を
もて編成されている。戸籍の記載の全部を謄写したもの
が戸籍謄本であり、戸籍の記載のうちから請求者が指定
した箇所だけ抜き取って写したものが戸籍抄本である。
戸籍謄本は、従来から戸籍(原本)を複写機でコピー
することによって簡単に作成することができた。戸籍抄
本の方は戸籍の中から指定した領域だけ画像の記録を行
う必要があり、このために次に示すような幾つかの方法
が提案され、また実施されていた。
(i)原本を折り、不必要な箇所を隠した状態でプラテ
ンガラスにセットしてコピーをとる方法。
(ii)複写機の感光体ドラムに原本の画像に対応する静
電潜像を形成した後、コピー用紙に転写する際に必要な
箇所だけこれを行う方法。
「発明が解決しようとする問題点」 このうち、前者の(i)で示した方法では公文書とし
ての原本を折って使用するので、原本の破れの原因とな
った。また原本を折った箇所で画像の記録が不鮮明とな
る場合があった。
また後者の(ii)で示した方法では、コピー用紙の例
えば前半部分に第82図に示す原本11の基本欄領域12の部
分のトナー像を転写する。そして不要領域13について
は、コピー用紙を感光体ドラムから引き離す等の処置を
行うことでこのコピー用紙へのトナー像の転写を行わせ
ない。そして、必要な構成員について記載された欄14の
トナー像がコピー用紙に転写されるタイミングで再びコ
ピー用紙を感光体ドラムと接触させると共にこのコピー
用紙の搬送を開始させ、この部分のトナー像をコピー用
紙の次の記録位置から転写する。
この後者の方法では、コピー用紙をあるタイミングで
感光体ドラムから離すと共にその搬送を一時的に停止さ
せる機構が必要となり、装置が大型化してしまう。ま
た、この機構をかなり高精度に制御しないと、2つの領
域12、14の境界領域で必要な画像の一部が欠けてしまっ
たり、反対に不要な領域13の画像が一部現われて黒スジ
として再現されてしまうという不都合が発生することに
なった。
そこで、前記した基本欄と各欄のうちの必要なものを
選択できるような操作パネルを用意した複写機が登場し
ている。この装置では、例えば「基本欄」と「第4欄」
を指定するボタンをそれぞれ押すことで、これらの欄の
座標データが呼び出され、画像の切り出しと移動処理が
行われる。
ところが、戸籍はその書式が同一市町村でも時代によ
って異なる場合が多く、また全国的にも統一化が図られ
ていない。そこで座標データのみを用いて画像の編集を
行うと領域の切り出しに大きな狂いが生じる場合があ
り、戸籍抄本として満足するものができない場合がある
という問題があった。
以上戸籍抄本を例に挙げて説明したが、住民票の抄本
を作成したり、一般に領域の移動を伴う編集を行う場合
に同様の問題が発生することになる。
そこで本発明の目的は、戸籍の基本欄のように基準と
なる領域と、戸籍の第1欄、第2欄のように移動処理を
行う領域とが存在する場合に、これらの領域の位置がま
ちまちである場合にも、両者をうまく用紙上に合成して
記録することのできる記録装置を提供することにある。
「問題点を解決するための手段」 本発明では、原稿の種類に対応して原稿上で抽出すべ
き各画像領域の位置およびこれらを記録用紙上に編集し
て記録する際のそれぞれの記録位置を予め記憶した画像
領域位置記憶手段と、原稿の種類を入力する原稿種類入
力手段と、原稿の各画像領域の編集内容を入力する編集
内容入力手段と、原稿種類入力手段によって入力された
原稿の種類に応じて画像領域位置記憶手段に記憶された
該当する原稿の各画像領域の位置を特定する画像領域位
置特定手段と、編集内容入力手段から入力された編集内
容に応じて原稿上の所要の画像領域を画像領域位置特定
手段によって特定された位置にそれぞれ基づいて抽出す
る画像領域抽出手段と、この画像領域抽出手段によって
抽出された原稿上の各画像領域を記録用紙上における記
録位置にそれぞれ記録する記録手段とを記録装置に具備
させる。
ここで、画像領域位置記憶手段は記録用紙の基準位置
に画像を記録する基準領域の位置と、この基準位置を基
準として画像を記録する移動領域の位置とを各画像領域
の位置として記憶しているものであってもよい。また、
移動領域が複数設定され、それらのうちの1つが基準領
域と隣接し、他の移動領域は順に前の移動領域に隣接す
るような形で記録用紙に記録されるものであってもよ
い。更に画像領域位置記憶手段はICカードのようなメモ
リカードであってもよい。
すなわち、第1図に原理的に示したように本発明で
は、いわば領域設定手段15と領域移動制御手段16と呼ば
れるような手段を有しており、領域設定手段15によって
原稿上に基準領域と移動領域を設定しておき、基準領域
を抽出して記録用紙の所定の位置に記録すると共に、移
動領域については領域移動制御手段16によって基準領域
の記録位置から所定の距離だけ離れた位置に記録を移動
させるようにしている。画像領域位置記憶手段はICカー
ドのようなメモリカードで構成することができる。これ
には原稿の種類に応じて原稿上で抽出すべき各画像領域
の位置およびこれらを記録用紙上に編集して記録する際
のそれぞれの記録位置を予め記憶しておく。そして、原
稿の種類や原稿の各画像領域の編集内容を特定すること
で、原稿の所望の領域が抽出され基準領域と移動領域の
編集が行われることになる。
「実施例」 以下、本発明を複写機に適用し、かつ領域の指定を外
部からICカードによっても行なえるようにした場合を例
にとり、一実施例を詳細に説明する。
目次 まず、この実施例の装置およびこの装置の変形例につ
いての目次を表示する。
(1)複写機のシステム構成 (2)ソフトウェアの構成 (2−1)ソフトウェアの組み合わせの長所 (2−2)差別化の例 (3)装置の構成の一例 (4)装置の回路構成 (5)複写機の具体的な回路構成 (5−1)感光体ドラムの周辺 (5−2)現像装置の切換機構 (5−3)光学系 (5−4)定着装置 (5−5)コンソールの制御 (5−6)ビリングカウンタ (5−7)電源 (5−8)搬送系 (5−9)DADF (5−10)ソータ (5−11)中間トレイ (5−12)エディタパッド (5−13)大容量トレイ (6)ICカードによる複写機の制御 (6−1)制御情報の種類 (6−2)ICカードの利点 (6−3)ICカード装置の構成 (6−4)制御の概要 (6−5)データの呼び出し (6−5−1)指定による呼び出し (6−5−2)一括呼び出し (6−5−3)優先呼び出し (6−6)データの流れ (6−7)データの登録 (6−8)プログラムのサイズ (6−9)プログラムの転送 (6−10)登録された複写条件の転送 (7)戸籍抄本作成時の制御 (7−1)戸籍抄本作成の形態 (7−2)同一原本からの抄本作成 (7−3)異なった原本からの抄本作成 (7−4)抄本作成時のコピー作業 (7−5)座標データ選択による抄本作成 (8)住民票の作成 (1)複写機のシステム構成 第2図は本発明の一実施例における複写機のシステム
構成を表わしたものである。
この図に示すように本実施例の複写機は、最も基本的
な構成としてのベースマシン21に所望の付加装置を取り
つけて機能アップを図ることができるようになってい
る。ここでベースマシンとは、1段の供給トレイとマニ
ュアルフィード用のトレイを備え、プラテンガラス上に
原稿をマニュアルでセットしてコピーをとることのでき
る装置である。このベースマシンには、次のような付加
装置を取りつけることができる。
(1)ICカード装置22; ICカード装置22は記憶媒体としてのICカードを用いて
必要なデータをベースマシン21に供給したり、反対にベ
ースマシン21からICカードにデータを書き込むときに使
用する装置である。後に説明するエディタパッドを用い
てデータ(座標データ)の入力を行う場合には、ICカー
ド装置22にこのエディタパッドを接続して入力作業を行
う。本実施例のICカード装置22はICカードとエディタパ
ッドの制御を択一的に行うようになっており、両者を同
時に使用してデータの入力を行うことはできない。
なお、本実施例のICカード装置22に使用するICカード
はISOタイプのインターフェイスを持ち、メモリ容量は3
2キロバイトである。ICカードを使用することにより、
複雑な記録条件を幾通りもカードに格納することがで
き、複写機の自動化および多機能化に充分対処すること
ができる。例えば部課別や個人単位でICカードを用意す
ることで、複雑な機能を有する複写機であってもこれら
の所有者に合った操作方法を実現することができ、だれ
もが簡単に、また間違いなく複写機を操作することがで
きるようになる。
また、この実施例の装置ではカード類の読取装置とし
てICカード装置22のみを使用しているが、必要に応じて
磁気カード用の読取装置が用意されてもよいし、他のカ
ード類に対する読取装置が用意されていてもよい。
(2)ADF23およびDADF24; ADF23は原稿自動送り装置と通常称されているもの
で、原稿を1枚ずつベースマシン21のプラテンガラス上
に送り込み、露光終了後にこれを排出するものである。
原稿に対する露光は定められた一方の面に対してのみ行
われる。これに対してDADF24はデュプレックス用、すな
わち画面コピー用の原稿自動送り装置である。
DADF24では原稿の一方の面がプラテンガラスに向き合
うような状態でこれを搬送して第1回目の露光を行う。
そして露光終了後の原稿をDADF24のトレイに戻す際にそ
の表裏を逆転させる。これによりこの原稿が再度送り出
された場合には先の露光面と逆の面が露光されることに
なる。ベースマシン21は後に説明する付加装置を用いた
状態でコピー用紙の表裏別々にコピーを行うことができ
るようになっている。
本実施例の複写機ではADF23およびDADF24を使用可能
とすることで、両面原稿や画面コピー等のような色々な
組み合わせによるコピー作業を自動的に行うことができ
る。
なお、ADF23は従来から複写機に用いられている原稿
自動送り装置と基本的に同じ構造であるが、本実施例の
装置の場合には原稿の挿入方向を向かって左側からと
し、ベースマシン21からはみ出ないような形となってい
る。
(3)通常のプラテン25およびエディタパッド付きプラ
テン26; エディタパッド付きプラテン26は、原稿の編集用にエ
ディタパッドと呼ばれる座標入力装置をプラテン上に配
置した構造のものである。通常のプラテン25はこのよう
な機構を備えていない。
(4)コンソールパネル; コンソールパネルにはバックリットタイプ27のものと
メッセージ表示付き28のものとがある。ここでバックリ
ットタイプのコンソールパネル27は、予め所定の位置に
固定されたメッセージが配置された表示板を背後からラ
ンプ等で選択的に照明してその部分を読めるようにした
ものである。
本実施例で採用されているメッセージ表示付きのコン
ソールパネル28は、液晶表示素子から構成されており、
表示面積を大きくすることなく色々なメッセージを随時
表示することができるという長所がある。いずれのコン
ソールパネルを採用するかは、複写機のシステム構成の
複雑さや操作性等を考慮して、複写機ごとに決定され
る。
(5)供給トレイの追加; これには、次のような代表的な形態がある。すなわち
本実施例では特開昭57−77140号で提案されているよう
な単に大容量トレイ(HCF)の追加ばかりでなく、顧客
のニーズにより適合した供給トレイの組み合わせを実現
している。このような供給トレイの組み合わせは、例え
ば本出願人の出願による実願昭61−081016号(実開昭62
−194634号公報)の「多段給紙複写機」にも詳細に開示
されている。
(a)第2および第3の供給トレイ31−2、31−3; これら2つの供給トレイを追加することにより、最大
3種類のサイズのコピー用紙をベースマシン21に対して
送り出すことができる。
(b)第2および第3の供給トレイ31−2、31−3と中
間トレイ33。ここで中間トレイ33とは、用紙の1つの面
に複数回のコピーを行ったり、2つの面に交互にコピー
を行う場合にコピー済の用紙を一時的に収容するトレイ
である。
(c)第2、第3の供給トレイ31−2、31−3と中間ト
レイ33および第4、第5の供給トレイ31−4、31−5。
(d)第2および第3の供給トレイ31−2、31−3と中
間トレイ33および大容量トレイ36。
ここで大容量トレイ36とは、数千枚のコピー用紙を収
容することのできる供給トレイである。
(5)排出されたコピー用紙の収容装置。
コピー用紙は排出トレイ37に通常収容されるが、この
システムでは10ビンのソータ38と20ビンのソータ39を用
意している。従ってこれらソータの一方をセットするこ
とにより最大10または20の配付先別にコピーをソーティ
ングすることができる。
以上のようにこの複写機システムではベースマシン21
に各種付加装置を選択的に取りつけることができるの
で、使用者に最も合った複写機を提供することができ
る。しかも、その顧客の事務形態の変化に応じて複写機
の機能アップを図ることもできる。
例えば原稿を拡大したり縮小してコピーをとる必要の
ない顧客や、コピー量が少ない顧客は、ベースマシン21
単体を購入することが適切な場合が多い。これに対し
て、多量のコピーをとる顧客や戸籍抄本の作成等の複雑
なコピー作業を要求する顧客にとっては中間トレイ33や
大容量トレイ36が必要とされる場合が多い。このような
各種要求を実現する手段として、この複写機システムで
はそれぞれの付加装置を簡単に取りつけたり取り外すこ
とができる構造とし、また付加装置の幾つかについては
独立したCPU(中央処理装置)を用意して複数のCPUによ
る分散制御を行うことにしている。このことは、単に顧
客の希望する製品が容易に得られるという利点があるば
かりでなく、新たな付加装置の取り付けの可能性は顧客
に対して新たなコピー作業の可能性を教示することにな
り、オフィスの事務処理の進化を推進させるという点で
この複写機システムの購入に大きな魅力を与えることに
なる。
(2)ソフトウェアの構成 (2−1)ソフトウェアの組み合わせの長所 ところで、以上説明した複写機のシステム構成は、こ
の実施例の複写機のソフトウェアの組み合わせとしても
説明することができる。すなわち、この複写機は各種の
付加装置を取りつけることができるのに対応して、ソフ
トウェアについてもこれら各付加装置に対応したシステ
ム構成を採ることができるようになっている。
このような構成を採用した理由の1つは、(i)これ
らの付加装置すべての動作制御プログラムを仮にベース
マシン21に用意するとすれば、このために必要とするメ
モリの容量が膨大になってしまうことによる。また、
(ii)将来新しい付加装置を開発したり、現在の付加装
置の改良を行った場合に、ベースマシン21内のROM(リ
ード・オンリ・メモリ)の交換や増設を行うことなく、
これらの付加装置を活用することができるようにするた
めである。
このためICカードには、各種記録条件を登録した複数
の記憶領域M1〜MNを有する記録条件指定領域と、付加的
なプログラムを格納するプログラム記憶領域とが設けら
れている。そしてこれに対応してベースマシン21には、
複写機の基本部分を制御するための基本記憶領域と、IC
カードのプログラム記憶領域から取り込まれたプログラ
ムを記憶する付加記憶領域と、ICカードの記憶条件指定
領域から取り込まれた記録条件を記憶する記録条件記憶
領域とを配置したメモリが存在する。付加記憶領域に
は、ADF23の制御プログラム、DADF24の制御プログラ
ム、コンソールパネル28の制御プログラム等の各種プロ
グラムの他に、戸籍抄本を作成する場合に必要な各種座
標データが格納されるようになっている。そして、ベー
スマシン21に所定の付加装置を取りつけた状態でICカー
ドをICカード装置22にセットし、例えば記録条件として
「戸籍抄本」記録モードを設定すると、座標データと戸
籍抄本作成のために必要なプログラムが読み出され、付
加記憶領域にロードされるようになっている。付加記憶
領域にロードされたプログラムは、基本記憶領域に書き
込まれたプログラムと共働して、あるいはこのプログラ
ムに対して優先的な地位をもってコピー作業の制御を行
う。
(2−2)差別化の例 このようにこの実施例の複写機はICカードのプログラ
ム記憶領域に格納されたプログラムが複写機の機能を左
右することができ、記録条件指定領域では複写機本体の
基本記憶領域およびICカードのプログラム記憶領域によ
って設定された機能に対する記録条件を指定することに
なる。従って、ICカードに格納されるプログラムをカー
ド単位で変化させることで、複写機の使用に対する差別
化が可能になる。これについて、分かり易い例を幾つか
挙げて説明する。
第1の例として、雑居ビルに複数の会社が共同使用す
る複写機が備えられていたり、一つの会社内や工場内で
あっても異なった部門間で共同使用する複写機が備えら
れている場合を説明する。後者の共同使用は、予算管理
上で必要となるものであり、従来ではコピーライザ等の
機器を用いて各部門の使用管理を行っていた。
この複写機は、第2図で示したベースマシン21にICカ
ード装置22、DADF24、ソータ38、コンソールパネル28、
第2〜第5の供給トレイ31−2〜31−5、および中間ト
レイ33を備えた比較的高度なシステム構成の複写機であ
るとする。共同使用者の中には、DADF24やソータ38を必
要とする人あるいは部門もあれば、なんら付加装置を必
要としない人または部門もある。
これら使用態様の異なる複数の人または部門が複写機
の費用負担を各自のコピーボリュームからだけで決定し
ようとすれば、低ボリュームのコピーしかとらない人ま
たは部門は、各種付加装置が装備された複写機の導入に
反対してしまい、複写機を高度に使用しようとする人ま
たは部門との間の調整が困難となってしまう。
このような場合には、各人または各部門の使用態様に
応じたICカードを用意しておき、高度な機能を望む人あ
るいは部門ほど基本的な費用を多く負担すると共に、多
くの機能を活用することができるようにしておけばよ
い。例えば最も高度なICカードの所有者は、そのICカー
ドをICカード装置22にセットした状態で複写機を動作さ
せることにより、DADF24、ソータ38、第2〜第5の供給
トレイ31−2〜31−5、および中間トレイ33を自在に使
用することができ、事務効率も向上させることができ
る。これに対してコピー用紙のソーティングを必要とし
ない人は、ソーティングについてのプログラムを欠くIC
カードをセットして、ソータ38の最上ピンを排紙トレイ
として使用することで経費を節減することができる。
第2の例として、コピー業者がICカードでセルフコピ
ーサービス店を営む場合を説明する。
店の中には、複数台の複写機が配置されており、それ
ぞれにICカード装置が取りつけられている。客はサービ
ス態様に応じたICカードを請求し、これを自分の希望す
る複写機にセットしてセルフサービスでコピーをとる。
複写機に不慣れな客は、操作説明の表示機能をプログラ
ムとして備えたICカードを請求し、これをセットするこ
とでコンソールパネル28に各種操作情報の表示を可能と
し、コピー作業を間違いなく実行することができる。DA
DF24の使用の可否や、多色記録の実行の可否等も貸与す
るICカードによって決定することができ、また使用機種
の制限も可能となって料金にあった客の管理が可能にな
る。更にコピー枚数や使用したコピー用紙のサイズ等の
コピー作業の実態をICカードに書き込むことができるの
で、料金の請求が容易になり、常連客に対するコピー料
金の割り引き等の細かなサービスも可能になる。
第3の例として、特定ユーザ向けのプログラムを格納
したICカードを用いたサービスについて説明する。例え
ば特許事務所では写真製版により縮小された特許公報類
を検討するときに原寸と同一のコピーをとる必要から20
0%という比較的大きな拡大率でコピーをとる仕事があ
る。また官庁に提出する図面を作成する際に、その要請
に応えるために元の図面を小刻みに縮小あるいは拡大す
る作業が行われる。また、市役所あるいは区役所等の住
民票のコピーを行う部門では、請求の対象外となる人に
関する記載箇所や個人のプライバシを保護するために秘
密にすべき箇所の画情報を削除するようにして謄本や抄
本を作成する。
このように使用者(ユーザ)によっては、複写機を特
殊な使用態様で利用する要求がある。このような要求に
すべて満足するように複写機の機能を設定すると、コン
ソールパネルが複雑となり、また複写機内部のROMが大
型化してしまう。そこで特定ユーザ別にICカードを用意
し、これをセットさせることでそのユーザに最も適する
機能を持った複写機を実現することができる。
例えば特許事務所の例では、専用のICカードを購入す
ることで、固定倍率として通常の数種類の縮倍率の他に
200%の縮倍率を簡単に選択できるようになる。また微
調整を必要とする範囲で例えば1%刻みで縮倍率を設定
することができるようになる。更に住民票の発行部門で
は、テンキー等のキーを操作することによって液晶表示
部等のディスプレイに住民票の種類や削除すべき欄や項
目を指示することができるようになり、この後スタート
ボタンを押すことでオリジナルの所望の範囲のみがコピ
ーされたり、必要な部分のみが編集されて記録されるよ
うになる。
次に市町村の役場に配置される複写機について説明す
る。戸籍抄本や住民票の抄本を作成する場合には、各欄
の配置位置やそれらの欄のサイズが市町村ごとにまちま
ちで統一されておらず、また同一の市町村であっても時
代に応じてそれらが変化していることが多い。従って、
複写機の設置を行うに際しては、その市町村で使用され
ている戸籍や住民票の書式とその変遷を調べ、それぞれ
の時代についての各欄の配置位置をICカードに記憶させ
る。この場合、戸籍と住民票を別々の複写機で発行する
部署では戸籍用のICカードと住民票用のICカードをそれ
ぞれ発行して、それらのカードを専用化することによっ
て作業のミスを防止することができる。戸籍抄本を作成
する部署でも、ICカードを戸籍の書式に応じて複数用意
して専用化し、これらのカード表面を色分けする等によ
って識別できるようにすれば、該当するICカードを複写
機にセットするだけでその業務専用の複写機に変身させ
ることができ、モード設定のための各種操作を省略する
ことができ、また作業の信頼性を向上させることもでき
る。
もちろん、ICカードは充分な記憶容量をもっているの
で、戸籍抄本や住民票についてのプログラムを1枚のカ
ードに納め、書類の種類や原本の年代別のモード設定を
行うことで、希望の書類作成のためのプログラムを複写
機本体に簡単にセットすることもできる。この場合に
は、1つの部署に保管するICカードの数が少なくてよい
ので、その管理が容易になるという長所がある。なおIC
カードには、他の市町村の同種目的のカードとの混用
や、同一オフィス内の異なった部署で用いられるカード
との誤用を防止するために、その市町村独自あるいはそ
の部署独自の識別番号を記録しておき、使用に際しては
複写機側でこれをチェックするようにしておくことが好
ましい。
(3)装置の構成の一例 第3図は以上説明した実施例の複写機のシステム構成
の一例を表わした外観図である。
この実施例の複写機では、ベースマシン21の上にDADF
24が取りつけられており、その上面後方にはICカード装
置22が配置されている。ベースマシン21の上面手前には
メッセージ表示付きのコンソールパネル28が配置されて
いる。また図では現われていないが装置右側部には手差
しトレイ41が取りつけられており、左側部には10ビンの
ソータ38が取りつけられている。手差しトレイ41はマニ
ュアルフィード用のものであるが、複数枚の用紙を同時
にセットし順次給送することができるようになってい
る。
ベースマシン21にはその基本構成として第1の供給ト
レイ31−1が取りつけられていることはすでに説明し
た。この実施例の複写機では、その下に第2および第3
の供給トレイ31−2、31−3が配置されており、中間ト
レイ33を挟んで第4および第5の供給トレイ31−4、31
−5が配置されている。これら供給トレイ31−1〜31−
4および中間トレイ33は共に前面に引き出せるようにな
っており、操作性の向上と複写機の配置スペースの節約
が図られている。また、ADF(原稿自動送り装置)や給
紙トレイが出っ張らないスッキリとしたデザインの複写
機か実現されている。
第4図はこの複写機の概略を表わしたものである。ベ
ースマシン21内には感光体ドラム51が配置されている。
感光体ドラム51はチャージコロトロン(帯電器)52によ
って一様に帯電されるようになっている。感光体ドラム
51は図で矢印53方向に定速回転を行うようになってお
り、帯電されたドラム表面は露光箇所54において露光さ
れる。ここで露光箇所54には、ベースマシン21の上面に
配置されたプラテンガラス55上に載置された図示しない
原稿の光像が入射されるようになっている。このため
に、露光ランプ56と、これによって照明された原稿面の
反射光を伝達する複数のミラー57および光学レンズ58と
が配置されており、このうち所定のものは原稿の読み取
りのためにスキャンされるようになっている。
さて、露光箇所54でスリット状に露光さた画情報によ
って感光体ドラム51上には原稿に対応した静電潜像が形
成される。この静電潜像は、現像装置59によって現像さ
れ、トナー像が作成される。トナー像は感光体ドラム51
の回転と共に移動しトランスファコロトロン(転写器)
50の近傍を通過する。
一方、ベースマシン21に配置されている第1の供給ト
レイ31−1に収容されているコピー用紙60あるいは手差
しトレイ41に沿って手差しで送り込まれるコピー用紙60
は、送りロール61−1あるいは63によって送り出され、
搬送ロール69に案内されて感光体ドラム51とトランスフ
ァコロトロン50の間を通過する。このとき、トナー像が
コピー用紙上58に転写されることになる。転写後のコピ
ー用紙60は、ヒートロール66およびプレッシャロール67
の間を通過して熱定着される。そして、搬送ロール68、
68の間を通過して図示しない排出トレイ上に排出される
ことになる。
なお、この実施例ではベースマシン21にDADF24を取り
つけている。従って原稿の両面を順にプラテンガラス55
上に載置することも可能である。この場合には、DADF24
の原稿収容部に積層された原稿のまず片面がプラテンガ
ラス55の上面にセットされる。そして、複写が終了した
時点で原稿が表裏逆の状態で原稿収容部に再セットさ
れ、この後にプラテンガラス55上に再度送り込まれるこ
とになる。
また、この実施例の複写機ではベースマシン21の下に
5つのトレイ31−2〜31−5、33を取りつけたが、この
代わりに単にキャビネットを配置し消耗品の収納等にあ
てることもできる。更に、ベースマシン21の構成のまま
でこの複写機をデスクトップの複写機として机上に載置
することも可能である。もちろん、第1の供給トレイ31
−1の下に第2の供給トレイ31−2のみを取り付け、こ
の構成の複写機を同様に机上に載置することも可能であ
る。
中間トレイ33が配置されていないこのような簡易な複
写機で例えば戸籍抄本を作成する場合には、1度コピー
したコピー用紙を複写機の外に排出させ、これを手差し
トレイ41等から再給紙して2度目のコピーを行うように
することになる。移動領域の記録位置を移動させる制御
は、感光体ドラム51に対するコピー用紙60の送り出しタ
イミングを調整することによって行うことは、中間トレ
イ33を設けた複写機と同様である。中間トレイ33が存在
しない場合には、このようにオペレータの介在のもとで
抄本等の種類が作成されることになる。しかしながら、
この場合の作業内容は、必要によりコンソールパネル28
の液晶表示部等に表示することができるので、間違った
作業が行われることはない。
第5図はこの複写機のコンソールパネルの一例を表わ
したものである。本出願人が以下に述べていく表示制御
技術の詳細は、実願昭61−130320号(実開昭63−38152
号公報)の「表示装置」や実願昭61−066170号(実開昭
62−179792号公報)の「文字表示装置」等で詳細に開示
している。例えば実願昭61−130320号(実開昭63−3815
2号公報)には、複写機にドットパターンによるグラフ
ィック表示領域を設けることが開示されており、このグ
ラフィック表示領域を利用して各種表示を行うことがで
きることが示唆されている。例えば原稿の部分複写や画
像の移動・削除等を行うことのできる複写機では、プラ
テン上に原稿を載置した状態でイメージセンサで対象と
なる領域の画像を読み取り、その輪郭等をグラィック表
示領域に表示させることが示唆されており、これによる
領域設定の誤りや操作ミスの発生が防止できるとされて
いる。
コンソールパネルは複数の形態を採りうるが、先に説
明したように本実施例の複写機ではメッセージ表示付き
のコンソールパネル28を使用する。
さて、コンソールパネル28にはその上部にメニュー表
示板71が配置されており、それぞれのパネル部分74〜79
の内容が文字で表示されている。このうちソータ用パネ
ル74には1つのスイッチ81と2つの表示ランプ82が配置
されており、ソータが接続された場合におけるソーティ
ングのモードを選択することができるようになってい
る。ソーティングのモードには、コピー用紙を順に堆積
するためのスタックモードと、ソータの各ビンにコピー
用紙を仕分けするための丁合モードとがある。
次の機能選択用パネル75には(i)画像の編集、また
は修正・確認を行うためのスイッチ83、(ii)ジョブメ
モリに記憶させるためのスイッチ84、(iii)その他い
ろいろな複写形態をとるためのスイッチ85および(iv)
両面コピーをとるためのスイッチ86と、これらのスイッ
チの選択の有無を表示するための表示ランプ82が配置さ
れている。ここで、(i)編集とはエディタ等を用いて
編集のためのデータを入力するための機能であり、修正
・確認とは入力データを後述する液晶表示部に表示して
確認したり、データの入れ替えを行う機能をいう。ま
た、(ii)ここで使用されるメモリは電池によってバッ
クアップされたランダム・アクセス・メモリから構成さ
れる不揮発性メモリである。もちろん、ICカード、磁気
カード、フロッピーディスク等の他の記憶媒体も不揮発
性メモリとして使用することができる。この複写機では
オペレータによるコンソールパネル28の操作の負担を軽
減するために、画像の濃度や倍率の設定等をプリセット
することかできるようになっており、このプリセットさ
れた値を不揮発性メモリに記憶するようになっている。
(iii)スイッチ85を押すと、このコンソールパネル28
の表示パネル79に文字情報が表示され“その他”の機能
のうち所望の機能を選択することができるようになって
いる。
ここでいう“その他”の機能には、例えば(イ)ペー
ジ連写機能、(ロ)わく消し機能、(ハ)とじしろ機能
がある。このうち(イ)ページ連写機能とは、製本原稿
のように2ページに跨がった原稿を見開きの状態で1ペ
ージずつに2分割して順にコピーする機能である。また
(ロ)わく消し機能とは、原稿の周辺部分の画情報につ
いてはコピーを行わず、あたかも画情報の周辺に“枠”
を設定したようにする機能である。(ハ)とじしろ機能
とは、コピーの右端部または左端部に“綴代”を設定す
る機能である。綴代は所望の長さに設定することがで
き、その数値はテンキー80から入力したり、表示パネル
79上にこの時点で表示された数値から選択することがで
きる。
(iv)最後に両面コピーとは、コピー用紙の両面にコ
ピーをとる機能である。両面コピーをとる場合には、最
初の面にコピーが行われたコピー用紙60が第4図に示す
中間トレイ33にまず収容される。次にこの中間トレイ33
からコピー用紙60が再び送り出され、コピーの行われな
かった面にコピーが行われる。なお、この複写機では次
に説明する単色カラー複写の場合等には1つの面に2度
コピーを行うことになる。この場合には、中間トレイ33
に収容されるコピー用紙の表裏が両面コピーの場合と逆
になるような工夫が行われている。
第5図のメニュー表示板71に“単色カラー強調”と表
示された部分の下側に設けられた単色カラー強調用パネ
ル76の一番上にはカラー現像剤の種類(色)を示す表示
ランプ87が4個配置されている。この複写機ではカラー
現像剤を赤色、青色等の4色のうちから1色セットある
いは複数色セットすることができるので、現在セットさ
れているカラーに該当するランプを点灯させるようにし
ている。
単色カラー強調用パネル76の残りの部分には、4つの
スイッチ88〜91とこれらのスイッチ88〜91のいずれかが
設定されたかの表示を行うための表示ランプ82が配置さ
れている。このうち(i)マーキングカラースイッチ88
は、マーキングカラーを行う際に使用するスイッチでア
る。このスイッチ88を押してマーキングを行う領域を指
定すると、一例としてはその部分にカラーの薄い色が重
ねられて記録が行われ、あたかもマーキングが行われた
ような効果を得ることができる。
(ii)連写カラー合成スイッチ90は、コピーの所定の
領域にカラー1色を記録する場合に用いられる。例えば
プラテンガラス55(第4図参照)の右側にカラーで表現
すべき図形を置き、左側に原稿を置いてコピーをとる
と、原稿の画情報が黒色でコピーされ、その上にカラー
1色でその図形が描かれることになる。このとき、指定
する図形を網点で形成しておけば、網点の再生によって
所定の濃度に調整されたカラー図形がコピー用紙の所定
の領域に記録される。この他、商品の名称や絵柄をプラ
テンガラス55の一方に配置し、他方にその商品の売り出
し価格を書いた用紙を配置してその時々の価格を簡易に
表示するという用い方もある。
(iii)部分カラー変換スイッチ89を選択した場合に
は、指定した領域のみカラー1色でコピーが行われ、残
りの部分は黒色でコピーが行われる。これに対して(i
v)単色カラースイッチ91が選択された場合には、原稿
がカラー1色でコピーされることになる。
メニュー表示板71に“コピー濃度”と表示された部分
の下側に設けられたコピー濃度パネル77には5段階のコ
ピー濃度のいずれが選択されたかを示す表示ランプ82
と、これらのコピー濃度の1つを選択するためのシフト
キー94、95が配置されている。上側のシフトキー94が押
されるとコピー濃度が薄くなる方向で濃度設定が行わ
れ、下側のシフトキー95が押されるとコピー濃度が濃く
なる方向で濃度設定が行われる。コピー濃度は、第4図
に示した現像装置59の現像バイアスを変化させたり、露
光ランプ56(第4図)の光量を変化させたり、あるいは
感光体ドラム51に対するチャージコロトロン52による電
荷の付与量を変化させることで調整することができる。
本実施例では例えば現像バイアスを16段階に調整できる
ようになっている。
コピー濃度パネル77の下には自動濃度調整スイッチ97
が配置されている。自動濃度調整スイッチ97を押すと自
動濃度表示ランプ98が点灯して自動濃度調整モードとな
る。この自動濃度調整モードでは、原稿のスキャンが行
われている際に原稿から反射して感光体ドラム51に到達
する光の一部がハーフミラー等によって取り出され、そ
の光量に応じて現像装置59内の現像電極の電位が設定さ
れることになっている。
メニュー表示板71に“任意倍率”等と表示された部分
の下側に設けられた倍率・用紙選択用パネル78には、そ
の左側に倍率の設定および表示を行う部分が配置されて
おり、右側に用紙の選択を行う部分が配置されている。
倍率の設定および表示を行う部分には、倍率表示部99
が設けられている。この複写機は50%から200%まで任
意に1%刻みで倍率(線倍率)を設定することができ、
設定された倍率は倍率表示部99に表示されるようになっ
ている。倍率の表示はシフトキー101、102の操作による
任意倍率の設定方法と、予め定められた固定倍率の選択
を行う方法の2種類が存在する。
任意倍率の設定を行う場合には、シフトキー101、102
の操作を行う。このうち上側のシフトキー101を押下す
ると、倍率が1%ずつ増加し、下側のシフトキー102を
押すと1%ずつ減少する。シフトキー101、102を押し続
けると、その間倍率が1%ずつ連続的に変化する。
固定倍率の選択は固定倍率キー103を押すことによっ
て行う。固定倍率は倍率表示板104に表示されており、
この実施例では141.4%、86.5%、81.6%、70.7%であ
る。この他、等倍としての100%を選択することができ
る。いずれの倍率が選択されたかは、それらの左隣りに
配置された表示ランプ82のいずれが点灯したかによって
知ることができる。
コピー用紙の選択を行う部分には、用紙サイズあるい
は用紙の種類を表示した8種類の表示板105と、これら
のうちの1つを選択するためのシフトキー106、107が配
置されている。8種類の表示板105の左隣りには、いず
れの用紙サイズあるいは用紙が選択されたかを示す表示
ランプ82が配置されている。この実施例では、表示板10
5には、次の表示が行われるようになっている。
(イ)手差しトレイ表示; 手差しトレイ41(第4図)を使用するとき選択する。
従来のこの種の手差しトレイは1枚ずつ手差しを行うの
で、手差しが行われた時点でコピー用紙を手差しトレイ
から優先的に送り出せばよく、手差しトレイ自体をオペ
レータが選択する必要はない。これに対して本実施例の
手差しトレイ41は複数枚のコピー用紙を同時にセットす
ることができる。従って、コピー用紙のセットをもって
その手差しトレイ41からの給送を行わせると、コピー用
紙を複数枚セットしている時点でそのフィードが開始さ
れる可能性がある。このような事態を防止するために、
手差しトレイ41の選択を行わせるようにしたのである。
(ロ)A3用紙表示; A3サイズのコピー用紙を長手方向に送り込むためのト
レイを使用するときに選択する。
(ハ)B4用紙表示; B4サイズのコピー用紙を長手方向に送り込むためのト
レイを使用するときに選択する。
(ニ)A4用紙表示; A4サイズのコピー用紙を長手方向に送り込むためのト
レイを使用するときに選択する。
(ホ)B5用紙表示; B5サイズのコピー用紙を長手方向に送り込むためのト
レイを使用するときに選択する。
(ヘ)A4ヨコ用紙表示; A4サイズのコピー用紙を長手方向と直角方向に送り込
むためのトレイを使用するときに選択する。
(ト)B5ヨコ用紙表示; B5サイズのコピー用紙を長手方向と直角方向に送り込
むためのトレイを使用するときに選択する。
(チ)標準外用紙表示; 以上以外のサイズのコピー用紙を使用するときに選択
する。
倍率・用紙選択用パネル78の下方には、自動用紙/倍
率選択スイッチ109が配置されている。このスイッチ109
を押すと、自動用紙/倍率選択スイッチ109が選択され
予めセットされた倍率と用紙サイズの組み合わせが選択
される。オペレータは倍率・用紙選択用パネル78におけ
る表示ランプ82の点灯状態から所望の組み合わせが選択
されたかどうかを知ることができる。所望の組み合わせ
でない場合には、自動用紙/倍率選択スイッチ109を更
に押下して、組み合わせを変更させることになる。
倍率・用紙選択用パネル78の右側には表示パネル79が
配置されている。表示パネル79には、この複写機の図柄
111と液晶表示部112とが配置されている。図柄111は供
給トレイの選択状態や紙づまりの生じた場所等をランプ
の点灯で表示するようになっている。この実施例の液晶
表示部112には、漢字を含んだ文章が表示できる。この
第5図に示した例では、コピー作業を開始できること
と、設定されたコピー枚数が1枚であることを表わして
いる。またこの実施例の液晶表示部112はカラー表示用
の液晶を使用しており、指定された領域がそれぞれ指定
されたカラーで表示されるようになっている。
表示パネル79の下方には、以下のようなキーまたはボ
タンが配置されている。
(イ)オールクリアボタン114; 複写機を基本状態すなわちコピー用紙60の選択等のよ
うに初期的に設定される優先モードに戻すためのボタン
である。
(ロ)テンキー80; コピー枚数をセットしたり、複写機の診断を行う際の
診断内容の特定等を行うための数値入力に用いる。
(ハ)割り込みボタン115; 連続コピーを行っているときで、他の緊急コピーをと
る必要があるときに使用される。割り込みの処理が終了
した際に元のコピー作業に戻すための割り込みの解除に
も用いられる。
(ニ)ストップクリアボタン116; コピー作業を途中で停止するときや、コピー枚数の設
定時やソータのビンの設定時のクリアボタンとして作用
する。
(ホ)スタートボタン117; コピー作業を開始させるためのキーである。
(ヘ)選択キー118; 表示されたメッセージに対してカーソルを動かすため
のキー、すなわちカーソルキーである。
(ト)設定キー119; カーソルで指定された場所に設定するためのキー(リ
ターンキー)である。
以上説明したように本実施例のコンソールパネルは例
えば用紙の選択やコピー濃度の設定といった基本操作の
エリアと、例えば機能選択や単色カラー強調といった応
用操作のエリアを完全に分離した配置となっている。こ
れに加えて液晶表示部112に漢字カナ混じり文を表示し
て応用操作の補助を行うことで、パネル操作における間
違いの発生を可能な限り低下させている。
(4)装置の回路構成 第6図はこの複写機(第2図)の回路構成の概要を表
わしたものである。
図のようにメインCPU121を中心としたシリアル通信を
用いた分散CPUアーキテクチャを採用している。これ
は、コントローラの最適な配置を可能とし、最適なコス
トパーフォーマンスを提供するためである。更に複写機
の製品開発の面より見ると、モジュール設計によるソフ
トウェアの開発の短縮化や効率化、ワイヤハーネス等の
簡略化、低コスト化、トラブルの処理の容易化等が期待
できる。
また、複数のCPUによる処理の分散化によって処理効
率がアップするので、例えば高価な16ビットCPUを用い
ず、安価な8ビットCPUを用いることによっても複雑で
かつ高速処理が要求されるようなプログラムの処理が可
能となる。
更にこのような処理の分散化によって機種展開が容易
となる。すなわち、新しい入出力装置等を開発するよう
な場合でも、本体側(メインCPU側)のプログラムの修
正が不要になる場合があり、変更が必要な場合でも最小
限で済むことになる。
また、本体側のプリント基板について見れば、CPUの
分散によって不必要なI/Oポートやプログラムの格納の
必要がない。従ってプリント基板の低コスト化を図るこ
とができ、配置スペースの自由度が向上する。
この複写機はそのベースマシン21内のメインCPU(中
央処理装置)121とインターイメージランプ用CPU122に
よってベースマシン21の制御を行っている、ここでイン
ターイメージランプ用CPU122はインターイメージランプ
の制御を専門で行うCPUである。
インターイメージランプとは、露光後の感光体ドラム
51に光を照射して現像前の静電潜像の一部を消去するた
め等に用いられるものである。従来では、例えばB5判の
原稿を等倍でコピーする際に感光体ドラム51上における
B5判以外の領域に光を照射してトナー像が領域外で無駄
に形成されるのを防止していた。本実施例の複写機で
は、後に説明するように画像の編集等を行う機能をもっ
ている。従って、静電潜像の形成を例えば所定の矩形領
域や多角形の領域に制限しなければならない場合があ
り、このような処理を行うために静電潜像の部分的な削
除等を必要とする。このためにもインターイメージラン
プが用いられる。このように本実施例の複写機ではイン
ターイメージランプが従来と比べて高度に制御されなが
ら使用されるので、このためにメインCPU121の他に独立
したCPUを使用することにしたのである。
複写機の制御方法として、このような分散処理システ
ムを導入してきたメーカの1つにゼロックス社があり、
特開昭59−78371号の「機械制御装置並びに制御方法」
等の出願には技術内容および関連引用文献が詳細に開示
されている。
しかし、本発明に採用されている通信方式は、上記公
報に採用されている高速処理を目的とした「イーサネッ
ト方式」ではなく、4800ボーのカレントループ方式で同
等な効果が得られるようになっている。
なお、本出願人はインターイメージランプ用CPU122に
ついて、実願昭61−152591号(実開昭62−59462号公
報)の「画像複写装置」および特願昭62−023392号(特
開昭63−191173号公報)の「複写機の画像消去装置」等
で詳細に開示している。
本実施例の複写機では、この他に次のようなCPUが用
意されており、通信ライン123、124と接続されている。
メインCPU121はこれらのCPUおよびインターイメージラ
ンプ用CPU122を統括する役割もはたしている。
(イ)原稿送り用CPU125; 原稿送り用CPU125は、第4図に示したDADF24の制御を
行うCPUである。
DADF24の代わりにADF23(第2図)が用いられる場合
には、ADF23に備えられたCPUが通信ライン123、124と接
続されることになる。
(ロ)ソータ用CPU126は、10ビンのソータ38に配置され
たCPUである。20ビンのソータ39にも専用のCPUが配置さ
れている。メインCPU21はどのソータ38、39が接続され
たかを知り、これに応じてソーティングの制御を行うこ
とになる。
(ハ)表示用CPU127; 表示用CPU127は、コンソールパネル28に取り付けられ
た前記した液晶表示部112に漢字で各種情報を表示した
り、編集を行うための領域を表示するために使用される
CPUである。バックリットタイプ27のコンソールパネル2
7(第2図)の場合には複雑な表示制御を行う必要がな
いので専用のCPUが使用されない。なお、液晶表示部112
が使用されない場合には、編集のための図形の指定等は
テンキーを用いて行われることになる。
(ニ)トレイ制御用CPU128; トレイ制御用CPU128はベースマシン21に増設されるト
レイ類のうち第4および第5の供給トレイ31−4、31−
5および大容量トレイ36と中間トレイ33を制御するため
のCPUである。このCPUは各トレイを収容したトレイキャ
ビネットの後側に配置されており、接続されるトレイ類
に応じてこれらの制御を行うようになっている。これら
のトレイ類の中で中間トレイ33は独自にコピー用紙搬送
用のモータを備えており、またこのトレイに収容される
コピー用紙はそのサイズによって収容位置が異なる等複
雑な制御を要する。
トレイ制御用CPU128による各トレイの制御態様は次の
ようになる。
(i)第4、第5の供給トレイ31−4、31−5の双方ま
たは一方と中間トレイ33の制御。
(ii)大容量トレイ36および中間トレイ33の制御。
(iii)中間トレイ33の単独制御。
(iv)第4、第5の供給トレイ31−4、31−5のうちの
一方だけあるいはこれら双方についての制御。
(v)大容量トレイ36の単独制御。
(ホ)カード用CPU129; カード用CPU129は、記録条件の設定や複写機の機能の
追加、訂正等を行うためにICカード131を用いる場合
に、その読み取りを行ったり、新たな記録条件や現行の
座標指定のデータ等の登録を行う場合にデータの書き込
みを行う部分である。また、カード用CPU129は本実施例
で使用されていないがエディタパッド132を制御するこ
ともできる。エディタパッド132は座標入力のために用
いられるものであり、後に詳しく説明する。
第7図はこの実施例の複写機で中枢的な役割を果たす
メインCPUを中心とした回路構成を更に具体的に表わし
たものである。
なお、複写機をCPUあるいはいわゆるマイクロコンピ
ュータ等の制御装置で制御することはゼロックス社のシ
カンダ・シェイク(SIKANDAR SHEIKH)によるIEEEの論
文「A Programmable Digital Control System for Copy
ing Machines」IEEE Trans,Com,Vol IECI−21,No.1,Fe
b.1974および特開昭50−62644号公報「電子写真複写法
およびその装置」等を起点とする論文や公報で周知とな
っている。他のCPUモジュールもメインCPUと同様に、ワ
ンチップCPU、ROM、RAM、I/O等からなる構成を取ってい
ることはいうまでもない。
(イ)メインCPU121は、第6図でも一部説明したように
シリアルな通信ライン123、124を通じて次の各部と接続
されている。
(i)DADF24。
(ii)ソータ38。
(iii)液晶表示部112。
(iv)ICカード・エディタパッド用インターフェイス
(I・Eインターフェイス)130;ICカード装置22に配置
されたインターフェイス回路であり、ICカード131やエ
ディタパッド132を複写機本体に接続したときこれらと
メインCPU121側とでデータの授受を行わせる。
(v)インターイメージランプコントローラ157。
(vi)第4、第5の供給トレイ31−4、31−5、中間ト
レイ33等を制御するトレイ制御部133。
(ロ)また、このメインCPU121はA/D変換器を内蔵して
おり、アナログデータライン134を通じて次の各部と接
続されている。このようなCPUとしては、例えば日本電
気株式会社のμPD7810CW、μPD7811CWや富士通株式会社
のMB89713X等の8ビットワンチップCPUを挙げることが
できる。
(i)光量センサ135;露光ランプ56(第4図)の光量を
検知してその制御を行う際に使用されるセンサである。
(ii)温度センサ群136;後に説明する定着温度コントロ
ール用のソフト・タッチ・センサ等のセンサである。
(iii)用紙サイズセンサ群137; 供給トレイ31等に収容される用紙のサイズを検知する
センサである。本実施例の複写機のシステム構成による
と、コピー用紙60を最大5種類のトレイから送り出すこ
とができる。従って、1つの供給トレイに用紙サイズの
検知用に4つのセンサを配置したとし、この処理にディ
ジタルデータを用いるとすると、1つのトレイから4ビ
ットのディジタルデータをメインCPU121に送出する必要
が生じ、合計で最大20個のインプット用のポートが必要
になるばかりでなく、コネクタの数やハーネスを構成す
るケーブルの数が多くなってしまう。これは、コストや
小型化の要請および信頼性の観点から好ましくない。
そこで本実施例の複写機では、1つのトレイごとに4
つのセンサの状態によって特定される状態をアナログデ
ータとして送出することにする。メインCPU121側では送
られてきたアナログデータをディジタルデータに変換
し、それぞれのトレイに収容されているコピー用紙60の
サイズを最大16種類まで判別することになる。
(ハ)更にメインCPU121はリセット回路138で暴走時や
イニシャライズ時にリセットされる他、バスライン121A
を介して次の各部と接続されている。
(i)キーボード・ディスプレイLSI(大規模集積回
路)121B;コンソールパネル28との間でデータの仲介を
行う回路である。
(ii)タイマ・カウンタLSI121C;メインモータ164やキ
ャリジモータ171の駆動を制御する回路である。
(iii)ROM121D;56Kバイトの容量を持ち、複写機の基本
的制御情報等を格納したリード・オンリ・メモリであ
る。
(iv)RAM121E;6Kバイトの容量をもつデータ一時記憶用
のランダム・アクセス・メモリである。このRAM121Eに
は、前述した不揮発性メモリ(NVM)121Fが接続されて
おり、複写機の電源がオフとなった場合でも必要なデー
タを保存できるようになっている。
ここで不揮発性メモリ(NVM)121Fに格納される必要
なデータとしては、例えば(a)コピー用紙60のレジス
トレーションを調整するためのセットアップ値や、
(b)後に詳しく説明するインターイメージランプによ
る画像の先端部分の消込み量、(c)複写倍率を等倍に
設定した場合における縦および横の倍率の微調整値、
(d)綴代用の空白を設けてコピーを行う場合の綴代量
のように複写機の生産ラインで行われる各パラメータの
調整値や、(e)各供給トレイ31等のフィードカウンタ
の使用実績値等のように複写機の使用状態を把握するた
めのデータ等を挙げることができる。
(v)第1のI/Oコントローラ121G;フィルタ回路121Hを
介して各種データの入力を行い、ドライバ回路121Iを介
して各種部品の駆動を行う入出力コントローラである。
ここでフィルタ回路121Hには、例えば各種スイッチやセ
ンサが接続されている。またドライバ回路121Iには、後
に説明するデベソレノイド等のソレノイドや供給トレイ
31−1〜31−5内の同じく後に説明するクラッチ233等
が接続されている。
(vi)第2のI/Oコントローラ121J;フィルタ回路121Kを
介して各種データの入力を行い、ドライバ回路121Lを介
して各種部品の駆動を行う入出力コントローラである。
ここでフィルタ回路121Kには、例えば各種スイッチやセ
ンサが接続されている。またドライバ回路121Lは周知の
D/A(アナログ−ディジタル)変換器やPWM(パルス幅変
換器)を具備しており、プログラムの処理に従って、後
に説明する現像装置59のデベバイアスの設定やチャージ
コロトロン52等の電流値の設定を行うようになってい
る。
(5)複写機の具体的な回路構成 次に第8図〜第13図を用いて、本実施例の複写機につ
いてその回路構成を更に具体的に説明する。
(5−1)感光体ドラムの周辺 第8図は感光体ドラム51の周辺を表わしたものであ
る。
感光体ドラム51の周囲には、チャージコロトロン52、
インターイメージランプ141、4種類のサブ現像装置59S
1〜59S4、メイン現像装置59M、トランスファコロトロン
50、デタックコロトロン147、プレクリーンコロトロン1
48、クリーニング装置149および除電用イレーズランプ1
55がこの順序で配置されている。ここで第1のサブ現像
装置59S1は赤色のトナーで現像を行う現像装置であり、
第2のサブ現像装置59S2は青色のトナーで現像を行う現
像装置である。第3のサブ現像装置59S3は緑色のトナー
で現像を行う現像装置であり、第4のサブ現像装置59S4
は茶色のトナーで現像を行う現像装置である。
インターイメージランプ141は一列に配置された128個
の発光ダイオードと、これら発光ダイオードと平行にこ
れらの前面に配置された1枚のプラスチックレンズから
なる。プラスチックレンズ(図示せず)は1つ1つの発
光ダイオードに対応する位置に非球面の凸部を有してお
り、発光ダイオードの互いに隣接する部分が発光したと
きであっても感光体ドラム51上で光がそれらの境界領域
で不均一な強度とならないように配慮されている。ま
た、プラスチックレンズの焦点は感光体ドラム51上で適
度にぼかされるようになっている。このため、インター
イメージランプ141によって例えば3角形の形状の図形
処理(図形の抽出あるいは削除)が行われた場合であっ
ても、処理の境界部分で1単位の発光ダイオードごとに
生じる段差がかなり軽減されることになる。
インターイメージランプ・コントローラ157は、イン
ターイメージランプ141の128セグメントに区分けされた
発光ダイオードのオン・オフ制御を行うようになってい
る。クリーニング装置149はドクターブレード150を備え
ており、プレクリーンコロトロン148で除電したトナー
を感光体ドラム51から掻き落とすようになっている。
ところで本実施例の複写機では、ドクターブレード15
0が感光体ドラム51に接触した後、0.2秒を経過した時点
でメインモータ164の駆動が開始される。またメインモ
ータ164が停止した場合にも直ちにドクターブレード150
が感光体ドラム51から離れるのではなく、5秒経過した
時点で離れるようになっている。これは、トナーがバキ
ュームの吸引動作によって飛び散り、複写機の内部を汚
染させるような事態を防止するための工夫である。
サブ現像装置59S1〜59S4はそれぞれ以下の部品を備え
ている。
(イ)カラーセンサ; サブ現像装置59S1〜59S4にそれぞれどの色の現像剤を
使用した現像装置がセットされているかの判別を行うた
めのセンサである。前記した赤、青、緑、茶以外の組み
合わせでサブ現像装置59Sを構成した場合であってもこ
のセンサによってサブ現像装置59S1〜59S4ごとにカラー
の種別を検出することができる。検知出力はデベカラー
検知回路230に入力され、メイン基板230に伝達されるよ
うになっている。
(ロ)トナーセンサ; トナー補給の必要性の有無を判別するためのセンサで
ある。
(ハ)デイスペンスモータ; トナーボックス内のトナーを撹拌して補給するための
モータである。
メイン現像装置59Mは黒色による現像を行うためのも
ので、トナーセンサとデイスペンスモータを備えてい
る。インクリーススイッチ159はオペレータがトナーの
増量を行いたいときに押すスイッチである。サブ現像装
置59S1〜59S4のうちの1つが選択されている状態でイン
クリーススイッチ159が押されると該当するサブ現像装
置についてそのトナーの増量が行われる。メイン現像装
置59Mが選択された状態で押されると黒色のトナーの増
量が行われる。
デベ(現像器)選択・ソレノイド161は、メイン現像
装置59Mとサブ現像装置59S1〜59S4の合計5つの現像装
置を択一的に切り換えるためのソレノイドである。この
切り換え動作については、次に項を改めて説明する。
高圧電源供給装置(HVPS)162はメインおよびサブの
現像装置59M、59S1〜59S4内部に平行電界を作り原稿の
ソリッド部分(べた黒の部分)の再現性を良好にするた
めに用いられるものである。フル・トナーセンサ163は
トナー回収用の容器にトナーが充分回収されたかかどう
かを検知するセンサである。メインモータ164は、感光
体ドラム51、ヒートロール66あるいはコピー用紙60の搬
送タイミングの整合(レジストレーション)時から排出
時までの搬送系の駆動に用いられる。
(5−2)現像装置の切換機構 第9図は本実施例のメイン現像装置およびサブ現像装
置の切り換えタイミングを示す波形図である。同図は1
回目に第1のサブ現像装置59S1で赤色のカラーの現像が
行われ、2回目にメイン現像装置でモノクロの現像が行
われる例を表わしている。複写機のスタートボタン117
(第5図)が押されてコピー作業が開始されると、同図
aに示すようにその時刻t1からメインモータ164が駆動
される。メインモータ164の駆動は、2つの現像装置59S
1、59Mの双方でコピー作業が終了する時刻t3まで連続し
て行われる。
同図bは、デベ選択・ソレノイド161の駆動タイミン
グを表わしたものである。デベ選択・ソレノイド161は
第1のサブ現像装置59S1による赤色のコピー作業が終了
するまで励磁される。この装置ではデベ選択・ソレノイ
ド161の励磁によって図示しないクラッチの周面にレバ
ーが突き当たるようになっている。クラッチはメインモ
ータ164から駆動力の伝達を受け、72度ずつずれて1つ
の突出部を具えた5組のカム(図示せず)の回転を開始
させる。これらの突出部のうちの1つが第1のサブ現像
装置59S1に当設すると、これによって第1のサブ現像装
置59S1を感光体ドラム51の方向に押しつける。このとき
残りのカムの突出部はメイン現像装置59Mや他のサブ現
像装置59S2〜59S4から最も離れた位置にあり、この状態
でメイン現像装置59Mおよび他のサブ現像装置59S2〜59S
4は感光体ドラム51から離れた位置にある。
前記したクラッチの周面にはその5ヵ所に突起が配置
されており、前記したレバーが該当する突起に突き当た
ったとき1つのカムの対応する突出部が第1のサブ現像
装置59S1に最も強く圧接する。そして、この位置で該当
する赤色のカラーのトナーによって現像が行われること
になる。ただし、この装置では処理状態でメイン現像装
置59Mが感光体ドラム51に接近して配置されるようにな
っているので、赤色等のカラーの現像は時刻t1から直ち
に開始されるのではなく、1秒間だけその動作が待機さ
れる。このとき、前記したカムがメイン現像装置50Mの
代わりに第1のサブ現像装置59S1(あるいは他のサブ現
像装置59S2〜59S4)を感光体ドラム51にセットすること
になる。
第1のサブ現像装置59S1によるコピー作業が終了した
ら、その時刻t2から1秒間の間、前記した5つのカムが
移動しモノクロ用のカムの突出部がレバーによって位置
決めされるとメイン現像装置59Mが感光体ドラム51に対
してセットされる。この後、モノクロによる現像が行わ
れることになる。
なお、以上は赤色1色のカラーでマーキングが行われ
る場合であるが、複数のカラーでマーキングが行われる
場合には、所定の順番でサブ現像装置59S1〜59S4のうち
の該当するものが順に選択され、これらが終了してから
モノクロによる現像が行われることになる。
第10図はこれに対して、最初にモノクロで現像を行
い、後に赤色のカラーで現像を行う場合を参考的に表わ
したものである。同図aはメインモータ164の動作を、
また同図bはデベ選択・ソレノイド161の動作を表わし
ている。この第10図の場合では、最初にメイン現像装置
59Mによる現像が行われるので、この時点で1秒間の待
機時間をとる必要がない。しかしながら、2回目の現像
としてカラーによる現像が終了したら1秒間の時間をと
ってメイン現像装置59Mを再び感光体ドラム51に対して
セットすることが必要になる。
以上この複写機でマーキング処理を行う場合について
説明したが、2つの領域を合成して戸籍抄本を作成する
ような場合には、メイン現像装置59Mによる現像を2回
連続して行うことになる。従って、モノクロのみの現像
を行う場合には、現像装置の切り換え制御が必要ないこ
とになる。しかしなから、このような書類の作成であっ
ても認証等のために朱色で印鑑の画像を記録する必要が
ある場合があり、このような場合にはその色に該当する
サブ現像装置への切り換え制御が必要となる。
(5−3)光学系 次に光学系の関係について第11図を用いて説明する。
レンズやミラー等を配置した図示しないキャリジはキ
ャリジモータ171によって往復動されるようになってい
る。このキャリジモータ171はステップモータによって
構成されている。キャリッジがホームポジションに復帰
する際の位置制御はレジセンサ172によって行われる。
レジセンサ172は光学系とコピー用紙60の搬送とのタ
イミングをとるためにも用いられる。すなわち、キャリ
ジには光の透過を遮断するためのアクチェータが配置さ
れており、キャリジが移動するとこのアクチェータによ
る遮光によりレジセンサ172が光線の一時的な遮断を検
出する。この検出信号を用いて、レジストレーションを
行うための位置あるいはタイミングが決定したり、キャ
リジのリターン時におけるホームポジションの位置が決
定されるようになっている。
濃度制御センサ173は原稿のコピー濃度を制御するセ
ンサである。前述したように本実施例の複写機は感光体
ドラム51への電荷の付与量および画像の露光量ならびに
現像電極のバイアスの調整の3つを同時に行ってコピー
濃度の制御を行う。レンズ・ミラー・センサ174は光学
レンズ58とミラー57(第4図)等の移動制御を行うセン
サであるが、1つの検出素子で構成されている。レンズ
・ミラー・モータ175も、従来の複写機でレンズ64とミ
ラー57等を別々に駆動していたものを共通して駆動でき
る形式に変更している。露光ランプ56については前述し
た。光学系用ファン177は光学系の部分を空冷してプラ
テンガラス55の除熱を図るためのファンである。原稿セ
ンサ178は、原稿のサイズを検知するために設けられた
センサである。
(5−4)定着装置 次に定着装置の関係について説明する。定着装置は第
12図に示されている。
この実施例のベースマシン21はヒートロール66の中に
メインフューザランプ181とサブフューザランプ182との
2種類のフューザランプを配置している。サブフューザ
ランプ182はメインフューザランプ181よりも短く、かつ
メインフューザランプ181の一方の端部に多少偏った位
置に配置されている。本実施例の複写機では、コピー用
紙60がプラテンガラス55の一方の側部に合わせて位置決
めされるいわゆるコーナーレジ(コーナーレジストレー
ション)方式を採用しているので、使用されるコピー用
紙60のサイズによってヒートロール66の軸方向における
熱エネルギの必要量が異なってくる。これによるこの軸
方向における温度分布の偏りを補正するために、コピー
用紙60のサイズに応じてサブフューザランプ182が通電
制御されるようになっている。サブフューザランプ182
の採用で、定着装置の温度むらは充分防止することが可
能となっている。
定着装置には、フューザ出口センサ184とS・T・S
(ソフト・タッチ・センサ)185の双方が接続されてい
る。ここでフューザ出口センサ184は、ヒートロール66
とプレッシャロール67の間を通過したコピー用紙が誤っ
て両ロール66、67に巻き込まれることなく排紙トレイあ
るいは中間トレイ33方向に搬送されるか否かを検出する
ためのものである。S・T・S165は、フューザランプ18
1、182の温度センサである。
(5−5)コンソールの制御 次にコンソールの制御関係について第11図に返って説
明する。
コンソール制御部191には漢字でメッセージを表示す
るためのメッセージROM192が備えられている。また、コ
ンソール制御部191内のインターフェイスボード193を介
してICカード131(第6図)の読み書きやエディタパッ
ド132(第6図)の接続を行うためのICカード装置(IC
カードのリーダ・ライタ)22を接続できるようになって
いる。このICカード装置22はすでに説明したようにカー
ド用CPU129(第6図)で制御されるものである。コンソ
ール制御部191はメイン基板201に接続されている。メイ
ン基板201には前記したメインCPU121が搭載されてい
る。
(5−6)ビリングカウンタ 次にコピー料金の徴収等に用いられるビリングカウン
タについて第12図を用いて説明する。
本実施例のベースマシン21は5色のコピーをとること
ができるので、ビリンダカウンタが2種類備えられてい
る。このうちメインビリングカウンタ211は、白黒、カ
ラーに係わりなくコピーのとられた枚数のカウントを行
う。このメインビリングカウンタ211のカウント値は、
この複写機にコインキットやキーカウンタ等のアクセサ
リ212を取りつけたときにもそのカウント制御のための
データとして用いられる。サブビリングカウンタ213
は、カラーのコピーをとったときにそれぞれのコピーに
用いられたカラーの数の総和をカウントするのに用いら
れる。
(5−7)電源 次に電源関係について第12図と共に説明する。
ベースマシン21は100V(ボルト)の商用電源に接続さ
れるようになっている。また海外用に115V60Hzと220V50
Hzの電源にも対応できるようになっている。コンセント
221から供給された電力は15アンペアのサーキットブレ
ーカ222、ノイズフィルタ223を介してメインスイッチ22
4に到達する。メインスイッチ224の出力側は、インター
ロックスイッチ225を経てACドライバ226、定着制御用素
子227およびDC電源228に電源として供給される。更に、
DADF24および中間トレイ33にもそれらの電源として供給
されることになる。
ACドライバ226は、次の部品にそれぞれ所定のタイミ
ングで電源の供給を行う。
(イ)除電用イレーズランプ155(第8図) (ロ)露光ランプ56および光学系用ファン177(第11
図) (ハ)メインフューザランプ181およびサブフューザラ
ンプ182(第12図) DC電源228は、次の部品にそれぞれ所定のタイミング
で電源の供給を行う。
(イ)インターロックスイッチ225(第12図) (ロ)ACドライバ226(第12図) (ハ)高圧電源供給装置162(第8図) (ニ)ソータ38(第12図) (ホ)フューザ出口センサ184(第12図) (ヘ)定着制御用素子227(第12図) (ト)アクセサリ212(第12図); ここでアクセサリとは、例えばコインを使用してコピ
ーを行なえるようにしたコインキットや、各部署のコピ
ー管理を行うためのキーカウンタやキーコーダ等が存在
する。
(チ)メインビリングカウンタ211およびサブビリング
カウンタ213(第12図) (リ)X−ポート・ファン192(第12図); このファンはX−ポートと呼ばれる搬送路を搬送され
るコピー用紙60の吸引用バキュームファンである。
(ヌ)インターイメージランプ・コントローラ157(第
8図) (ル)キャリジモータ171(第11図) (ヲ)レジセンサ172、濃度制御センサ173、レンズ・ミ
ラー・センサ174およびレンズ・ミラー・モータ175(第
11図) (ワ)原稿センサ178(第11図) (カ)インクリーススイッチ159、サブ現像装置59S1〜5
9S4およびメイン現像装置59Mのトナーの空検知センサ、
ならびにデベ選択・ソレノイド161(第8図) (ヨ)メイン基板201(第8図等) (5−8)搬送系 次に第13図を用いてコピー用紙の搬送系について説明
する。
第1〜第5の供給トレイ31−1〜31−5には、ノーペ
ーパセンサ231、サイズセンサ232、およびクラッチ233
がそれぞれ備えられている。ここでノーペーパセンサ23
1は、供給トレイ31−1〜31−5内のコピー用紙の有無
を検知するためのセンサである。この複写機では、複数
の供給トレイに同一サイズのコピー用紙をセットするこ
とができ、この場合には1つの供給トレイのコピー用紙
がなくなったとき他の供給トレイから同一サイズのコピ
ー用紙が自動的に給送できるようになっている。サイズ
センサ232はトレイ内に収容されているコピー用紙のサ
イズを判別するためのセンサである。また、クラッチ23
3は、それぞれの送りロール61−1、61−2、……の駆
動をオン・オフ制御するための部品である。
コピー用紙の給送は専用に設けられたフィードモータ
235によって行われる。フィードモータ235にはステップ
モータが使用されている。コピー用紙の給送が正常に行
われているかどうかはフィードセンサ236によって検知
される。ゲートソレノイド237は、一旦送り出されたコ
ピー用紙の先端を揃えるためのレジストレーション用の
ソレノイドである。このゲートソレノイド237は、通常
のこの種のソレノイドと異なり通電時にゲートが開きコ
ピー用紙を通過させるような制御を行う。
すなわち、コピー用紙の到来しない待機状態ではゲー
トソレノイド237に電源の供給がなく、ゲートは開いた
ままとなっている。コピー用紙が到来するわずか手前の
時点にゲートソレノイド237が通電され、通過を阻止す
るためにゲートが閉じる。そして、所定のタイミングで
コピー用紙の搬送を再開する時点で通電が停止しゲート
が開くことになる。このような制御を行うと、コピー用
紙の先端が通過を阻止されている時点でのゲートの位置
の変動が少なくなり、コピー用紙が比較的強い力でゲー
トに押し当てられた場合でもその位置決めを正確に行う
ことができる。
手差し切換ソレノイド238は、第1の供給トレイ31−
1から送り出されるコピー用紙の搬送ローラと、手差し
トレイ41からマニュアルフィードされるコピー用紙の搬
送ローラとの駆動を切り換えるためのソレノイドであ
る。手差しトレイセンサ239は、手差しトレイ41からコ
ピー用紙を複数枚送る場合のコピー用紙の有無を検知す
るためのセンサである。トレイインターロック241は、
コピー用紙が紙詰まりを生じたときにその除去のために
開閉される機構に取りつけられているインターロックス
イッチである。トレイパスセンサ242は、第2および第
3の供給トレイ31−2、31−3から送られてきたコピー
用紙60を検出するセンサで、ベースマシン21とこれら供
給トレイ31−2、31−3の結合部近傍に配置されてい
る。
(5−9)DADF 第14図と共にDADF24について具体的に説明する。
DADF24はベースマシン21のプラテンガラス55の上に取
りつけられている。このDADF24には、原稿251を載置す
る原稿トレイ252が備えられている。原稿トレイ252に
は、原稿251をそのコピーされる第1の面が下側となる
ようにして積層する。
原稿トレイ252の原稿送り出し側にはリタードパッド2
54と送り出しパドル255が配置されており、これらによ
り原稿251が1枚ずつ送り出される。送り出された原稿2
51は、駆動ローラ256と従動ローラ257によってS字状搬
送部258を通り、このS字状搬送部258と垂直搬送部259
との交わる位置に配置された分岐ガイド261に押し当て
られる。分岐ガイド261はこれにより開放され、原稿251
は反転搬送部262側に搬送される。
原稿251の後端が分岐ガイド261を通過すると、図示し
ないスプリングの作用によって分岐ガイド261はS字状
搬送部258側に閉止する。このとき、分岐ガイド261の近
傍に配置された図示しないセンサによって原稿251の通
過が検出される。この検出信号出力によって原稿反転用
駆動ローラ264が逆回転する。この結果、原稿251は搬送
方向が反転され、その搬送方向をプラテンガラス55とほ
ぼ直角方向に変更される。
この後、原稿251は斜行スリップパドル265によりその
一側部を図示しないサイド位置決めガイドに当設されて
位置決めされながら搬送される。そしてエンドレス搬送
ベルト266によってプラテンガラス55上の訂正な位置ま
で搬送される。このようにして、原稿251の前記した第
1面に対するコピー作業が行われる。
第1面に対する露光が終了したら、エンドレス搬送ベ
ルト266によって原稿251が矢印267方向に搬送される。
そして出口側ガイド268の作用によって、この第1面の
みのコピーが行われる場合には垂直搬送部269が選択さ
れ、原稿251は原稿受け部271に収容されることになる。
これに対して第1面の反対側の第2面に対してもコピ
ーをとる場合には、水平搬送部272が選択される。水平
搬送部272に送り出された原稿251は、搬送ローラ273に
よって矢印267と逆方向に搬送され、駆動ローラ256と従
動ローラ257によってS字状搬送部258を搬送される。こ
のとき、原稿251の下面は原稿トレイ252に収容されてい
た時点と逆の第2面となっている。従って、先に説明し
たと同様の搬送手順でこの原稿251がプラテンガラス55
の上に送り込まれた状態では、第2面に対するコピー作
業が行われることになる。
第2面の露光終了後、原稿251は出口側ガイド268の作
用によって垂直搬送部269に送られ、原稿受け部271に排
出されることになる。
(5−10)ソータ 第15図と共に10ビンのソータ38について具体的に説明
する。
第15図はソータの外観を表わしたものである。10ビン
のソータ38は、10枚のビン281が一体として昇降できる
ようになっている。ソータ本体282には、この昇降を行
うための駆動源(ビンモータ)と、1ビン分ずつの移動
位置をコントロールするためのカムおよびカムスイッチ
と、ビン281が下限位置に到達したことを検出するため
のダウンリミットスイッチ(共に図示せず)が配置され
ている。
コピー用紙60は第4図に示した搬送ロール68、68によ
って矢印284方向に進み、ソータ本体282に送り込まれ
る。そして、その時点でその搬送路に対向しているピン
に対して排出されることになる。なお、ソータによって
はビン281を昇降させず、代ってソータ本体282を昇降さ
せて排出路の切り換えを行うこともできる。ソータ38の
モード選択は、第5図に示したソータ用パネル74を操作
することにより行われるようになっている。
(5−11)中間トレイ 次に中間トレイ33について説明する。
第16図は中間トレイ33を中心とした搬送系を表わした
ものである。
ベースマシン21内のヒートロール66によって熱定着さ
れたコピー用紙60は、同じくベースマシン21内に配置さ
れたデュプレックス・ゲートソレノイド351によって排
出トレイ側に出すか中間トレイ33側に送り込むかの制御
が行われる。第1のデュプレックス・パスセンサ352は
ベースマシン21側に、また第2のデュプレックス・パス
センサ353は第2の供給トレイ31−2の近傍にそれぞれ
配置されており、中間トレイ33の近傍に到達する前のコ
ピー用紙60について紙詰まりの検出が行われる。
ところで中間トレイ33には、コピー用紙60の先端をト
レイ先端まで送り込むための送りロールが存在しない。
そこで送られてきたコピー用紙60のサイズに応じてこれ
らを所望の位置まで搬送しトレイに“落下させる”ため
の3つのデュプレックス・ソレノイド・ゲート355〜357
が配置されている。これらのデュプレックス・ソレノイ
ド・ゲート355〜357は送り込まれる用紙のサイズに応じ
てソレノイドを択一的に動作させ、対応するゲートの開
閉を行うようになっている。スキューロール・ソレノイ
ド・ゲート358は、この“落下”してきたコピー用紙60
の先端の一角を中間トレイ33の先端の角に当てるように
制御し、送られてきたコピー用紙60の1枚1枚の先端を
揃えるゲートである。この動作が1枚分終了するごとに
メインビリングカウンタ211のカウントアップが行われ
る。
中間トレイ33はすでに説明したようにトレイ制御用CP
U128によって制御されるようになっており、デュプレッ
クス・モータ361(第8図)の制御によってコピー用紙
の搬送を行う。デュプレックス・ノーペーパセンサ362
はこの中間トレイ33におけるコピー用紙60の有無を検知
するセンサである。デュプレックス・フィードクラッチ
363は、コピー用紙60の送り出しを行うための駆動源に
ついてオン・オフ制御を行うための機構である。
インバータ・ゲートソレノイド364は、両面コピーを
とるか同一面に複数のカラーでマーキングを行ったり合
成コピーをとるかどうかの切り換えを行うソレノイドで
ある。すなわち、第16図に示したような向きにインバー
タ・ゲートソレノイド364が位置している場合、搬送路3
65を下向きに落下するように搬送されてきたコピー用紙
60はインバータ・ゲートソレノイド364に案内されて落
下した後、搬送ロール367、368によって今度は上向きに
搬送される。そして、インバータ・ゲートソレノイド36
4の手前で図の右方向に搬送方向を変更され、中間トレ
イ33に表裏逆の状態で収容される。この状態で搬送が再
開されると、両面コピーがとられることになる。
これに対して、下向きに搬送されてきたコピー用紙60
がインバータ・ゲートソレノイド364の手前でそのまま
図の右方向に搬送方向を変更されると、もとの表側が再
び上になる状態で収容される。この後者の状態で搬送が
再開されると、同一面に再度コピーがとられることにな
る。一般にN種類のカラーでマーキングを行う場合に
は、1枚のコピー用紙60がN回中間トレイ33に収容さ
れ、この後にモノクロで現像が行われて排出される。ま
た、戸籍抄本を作成する場合のように基準領域に対して
1つの移動領域の記録位置を移動させる場合には、1枚
のコピー用紙60が1回中間トレイ33に収容され、この後
に送り出しタイミングをずらして送り出され、再度モノ
クロによる現像が行われた後、機外に排出される。異な
った2つの移動領域を移動させる場合には、全部で3回
の現像が必要なので、1枚のコピー用紙60が中間トレイ
33に2回収容されることになる。
デュプレックス・フィードセンサ369は、中間トレイ3
3から送り出されたコピー用紙の紙詰まりの有無を検知
するためのセンサである。
(5−12)エディタパッド 第17図および第18図と共にエディタパッド132につい
て具体的に説明する。
このうち第17図はエディタパッドを装着した複写機の
システム構成を表わしたものである。すなわち本発明の
実施例としての第3図に示した複写機の構成では、DADF
24をプラテンガラス55の上に取りつけているので、エデ
ィタパッド付きプラテン26をこの上部に装着することが
できない。
第17図に示した複写機では、第1の供給トレイ31−1
が備えられたベースマシン21の上部にエディタパッド付
きプラテン26が取りつけられている。図で四角の部分が
エディタパッド132である。なお、この複写機にはバッ
クリットタイプのコソールパネルが配置されている。ま
たベースマシン21の下部には、第2および第3の供給ト
レイ31−2、31−3のみが収容されたキャビネット401
が配置されている。ベースマシン21にはソータが取りつ
けられておらず、排出されるコピー用紙を収容するため
の排出トレイ37が取りつけられている。コンソールパネ
ル27の配置されているパネル面の左端近傍にはICカード
装置22Aが配置されており、この上部にICカード131をセ
ットすることができるようになっている。上面に液晶表
示板が組み込まれているICカードでは、ICカード装置22
Aに組み込んだ状態で、表示板としての動作も行なうこ
とができ、複写機に表示機能を増設させたり、表示機能
のない複写機に表示機能を付加することができる。
複写機の一般的な構成については、先の第2図で説明
したのでこれを参照されたい。なおエディタパッド132
は座標の入力に大変便利なものである。特にこれを戸籍
抄本の作成に用いると、原本それぞれにおける基本欄等
の位置関係が一定していない場合であっても、これらの
座標データを個別に入力するので、原本の作成時期等を
配慮することなく、抄本の作成等の画像処理を行うこと
ができるという長所がある。
エディタパッド132は、第3図に示した本実施例のよ
うな構成の複写機にも単独で使用することが可能であ
る。この場合には、エディタパッド132が机上等に配置
し、コードを用いてICカード装置22(第3図参照)と直
接接続したり、あるいはICカード131に座標データを書
き込み、これをICカード装置22に装着して使用すること
になる。
第18図はエディタパッドの構成を表わしたものであ
る。エディタパッド132は、縦307mm、横432mmの長方形
の座標入力用パッド405を備えている。このパッドの手
前側の幅10mmの領域は次に説明するエディタパネル406
となっている。エディタパネル406を含んだエディタパ
ッド132は、X軸上の位置を指定する抵抗線を配置した
第1のゴムパッドと、Y軸上の位置を指定する抵抗線を
配置した第2のゴムパッドとをスペーサを介して重ね合
わせた構造となっており、オペレータの指や先の尖った
ペン等によって圧力の加えられた位置をX、Y座標上の
値として感知できるようになっている。エディタパネル
406の手前には、各種情報を表示するための表示パネル4
07が配置されている。また、エディタパッド132の内部
後方部分には、座標データを処理するための基板やイン
ターフェイス回路用の基板408が配置されている。
第19図は第18図で説明したエディタパネルおよび表示
パネルの部分の要部を表わしたものである。エディタパ
ネル406には、次のようなボタンが配置されている。
(イ)特殊機能ボタン411; 特殊機能を用いるときに使用するボタンである。本実
施例では、3種類の特殊機能ボタン411A〜411Cが配置さ
れている。このうちの第1の特殊機能ボタン411Aは第1
の戸籍合成のために使用されるボタンである。このボタ
ンを使用すると、同一の原稿を使用して基準領域と移動
領域を指定し、戸籍抄本が作成される。第2の特殊機能
ボタン411Bは第2の戸籍合成のために使用されるボタン
である。このボタンを使用すると、複数の原稿に跨がっ
て基準領域と移動領域を指定し、戸籍抄本が作成され
る。第3の特殊機能ボタン411Cは、この他の特殊機能を
活用するときに使用されるボタンである。
(ロ)寸法変倍ボタン412; 距離を指定して縮倍率を指定するときに使用するボタ
ンである。
(ハ)抽出ボタン413; 指定された領域を抽出するためのボタンであり、モノ
クロ(白黒)記録について使用される。
(ニ)削除ボタン414; 指定された領域を削除するためのボタンであり、同じ
くモノクロ(白黒)記録について使用される。
(ホ)連写カラー合成ボタン415; 連写カラー合成の機能を指定するときに使用するファ
ンクションボタンである。
(ヘ)マーキングカラーボタン416; マーキングカラーの機能を指定するときに使用するフ
ァンクションボタンである。
(ト)部分カラー変換ボタン417; 部分カラー変換の機能を指定するときに使用するボタ
ンである。
(チ)カラー反転ボタン418; カラーで指定された領域を黒色にしたり、黒色で指定
された領域をカラーに変換するときに使用するボタンで
ある。連写カラー合成ボタン415、マーキングカラーボ
タン416、部分カラー変換ボタン417およびカラー反転ボ
タン418はカラー記録についてのファンクションボタン
である。
(リ)指定方法ボタン419; 領域の指定を、矩形における対角線の両端の2点の座
標値で行うか、多角形の各点の座標値で行うかの選択を
行うためのボタンである。
(ヌ)領域・色指定ボタン421; 領域の設定を行う時点で使用するボタンである。
(ル)領域クリアボタン422;領域の指定を解除するとき
に使用するボタンである。
(ヲ)設定終了ボタン423; 1または複数の領域についてそれらの指定が終了した
ときに使用するボタンである。
最初の8つのボタン411〜418に対応する表示パネル40
7の部分には、それぞれそれらのボタンの選択の有無を
表示するための表示ランプ425が付属している。また指
定方法ボタン419については、その指定方法に応じて対
角指定ランプ426または多角指定ランプ427が点灯するよ
うになっている。
(ワ)通常マーキングボタン431;領域内を一様にマーキ
ングするという通常のマーキング形態を指定するための
ボタンである。
(カ)枠マーキングボタン432;例えば特定領域を囲む枠
状の領域を設定してマーキングを行うときに使用するボ
タンである。
(ヨ)ラインマーキングボタン433;例えば太めのアンダ
ーライン状の領域を設定してマーキングを行うときに使
用するボタンである。
(タ)色指定ボタン434〜437;マーキングのカラーは領
域ごとに独立して行うことができるので、マーキングを
行う領域との関係でカラーの指定を行うためのボタンで
ある。ここでは、色指定ボタン434が赤色の指定を行
い、色指定ボタン435が青色の指定を行う。色指定ボタ
ン436は緑色の、また色指定ボタン437は茶色の指定を行
うようになっている。すでに説明したように本実施例の
複写機は、これ以外のカラーの現像装置をセットするこ
ともでき、この場合には、色指定ボタン434〜437の表面
に被せられているトップカバーをそのカラー用のものに
取り替えることになる。(ワ)〜(タ)で説明したマー
キング専用の各ボタン431〜437にはそれぞれ表示ランプ
438が配置されており、どのランプが選択されたかが表
示されるようになっている。
(5−13)大容量トレイ ところで、この複写機には第4および第5の供給トレ
イ31−4、31−5の代わりに大容量トレイ36をセットす
ることができる。そこで本実施例の構成とは異なるが、
これについても簡単に説明する。
第20図はこの大容量トレイの回路構成の概要を表わし
たものである。
大容量トレイ36には、1000〜2000枚のコピー用紙を一
度にセットすることができ、大量のコピーを中断なく作
成することができる。大容量トレイ36には、次のような
回路部品が備えられている。なお大容量トレイ36は、第
8図に示したノイズフィルタ223の出力側から交流電源
の供給を受け、また同じく第8図に示したメイン基板20
1を介してDC電源228から直流電源の供給を受けてこれら
の回路部品を動作させるようになっている。
(イ)ストップセンサ472; コピー用紙60の昇降を行うためのエレベータ機構を備
えた大容量トレイ36についてその下限位置を検知するた
めのセンサである。
(ロ)インターロックスイッチ473; 大容量トレイ36の前面パネルについてその開閉を検知
するためのインターロックスイッチである。
(ハ)ノーペーパ・センサ474; 収容されたコピー用紙60が残り少なくなった時点でこ
れを検知するためのセンサである。
(ニ)サイズセンサ475; コピー用紙60のサイズを判別するためのセンサであ
る。
(ホ)大容量トレイ用モータ476; 大容量トレイ471のエレベータ機構を駆動しコピー用
紙60の収容部分の昇降を行うためのモータである。
(ヘ)セットセンサ477; 前記したエレベータ機構を備えた大容量トレイ36につ
いてその上限位置を検知するためのセンサである。
(ト)大容量トレイ用クラッチ478; コピー用紙60の送り出しを制御するためのクラッチで
ある。
(チ)フィードセンサ479; 大容量トレイ36から送り出されるコピー用紙60の紙詰
まりを検知するためのセンサである。
(6)ICカードによる複写機の制御 (6−1)制御情報の種類 次の第21図は本実施例の複写機に用いられるICカード
に格納されるプログラムの種別を表わしたものである。
ICカード131には、M1〜MNおよびX1〜XMの記憶領域が設
けられており、前者の記憶領域M1〜MNにはそれぞれ独立
してモードプログラムMP1〜MPNが格納されるようになっ
ている。ここでモードプログラムとは、複写条件を設定
するためのプログラムである。また、後者の記憶領域X1
〜XMには、複写機の付加的制御情報を表わしたプログラ
ム(以下付加プログラムという。)XP1〜XPMや各種領域
を指定するための座標データ等のその他の情報Dが格納
されるようになっている。
なお、記憶媒体として比較的小容量のものを使用する
場合には、例えば戸籍抄本作成のためのモードプログラ
ムと、このとき使用する座標データを格納するようにし
てもよい。また、エディタパッド132を使用して、個別
に座標データの入力を行うようにする場合には、記憶媒
体として更に容量の小さいものを使用することができ
る。
一方、ベースマシン21側には基本的制御情報が格納さ
れており、これに付加的制御情報が加えられたものが、
複写機の実行することのできる制御内容となる。この制
御内容について記録条件を設定するのがモードプログラ
ムである。ベースマシン21側のRAM121E(第7図)に
も、モードプログラムを格納する領域が存在している。
RAM121Eに格納されたモードプログラムは、必要によりI
Cカード131に転送され、これに書き込むことができ、そ
の逆も可能である。
第22図は、基本的制御情報と付加的制御情報の関係を
表わしたものである。この図に示すようにROM121Dには
コピー用紙の搬送系の制御や露光制御のように複写機の
基本的な制御に必要なプログラムPと、各種の発展また
は変形を行いうるプログラムA0、B0、C0、D0……が書き
込まれており、これらが全体として基本的制御情報を構
成している。
一方、ICカード131はそこに格納されている付加的制
御情報の種類によって複数の形態をとりうるようになっ
ている。例えば第1のICカード131−1は、プログラムA
1、B1、C1、D1およびS1を格納している。また第2のIC
カード131−2は、プログラムA2、D2およびS2を格納し
ている。
(i)ここでプログラムAは縮倍率に関するものであ
る。このうち基本的制御情報としてのプログラムA0は1
種類の固定倍率(100%;等倍)の設定に関するもので
ある。第1のICカード131−1に格納されている付加的
制御情報としてのプログラムA1はこれらの固定倍率の他
に200%から50%までの1%刻みの任意倍率を設定でき
る制御情報が加えられている。また、第2のICカード13
1−2に格納されている付加的制御情報としてのプログ
ラムA2には、11種類の縮倍率(50%、61%、70%、81
%、86%、93%、115%、122%、141%、163%、200
%)を設定することのできる制御情報が加えられてい
る。
(ii)プログラムBは原稿の複写形態に関するものであ
る。このうち基本的制御情報としてのプログラムB0は通
常の複写およびADF23ならびにDADF24による一面の複写
に関するものである。第1のICカード131−1に格納さ
れている付加的制御情報としてのプログラムB1には、製
本原稿に対する見開きの2ページを順に複写する機能
(連写機能)と、DADF24による両面の複写機能を可能と
する制御が追加されている。第2のICカード131−2に
はプログラムBが追加されていない。
(iii)プログラムCは現像の形態に関するものであ
る。このうち基本的制御情報としてのプログラムC0はメ
イン現像装置59Mまたはサブ現像装置59Sによる1色の現
像制御を扱っている。第1のICカード131−1に格納さ
れている付加的制御情報としてのプログラムC1は、原稿
の特定領域にカラーでマーキングを行うマーキングカラ
ー処理のように、2色あるいは多色で書類の作成を行う
ための制御情報を扱っている。第2のICカード131−2
にはプログラムBが追加されていない。
(iv)プログラムDはマーキングカラー処理等に使用す
る座標データの入力形態に関するものである。このうち
基本的制御情報としてのプログラムD0は、テンキー80を
使用した座標入力を行う制御を扱っている。第1のICカ
ード131−1に格納されている付加的制御情報としての
プログラムD1はテンキー80のみでなく、エディタパッド
132や多のICカードから座標データの入力が行なえるよ
うな制御を扱っている。また、第2のICカード131−2
に格納されている付加的制御情報としてのプログラムD2
には、テンキー80による座標データの入力と、エディタ
パッド132による座標データの入力とが行なえるような
制御を扱っている。
(v)プログラムSはコピー作業の開始に関するもので
ある。このプログラムSが格納されていない基本的制御
情報では、1日の稼働時間、例えば朝9時から12時まで
と午後1時から5時までしかコピー作業を開始させるこ
とができない。すなわち、昼休みや残業時間にコピーを
とることができず、これらの時間における機密文書の無
断コピーや私的なコピーを防止することができる。第1
のICカード131−1に格納されている付加的制御情報と
してのプログラムS1は、コピー作業の時間的な制限をな
くしている。また、第2のICカード131−2に格納され
ている付加的制御情報としてのプログラムS2は、午後7
時以降のコピー作業の禁止と、コピー作業の行われた日
時および枚数に関するデータをICカード131−2自体に
書き込むための情報を取り扱っている。
このように、第1のICカード131−1には第2のICカ
ード131−2よりも活用範囲の広いプログラムが格納さ
れている。第1のICカード131−1の表面は例えば金色
に着色されており、例えば銀色に着色された第2のICカ
ード131−2と区別することができるようになってい
る。この複写システムでは、この他図示しないが表面が
緑色に着色された第3のICカード131−3が用意されて
おり、複写機の自己診断等の他の機能を実現するために
使用されるようになっている。
なお、ICカード131等の記憶媒体の表面には、 等のように部長、課長、平職員等の役職を表わす記号と
同時に、この手段によって使用可能な機能を表示するよ
うにしてもよい。例えば記憶媒体の表面に と記されていれば、いつでもどのような機能でも使用す
ることができるが、 と記されていれば、戸籍抄本の作成モード、ADF23の使
用が可能であり、また18時以降のコピー作業は機密保護
のために行うことができない。
以上説明したようにこの複写機ではICカード装置22に
セットするICカード131の種類に応じて複写機の機能が
変化することになる。そして、更にセットされたICカー
ド131における複写条件の選択によってそのカード所有
者に最適なコピー作業を行わせることができる。
(6−2)ICカードの利点 さて、本実施例では複写機との間でデータの交換を行
う記憶媒体としてICカード131を使用することにした。
記憶媒体としては、カード状に形成することのできるも
のに限定しても代表的なものに(i)磁気カード、(i
i)ICカードおよび(iii)光カードがある。
このうち(i)磁気カードは磁気ストライプに情報を
記憶するもので、主として銀行のキャッシュカードや各
種クレジットカードとして用いられているものである。
この磁気カードは一般に72バイトの記憶容量を持ち、72
文字の記憶が可能である。磁気ヘッドを用いて情報の読
み書きを行うことができ、反復使用が可能である。カー
ド自体の価格が大変安いが、カード上での演算ができな
いことと、記憶容量が大変に少ないことが欠点として挙
げられている。
これに対して(ii)ICカードは、カード内にCPU(中
央処理装置)とメモリを配置したもので、記憶容量が例
えば2、8Kバイトと大変多く数百万程度の文字を記憶す
ることができる。また、データの読み書きと反復使用が
可能であり、救急医療カードやショッピングカード等へ
の利用が期待されている。カード上での演算も可能であ
るが、製造単価が高いという欠点がある。
最後に(iii)光カードは写真製版法で情報を書き込
み、これを光センサを用いて読みだそうとするものであ
り、記憶容量は例えば400Kバイトから2M(メガ)バイト
と非常に大きい。製造価格は量産時にかなり安くなる
が、カード上での演算や情報の追記が不可能であり、現
状では書籍や辞書、電話帳、教育用ソフト等の用途が期
待されている。
本発明で記憶媒体として要求されるのは、リーダにセ
ットされて情報の読み出しを行なえるものである。従っ
て、本発明の記憶媒体には光カードも含まれる。ただし
本実施例ではICカード装置22としてリーダ・ライタを用
いており、ざての書き込みを行なえるようになってい
る。そこで磁気カードを較べて記憶容量が大きく、かつ
セキュリティでも格段に優れているICカードを記憶媒体
として複写機に使用することにしている。
なお、本実施例の複写機に適用することのできる他の
記憶媒体としては、3.5イチ等のフロッピーディスクや
磁気テープあるいは磁気バブルメモリ等も存在する。
(6−3)ICカード装置の構成 第23図は、ICカード装置におけるICカードの接続部分
の回路構成の要部を表わしたものである。ICカード装置
22は第6図に示したようにカード用CPU129を備えてい
る。カード用CPU129は4K(キロ)バイトの記憶容量をも
つRAM(ランダム・アクセス・メモリ)511と、4Kバイト
の記憶容量をもつROM(リード・オンリ・メモリ)512を
備えている。ここでROM512はICカード装置22の制御を行
うためのプログラムを記憶したメモリであり、RAM511は
各種データを一時的に記憶するための作業用メモリであ
る。
カード用CPU129は2つのシリアルパラレル変換器51
3、514に接続されている。第1のシリアルパラレル変換
器513はICカード装置22にセットされるICカードとの間
でシリアルデータの送受を行い、カード用CPU129との間
でパラレルデータの送受を行うようになっている。第2
のシリアルパラレル変換器514は、ベースマシン21との
間でシリアルデータの送受を行い、シリアルパラレル変
換あるいはパラレルシリアル変換を行ってカード用CPU1
29との間でパラレルデータの送受を行う。ICカード装置
22内には2つのクロック発生回路515、516が用意されて
おり、第1のクロック発生回路515は、4.9152MHzのクロ
ック信号をICカードに供給する。また、第2のクロック
発生回路516は、7.3728MHzのクロック信号をカード用CP
U129に供給する。
カード用CPU129は出力ポート518を介してICカードに
電圧V0およびVPPを供給し、またリセット信号RSTの供給
も行う。また入力ポート519を介してICカードからイン
サート信号INSおよびカード有り信号CARDの供給を受け
るようになっている。
(6−4)制御の概要 第24図はICカード装置を備えたこの複写機の制御の概
要を表わしたものである。
複写機のジョブメモリ用のスイッチ84(第5図)が押
されると(ステップ;Y)、液晶表示部112にICカード1
31を操作する際に使用する選択枝が表示される(ステッ
プ)。
第25図は、この選択枝の表示内容を表わしたものであ
る。液晶表示部112には、「どれを選択しますか?」と
いう文章の下に、「呼び出し」、「登録」、「カード登
録」の各選択枝と、これらの1つを選択するためのカー
ソル531が表示される。カーソル531は、選択キー118
(第5図)を操作することによって選択枝間を1つずつ
移動することになっている。なお、ICカード装置22をベ
ースマシン21に取りつけていない状態では「カード登
録」の表示は行われない。
さて、この第25図に示されているようにカーソル531
が「呼び出し」を示している状態で設定キー119が押さ
れれば(ステップ;Y)、ICカード131がセットされて
いる状態ではICカード131からデータの呼び出しが行わ
れるモードに設定され、これ以外の場合にはベースマシ
ン21に配置されているメモリ(不揮発性メモリ121F)か
らデータの読み出しが行われるモードに設定される(ス
テップ)。また、カーソル531が「登録」を示してい
る状態で設定キー119が押されれば(ステップ;Y)、
不揮発性メモリ121Fに対するデータの登録が行われるモ
ードに設定される(ステップ)。更にカーソル531が
「カード登録」を示している状態で設定キー119が押さ
れれば(ステップ;N)、ICカード131に対してデータ
の登録が行われるモードに設定される(ステップ)。
なお、装置によっては「呼び出し」の表示を「メモリ
呼び出し」と「カード呼び出し」の2つに分け、ICカー
ド131が複写機にセットされている状態でもその内部の
メモリからデータの呼び出しができるようになっていて
もよい。
(6−5)データの呼び出し (6−5−1)指定による呼び出し 第26図は、ICカードからデータを呼び出す場合の動作
を具体的に示したものである。
第24図のステップで「呼び出し」のモードに設定さ
れたら、液晶表示部112に「カードをセットして下さ
い」という表示が行われる(ステップ)。オペレータ
がICカード131をICカード装置22にセットすると(ステ
ップ;Y)、ICカード装置22はICカード131からそのフ
ォーマットを表わすデータを受信してこの実施例の複写
機との適合性をチェックする。戸籍抄本を作成する部署
では、前記したように市町村の識別符号や使用する部門
の識別符号をチェックして、異なった市町村用のICカー
ドが使用されたり他の部門用のICカードが悪用されるこ
とを防止する。
フォーマットのチェックが適合と判別されれば、続い
て登録状態データと付加的制御情報の受信が行われる
(ステップ)。ここで登録状態データとは、登録され
たデータそのものの受信ではなく、モードプログラムの
登録状態を示すデータである。登録状態データは、液晶
表示部112に表示される(ステップ)。なお、フォー
マットのチェックを行った結果として不適合とされたと
き、ICカード装置22はフォーマットにエラーが存在する
ことをベースマシン21側に送出し、液晶表示部112にそ
の旨の表示を行わせるようにしてもよい。
第27図は、登録状態データの表示内容の一例を表わし
たものである。この図に示すように「どれを選択します
か?」という文章の下にM1〜MNのN種類の記憶領域がそ
れぞれ皿535の図形として表示される。その左隣りに配
置されている“1"から“N"までの数字は領域を示す番号
である。皿535には、符号“M"が表示されているもの
と、何も表示されていないものとがある。ここで符号
“M"が表示されているものについては、すでにモードプ
ログラムが登録されている。何も表示されていない皿
は、空の皿でありモードプログラムが格納されていな
い。
第28図および第29図は、これらの表示の変形例を表わ
したものである。このうち第28図に示した例では、モー
ドプログラムが登録されている記憶領域についてのみの
番号が表されている。また、第29図に示した例では、符
号“M"を表示する代わりとして皿535に水が入った状態
を表示している。第28図に示した表示方法では、必要な
記憶領域にカーソルを迅速に設定することができるとい
う利点があるが、領域の総数が表示されず、また登録さ
れたデータがなにもないときには、表示がなにも行われ
ずオペレータに不安感を与えるという問題があり、何ら
かの注記的な表示が必要になる。
第26図に戻って説明を続ける。登録状態の表示が行わ
れたら、オペレータは所望の記憶領域を選択する。
(i)今から複写機を所望の複写条件に設定する場合、
オペレータはコンソールパネル28に該当する箇所のラン
プ表示を行わせるために複写条件に対応するモードプロ
グラムの記憶領域を選択する。本実施例の場合には、戸
籍抄本を作成する場合に第1番目の皿を選択し、戸籍謄
本を作成する場合には第2番目の皿を選択する。第4番
目の皿は、他の作業例えば住民票の抄本を作成する場合
等の他の場合に選択される。もちろん、1つの原本から
基準領域と移動領域の双方を選択する場合には、このた
めに用意されたプログラムの記憶領域として、第1番目
の皿を選択するようになっていてもよい。この場合に
は、2つの原本に基準領域と移動領域が跨がっている場
合、例えば記憶領域として、第2番目の皿を選択するこ
とになる。
(ii)これに対して、オペレータが複写機の不揮発性
メモリ121F(ジョブメモリ)に戸籍抄本作成のための複
写条件等を格納しようとする場合には、この格納しよう
とする複写条件の記憶領域を選択する。実施例で使用さ
れる複写機が戸籍抄本や戸籍謄本を作成するために専用
で使用される場合には、サービスマン等が用意してきた
ICカード内のデータを複写機にコピーして、以後ICカー
ドの助けを借りずに戸籍抄本等の作成をすることができ
ることが必要な場合もあるからである。
この後者の場合において設定キー119が押されたら
(ステップ)、カーソル531の指示する番号が読み出
され、これに対応する記憶領域(メモリ)にモードプロ
グラムが登録されているかどうかの判別が行われる(ス
テップ)。オペレータが過って未登録の番号“3"を指
定したとすると(Y)、「カードのメモリ3は登録され
ていません」という文章等の表示が行われる(ステップ
)。
第30図はこのような表示の一例を表わしたものであ
る。この表示状態でオペレータはICカード131からのデ
ータの呼び出しの中止と、記憶領域の番号の変更の変更
のうちの1つをカーソル535で選択することができる。
ここでオペレータが「中止」を指定して設定キー119を
押した場合には(ステップ;Y)、第31図に示したよう
に「コピーできます」という表示が行われる(ステップ
)。この場合、複写機はなんらのモードにも設定され
ていないので、オペレータはコピー濃度やコピー用紙の
サイズ等を自分で設定する必要がある。
これに対して、オペレータが「番号変更」を選択して
設定キー119を押した場合には(N)、ステップに戻
って登録状態の再表示が行われる。なお、装置によって
はオペレータが誤って未登録の番号を指示した場合には
(ステップ;Y)、第30図に示したような未登録表示を
行わず、例えば6秒経過後に自動的に第24図のステップ
の表示に戻るようにしてもよい。この場合、オペレー
タは再び「呼び出し」、「登録」、「カード登録」の各
選択枝のうちから1つを選択し、複写機を所望のモード
に設定して所望の作業を行うことになる。
ところでステップで指定した番号が登録されたもの
であった場合には(ステップ;N)、その番号の記憶領
域のモードプログラムがICカード131から読み出される
(ステップ)。そしてこの読み出されたモードプログ
ラムで複写条件の設定を行うのか、あるいは本体側のジ
ョブメモリへの登録を行うのかを選択させるための表示
が行われる(ステップ)。
第32図はこの表示内容を表わしたものである。液晶表
示部112には「どれを選択しますか?」という文章の下
に、コンパネモード(コンソールパネル・モード)と本
体ジョブメモリの2つのモードが表示されており、これ
らの一方をカーソル531で選択するようになっている。
オペレータがコンパネモードを選択して設定キー119
を押した場合には(ステップ;Y)、先に選択された記
憶領域に格納されたモードプログラムで複写条件の設定
が行われる(ステップ)。すなわち、コンソールパネ
ル28がその複写条件を表示し、液晶表示部112には「コ
ピーできます」の表示が行われる(ステップ)。オペ
レータはこの状態でスタートボタン117を押してコピー
作業を開始させることができる。もちろん、コピー作業
の開始に際しては、必要によりコンソールパネル28を操
作して、モードプログラムによって設定された複写条件
を手直しすることができる。
これに対して、オペレータが本体ジョブメモリ側のモ
ードを選択して設定キー119を押した場合には(ステッ
プ;N)、不揮発性メモリ121Fに複写条件を登録するた
めのモードが実行される(ステップ)。そしてこの
後、液晶表示部112に「コピーできます」の表示が行わ
れる(ステップ)。このとき、複写機は現在登録を行
った複写条件とは無関係に、その登録作業の直前で設定
されていた複写条件でコピー作業を行うことになる。
第33図は、第26図のステップで説明した作業の内容
を更に詳しく示したものである。まず、本体ジョブメモ
リ側がオペレータによって選択されると、第26図のステ
ップで読みだしたICカード131側のモードプログラム
と同一のプログラムが、ベースマシン21側のジョブメモ
リに登録されているかどうかの判別が行われる(ステッ
プ)。これは、オペレータのミス等によってICカード
131側のモードプログラムと同一のプログラムが、ベー
スマシン21側のジョブメモリにたまたま登録されている
という事態が存在するからである。ICカード131をICカ
ード装置22(または22A)にセットして複写条件を設定
する場合(第26図ステップ)には、本体側の登録内容
と無関係にこのような方法で複写条件を希望のものに設
定するメリットが存在する。これに対してジョブメモリ
の登録を行う場合には、同一のモードプログラムを重ね
て登録することは登録領域の有効活用という観点からは
マイナスである。そこでこの複写機では、ICカード131
から読み出されたモードプログラムと同一のプログラム
が本体側に存在するかどうかの判別を行い、存在すると
きには警告音を発し、それと共に液晶表示部112に所定
の表示を行うようになっている。
第34図は、このような表示の一例を表わしたものであ
る。液晶表示部112には「本体側に同一のデータが存在
します!」という注意表示が行われ、本体側への登録を
中止させるか登録を実行させるかの選択をオペレータに
要求する(第33図ステップ)。オペレータがどちらか
に選択して設定キー119を押すまで(ステップ;Y)、
この表示が行われる。オペレータが「登録中止」を選択
した場合には(ステップ;Y)、第24図のステップで
示した登録モードがキャンセルされる。すなわち、この
場合には第26図のステップに進み、液晶表示部112に
は「コピーできます」の表示が行われる。
次の第1表は、本実施例におけるモードプログラムの
付帯情報を表わしたものである。
これと同様に、ベースマシン21側のジョブメモリにも
各記憶領域に格納されたモードプログラムにそれぞれ機
種情報と時間情報が格納されている。ここで機種番号と
は複写機の種類や同一事業所におけるシリアル番号を表
示したもで、同一事業所でそれぞれ異なった番号が割り
振られている。また時間情報とはモードプログラムが登
録あるいは更新された日時を表わしたもので、例えば第
1番目の記憶領域に書き込まれた時間情報“07091005"
は、7月9日10時05分を表示している。これらの機種情
報および時間情報は、ICカード131がICカード装置22に
セットされてプログラムの書き込みが行われた状態で、
ベースマシン21側のデータとして送られる。
そこでベースマシン21側では、ICカード131から送ら
れてきた機種番号と時間情報と自己のジョブメモリに格
納されている全部の機種番号と時間情報を比較し、共に
一致するものがあれば、両モードプログラムはその内容
が一致していると判別することになる。
モードプログラムが一致しているかどうかの判別は、
これ以外の方法でも行うことができる。例えば各モード
プログラムに作成の度に乱数を発生させてその番号を登
録したり、作成者の名前の略号とその人の文書作成に際
して連番を登録するようなものであってもよい。また、
モードプログラムを構成する複写条件の項目が比較的少
ないような場合には、これらの項目別にプログラムの内
容を直接比較するようなものであってもよい。
第33図に戻って説明を続ける。オペレータが「登録実
行」を選択した場合には(ステップ;N)、ステップ
でICカード131側のモードプログラムと同一のプログラ
ムが、ベースマシン21側のジョブメモリに登録されてい
ない場合と同一の作業が行われる。すなわちジョブメモ
リの登録作業が表示され、どの記憶領域にモードプログ
ラムを登録するかの指定が行われる(ステップ)。す
なわち、液晶表示部112には「本体ジョブメモリのどれ
に書き込みますか?」という表示と、現在の本体側の不
揮発性メモリ121Fにおけるモードプログラムの登録状態
が表示される。なお、複写機によっては「登録中止」と
「登録実行」を選択させることなく、直ちに登録を中止
するようにしてもよい。
第35図はその表示内容の一例を表わしたものである。
第29図で説明したと同様にこの第35図の例では、ジョブ
メモリの登録内容を皿の絵文字で表示している。この表
示内容からは、第1番目の記憶領域と第4番目の記憶領
域にすでにモードプログラムが登録されており、これ以
外の第2、第3および第5の記憶領域が未登録であるこ
とが分る。
この表示状態でオペレータは所望の記憶領域の番号を
カーソル531で選択して設定キー119を押す(ステップ
)。このとき、未登録の記憶領域例えば番号“3"の記
憶領域が選択されれば(ステップ;Y)、その記憶領域
にモードプログラムの登録が行われる(ステップ)。
この登録が終了すると、液晶表示部112には所定の時間
(例えば2秒間)登録終了の表示が行われる(ステップ
)。
第36図はこの登録終了表示の一例を表わしたものであ
る。液晶表示部112には、例えばICカードの2番目の記
憶領域からジョブメモリの3番目の記憶領域にモードプ
ログラムの登録が終了したことが表示されることにな
る。この後、ジョブメモリの登録状態が再び読み出さ
れ、その内容が表示される(ステップ)。この表示は
例えば6秒間行われ(ステップ)、これにより第26図
のステップで説明した作業が終了する。
第37図は第33図のステップで示した表示内容の一例
を表わしたものである。第35図と対比すると分るよう
に、第3番目の記憶領域に対するモードプログラムの格
納が支障なく行われたことが表示されている。このよう
な表示は省略することもできるが、オペレータに安心感
を与える意味でその存在意義は大きい。
さて、ステップにおいてオペレータが既登録の記憶
領域を選択した場合には(N)、次の作業を選択させる
ための選択枝が表示される(ステップ)。
第38図はこの表示内容を表わしたものである。液晶表
示部112には、「該当箇所はデータが登録済みです!」
という注意表示と共に、登録を中止するか、あるいは該
当する記憶領域にそのモードプログラムを重ね書きする
かの選択が表示される。重ね書きを行うということは、
前の記憶内容を後の記憶内容に置き換えることである。
カーソル531および設定キー119の操作によって重ね書き
が指定された場合には(ステップ、;Y)、ステップ
に移行し、該当する記憶領域に対するモードプログラ
ムの登録が行われる。これに対して登録の中止が選択さ
れた場合には(ステップ;N)、第26図をステップで
説明した作業が終了する。
(6−5−2)一括呼び出し 以上説明したようにこの複写機ではICカードをセット
すると登録されているモードプログラムが表示されて、
これから所望のものを選択するようにした。この実施例
の複写機は、その不揮発性メモリ121F(ジョブメモリ)
にモードプログラム選択のための他の幾つかのプログラ
ムが格納されており、複写機をコピーモード以外の特殊
なモードに設定した状態でテンキー80の操作によってこ
れらのモードに切り換えることができるようになってい
る。本実施例の複写機では、モードプログラム選択のた
めのモードとして次のようなものが用意されている。
(i)指定呼び出しモード これは、先に説明したモードであり、これを選択する
と指定したモードプログラムの呼び出しが行われる。
(ii)一括呼び出しモード ICカード131に登録されている全モードプログラムが
一括して呼び出されるモードである。この場合には、呼
び出されたモードプログラムはベースマシン21側に格納
され、次のステップでこれらのモードプログラムの選択
が行われることになる。ICカード131側から幾つかのモ
ードプログラムを呼び出して、これらを逐次使用したり
登録する場合にはこのモードを選択することが便利であ
る。
(iii)優先呼び出しモード 優先的に1つのモードプログラムを呼び出し、複写機
をそれによって指定された複写条件に設定したり、その
モードプログラムをジョブメモリに登録するモードであ
る。例えば戸籍抄本の作成に優先使用される部分では、
このためのプログラムが優先的に呼び出されることが必
要となる。優先呼び出しモードには、ICカード131の1
番の記憶領域に格納されたモードプログラムを無条件に
読み出す“1番選択”モードや、最も時間的に新しく登
録または更新されたモードプログラムを読み出す“最新
選択”モード、あるいは最も多く複写機によって呼び出
されたモードプログラムを読み出す“最多選択”モード
が存在する。
まず一括呼び出しモードについて説明を行う。
第39図は、この一括呼び出しモードにおける動作を説
明するためのものである。このモードではICカード131
がICカード装置22にセットされてその適合性がチェック
されたら(ステップ、)、液晶表示部112に「デー
タ一括呼び出し」の表示が行われる(ステップ)。そ
してICカード131からすべてのモードプログラム等の読
み出しが行われる(ステップ)。データの読み出しが
すべて終了すると、液晶表示部112には代って「どれを
選択しますか」の表示が行われる(ステップ、第27図
〜第29図)。オペレータが今回使用しようとする記憶領
域の番号を指定すると(ステップ;Y)、現在行う作業
が複写条件の設定であるかジョブメモリへの登録である
かの判別が行われる(ステップ)。
複写条件の設定が行われる場合には(Y)、指定され
た記憶領域のモードプログラムによって複写機の複写条
件か設定される。すなわち、その複写条件がコンソール
パネル28上に表示されて、液晶表示部112に「コピーで
きます」の表示が行われ(ステップ)、コンソールパ
ネル28の表示内容を変更しない限りその条件でコピー作
業を行なえる状態となる。
一方、ジョブメモリへの登録が行われる場合には(ス
テップ;N)、そのモードプログラムと同一のプログラ
ムがジョブメモリにすでに登録されているかどうかの判
別が行われる(ステップ)。これについては、先に第
1表と関連して説明した判別作業が行われる。この結
果、同一内容が登録されていた場合には(Y)、「本体
側に同一のデータが存在します!」という注意表示が行
われ、本体側への登録を中止させるか登録を実行させる
かの選択がオペレータに要求される(ステップ、第34
図)。オペレータが設定119を押して「登録中止」を選
択した場合には、ステップに進む(ステップ、;
Y)。これに対して「登録実行」が選択された場合には
(N)、登録作業が実行される(ステップ)。ステッ
プで同一内容の登録が行われていないと判別された場
合も同様である。ステップにおける登録作業は、先の
第33図のステップ〜ステップと同一であるので、そ
の説明を省略する。
第39図におけるステップの登録作業が終了したら、
液晶表示部112に「コピーできます」の表示が行われ
(ステップ)、コンソールパネル28の表示内容を変更
しない限りその条件でコピー作業が可能な状態となる。
(6−5−3)優先呼び出し 第40図は、これに対して優先呼び出しモードの中の
“1番選択”モードが選択されている場合の動作を複写
条件の設定について表わしたものである。このモードで
はICカード131がICカード装置22にセットされてその適
合性がチェックされたら(ステップ、)、ICカード
装置22はICカード131の記憶領域の1番にモードプログ
ラムが登録されているかどうかをチェックする(ステッ
プ)。登録されていれば(Y)、そのモードプログラ
ムが他の必要な制御プログラムと共に読み出される(ス
テップ)。そしてこれにより複写条件が設定され(ス
テップ)、液晶表示部112には「コピーできます」の
表示が行われる(ステップ)。
一方、ステップで記憶領域の1番に登録が行われて
いなかった場合には(N)、登録状態データと付加的制
御情報の受信が行われる。このうち登録状態データは、
液晶表示部112に表示される(ステップ、第27図〜第2
9図)。
登録状態の表示が行われたら、オペレータの所望の複
写条件に対するモードプログラムの記憶領域が選択され
る。これにより設定キー119が押されたら(ステップ
)、カーソル531の指示する番号が読み出され、これ
に対応する記憶領域(メモリ)にモードプログラムが登
録されているかどうかの判別が行われる(ステップ
)。オペレータが過って未登録の番号を指定すれば
(Y)、第30図に示したような未登録表示が行われる
(ステップ)。ここでオペレータが「中止」を指定し
て設定キー119を押すと(ステップ;Y)、第31図に示
したように「コピーできます」という表示が行われる
(ステップ)。この場合、複写機はなんらのモードに
も設定されていないので、オペレータはコピー濃度やコ
ピー用紙のサイズ等を自分で設定する必要がある。
これに対して、オペレータが「番号変更」を選択して
設定キー119を押した場合には(N)、ステップに戻
って登録状態の再表示が行われる。
また、ステップで指定した番号が登録されたもので
あった場合には(ステップ;N)、その番号の記憶領域
のモードプログラムがICカード131から読み出される
(ステップ)。そしてそのモードプログラムによる複
写条件の設定が行われることになる(ステップ)。
なお、ジョブメモリに登録する際に“1番選択”モー
ドで登録作業が行われる場合には、第40図のステップ
の手前の段階で、ジョブメモリに同一プログラムが登録
されているかどうかのチェック作業が行われることにな
る。これ以後の動作は第39図を参照されたい。
第41図はこれに対して優先呼び出しモードにおける
“最新選択”モードが選択されている場合の動作を複写
条件の設定について表わしたものである。このモードで
はICカード131がICカード装置22にセットされてその適
合性がチェックされたら(ステップ、)、ICカード
131にモードプログラムとして格納されているプログラ
ムのうち最っとも新しく登録あるいは更新されたプログ
ラムが選択される(ステップ)。そして、そのモード
プログラムがICカード131から読み出され(ステップ
)、複写条件の設定が行われて(ステップ)、「コ
ピーできます」の表示が行われることになる(ステップ
)。
なお、ジョブメモリに登録する際に“最新選択”モー
ドで登録作業が行われる場合には、第41図のステップ
の手前の段階で、ジョブメモリに同一プログラムが登録
されているかどうかのチェック作業が行われることにな
る。これ以後の動作は同様に第39図を参照されたい。
このような“最新選択”モードの実行は、例えば先の
第1表に示す時間情報を利用することによって簡単に実
現することができる。第42図は“最新選択”モードの実
行を可能とするICカードのメモリ領域の他の例を表わし
たものである。このICカード131には、不揮発性メモリ
が備えられており、そこに各モードプログラムの領域番
号“1"〜“N"別に、登録または更新の日時および複写機
に対するプログラムの呼び出し回数が記録されるように
なっている。例えば“1番”の領域は6月25日10時に登
録または更新が行われており、“3番”の領域は5月3
日の11時に登録または更新が行われている。“2番”の
領域に日時が書き込まれていないのは、所定の時間(例
えば6ヵ月)を経たものなので、複写機にセットされた
時点でその時計機構と照合が行われた時点で日時データ
が消去されたためである。この第42図に示した例では、
“1番”の領域が最新のモードプログラムということに
なり、これが優先して呼び出されることになる。
一方、複写機に対するプログラムの呼び出し回数は、
複写機が“最多選択”モードに設定されたときに使用さ
れるものである。この例では“3番”の領域が最も多く
呼び出されたことになり、“最多選択”モードではこの
領域が優先して呼び出されることになる。なお、複写機
が実際使用したモードプログラムに関するデータがICカ
ード131側にフィードバックするようなシステムでは、I
Cカード装置22が現在のカウント数を読み出し、使用し
たモードプログラムについて“1"を加算してICカード13
1に書き込むようにすればよい。
“最多選択”モードに設定された場合における複写機
の制御は、第41図のステップの選択内容を「最新のプ
ログラムの選択」から「最も多く使用されるプログラム
の選択」に変更されるだけなので、その詳細な説明は省
略する。
なお、本実施例では優先呼び出しモードで1つのモー
ドプログラムを呼び出すことにしたが、優先順位を付け
て呼び出しを行い、この順位に従ってモードプログラム
の設定を行うようにしてもよい。
第43図はICカードに格納された複数のモードプログラ
ムに優先順位を付けて読み出す手順を説明するためのも
のである。ICカード131がセットされた状態でICカード
装置22はICカード131に優先順位が付けられているかど
うかの判別を行う(ステップ)。優先順位が付けられ
ていなければ(N)、液晶表示部112に「優先順位を付
けるためにテンキーの“1"〜“5"を最優先のものから順
番に押して下さい」という表示が行われる(ステップ
)。オペレータはこのときたとえ一部の領域について
未登録であっても、5つの領域すべてについて最優先の
ものから順に番号を入力する。キー入力がすべて終了し
たら(ステップ;Y)、液晶表示部112にその順番が表
示される(ステップ)。この後、所定の時間例えば6
秒が経過したらこの指定された優先順位に従ってICカー
ド131からモードプログラムの読み込みが開始される
(ステップ)。
一方、ステップの段階でICカード131にすでに優先
順位が付けられていた場合には(Y)、そのままその優
先順位に従ってモードプログラムの読み込みが行われる
ことになる(ステップ)。
(6−6)データの流れ 第26図のステップで登録状態データ等の受信につい
て説明したが、ICカード131に付加的制御情報が登録さ
れているような場合には、ICカード131からベースマシ
ン21側に比較的大容量のデータが伝送されることにな
る。そこでこの実施例の複写機では、このようなデータ
の伝送を短時間に行なえるように大容量転送のモードを
設定し、このモードの下でデータの伝送を行うようにな
っている。
第44図はこの大容量伝送によるベースマシン21側に対
するデータの書き込み作業を説明するためのものであ
る。ICカード131をICカード装置22にセットすると、ベ
ースマシン21はこれを検知し、所定のタイミングでデー
タの読み込みを開始する(第26図ステップ)。このと
き、9600BPS(ビット/秒)の転送速度でICカード131か
らICカード装置22にデータの転送が行われる。ICカード
装置22ではこれを4800BPSの速度に変換し、シリアルデ
ータとしてメインCPU121に大容量転送を行う。ここで大
容量転送とは、メインCPU121がベースマシン21側の複写
制御を行っていない状態で各付加装置との間のデータ交
換を一時的に中断して、ICカード装置22との間でデータ
の転送に専念することをいう。
この大容量転送については、本特許出願人が昭和62年
4月22日に「シリアル通信制御方法」という名称で出願
した特願昭62−097440号(特開昭63−264769号公報)に
詳細な開示がある。
メインCPU121に送られたICカード131の付加プログラ
ムは、RAM121Eに格納される。そして、ROM121Dに格納さ
れているデータと併せて複写機の動作制御用のプログラ
ムとなる。
(6−7)データの登録 第45図は、ICカードに対して複写機の現在設定されて
いる複写条件すなわちコソールパネル28上に現在表示さ
れている複写条件を登録するための作業を説明するため
のものである。
第24図のステップで「カード登録」のモードに設定
されたら、液晶表示部112に「カードをセットして下さ
い」という表示が行われる(ステップ)。オペレータ
がICカード131をICカード装置22にセットすると(ステ
ップ;Y)、ICカード装置22はICカード131から登録状
態データと付加的制御情報を受信する(ステップ)。
付加的制御情報も受信することにしたのは、データの登
録作業モード以降にコピー作業が行われることがあるの
で、複写機の機能を向上あるいは変更しておく必要があ
るからである。登録状態データは、第27図に示すように
液晶表示部112に表示される(ステップ)。
登録状態の表示が行われたら、オペレータは複写条件
の登録を行う記憶領域を選択する。これにより設定キー
119が押されたら(ステップ)、カーソル531の指示す
る番号が読み出され、これに対応する記憶領域(メモ
リ)にモードプログラムが登録されているかどうかの判
別が行われる(ステップ)。オペレータが過って既登
録の番号“2"を指定したとすると(N)、「カードのメ
モリ2は登録済みです」という文章等の表示が行われる
(ステップ)。
第46図はこのような表示の一例を表わしたものであ
る。この表示状態でオペレータは、「中止」、「重ね書
き」、「番号変更」および「メモリクリア」のうちの1
つをカーソル535で選択することができる。ここでオペ
レータが「中止」を指定して設定キー119を押した場合
には(ステップ;Y)、第31図に示したように「コピー
できます」という表示が行われる(ステップ)。
これに対して、オペレータが「重ね書き」を選択して
設定キー119を押した場合には(N)、コンソールパネ
ル28に現在設定されている複写条件とカーソル531によ
って指定された領域の番号をICカード131に向けて送信
する。(ステップ)。そして、この送信作業が完了し
たら、第47図に示すように登録完了表示を液晶表示部11
2に所定時間表示し(ステップ)、この後ステップ
の表示を行う。この場合、「コピーできます」という表
示と「登録しました」という表示を同時に行うようにし
てもよいし、例えば1秒ずつ交互に繰り返して表示する
ようにしてもよい。
オペレータが「番号変更」を選択して設定キー119を
押した場合には(ステップ;Y)、ステップに戻って
登録状態の表示が行われ、記憶領域の番号を再指定する
機会が与えられる。また、これ以外の場合、すなわち
「メモリクリア」が指定された場合には(ステップ;
N)、その記憶領域の内容がクリアされる(ステップ
)。これは、データの登録作業で消去作業も併せて行
なえるようにしたからである。該当する記憶領域の内容
がクリアされたら、第48図に示すようにクリア完了の表
示が行われる(ステップ)。この後、「コピーできま
す」という表示が行われる(ステップ)。
なお、データの重ね書きやクリアは前のデータを消去
するという作業であり、慎重を要する。従ってデータの
クリアを例にとると、クリアを実行するために設定キー
119が押された段階で第49図に示すようにクリアの確認
表示を行い、再度設定キー119が押されることを条件と
してデータの処理を行うようにしてもよい。
ステップに戻って、カーソル531によって指定され
た記憶領域が未登録であった場合には(Y)、ステップ
に進む。すなわちコンソールパネル28に現在設定され
ている複写条件とカーソル531によって指定された領域
の番号をICカード131に向けて送信し、登録作業を行
う。
なお、ここでは複写機のコンソールパネル28上に表示
されている複写条件をICカードに登録する場合について
説明した。この実施例の複写機ではこの他、ベースマシ
ン21側のRAM121Fに登録されている1または複数のモー
ドプログラムをICカード131に登録することも可能であ
る。これについては後に説明する。
またここでは、ICカード131からジョブメモリへの登
録と異なり、同一のモードプログラムの重複登録を防止
するためのチェック作業を行っていない。これはICカー
ド131側で幾つかの似たモードプログラムを作成する場
合に基本となるプログラムを複数登録することが考えら
れることと、ベースマシン21側のジョブメモリと異なり
登録領域の管理をそれほど厳格にしなくてよいことを配
慮し、操作手順の簡素化を図ったものである。もちろ
ん、重複登録を防止するためのチェック作業を行うよう
にしてもよい。
(6−8)プログラムのサイズ さて、以上説明したように本実施例の複写機は携帯可
能な記憶媒体としてICカードを使用することができる。
ICカードはその記憶容量が比較的大きいため、本実施例
ではこれを積極的に活用するために複写機の種々の制御
を行うためのプログラムとし付加的制御情報の格納も行
うようにしていることはすでに説明した。
次の第2表は、ICカード131に記憶することのできる
プログラムの種類とそれぞれのプログラムの記憶に要す
るメモリの量の最大値を、一部のプログラムについて表
わしたものである。各複写機では、現在使用される付加
装置や将来の発展性等を考慮して、必要なプログラムを
選択し、ICカード131に書き込むことになる。本実施例
のICカード131はすでに説明したようにその容量が32Kバ
イトなので、格納するプログラムの数が多い場合等の場
合には、必要により複数枚のICカードが用意され、ICカ
ード装置22からこれらが順にロードされたり、複数のIC
カード装置が用意されることになる。もちろん、より大
容量のICカードを使用してもよいし、ICカードを使用目
的別に細分して必要となる付加的制御情報を相対的に減
少させるようにしてもよい。
ここでCRTディスプレイを用いたコンソールパネルと
は、第2図には示していないがCRTと簡単なコンソール
パネルあるいは操作盤を複写機に取り付けたものであ
る。一例としてコピー濃度を設定する場合には、濃度別
に用意された複数のマークをCRT上に表示し、シフトキ
ーやカーソルキーを用いてコピー濃度を選択するように
する。
またSADHとは、原稿の半自動送り装置である。このSA
DHの一端に原稿を手差しすると所定のタイミングでプラ
テンガラスの所定位置までこれが搬送され、露光終了後
に原稿排紙トレイに排出する。戸籍の原本等の書類は作
成が明治時代のように大変古いものがあり、また一部破
損しているものもある。このような書類は、ADF23やDAD
F24よりもSADHによって給送することが書類の保存上好
ましい場合が多い。
この第2表には示していないが例えばソータの他にフ
ィニッシャのプログラムを複写機本体に格納するように
すれば、フィニッシャの購入者がこれを複写機本体に取
りつけることもできる。ここでフィニッシャとは、コピ
ー用紙のソーティングを行うばかりでなく、ソーティン
グ終了後に各ビンにスタックされたコピー用紙をステー
プラで自動的に綴じる機能を持った装置である。
(6−9)プログラムの転送 第50図を基にして追加的制御情報としてのプログラム
の転送について更に詳しく説明する。制御プログラムの
転送は、万一これにミスがあると複写機の動作に異常を
来すので、本実施例の複写機ではこれに対する十分な配
慮が行われている。
さて、ICカード131をICカード装置22にセットする
と、ベースマシン21はこれを検知し、所定のタイミング
でデータの読み込みを開始する。このとき、9600BPS
(ビット/秒)の転送速度でICカード131からICカード
装置22にデータの転送が行われる。ICカード装置22では
これを所定単位だけRAM511(第23図)に格納した後、CR
C方式によるデータのエラーチェックを行う。そして、
転送されてきたデータに誤りがないときには、これを48
00BPSの速度に変換し、シリアルデータとしてメインCPU
121に大容量転送を行う。ここで大容量転送とは、メイ
ンCPU121がベースマシン21側の複写制御を行っていない
状態で各付加装置との間のデータ交換を一時的に中断し
て、ICカード装置22との間でデータの転送に専念するこ
とをいう。
メインCPU121に送られたICカード131のプログラム
は、RAM121Eに格納される。そしてBCC方式によるエラー
チェックが行われた後、ROM121D内に格納されている所
定のプログラムに沿って「使用可能」な状態にある付加
装置に対する各種制御が行われることになる。
ROM121Dに格納されているプログラムには、ジョブ管
理プログラム、タスク管理プログラム、入出力データ制
御プログラム等がある。ここでジョブ管理プログラムと
は、RAM121Eに格納されているプログラムのジョブ実行
順序を管理するプログラムである。また、タスク管理プ
ログラムとは、独立に実行可能な仕事の最小単位として
のタスクの生成と消滅を行うプログラムである。更に、
入出力データ制御プログラムとは、ICカード131内にあ
るデータをRAM121E上に移動するためのプログラムであ
る。ICカード131には、各種付加装置のプログラムの他
にエディタパッド132によって読まれた座標データ等の
各種データも格納することができる。このうち、各種付
加装置のプログラムはRAM121Eまたは装置によっては不
揮発性メモリ121F(第7図)に設けられたプログラム記
憶領域に格納され、各種データはRAM121E(不揮発性メ
モリ121F)のデータ記憶領域に書き込まれることにな
る。
なお、以上ICカード131から複写機本体に対するデー
タの流れを説明したが、複写機本体に蓄えられたデータ
をICカード131に書き込む場合にもこれと同様な大容量
転送が行われる。
(6−10)登録された複写条件の転送 すでに説明したようにこの実施例の複写機はその不揮
発性メモリ121F(第7図)にモードプログラムを複数登
録できるようになっている。このモードプログラムは、
第24図で説明した呼び出しモードで呼び出すことがで
き、その中から所望のものを選択することで複写機を最
適の複写条件に設定することができる。すなわち、ICカ
ード131をICカード装置22にセットしてその中からモー
ドプログラムを選択したと同様に、典型的な複写条件を
簡易に設定することができる。
もちろん、複写機側に用意されたモードプログラムは
各人にある程度共通したプログラムであることが好まし
い。つまり個人的に使用するやや特殊な複写条件につい
てのモードプログラムはICカード等の記憶媒体に格納し
て個人あるいはグループ単位で管理させ、典型的な複写
条件のモードプログラムについては複写機自体に格納し
ておいて、ICカード131を所有していない者もこれを直
接使用したり、コンソールパネル28あるいは27上に表示
させた後に簡単な修正を行って使用できるようにするこ
とが好ましい。
ところで、以上の説明からはICカード131に登録する
モードプログラムはあくまで個人がコンソールパネル28
あるいは27上に“個人的”に設定したプログラムに限ら
れるように思われる。このような観点からすれば、第45
図で説明した登録形態が存在すれば、複写機からICカー
ド131への登録は充分なように思われる。しかしなが
ら、例えば次のような要請があり、本実施例の複写機で
はベースマシン21にすでに登録されたモードプログラム
についてもICカード131に登録できるようにしている。
(i)新しく設置した複写機に、すでに設置されている
複写機と同様のモードプログラムを格納する必要がある
場合。
この場合には、新しいICカード131に既存の複写機の
モードプログラムを書き込み、これを新設された複写機
に読み込むようにすればよい。
(ii)ICカード131の複製を作成するとき。
例えばあるグループでICカード131を1枚所有してい
たのを、紛失が生じる場合を考慮して、あるいは複数の
人が所有できるようにするために複数枚複製を行う必要
が生じる場合がある。このような場合には、必要なモー
ドプログラムを一度複写機に格納し、これを新たなICカ
ードに対して必要な枚数だけ読み出すようにすればよ
い。
第51図は複写機側に登録された複写条件をICカード側
に登録するための作業を表わしたものである。
第45図でも説明したように、第24図のステップで
「カード登録」のモードに設定されたら、液晶表示部11
2に「カードをセットして下さい」という表示が行われ
る(ステップ)。このとき、第5図に示した割り込み
ボタン115を押すと(ステップ;Y)、複写機側に登録
された複写条件をICカード側に登録するためのモードと
なり、液晶表示部112には第52図に示すように、「モー
ドプログラム;カードをセットして下さい」という表示
が行われる(ステップ)。
これに対して、割り込みボタン115を押すことなくIC
カード装置22にICカード131をセットすると(ステップ
;Y)、第45図で説明した登録すなわちコンソールパネ
ル28に表示されてる複写機の現状の複写条件の登録が行
われる(ステップ)。
さて、ステップの表示が行われたら、オペレータは
この登録を行うならICカード131をICカード装置22にセ
ットする(ステップ;Y)。これに対して、割り込みボ
タン115を過って押した場合には、ストップクリアボタ
ン116(第5図)を押す。これにより複写機は元の状態
に戻り、液晶表示部112には「コピーできます」の表示
が行われる(ステップ)。
オペレータがステップの段階でICカード131をセッ
トしたら(Y)、ICカード131およびベースマシン21双
方の登録状態データが抽出され(ステップ)、その内
容が液晶表示部112に表示される(ステップ)。
第53図および第54図は、このときの液晶表示部の表示
例を表わしたものである。これらの図に示すように、液
晶表示部112の左上にはICカード131のモードプログラム
の登録状態が示され、右上にはベースマシン21側のモー
ドプログラムの登録状態が示される。第53図に示した例
では、ICカード131の全部の記憶領域が空きであり、ベ
ースマシン21側は5つのモードプログラムが登録されて
いる。すなわち、この例ではICカード装置22にセットさ
れたICカード131は未登録の新しいカードであると推察
される。
これに対して、第54図に示した例ではICカード131の
4番目の記憶領域にすでにモードプログラムが登録され
ており、ベースマシン21側すなわち複写機本体側の2番
目の記憶領域にはモードプログラムが登録されていな
い。
オペレータは、液晶表示部112に表示された登録状態
を参考にしながら、カーソル531を「カード消去全部登
録」、「一括登録」あるいは「個別登録」のいずれかに
合わせ、設定キー119を押すことになる。
まず、「カード消去全部登録」が選択された場合(ス
テップ;Y)を説明する。この場合には、ICカード131
側にたとえモードプログラムが登録されていても、これ
を消去してベースマシン1側に登録されているモードプ
ログラムすべての登録を行う(ステップ)。
次に、「一括登録」が選択された場合を説明する。こ
の場合(ステップ;Y)には、ICカード131側に空の記
憶領域があることを前提として、その範囲内でベースマ
シン21側のモードプログラムをその若い順番に登録する
(ステップ)。第53図に示した例では、「カード消去
全部登録」が選択されても「一括登録」が選択されて
も、共にベースマシン21側のモードプログラムが5つも
登録されるが、第54図に示した例では前者の場合にはIC
カード131の4番目の記憶領域に登録されていたモード
プログラムが消去されてしまう。また、若い順番に登録
するので、例えばベースマシン21側に5つのモードプロ
グラムが登録されており、ICカード131側に第54図に示
すように1つのモードプログラムが登録されていた場合
には、ベースマシン21側の第5番目のモードプログラム
は登録されないことになる。若い順番に登録する代わり
に、登録あるいは更新が最近行われたものから登録を行
ってもよいし、最も多く使用しているモードプログラム
から登録を行うようにしてもよい。
最後に「個別登録」が選択される場合を説明する。こ
の場合(ステップ;Y)には、例えば第29図に示したよ
うな表示が液晶表示部112に行われ、記憶領域(III)ご
とに指定して、ICカード131への登録が行われる(ステ
ップ)。従って、例えば第3番目と第4番目の記憶領
域を登録する場合には、最初に一方を指定して登録を行
い、次に残りを指定して同様の登録作業を行うことにな
る。
このようにして、モードプログラムをICカード131側
に登録したら、登録されたモードプログラムの番号が液
晶表示部112に表示される(ステップ)。この表示は
6秒間だけ行われ、続いて「コピーできます」という表
示が行われる(ステップ)。
(7)戸籍抄本作成時の制御 (7−1)戸籍抄本作成の形態 第55図および第56図は、戸籍抄本が作成される2つの
場合を表わしたものである。このうち第55図では原本11
の中に基本欄と抄本として抽出すべき欄(抽出欄)が共
に共存する場合を示している。例えば戸籍の多くは第2
子から第5子までを戸籍の筆頭者と同一の原本に記載し
ている。従って、これらの子供や夫婦の一方の戸籍抄本
を作成する場合には、1枚の原本を基にして戸籍抄本が
作成されることになる。この場合には、同図aに示すよ
うに基本欄が基準領域として指定され、抽出欄が移動欄
として指定される。そして、同図bに示すように基本欄
はコピー用紙60にそのままの位置で記録され、抽出欄は
この基本欄に隣接するように移動して記録される。
第56図の場合には、抽出欄が基本欄と異なったページ
に記されている場合である。先の例で第6子以上の子供
が存在する場合には、第6子以上の子供について戸籍抄
本を作成する場合に、このようなケースが生じる。この
場合、異なった原本11−1、11−2について基本欄と抽
出欄の指定が行われる。そして、基本欄はコピー用紙60
の対応する位置に記録され、抽出欄はこれに隣接する場
所まで移動して記録されることになる。なお、抽出欄が
2つ存在する場合には、一方の抽出欄が基本欄と隣接
し、他方の抽出欄が前記した一方の抽出欄と隣接するこ
とになる。
(7−2)同一原本からの抄本作成 それでは、第55図に示した同一原本から抄本を作成す
る場合を具体的に説明する。
前記したようにICカードをICカード装置22にセットし
て登録状態を表示させ(第26図ステップ)、コンパネ
モードを設定すると複写条件の設定が行われて(同図ス
テップ)、コピーが可能な状態となる。
第57図は第26図のステップにおける複写条件の設定
動作を表わしたものである。すなわち、通常の場合には
複写条件はプログラムとして一義的に定まっており、オ
ペレータとの対話で更に複写条件が具体的に定まること
がないが、戸籍抄本の作成の場合にはどの部分の画像を
抽出するかがまだ不明なので、この点についてオペレー
タが操作を行って複写条件が明確化された後に「コピー
できます」の表示が行われることになる(第26図ステッ
プ)。
さて第57図において、液晶表示部112には複写条件の
設定動作の第1段階としてオペレータに戸籍抄本の作成
様式を選択させるための表示が行われる(ステップ
)。
第58図は液晶表示部におけるこの表示を表わしたもの
である。液晶表示部112には、“戸籍その1"と“戸籍そ
の2"を選択させるための表示が行われる。ここで“戸籍
その1"とは、カーソル531近傍のアイコンが示している
ように1枚の原本以上で基準領域と移動領域の双方が設
定される場合をいう。“戸籍その2"は、基準領域と移動
領域が原本のそれぞれ異なったページに属する場合であ
る。カーソル531が図示の状態でオペレータが設定キー1
19を押すと、ベースマシン21側のメインCPU121はこれを
検知し(第57図ステップ)、“戸籍その1"が選択され
たことを知る(ステップ)。そして、まず第1の領域
の指定作業が行われ(ステップ)、続いて同一原本に
ついての第2の領域指定が行われる(ステップ)。
第59図は、これらの領域指定における必要な座標デー
タを説明するためのものである。この図に示す例では、
原本11に基本欄と、筆頭者としての「太郎」を記載した
第1欄、その妻「花子」を記載した第2欄、長男の「一
郎」を記載した第3欄が設けられている。基本欄と所定
の欄を抽出して戸籍抄本を作成するには、この図に示す
ように横軸方向のX座標で基本欄の終了する座標位置X1
と、抽出される欄の開始位置と終了位置をそれぞれ示す
座標位置X2、X3を知る必要がある。複写機では原本の図
で右端から画像の形成を行うので、基本欄の開始位置は
座標データとして入力する必要がない。
第60図は第1の領域の座標データを入力するための液
晶表示部の表示を表わしたものである。カーソル553は
座標位置X1を示しており、オペレータはテンキー80から
mm単位で座標データを入力する。この液晶表示部112に
表示されている設定アイコン555に対応させて設定キー1
19を押すと、座標位置X1が確定し、そのデータがRAM121
E(第7図)に格納される。
第61図は座標位置X1の入力が終了した後の液晶表示部
の表示状態を示したものである。この表示状態でオペレ
ータは第2の領域についての座標位置X2、X3を入力す
る。選択アイコン552に対応させて選択キー118を操作す
ると、これらの座標入力位置の間をカーソル553が移動
するので、入力データ訂正等が可能である。設定キー11
9を押すと、座標位置X2、X3が確定し、それらのデータ
がRAM121Eに格納される。なお、第59図で筆頭者の「太
郎」の戸籍抄本を作成する場合には、座標位置X3のみが
確定すればよい。そこでこの場合には、第1の領域を指
定するための表示が行われたら(第60図)、座標データ
の入力を行わずに設定キー119を押し、第2の領域を指
定するための表示を行わせ(第61図)、この状態で選択
キー118を押して座標位置X3にカーソル553を移動させ、
この座標のみの入力を行うようにしてもよい。
このようにして第2の領域の指定作業が終了すると、
液晶表示部112に「コピーできます」という表示が行わ
れる(第57図ステップ)。第62図はこの表示状態を表
わしたものである。液晶表示部112の左端近傍には1枚
の原本から2つの領域が抽出されることが示されてお
り、このようなアイコンが表示されることでオペレータ
は戸籍抄本の作成に当たって原本の交換が不要であるこ
とを知ることができる。「コピーできます」という表示
の右側に存在する小さなアイコンは、戸籍抄本が1枚の
原本から作成される状態を示している。この表示状態で
オペレータがスタートボタン117(第5図)を押すと、
戸籍抄本作成のためのコピー作業が行われる(ステップ
)。
(7−3)異なった原本からの抄本作成 さて、第63図に示すように初期状態でカーソル531を
“戸籍その2"の側に移動させて設定キー119を押した場
合には(第57図ステップ;N)、まず第1ページ目の原
本(第1の原稿)についての領域指定が行われ(ステッ
プ)、続いて第2ページ目以降の原本(第2の原稿)
についての領域指定が行われる(ステップ)。
第64図は第1の原稿について領域指定を行う場合の液
晶表示部の表示状態を表わしたものであり、第60図に対
応するものである。また、第65図は第2の原稿について
の領域指定を行う場合を表わしたものであり、第61図に
対応するものである。この場合には、第64図における座
標位置X1の入力は必ず必要になる。第65図における第2
の原稿についても、たとえその原稿(原本)の最初の欄
の抽出を行う場合でも両座標位置X2、X3の入力が必要と
なる。なぜなら、このような場合でも基準欄に隣接する
形で他の欄を移動させる必要があるので、その欄の開始
位置を特定する必要があるからである。第57図でステッ
プの作業が終了したら、「コピーできます」の表示が
液晶表示部112に行われる(ステップ)。
第66図は、この場合の表示内容を表わしたものであ
る。第62図と対比すると分るように、この場合には液晶
表示部112の左端近傍に1枚の原本から1つの領域が抽
出されることが示されており、かつこれが「1枚目の原
稿」であることが文字表示されている。従って、オペレ
ータはこの状態で1枚目の原稿を用意することになる。
「コピーできます」という表示の右側に存在する小さな
アイコンは、戸籍抄本が2枚の原本から作成されること
示している。
この表示状態でオペレータがスタートボタン117を押
すと、戸籍抄本作成のためのコピー作業の第1段階が行
われる(ステップ)。そして、これが終了したら(ス
テップ、原稿の2枚目の作業を行うための表示が行わ
れる(ステップ)。
第67図は液晶表示部におけるこの表示を表わしたもの
である。この場合には液晶表示部112の左端近傍に1枚
の原本から1つの領域が抽出されることが示されてお
り、かつこれが「2枚目の原稿」であることが文字表示
されている。従って、オペレータはこの状態で2枚目の
原稿を用意することになる。この表示状態でオペレータ
がスタートボタン117を押すと、戸籍抄本作成のための
コピー作業の第2段階が行われる(ステップ)。この
コピー作業が終了すると、戸籍抄本の作成が終了する。
(7−4)抄本作成時のコピー作業 第68図は以上の作業におけるコピー作業(ステップ
、、))の概要を表わしたものである。まず、座
標位置X1が参照されて基本欄以外の領域の静電潜像がイ
ンターイメージランプ141を用いて消去される。この作
業にはインターイメージランプ用CPU122が用いられる。
基本欄のみの静電潜像は現像されてトナー像が作成さ
れ、コピー用紙60に転写されて定着される。このように
して基本欄の画像のみが記録されたコピーが作成される
(ステップ)。このコピーは中間トレイ33に収容され
る(ステップ)。2枚の原稿(原本)から戸籍抄本が
作成される場合には(ステップ;N)、この後1枚目の
原稿(1号用紙)から2枚目の原稿(2号用紙)に交換
され、スタートボタン117が押されるまで(ステップ
)、コピー作業が中断される。スタートボタン117が
押されたり、原稿1枚から戸籍抄本が作成される場合に
は、2回目のコピー作業を行うために、中間トレイ33か
らコピー用紙60がフィードされる(ステップ)。フィ
ードされたコピー用紙は、ゲートソレノイド237(第13
図)によって搬送が一時的に中断させられる(ステップ
)。ゲートソレノイド237はすでに説明したように本
来はコピー用紙の先端を揃えるためのレジストレーショ
ン用のソレノイドである。このゲートソレノイド237に
よるコピー用紙60の送り出しのタイミング制御によっ
て、感光体ドラム51(第8図)上に形成される2枚目の
原稿の静電潜像が相対的に移動することになる。
一方、2枚目の原稿の静電潜像は、前回と同様にイン
ターイメージランプ141を用いてその不要部分が消去さ
れ、所望の欄の静電潜像のみが残存する状態となる。こ
の残存した静電潜像は現像され、トナー像が作成され
る。このトナー像は、タイミングが調整されて到来した
コピー用紙60に転写される。コピー用紙60はこの後再び
定着され、画像の合成されたコピーとなる(ステップ
)。このようにして作成された戸籍抄本用コピーは、
機外に排出される(ステップ)。
以上説明した実施例ではテンキーを用いて座標データ
の入力を行うようにした。従ってデータが個々に入力さ
れるため、戸籍等の書式が異なっても、これらに対応し
た画像処理が可能となる。また、テンキーで数値を入力
するようにしているため、座標データの修正時にも数値
を液晶表示部に呼び出してこれを修正するだけの処理で
済むという長所がある。
また実施例では記憶媒体としてICカードを用いたの
で、各ICカードを個人単位等で所有させることにより複
写機の個人管理が容易になる。またこれらの者ごとにコ
ピー作業の範囲を制限することが可能となり、例えば休
み時間における私的なコピー作業を制限することができ
る。更に実施例によるはICカードを職業別に用意するこ
とにより、その職業にあった複写倍率やコピー濃度等を
優先的に選択させることができるようになり、各種業種
に合った木目細かなサービスを行うことができる。
また、実施例では絵文字(アイコン)を表示したの
で、複写機の操作に熟れた人にとっては文字による表示
よりも分かりやすく間違いない操作を行うことができる
ようになる。更に、本実施例の複写機では文字表示も専
用のCPU等を用いることで漢字カナ混じり文で行うこと
にしたので、読み間違いを防止することができる。
また、実施例では登録データの削除等の慎重を要する
作業についてはその確認作業を付け加えたので、過って
データを消去することが防止される。
また本実施例ではモードプログラムをICカードに登録
するときこれを無条件で一括して登録する形態と、ICカ
ードに登録できる空き領域がある範囲内で登録する条件
付きの登録形態とを用意したので、ICカード側にすでに
登録されているモードプログラムを過誤により消去する
ことが防止される。またICカード側に登録されているモ
ードプログラムが不要な場合でも、これを消去して複写
機本体側のモードプログラムを登録するという2段階の
作業を行う必要なくモードプログラムを一括登録するこ
とも可能となる。
更に本実施例では記憶媒体の使用に際してそのフォー
マットをチェックしたので、医療等の他の分野で使用し
ているICカード等の記憶媒体に過ってデータが登録され
たり、これらに格納されているデータを消去するといっ
た事故を防止することが可能になる。
また実施例ではICカードからベースマシン21側にモー
ドプログラムを登録するとき重複登録を防止するように
したので、複数の者が共用するベースマシン21側でジョ
ブメモリを効率的に活用することができる。
なお、実施例ではテンキーを用いて座標データの入力
を行ったが、これ以外の入力方法も可能である。例えば
エディタパッド132をICカード装置22に接続して、ここ
から座標入力等の操作を行ってもよいし、ICカード131
に各種座標データを入力しておいてこれらのデータを選
択しながら領域の指定等を行うようにしてもよい。
(7−5)座標データ選択による抄本作成 第69図はICカードに格納された座標データを用いて戸
籍抄本を作成する場合の作業を説明するためのものであ
る。
この例の場合、液晶表示部112にまず「どの時代のも
のですか?」という表示が行われる(ステップ) 第70図はこのときの液晶表示部の表示状態を表わした
ものである。この例の場合には、明治、大正、昭和の各
年代で戸籍の書式が異なっていることを前提としてい
る。このため液晶表示部112には、書式を特定するため
にこれらの時代の選択が行われるようになっている。オ
ペレータが戸籍の作成された時代を選択して設定キー11
9を押すと(ステップ;Y)、明治時代のものであれば
(ステップ;Y)、明治時代用のデータ入力が行われ
(ステップ)、大正時代のものであれば(ステップ
;Y)、大正時代用のデータ入力が行われる(ステップ
)。また昭和時代のものであれば(ステップ;N)、
昭和時代用のデータ入力が行われる(ステップ)。こ
の後、液晶表示部112には「コピーできます」という表
示が行われ(ステップ)、第68図で示したようなコピ
ー作業が行われることになる。
第71図および第72図はこの例の場合のデータ入力の一
例として、明治用入力を行う場合の液晶表示部の表示内
容を表わしたものである。ここで第71図は第1段階とし
て表示される内容を表わしたものである。液晶表示部11
2にはこの状態で、「謄本」、「戸籍抄本その1」およ
び「戸籍抄本その2」のいずれかを選択するための表示
が行われる。
第72図は、このうちの「戸籍抄本その1」が選択され
た場合の表示、すなわち第2段階の表示内容を表わした
ものである。ここには、第1欄から第4欄までの表示が
行われる。オペレータが例えば第2欄の選択を行うと、
その市町村の明治時代用の基本欄と第2欄の座標データ
が読み出され、これらが領域の抽出作業に用いられるこ
とになる。読み出される座標データは、予めICカード13
1から複写機に読み込まれたものであるが、一度ベース
マシン21側の不揮発性メモリ121Fに格納しておけば、IC
カード131を用いることなく同様の作業を行うことも可
能である。
第73図は、戸籍謄本と戸籍抄本を一度に選択する場合
に有効な液晶表示部の表示例を表わしたものである。こ
の例では、液晶表示部112に謄本と抄本の代表的な形態
が示されており、これらのうちからカーソル531で所望
の作業を選択することになる。
なお、以上の実施例および変形例では、戸籍謄本や戸
籍抄本の形式を液晶表示部で選択させることで所望のコ
ピー作業を行わせるようにした。すなわち、ICカードや
複写機本体側に格納されたプログラムはこれらの仕事を
統合した内容のものであった。この代わりに、個々の細
分化された仕事ごとにICカード等の記憶媒体を用意し、
これらを選択的に使用することで作業の単純化を図るこ
ともできる。
第74図と第75図は、このように細分化されたカードを
使用した場合の液晶表示部の表示例を示したものであ
る。このうち第74図に示した例は、長男専用の戸籍抄本
用ICカードが複写機にセットされた場合を表わしてい
る。液晶表示部112には、1号用紙すなわち該当する戸
籍の第1ページ目をセットするように指示が行われてい
る。
第75図は、これに対して六女用のICカードを複写機に
セットした場合を表わしたものである。六女の戸籍は1
号用紙に記載されていないので、すでに説明した“戸籍
その2"の処理が行われることになる。
また、以上説明した実施例および変形例では、戸籍抄
本に認証を付すことを省略して説明したが、この複写機
では認証文を付記したり、更に印影をカラーで記録する
ことができる。
第76図はこの様な戸籍抄本の記録内容を示したもので
あり、第77図はこの戸籍抄本の作成作業の概要を表わし
たものである。第76図で示した戸籍抄本の基本欄と第N
欄はすでに説明した方法でコピー作業を2回行うことに
よって作成する(第77図ステップ、)。以上にはメ
イン現像装置59Mを用い、記録後のコピー用紙60は中間
トレイ33に収容する。この後、認証文の作成が行われる
(ステップ)。これは、認証文を複写機のプラテンガ
ラスの隅に配置して通常のコピー作業を行うことで実現
する。このときにも、メイン現像装置59Mが現像に用い
られる。認証文のコピーされたコピー用紙60は再び中間
トレイ33に収容される。
この後、印影の記録が行われる(ステップ)。この
ときには、朱色あるいは赤色の現像剤を用いたサブ現像
装置が用いられる。この最後の現像の後、コピー用紙60
が機外に排出されることになる。
以上の作業を行う代わりに、コピー用紙60に予め認証
文と印影を印刷しておいてもよいし、複写機のコピー用
紙搬送路にスタンパを配置しておいて、これによりコピ
ー用紙60上に押印を行わせるようにしてもよい。
(8)住民票の作成 ところでこの複写機は戸籍抄本や戸籍謄本以外の書類
の作成にも利用することができる。例えば住民票の謄本
や抄本の作成や、ダイレクトメールの作成に有効であ
る。ここでは住民票の謄本および抄本の作成について簡
単に説明する。
第78図および第79図は住民票の基本となる世帯票の2
つの形式を表わしたものである。このうち第78図に示し
たものでは基本項目601および世帯を構成する各住民に
ついての記載欄(イ〜ハ)602が統一列に配置されてい
る。また第79図に示したものでは、基本項目と各住民に
ついての記載欄(イ〜ト)602が全体として2列に配置
されている。後者のいわゆる並列欄方式は、横浜市、立
川市、名古屋市等の大都市で多く採用されている方式で
ある。住民票の謄本を作成する場合には、これらの基本
項目601および記載欄602を欄の移動を伴うことなく記録
することになる。また住民票の抄本を作成する場合に
は、該当する欄を抽出することになる。
第80図は住民票の1つの欄の一例を表わしたものであ
る。欄604には、住民の氏名、生年月日等の所定の事項
が記載されるようになっている。ところでこのような記
載事項のうち、謄本や抄本を作成する上で画像の記録を
制限される事項がある。この第80図で示した例では、続
柄の記載箇所605や本籍の記載箇所606がそれである。こ
れらの記載事項を第3者に不用意に知らせることは、本
人に不利益な取り扱いを与えることになるおそれがあ
る。そこで法律の改正によってプライバシの保護のため
に所定の事項の記載が制限されることになったのであ
る。
そこで住民票の謄本を作成する場合には、その市町村
が使用する世帯票の様式に従って、予め各欄の消去すべ
き領域の位置座標を求めておき、これらの領域の静電潜
像を除去する必要がある。本実施例の複写機では、例え
ばICカード131から入力された座標データに基づいてイ
ンターイメージランプ141をX軸方向のみならずY軸方
向にも点灯制御することによって、静電潜像の部分的な
除去を簡単に行うことができる。
第81図は第80図に対応したもので、続柄の記載箇所60
5や本籍の記載箇所606の画情報が消去された様子を表わ
したものである。これらの箇所605、606に対応する静電
潜像部分でインターイメージランプ141を点灯させるこ
とで、このような処理が可能となる。
次に住民票の抄本を作成する場合には、戸籍抄本の作
成の場合と同様に必要な領域を幾段階かに分けて抽出す
る。これら該当欄の抽出の段階で、プライバシの保護上
必要な欄に対してインターイメージランプ141の点灯制
御を行えばよい。この場合、ICカード等の記憶媒体に各
処理態様に応じた座標データを一々記憶させていてもよ
いし、各欄の相対的な座標データを記憶させておき、領
域の移動箇所に応じて移動量を加算等させて実際に処理
すべき座標データを算出するようにしてもよい。
このような処理によって住民票の謄本や抄本を作成す
れば、領域の一部削除等を任意に設定変更が行なえるば
かりでなく、ディジタル的な画像処理技術を用いた装置
の出力する画像に較べて原本のコピーとしての重みを伝
える書類を作成することができる。
以上複写機を中心として説明を行ったが、電子複写機
でこのような画像処理を行った場合にはイメージセンサ
を用いた複写機と較べて中間調を木目細かく再現するこ
とができるので、例えば写真を含む画像の移動を行って
も画質が大きく劣化することがない。もちろん本発明は
これ以外の記録装置に適用することができることは当然
である。
「発明の効果」 このように本発明によれば、原稿の種類に対応して原
稿上で抽出すべき各画像領域の位置およびこれらを記録
用紙上に編集して記録する際のそれぞれの記録位置を予
め記憶した画像領域位置記憶手段を用意し、各種原稿に
対応して抽出すべき画像領域の位置を記憶することにし
たので、原稿における戸籍等の書式が作成された年代や
地域で異なっていても、それぞれの原稿から簡単に所望
の画像領域を切り出して編集することができる。また、
画像領域位置記憶手段をICカード等のメモリをもって構
成した場合には、余分のメモリ領域を使用して戸籍抄本
等の書式の作成のための必要なプログラムをこれに格納
させることも可能であり、記憶手段を差し替えるだけで
書式の選択だけでなく、必要なプログラムを記録装置の
本体側にその都度供給することがでるという利点も発生
する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理を示すブロック図、第2図〜第68
図は本発明の記録装置の一実施例を説明するためのもの
で、このうち第2図は複写機のシステム構成を表わした
システム構成図、第3図はこの複写機のシステム構成の
一例を表わした外観図、第4図はこの複写機の概略を示
す概略構成図、第5図はこの複写機のコンソールパネル
の平面図、第6図はこの複写機の回路構成の概要を表わ
した回路図、第7図はメインCPUを中心として更に第6
図を展開して示したブロック図、第8図は複写機の感光
体ドラム周辺の回路構成を具体的に表わしたブロック
図、第9図はサブ現像装置で1回目の現像を行いメイン
現像装置で2回目の現像を行う場合のメインモータとデ
ベ・ソレノイドの動作を示すタイミング図、第10図はメ
イン現像装置で1回めの現像を行いサブ現像装置で2回
目の現像を行う場合のメインモータとデベ・ソレノイド
の動作を示すタイミング図、第11図は複写機の露光系や
コンソール制御部の周辺を具体的に表わしたブロック
図、第12図は複写機の電源や定着装置等を具体的に表わ
したブロック図、第13図はコピー用紙の搬送系の回路構
成を具体的に表わしたブロック図、第14図はDADFの概略
構成図、第15図はソータの斜視図、第16図は中間トレイ
を中心とした搬送系の概要を表わす側面図、第17図はエ
ディタパッドを装着した複写機のシステム構成を表わし
た斜視図、第18図はエディタパッドの平面図、第19図は
エディタパネルおよび表示パネルを表わした平面図、第
20図は大容量トレイの回路構成を示すブロック図、第21
図はICカードに格納されるプログラムの種別を示す配置
説明図、第22図は基本的制御情報と付加的制御情報の関
係を表わした説明図、第23図はICカード装置におけるIC
カードの接続部分の回路構成の要部を示すブロック図、
第24図はICカード装置を備えたこの複写機の制御の概要
を示す流れ図、第25図は液晶表示部における選択枝の表
示内容を示す平面図、第26図はICカードからデータを呼
び出す場合の動作を具体的に示した流れ図、第27図は液
晶表示部における登録状態データの表示例を示す平面
図、第28図および第29図はそれぞれ登録状態データの表
示の変形例を示す平面図、第30図は登録されていない記
憶領域を指定した場合における液晶表示部の表示例を示
す平面図、第31図はコピーが可能なときの液晶表示部の
表示状態を示す平面図、第32図は複写機が一括呼び出し
モードに設定された場合のICカードからのデータの呼び
出しの様子を表わした流れ図、第33図はジョブメモリの
登録モードでの作業内容を具体的に示した流れ図、第34
図は複写機本体にICカードと同一のデータが登録されて
いる場合の選択枝を示す平面図、第35図はジョブメモリ
のどれにモードプログラムを書き込むかを一例として表
わした平面図、第36図はデータの転送状態を示す液晶表
示部の平面図、第37図はジョブメモリのデータ格納状態
の一例を示す平面図、第38図は転送先にデータが格納さ
れていた場合の選択枝を示す平面図、第39図は一括呼び
出しモードにおける動作の流れを示す流れ図、第40図は
複写機が優先読び出しモードにおける“1番選択”モー
ドに設定された場合のICカードからのデータの呼び出し
の様子を表わした流れ図、第41図は複写機が優先呼び出
しモードにおける“最多選択”モードに設定された場合
のICカードからのデータの呼び出しの様子を表わした流
れ図、第42図はICカードの不揮発性メモリの一部につい
てその登録内容の一例を示す説明図、第43図はICカード
のモードプログラムに呼び出しのための優先順位を付け
る作業を示す流れ図、第44図はICカードからベースマシ
ンへのデータの転送の様子を示すブロック図、第45図は
ICカードに対するデータの登録作業を示す流れ図、第46
図は登録済みの記憶領域を登録領域として指定した場合
の液晶表示部の表示内容を示す平面図、第47図は登録が
完了した場合の液晶表示部の表示内容を示す平面図、第
48図は所定の記憶領域のデータをクリアした場合の液晶
表示部の表示内容を示す平面図、第49図は記憶領域のデ
ータをクリアする場合の液晶表示部における確認表示を
示す平面図、第50図はプログラムの読み出しの様子を表
わした回路説明図、第51図は複写機側に登録された複写
条件をICカード側に登録するための作業を表わした流れ
図、第52図はモードプログラムにおけるICカードのセッ
トを要求する表示状態を示す液晶表示部の平面図、第53
図および第54図はICカードおよび複写機本体の登録状態
を表示した液晶表示部の平面図、第55図は基本欄と抽出
欄が同一原本に記載されている場合の戸籍抄本作成の様
子を示す説明図、第56図は基本欄と抽出欄が異なった原
本に記載されている場合の戸籍抄本作成の様子を示す説
明図、第57図は戸籍抄本の作成作業の概要を示す流れ
図、第58図は戸籍抄本を作成する場合の液晶表示部の初
期画面を示す平面図、第59図は座標指定の原理を示す説
明図、第60図は同一原本について第1の領域を指定する
際の液晶表示部の表示状態を示す平面図、第61図は同一
原本について第2の領域を指定する際の液晶表示部の表
示状態を示す平面図、第62図は同一原本について領域指
定が終了した場合の液晶表示部の表示状態を示す平面
図、第63図は初期画面において2つの原本から戸籍抄本
を作成する作業を選択した状態を示す平面図、第64図は
この場合において第1の原稿について領域指定を行うと
き液晶表示部の表示状態を示す平面図、第65図は第63図
に示す場合に第2の原稿について領域指定を行うとき液
晶表示部の表示状態を示す平面図、第66図は異なった原
本について領域指定が終了した場合で第1の原稿につい
てコピー作業が開始する場合の液晶表示部の表示状態を
示す平面図、第67図は異なった原本について領域指定が
終了した場合で第2の原稿についてコピー作業が開始す
る場合の液晶表示部の表示状態を示す平面図、第68図は
戸籍抄本が作成される場合のコピー作業の概要を示す流
れ図、第69図はICカードに格納された座標データを用い
て戸籍抄本を作成する場合の作業を示す流れ図、第70図
は様式を特定するために時代を選択する際に使用される
液晶表示部の表示内容を示す平面図、第71図は第70図に
示す選択が行われた後、作成する書類の選択を行うため
に液晶表示部に表示された内容を示す平面図、第72図は
抽出する欄を選択する作業が行われる際の液晶表示部の
表示状態を示す平面図、第73図は作成する書類を選択す
るための他の例を示す平面図、第74図は長男用抄本カー
ドを使用した場合の液晶表示部の初期画面を示す平面
図、第75図は六女用抄本カードを使用した場合の液晶表
示部の初期画面を示す平面図、第76図は認証文の付加さ
れた戸籍抄本の配置を示す平面図、第77図はこの第76図
に示した場合の書類作成作業の概要を示す流れ図、第78
図は同一欄形式の世帯票の構成を示す平面図、第79図は
並列欄方式の世帯票の構成を示す平面図、第80図は住民
票の記載欄の一部を示す平面図、第81図は第80図に示し
た欄の所定の箇所の記録を削除する例を示す平面図、第
82図は従来提案された記録装置における抄本の作成方法
を示す説明図である。 11……原本、 15……領域設定手段、 16……領域移動制御手段、 22、22A……ICカード装置、 60……コピー用紙、 112……液晶表示部、 121……メインCPU、 121D、512……ROM、 121E……RAM、 121F……不揮発性メリ、 129……カードCPU、 131、131A……ICカード、 141……イターイメージランプ、 511……RAM。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原稿の種類に対応して原稿上で抽出すべき
    各画像領域の位置およびこれらを記録用紙上に編集して
    記録する際のそれぞれの記録位置を予め記憶した画像領
    域位置記憶手段と、 原稿の種類を入力する原稿種類入力手段と、 原稿の各画像領域の編集内容を入力する編集内容入力手
    段と、 前記原稿種類入力手段によって入力された原稿の種類に
    応じて前記画像領域位置記憶手段に記憶された該当する
    原稿の各画像領域の位置を特定する画像領域位置特定手
    段と、 前記編集内容入力手段から入力された編集内容に応じて
    原稿上の所要の画像領域を前記画像領域位置特定手段に
    よって特定された位置にそれぞれ基づいて抽出する画像
    領域抽出手段と、 この画像領域抽出手段によって抽出された原稿上の各画
    像領域を記録用紙上における前記記録位置にそれぞれ記
    録する記録手段 とを具備することを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】前記画像領域位置記憶手段は記録用紙の基
    準位置に画像を記録する基準領域の位置と、この基準位
    置を基準として画像を記録する移動領域の位置とを各画
    像領域の位置として記憶していることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の記録装置。
  3. 【請求項3】移動領域が複数設定され、それらのうちの
    1つが基準領域と隣接し、他の移動領域は順に前の移動
    領域に隣接するような形で記録用紙に記録されることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の記録装置。
  4. 【請求項4】前記画像領域位置記憶手段はメモリカード
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の記
    録装置。
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